JP3039182B2 - オリゴチオフェン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

オリゴチオフェン誘導体およびその製造方法

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JP3039182B2 JP5045592A JP4559293A JP3039182B2 JP 3039182 B2 JP3039182 B2 JP 3039182B2 JP 5045592 A JP5045592 A JP 5045592A JP 4559293 A JP4559293 A JP 4559293A JP 3039182 B2 JP3039182 B2 JP 3039182B2
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昌美 黒田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はオリゴチオフェン誘導
体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】α−ターチオフェンなどのオリゴチオフ
ェン類は生理活性を持つことが知られている。あるいは
チオフェンなどの複素5員環化合物の酸化あるいは電解
重合により得られる重合体は導電性が観測されているな
ど種々の機能が知られている。またポリアセンなどの縮
合多環芳香族についても導電性が知られており、さらに
ナフタレンやアントラセンなど有する化合物については
光導電性などの機能を持つ材料が知られている。これら
の材料を電子デバイスへ応用するために、一般的には真
空蒸着法などによる薄膜としての利用が研究されてい
る。さらにLB法などによる薄膜内での分子配列を制御
することによる、より高機能化のための検討が進められ
ている。
【0003】これらの事実からナフタレンとオリゴチオ
フェンの両方を兼ね備えた化合物は、生理活性、光学
的、電気的機能などの複合機能が期待される。さらにナ
フタレンのペリ位を介してオリゴチオフェンを分子内で
層状に配列させることにより、ナフタレンとチオフェン
環の相互作用だけでなくチオフェン環同士の相互作用も
考えられ、高効率、高機能性の電子写真感光体や有機発
光素子、非線形光学素子などへの応用が期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】オリゴチオフェン類の
合成法としてはHETEROCYCLES,27.1731(1988)に記載され
た方法がある。また1−チエニルナフタレンについては
例えはJ.Amer.Chem.Soc.,89.3487(1967)に報告されてい
るが、ナフタレンのペリ位を介してオリゴチオフェンを
分子内で層状に配列させた化合物は知られておらず、そ
の有効な合成法がないのが現状である。
【0005】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
であり、その目的はナフタレンのペリ位を介してオリゴ
チオフェンを分子内で層状に配列させる新規なオリゴチ
オフェン誘導体およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的は第一の発明
によれば一般式(I)で示されるナフタレンを介し層状
に配列するオリゴチオフェン誘導体とすることにより達
成される。
【0007】
【化4】
【0008】〔式(I)においてR1 ないしR10はそれ
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、
アルキル基またはアリール基を表し、l、mおよびnは
それぞれ1ないし6の整数を表す。〕 また第二の発明によれば一般式(II)で示されるハロゲ
ン置換のジチエニルナフタレン類を金属試薬を用いてカ
ップリング反応により合成し一般式(I)で示されるオ
リゴチオフェン誘導体を製造することにより達成され
る。
【0009】
【化5】
【0010】〔式(II)においてR11ないしR16はそれ
ぞれ水素原子、ホルミル基、アシル基、アルキル基また
はアリール基を表し、Xは塩素あるいは臭素原子、oは
1ないし3の整数、pは1ないし6の整数を表す。〕 さらに第三の発明によれば一般式(III) で示されるジチ
エニルナフタレンのジケトン誘導体をP2 5 あるいは
ローソン試薬を用いて環化反応により合成し一般式
(I)で示されるオリゴチオフェン誘導体を製造するこ
とにより達成される。
【0011】
【化6】
【0012】〔式(III) においてR17ないしR28はそれ
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、
アルキル基またはアリール基を表し、qおよびtは1な
いし6の整数、rおよびsは1ないし2の整数を表
す。〕
【0013】
【作用】オリゴチオフェン誘導体は新規なカップリング
反応あるいは環化反応により調整される。
【0014】
【実施例】つぎにこの実施例を説明する。 実施例1 三つ口フラスコに塩化ニッケル(II)0.08g、亜鉛
1.2g、トリフェニルフォスフィン1.2g、ジメチ
ルホルムアミド20mlを入れて窒素置換し、80℃1
時間加熱攪拌した。この反応液に、N0.(II-1)で示す化
合物1.0gのジメチルホルムアミド溶液を滴下し、そ
のままの温度で攪拌を3時間行った。反応液を室温に戻
し、氷水を加えて固形分を濾過した。固形分をジクロロ
メタンに溶解し不溶分を除去したのち減圧下溶媒を留去
した。得られた組成物をシリカゲルを用いたクロマトグ
ラフィーにより分離し、四塩化炭素より再結晶し0.4
6gの5,5'−ビス〔8-(2- チエニル)-ナフタレン-1- イ
ル〕-2,2'-ビチオフェンが得られた。
【0015】融点:253〜255℃ 質量分析:582(m/z) 元素分析 計算値:C 74.19% H 3.80% 実験値:C 74.19% H 4.06%
【0016】
【化7】
【0017】実施例2 実施例1におけるN0.(II-1)で示す化合物に替えて、N
0.(II-2)で示す化合物を用いる以外は実施例1と同じ操
作により、5,5"'-ビス〔8-(5,2'-ビチオフェン-2- イ
ル)-ナフタレン-1- イル〕-2,2':5',2":5",2"'- クアテ
ルチオフェンが得られた。
【0018】融点:150〜153℃ 質量分析:910(m/z) 元素分析 計算値:C 68.53% H 3.32% 実験値:C 68.40% H 3.48%
【0019】
【化8】
【0020】実施例3 三つ口フラスコにN0.(III-1) で示す化合物0.6g、
ローソン試薬(LR)0.4g、トルエン30mlを入
れて窒素置換し4時間加熱還流した。反応液を室温に戻
し減圧下溶媒を留去した後、得られた組成物をシリカゲ
ルを用いたクロマトグラフィーにより分離し、四塩化炭
素より5,5"−ビス〔8-(2- チエニル)-ナフタレン-1- イ
ル〕-2,2':5',2"-テルチオフェンが得られた。
【0021】質量分析:664(m/z)
【0022】
【化9】
【0023】
【発明の効果】第一の発明によれば一般式(I)で示さ
れるナフタレンを介し層状に配列するオリゴチオフェン
誘導体であり、
【0024】
【化10】
【0025】〔式(I)においてR1 ないしR10はそれ
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、
アルキル基またはアリール基を表し、l、mおよびnは
それぞれ1ないし6の整数を表す。〕 また第二の発明によれば一般式(II)で示されるハロゲ
ン置換のジチエニルナフタレン類を金属試薬を用いてカ
ップリング反応により合成し一般式(I)で示されるオ
リゴチオフェン誘導体を製造し、
【0026】
【化11】
【0027】〔式(II)においてR11ないしR16はそれ
ぞれ水素原子、ホルミル基、アシル基、アルキル基また
はアリール基を表し、Xは塩素あるいは臭素原子、oは
1ないし3の整数、pは1ないし6の整数を表す。〕 さらに第三の発明によれば一般式(III) で示されるジチ
エニルナフタレンのジケトン誘導体をP2 5 あるいは
ローソン試薬を用いて環化反応により合成し一般式
(I)で示されるオリゴチオフェン誘導体を製造するの
で生理活性、光学的、電気的に応用可能な新規な化学物
質が容易に得られる。
【0028】
【化12】
【0029】〔式(III) においてR17ないしR28はそれ
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、
アルキル基またはアリール基を表し、qおよびtは1な
いし6の整数、rおよびsは1ないし2の整数を表
す。〕
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 333/22 C07D 333/18 C07D 333/28 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で示されるオリゴチオフェン
    誘導体。 【化1】 〔式(I)においてR1 ないしR10はそれぞれ水素原
    子、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、アルキル基
    またはアリール基を表し、l、mおよびnはそれぞれ1
    ないし6の整数を表す。〕
  2. 【請求項2】一般式(II)で示されるジチエニルナフタ
    レンを金属試薬を用いてカップリング反応により合成す
    ることを特徴とする一般式(I)で示されるオリゴチオ
    フェン誘導体の製造方法。 【化2】 〔式(II)においてR11ないしR16はそれぞれ水素原
    子、ホルミル基、アシル基、アルキル基またはアリール
    基を表し、Xは塩素あるいは臭素原子、oは1ないし3
    の整数、pは1ないし6の整数を表す。〕
  3. 【請求項3】一般式(III) で示されるジチエニルナフタ
    レンのジケトン誘導体をP2 5 あるいはローソン試薬
    を用いて環化反応により合成することを特徴とする一般
    式(I)で示されるオリゴチオフェン誘導体の製造方
    法。 【化3】 〔式(III) においてR17ないしR28はそれぞれ水素原
    子、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、アルキル基
    またはアリール基を表し、qおよびtは1ないし6の整
    数、rおよびsは1ないし2の整数を表す。〕
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