JPH05179002A - カチオン性ゲル粒子の製造方法 - Google Patents

カチオン性ゲル粒子の製造方法

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JPH05179002A
JPH05179002A JP25043591A JP25043591A JPH05179002A JP H05179002 A JPH05179002 A JP H05179002A JP 25043591 A JP25043591 A JP 25043591A JP 25043591 A JP25043591 A JP 25043591A JP H05179002 A JPH05179002 A JP H05179002A
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洋一 福井
Shoichiro Suzuki
祥一郎 鈴木
Shigeru Honma
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 電着塗料、特にカチオン電着塗料の艶消し剤
等として好適なカチオン性樹脂マイクロゲルを簡単な操
作で、安価に製造する。 【構成】 ビニル基、アクリル基又はメタクリル基とア
ルコキシ基とを含有するシランと、このシランとラジカ
ル共重合可能な単官能モノマーを2種以上含有し、その
少なくとも1種が3級アミノ基含有エチレン性モノマー
であるモノマー混合物とを溶液重合させることにより得
られる共重合物と、ビニル基、アクリル基又はメタクリ
ル基とアルコキシ基とを含有するシランと、このシラン
とラジカル共重合可能で、かつ水酸基、カルボキシル基
及びアミノ基を含有しない疎水性単官能モノマーとを溶
液重合させることにより得られる共重合物とを混合し、
この混合物を有機カルボン酸で中和し、次いでエマルシ
ョン化を行い、最後にアルコキシ基を加水分解してエマ
ルション粒子内でゲル化反応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電着塗料、特にカチオ
ン電着塗料の艶消し剤として好適なカチオン性樹脂マイ
クロゲルを工業的に有利に製造することができるカチオ
ン性ゲル粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
ように電着塗装は工程の自動化が容易であり、かつ様々
な塗装面への塗装が可能でその効率も高いことから幅広
い分野に普及しているが、最近では艶消し塗装の要望が
高い。
【0003】この場合、艶消し電着塗膜を与えるには、
電着塗料に例えばホワイトカーボン、珪酸アルミ、樹脂
マイクロゲル等を艶消し剤として添加することが可能で
ある。
【0004】しかしながら、これら艶消し剤は一般に添
加量を多くしないと艶消し効果が十分に発揮されず、多
量使用により塗料の物性が低下したり、経済的に不利に
なり易い。更に、電気泳動性がないため顔料分散性や浴
管理性が低下するという欠点もある。中でも樹脂マイク
ロゲルは経済的に高価でその添加量がかなり制限されて
しまう問題がある上、従来の樹脂マイクロゲルはアニオ
ン性樹脂マイクロゲルが一般的であり、その合成にあた
りスルホン酸系の界面活性剤を使用するため、電着塗膜
の物性に悪影響を与え易いという問題も有している。
【0005】一方、最近では防食性の高い電着塗料指向
の一つの方向としてカチオン電着塗料が注目されてい
る。このカチオン電着塗料用艶消し剤としてはイオン性
保持の点などからカチオン性樹脂マイクロゲルが好適で
ある。
【0006】しかし、樹脂マイクロゲルは乳化重合法で
合成可能であるが、上述したように樹脂マイクロゲルと
してはアニオン性樹脂マイクロゲルが一般的であり、こ
れはカチオン電着塗料には添加できない。この場合、乳
化重合法を採用してカチオン性樹脂マイクロゲルを得る
には特殊な原料や界面活性剤を使用する必要があり、し
かも得られるカチオン性ゲル粒子は分散安定性に劣るも
のであり、従って、乳化重合法により高品質のカチオン
性ゲル粒子を簡単かつ経済的に有利に製造することは困
難である。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
上記問題点が解消され、電着塗料、特にカチオン電着塗
料の艶消し剤として好適なカチオン性樹脂マイクロゲル
を工業的に有利に合成することができるカチオン性ゲル
粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ビニル基、
アクリル基又はメタクリル基とアルコキシ基とを含有す
るシランと、このシランとラジカル共重合可能な単官能
モノマーを2種以上含有し、その少なくとも1種が3級
アミノ基含有エチレン性モノマーであるモノマー混合物
とを溶液重合させることにより得られる共重合物Xと、
ビニル基、アクリル基又はメタクリル基とアルコキシ基
とを含有するシランと、このシランとラジカル共重合可
能で、かつ水酸基、カルボキシル基及びアミノ基を含有
しない疎水性単官能モノマーとを溶液重合させることに
より得られる共重合物Yとを混合し、この混合物を中和
度が20〜80となるように有機カルボン酸で中和し、
次いで水に転送してエマルション化を行い、最後に上記
シランに由来するアルコキシ基を加水分解してエマルシ
ョン粒子内でゲル化反応することにより、疎水成分の共
重合物Yがエマルション粒子の内殻、そして共重合物X
が外殻となって、ゲル化により疑似コアーシェル構造が
形成され、高品質のコアーシェル型カチオン性ゲル粒子
を工業的に有利に製造できることを見い出した。
【0009】即ち、従来の乳化重合法では界面活性剤を
使用してゲル化した粒子を分散させており、ゲル化粒子
の沈降が生じ易く、またラジカル重合触媒として過硫酸
塩等を用いるため触媒切片として硫酸イオンが生成し、
これによりカチオン性ゲルの安定性が悪化するものであ
る。これに対し、本発明方法は、界面活性剤を使用する
ことなくゲル化粒子が安定に分散し得、しかも使用原料
が安価で製造工程も簡単であり、経済性及び操作性に優
れている。
【0010】更に、本発明方法により製造できるカチオ
ン性樹脂マイクロゲルは、電着塗料、特にカチオン電着
塗料に艶消し剤として添加すると、塗料中に安定に分散
し、かつ比較的少ない添加量でも十分な艶消し効果を発
揮し得、光沢度を任意に調整することも可能であり、外
観、光沢度及び各種物性に優れた塗膜を与えることを知
見し、本発明をなすに至ったものである。
【0011】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のカチオン性ゲル粒子の製造方法では、まず共重合物
Xの原料としてビニル基、アクリル基又はメタクリル基
とアルコキシ基とを含有するシランと、このシランとラ
ジカル共重合可能な単官能モノマーを2種以上含有し、
その少なくとも1種が3級アミノ基含有エチレン性モノ
マーであるモノマー混合物とを使用する。
【0012】ここで、ビニル基、アクリル基又はメタク
リル基とアルコキシ基とを含有するシランは、アルコキ
シ基の含有量が分子中0.1〜7部(重量部、以下同
様)、特に0.1〜5部であることが好ましい。このよ
うなシランとしては、例えばγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メ
タクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチル
ジクロロシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシ
エトキシ)シラン等が挙げられる。
【0013】また、上記シランとラジカル共重合可能な
単官能モノマーとしては、具体的にメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソ−ブチル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、スチレン、アクリルアマイド等が例示される。ま
た、3級アミノ基含有モノマーとして具体的には、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルア
ミノエチル及びメタクリル酸グリシジルと二級アミンと
を反応して得られるアミノ基含有エチレン性モノマー等
が例示される。
【0014】また、上記モノマー混合物において、3級
アミノ基含有エチレン性モノマーは、共重合物Xのアミ
ン価が40〜200mgKOH/g、特に40〜150
mgKOH/gの範囲となるように含有することが好適
である。共重合物Xは共重合物Yと混合されるので混合
後のアミン価が30〜150mgKOH/gとなること
が好ましい。
【0015】本発明では、上述したシランとモノマー混
合物とを混合して溶液重合させるものであるが、この場
合、シランとモノマー混合物との混合割合は、全体を1
00部とした場合、シランが0.05〜20部であるこ
とが好ましい。シランが0.05部未満ではゲル化反応
が十分進行しないので粒子自体ゲルとならない場合が生
じ、20部を超えると粒子間でゲル化反応を起こし、粒
度分布がブロードとなり、更に分散安定性が劣る場合が
生じる。
【0016】更に、溶液重合は重合触媒の存在下で行な
うことが望ましい。重合触媒としては通常使用されてい
るものを用いることができ、具体的には2,2’−アゾ
ビス(イソブチルニトリル)、ジベンゾイルパーオキサ
イド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、te
rt−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−
ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙
げられる。なお、溶液重合条件は別に限定されないが、
60〜200℃で1〜8時間又はそれ以上反応させるこ
とが望ましい。
【0017】このような溶液重合で得られる共重合物
(X)はカチオン性(メタ)アクリル樹脂であり、その
分子量は2000〜30000で、固形分が40〜70
%、アミン価が30〜150mgKOH/g、ガラス転
移温度が−20〜30℃であることが好ましく、更にカ
チオン性水溶性樹脂基体と十分に結合させるためにOH
価が20〜100mgKOH/gであることが望まし
い。
【0018】また、共重合物Yの原料としては、ビニル
基、アクリル基又はメタクリル基とアルコキシ基とを含
有するシランと、このシランとラジカル共重合可能で、
かつ水酸基、カルボキシル基及びアミノ基を含有しない
疎水性単官能モノマーとを使用する。
【0019】ここで、上記シランとしては前述したビニ
ル基、アクリル基又はメタクリル基とアルコキシ基とを
含有するシランを使用することができ、前記単官能モノ
マーと共重合させたシランと同一であっても異なったも
のでもよい。
【0020】更に、上記シランと共重合可能な疎水性単
官能モノマーとしては、分子中に水酸基、カルボキシル
基及びアミノ基を含有しないものを用いるもので、具体
的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸イソ−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、スチレ
ン、アクリルアマイド等が例示される。なお、疎水性単
官能モノマーとしてはこれらのうちの1種類を単独で用
いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】上記シランと疎水性単官能モノマーとの混
合割合は、全体を100部とした場合、シランが0.0
5〜20部であることが好ましい。
【0022】また、溶液重合は前記共重合物Xの場合と
同様に重合触媒を用いて行なうことができ、その反応条
件は60〜200℃で1〜8時間とすることができる。
【0023】このような溶液重合で得られる共重合物Y
は(メタ)アクリル樹脂であり、その分子量は2000
〜30000で、固形分が40〜70%、ガラス転移温
度が0〜150℃であることが好ましい。なお、ガラス
転移温度については、共重合物Xと共重合物Yとのガラ
ス転移温度差が20℃以上あることが望ましく、このよ
うな温度差を有するように共重合体X、Yを調製するこ
とが好ましい。ガラス転移温度差が20℃に満たないと
十分な艶消し効果が得られない場合がある。
【0024】本発明では、上記共重合物Xと共重合物Y
とを混合し、この共重合物混合物を中和後、水に転送し
てエマルション化を行なうもので、中和した共重合物混
合物を直接水中へ投入することでエマルションの粒度分
布をシャープな単分散系へ近づけることができる。
【0025】この場合、共重合物Xと共重合物Yとの混
合割合は、固形分比が重量比で9:1〜3:7、特に
8:2〜4:6となる範囲が好ましい。混合割合が上記
範囲外では水溶性が低下したり、コアーシェル構造とな
らなかったりする。
【0026】この場合、中和は有機カルボン酸を使用し
て中和度が20〜80、好ましくは25〜75となるよ
うに行なうもので、中和度が20未満では水溶性が十分
でなく、樹脂の未溶解のものが生成し、80を超えると
極端に粒子径が小さくなるため十分な艶消し効果を得る
ことができない。
【0027】また、有機カルボン酸としては、例えば酢
酸、ギ酸、乳酸、プロピオン酸等を使用でき、その添加
量は上記中和度となる範囲で調整することが好ましく、
ゲル化反応が十分進行できる速度となるようpHを3.
5〜6.5の範囲にすることが望ましい。
【0028】なお、共重合体に有機カルボン酸を添加し
た後は10〜60分程度撹拌すると十分に中和処理する
ことができる。
【0029】更に、中和後の水への転送は、粒径が50
〜3000nm、特に、特に50〜1000nmのエマ
ルションが生成し、かつ固形分が10〜35%、pHが
3.5〜6.5となるように条件を調整して行なうこと
が好ましい。なお、転送温度は10〜80℃の範囲が好
適である。
【0030】上記の如くエマルション化した後は共重合
混合物中の上記シランに由来するアルコキシ基の加水分
解を利用してエマルション粒子内でゲル化反応する。こ
の加水分解は25〜90℃で1〜167時間行なうこと
が望ましい。
【0031】本発明のカチオン性ゲル粒子の製造方法を
利用して製造することができるカチオン性樹脂マイクロ
ゲルは、電着塗料、特にカチオン電着塗料に艶消し剤と
して好適に添加することができるもので、このマイクロ
ゲルの添加により光沢度を任意に調整でき、60度グロ
スで光沢度10〜60とすることができる。
【0032】ここで、カチオン性電着塗料は例えばエポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエ
ステル樹脂やこれら樹脂の変性物等のカチオン性水溶性
樹脂、それにカーボンブラック、酸化チタン等の着色顔
料、タルク、クレー等の体質顔料、塩基性珪酸鉛等の防
錆顔料などが分散した顔料ペースト、などを所望量配合
してなるものである。
【0033】このカチオン性電着塗料として具体的に
は、カチオン性エポキシ樹脂電着塗料、カチオン性アク
リル樹脂電着塗料、カチオン性ポリブタジエン樹脂電着
塗料、カチオン性ポリエステル樹脂電着塗料などが例示
される。
【0034】なお、本発明に係るカチオン性樹脂マイク
ロゲルは、エポキシ樹脂と併用すると上層にゲル成分
(アクリル樹脂)がリッチとなる二層構造を有し、耐候
性に優れた塗膜を与えるので、上記電着塗料の中でもカ
チオン性エポキシ樹脂電着塗料への添加が好適である。
また、本発明に係るマイクロゲルはシラノール基を含有
しているが、シラノール基含有に伴う層間密着性を損な
うことなく、上塗り性に優れたものである。
【0035】本発明に係るカチオン性樹脂マイクロゲル
のカチオン性電着塗料への添加量は、電着塗料中のカチ
オン性水溶性樹脂100部に対して1〜30部、特に1
〜15部とすることができる。
【0036】更に、本発明方法で製造できるカチオン性
ゲル粒子は、その他の用途として例えば繊維の表面処理
剤、水溶性塗料の艶消し剤、紙の光沢度調整剤などとし
ても利用可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、分散安定性
に優れたコアーシェル型カチオン化ゲル粒子を簡単な操
作で安価に製造することができる。更に、本発明方法で
製造したカチオン性樹脂マイクロゲルは、カチオン電着
塗料に艶消し剤として添加すると、塗料中に安定に分散
し、上述した添加量で外観、光沢度及び各種物性に優れ
た塗膜を与える。従って、本発明に係るカチオン化ゲル
粒子は電着塗料、特にカチオン電着塗料用艶消し剤とし
て有用である他、繊維の表面処理剤、水溶性塗料用艶消
し剤、紙の光沢度調整剤などとしても利用することがで
きる。
【0038】
【実施例】以下、実施例、比較例及び参考例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限
されるものではない。
【0039】〔実施例1〜5、比較例6〕 共重合物Xの合成:撹拌機、窒素ガス導入管、冷却管及
び滴下ロートを備えた1リットルの反応容器に下記に示
すモノマーを仕込み、90℃で6時間反応させて共重合
物(カチオン性アクリル樹脂)Xを合成した。得られた
カチオン性アクリル樹脂Xの分子量は7000で、固形
分50%、アミン価71mgKOH/g、Tg−20
℃、OH価21gKOH/gであった。 樹脂X メタクリル酸メチル 63.72g アクリル酸n−ブチル 39.21 アクリル酸エチル 78.43 アクリル酸2−エチルヘキシル 166.65 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 24.51 メタクリル酸ジメチルアミノエチル 98.03 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 24.51 2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル) 7.44 イソプロピルアルコール 327.00 エチルセロソルブ 124.01 重合度調整剤 2.48 共重合物Yの合成:撹拌機、窒素ガス導入管、冷却管及
び滴下ロートを備えた1リットルの反応容器に下記に示
すモノマーを仕込み、90℃で6時間反応させて共重合
物(アクリル樹脂)Yを合成した。得られたアクリル樹
脂Yの分子量は8500で、固形分50%、アミン価0
mgKOH/g、Tg61℃、OH価0gKOH/gで
あった。 樹脂Y メタクリル酸メチル 198.41g スチレン 74.40 メタクリル酸エチル 74.40 アクリル酸n−ブチル 74.40 アクリル酸エチル 49.60 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 24.80 2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル) 7.44 イソプロピルアルコール 327.00 エチルセロソルブ 124.01 重合度調整剤 0.50
【0040】カチオン性ゲルの合成:上記方法で製造し
た共重合物Xと共重合物Yを混合した後、所定の中和度
となるように酢酸を加え、ディスパーで20分撹拌し
た。ステンレス容器に40℃に加熱した脱イオン水を入
れ、ディスパーで撹拌しながら中和した共重合混合物を
投入し、乳白色のエマルション分散体を製造した。更
に、湯浴でステンレス容器を所定の温度で、所定時間保
持し、カチオン性樹脂マイクロゲルを得た。ゲル化の確
認はテトラヒドロフランに溶解し、その濁り度で判定し
た。吸光度法で粒径を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】〔参考例1〜5〕表2に示すようにカチオ
ン性エポキシ樹脂電着塗料(上村工業製ニューペイトン
ブラックER−F2、固形分40%)250重量部に上
記実施例で製造したカチオン性樹脂マイクロゲルJ−1
〜J−5を100重量部、脱イオン水650重量部を加
え、燐酸亜鉛化成処理板に電着塗装を行ない、その塗膜
の60度グロス、外観及び塗料の安定性を下記基準で評
価した。結果を表2に示す。 60度グロス:膜厚20μmの塗膜の光沢度。変角光沢
度計で測定。 外観:塗膜の外観を目視により判定した。 ◎良好,○
やや肌あれ,△肌あれ 安定性:塗料の経時安定性。 ◎2週間分離せず,△2
週間で2層に分離
【0043】
【表2】
【0044】〔参考例6〜10〕表3に示すようにカチ
オン性アクリル樹脂電着塗料(上村工業製ニューペイト
ンA−7X、固形分65%)154重量部に上記実施例
で製造したカチオン性樹脂マイクロゲルJ−1〜J−5
を100重量部、脱イオン水746重量部を加え、燐酸
亜鉛化成処理板に電着塗装を行ない、その塗膜の60度
グロス、外観及び塗料の安定性を評価した。結果を表3
に示す。
【0045】
【表3】
【0046】〔参考例11〜17〕表4に示すようにカ
チオン性エポキシ樹脂クリアー(上村工業製ニューペイ
トンブラックER−F2、固形分40%)、カチオン性
樹脂マイクロゲルとして上記実施例で製造したJ−1,
J−5、下記の如く合成したミルベースK−1、K−
2、K−3を使用し、燐酸亜鉛化成処理板に20μmの
膜厚で電着塗装を行ない、塗膜外観、光沢度測定、塩水
噴霧試験、フェードメーター試験等の塗膜物性試験を行
なった。結果を表4に示す。
【0047】カチオン性分散樹脂H−1の合成:エポキ
シ化ポリブタジエン樹脂(日本石油化学社製E−180
0−6.5)1000gとエチルセロソルブ200gを
還流器を備えた3リットルの5口セパラブルフラスコに
入れ、ジイソプロパノールアミン266gを加えて14
0℃で8時間反応させた。次いで、50℃に冷却後、ア
クリル酸108g及びハイドロキノン10gを加え、1
20℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応さ
せ、カチオン性分散樹脂H−1を得た。 固形分 87% アミン価 82mgKOH/g 酸価 3mgKOH/g
【0048】カチオン性分散樹脂H−2の合成:撹拌機
と還流器を備えた3リットルの5口セパラブルフラスコ
にエポキシ樹脂YD−7182(東都化成製)730重
量部、エポキシ樹脂YD−7017(東都化成製)27
0重量部及びメチルエチルケトン300重量部を入れ、
窒素を通気しながら120℃に加熱した。滴下ロートに
ジエチルアミン60重量部を入れ、20分かけて滴下し
た。別に、酢酸35重量部、脱イオン水50重量部を混
合し、発熱に注意しながらジメチルエタノールアミン4
5重量部を添加した溶液を調製した。この溶液を滴下ロ
ートに入れ、20分かけて滴下した。更に、エチルセロ
ソルブ89重量部を滴下ロートから入れ、8時間反応を
続け、カチオン化分散樹脂H−2を得た。 固形分 70% アミン価 42mgKOH/g
【0049】ミルベースK−1の合成:ステンレス容器
でカーボンブラック90重量部、珪酸アルミニウム20
0重量部、塩基性珪酸鉛70重量部、酢酸15重量部、
脱イオン水455重量部及び上記カチオン性分散樹脂H
−1の170重量部を1時間混合し、ガラスビーズを加
えて分散機で5時間分散を行ない、顔料分散ペースト
(ミルベース)K−1を製造した。
【0050】ミルベースK−2の合成:ステンレス容器
でカーボンブラック90重量部、珪酸アルミニウム20
0重量部、塩基性珪酸鉛70重量部、脱イオン水440
重量部及び上記カチオン性分散樹脂H−2の220重量
部を1時間混合し、ガラスビーズを加えて分散機で5時
間分散を行ない、顔料分散ペースト(ミルベース)K−
2を製造した。
【0051】ミルベースK−3の合成:ステンレス容器
でカーボンブラック180重量部、ホワイトカーボン2
00重量部、珪酸アルミニウム200重量部、塩基性珪
酸鉛140重量部、酢酸30重量部、脱イオン水910
重量部及び上記カチオン性分散樹脂H−1の340重量
部を1時間混合し、ガラスビーズを加えて分散機で5時
間分散を行ない、顔料分散ペースト(ミルベース)K−
3を製造した。
【0052】
【表4】 1)塗膜外観:目視により判定した。 ◎良好,○やや
肌あれ,△肌あれ 2)光沢度:変角光沢度計で測定した。 3)フェードメーターで200時間試験後の色差△Eを
測定した。 4)5%食塩水を連続噴霧し、500時間でカット部の
フクレ幅2mm以内を合格とした。 5)クロスカットテープ剥離試験を行ない、JIS−K
−5400 8.5の評価表で10を合格とした。 6)40℃のイオン交換水中に240時間浸漬し、塗膜
外観に異常がないものを合格とした。 7)40℃のイオン交換水中に240時間浸漬し、試験
終了直後クロスカットテープ剥離試験を行ない、JIS
−K−5400 8.5の評価表で8以上を合格とし
た。 8)試験板に市販のラッカースプレーを塗布後、40℃
のイオン交換水中に120時間浸漬し、試験終了後クロ
スカットテープ剥離試験を行ない、密着性を評価した。 ◎異常なし △異常あり 9)3時間沈降試験を行ない、顔料の分散状態を評価し
た。試験前後の固形分差が2%以内のものを◎とし、2
%以上のものを△とした。
【0053】表4の結果より、本発明方法により得られ
たカチオン性樹脂マイクロゲルを艶消し剤として添加す
ると(参考例11〜14)、塗膜の外観、光沢度及び物
性が良好で塗料中の顔料の分散性も良好であった。これ
らに対して、本発明に係るカチオン性樹脂マイクロゲル
を添加しない場合(参考例15〜17)は、塗膜の外
観、光沢度及び物性、更には塗料中の顔料の分散性のい
ずれかに劣るものであった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】ミルベースK−1の製造:ステンレス容器
でカーボンブラック90重量部、珪酸アルミニウム20
0重量部、塩基性珪酸鉛70重量部、酢酸15重量部、
脱イオン水455重量部及び上記カチオン性分散樹脂H
−1の170重量部を1時間混合し、ガラスビーズを加
えて分散機で5時間分散を行ない、顔料分散ペースト
(ミルベース)K−1を製造した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】ミルベースK−2の製造:ステンレス容器
でカーボンブラック90重量部、珪酸アルミニウム20
0重量部、塩基性珪酸鉛70重量部、脱イオン水440
重量部及び上記カチオン性分散樹脂H−2の220重量
部を1時間混合し、ガラスビーズを加えて分散機で5時
間分散を行ない、顔料分散ペースト(ミルベース)K−
2を製造した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】ミルベースK−3の製造:ステンレス容器
でカーボンブラック180重量部、ホワイトカーボン2
00重量部、珪酸アルミニウム200重量部、塩基性珪
酸鉛140重量部、酢酸30重量部、脱イオン水910
重量部及び上記カチオン性分散樹脂H−1の340重量
部をI時間混合し、ガラスビーズを加えて分散機で5時
間分散を行ない、顔料分散ペースト(ミルベース)K−
3を製造した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【表4】 1)塗膜外観:目視により判定した。 ◎良好,○やや
肌あれ,△肌あれ 2)光沢度:変角光沢度計で測定した。 3)フェードメーターで200時間試験後の色差ΔEを
測定した。 4)5%食塩水を連続噴霧し、500時間でカット部の
フクレ幅2mm以内を合格とした。 5)クロスカットテープ剥離試験を行ない、JIS−K
−5400 8.5の評価表で10を合格とした。 6)40℃のイオン交換水中に240時間浸漬し、塗膜
外観に異常がないものを合格とした。 7)40℃のイオン交換水中に240時間浸潰し、試験
終了直後クロスカットテープ剥離試験を行ない、JIS
−K−5400 8.5の評価表で8以上を合格とし
た。 8)試験板に市販のラッカースプレーを塗布後、40℃
のイオン交換水中に120時間浸漬し、試験終了後クロ
スカットテープ剥離試験を行ない、密着性を評価した。 ◎異常なし △異常あり 9)3時間沈降試験を行ない、顔料の分散状態を評価し
た。試験前後の固形分差が2%以内のものを◎とし、2
%以上のものを△とした。
フロントページの続き (72)発明者 土家 和代 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村工 業株式会社中央研究所内 (72)発明者 福井 洋一 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村工 業株式会社中央研究所内 (72)発明者 鈴木 祥一郎 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村工 業株式会社中央研究所内 (72)発明者 本間 尉 兵庫県芦屋市若葉町4番2−412号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル基、アクリル基又はメタクリル基
    とアルコキシ基とを含有するシランと、このシランとラ
    ジカル共重合可能な単官能モノマーを2種以上含有し、
    その少なくとも1種が3級アミノ基含有エチレン性モノ
    マーであるモノマー混合物とを溶液重合させることによ
    り得られる共重合物と、ビニル基、アクリル基又はメタ
    クリル基とアルコキシ基とを含有するシランと、このシ
    ランとラジカル共重合可能で、かつ水酸基及びアミノ基
    を含有しない疎水性単官能モノマーとを溶液重合させる
    ことにより得られる共重合物とを混合し、この混合物を
    中和度が20〜80となるように有機カルボン酸で中和
    し、次いで水に転送してエマルション化を行い、最後に
    上記シランに由来するアルコキシ基を加水分解してエマ
    ルション粒子内でゲル化反応することを特徴とするコア
    ーシェル型のカチオン性ゲル粒子の製造方法。
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