JPH05184986A - ２色塗装装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装ガンによる塗料噴霧パターンの端縁をエ
アガンからのエア流で規制して塗装の見切り線を形成す
る２色塗装装置において、噴霧された塗料が前記見切り
線を越えて被塗装物に付着することを防止する。 【構成】 自動車ボディＷの側面に沿って自走する塗装
台車９に、その自動車ボディＷの側面下部を他色に塗装
するための塗装ガン１０ａ，１０ｂを設けるとともに、
この塗装ガン１０ａ，１０ｂの移動経路と平行にエアパ
イプ１８を固設する。エアパイプ１８に自動車ボディＷ
の側面における塗装の見切り線に向けてエアを噴出する
複数のエアノズル２０を設け、これら複数のエアノズル
２０から噴出するエアにより形成されるエアカーテン
で、塗装ガン１０ａ，１０ｂからの塗料が前記見切り線
を越えて自動車ボディＷの上部に付着することを防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、被塗装物の塗装面に沿
って走行自在な塗装台車と、この塗装台車に設けられて
前記塗装面に塗料を噴霧する塗装ガンと、この塗装ガン
からの塗料噴霧パターンの端縁にエア流を噴出して塗装
の見切り線を形成するエアガンとを備えた２色塗装装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば自動車の上塗り塗装工程に
おいて、車体前後方向に延びる見切り線を境にして車体
側面に上下２色の塗装を施す場合に、図５〜図９に示す
ような２色塗装装置が用いられている。

【０００３】図５に示すように、紙面に垂直な方向にト
ンネル状に形成された塗装ブース１は、パンチングメタ
ル２とスノコ３で上下を仕切られて内部を清浄なエアが
流下する塗装室４を備える。スノコ３の下面に設けたコ
ンベア装置５により走行する搬送台車６には、被塗装物
としての自動車ボディＷが搭載されて搬送される。搬送
台車６の走行経路の左右両側には各２本のガイドレール
７が敷設され、それらガイドレール７には駆動源８に接
続されて定速度で自走する塗装台車９が支持される。

【０００４】各塗装台車９における自動車ボディＷに対
向する側面には、上下２個の塗装ガン１０ａ，１０ｂ
と、１個のエアガン１１が設けられる。塗装ガン１０
ａ，１０ｂは、予め所定の色に塗装された自動車ボディ
Ｗの側面下部のみを他の色に塗装すべく、その自動車ボ
ディＷの側面下部を指向するように斜め上向きに設けら
れる。一方、エアガン１１は、そのエア流によって前記
塗装ガン１０ａ，１０ｂの塗料噴霧パターンの上縁を下
向きに偏向させ、塗装の見切り線を一直線状に形成する
とともに噴霧された塗料の上方への舞い上がりを防止す
べく、自動車ボディＷの側面下部を指向するように斜め
下向きに設けられる。

【０００５】図６〜図８は各塗装ガン１０ａ，１０ｂの
ノズル部の構造を示すものである。塗装ガン１０ａ，１
０ｂの先端に設けられたノズルホルダ１２は、図示せぬ
塗料供給源に接続する塗料流出孔１２ａを中央に備える
とともに、その外周に図示せぬエア供給源に接続する４
個のエア供給孔１２ｂを備える。塗料流出孔１２ａの先
端に嵌合保持されたノズル部材１３は、その中央を貫通
する塗料流路１３ａと、その先端に開口するリップ型の
オリフィス噴口１３ｂとを備える。オリフィス噴口１３
ｂは上下方向に延びるＶ字型のノッチより構成される。
ノズルホルダ１２の先端に装着されるエアキャップ１４
は、前記ノズル部材１３と４個のエア供給孔１２ｂの前
面を所定の隙間を存して覆うドーム状の空間１４ａを備
え、その空間１４ａはエアキャップ１４の先端面に上下
方向に形成されたＶ字型のノッチよりなる開口１４ｂに
連通する。４個のエア供給孔１２ｂから供給された高圧
エアはエアキャップ１４の空間１４ａを通って開口１４
ｂから噴出し、その際に生じる負圧でノズルホルダ１２
の塗料流出孔１２ａから吸引された塗料は、ノズル部材
１３のオリフィス噴口１３ｂにおいて前記エアと混合
し、これにより上下方向に長く左右方向に偏平な塗料噴
霧パターンが形成される。

【０００６】図９に示すように、前記エアガン１１の先
端に設けられたノズルホルダ１５は、図示せぬエア供給
源に接続するエア供給孔１５ａを中央に備える。エア供
給口１５ａの先端に嵌合保持されたノズル部材１６は、
その中央を貫通するエア流路１６ａと、その先端に開口
するＶ字型のノッチより成るリップ型のオリフィス噴口
１６ｂとを備える。前記オリフィス噴口１６ｂは左右方
向に形成されており、これによりエアの噴出パターンは
自動車ボディＷの前後方向に沿って、すなわち塗装の見
切り線に沿って横方向に長く延びたものとなる。

【０００７】而して、搬送台車６に搭載した自動車ボデ
ィＷを塗装室４内の所定位置に位置決め停止させた状態
で、塗装台車９を一方向に定速度で走行させながら左右
各２個の塗装ガン１０ａ，１０ｂから塗料を噴霧するこ
とにより、既に所定の色に塗装された自動車ボディＷの
側面下部を他の色に塗装する。その際に、前記塗装台車
９に設けたエアガン１１から噴出するエア流により、塗
装ガン１０ａ，１０ｂからの塗料噴霧パターンの上縁が
下向きに偏向されて塗装の見切り線が一直線状に形成さ
れ、同時に塗料が見切り線より上方に舞い上がって自動
車ボディＷの上部に付着することが防止される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の２
色塗装装置は、各塗装台車９に設けた一対の塗装ガン１
０ａ，１０ｂに対応して１個のエアガン１１が設けられ
ているだけなので、そのエアガン１１から噴出するエア
流で塗料の上方への舞い上がりを完全に抑えることがで
きず、前記塗料が自動車ボディＷの見切り線の上部に付
着する不都合があった。

【０００９】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、塗装ガンから噴霧された塗料が見切り線の上部に舞
い上がることを確実に防止し得る２色塗装装置を提供す
ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、被塗装物の塗装面に沿って走行自在な塗
装台車と、この塗装台車に設けられて前記塗装面に塗料
を噴霧する塗装ガンと、この塗装ガンからの塗料噴霧パ
ターンの端縁にエア流を噴出して塗装の見切り線を形成
するエアガンとを備えた２色塗装装置において、前記エ
アガンが、前記塗装台車の走行方向に対して平行に固設
されたエアパイプと、このエアパイプに所定間隔で設け
られて前記エア流を噴出する複数のエアノズルとを備え
たことを特徴とする。

【００１１】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。

【００１２】図１〜図４は本発明の一実施例を示すもの
で、図１は塗装ブースの横断面図、図２は図１の２−２
線断面図、図３は図２の３部拡大図、図４は図３の４−
４線断面図である。尚、本実施例において前述の従来例
と同一の構成要素に同一の符号を付すことにより重複す
る説明を省略し、その相違点を中心に説明する。

【００１３】図１および図２に示すように、塗装室４の
床を構成するスノコ３に敷設したガイドレール７に沿っ
て自走する左右一対の塗装台車９は、前述のエアガン１
１を備えずに各２個の塗装ガン１０ａ，１０ｂのみを備
える。すなわち、本実施例におけるエアガン１１は、ス
ノコ３に立設した左右各２本の支柱１７に両端を支持さ
れた２本のエアパイプ１８を備える。各エアパイプ１８
は、搬送台車６に搭載された自動車ボディＷの両側面に
おける塗装の見切り線に対して所定の距離を存して略平
行に配設され、かつその長さは前記見切り線よりも長く
形成される。そしてエアパイプ１８の両端には、図示せ
ぬエア供給源に通じる２本のエア供給管１９が接続され
る。

【００１４】図３および図４から明らかなように、エア
パイプ１８には所定間隔で複数のエアノズル２０が設け
られる。各エアノズル２０はエアパイプ１８に穿設した
取付孔１８ａに螺入され、その内部を貫通するエア流路
２０ａを介してエアパイプ１８の内外が連通する。エア
ノズル２０の先端にはＶ字状のノッチによりオリフィス
噴口２０ｂか形成される。オリフィス噴口２０ｂはエア
パイプ１８の長手方向、すなわち塗装の見切り線に対し
て平行に形成され、これにより前記見切り線の下から上
へ塗料噴霧が通過することを規制する平面状のエアカー
テンが形成される。

【００１５】而して、塗装台車９を一方向に定速度で走
行させながら左右各２個の塗装ガン１０ａ，１０ｂから
搬送台車６上の自動車ボディＷに塗料を噴霧すると同時
に、エア供給管１９からエアパイプ１８に供給したエア
を複数のエアノズル２０のオリフィス噴口２０ｂから噴
出させる。Ｖ字状に形成されたオリフィス噴口２０ｂか
ら噴出するエアは塗装の見切り線に沿って横方向に広が
るため、複数のオリフィス噴口２０ｂからのエア流は相
互に接続して平面状のエアカーテンを構成する。そし
て、このエアカーテンにより塗装ガン１０ａ，１０ｂか
らの塗料噴霧パターンの上縁が下向きに偏向されて塗装
の見切り線が一直線状に形成されるとともに、塗料の上
方への舞い上がりを完全に防止して自動車ボディＷの上
部への塗料の付着を確実に阻止することができる。

【００１６】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものでなく、種々の小設
計変更を行うことが可能である。

【００１７】例えば、この２色塗装装置は自動車ボディ
以外の任意の被塗装物の塗装に対して適用することが可
能である。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、被塗装物
に塗料を噴霧する塗装ガンを備えた塗装台車の走行方向
に対して平行に固設したエアパイプに、前記塗装ガンか
らの塗料噴霧パターンの端縁を偏向させて塗装の見切り
線を形成するための複数のエアノズルを設けたので、そ
れらエアノズルから噴出するエアで平面状のエアカーテ
ンを形成して噴霧された塗料の望まぬ方向への飛散を完
全に防止することができる。これにより、前記塗料が塗
装の見切り線を越えて被塗装物に付着する不都合を確実
に回避し、塗装品質を向上させることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の２色塗装装置を備えた塗装ブースの横
断面図

【図２】図１の２−２線断面図

【図３】図２の３部拡大図

【図４】図３の４−４線断面図

【図５】従来の２色塗装装置を備えた塗装ブースの横断
面図

【図６】図５の６方向矢視図

【図７】図６の７−７線断面図

【図８】図６の８−８線断面図

【図９】従来のエアガンの縦断面図

【符号の説明】

９ 塗装台車 １０ａ 塗装ガン １０ｂ 塗装ガン １１ エアガン １８ エアパイプ ２０ エアノズル Ｗ 自動車ボディ（被塗装物）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被塗装物（Ｗ）の塗装面に沿って走行自
   在な塗装台車（９）と、この塗装台車（９）に設けられ
   て前記塗装面に塗料を噴霧する塗装ガン（１０ａ，１０
   ｂ）と、この塗装ガン（１０ａ，１０ｂ）からの塗料噴
   霧パターンの端縁にエア流を噴出して塗装の見切り線を
   形成するエアガン（１１）とを備えた２色塗装装置にお
   いて、 前記エアガン（１１）が、前記塗装台車（９）の走行方
   向に対して平行に固設されたエアパイプ（１８）と、こ
   のエアパイプ（１８）に所定間隔で設けられて前記エア
   流を噴出する複数のエアノズル（２０）とを備えたこと
   を特徴とする２色塗装装置。