JPH05185763A - 感熱孔版印刷原紙用フィルム - Google Patents
感熱孔版印刷原紙用フィルムInfo
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- JPH05185763A JPH05185763A JP362292A JP362292A JPH05185763A JP H05185763 A JPH05185763 A JP H05185763A JP 362292 A JP362292 A JP 362292A JP 362292 A JP362292 A JP 362292A JP H05185763 A JPH05185763 A JP H05185763A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、有機溶剤で希釈した接着剤で和紙
等の多孔質支持体とラミートする感熱孔版印刷原紙用フ
ィルムに関し、特に低エネルギーの製版装置でも感度良
く有効に製版出来、且つ印刷した場合に綺麗な印刷物が
得られる感熱孔版印刷原紙を提供する事を目的とする。 【構成】 感熱孔版印刷原紙用フィルムを構成するベー
スポリマーとして結晶化が30%以下のポリエステル樹
脂を使用し、又該樹脂単独のフィルムでは、腰、耐溶剤
性が結晶性の高いポリエステルに比べて劣り、従って有
機溶剤で希釈された接着剤で和紙等とラミネートすると
原紙の表面が凹凸になる傾向があるので其を改良する為
に、オレフィン−ビニルアルコール共重合体を2〜20
%ブレンドした感熱孔版印刷原紙用フィルム。
等の多孔質支持体とラミートする感熱孔版印刷原紙用フ
ィルムに関し、特に低エネルギーの製版装置でも感度良
く有効に製版出来、且つ印刷した場合に綺麗な印刷物が
得られる感熱孔版印刷原紙を提供する事を目的とする。 【構成】 感熱孔版印刷原紙用フィルムを構成するベー
スポリマーとして結晶化が30%以下のポリエステル樹
脂を使用し、又該樹脂単独のフィルムでは、腰、耐溶剤
性が結晶性の高いポリエステルに比べて劣り、従って有
機溶剤で希釈された接着剤で和紙等とラミネートすると
原紙の表面が凹凸になる傾向があるので其を改良する為
に、オレフィン−ビニルアルコール共重合体を2〜20
%ブレンドした感熱孔版印刷原紙用フィルム。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キセノン等のフラッシ
ュ閃光による製版、サーマルヘッド等による直接伝熱製
版、レーザー、LED光照射等の非接触製版に適した感
熱孔版印刷原紙用フィルムに関する。
ュ閃光による製版、サーマルヘッド等による直接伝熱製
版、レーザー、LED光照射等の非接触製版に適した感
熱孔版印刷原紙用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来感熱孔版印刷原紙用フィルムとし
て、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、ポリプロピレン、ポリエステル等のフィルムが使
用されて来た。特に、製版・印刷一体型の印刷機に用い
られる製版原紙には厚みが2μm程度のポリエステルフ
ィルムが使用されているが、未だ満足のいくフィルムで
は無かった。一体型印刷機は静電複写機に比べ、写真原
稿の再現性の劣ると言われており、この問題を解決する
為には感熱孔版印刷原紙用フィルムの穿孔感度を更に向
上する必要がある事が判明した。そこで、穿孔感度を向
上させる方法が提案されている(特開昭62−1494
96号公報、特開昭62−282983号公報、等)。
て、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、ポリプロピレン、ポリエステル等のフィルムが使
用されて来た。特に、製版・印刷一体型の印刷機に用い
られる製版原紙には厚みが2μm程度のポリエステルフ
ィルムが使用されているが、未だ満足のいくフィルムで
は無かった。一体型印刷機は静電複写機に比べ、写真原
稿の再現性の劣ると言われており、この問題を解決する
為には感熱孔版印刷原紙用フィルムの穿孔感度を更に向
上する必要がある事が判明した。そこで、穿孔感度を向
上させる方法が提案されている(特開昭62−1494
96号公報、特開昭62−282983号公報、等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記高感度
穿孔性フィルムは、結晶化度が40%以上の一般のポリ
エチレンテレフタレートフィルム(PETフィルムと略
す)に比べ結晶化度が低い為に、耐溶剤性(トルエン、
酢酸エチル、等の溶剤)及び弾性率が劣る傾向に有る。
この為、感熱孔版印刷原紙用フィルムと和紙等の多孔質
支持体を有機溶剤に溶解された接着剤を用いてウエット
ラミネートすると、製版原紙のフィルム面の平面性が失
われ易く、平面性が失われると製版時、フィルム面とサ
ーマルヘッド表面との接触が悪くなり、製版ムラが発生
し、従って印刷した時に印刷物が不鮮明になる傾向にあ
る事が分かった。
穿孔性フィルムは、結晶化度が40%以上の一般のポリ
エチレンテレフタレートフィルム(PETフィルムと略
す)に比べ結晶化度が低い為に、耐溶剤性(トルエン、
酢酸エチル、等の溶剤)及び弾性率が劣る傾向に有る。
この為、感熱孔版印刷原紙用フィルムと和紙等の多孔質
支持体を有機溶剤に溶解された接着剤を用いてウエット
ラミネートすると、製版原紙のフィルム面の平面性が失
われ易く、平面性が失われると製版時、フィルム面とサ
ーマルヘッド表面との接触が悪くなり、製版ムラが発生
し、従って印刷した時に印刷物が不鮮明になる傾向にあ
る事が分かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、高感度穿孔性フィルムの穿孔感度を低下させる事
無く、耐溶剤性及び腰を向上する方法を見出した。即
ち、結晶化度が30%以下のポリエステル系樹脂80〜
98重量%、及びオレフィン−ビニルアルコール共重合
体2〜20重量%よりなる厚みが0.5μm〜5μmの
感熱孔版印刷原紙用フィルムである。
鑑み、高感度穿孔性フィルムの穿孔感度を低下させる事
無く、耐溶剤性及び腰を向上する方法を見出した。即
ち、結晶化度が30%以下のポリエステル系樹脂80〜
98重量%、及びオレフィン−ビニルアルコール共重合
体2〜20重量%よりなる厚みが0.5μm〜5μmの
感熱孔版印刷原紙用フィルムである。
【0005】本発明に用いられるポリエステル系樹脂の
結晶化度は30%以下であり、30%を越えるものは穿
孔感度が低く好ましくない。ここで言う結晶化度とは、
オレフィン−ビニルアルコール共重合体をブレンドせず
にフィルム化した時の結晶化度であり、その測定方法は
広角X線法または密度法による。簡易的には、DSC測
定における結晶の融解ピーク面積より求めても良い。
結晶化度は30%以下であり、30%を越えるものは穿
孔感度が低く好ましくない。ここで言う結晶化度とは、
オレフィン−ビニルアルコール共重合体をブレンドせず
にフィルム化した時の結晶化度であり、その測定方法は
広角X線法または密度法による。簡易的には、DSC測
定における結晶の融解ピーク面積より求めても良い。
【0006】その様なポリエステル樹脂とは、樹脂の状
態で充分アニーリングした飽和の結晶化度が30%以下
である場合と、飽和の結晶化度は30%を越えるもので
も結晶化速度が遅くフィルムに加工しても30%以下の
結晶化度になる場合とがある。好ましは前者である。ま
た、該フィルムの融解熱(DSCによる)は、好ましく
は10cal/g以下、より好ましくは6cal/g以
下、更に好ましくは3cal/g以下である。
態で充分アニーリングした飽和の結晶化度が30%以下
である場合と、飽和の結晶化度は30%を越えるもので
も結晶化速度が遅くフィルムに加工しても30%以下の
結晶化度になる場合とがある。好ましは前者である。ま
た、該フィルムの融解熱(DSCによる)は、好ましく
は10cal/g以下、より好ましくは6cal/g以
下、更に好ましくは3cal/g以下である。
【0007】具体的には、共重合ポリエステルが好まし
く、ポリマーを構成する単量体で詳しく説明すれば、酸
成分としてテレフタル酸及びその異性体、それ等の誘導
体、ナフタレン構造を有するジカルボン酸、アジピン酸
等の脂肪族ジカルボン酸、それ等の誘導体より選ばれる
1種又は2種以上、次にアルコール成分として、エチレ
ングリコール、その誘導体(ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール等)、
アルキレングリコール類(トリメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール
等)、脂肪族飽和環状グリコール類(シクロヘキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサン
アルキルジオール類等)、芳香環、例えばビスフェノー
ル核を有するジオール等より選ばれる1種又は2種以上
を共重合したポリエステルである。その好ましい組み合
わせは、酸成分としてテレフタル酸(40mol.%以
下のイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸等を共重合し
ても良い。)。又アルコール成分としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールA等を主体とした自由な組み
合わせの成分及び割合で混合した成分を重合したもので
ある。その1例を示せば、酸成分としてテレフタル酸、
アルコール成分としてエチレングリコールが65〜75
mol.%、シクロヘキサンジメタノールが25〜35
mol.%を共重合したポリエステルである。
く、ポリマーを構成する単量体で詳しく説明すれば、酸
成分としてテレフタル酸及びその異性体、それ等の誘導
体、ナフタレン構造を有するジカルボン酸、アジピン酸
等の脂肪族ジカルボン酸、それ等の誘導体より選ばれる
1種又は2種以上、次にアルコール成分として、エチレ
ングリコール、その誘導体(ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール等)、
アルキレングリコール類(トリメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール
等)、脂肪族飽和環状グリコール類(シクロヘキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサン
アルキルジオール類等)、芳香環、例えばビスフェノー
ル核を有するジオール等より選ばれる1種又は2種以上
を共重合したポリエステルである。その好ましい組み合
わせは、酸成分としてテレフタル酸(40mol.%以
下のイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸等を共重合し
ても良い。)。又アルコール成分としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールA等を主体とした自由な組み
合わせの成分及び割合で混合した成分を重合したもので
ある。その1例を示せば、酸成分としてテレフタル酸、
アルコール成分としてエチレングリコールが65〜75
mol.%、シクロヘキサンジメタノールが25〜35
mol.%を共重合したポリエステルである。
【0008】該樹脂は本発明のフィルム中に98〜80
重量%存在する必要がある。80%より少ないと穿孔感
度が低下する。又98重量%より多いと下記の改良効果
が小さい。上記ポリエステル樹脂を延伸加工して感熱孔
版印刷原紙用フィルム(以下感熱フィルムと略す)は、
低エネルギーでの感熱穿孔性に優れているが、結晶化度
が低い為に腰、耐溶剤性が若干劣る傾向にある。従っ
て、該フィルムを和紙等の多孔質支持体(以下、支持体
と略す)とトルエン、酢酸エチル等の有機溶剤で希釈し
た接着剤を介して貼り合わせた場合、感熱フィルムが薄
い為に有機溶剤が乾燥する間に毛細管現象により和紙側
に吸い寄せられて乾燥後フィルム面が凹凸に成りやすく
なる。又支持体と貼り合わせた後ロール状に巻き上げて
おくと、支持体中の残留溶剤によって感熱フィルムが侵
され柔かくなった状態でロール状である為フィルム面は
支持体と接触するので支持体の凹凸がフィルム面に転写
される。
重量%存在する必要がある。80%より少ないと穿孔感
度が低下する。又98重量%より多いと下記の改良効果
が小さい。上記ポリエステル樹脂を延伸加工して感熱孔
版印刷原紙用フィルム(以下感熱フィルムと略す)は、
低エネルギーでの感熱穿孔性に優れているが、結晶化度
が低い為に腰、耐溶剤性が若干劣る傾向にある。従っ
て、該フィルムを和紙等の多孔質支持体(以下、支持体
と略す)とトルエン、酢酸エチル等の有機溶剤で希釈し
た接着剤を介して貼り合わせた場合、感熱フィルムが薄
い為に有機溶剤が乾燥する間に毛細管現象により和紙側
に吸い寄せられて乾燥後フィルム面が凹凸に成りやすく
なる。又支持体と貼り合わせた後ロール状に巻き上げて
おくと、支持体中の残留溶剤によって感熱フィルムが侵
され柔かくなった状態でロール状である為フィルム面は
支持体と接触するので支持体の凹凸がフィルム面に転写
される。
【0009】これ等を解消する為に、上記のポリエステ
ル樹脂よりも腰(弾性率)が高く、且つトルエン、酢酸
エチルト等の溶剤に対して耐溶剤性の良いポリマーを少
量ブレンドする事により上記感熱フィルムの穿孔感度を
低下させる事無く(場合により更に感度を向上させる)
上記問題を解決出来る事が分かった。そこで本発明で
は、オレフィン−ビニルアルコール共重合体を2〜20
重量%ブレンドする。ここで、オレフィン−ビニルアル
コール共重合体としては、オレフィン−酢酸ビニル共重
合鹸化物を含む。好ましくは、結晶融解温度が160℃
以下のものが穿孔感度を低下させる傾向が小さいので好
ましい。又好ましくは、エチレン−ビニルアルコール共
重合体である。この場合エチレン含量は、好ましくは1
5〜60mol.%、より好ましくは20〜55mo
l.%、更に好ましくは25〜49mol.%である。
上記オレフィン−ビニルアルコール共重合体のブレンド
量が2%より少ないと耐溶剤性、腰の向上の効果がな
く、又20%より多いとフィルムの穿孔感度が低くなる
ばかりか製膜安定性も乏しくなる。
ル樹脂よりも腰(弾性率)が高く、且つトルエン、酢酸
エチルト等の溶剤に対して耐溶剤性の良いポリマーを少
量ブレンドする事により上記感熱フィルムの穿孔感度を
低下させる事無く(場合により更に感度を向上させる)
上記問題を解決出来る事が分かった。そこで本発明で
は、オレフィン−ビニルアルコール共重合体を2〜20
重量%ブレンドする。ここで、オレフィン−ビニルアル
コール共重合体としては、オレフィン−酢酸ビニル共重
合鹸化物を含む。好ましくは、結晶融解温度が160℃
以下のものが穿孔感度を低下させる傾向が小さいので好
ましい。又好ましくは、エチレン−ビニルアルコール共
重合体である。この場合エチレン含量は、好ましくは1
5〜60mol.%、より好ましくは20〜55mo
l.%、更に好ましくは25〜49mol.%である。
上記オレフィン−ビニルアルコール共重合体のブレンド
量が2%より少ないと耐溶剤性、腰の向上の効果がな
く、又20%より多いとフィルムの穿孔感度が低くなる
ばかりか製膜安定性も乏しくなる。
【0010】ブレンドの方法は、ドライブレンド、ニー
ダー、ヘンシェルミキサー、2軸押出等どの様な方法を
用いても良いが、オレフィン−ビニルアルコール共重合
体は熱安定性が若干劣るので注意が必要である。又オレ
フィン−ビニルアルコール共重合の分散状態はネット状
に分散する様に押出条件を最適化する事が望ましい。又
上記ブレンド物に、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、
タルク、等の無機粒子、金属粉、シリコーン樹脂、、ア
クリル系架橋粒子、スチレン系架橋粒等の樹脂粒子等を
添加しても良い。更には熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、帯電防止剤等を添加しても良い。
ダー、ヘンシェルミキサー、2軸押出等どの様な方法を
用いても良いが、オレフィン−ビニルアルコール共重合
体は熱安定性が若干劣るので注意が必要である。又オレ
フィン−ビニルアルコール共重合の分散状態はネット状
に分散する様に押出条件を最適化する事が望ましい。又
上記ブレンド物に、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、
タルク、等の無機粒子、金属粉、シリコーン樹脂、、ア
クリル系架橋粒子、スチレン系架橋粒等の樹脂粒子等を
添加しても良い。更には熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、帯電防止剤等を添加しても良い。
【0011】上記ポリエステル樹脂とオレフィン−ビニ
ルアルコール共重合をブレンドしたフィルムの厚みは、
0.5〜5μmが好ましく、0.5μmより薄いと、製
膜安定性が乏しく、5μmより厚くなると穿孔感度が低
下する。但し、支持体と貼り合わせずに、上記フィルム
単独で感熱孔版印刷原紙として用いる場合にはその限り
ではない。更に、感熱フィルムは1層でも良いし、2
層、3層以上の多層状でも良い。その場合、少なくとも
1方の表層が本発明に記載のフィルムである事が必要で
ある。
ルアルコール共重合をブレンドしたフィルムの厚みは、
0.5〜5μmが好ましく、0.5μmより薄いと、製
膜安定性が乏しく、5μmより厚くなると穿孔感度が低
下する。但し、支持体と貼り合わせずに、上記フィルム
単独で感熱孔版印刷原紙として用いる場合にはその限り
ではない。更に、感熱フィルムは1層でも良いし、2
層、3層以上の多層状でも良い。その場合、少なくとも
1方の表層が本発明に記載のフィルムである事が必要で
ある。
【0012】又、上記フィルムは低エネルギーでも有効
に穿孔する感度を有し、且つオーバーエネルギーでも使
用出来るフィルムである為に、100℃での加熱収縮率
(X)が5〜70%、同温度での加熱収縮応力(Y)が
100〜600g/mm2 である事が好ましい。更に好
ましくは、X=15〜65%、Y=200〜450g/
mmの場合である。
に穿孔する感度を有し、且つオーバーエネルギーでも使
用出来るフィルムである為に、100℃での加熱収縮率
(X)が5〜70%、同温度での加熱収縮応力(Y)が
100〜600g/mm2 である事が好ましい。更に好
ましくは、X=15〜65%、Y=200〜450g/
mmの場合である。
【0013】上記の感熱フィルムを製造する際には、極
薄フィルムに低温での収縮成分を有効に付与する為に、
好ましくは単層で延伸するよりも延伸をサポートする層
(以下、補強層と呼ぶ)を設けて多層状で延伸する事が
好ましい。その時の層構成は感熱フィルム層をM、補強
層をBで示すと、M/B、M/B/M、B/M/B、M
/B/M/B/M…,で示す事が出来る(但し、M、B
は自由な層構成の多層状、例えば、B/B’、B/B’
/B、B’/B/B’等であっても良い。)。ここで補
強層は剥離剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
グリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤、ジメチルシ
リコーンオイル、アミノ変性、エーテル変性、メルカプ
ト変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイル、脂肪
酸アミド等)を含有したビカット軟化点(VSP;AS
TM−D−1525準拠、荷重1kg、昇温速度2℃/
分)が110℃以下の熱可塑性樹脂を主体とした層が好
ましい。また延伸条件は、低温での収縮成分を付与する
為に出来るだけ低温で、高倍率に延伸する事が好まし
い。またBに選択的に架橋処理を施して延伸のラチチュ
ードを広くする事が好ましい。具体的には、感熱フィル
ム中のポリエステル樹脂のVSP+15℃から同VSP
+45℃の温度で、少なくとも1軸方向に、好ましいく
は2軸方向に延伸する事が好ましい。
薄フィルムに低温での収縮成分を有効に付与する為に、
好ましくは単層で延伸するよりも延伸をサポートする層
(以下、補強層と呼ぶ)を設けて多層状で延伸する事が
好ましい。その時の層構成は感熱フィルム層をM、補強
層をBで示すと、M/B、M/B/M、B/M/B、M
/B/M/B/M…,で示す事が出来る(但し、M、B
は自由な層構成の多層状、例えば、B/B’、B/B’
/B、B’/B/B’等であっても良い。)。ここで補
強層は剥離剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
グリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤、ジメチルシ
リコーンオイル、アミノ変性、エーテル変性、メルカプ
ト変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイル、脂肪
酸アミド等)を含有したビカット軟化点(VSP;AS
TM−D−1525準拠、荷重1kg、昇温速度2℃/
分)が110℃以下の熱可塑性樹脂を主体とした層が好
ましい。また延伸条件は、低温での収縮成分を付与する
為に出来るだけ低温で、高倍率に延伸する事が好まし
い。またBに選択的に架橋処理を施して延伸のラチチュ
ードを広くする事が好ましい。具体的には、感熱フィル
ム中のポリエステル樹脂のVSP+15℃から同VSP
+45℃の温度で、少なくとも1軸方向に、好ましいく
は2軸方向に延伸する事が好ましい。
【0014】上記方法で延伸したフィルムは、目的によ
って熱処理を行う。熱処理の方法は熱ロールでブレスす
る方法(この時にエンボス加工を行っても良い)、オー
ブン中でフィルムを拘束又は弛緩しながら熱処理を行う
場合等あり、いずれの方法を用いても良い。製膜した多
層フィルム、例えばM/B/Mは、そのまま2次加工
(例えば、コーティング、支持体等とのラミネート等)
に用いても良いし、剥離してM層単層フィルムで2次加
工に供しても良い。
って熱処理を行う。熱処理の方法は熱ロールでブレスす
る方法(この時にエンボス加工を行っても良い)、オー
ブン中でフィルムを拘束又は弛緩しながら熱処理を行う
場合等あり、いずれの方法を用いても良い。製膜した多
層フィルム、例えばM/B/Mは、そのまま2次加工
(例えば、コーティング、支持体等とのラミネート等)
に用いても良いし、剥離してM層単層フィルムで2次加
工に供しても良い。
【0015】次に本発明の感熱フィルムと張り合わせる
支持体の好ましい例は、印刷インキの透過が可能で且つ
感熱フィルムが穿孔する加熱収縮条件下でも変形を起こ
さない天然繊維、再生繊維、合成繊維、無機繊維(ガラ
ス繊維、カーボン繊維、各種ウィスカー等)を原料とし
た単体又はこれ等を混合した薄葉紙、不織布、織布等が
挙げられる。不織布タイプの薄葉紙の場合は30〜2.
5g/m2 の目付のもの、好ましくは20〜4g/m2
のものである。又織布タイプのメッシュ状の場合は50
0〜15メッシュ、好ましくは300〜50メッシュで
ある。又、これ等の支持体に樹脂加工したものや、カレ
ンダー加工したもの等が挙げられる。
支持体の好ましい例は、印刷インキの透過が可能で且つ
感熱フィルムが穿孔する加熱収縮条件下でも変形を起こ
さない天然繊維、再生繊維、合成繊維、無機繊維(ガラ
ス繊維、カーボン繊維、各種ウィスカー等)を原料とし
た単体又はこれ等を混合した薄葉紙、不織布、織布等が
挙げられる。不織布タイプの薄葉紙の場合は30〜2.
5g/m2 の目付のもの、好ましくは20〜4g/m2
のものである。又織布タイプのメッシュ状の場合は50
0〜15メッシュ、好ましくは300〜50メッシュで
ある。又、これ等の支持体に樹脂加工したものや、カレ
ンダー加工したもの等が挙げられる。
【0016】又上記感熱フィルムと支持体とを貼り合わ
せるのに用いられる接着剤の例として、酢酸ビニル系接
着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、紫外線硬
化型接着剤、電子線硬化型接着剤、ホットメルト樹脂等
が挙げられる。又その接着方法は、ウエット法、ドライ
法いずれでも良く、又支持体にホットメルト樹脂をコー
ティング又は同樹脂を含む繊維を混抄した支持体を用い
ても良い。
せるのに用いられる接着剤の例として、酢酸ビニル系接
着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、紫外線硬
化型接着剤、電子線硬化型接着剤、ホットメルト樹脂等
が挙げられる。又その接着方法は、ウエット法、ドライ
法いずれでも良く、又支持体にホットメルト樹脂をコー
ティング又は同樹脂を含む繊維を混抄した支持体を用い
ても良い。
【0017】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、以下の実施例に限定されるものではない。先ず測定
法を示す。 (1)結晶化度(広角X線法) ポリエステル樹脂を溶融してT−ダイより押出後急冷
し、該樹脂のTg+20℃の温度で二軸方向に4×4倍
に延伸し厚みが約2μmのフィルムに成形する。該フィ
ルムを液体窒素で冷却しながら粉砕して、粉砕した資料
を理学電機社製ロータフレックスRU−200B(グラ
ファイト・モノクロメーター使用)を用い、加速電圧:
50KV,管球電流:160mA(ターゲット:C
u)、2θ:5〜36°で測定を行った。又、上記方法
で結晶化度が明確になったサンプルの密度を測定(JI
S K−7112−D法準拠)し、検量線を作製し、以
後密度測定によって結晶化度を求めても良い。
が、以下の実施例に限定されるものではない。先ず測定
法を示す。 (1)結晶化度(広角X線法) ポリエステル樹脂を溶融してT−ダイより押出後急冷
し、該樹脂のTg+20℃の温度で二軸方向に4×4倍
に延伸し厚みが約2μmのフィルムに成形する。該フィ
ルムを液体窒素で冷却しながら粉砕して、粉砕した資料
を理学電機社製ロータフレックスRU−200B(グラ
ファイト・モノクロメーター使用)を用い、加速電圧:
50KV,管球電流:160mA(ターゲット:C
u)、2θ:5〜36°で測定を行った。又、上記方法
で結晶化度が明確になったサンプルの密度を測定(JI
S K−7112−D法準拠)し、検量線を作製し、以
後密度測定によって結晶化度を求めても良い。
【0018】(2)加熱収縮率(X) 50mm角のフィルムサンプルを100℃に設定した温
風循環恒温槽中に自由に収縮する状態で10分間放置し
た後、フィルムの収縮量を求め、元の寸法で割った値の
百分比で示した。但し、二軸延伸の場合は縦、横の平
均、一軸延伸の場合は延伸方向のみの値で示す。
風循環恒温槽中に自由に収縮する状態で10分間放置し
た後、フィルムの収縮量を求め、元の寸法で割った値の
百分比で示した。但し、二軸延伸の場合は縦、横の平
均、一軸延伸の場合は延伸方向のみの値で示す。
【0019】(3)加熱収縮応力(Y) フィルムサンプルを幅20mm、長さ200mmの短冊
型に切り出し、それをストレインゲージ付きのチャック
に挟み(チャック間100mm),100℃に加熱収縮
したシリコーンオイルに浸せきし、発生した応力を検出
する事により求めた。測定値は浸せき後10秒後の値を
採り、縦、横方向の平均で示した(但し、一軸延伸の場
合は延伸方向のみ)。
型に切り出し、それをストレインゲージ付きのチャック
に挟み(チャック間100mm),100℃に加熱収縮
したシリコーンオイルに浸せきし、発生した応力を検出
する事により求めた。測定値は浸せき後10秒後の値を
採り、縦、横方向の平均で示した(但し、一軸延伸の場
合は延伸方向のみ)。
【0020】 (4)穿孔性(穿孔感度及びマスターの平面性評価) 感熱フィルムを坪量8g/m2 の1デニールのポリエス
テル繊維を混抄した和紙とを酢酸ビニル系接着剤を用い
て貼り合わせ、感熱フィルム面にアミノ変性シリコーン
オイルを微量塗布して感熱孔版印刷原紙(以降、マスタ
ーと記す)を作製した。これを大倉電機社製印字装置
(画素密度:400DPI)で、印加エネルギーを変え
て黒ベタ及び千鳥パターンを穿孔製版し、製版したマス
ターをリコー社製VT−3500の印刷ドラムに巻き付
け印刷した。穿孔感度は、印刷物の印刷濃度(OD)が
1.0以上となるエネルギーを採り、該値が0.05m
j/dot未満であれば「◎」、0.05以上0.07
mj/dot未満であれば「○」、0.07以上0.0
8mj/dot未満であれば「○」、0.08mj/d
ot以上を「×」とした。又、マスターの平面性を評価
する目的で、千鳥パターンの未穿孔ドット(マスターの
表面に凹凸があるとフィルム表面にサーマルヘッドが接
触せず、従って未穿孔ドットが発生する)を測定した。
未穿孔ドットの評価はODが1.0になるエネルギーで
製版したマスターの千鳥パターンに穿孔した部分の顕微
鏡写真を撮り、穿孔予定ドット400個中の未穿孔ドッ
トが発生する割合を求め5%未満を「◎」、5以上10
%未満を「○」、10以上20%未満を「△」、20%
以上を「×」とした。
テル繊維を混抄した和紙とを酢酸ビニル系接着剤を用い
て貼り合わせ、感熱フィルム面にアミノ変性シリコーン
オイルを微量塗布して感熱孔版印刷原紙(以降、マスタ
ーと記す)を作製した。これを大倉電機社製印字装置
(画素密度:400DPI)で、印加エネルギーを変え
て黒ベタ及び千鳥パターンを穿孔製版し、製版したマス
ターをリコー社製VT−3500の印刷ドラムに巻き付
け印刷した。穿孔感度は、印刷物の印刷濃度(OD)が
1.0以上となるエネルギーを採り、該値が0.05m
j/dot未満であれば「◎」、0.05以上0.07
mj/dot未満であれば「○」、0.07以上0.0
8mj/dot未満であれば「○」、0.08mj/d
ot以上を「×」とした。又、マスターの平面性を評価
する目的で、千鳥パターンの未穿孔ドット(マスターの
表面に凹凸があるとフィルム表面にサーマルヘッドが接
触せず、従って未穿孔ドットが発生する)を測定した。
未穿孔ドットの評価はODが1.0になるエネルギーで
製版したマスターの千鳥パターンに穿孔した部分の顕微
鏡写真を撮り、穿孔予定ドット400個中の未穿孔ドッ
トが発生する割合を求め5%未満を「◎」、5以上10
%未満を「○」、10以上20%未満を「△」、20%
以上を「×」とした。
【0021】(5)耐溶剤性 フィルムサンプルを幅20mm、長さ200mmの短冊
型に切り出し、トルエン蒸気1%の雰囲気下に25℃で
3日間暴露した後の加熱収縮応力を測定し、暴露前の該
値に対する保持率を求め、95%以上を「◎」、85以
上95%未満を「○」、75以上85%未満を「△」、
75%未満を「×」とした。
型に切り出し、トルエン蒸気1%の雰囲気下に25℃で
3日間暴露した後の加熱収縮応力を測定し、暴露前の該
値に対する保持率を求め、95%以上を「◎」、85以
上95%未満を「○」、75以上85%未満を「△」、
75%未満を「×」とした。
【0022】
【実施例1〜3及び比較例1〜5】感熱フィルムのベー
スとなるポリエステル樹脂に、共重合ポリエステル(酸
成分としてテレフタル酸100mol.%、アルコール
成分としてエチレングリコール70mol.%,1,4
−シクロヘキサンジメタノール30mol.%からな
り、Tg=81℃、結晶化度=0%、曲げ弾性率=20
0kg/mm2 のポリエステル。イーストマン・コダッ
ク社製PETG6763相当品)を用いた。該ポリエス
テルに表1に示す様に熱可塑性樹脂を各混合割合でドラ
イブレンドした。このブレンド物に対して平均径が1μ
mのシリコーン粒子0.1重量%及び平均径が6μmの
シリカ25ppmを添加した。ここで表1中の樹脂は、
EVOH:エチレン−ビニルアルコール共重合体(エチ
レン含量:44mol.%、曲げ弾性率=300kg/
mm2 )、EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢
酸ビニル含量:14重量%、曲げ弾性率=4kg/mm
2 )、PP:ポリプロピレン(融点:163℃、曲げ弾
性率=120kg/mm2 )、である。該樹脂組成物
(M)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含量14重量%、ビカット軟化点81℃、融点95℃)
70重量%、エチレン−α・オレフィン共重合エラスト
マー(非晶質、ビカット軟化点40℃以下)15重量
%、及び結晶性ポリプロピレン(ビカット軟化点138
℃、融点143℃)15重量%の混合物にポリオキシエ
チレンアルキルエーテルとグリセリン脂肪酸エステルと
の1:1の混合物を2%添加したもの(B)とを多層サ
ーチュラーダイよりM/B/Mの多層状に押出し、水冷
して引取り、再度105℃まで加熱収縮して縦5倍、横
5.5倍にチューブラー延伸して空冷後巻き取った。該
フィルムを縦10%、横5%緩和させて熱処理を行い、
スリットして巻き取った。該フィルムの厚みは1.8μ
mで、加熱収縮特性はブレンドした樹脂、量に係わら
ず、X=60%、Y=300g/mm2 であった。
スとなるポリエステル樹脂に、共重合ポリエステル(酸
成分としてテレフタル酸100mol.%、アルコール
成分としてエチレングリコール70mol.%,1,4
−シクロヘキサンジメタノール30mol.%からな
り、Tg=81℃、結晶化度=0%、曲げ弾性率=20
0kg/mm2 のポリエステル。イーストマン・コダッ
ク社製PETG6763相当品)を用いた。該ポリエス
テルに表1に示す様に熱可塑性樹脂を各混合割合でドラ
イブレンドした。このブレンド物に対して平均径が1μ
mのシリコーン粒子0.1重量%及び平均径が6μmの
シリカ25ppmを添加した。ここで表1中の樹脂は、
EVOH:エチレン−ビニルアルコール共重合体(エチ
レン含量:44mol.%、曲げ弾性率=300kg/
mm2 )、EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢
酸ビニル含量:14重量%、曲げ弾性率=4kg/mm
2 )、PP:ポリプロピレン(融点:163℃、曲げ弾
性率=120kg/mm2 )、である。該樹脂組成物
(M)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含量14重量%、ビカット軟化点81℃、融点95℃)
70重量%、エチレン−α・オレフィン共重合エラスト
マー(非晶質、ビカット軟化点40℃以下)15重量
%、及び結晶性ポリプロピレン(ビカット軟化点138
℃、融点143℃)15重量%の混合物にポリオキシエ
チレンアルキルエーテルとグリセリン脂肪酸エステルと
の1:1の混合物を2%添加したもの(B)とを多層サ
ーチュラーダイよりM/B/Mの多層状に押出し、水冷
して引取り、再度105℃まで加熱収縮して縦5倍、横
5.5倍にチューブラー延伸して空冷後巻き取った。該
フィルムを縦10%、横5%緩和させて熱処理を行い、
スリットして巻き取った。該フィルムの厚みは1.8μ
mで、加熱収縮特性はブレンドした樹脂、量に係わら
ず、X=60%、Y=300g/mm2 であった。
【0023】上記サンプルの評価結果を表1に示す。実
施例は全て穿孔感度、マスターの平面性、耐溶剤性が優
れるが、比較例1、2はブレンド量が少ない為に、改良
効果が認められない。又、比較例3はブレンド量が多い
為に、穿孔感度が低く、又製膜安定性も乏しかった。更
に比較例4は耐溶剤性に乏しいEVAを用いているの
で、耐溶剤性がブレンドする前よりも悪化する傾向にあ
った。比較例5は耐溶剤性の良いPPを用いたが、弾性
率が低い為にマスターの平面性が改善されなかった。以
上の如く、耐溶剤性の良く、ベースとなるポリエステル
よりも曲げ弾性率が大きい熱可塑性樹脂をブレンドする
事でマスターの平面性及び耐溶剤性が向上するので、製
版ムラの発生もなく綺麗な印刷物が得られた。
施例は全て穿孔感度、マスターの平面性、耐溶剤性が優
れるが、比較例1、2はブレンド量が少ない為に、改良
効果が認められない。又、比較例3はブレンド量が多い
為に、穿孔感度が低く、又製膜安定性も乏しかった。更
に比較例4は耐溶剤性に乏しいEVAを用いているの
で、耐溶剤性がブレンドする前よりも悪化する傾向にあ
った。比較例5は耐溶剤性の良いPPを用いたが、弾性
率が低い為にマスターの平面性が改善されなかった。以
上の如く、耐溶剤性の良く、ベースとなるポリエステル
よりも曲げ弾性率が大きい熱可塑性樹脂をブレンドする
事でマスターの平面性及び耐溶剤性が向上するので、製
版ムラの発生もなく綺麗な印刷物が得られた。
【0024】
【実施例4、5及び比較例6】ポリエステル樹脂とし
て、酸成分がテレフタル酸85mol.%、イソフタル
酸が15mol.%、アルコール成分としてエチレング
リコール98mol.%,ジエチレングリコール2mo
l.%の共重合ポリエステル(融点:235℃、Tg=
70℃、結晶化度=20%、曲げ弾性率=250kg/
mm2 )(ポリエステルA)及びポリエチレンテレフタ
レート(融点:265℃、Tg=70℃、結晶化度=4
0%、曲げ弾性率=300kg/mm2 )(ポリエステ
ルB)を用い、表1中のEVOHを10重量%ブレンド
した。該樹脂をT−ダイより溶融押出し、急冷後引き取
り厚みが35μmのシートを得た。該シートを95℃の
雰囲気下でストレッチャーにより縦、横方向共に4倍バ
ッチ延伸を行った。尚、実施例4はポリエステル樹脂と
してポリエステルAを用い、実施例5及び比較例6はポ
リエステルBを用いた。ここで、実施例5と比較例6の
違いは、実施例5はそのまま評価に供したのに対し、比
較例6は熱処理(200℃、10秒;該条件でポリエス
テルB単独フィルムを熱処理すると結晶化度が40%ま
で上昇する)を行って、結晶化度を高くして評価に供し
た。上記フィルムの収縮特性は、実施例4がX=7%、
Y=330g/mm2 、実施例5がX=35%、Y=8
00gmm2 、比較例6がX=0%、Y=0g/mm2
であった。該フィルムを実施例1と同様に評価したとこ
ろ、実施例4は穿孔感度「○」、マスターの平面性
「◎」、耐溶剤性「◎」、実施例5は順に「○」、
「◎」、「○」と全てに優れていたが、比較例6は結晶
化度が高い為に穿孔感度が低く「×」、又穿孔感度が低
い為に本製版機ではOD=1に達す事が出来ずにマスタ
ーの平面性は測定出来なかった。耐溶剤性も100℃で
は収縮応力が発生しないので測定出来なかった。実施例
4及び5の感熱フィルムを用いたマスターは印刷に供す
ると鮮明な印刷物が得られたが、比較例6のフィルムを
用いたマスターでは印刷物がかすれて殆ど判読出来なか
った。
て、酸成分がテレフタル酸85mol.%、イソフタル
酸が15mol.%、アルコール成分としてエチレング
リコール98mol.%,ジエチレングリコール2mo
l.%の共重合ポリエステル(融点:235℃、Tg=
70℃、結晶化度=20%、曲げ弾性率=250kg/
mm2 )(ポリエステルA)及びポリエチレンテレフタ
レート(融点:265℃、Tg=70℃、結晶化度=4
0%、曲げ弾性率=300kg/mm2 )(ポリエステ
ルB)を用い、表1中のEVOHを10重量%ブレンド
した。該樹脂をT−ダイより溶融押出し、急冷後引き取
り厚みが35μmのシートを得た。該シートを95℃の
雰囲気下でストレッチャーにより縦、横方向共に4倍バ
ッチ延伸を行った。尚、実施例4はポリエステル樹脂と
してポリエステルAを用い、実施例5及び比較例6はポ
リエステルBを用いた。ここで、実施例5と比較例6の
違いは、実施例5はそのまま評価に供したのに対し、比
較例6は熱処理(200℃、10秒;該条件でポリエス
テルB単独フィルムを熱処理すると結晶化度が40%ま
で上昇する)を行って、結晶化度を高くして評価に供し
た。上記フィルムの収縮特性は、実施例4がX=7%、
Y=330g/mm2 、実施例5がX=35%、Y=8
00gmm2 、比較例6がX=0%、Y=0g/mm2
であった。該フィルムを実施例1と同様に評価したとこ
ろ、実施例4は穿孔感度「○」、マスターの平面性
「◎」、耐溶剤性「◎」、実施例5は順に「○」、
「◎」、「○」と全てに優れていたが、比較例6は結晶
化度が高い為に穿孔感度が低く「×」、又穿孔感度が低
い為に本製版機ではOD=1に達す事が出来ずにマスタ
ーの平面性は測定出来なかった。耐溶剤性も100℃で
は収縮応力が発生しないので測定出来なかった。実施例
4及び5の感熱フィルムを用いたマスターは印刷に供す
ると鮮明な印刷物が得られたが、比較例6のフィルムを
用いたマスターでは印刷物がかすれて殆ど判読出来なか
った。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】結晶化度が30%以下のポリエステル樹
脂をベースとし、オレフィン−アルコール共重合体をブ
レンドした感熱フィルムは穿孔感度が高く低エネルギー
製版が可能で且つ溶剤に溶解した接着剤で支持体と張り
合わせてもマスター表面に凹凸が発生しない為に、サー
マルヘッドの寿命が長くなると共に印刷物も綺麗なもの
が得られる。
脂をベースとし、オレフィン−アルコール共重合体をブ
レンドした感熱フィルムは穿孔感度が高く低エネルギー
製版が可能で且つ溶剤に溶解した接着剤で支持体と張り
合わせてもマスター表面に凹凸が発生しない為に、サー
マルヘッドの寿命が長くなると共に印刷物も綺麗なもの
が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】結晶化度が30%以下のポリエステル系樹
脂80〜98重量%、及びオレフィン−ビニルアルコー
ル共重合体2〜20重量%よりなる厚みが0.5〜5μ
mの感熱孔版印刷原紙用フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP362292A JPH05185763A (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 感熱孔版印刷原紙用フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP362292A JPH05185763A (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 感熱孔版印刷原紙用フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05185763A true JPH05185763A (ja) | 1993-07-27 |
Family
ID=11562599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP362292A Withdrawn JPH05185763A (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 感熱孔版印刷原紙用フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05185763A (ja) |
-
1992
- 1992-01-13 JP JP362292A patent/JPH05185763A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990408 |