JPH05180330A - 車両用直結クラッチのスリップ制御装置 - Google Patents

車両用直結クラッチのスリップ制御装置

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JPH05180330A
JPH05180330A JP35930691A JP35930691A JPH05180330A JP H05180330 A JPH05180330 A JP H05180330A JP 35930691 A JP35930691 A JP 35930691A JP 35930691 A JP35930691 A JP 35930691A JP H05180330 A JPH05180330 A JP H05180330A
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clutch
slip
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control
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隆次 茨木
Ryoji Hanebuchi
良司 羽渕
Shinya Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジャダの発生原因となる直結クラッチやオイ
ルの劣化に対して早期に対処することができる車両用直
結クラッチのスリップ制御装置を提供する。 【構成】 ステップSR4において、ステップSR3に
より推定された摩擦係数μが予め設定された下限値CM
1 および上限値CM2 の範囲を超えたと判定された場合
には、ステップSR5によりスリップ制御禁止フラグF
STPの内容が「1」にセットされるので、ステップS
G4によるロックアップクラッチ32のスリップ制御が
回避される。したがって、実際のジャダの発生前に、そ
のジャダの発生の原因であるロックアップクラッチ32
やオイルの劣化が摩擦係数μに基づいて判定されてスリ
ップ制御が回避され、搭乗者に不快感を与えることがな
い。また、ロックアップクラッチ32やオイルの劣化が
軽度である状態においてそれ以上進むことが防止され、
また早期に対処することができるのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用直結クラッチの
スリップ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用直結クラッチは、トルクコンバー
タ或いはフルードカップリングの回転損失を解消するた
めに係合させられるとともに、たとえば、燃費を改善す
るために直結クラッチ用係合線図に設けられたスリップ
領域内に車両走行状態があるときや、減速走行中におい
てエンジン回転速度をフューエルカット回転速度以上に
維持するためにスリップ(半係合)させられる。
【0003】一般に、スリップ制御中においては、直結
クラッチのスティックスリップに起因する駆動系のトル
ク変動および車両振動である所謂ジャダが発生する場合
がある。このジャダは、直結クラッチの摩擦材や作動油
の劣化により摩擦係数が以上に低下することなどにより
直結クラッチのスリップ制御中において発生し、一旦開
始されると持続的に発生する傾向にある。このジャダに
よる車両振動や異音は搭乗者に不快感を与えるため、ス
リップ制御中においてジャダが検出されると、そのスリ
ップ制御を中止する手段を設けることが提案されてい
る。たとえば、特公昭62−50703号公報に記載さ
れたスリップ制御装置がそれである。
【0004】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記従来のスリッ
プ制御装置では、ジャダが実際に発生してからスリップ
制御が中止されるため、そのジャダによる振動が大きい
場合には搭乗者に不快感を与えることが避けられない。
また、ジャダが実際に発生してからスリップ制御が中止
されるので、スリップ制御が中止されたときには直結ク
ラッチやオイルの劣化がかなり進んた状態となり、既に
直結クラッチが大きな損傷を受けてしまっている可能性
がある。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、ジャダの発生原
因となる直結クラッチやオイルの劣化に対して早期に対
処することができる車両用直結クラッチのスリップ制御
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、図1の発明の要旨図
に示すように、直結クラッチ付流体伝動装置を有する車
両において、その直結クラッチのスリップを制御するス
リップ制御手段を備えたスリップ制御装置であって、
(a) 前記直結クラッチのスリップ制御中における摩擦係
数を推定する摩擦係数推定手段と、(b) その摩擦係数推
定手段により推定された摩擦係数が予め設定された範囲
を超えるか否かを判定する判定手段と、(c) その判定手
段により前記摩擦係数が予め設定された範囲を超えたと
判断された場合には、前記スリップ制御手段による直結
クラッチのスリップ制御を抑制するスリップ制御抑制手
段とを、含むことにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、判定手段において、摩擦係
数推定手段により推定された摩擦係数が予め設定された
範囲を超えたと判定された場合には、スリップ制御抑制
手段により、スリップ制御手段による直結クラッチのス
リップ制御が抑制される。
【0008】
【発明の効果】このため、実際のジャダの発生前に、そ
のジャダの発生の原因となる直結クラッチやオイルの劣
化が摩擦係数に基づいて判定されるとともに、スリップ
制御が抑制されるので、搭乗者に不快感を与えることが
なく、直結クラッチやオイルの劣化が軽度である状態に
おいてそれ以上進むことが防止されて早期に対処される
のである。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は、本発明の一実施例が適用された
車両用動力伝達装置を示す図である。図において、エン
ジン10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバ
ータ12、自動変速機14、および図示しない差動歯車
装置などを経て駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0010】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結されているポンプ翼車18
と、上記自動変速機14の入力軸20に固定され、ポン
プ翼車18からのオイルを受けて回転させられるタービ
ン翼車22と、一方向クラッチ24を介して非回転部材
であるハウジング26に固定されたステータ翼車28
と、ダンパ30を介して上記入力軸20に連結されたロ
ックアップクラッチ32とを備えている。トルクコンバ
ータ12内の係合側油室35よりも解放側油室33内の
油圧が高められると、ロックアップクラッチ32が非係
合状態とされるので、トルクコンバータ12の入出力回
転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。しか
し、解放側油室33よりも係合側油室35内の油圧が高
められると、ロックアップクラッチ32が係合状態とさ
れるので、トルクコンバータ12の入出力部材、すなわ
ちクランク軸16および入力軸20が直結状態とされ
る。
【0011】自動変速機14は、複数組の遊星歯車装置
およびそれらの要素を選択的に係合させる摩擦係合装置
を備えた所謂A/Tと称される有段変速機、或いは、有
効径が可変の一対の可変プーリおよびそれらに巻き掛け
られた伝動ベルトを備えたベルト式無段変速機から構成
され、入力軸20と出力軸34との変速比を電子制御装
置42からの変速指令信号に従って多段階或いは無段階
に変化させる。本実施例の車両には、上記自動変速機1
4の変速比を制御するための変速制御用油圧制御回路4
4と、ロックアップクラッチ32の係合を制御するため
の係合制御用油圧制御回路46とが設けられている。変
速制御用油圧制御回路44は、たとえば特開昭62−3
4558号公報や特開平2−212656号公報に記載
されているように、ソレノイドNo.1およびソレノイドN
o.2によってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁4
8および第2電磁弁50を備えており、それら第1電磁
弁48および第2電磁弁50の作動の組み合わせによっ
て自動変速機14の変速方向および変速速度が制御され
るようになっている。
【0012】また、係合制御用油圧制御回路46は、リ
ニアソレノイドであるソレノイドNo.3により作動させら
れるリニアソレノイド弁52と、ロックアップクラッチ
32を解放状態とする解放側位置とロックアップクラッ
チ32を係合状態とする係合側位置とに切り換えられる
切換弁54と、変速制御用油圧制御回路44内の図示し
ないクラッチ圧調圧弁によりスロットル弁開度に応じて
発生させられるレギュレータ圧Pclを元圧とするスリッ
プ制御弁56とを備えている。上記リニアソレノイド弁
52は、変速制御用油圧制御回路44内で発生させられ
る一定のモジュレータ圧Pmoduを元圧とするものであっ
て、電子制御装置42からの駆動電流Isol の大きさに
応じた大きさの出力圧Plin を連続的に発生させ、この
出力圧を上記切換弁54およびスリップ制御弁56へ作
用させる。
【0013】上記切換弁54は、図示しないスプール弁
子を解放側位置へ向かって付勢するスプリング58と、
前記レギュレータ圧Pclが供給される第1ポート60
と、スリップ制御弁56の出力圧が供給される第2ポー
ト62と、解放側油室33に接続された第3ポート64
と、係合側油室35に接続された第4ポート66と、ド
レンに接続された第5ポート68とを備えている。切換
弁54は、それに供給されるリニアソレノイド弁52の
出力圧Plin が予め定められた一定の値を下回ると、そ
のスプール弁子がスプリング58の付勢力に従って上記
解放側位置に位置させられて、第2ポート62を閉塞さ
せるとともに第1ポート60と第3ポート64、および
第4ポート66と第5ポート68の間をそれぞれ連通さ
せる。このため、切換弁54のスプール弁子に作用され
るリニアソレノイド弁52の出力圧Plin が予め定めら
れた一定の値を下回ると、切換弁54のスプール弁子が
スプリング58の付勢力に従って解放側位置に位置させ
られて、解放側油室33内の油圧Poff がレギュレータ
圧Pclとされると同時に係合側油室35内の油圧Pon
大気圧とされてロックアップクラッチ32が解放され
る。しかし、切換弁54のスプール弁子に作用されるリ
ニアソレノイド弁52の出力圧Plin が予め定められた
一定の値を超えると、切換弁54のスプール弁子がスプ
リング58の付勢力に抗して係合側位置へ切り換えられ
て、第5ポート68を閉塞させるとともに、第1ポート
60と第4ポート66、および第2ポート62と第3ポ
ート64の間をそれぞれ連通させる。このため、係合側
油室35内の油圧Ponがレギュレータ圧Pclとされると
同時に、解放側油室33内の油圧Poff がスリップ制御
弁56により圧力制御されてロックアップクラッチ32
がスリップ制御され或いは解放される。
【0014】上記スリップ制御弁56は、図示しないス
プール弁子を出力圧増加側へ付勢するためのスプリング
70を備えている。このスプール弁子には、出力圧増加
側へ向かう推力を発生させるために係合側油室35内の
油圧Ponが作用させられているとともに、出力圧減少側
へ向かう推力を発生させるために解放側油室33内の油
圧Poff およびリニアソレノイド弁52の出力圧Plin
がそれぞれ作用させられている。このため、スリップ制
御弁56は、数式1に示すように、スリップ量に対応す
る差圧ΔP(=Pon−Poff )がリニアソレノイド弁5
2の出力圧Plin に対応した値となるように作動する。
ここで、数式1において、Fはスプリング70付勢力、
1 はスプール弁子における油圧Ponの受圧面積、A2
(但しA1 =A2 )は油圧Poff の受圧面積、A3 は出
力圧Plin の受圧面積である。
【0015】
【数1】 ΔP=Pon−Poff =(A3 −A1 )Plin −F/A1
【0016】したがって、上記のように構成されている
係合制御用油圧制御回路46では、係合側油室35内の
油圧Ponおよび解放側油室33内の油圧Poff は、図3
に示すように、リニアソレノイド弁52の出力圧Plin
に応じて変化させられるので、リニアソレノイド弁52
の出力圧Plin によって切換弁54の切換制御と、その
切換弁54が係合位置へ切り換えられた後のロックアッ
プクラッチ32のスリップ制御とがそれぞれ行われ得る
のである。
【0017】電子制御装置42は、CPU82、ROM
84、RAM86、図示しないインターフェースなどか
ら成る所謂マイクロコンピュータであって、それには、
エンジン10の吸気配管80に設けられたスロットル弁
の開度を検出するスロットルセンサ88、エンジン10
の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ90、自
動変速機14の入力軸20の回転速度を検出する入力軸
回転センサ92、自動変速機14の出力軸34の回転速
度を検出する出力軸回転センサ94、シフトレバー96
の操作位置、すなわちL、S、D、N、R、Pレンジの
いずれかを検出するための操作位置センサ98から、ス
ロットル弁開度θthを表す信号、エンジン回転速度Ne
(ポンプ翼車回転速度NP )を表す信号、入力軸回転速
度Nin(タービン翼車回転速度NT )を表す信号、出力
軸回転速度Nout を表す信号、シフト操作レバー96の
操作位置Ps を表す信号がそれぞれ供給されるようにな
っている。
【0018】電子制御装置42のCPU82は、RAM
86の一時記憶機能を利用しつつ予めROM84に記憶
されたプログラムに従って入力信号を処理し、自動変速
機14の変速制御およびロックアップクラッチ32の係
合制御を実行するために第1電磁弁48、第2電磁弁5
0およびリニアソレノイド弁52をそれぞれ制御する。
変速制御では、予めROM84に記憶された変速線図か
ら実際のスロットル弁開度θthと出力軸回転速度Nout
から算出された車速Vとに基づいて目標ギヤ段或いは目
標入力軸回転速度を決定し、その目標ギヤ段或いは目標
入力軸回転速度と実際のギヤ段或いはエンジン回転速度
e とが一致するように第1電磁弁48、第2電磁弁5
0を駆動する。また、ロックアップクラッチ32の係合
制御では、スロットル弁開度θthおよび出力軸回転速度
out により表される車両状態がたとえば図4に示す予
め記憶されたスリップ領域内であるか否かが判断され、
スリップ領域内であると判断された場合にはロックアッ
プクラッチ32が半係合状態とされる。また、自動変速
機14のギヤ段の切り換え期間、および減速走行中にお
いてもスリップ制御が実行される。
【0019】以下、電子制御装置42の作動の要部を図
5乃至図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図5はゼネラルフローチャートを示しており、図6は劣
化判定ルーチンを示している。
【0020】図5のステップSG1では、スリップ制御
禁止フラグFSTPの内容が「1」であるか否かが判断
される。このスリップ制御禁止フラグFSTPは、その
内容が「1」であるときにスリップ制御の禁止モードを
表すものである。当初はスリップ制御禁止フラグFST
Pの内容が「0」であるので、ステップSG1の判断が
否定され、ステップSG2においてスリップ制御である
か否かが判断される。このステップSG2では、スロッ
トル弁開度θthおよび出力軸回転速度Nout により表さ
れる車両状態が、たとえば図4の予め記憶された関係に
示すスリップ領域内であるか否かが判断されるのであ
る。このスリップ制御は、車両の燃費を改善するために
ロックアップクラッチ32を半係合させるものである。
【0021】車両状態が上記スリップ領域内にない場合
は上記ステップSG2の判断が否定されるので、ステッ
プSG3においてスリップ制御以外の制御が実行され
る。このスリップ制御以外の制御とは、ロックアップク
ラッチ32の解放制御或いは係合制御である。この解放
制御或いは係合制御も、車両状態が上記図4に示す解放
領域或いは係合領域内にあるか否かに従って開始される
のである。しかし、車両状態が上記スリップ領域内にあ
る場合は上記ステップSG2の判断が肯定されるので、
ステップSG4においてよく知られたスリップ制御が実
行される。このスリップ制御では、たとえば目標スリッ
プ量が得られるように実際のスリップ量が調節される。
そして、続くステップSG5においては、たとえば図6
に示す劣化判定ルーチンが実行される。
【0022】図6のステップSR1では、エンジン10
の出力トルクTe が、よく知られた数式2から実際のス
ロットル弁開度θthおよびエンジン回転速度Ne に基づ
いて算出される。続くステップSR2では、予め記憶さ
れた数式3から実際のエンジン回転速度Ne および容量
係数C1 と称される関数値f1 (Nt /Ne )に基づい
てトルクコンバータ12の伝達トルクTf が算出され
る。その関数値f1 (Nt /Ne )、すなわちトルクコ
ンバータ12の容量係数C1 は、たとえば図7に示す予
め記憶されたものであり、タービン回転速度Nt (=N
in)およびエンジン回転速度Ne の速度比e(=Nt
e )に基づいて決定される。
【0023】
【数2】Te =fo (θth,Ne
【0024】
【数3】Tf =f1 (Nt /Ne )・Ne 2
【0025】続くステップSR3では、予め記憶された
数式4から、エンジン10の出力トルクTe 、トルクコ
ンバータ12の伝達トルクTf 、および関数値f2 (I
sol )に基づいてロックアップクラッチ32の摩擦係数
μが算出される。この数式4は、ロックアップクラッチ
32の伝達トルクTc が、Te −Tf であり、また、C
2 μR(A1 on−A2 off )でもあることから導か
れたものである。Rはロックアップクラッチ32の有効
半径であり、(A1 on−A2 off )は押し付け力で
あって差圧ΔP〔=f2 (Isol )〕に比例する。ま
た、上記関数値f2 (Isol )は、たとえば図8に示す
予め記憶された関係からリニアソレノイド弁52の実際
の駆動電流Isol に基づいて決定される。
【0026】
【数4】μ=C・(Te −Tf )/f2 (Isol
【0027】次いで、ステップSR4では、摩擦係数μ
が予め設定された下限値CM1 および上限値CM2 の範
囲内であるか否かが判断される。この下限値CM1 およ
び上限値CM2 は、ジャダの発生に先立って発生するロ
ックアップクラッチ32の摩擦係数の変化を判定するた
めに予め実験的に定められた正常値の範囲である。
【0028】ロックアップクラッチ32の摩擦係数μが
正常値の域内であれば、上記ステップSR4の判断が肯
定されて本ルーチンが終了させられる。しかし、ロック
アップクラッチ32の摩擦面やオイルの劣化により摩擦
係数μが正常値の域を超えて変化した場合には上記ステ
ップSR4の判断が否定され、ステップSR5において
スリップ制御禁止フラグFSTPの内容が「1」にセッ
トされてから本ルーチンが終了させられる。
【0029】上述のように、本実施例によれば、判定手
段に対応するステップSR4において、摩擦係数推定手
段に対応するステップSR3により推定された摩擦係数
μが予め設定された下限値CM1 および上限値CM2
範囲を超えたと判定された場合には、スリップ制御抑制
手段に対応するステップSR5によりスリップ制御禁止
フラグFSTPの内容が「1」にセットされるので、ス
リップ制御手段に対応するステップSG4によるロック
アップクラッチ32のスリップ制御が回避される。した
がって、実際のジャダの発生前に、そのジャダの発生の
原因であるロックアップクラッチ32やオイルの劣化が
摩擦係数μに基づいて判定されてスリップ制御が回避さ
れるので、搭乗者に不快感を与えることがない。また、
ロックアップクラッチ32やオイルの劣化が軽度である
状態においてそれ以上進むことが防止され、また早期に
対処することができるのである。
【0030】また、本実施例によれば、制御系に異常が
発生した場合でも、駆動電流Isol に基づいて推定され
る摩擦係数μが正常の範囲を超えるので、スリップの過
大或いは過小などの制御系の異常にも有効に対処できる
利点がある。
【0031】図9は、劣化判定ルーチンの他の例を示し
ている。このルーチンのステップSS1ではタイマカウ
ンタCLMTの内容が予め設定された判断基準時間CT
に到達したか否かが判断される。当初は、このステップ
SS1の判断が否定されるので、続くステップSS2に
おいてスロットル弁開度θthが予め設定された下限値θ
1 および上限値θ2 のスロットル範囲内であるか否かが
判断される。また、ステップSS2の判断が肯定された
場合には続くステップSS3においてエンジン回転速度
e が予め設定された下限値N1 および上限値N2 のエ
ンジン回転範囲内であるか否かが判断される。上記スロ
ットル範囲およびエンジン回転範囲は、摩擦係数μ或い
はそれに関連した駆動電流Isol が伝達トルクに依存す
ることから、信頼性のある異常判定を行うために前提条
件を40km/h程度の定常走行時のような定常範囲に整え
るものである。上記ステップSS2およびSS3のいず
れかの判断が否定された場合には、ステップSS6にお
いてタイマCLMTの内容が「0」にクリアされる。
【0032】しかし、上記ステップSS2およびSS3
の判断が共に肯定された場合には続くステップSS4に
おいてロックアップクラッチ32のスリップ回転速度N
slp が予め設定された下限値Nd1および上限値Nd2のス
リップ回転範囲内であるか否かが判断される。このスリ
ップ回転範囲は、摩擦係数μ或いはそれに関連した駆動
電流Isol がスリップ回転速度Nslp に依存することか
ら、信頼性のある異常判定を行うために前提条件を整え
るものである。上記ステップSS4の判断が否定された
場合にはステップSS6においてタイマCLMTの内容
が「0」にクリアされるが、ステップSS4の判断が肯
定された場合には続くステップSS5においてリニアソ
レノイド弁52に対する駆動電流Isol が予め設定され
た下限値I1 および上限値I2 の電流範囲内であるか否
かが判断される。スリップ制御では目標スリップ量が得
られるようにフィードバック制御されるものであるた
め、上記の前提条件が整えば駆動電流Isol はロックア
ップクラッチ32の摩擦係数μに対応する。このため、
上記ステップSS5では、ジャダの発生に先立つロック
アップクラッチ32の摩擦係数の変化が判定され得るの
である。上記の電流範囲は、ロックアップクラッチ32
の摩擦係数が正常な領域を超えたことを判定するために
予め設定されている。
【0033】ロックアップクラッチ32の摩擦係数が正
常な範囲内にある状態であれば、上記ステップSS5の
判断が肯定されるので、ステップSS6においてタイマ
CLMTの内容が「0」にクリアされる。しかし、ロッ
クアップクラッチ32の摩擦係数が正常な範囲を超える
状態であれば、上記ステップSS5の判断が否定される
ので、ステップSS7においてタイマCLMTの内容に
「1」が加算される。そして、以上のステップが繰り返
し実行されるうち、タイマCLMTの内容が判断基準時
間CT に到達すると、ステップSS1の判断が肯定され
るので、ステップSS8においてスリップ制御禁止フラ
グFSTPの内容が「1」にセットされる。すなわち、
ロックアップクラッチ32の摩擦係数が正常な範囲を超
えた状態が判断基準時間CT 以上持続することにより、
スリップ制御が禁止されるのである。本実施例において
も、前述の実施例と同様の作用効果が得られる。
【0034】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0035】たとえば、前述の図6のステップSR4で
は、下限値CM1 および上限値CM2 は絶対値であった
が、所定周期毎に算出した実際の摩擦係数μを基準にし
て、それからの変化量が所定の範囲内であるか否かを判
断するようにしてもよい。
【0036】また、前述の図5および図6の実施例で
は、ステップSR4で摩擦係数μが正常の範囲を超えた
と判断されたときには、スリップ制御禁止フラグFST
Pがセットされることにより、スリップ制御が禁止され
るように構成されているが、ステップSR4の判断が否
定された場合には、たとえば、スリップ領域をジャダの
発生し難い高回転側に限定したり、或いは目標スリップ
量を高く変化させたり、フィードバック制御周期が長く
されたりして、スリップ制御が制限されるように構成さ
れてもよいのである。
【0037】また、前述の図9の実施例において、その
ステップSS5に替えて、図6のステップSR1乃至S
R4が設けられてもよいのである。
【0038】また、前述の実施例において、スリップ制
御禁止フラグFSTPが「1」にセットされた場合に
は、運転者などに対する警報を発生する光学的表示器や
音声表示器が設けられてもよい。
【0039】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示す図である。
【図2】本発明の一実施例のスリップ制御装置を含む車
両の動力伝達装置を示す図である。
【図3】図2の係合制御用油圧制御回路において、リニ
アソレノイド弁の出力圧Plin とロックアップクラッチ
の係合側油室内油圧Ponおよび解放側油室内油圧Poff
との関係を説明する図である。
【図4】図2の電子制御装置によるロックアップクラッ
チの係合制御において用いられる関係を示す図である。
【図5】図2の電子制御装置によるロックアップクラッ
チの係合制御作動を説明するゼネラルフローチャートで
ある。
【図6】図5の劣化判定ルーチンの作動を説明するフロ
ーチャートである。
【図7】図6のフローチャートにおいて用いられる関係
を示す図である。
【図8】図6のフローチャートにおいて用いられる関係
を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例における図6に対応する図
である。
【符号の説明】
32 ロックアップクラッチ(直結クラッチ) 42 電子制御装置 ステップSR3 摩擦係数推定手段 ステップSR4 判定手段 ステップSR5 スリップ制御抑制手段 ステップSG4 スリップ制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 信也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直結クラッチ付流体伝動装置を有する車
    両において、該直結クラッチのスリップを制御するスリ
    ップ制御手段を備えたスリップ制御装置であって、 前記直結クラッチのスリップ制御中における摩擦係数を
    推定する摩擦係数推定手段と、 該摩擦係数推定手段により推定された摩擦係数が予め設
    定された範囲を超えるか否かを判定する判定手段と、 該判定手段により前記摩擦係数が予め設定された範囲を
    超えたと判断された場合には、前記スリップ制御手段に
    よる直結クラッチのスリップ制御を抑制するスリップ制
    御抑制手段とを、含むことを特徴とする車両用直結クラ
    ッチのスリップ制御装置。
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