JPH05181399A - 体積位相型ホログラム記録媒体及びこれを用いた体積位相型ホログラム作製方法 - Google Patents

体積位相型ホログラム記録媒体及びこれを用いた体積位相型ホログラム作製方法

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JPH05181399A
JPH05181399A JP35563891A JP35563891A JPH05181399A JP H05181399 A JPH05181399 A JP H05181399A JP 35563891 A JP35563891 A JP 35563891A JP 35563891 A JP35563891 A JP 35563891A JP H05181399 A JPH05181399 A JP H05181399A
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Tatsu Kobayashi
辰 小林
Yoko Yoshinaga
曜子 吉永
Takasato Taniguchi
尚郷 谷口
Hideki Morishima
英樹 森島
Toshiyuki Sudo
敏行 須藤
Susumu Matsumura
進 松村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の架橋型ポリマーを主体とする感光性樹
脂組成物からなるホログラム記録媒体よりも、高い回折
効率が得られる感光性樹脂組成物を主成分とする体積位
相型ホログラム記録媒体、及び、高回折効率を示すホロ
グラムが提供される体積位相型ホログラムの作製方法を
提供すること、更に、簡便な多波長回折ホログラムが得
られる体積位相型ホログラムの作製方法、広波長域の回
折ホログラムが得られる体積位相型ホログラムの作製方
法を提供すること。 【構成】 ポリマー、コポリマー又はブレンドポリマー
に、架橋剤又は架橋剤と増感剤とを含有させてなる感光
性樹脂組成物が積層されている体積位相型ホログラム記
録媒体において、樹脂組成物層の現像溶媒に対する膨潤
能が夫々異なる感光性樹脂組成物が積層されていること
を特徴とする体積位相型ホログラム記録媒体、及びこれ
を用いたホログラム作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶媒膨潤能が異なる感
光性樹脂組成物が積層されている体積位相型ホログラム
記録媒体、及び該ホログラム記録媒体を利用した体積位
相型ホログラム作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホログラフィは、レーザーの様な干渉性
良好な光波を物体に照射させ、その物体の形状に応じて
振幅と位相とが変調された反射又は透過した光波を記録
(=ホログラム)して、そのホログラムに再びレーザー
光を照射して元の物体の光学像を再生する技術である。
かかるホログラフィ技術に関する研究の進展に伴い、現
在ではその記録媒体に対する要求もかなり明確なものと
なり、漂白処理銀塩、フォトレジスト、サーモプラステ
ィック、重クロム酸ゼラチン、無機ガラス系材料、強誘
電体等の多くの材料が提案され、その特性の研究が進ん
でいる。この、ホログラム記録媒体の持つべき特性とし
ては、下記に挙げた様なかなり厳しいものが要求され
る。 (1)記録感度、特に可視光波長域のレーザー光に感度
を有し、且つ、高感度であること、(2)高解像度を有
すること、(3)ホログラムの回折効率が高いこと、
(4)ホログラムのノイズが少ないこと、(5)ホログ
ラムが安定していること、(6)記録及び再成操作が容
易であること等。 これに対し、既知の従来のホログラム記録媒体にあって
は、これらの特性を全て満足するものは勿論、部分的に
せよ実用化の域に達する性質を備えた材料は極めて少な
い。その中では、漂白処理銀塩及び重クロム酸ゼラチン
系材料が、ある程度は実用化の域に達したものである。
しかし、それでも前者においては、通常処理の他に漂白
処理操作が必要であり、且つ、得られたホログラムの耐
光性が劣るという問題がある。又、後者においては、得
られたホログラムの耐湿性が悪く、保存安定性の面で大
きな欠陥が指摘されている。これに対し、ポリビニルカ
ルバゾールを主成分とするホログラム記録媒体(架橋型
ホログラム記録媒体)は、解像度及び耐環境性等の点で
重クロム酸ゼラチン等の記録媒体に勝るものである(特
開昭53−15153号公報参照)。この様な先行発明
によるホログラム記録媒体は、有機溶媒によるホログラ
ム記録媒体の膨潤及び収縮作用により現像され、ホログ
ラムが形成される。
【0003】
【発明が解決しようする問題点】しかしながら、上記の
現像工程によっても基板に近い側のホログラム記録媒体
部分は、充分に現像処理されず、必要とする回折効率を
得る為には、厚いホログラム記録媒体を使用しなければ
ならなかった。その為、より透明性の高いホログラムを
得る等の目的の為に、薄いホログラムが必要とされる場
合には、充分な回折効率を得ることが出来ないという問
題があり、膜厚が薄く回折効率が高いホログラム記録媒
体の開発が要望されている。更に、多波長に回折を有す
るホログラム記録媒体は、通常は、ホログラム記録媒体
を多重露光することによって得られており、工程が煩雑
であるという問題があり、より簡便な多波長回折ホログ
ラムの作製方法の開発も要望されている。
【0004】従って本発明の目的は、従来の架橋型ポリ
マーを主体とする感光性樹脂組成物からなるホログラム
記録媒体よりも、高い回折効率が得られる感光性樹脂組
成物を主成分とする体積位相型ホログラム記録媒体、及
び、該ホログラム記録媒体を使用する高回折効率を示す
ホログラムが提供される体積位相型ホログラムの作製方
法を提供することにある。更に、簡便な多波長回折ホロ
グラムが得られる体積位相型ホログラムの作製方法、広
波長域の回折ホログラムが得られる体積位相型ホログラ
ムの作製方法を提供することにある。
【0005】
【問題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
より達成される。即ち本発明は、ポリマー、コポリマー
又はブレンドポリマーに、架橋剤又は架橋剤と増感剤と
を含有させてなる感光性樹脂組成物が積層されている体
積位相型ホログラム記録媒体において、樹脂組成物層の
現像溶媒に対する膨潤能が夫々異なる感光性樹脂組成物
が積層されていることを特徴とする体積位相型ホログラ
ム記録媒体、及びこれを用いた体積位相型ホログラム作
製方法である。
【0006】
【作用】本発明者らは、ポリマー、コポリマー又はブレ
ンドポリマーに、架橋剤又は架橋剤と増感剤とを加えて
なる感光性樹脂組成物において、異なる溶媒膨潤能を有
する感光性樹脂組成物を基板上に多層に形成することに
より、高い被現像能を有するホログラム記録媒体が得ら
れることを見い出し本発明を完成した。即ち、従来のホ
ログラム記録媒体においては、架橋性ポリマーへの現像
溶媒の浸透は、例えば、20μmの膜厚に対して12μ
m程度しか浸透しなかった。しかし、上記の本発明によ
れば、例えば、ホログラム記録媒体の表面側(上層側)
を高い有機溶媒膨潤能を有するポリマーを多く含有する
樹脂組成物で形成し、且つ、ホログラム記録媒体の基板
側(下層側)を低い有機溶媒膨潤能を有するポリマーを
多く含有する樹脂組成物で形成すると、上層側の樹脂組
成物層の有する高い膨潤性の為、現像溶媒は良好に上層
側のホログラム記録媒体に浸透し、下層側の樹脂組成物
層にまで現像作用をなし、この結果、等しい波長に回折
効率を有する二枚のホログラムが、同一基板上に形成さ
れ、厚さが薄く、且つ、回折効率の高いホログラムが形
成される。又は、上層側を低い有機溶媒膨潤能を有する
ポリマーを多く含有する樹脂組成物に替え、且つ、下層
側を高い有機溶媒膨潤能を有するポリマーを多く含有す
る樹脂組成物に変更しても、各層の膜厚及び現像条件等
を調節することにより、上層側の低い溶媒膨潤能を有す
る樹脂組成物層を通り抜けた現像溶媒が、下層側の高い
溶媒膨潤能を有する樹脂組成物に速やかに現像作用をな
し、等しい波長に回折効率を有する二枚のホログラムが
同一基板上に形成され、厚さが薄く、且つ、回折効率の
高いホログラムが形成される。但し、何れの場合にも、
現像溶媒の浸透には、現像温度、現像時間及び各層の膜
厚等が密接に関係している為、これらの条件は厳密に制
御されなければならない。その結果、従来の架橋型ホロ
グラム記録媒体よりも、薄くて回折効率が高いホログラ
ム記録媒体が得られるものと考えられる。
【0007】更に、本発明者らは上記の発明の応用とし
て、ホログラム記録媒体が、上層側と下層側とで溶媒膨
潤能の異なる樹脂組成物層を有することにより、回折の
多波長化又は広波長域化が達成されることも見出した。
即ち、従来のホログラム記録媒体においては、例えば、
感光波長の異なる感光性樹脂組成物層を順次基板上に形
成して多波長ホログラム記録媒体とし、該記録媒体に多
重露光することによって多波長ホログラムを得ていた。
これに対し、本発明のホログラム記録媒体によれば、単
色光による一重露光の後に有機溶媒で現像すると、積層
されている各樹脂組成物層の溶媒膨潤能が夫々異なって
いる為、夫々の樹脂組成物層の回折格子間隔が段階的に
異なる多波長ホログラムが得られる。更に、各樹脂組成
物層の溶媒膨潤能が、各層間で傾斜状に連続的に変化す
る様に構成された本発明のホログラム記録媒体を用いる
ことによって、現像処理後の各層での回折格子間隔が連
続的に変化する結果、広い波長域に渡って回折効率を有
する広帯域ホログラムが得られる。尚、これら本発明の
ホログラム記録媒体は、二層の樹脂組成物層だけから構
成されるものに限定されず、それ以上の数の樹脂組成物
層から構成されてもよく、特に、広帯域ホログラム作製
の際には、三層以上の感光性樹脂組成物層から構成され
ているのが好ましい。
【0008】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。図1は本発明のホログラム
記録媒体の基本構成である。図中において1は夫々の層
間で溶媒膨潤能が順次傾斜を有するように構成されてい
る3層からなる感光性樹脂組成物層で、2はガラス又は
樹脂等の基板である。図1に示した様な本発明のホログ
ラム記録媒体は、以下の方法により得られる。即ち、本
発明で使用する感光性樹脂組成物及び本発明のホログラ
ム記録媒体は、高い架橋能を有することが必要であり、
それらの主体をなすポリマー中に少なくとも90%以
上、より好ましくは95〜100%の高架橋性ポリマー
を含有することが好ましい。高架橋性ポリマーとは、具
体的には例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリ3−ク
ロロビニルカルバゾール、ポリ3−プロモビニルカルバ
ゾール、ポリ3−ヨードビニルカルバゾール、ポリ3−
メチルビニルカルバゾール、ポリ3−エチルビニルカル
バゾール、クロル化ポリビニルカルバゾール、ブロム化
ポリビニルカルバゾール、及び下記の構造式で表される
モノマーからなるポリマー等が挙げられる。
【0009】
【化1】
【化2】
【化3】
【0010】
【化4】
【化5】 (R=H、−CH3、−C25、−C37、−CH(C
3)C25
【化6】 尚、上記式(6)のX及びnは、以下の組み合わせがあ
り、4つのタイプの化合物が含まれる。 n=1:X=−COOCH2CH2 − n=2:X=−COOCH2CH2 − n=4:X=−NHCO− n=1:X=−SCH2CH2
【0011】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0012】又、他の高架橋性ポリマーとしては、p位
にハロゲン(Cl、Br、I)、アミノ基、ジメチルア
ミノ基、メトキシ基、ヒドロキシ基を有するポリスチレ
ン、ポリ(N−ビニルインドール)、ポリ(N−ビニル
ピロール)、ポリ(N−ビニルフェノチアジン)、ポリ
(イソプロペニルフェノール)、ポリ[4−(N,N−
ジフェニルアミノ)フェニルメチルメタクリレート]等
が挙げられる。更に、溶媒による所望の膨潤作用及び収
縮作用を得る為に、任意の割合で上記のポリマーを、コ
ポリマー化又はブレンドポリマー化したものが用いられ
る。又、その他に上記のポリマーとオレフィン、酢酸ビ
ニル等のビニルエステル、メタクリル酸メチルなどのア
クリル酸、メタクリル酸のエステル、スチレン、アクリ
ロニトリル等を、コポリマー化及びブレンドポリマー化
したものが用いられるが、これらに限定されるものでは
ない。その割合は、上記の様な高架橋性ポリマーが90
%以上、より好ましくは95〜99%の割合で含有され
ていることが好ましい。更に、上記のポリマー、コポリ
マー、又はブレンドポリマーは、塗布に適する粘度にな
るように後述の溶媒に溶解することが必要であり、その
濃度は1〜10重量%程度とすることが好ましい。
【0013】特定の感光性樹脂組成物が積層された本発
明のホログラム記録媒体の主体をなす上記のポリマー成
分には、架橋剤として、ハロゲン含有炭素化合物、ハロ
ゲン含有硅素化合物、又はオニウム塩等が加えられる。
具体的には、例えば、CI4、CHI3 、CBrI3
CBr4 、CH3 CI3 、SiI4 、SiBr4 及び下
記の構造式で表されるオニウム塩等が挙げられるが、こ
れらに限られるものではない。
【化11】 尚、上記式中のYは、PF6 -、SbF6 -等である。本発
明で使用される感光性樹脂組成物は、上記の必要成分を
一度に、又は順次適当な有機溶媒に溶解させることによ
って得られる。更に、これらの他に増感剤が加えられて
もよい。具体的には、例えば、下記の構造式で表される
増感剤(A)及び(B)が挙げられるが、これらに限ら
れるものではない。
【0014】
【化12】
【化13】
【0015】本発明で使用するのに好ましいポリマー溶
解用の有機溶媒としては、用いられるポリマーに対する
溶解性、及び沸点等を考慮すると、ベンゼン、キシレ
ン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロエタン、
ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ピリジン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、或いはこれらの混合物
等が挙げられる。又、溶解用有機溶媒として高沸点のも
のを用いると、フィルム形成時の溶媒の蒸発が遅い為、
蒸発に高温を要し、又、膜中に気泡が生じたり等して好
ましくない。従って、有機溶媒としては、例えば、50
〜150℃程度の沸点のものを選択して使用するのが好
ましい。ポリマーの溶解は、ポリマーを有機溶媒中に入
れて必要に応じて加熱し、濾過して不溶部分を除き、放
置して気泡を除去する等、通常の溶解用有機溶媒操作で
よく特に限定されない。以上の様にして得られる本発明
に使用される感光性樹脂組成物は、暗所に保存するのが
好ましく、又、保存性を向上させる為に安定剤等を添加
することも可能である。
【0016】本発明の体積位相型ホログラム記録媒体
は、下記のごとき種々の方法で形成することが出来る。 (1)上記の様な感光性樹脂組成物を二種類以上、順次
ガラスや透明樹脂等の支持基板上に塗布し、乾燥させて
成膜する方法。 (2)更に工夫された方法としては、上述のポリマー、
又はポリマーと増感剤からなる膜を透明基板上に形成さ
せ、次に、架橋剤を液体又は気体状態で接触させて、ポ
リマー固体中に拡散させる(ドープ)方法。 例えば、架橋剤分子を多層膜にドープする方法として
は、架橋剤液体中に5分間〜数時間、多層膜を浸漬する
方法が採られ、十分架橋し得る程度に多層膜をドープす
る方法が挙げられる。 (3)更に、架橋剤を溶解させた溶媒を上記のポリマ
ー、又はポリマーと増感剤とからなる多層膜に塗布し、
溶媒が適度にポリマー中に架橋剤分子を伴って浸透され
る様にした方法。 上記の方法の場合、例えば、架橋剤分子を拡散させる溶
媒としては、酢酸エチル等の有機酸エステル、四塩化炭
素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素に、貧溶
媒を混合して調整された溶媒等を用い、この様な溶媒に
架橋剤を溶解したものを適当量基板に塗工し、10分間
〜数時間ドープする方法等が挙げられている。その際、
低い溶媒膨潤性を有する感光性樹脂組成物からなる層
は、高い溶媒膨潤性を有する感光性樹脂組成物からなる
層よりも薄いことが望ましく、具体的には、例えば、低
い溶媒膨潤能を有する層は0.1〜10μm程度、より
好ましくは1〜7μm程度の膜厚とするのが望ましい。
一方、高い溶媒膨潤能を有する層は、3〜30μm程
度、より好ましくは5〜20μm程度となる様にするの
が望ましい。更に、低い溶媒膨潤能を有する層を上層側
にする場合には、その層の膜厚は更に薄くすることが望
ましく、具体的には、例えば、0.1〜5μm程度、よ
り好ましくは1〜3μm程度とするのが望ましい。
【0017】尚、本発明のホログラム記録媒体において
は、上層側及び下層側のどちらに高い溶媒膨潤能を有す
る感光性樹脂組成物を使用するかは特に限定されない
が、三層以上の樹脂組成物層から構成される本発明のホ
ログラム記録媒体においては、積層された各樹脂組成物
層の夫々の溶媒膨潤能が、次第に大きくまたは小さくな
り傾斜状の溶媒膨潤能を構成する様に、ホログラム記録
媒体を構成するのが好ましい。その際、例えば、三層の
感光性樹脂組成物層が積層されている本発明のホログラ
ム記録媒体において、低い溶媒膨潤性を有する感光性樹
脂組成物からなる層を下層とする場合には、各層の膜厚
を、下層から順に、夫々0.1〜10μm、1〜15μ
m及び3〜25μm程度とし、より好ましくは、夫々1
〜5μm、3〜7μm及び5〜10μm程度の膜厚とす
るのが好ましい。一方、高い溶媒膨潤性を有する感光性
樹脂組成物からなる層を下層とする場合には、各層の膜
厚は、下層から順に、夫々3〜25μm、1〜15μm
及び0.1〜10μm程度、より好ましくは、夫々5〜
15μm、2〜5μm及び0.5〜2μm程度の膜厚と
するのが好ましい。更に、上記の方法で作成された本発
明のホログラム記録媒体は、酸化や加水分解等の防止の
為に、剥離層を有するガラス基板、透明樹脂、又はフィ
ルム等で覆ってもよい。本発明のホログラム作製方法と
しては、上記の様にして形成したホログラム記録媒体を
用い、紫外線又は可視光で露光する露光工程の後、更
に、有機溶媒による膨潤及び収縮現象を利用した現像工
程を経ることにより、高解像度、高回折効率の体積位相
型ホログラムを形成することを特徴としている。
【0018】上記の本発明のホログラム現像工程は、膨
潤工程及び収縮工程、必要ならば、更に、膨潤工程及び
収縮工程を行うことから構成される。即ち、第一の有機
溶媒を用いるホログラム記録媒体の膨潤工程は、上記し
た露光工程によりホログラム潜像が形成されている記録
媒体を、第一の有機溶媒である膨潤液で処理し、形成さ
れたホログラムパターンに応じた膨潤を引き起こすもの
である。その後の第二の有機溶媒による収縮工程は、こ
の膨潤状態の記録媒体を収縮させて、上記膨潤状態に応
じたホログラム潜像の増幅、及び固定化を行うものであ
る。この後、下層のホログラムに膨潤及び収縮が起こら
ないように再び現像工程を施すことにより、上層及び下
層のホログラムが等しい回折波長を示すようにすること
が出来る。更に、現像溶媒、現像温度及び現像時間等の
現像条件を制御することにより、上層及び下層のホログ
ラムが異なる回折波長を示したり、広い回折波長幅を示
すようにすることも出来る。
【0019】ホログラム現像工程に使用される第一の有
機溶媒である膨潤液としては、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレン(オルト体、メタ体、パラ体及びそれら
の混合物)、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、
ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、ベンジルアルコー
ル、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、α−メ
チルナフタリン、α−クロルナフタリン等のベンゼン及
びナフタリンの誘導体、ジクロロメタン、クロロホル
ム、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、ジクロロ
エタン、ブロモホルム等のハロゲン置換の飽和又は不飽
和の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢
酸エチル、蟻酸エチル等のエステル類、その他のアミン
類、アミド類等が挙げられる。
【0020】又、第二の有機溶媒である収縮液として
は、ホログラム記録媒体に対して膨潤又は溶解作用を有
せず、且つ、上記の様な膨潤液と相溶性のある溶媒は全
て使用可能であり、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の
アルカン、シクロアルカン類、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコ
ール等のアルコール類、ジエチルエーテル、メチルエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類等
が好ましく使用される。中でも炭素数5〜7の飽和炭化
水素は収縮効果に優れ、単独或は相互の混合、或は他の
溶媒との混合溶媒として、収縮工程に用いるのが好適で
ある。更に、これらの膨潤液及び収縮溶液は、互いに混
合して用いることも可能であり、具体的には、例えば、
トルエンとn−ペンタン、エチルベンゼンとtert−
ブチルアルコール及びジクロロベンゼンとn−オクタン
等の組み合わせが挙げられるが、これらに限られるもの
ではなく、これらの混合比も任意である。又、夫々の工
程における温度や時間等の処理条件は、夫々使用する記
録媒体の種類及び溶媒の種類等によって変化する為、一
概には規定出来ないが、一般的にはいずれの工程も、1
0℃〜70℃程度の温度で数秒間〜数分間の処理で十分
な効果を上げることが出来る。
【0021】これらの溶媒を用いる現像工程は、数回繰
り返すことも可能である。例えば、高溶媒膨潤能性の樹
脂組成物を上層部に有するホログラム記録媒体を現像す
る場合には、高温の溶媒で一次現像を施し、更に、低温
の溶媒で、上層側の樹脂組成物のみに二次現像を施す等
の方法が採られる。又、低溶媒膨潤能性の樹脂組成物を
上層側に有するホログラム記録媒体では、上記の方法と
は逆に、一次現像に低温溶媒を用い、二次現像に高温溶
媒を用いる又はほぼ等温の溶媒を用いる等の方法が採ら
れる。又、これらの溶媒は、混合比を変更することによ
っても上記の溶媒の温度変更と同様の効果を与えること
が出来る。更に改良された方法として、使用する有機溶
媒の温度及び混合比を変更する方法がある。この方法に
よれば、使用する樹脂組成物による回折波長域の制限は
あるものの、ホログラムの回折波長及び回折半値幅の自
由な制御が可能である。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて、本発明を更
に具体的に説明する。 (実施例1)100cm3 のクロロベンゼンに5gのポ
リビニルカルバゾールを溶解し、更に、0.1gの四沃
化炭素を加え溶解させたものを、第一の感光性樹脂組成
物とした。又、100cm3 のクロロベンゼンに4.8
gのポリビニルカルバゾール及び0.2gのポリカーボ
ネートを溶解し、更に、架橋剤として0.1gの四沃化
炭素を加えて溶解したものを第二の感光性樹脂組成物と
した。第一の感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用
いてガラス基板上に塗布し、室温で2時間乾燥した後、
更に、第二の感光性樹脂組成物を塗布して室温で3時間
乾燥し、二層からなる本発明の体積位相型ホログラム記
録媒体を得た。上記の様にして形成したホログラム記録
媒体の両側から、可干渉アルゴンレーザー(488n
m)で100mJ/cm2 露光後、33℃のm−キシレ
ン中に浸漬し膨潤させ、更に、33℃のn−ヘキサン中
に浸漬し収縮させた。更に、上記の記録媒体を30℃の
キシレン中に浸漬し、30℃のn−ペンタン中に浸漬し
て、膜厚18μm、回折波長487nm、回折効率94
%のリップマンホログラムを得た。
【0023】(実施例2)100cm3 のクロロベンゼ
ンに5gの(ビニルカルバゾール−スチレン)コポリマ
ー(99:1)を溶解し、更に、架橋剤として0.1g
のCBrI3 を加え溶解させたものを、第一の感光性樹
脂組成物とした。又、100cm3 のクロロベンゼンに
4.8gの(ビニルカルバゾール−スチレン)コポリマ
ー(97:1)を溶解し、更に、0.1gのCBrI3
を加えて溶解したものを第二の感光性樹脂組成物とし
た。第一の感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用い
てガラス基板上に塗布し、室温で2時間乾燥した後、更
に、第二の感光性樹脂組成物を塗布して室温で3時間乾
燥し、二層からなる本発明の体積位相型ホログラム記録
媒体を得た。上記の様にして形成したホログラム記録媒
体の両側から、可干渉アルゴンレーザー(488nm)
で100mJ/cm2 露光後、35℃のm−キシレン中
に浸漬し膨潤させ、更に、36℃のn−ヘキサン中に浸
漬し収縮させた。更に、上記の記録媒体を31℃のトル
エン中に浸漬し、32℃のn−ヘキサン中に浸漬して、
回折波長478nm、回折効率91%のリップマンホロ
グラムを得た。
【0024】(実施例3)100cm3 のクロロベンゼ
ンに下記の式(3)で表されるモノマーからなるポリマ
ー5gを溶解し、
【化14】 更に、0.1gの四沃化珪素と下記の式(B)で表され
る増感剤とを加え溶解させたものを、第一の感光性樹脂
組成物とした。
【化15】 又、100cm3 のクロロベンゼンに下記の式(1)で
表されるモノマーからなるポリマー4.8gを溶解し、
【化16】 更に、0.1gの四沃化珪素と上記の式(B)で表され
る増感剤とを加えて溶解したものを第二の感光性樹脂組
成物とした。第一の感光性樹脂組成物を、スピンコータ
ーを用いてガラス基板上に塗布し、室温で2時間乾燥し
た後、更に、第二の感光性樹脂組成物を塗布して室温で
3時間乾燥し、二層からなる本発明の体積位相型ホログ
ラム記録媒体を得た。上記の様にして形成したホログラ
ム記録媒体の両側から、可干渉アルゴンレーザー(48
8nm)で100mJ/cm2 露光後、36℃のm−キ
シレンとトルエンとの2:1の混合溶媒中に浸漬し膨潤
させ、更に、34℃のn−オクタン中に浸漬し、収縮さ
せた。更に、上記の記録媒体を32℃のm−キシレンと
トルエンとの2:1の混合溶媒中に浸漬し、30℃のn
−オクタン中に浸漬して、回折波長472nm、回折効
率87%のリップマンホログラムを得た。
【0025】(実施例4)100cm3 のクロロベンゼ
ンに5gの(ビニルカルバゾール−ブタジエン)コポリ
マー(99:1)を溶解し、更に、0.1gのCHI3
と実施例3で使用した式(B)で表される増感剤とを加
え溶解させたものを、第一の感光性樹脂組成物とした。
又、100cm3 のクロロベンゼンに4.8gの(ビニ
ルカルバゾール−ブタジエン)コポリマー(98:2)
を溶解し、更に、0.1gのCHI3 と式(B)で表さ
れる増感剤とを加えて溶解したものを第二の感光性樹脂
組成物とした。第一の感光性樹脂組成物を、スピンコー
ターを用いてガラス基板上に塗布し、室温で2時間乾燥
した後、更に、第二の感光性樹脂組成物を塗布して室温
で3時間乾燥し、二層からなる本発明の体積位相型ホロ
グラム記録媒体を得た。上記の様にして形成したホログ
ラム記録媒体の両側から、可干渉アルゴンレーザー(4
88nm)で100mJ/cm2 露光後、28℃のクロ
ロホルム中に浸漬し膨潤させ、更に、28℃のn−ヘプ
タンとm−キシレンとの3:1の混合溶媒中に浸漬し、
収縮させた。更に、上記の記録媒体を24℃のクロロホ
ルム中に浸漬し、24℃のn−ヘプタンとm−キシレン
との3:1の混合溶媒中に浸漬して、回折波長472n
m、回折効率84%のリップマンホログラムを得た。
【0026】(実施例5)100cm3 のクロロベンゼ
ンに、4.8gのポリビニルカルバゾール及び0.2g
のポリカーボネートを溶解し、更に、0.1gの下記の
式で表される架橋剤と式(A)で表される増感剤を夫々
加えて溶解したものを第一の感光性樹脂組成物とした。
【化17】
【化18】 又、100cm3 のクロロベンゼンに下記の式(3)で
表されるモノマーからなるポリマー5gを溶解し、
【化19】 更に、0.1gのを加え上記の式で表される架橋剤と式
(A)で表される増感剤を夫々溶解させたものを、第二
の感光性樹脂組成物とした。第一の感光性樹脂組成物
を、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布し、室
温で2時間乾燥した後、更に、第二の感光性樹脂組成物
を塗布して室温で3時間乾燥し、二層からなる本発明の
体積位相型ホログラム記録媒体を得た。上記の様にして
形成したホログラム記録媒体の両側から、可干渉アルゴ
ンレーザー(488nm)で100mJ/cm2 露光
後、36℃のm−キシレン中に浸漬し膨潤させ、更に、
34℃のn−ヘキサン中に浸漬し、収縮させた。更に、
上記の記録媒体を38℃のm−キシレン中に浸漬し、3
9℃のn−ヘキサン中に浸漬して、回折波長473n
m、回折効率91%のリップマンホログラムを得た。
【0027】(実施例6)100cm3 のクロロベンゼ
ンに5gのポリビニルカルバゾールを溶解し、更に、
0.1gの四沃化炭素を加え溶解させたものを、第一の
感光性樹脂組成物とした。又、100cm3 のクロロベ
ンゼンに4.8gのポリビニルカルバゾール及び0.2
gのポリカーボネートを溶解し、更に、0.1gの四沃
化炭素を加え溶解させたものを、第二の感光性樹脂組成
物とした。第一の感光性樹脂組成物を、スピンコーター
を用いてガラス基板上に塗布し、室温で2時間乾燥した
後、更に、第二の感光性樹脂組成物を塗布して室温で3
時間乾燥し、二層からなる本発明の体積位相型ホログラ
ム記録媒体を得た。上記の様にして形成したホログラム
記録媒体の両側から、可干渉アルゴンレーザー(488
nm)で100mJ/cm2 露光後、26℃のTHF中
に浸漬し膨潤させ、更に、26℃のn−ペンタン中に浸
漬し、収縮させた。更に、上記の記録媒体を29℃のT
HF中に浸漬し、29℃のn−ペンタン中に浸漬して、
回折波長484nm、回折効率94%のリップマンホロ
グラムを得た。
【0028】(実施例7)100cm3 のクロロベンゼ
ンに5gの(ビニルカルバゾール−ブタジエン)コポリ
マー(98:2)を溶解し、更に、0.1gの四沃化炭
素を加え溶解させたものを、第一の感光性樹脂組成物と
する。又、100cm3 のクロロベンゼンに5gの(ビ
ニルカルバゾール−ブタジエン)コポリマー(99:
1)を溶解し、更に、0.1gの四沃化炭素を加えて溶
解したものを第二の感光性樹脂組成物とする。第一の感
光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いてガラス基板
上に塗布し、室温で2時間乾燥した後、更に、第二の感
光性樹脂組成物を塗布して室温で3時間乾燥し、二層か
らなる本発明の体積位相型ホログラム記録媒体を得た。
上記の様にして形成したホログラム記録媒体の両側か
ら、可干渉アルゴンレーザー(488nm)で100m
J/cm2 露光後、38℃のm−キシレン中に浸漬し膨
潤させ、更に、38℃のn−ヘキサン中に浸漬し収縮さ
せる。更に、上記の記録媒体を42℃のm−キシレン中
に浸漬し、41℃のn−ヘキサン中に浸漬して、回折波
長493nm、回折効率90%のリップマンホログラム
を得た。
【0029】(実施例8)100cm3 のクロロベンゼ
ンにポリビニルカルバゾールとポリカーボネート(9
7:3)との混合物5gを溶解し、更に、0.1gの四
沃化炭素と下記の式(B)で表される増感剤とを加え溶
解させたものを、第一の感光性樹脂組成物とした。
【化20】 又、100cm3 のクロロベンゼンにポリビニルカルバ
ゾールとポリカーボネート(98:2)との混合物5g
を溶解し、更に、0.1gの四沃化炭素と上記の式
(B)で表される増感剤とを加えて溶解したものを第二
の感光性樹脂組成物とした。第一の感光性樹脂組成物
を、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布し、室
温で2時間乾燥した後、更に、第二の感光性樹脂組成物
を塗布して室温で3時間乾燥し、二層からなる本発明の
体積位相型ホログラム記録媒体を得た。上記の様にして
形成したホログラム記録媒体の両側から、可干渉アルゴ
ンレーザー(488nm)で100mJ/cm2 露光
後、34℃のトルエン中に浸漬し膨潤させ、更に、34
℃のn−オクタン中に浸漬し、収縮させた。更に、上記
の記録媒体を35℃のトルエン中に浸漬し、35℃のn
−オクタン中に浸漬して、回折波長496nm、回折効
率89%のリップマンホログラムを得た。
【0030】(実施例9)100cm3 のクロロベンゼ
ンに5gの(ビニルカルバゾール−スチレン)コポリマ
ー(97:3)を溶解し、更に、0.1gのCHI3
下記の式(A)で表される増感剤とを加え溶解させたも
のを、第一の感光性樹脂組成物とした。
【化21】 又、100cm3 のクロロベンゼンに4.8gの(ビニ
ルカルバゾール−スチレン)コポリマー(99:1)を
溶解し、更に、0.1gのCHI3 と上記の式(A)で
表される増感剤とを加えて溶解したものを第二の感光性
樹脂組成物とした。第一の感光性樹脂組成物を、スピン
コーターを用いてガラス基板上に塗布し、室温で2時間
乾燥した後、更に、第二の感光性樹脂組成物を塗布して
室温で3時間乾燥し、二層からなる本発明の体積位相型
ホログラム記録媒体を得た。上記の様にして形成したホ
ログラム記録媒体の両側から、可干渉アルゴンレーザー
(488nm)で100mJ/cm2 露光後、35℃の
m−キシレン中に浸漬し膨潤させ、更に、36℃のn−
ヘキサン中に浸漬し収縮させた。更に、上記の記録媒体
を31℃のトルエン中に浸漬し、32℃のn−ヘキサン
中に浸漬して、回折波長474nm、回折効率87%の
リップマンホログラムを得た。
【0031】(実施例10)100cm3 のクロロベン
ゼンに3gのポリビニルカルバゾールを溶解し、更に、
0.1gの四沃化炭素を加えて溶解したものを第一の感
光性樹脂組成物とした。又、100cm3 のトルエン
に、2.5gの(ビニルカルバゾール−スチレン)コポ
リマー(97:3)を溶解し、更に、0.1gのCBr
3 を加えて溶解したものを第二の感光性樹脂組成物と
した。第一の感光性樹脂組成物をスピンコーターを用い
てガラス基板上に塗布し、室温で2時間乾燥した後、更
に、第二の感光性樹脂組成物を塗布して室温で2時間乾
燥し、二層からなるホログラム記録媒体を得た。上記の
様にして形成したホログラム記録媒体を、両側から可干
渉アルゴンレーザー(488nm)で100mJ/cm
2 露光後、39℃のm−キシレン中に浸漬し、膨潤さ
せ、更に、39℃のn−ヘキサン中に浸漬し、収縮させ
た。この結果、回折波長488nm、回折効率86%、
及び回折波長463nm、回折効率74%の二波長に回
折効率を有するホログラムを得た。
【0032】(実施例11)100cm3 のトルエンに
5gの(ビニルカルバゾール−ブタジエン)コポリマー
(98:2)を溶解し、更に、0.1gの四沃化炭素を
加え溶解したものを第一の感光性樹脂組成物とした。
又、100cm3 のトルエンに、2.91gのポリビニ
ルカルバゾールと0.09gのポリカーボネートとを溶
解し、0.1gのSiI4 を加え、更に、0.005g
の下記の式で示される増感剤を溶解したものを第二の感
光性樹脂組成物とした。
【0033】
【化22】 第一の感光性樹脂組成物をスピンコーターを用いてガラ
ス基板上に塗布し、室温で2時間乾燥した後、更に、第
二の感光性樹脂組成物を塗布して室温で2時間乾燥し、
二層からなるホログラム記録媒体を得た。上記の様にし
て形成したホログラム記録媒体を、両側から可干渉アル
ゴンレーザー(488nm)で100mJ/cm2 露光
後、38℃のm−キシレン中に浸漬し、膨潤させ、更
に、38℃のn−ヘキサン中に浸漬し、収縮させた。更
に、上記の記録媒体を38℃のトルエン中に浸漬し、3
8℃のn−オクタン中に浸漬して、回折波長495n
m、回折効率88%及び半値幅38nmの広帯域ホログ
ラムを得た。
【0034】(実施例12)100cm3 のクロロベン
ゼンに5gのポリビニルカルバゾールを溶解し、更に、
0.1gの四沃化炭素を加えて溶解したものを第一の感
光性樹脂組成物とした。又、100cm3 のトルエンに
5gの(ビニルカルバゾール−ブタジエン)コポリマー
(99:1)を溶解し、更に、0.1gの四沃化炭素を
加え溶解したものを第二の感光性樹脂組成物とした。更
に、100cm3 のクロロベンゼンに5gの(ビニルカ
ルバゾール−ブタジエン)コポリマー(98:2)を溶
解し、更に、0.1gの四沃化炭素を加えて溶解したも
のを第三の感光性樹脂組成物とした。第一の感光性樹脂
組成物をスピンコーターを用いてガラス基板上に塗布
し、室温で2時間乾燥し、その上に第二の感光性樹脂組
成物を塗布して室温で2時間乾燥し、更に、第三の感光
性樹脂組成物をその上に塗布して室温で2時間乾燥し、
三層からなる本発明のホログラム記録媒体を得た。上記
の様にして形成したホログラム記録媒体の両側から、可
干渉アルゴンレーザー(488nm)で100mJ/c
2 露光後、38℃のm−キシレン中に浸漬し、膨潤さ
せ、更に、38℃のn−ヘキサン中に浸漬し、収縮させ
た。この結果、回折波長495nm、回折効率41%及
び半値幅58nmの広帯域ホログラムを得た。
【0035】
【発明の効果】以上説明した様に、溶媒膨潤能の夫々異
なる感光性樹脂組成物を積層してなる本発明のホログラ
ム記録媒体を用いたホログラムの作製方法によれば、従
来のホログラム用記録媒体から形成されるホログラムと
比べ、回折効率が高いホログラムを得ることが出来る。
又、本発明によれば、一度の露光で二つ以上の波長に回
折効率を有するホログラムを得ることが出来るホログラ
ム記録媒体が得られる。更には、広い波長域に渡って回
折効率を有するホログラムを得ることが出来るホログラ
ム記録媒体が得られる。更に、上記の優れた性能のホロ
グラムを与える画期的なホログラムの作製方法が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のホログラム記録媒体の基本構
造を示す図である。同図において1は夫々の層間で溶媒
膨潤能に順次傾斜を有するように構成された感光性樹脂
組成物層で、2はガラス又は樹脂などの基板である。
【符号の説明】
1:複数の感光性樹脂組成物層 2:ガラス又は樹脂等の基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森島 英樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 須藤 敏行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松村 進 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー、コポリマー又はブレンドポリ
    マーに、架橋剤又は架橋剤と増感剤とを含有させてなる
    複数の感光性樹脂組成物が積層されている体積位相型ホ
    ログラム記録媒体において、複数の感光性樹脂組成物の
    現像溶媒に対する膨潤能が夫々異なることを特徴とする
    体積位相型ホログラム記録媒体。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂組成物層の現像溶媒に対する
    夫々の膨潤能が、上層部に向かって次第に大きく又は小
    さくなるように傾斜状に構成されている請求項1に記載
    の体積位相型ホログラム記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の体積位相型ホログラム
    記録媒体を露光後に現像する工程を含む体積位相型ホロ
    グラム作製方法において、感光性樹脂組成物層の現像溶
    媒に対する膨潤能の違いにより現像工程でホログラム記
    録媒体の回折格子間隔を任意に制御することを特徴とす
    る体積位相型ホログラム作製方法。
  4. 【請求項4】 感光性樹脂組成物層が夫々等しい回折波
    長を有するように現像工程でホログラム記録媒体の回折
    格子間隔を制御する請求項3に記載の体積位相型ホログ
    ラム作製方法。
  5. 【請求項5】 感光性樹脂組成物層が夫々異なる回折波
    長を有するように現像工程でホログラム記録媒体の回折
    格子間隔を制御する請求項3に記載の体積位相型ホログ
    ラム作製方法。
  6. 【請求項6】 感光性樹脂組成物層が夫々連続した異な
    る回折波長を有することにより、ホログラム記録媒体が
    広い回折波長幅を有するように現像工程でホログラム記
    録媒体の回折格子間隔を制御することを特徴とする体積
    位相型ホログラム作製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6127066A (en) * 1992-11-27 2000-10-03 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Hologram recording sheet, holographic optical element using said sheet, and its production process
WO2004081676A1 (en) * 2003-03-11 2004-09-23 Cambridge University Technical Services Limited Holographic sensors and their production

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