JPH0518259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は例えばコンポジツト缶のような紙容器
に関するものである。

〔従来の技術〕

紙層の有する剛性と、ポリオレフイン系樹脂層
の有する熱溶着能と、更にはアルミニウム箔層の
有するガスバリヤー性等を利用した多層構成の積
層材によつて形成されている筒状の胴部を有する
紙容器は、例えばコンポジツト缶として各種多用
途の包装容器に利用されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、前記従来の筒状の胴部を有する紙容
器における内填物取り出し用の開口部の形成は、
例えばコンポジツト缶の場合には金属製の閉塞部
を開口させることによつて行われるのが一般的で
ある。

然して、前記従来の筒状の胴部を有する紙容器
における内填物取り出し用の開口部の形成には、
該開口部の形成に繁雑性が存するばかりでなく、
形成される開口部の面積が自ずと小さいものであ
るため、例えば、教材用粘土、コンビーフ、クツ
キーやパンの生地等の固形状物からなる内填物の
取り出しが困難であるという欠点を有している。

これに対して本考案の筒状の胴部を有する紙容
器は、筒状の胴部の上縁辺部を破壊する際のリー
ド条となる細幅のテープと、前記筒状の胴部を胴
部上方から下方にかけて斜めに展開させる際のリ
ード条となる細幅のテープとを具備しているもの
で、開口操作が容易に行ない得るばかりでなく、
開口操作によつて容器胴部全体を破壊する機能を
備えているものであるため、固形状物からなる内
填物の場合にもこの取り出しが容易に実施できる
という作用を奏するもので、また、本考案の筒状
の胴部を有する紙容器は、胴部形成用の積層材の
対向する１対の側辺部同士を貼着してなる筒状の
胴部の貼着部が、スカイブヘミング法や折り返し
法によつて形成されている場合においても、筒状
の胴部の上縁辺部を破壊する際のリード条となる
細幅のテープによる開口を的確に行ない得る作用
を奏する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の筒状の胴部を有する紙容器は、紙容器
内面層を構成しているポリオレフイン系樹脂層と
剛性を有する紙層とを具備する多層構成の積層材
の対向する１対の側辺部同士が貼着されてなる筒
状の胴部と、該胴部の上方開放端部を閉塞してい
る閉塞部と、同じく該胴部の下方開放端部を閉塞
している閉塞部とで形成されている。

そして、前記胴部を構成している多層構成の積
層材中には、紙容器内面層を構成しているポリオ
レフイン系樹脂層に接する位置でしかも前記胴部
の最内面層となることのない位置に、長手方向に
方向性を有するポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレート、またはナイロン樹脂による第１の
細幅のテープと第２の細幅のテープとが積層され
ている。

前記胴部を構成している多層構成の積層材中に
積層されている第１の細幅のテープは、前記胴部
の上縁辺部に沿つて該胴部を周回して、しかも、
該第１の細幅のテープの両端の端末部同士が重量
することのないようにして積層されており、ま
た、第２の細幅のテープは、前記第１の細幅のテ
ープの下方位置において、前記胴部の上部から下
部に向かつて、該胴部を周回するようにして積層
されている。

すなわち、本考案の筒状の胴部を有する紙容器
における前記筒状の胴部は、容器内面層となるポ
リオレフイン系樹脂層と剛性を有する紙層と第１
の細幅のテープと第２の細幅のテープとを必須の
構成要素として具備するものであるが、多くの場
合においては、前記必須の構成要素のほかに更に
別の層が適宜積層されているものであり、筒状の
胴部は、一般的には、該胴部の内面層たるポリオ
レフイン系樹脂層の有する熱溶着能を利用して筒
状に成形されているものである。

〔実施例〕

以下本考案の筒状の胴部を有する紙容器の具体
的な構成を図面実施例に基いて説明する。

実施例 １ 第１図に示される本考案の１実施例品たる筒状
の胴部を有する紙容器１は、多層構成の積層材の
対向する１対の側辺部同士が貼着されてなる筒状
の胴部２と、該胴部２の上方開放端部を閉塞して
いる金属製の閉塞部３と、同じく該胴部の下方開
放端部を閉塞している金属製の閉塞部４とで構成
されており、胴部２に対して金属製の閉塞部３，
４が巻き締め工法で取り付けられている。

前記胴部２は、第２図及び第３図において符号
２Ａで表示される多層構成の積層材、すなわち、
剛性を有する紙層５と、該紙層５に積層されてい
るアルミニウム箔６と、該アルミニウム箔６に積
層されている細幅のテープ７と、前記アルミニウ
ム箔６に対して前記細幅のテープ７を介して積層
されているポリエチレン樹脂層８とで構成されて
いる多層構成の積層材２Ａによつて形成されてい
るものである。前記細幅のテープ７は、該テープ
７の長手方向に方向性を有するポリエチレンテレ
フタレート層９と該ポリエチレンテレフタレート
層の上、下にそれぞれ積層されている熱接着性層
たるポリエチレン樹脂層１０及び１１とで構成さ
れているものであり、前記円筒状に形成されてい
る胴部２の上縁辺部１２に沿つて該胴部２を周回
して積層されている第１の細幅のテープ７Ａと、
前記筒状に形成されている胴部２の上部か下部に
向かつて該胴部２を周回するようにして積層され
ている第２の細幅のテープ７Ｂとから成るもので
ある。尚第１図において符号１３，１４で表示さ
れる部分は円筒状の胴部２の延設部であり、該胴
部２を前述の細幅のテープ７Ａと７Ｂとをリード
条として破壊する際の摘み片である。また、剛性
を有する紙層５に前記細幅のテープ７に沿つて形
成されている溝加工条１５，１６は、該細幅のテ
ープ７にリードされて胴部２に形成される開口部
の端面が、整然と形成され得るための切り込み条
であるが、この溝加工条１５，１６はその一方だ
けで十分にその機能が果されるものである。更
に、第３図において符号１７，１８で表示される
部分は、アルミニウム箔６と細幅のテープ７及び
ポリエチレン樹脂層８とを接着させている接着剤
層、及び紙層５とアルミニウム箔６とを接着させ
ている接着剤層で、それぞれがポリエチレン樹脂
層で構成されているものである。

また、筒状の胴部を有する紙容器１における第
１の細幅のテープ７Ａは、第１図に示されるよう
に、筒状に形成されている胴部２の上縁辺部１２
に沿つて前記胴部２を周回して積層されている第
１の細幅のテープ７Ａの端末部同士が胴部２の重
量貼着部において重なり合うことのないように、
胴部２の上縁辺部１２に対して角度を有するよう
にして積層されている。すなわち、摘み片１３に
おける第１の細幅のテープ７Ａの位置である細幅
のテープ７Ａの一方の端末部に対して該テープ７
Ａのもう一方の端末部の位置が下方にずれた位置
に存しており、第１の細幅のテープ７Ａは、その
両端の端末部同士が重量することのないようにし
て積層されている。

〔考案の作用及び効果〕

本考案の筒状の胴部を有する紙容器は該容器に
おける筒状の胴部に、該胴部の上縁辺部に沿つて
前記胴部を周回して積層されている第１の細幅の
テープと、前記胴部の上部から下部に向かつて前
記第１の細幅のテープの下方に前記胴部を周回す
るようにして積層されている第２の細幅のテープ
とを具備しているものである。

従つて、本考案の筒状の胴部を有する紙容器
は、該紙容器の胴部における第１の細幅のテープ
がリード条として使用されて第４図に示されるよ
うに容器の頭部が切り落され、次いで第２の細幅
のテープがリード条として使用されて第５図に示
されるように容器胴部の中央が破壊されるもので
ある。

よつて、本考案の筒状の胴部を有する紙容器に
おいては、内填物の取り出しの際の容器胴部の破
壊が容易、且つ確実に行われるものであり、例え
ば、教材用粘土、コンビーフ、クツキーやパンの
生地等のブロツク状の固形状物からなる内填物の
取り出しをも容易に行ない得るという作用、効果
を奏するものである。

また本考案の筒状の胴部を有する紙容器におい
ては、前記胴部を構成している積層材中における
細幅のテープが、筒状の胴部の内面層たるポリオ
レフイン系樹脂層と接する位置でしかも胴部の最
内面層となることのない位置に積層されているも
のであるから、前記筒状の胴部が前記積層材中の
前記ポリオレフイン系樹脂層の有する熱容着能を
利用したヒートシール法によつて成形されたもの
である場合においても、前記積層材中の細幅のテ
ープの存在に起因するヒートシール不良や密封不
良が発生している虞れが全く無く、密封性能にお
いて優れた作用を奏するものである。

さらに、本考案の筒状の胴部を有する紙容器に
おいては、容器の頭部を切り落とす際のリード状
となる第１の細幅のテープが、胴部の上縁辺部に
沿つて該胴部を周回して、しかも、該第１の細幅
のテープの両端の端末部同士が重量することのな
いようにして積層されているため、多層構成の積
層材の対向する１対の側辺部同士が貼着されてな
る筒状の胴部の貼着部が、スカイブヘミング法や
折り返し法によつて、積層材の切断端面が容器内
に露出することのないような貼着部とされている
場合にも、第１の細幅のテープのリードが該貼着
部で阻害されるようなことがなく、容器の頭部の
切り落としがスムーズに遂行され、容器の開口を
的確に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の紙容器の１例を示す斜面図、
第２図は第１図の紙容器における筒状の胴部の成
形用素材の背面図、第３図は第１図の成形用素材
の部分断面の拡大模型図、第４図及び第５図は本
考案の紙容器を開封するための胴部の破壊操作手
順を示す説明図てある。 １……筒状の胴部を有する紙容器、２……筒状
の胴部、３，４……閉塞部、２Ａ……筒状の胴部
２の成形用素材たる多層構成の積層材、５……紙
層、７Ａ……第１の細幅のテープ、７Ｂ……第２
の細幅のテープ、８……ポリエチレン樹脂層、１
２……胴部２の上縁辺部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙容器内面層を構成しているポリオレフイン系
   樹脂層と剛性を有する紙層とを具備する多層構成
   の積層材の対向する１対の側辺部同士が貼着され
   てなる筒状の胴部と、該胴部の上方開放端部を閉
   塞している閉塞部と、同じく該胴部の下方開放端
   部を閉塞している閉塞部とを有する紙容器におい
   て、前記胴部を構成している多層構成の積層材中
   には、前記紙容器内面層を構成しているポリオレ
   フイン系樹脂層に接する位置でしかも前記胴部の
   最内面層となることのない位置に、長手方向に方
   向性を有するポリプロピレン、ポリエチレンテレ
   フタレート、またはナイロン樹脂による第１の細
   幅のテープと第２の細幅のテープとが積層されて
   おり、かつ、前記第１の細幅のテープは、前記胴
   部の上縁辺部に沿つて該胴部を周回して、しか
   も、該第１の細幅のテープの両端の端末部同士が
   重量することのないようにして積層されており、
   また、第２の細幅のテープは、前記第１の細幅の
   テープの下方位置において、前記胴部の上部から
   下部に向かつて、該胴部を周回するようにして積
   層されていることを特徴とする筒状の胴部を有す
   る紙容器。