JP4362683B2 - 非対称ジヒドロフェナジン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子機能性材料、光機能性材料等への、広範な応用が期待できる新規な非対称ジヒドロフェナジン誘導体、およびその新規な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
π電子系有機化合物を光機能材料と電子機能材料に応用しようとする試みは、多種多彩で多くの研究機関で行われている。これらの中で代表的な化合物群の1つとして、基本構造に窒素原子を持つ1群のπ電子系有機化合物、例えば、ジヒドロフェナジン等が知られている。ジヒドロフェナジンは、電子供与性が高く、ドナー分子としての応用が考えられる。
【0003】
ジヒドロフェナジン誘導体をドナー分子として用いた応用例としては、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3等に記載されているように導電材料に応用した例がある。
【0004】
また、非特許文献4に記載されているように磁性材料に応用した例もある。
一方で、ジヒドロフェナジン誘導体を有機EL素子に用いた特開2000−21574号公報があるが、その電子供与性が強い点に関しては全く記載されていない。また、電子供与性を生かした効果も記載されていない。その発光特性に注目しているのみである。
この様な種々の機能性材料に非対称ジヒドロフェナジン誘導体を応用する場合、目的に応じて様々な置換基を導入することは、化合物の性質をコントロールすることに繋がり、その結果、機能性材料の性能が向上するために、非常に重要な技術の1つと考えられる。
【0005】
ところが、従来からのジヒドロフェナジン誘導体の合成法は限定されており、非対称体の合成が困難であるため、材料への応用に制限があった。例えば、非特許文献5に記載されているように特定のものに限定されており、種々の誘導体を自由に合成することはできないという問題点を有していた。特に、この方法では、光機能材料と電子機能材料に応用するために重要となるπ電子系の置換基が片側に入っている例しか記載されておらず、両側にπ電子系の置換基が入った非対称ジヒドロフェナジン誘導体に関する記載がないという決定的な欠点を有していた。このため、新規で簡便な非対称ジヒドロフェナジン誘導体、特にジアリール置換された非対称ジヒドロフェナジン誘導体の合成法が求められていた。
【0006】
また、特開2000−21574号公報には、種々の非対称ジヒドロフェナジン誘導体が記載されているが、その誘導体の物性およびその合成法に関しては、一切触れられていない。さらにまた、特許文献1にも非対称ジヒドロフェナジン誘導体が記載されているが、一方がアルキルであるため、材料としての使用に制限があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−241835公報
【非特許文献1】
アクタ・クリスタログラフィカ・セクションB、B36巻、1435ページ、1980年(Acta Crystallogr. Sect. B, (1980), B36, 1435.)
【非特許文献2】
ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリ、26巻、435ページ、1989年(J. Heterocyclic Chem., 26, 435 (1989).)
【非特許文献3】
ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ・ダルトン・トランザクション、3463ページ、1993年(J. Chem. Soc. DALTON TRANS., 3463 (1993).)
【非特許文献4】
ジャーナル・オブ・ザ・ケミカルフィジックス、74巻、5287ページ、1981年(J. Chem. Phys., 74, 5287 (1981).)
【非特許文献5】
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ、79巻、6178ページ、1957年(J. Am. Chem. Soc., 79, 6178 (1957).)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、非対称ジヒドロフェナジン誘導体を提供すること、及びその簡便な製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の問題を解決し、種々の機能性材料に繋がる新規な非対称ジヒドロフェナジン誘導体、及びその製造法を見いだすべく鋭意検討した結果、フェナジン誘導体に第1の反応剤を反応させ、続いて反応系を不活性化した後、クロスカップリングにより第2の反応剤を反応させることによって得られる非対称ジヒドロフェナジン誘導体を用いた場合、上記問題点が解決されることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の構成を有する。
【0010】
<1> 下記一般式(1)[式(1)中、R1〜R8はすべて水素原子であり;Ar1はフェニルを示し;Ar2は、フェニル、ビフェニリルまたはチエニルを示すが、フェニルは炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、シアノ、ホルミル、またはジアリールアミノで置換されており、ビフェニリルはジアリールアミノで置換されており;そして、ジアリールアミノにおけるアリールは独立してフェニルまたはナフチルである]で表される非対称ジヒドロフェナジン誘導体。
【化2】
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表される非対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造方法で製造できる化合物の具体例としては、下記の化学式(4)〜(12)で表される化合物を挙げることができる。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
一般式(1)〜(3)においてR1〜R8の具体例は既述の通りである。これらのうちでも水素原子、アルキル、アルケニル又はアルキニルが好ましく、水素原子が特に好ましい。本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体の具体例としては、前記化合物(9)及び(11)を挙げることができる。本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体は、本発明の製造法により得ることができる。すなわち、上記一般式(1)で表されるフェナジン誘導体に第1の反応剤を反応させ、続いて反応系を不活性化させた後、クロスカップリングにより第2の反応剤を反応させることによって本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体が得られる。
【0018】
本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造法において、用いられる第1の反応剤としては、例えば、置換あるいは無置換のフェニルマグネシウムハライド、置換あるいは無置換のビフェニルマグネシウムハライド、置換あるいは無置換のナフチルマグネシウムハライド等のグリニャ−ル試薬、置換あるいは無置換のフェニルリチウム、置換あるいは無置換のビフェニルリチウム、または置換あるいは無置換のナフチルリチウム等の有機リチウム試薬があげられ、特に後者が好ましい。また、用いられる溶媒としては、これらの第1の反応剤に不活性なものなら特に制限はなく、通常、ジエチルエーテルあるいはテトラヒドロフラン(以降、THFと略記する)のようなエーテル系もしくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系の溶媒が用いられる。
【0019】
また、本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造法において、用いられる第2の反応剤としては、ブロモベンゼン、ヨードビフェニル、4−フルオロブロモベンゼン、4−ジフェニルアミノ−ブロモベンゼンもしくは1−ブロモナフタレン等のハロゲン化アリール類、クロロピリジンおよびブロモピリミジン等のハロゲン化ヘテロ環類、1−ブロモ−2−フェニルエテンおよび1−ブロモ−2−(4−ジフェニルアミノ)フェニルエテン等のビニル類等が挙げられる。
【0020】
本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造法における第1の反応剤との反応は、不活性ガス中で行うことが好ましく、窒素もしくはアルゴンガス等が使われる。反応温度は、特に制限はないが、通常、−78℃〜室温程度が好ましい。この反応には、特に反応時間に制限はなく、反応が十分に進行している時点で反応を止めればよい。NMRあるいはクロマトグラフィー等の一般的な分析手段により反応を追跡し、最適の時点で反応の終点を決定すればよい。
【0021】
本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造法における第1の反応剤との反応によって精製した中間体の反応性を失活させる方法は、不活性ガス中で行うことが好ましく、窒素もしくはアルゴンガス等が使われる。反応温度は、特に制限はないが、通常、−78℃〜室温程度が好ましい。この反応には、特に反応時間に制限はなく、反応が十分進行している時点で反応を止めればよい。NMRあるいはクロマトグラフィー等の一般的な分析手段により反応を追跡し、最適の時点で反応の終点を決定すればよい。
【0022】
本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造法における第1の反応剤との反応によって生成した中間体の反応性を失活させる方法は、不活性ガス中で行うことが好ましく、窒素若しくはアルゴンガス等が使われる。反応温度は、特に制限はないが、通常、−78℃〜室温程度が好ましい。活性を消失させるために使われる化合物は、後の反応に影響を与えないものであれば制限はないが、例えば、水、メタノール、エタノール等が使われる。これらを適量添加すると、直ちに活性が消失する。
【0023】
本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造法における第2の反応剤との反応は、不活性ガス中で行うことが好ましく、窒素もしくはアルゴンガス等が使われる。反応温度は、特に制限はないが、通常、0℃〜150℃程度が好ましい。この反応には、特に反応時間に制限はなく、反応が十分に進行している時点で反応を止めればよい。NMRあるいはクロマトグラフィー等の一般的な分析手段により反応を追跡し、最適の時点で反応の終点を決定すればよい。
【0024】
非対称ジヒドロフェナジン誘導体におけるAr1〜Ar 2 については既述の通りである。Ar1〜Ar 2 には置換基を導入することもできる。
置換基の導入方法は、非対称ジヒドロフェナジン環の形成前に導入してもよいし、非対称ジヒドロフェナジン環形成後に導入してもよい。
【0025】
このようにして得られたAr1〜Ar 2 の置換基としては、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、シクロペンチル若しくはtert−ブチル等のアルキル、ビニル、アリル、ブテニル若しくはスチリル等のアルケニル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ若しくはtert−ブトキシ等のアルコキシ、ビニルオキシ若しくはアリルオキシ等のアルケニルオキシ、エチニルオキシ若しくはフェニルエチニルオキシ等のアルキニルオキシ、フェノキシ、ナフトキシ、ビフェニルオキシ若しくはピレニルオキシ等のアリールオキシ、トリフルオロメチル等のパーフルオロアルキル、トリフルオロメトキシ若しくはペンタフルオロエトキシ等のパーフルオロアルキルオキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルナフチルアミノ若しくはジフェニルアミノ等の置換アミノ基、トリメチルシリル、ジメチル-tert-ブチルシリル、トリメトキシシリル若しくはトリフェニルシリル等のシリル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ビフェニル、トルイル、ピレニル、ペリレニル、アニシル、ターフェニル若しくはフェナンスレニル等のアリールまたはヒドロフリル、ヒドロピレニル、ジオキサニル、チエニル、フリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、アクリジニル、キノリル、キノキサロイル、フェナンスロリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、シラシクロペンタジエニル、ピリジル若しくはジヒドロフェナジン−5−イル等のヘテロ環基等が挙げられる。さらに、任意の場所で縮合環を形成していてもよい。その様な縮合環基の具体例としてビフェニルの2つのベンゼン環がオルト位で架橋しているフルオレニルを挙げることができる。これらのうちでもAr2の置換基としては置換アミノ基、ジヒドロフェナジン−5−イル若しくはフルオレニルが好ましく、置換アミノ基、ジヒドロフェナジン−5−イルが特に好ましい。
【0026】
本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体は、電子機能性材料および光機能性材料等への広範な応用が期待できる。特に、前記(11)で表わされる化合物を有機EL素子に応用した場合、高効率で長寿命な素子が作製でき、有機EL材料として、本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体は優れている。
【0027】
【実施例】
以下に実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1
<化学式(4)で表される化合物の合成>
アルゴン雰囲気下、フェナジン2.16g(12mmol)のトルエン溶液25.5ml中に室温で濃度1.06mol/lのフェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液15.3mlを滴下した。室温で3.5時間攪拌後、水を約40ml加え、反応を停止させ放置した。別の容器に、還流冷却管を取り付けた二口フラスコにPdd2(dba)3、P(t−Bu)3、そしてNaOt−Buをアルゴン気流下で加えた。脱水トルエンを加え、室温で15分間攪拌した。4−ブロモアニソールをアルゴン気流下加え、さらに室温で15分間攪拌した。攪拌後、先に調製しておいた上澄み液、すなわち、5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジンのトルエン溶液10ml(約3mmol)を加え、アルゴン雰囲気下で、3.5時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液をクロロホルムに溶かし、不溶物をひだ折ろ過した。濾液を濃縮後、アルミナカラム(ベンゼン、ヘキサン混合溶媒)を用いて精製し、収率55%で目的物を得た。
1HNMR (C6D6) δ=7.35-6.73 (m, H), 6.77-6.73 (m, 2H), 6.36-6.26 (m, 4H), 5.90 (dd, 2H, J =7.6 Hz, 1.4 Hz), 5.83 (dd, 2H, J =7.7 Hz), 3.25 (s, 3H).
【0029】
実施例2
<化学式(5)で表される化合物の合成>
実施例1で用いた4−ブロモアニソールを4−ブロモトルエンに代えた以外は、実施例1に準ずる方法で合成した。収率は、79%であった。
1HNMR (C6D6) δ=7.29-6.98 (m, 9H), 6.29 (m, 4H), 5.88-5.81 (m, 4H), 2.08 (s, 3H).
【0030】
実施例3
<化学式(6)で表される化合物の合成>
実施例1で用いた4−ブロモアニソールを4−ブロモシアノベンゼンに代えた以外は、実施例1に準ずる方法で合成した。収率は、44%であった。
1HNMR (C6D6) δ=7.18-7.15 (m, 2H), 7.11 (d, 2H, J = 7.0 Hz), 7.05 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 6.96 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 6.76 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 6.36-6.32 (m, 4H), 5.90-5.86 (m, 2H), 5.71-5.68 (m, 2H).
【0031】
実施例4
<化学式(7)で表される化合物の合成>
実施例1で用いた4−ブロモアニソールを4−ブロモベンゼンジメチルアセタールに代えた以外は、実施例1に準ずる方法で合成した。その後、得られた化合物をアセトンに溶かし、アセトンと同量の1Mの塩酸溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液をベンゼンで抽出、乾燥、つづいて濃縮した。得られた結晶をエタノールで再結晶することにより、目的の化合物を赤色の結晶で得た。収率は、74%であった。
1HNMR (C6D6) δ=9.61 (s, 1H), 7.49 (d, 2H, J = 8.2 Hz), 7.16-7.01 (m, 7H), 6.36-6.32 (m, 4H), 5.91-5.80 (m, 4H).
【0032】
実施例5
<化学式(8)で表される化合物の合成>
実施例1で用いた4−ブロモアニソールを2−ブロモチオフェンに代えた以外は、実施例1に準ずる方法で合成した。収率は、37%であった。
1HNMR (C6D6) δ=7.14 (d, 2H, J = 7.7 Hz), 7.07 (d, 2H, J = 7.3 Hz), 7.03 (t, 1H, J = 7.4 Hz), 6.82 (dd, 1H, J = 5.3 Hz, 1.6 Hz), 6.68-6.64 (m, 2H), 6.36 (td, 2H, J = 7.6 Hz, 1.3 Hz), 6.31 (td, 2H, J = 7.7 Hz, 1.4 Hz), 6.21 (dd, 2H, J = 7.8 Hz, 1.3 Hz), 5.80 (dd, 2H, J = 7.8 Hz, 1.3 Hz).
【0033】
実施例6
<化学式(9)で表される化合物の合成>
実施例1で用いた4−ブロモアニソールを4,4′−ジブロモビフェニルに代え、その化学等量を半分にした以外は、実施例1に準ずる方法で合成した。
【0034】
実施例7
<化学式(10)で表される化合物の合成>
実施例1で用いた4−ブロモアニソールを4−ブロモフェニルナフチルフェニルアミンに、Pd2(dba)3をPd(OAc)2に代えた以外は、実施例1に準ずる方法で合成した。収率は、69%であった。
1HNMR (C6D6)δ=5.79(dd,2H), 6.03(dd,2H), 6.25-6.37(m,4H), 6.79(t,2H), 6.95-7.24(m,16H), 7.53(d,1H), 7.63(d,1H), 8.11(d,1H).
【0035】
実施例8
<化学式(11)で表される化合物の合成>
実施例7で用いた4−ブロモフェニルナフチルフェニルアミンを4−ブロモ−4′−ジフェニルアミノビフェニルに代えた以外は、実施例7に準ずる方法で合成した。収率は、70%であった。この化合物のイオン化ポテンシャルは4.9eVであり、ドナー性の高い化合物であった。
1HNMR (C6D6)δ=5.82-5.85(m,2H), 5.92-5.95(m,2H), 6.26-6.34(m,4H), 6.87(tt,2H), 7.04-7.23(m,17H), 7.34(d,2H), 7.49(d,2H).
【0036】
実施例9
<化学式(12)で表される化合物の合成>
実施例7で用いた4−ブロモフェニルナフチルフェニルアミンを4−ブロモフェニルジフェニルアミンに代えた以外は、実施例7に準ずる方法で合成した。収率は、62%であった。
【0037】
応用例
<有機EL素子への応用>
透明電極ITOの付いたガラス基板を蒸着装置に固定し、実施例8で得られた化合物(11)を入れた蒸着ボート、N,N′−ジナフチル−N,N′−ジフェニル−4,4′−ジアミノビフェニル(以下、NPBと略記する)を入れた蒸着ボート、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(以下、Alqと略記する)を入れた蒸着ボート、弗化リチウムを入れた蒸着ボートおよびアルミニウムを入れた蒸着ボートを蒸着装置に装着した。装置を1X10-3Pa以下まで減圧し、化合物(11)、NPBおよびAlqの入ったボートを順に加熱し、それぞれ、40nm、10nmおよび50nmになるようにガラス基板のITO上に蒸着した。蒸着速度は、0.1〜0.2nm/secであった。次に、弗化リチウムおよびアルミニウムの入ったボートを順に加熱し、それぞれ、0.5nmおよび100nmになるように有機層の上に蒸着し、有機EL素子を得た。この素子に電流を流すと、緑色の発光が得られた。
【0038】
【発明の効果】
本発明の非対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造方法は、簡便に対称ジヒドロフェナジン誘導体の製造方法で得られない非対称ジヒドロフェナジン誘導体が得られ、種々のp共役置換基を独立して導入できる。また、得られた非対称ジヒドロフェナジン誘導体は、磁性材料、導電性材料、有機EL素子および電子写真等の光電子機能材料、およびそれらの原料として有用である。
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