JPH0518360Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、長捲輪転印刷機などから搬送されて
いる長捲紙を断裁するシータに係り、特にシータ
により一定寸法に断裁された断裁紙の搬送に好適
なシータの断裁紙搬送装置に関する。

〔従来の技術〕

長捲輪転印刷機などから搬送されてくる長捲紙
は、刃部により断裁され断裁紙となつて断裁紙搬
送装置により搬送される。そして、裁断紙は、下
流側の端部を取付け軸により回動可能に支持した
上流側の上部ベルトアームおよび上端側の端部を
取付け軸により回動可能に支持した下流側の上部
ベルトアームにそれぞれ装着した上部ベルトと、
該上部ベルトの上流側および下流側にそれぞれ対
向して配置した１組の下部ベルトとの協働作用に
より搬送される。この場合、ベルト間で紙詰り、
いわゆるジヤミングが発生すると、正常な搬送作
業を行なうことができないので、上流側および下
流側の上部ベルトアームを上方に回動させて損紙
の排出が行なわれている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記従来技術では、上流側および下流
側の上部ベルトアームを上方に回動させても、両
上部ベルトアームの取付け軸近傍と下流側の下部
ベルト間にジヤミングが発生した場合には、損紙
の排出が困難であるという問題があつた。

本考案の目的は、上流側および下流側の上部ベ
ルトアームの取付け軸近傍と下流側の下部ベルト
間の間隙を必要に応じて拡大できるようにしたシ
ータの断裁紙搬送装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

かかる目的達成のため、本考案は、下流側の端
部を取付け軸により回動可能に支持した上流側の
上部ベルトアームおよび上流側の端部を取付け軸
により回動可能に支持した下流側の上部ベルトア
ームにそれぞれ装着した上部ベルトと、該上部ベ
ルトの上流側および下流側にそれぞれ対向して配
置した１組の下部ベルトとの協働作用により断裁
紙を搬送するシータの断裁紙搬送装置において、
前記下流側の下部ベルトを、下流側の端部を取付
け軸により回動可能に支持した下部ベルトアーム
に装着したものである。

〔作用〕

上述の構成によれば、搬送部の上流および下流
でジヤミングが発生した場合、上流側および下流
側の上部ベルトアームを第１図の２点鎖線で示す
上方に回動して開口し、損紙を取除く、また上流
側および下流側の上部ベルトアームの枢着部近傍
にジヤミングが発生した場合には、下部ベルトア
ームを下方に回動して開口し、該部分に詰つた損
紙を除去することができる。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例に基いて説明
する。

断裁紙搬送装置１はシータ２に装着されてお
り、上部搬送部３と、第１の下部搬送部５と、第
２の下部搬送部６とを備えている。引張りローラ
８により搬送された長捲紙９は、シータ２のサイ
ドフレーム１０に固定された下刃台１１に配置さ
れた下刃１２と、サイドフレーム１０に回動可能
に支持された回転軸１３に固定された上刃胴１４
に、例えば180°の角度を隔てて配置された２枚の
上刃１５Ａ，１５Ｂとの協働作用により断裁紙９
Ａとなつて断裁紙搬送装置１によつて搬送され
る。

上部搬送部３は、断裁紙９Ａの搬送方向と直交
する方向に配置されたローラ１６，１８，１９，
２０，２１に巻き掛けられた複数の上部ベルト２
２を備えており、該上部ベルト２２は一定の間隔
をおいて並列に配置されている。ローラ１９，２
１はサイドフレーム１０に回転可能に支持されて
おり、ローラ１６は、サイドフレーム１０に固定
された軸１７Ａに基端部を嵌挿され、矢印Ａの方
向に付勢されたローラ腕１７の先端部に回転可能
に支持されている。

ローラ１８は、下流側の端部をサイドフレーム
１０に固定された取付け軸２３により回動可能に
支持された上流側の上部ベルトアーム２５の上流
側端部に回転可能に支持されている。上部ベルト
アーム２５の上面中間部は、アクチユエータの一
例たるエアシリンダ２６の摺動ロツド２６Ａの下
端にピン２８により連結枢支されており、エアシ
リンダ２６の基端は、サイドフレーム１０に固定
されたシリンダ取付けブラケツト２９にピン３０
により連結枢支されている。

ローラ２０は、上流側の端部をサイドフレーム
１０に固定された取付け軸３１により回動可能に
支持された下流側の上部ベルトアーム３２の下流
側端部に回転可能に支持されている。上部ベルト
アーム３２の上面中間部は、エアシリンダ３３の
摺動ロツド３３Ａの下端にピン３５により連結枢
支されており、エアシリンダ３３の基端は、サイ
ドフレーム１０に固定されたシリンダ取付けブラ
ケツト３６にピン３８により連結枢支されてい
る。

上流側の上部ベルトアーム２５には、ローラ１
８近傍に複数のホイール３９が、取付け軸２３近
傍に複数のホイール４０がそれぞれ配置されてい
る。ホイール３９は複数の上部ベルト２２上にそ
れぞれ載置され、上部ベルトアーム２５に断裁紙
９Ａの搬送方向と平行に形成された長孔２５ａに
沿つて摺動し、かつ上部ベルトアーム２５に回転
可能に支持された回転軸４１に固定されており、
該回転軸４１は図示しない駆動装置により矢印Ｂ
の方向に回転する。ホイール４０は複数の上部ベ
ルト２２間に配置され、上部ベルトアーム２５に
回転可能に支持された回転軸４２に固定されてお
り、該回転軸４２は駆動装置により矢印Ｂの方向
に回転軸４１と等速回転する。また複数のホイー
ル４０間には、上部ベルト２２上に載置されスペ
ーサ４３を介して回転軸４２に軸方向の移動を規
制されて嵌挿された複数のフリーローラ４０Ａが
配置されている。

第１の下部搬送部５は、ローラ４５，４６およ
び複数のホイール４９のフリーローラ４９Ａに一
定間隔をおいて巻き掛けられた複数の第１の下部
ベルト５０と、複数のホイール４８とを備えてお
り、該第１の下部ベルト５０の搬送面は、上部ベ
ルト２２の搬送面と対接するように設定されてい
る。ローラ４５はサイドフレーム１０に回転可能
に支持され、ローラ４６は、サイドフレーム１０
に固定された軸５１に基端部を嵌挿され、矢印Ｃ
の方向に付勢されたローラ腕５２の先端部に回転
可能に支持されている。

ホイール４８は複数の第１の下部ベルト５０上
にそれぞれ載置されサイドフレーム１０に断裁紙
９Ａの搬送方向と平行に形成された長孔１０ａに
沿つて摺動し、かつサイドフレーム１０に回転可
能に支持された回転軸５３に固定されており、ホ
イール３９との協働作用により上部ベルト２２お
よび第１の下部ベルト５０を挾圧するように設定
されている。ホイール４９は複数の第１の下部ベ
ルト５０間に配置され、サイドフレーム１０に回
転可能に支持された回転軸５５に固定されてお
り、ホイール４０と対接するように設定されてい
る。また複数のホイール４９間には、第１の下部
ベルト５０上に載置されスペーサ４３を介して回
転軸５５に軸方向の移動を規制されて嵌挿された
複数のフリーローラ４９Ａが配置されている。ま
たホイール４０，４９の挾持圧力は、調整機構
（図示せず）により調整されるようになつている。

第２の下部搬送部６は、ローラ５８，５９およ
びホイール６０に巻き掛けられた第２の下部ベル
ト６１を備えており、該第２の下部ベルト６１の
搬送面は、下流側の上部のベルト２２の搬送面と
一定の間隔をもつてほぼ平行に配置されている。
ローラ５８は、下流側の端部をサイドフレーム２
２に回転可能に支持された取付け軸６２に嵌挿さ
れた下部ベルトアーム６３の上流側端部に回転可
能に支持されている。またローラ５９は下部ベル
トアーム６３に固定された軸６５に基端部を嵌挿
され、矢印Ｅの方向に付勢されたローラ腕６６の
先端部に回転可能に支持されている。ホイール６
０は取付け軸６２に固定され、該取付け軸６２は
駆動装置により矢印Ｆの方向に回転し、その回転
速度は回転軸４１より遅くなるように設定されて
いる。またホイール６０には、上部ベルトアーム
３２の下流側端部に固定されたローラ腕６８の先
端に回転可能に支持されたローラ６９が、第２の
下部ベルト６１を挾圧するようにして対向して配
置されている。またサイドフレーム１０に固定さ
れた軸７０に基端部を嵌挿され矢印Ｇの方向に付
勢されたローラ腕７１の先端部に回転可能に支持
されたホイール７２が、第２の下部ベルト６１の
搬送面とわずかな隙間をおいて配置されている。

下部ベルトアーム６３の上流側端部近傍は、エ
アシリンダ７３の摺動ロツド７３Ａの上端にピン
７５により連結枢支されており、エアシリンダ７
３の基端は、サイドフレーム１０に固定されたシ
リンダ取付けブラケツト７６にピン７８により連
結枢支されている。

なお上記実施例では、上部ベルト２２は１本の
ベルトよりなつているが、該上部ベルト２２を２
本に分割して上部ベルトアーム２５，３２に各別
に装着するようにしてもよい。

つぎに、本考案の実施例の作用を説明する。

引張りローラ８により搬送された長捲紙９は、
下刃１２と上刃１５Ａ，１５Ｂとの協働作用によ
り断裁され、断裁紙９Ａとなつて断裁紙搬送装置
１によつて搬送される。この場合、断裁紙９Ａは
上刃が２枚配置されているので半裁用であり、半
裁用断裁紙９Ａの長さをｌ／２とすると、刃部接
点ａからホイール３９と４８との仮想接点ｂまで
の距離が、長さｌ／２とほぼ等しくなるようにホ
イール３９，４８の位置を調整する。

断裁紙搬送装置１の正常運転時には、断裁紙９
Ａは、上部ベルト２２および第１の下部ベルト５
０とホイール３９，４８およびホイール４０，４
９との協働作用により順次第２の下部ベルト６１
に搬送され、ローラ６９とホイール６０との間を
通過してスタツカ８０に順次収納される。

ジヤミングが発生したときには、エアシリンダ
２６，３３，７３を作動させて摺動ロツド２６
Ａ，３３Ａ，７３Ａをそれぞれ基端側に摺動させ
る。すると、第１図に仮想線で示すように、上部
ベルトアーム２５，３２および下部ベルトアーム
６３が、それぞれ取付け軸２３，３１，６２を中
心として矢印Ｋ，Ｌ，Ｍの方向に回転する。これ
によつて、上流側の上部ベルト２２、第１の下部
ベルト５０間および下流側の上部ベルト２２、第
２の下部ベルト６１間の間隙が拡大し、上流側の
上部ベルト２２、第１の下部ベルト５０間の損紙
の排出は勿論、取付け軸２３およびローラ１９近
傍の下流側の上部ベルト２２、第２の下部ベルト
６１間の従来比較的困難であつた損紙の排出が容
易に行なわれる。そして損紙の排出後は、エアシ
リンダ２６，３３，７３を再び作動させて上部ベ
ルトアーム２５，３２および下部ベルトアーム６
３をそれぞれ第１図に実線で示す状態に復帰させ
る。

〔考案の効果〕

上述のとおり、本考案によれば、ジヤミングが
発生した場合、断裁紙の搬送路を形成している上
部および下部ベルト間の間隔を広くすることがで
きるので、損紙の排出が容易に、かつ確実に行な
われるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシータの断裁紙搬送装置
の概略構成図、第２図は上部ベルト側のローラお
よびホイールの配列を説明するための概略平面
図、第３図はシータの概略側面図である。 １……断裁紙搬送装置、９Ａ……断裁紙、２２
……上部ベルト、２３，３１，６２……取付け
軸、２５，３２……上部ベルトアーム、５０，６
１……下部ベルト、６３……下部ベルトアーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下流側の端部を取付け軸により回動可能に支持
   した上流側の上部ベルトアームおよび上流側の端
   部を取付け軸により回動可能に支持した下流側の
   上部ベルトアームにそれぞれ装着した上部ベルト
   と、該上部ベルトの上流側および下流側にそれぞ
   れ対向して配置した１組の下部ベルトとの協働作
   用により断裁紙を搬送するシータの断裁紙搬送装
   置において、前記下流側の下部ベルトを、下流側
   の端部を取付け軸により回動可能に支持した下部
   ベルトアームに装着したシータの断裁紙搬送装
   置。