JPH0517656A - 芯鞘繊維状ゲルの製造方法 - Google Patents
芯鞘繊維状ゲルの製造方法Info
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- JPH0517656A JPH0517656A JP19700791A JP19700791A JPH0517656A JP H0517656 A JPH0517656 A JP H0517656A JP 19700791 A JP19700791 A JP 19700791A JP 19700791 A JP19700791 A JP 19700791A JP H0517656 A JPH0517656 A JP H0517656A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 水溶性合成高分子(A)およびカチオンとの
接触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類(B)を
含む水溶液を、繊維とともにノズルから吐出させ、吐出
物をカチオンを含む水溶液と接触させることにより成形
した後、水溶性合成高分子(A)をゲル化させることを
特徴とする、鞘の部分が水溶性合成高分子(A)からな
るゲルであり、芯の部分が繊維である芯鞘繊維状ゲルの
製造方法。 【効果】 生体触媒との親和性がよく、かつ高強度の繊
維状担体として、排水処理等のバイオリアクターなどへ
の応用が可能となる。
接触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類(B)を
含む水溶液を、繊維とともにノズルから吐出させ、吐出
物をカチオンを含む水溶液と接触させることにより成形
した後、水溶性合成高分子(A)をゲル化させることを
特徴とする、鞘の部分が水溶性合成高分子(A)からな
るゲルであり、芯の部分が繊維である芯鞘繊維状ゲルの
製造方法。 【効果】 生体触媒との親和性がよく、かつ高強度の繊
維状担体として、排水処理等のバイオリアクターなどへ
の応用が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイオリアクター等に
用いられる担体として有用な芯鞘繊維状ゲルの製造方法
に関する。
用いられる担体として有用な芯鞘繊維状ゲルの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素、微生物などの生体触媒を固
定化して、その機能を効率よく利用する研究が行なわれ
ている。生体触媒を固定化する方法の一つに、高分子素
材を用いて生体触媒をそのまま包み込む包括固定化法が
あり、この方法によく用いられる高分子素材として、寒
天、アルギン酸塩、カラギーナン、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、
光硬化性樹脂等がある。担体の形状としては、球状・サ
イコロ状・シート状・管状・繊維状等がある。従来、球
状・サイコロ状のようよな粒状の担体を、排水処理槽に
投入し、その効率を高める研究例が知られているが、こ
れらは、担体が系外へ流出する恐れがあり、フィルター
等の装置が必要である。一方、繊維状の担体は、活性表
面が広いため、反応効率が高まることが期待できるう
え、繊維を束にし、その一端を槽に固定すれば、担体の
系外への流出がなく、フィルター等の装置が不要とな
る。従来の繊維状担体は、通常の繊維を担体として利用
し、生体触媒の付着を行う方法、また、高分子ゲルのみ
を繊維状に加工し、生体触媒を包括あるい付着させる方
法が知られている。
定化して、その機能を効率よく利用する研究が行なわれ
ている。生体触媒を固定化する方法の一つに、高分子素
材を用いて生体触媒をそのまま包み込む包括固定化法が
あり、この方法によく用いられる高分子素材として、寒
天、アルギン酸塩、カラギーナン、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、
光硬化性樹脂等がある。担体の形状としては、球状・サ
イコロ状・シート状・管状・繊維状等がある。従来、球
状・サイコロ状のようよな粒状の担体を、排水処理槽に
投入し、その効率を高める研究例が知られているが、こ
れらは、担体が系外へ流出する恐れがあり、フィルター
等の装置が必要である。一方、繊維状の担体は、活性表
面が広いため、反応効率が高まることが期待できるう
え、繊維を束にし、その一端を槽に固定すれば、担体の
系外への流出がなく、フィルター等の装置が不要とな
る。従来の繊維状担体は、通常の繊維を担体として利用
し、生体触媒の付着を行う方法、また、高分子ゲルのみ
を繊維状に加工し、生体触媒を包括あるい付着させる方
法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常の繊維を利用した
担体は、生体触媒を包括固定することができないため、
生体触媒が付着した表面しか反応に関与できない。ま
た、生体触媒との親和性が悪く、表面に付着した生体触
媒が剥離しやすいため担体としては好ましくない。高分
子ゲルそのものを繊維状に加工したものは、生体触媒の
包括固定が可能であり、微生物の棲息性に優れている
が、ゲルの強度が小さいため、排水処理や各種のバイオ
リアクター中での水流により、切断される。本発明は、
生体触媒との親和性および繊維形状の保持の点におい
て、従来の問題点を解決するものである。
担体は、生体触媒を包括固定することができないため、
生体触媒が付着した表面しか反応に関与できない。ま
た、生体触媒との親和性が悪く、表面に付着した生体触
媒が剥離しやすいため担体としては好ましくない。高分
子ゲルそのものを繊維状に加工したものは、生体触媒の
包括固定が可能であり、微生物の棲息性に優れている
が、ゲルの強度が小さいため、排水処理や各種のバイオ
リアクター中での水流により、切断される。本発明は、
生体触媒との親和性および繊維形状の保持の点におい
て、従来の問題点を解決するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性合成高
分子ゲル(A)を繊維で補強することにより、高強度で
生体触媒との親和性に優れた芯鞘繊維状ゲルの製造方法
を提供する。最初に、本発明の製造方法により得られる
芯鞘繊維状ゲルについて説明する。ここで、芯の部分の
繊維は、補強材の役割をし、鞘の部分の水溶性合成高分
子(A)からなるゲルは、生体触媒固定の役割をする。
したがって、被覆する水溶性合成高分子ゲル(A)の量
が少なすぎると、通常の生物膜と大差なくなり、バイオ
リアクター担体としての効率が悪くなる。生体触媒が有
効に固定されるためには、水溶性合成高分子(A)から
なるゲルの厚みが10ミクロン以上であることが好まし
く、100ミクロン以上がさらに好ましい。本発明にお
いて使用される繊維としては、反応槽での使用に耐える
強度をもつものであれば、特に制約はない。たとえば、
綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、レーヨンなどの再生
繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド系、ポ
リビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩
化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル
系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリウレタン
系、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系、フェノ
ール系、ポリフルオロエチレン系などの合成繊維、ガラ
ス繊維、炭素繊維などの無機繊維が挙げられるが、バイ
オリアクター内での耐久性を考えると、生体触媒による
分解を受けない合成繊維が好ましい。これらの繊維のな
かでも紡績糸が好ましい。水溶性合成高分子(A)から
なるゲルを構成する水溶性高分子(A)としては、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレン
グリコールなどの水溶性合成高分子を用いた水性ゲルが
挙げられる。とくに、排水処理に使用する場合には、微
生物分解を受けない水溶性合成高分子が好ましい。高分
子ゲル中に生体触媒を包括固定しないものも本発明の範
囲であるが、バイオリアクター内での効率を考えると、
高分子ゲル中に積極的に生体触媒を包括固定することが
好ましい。ここで使用される生体触媒としては、特に制
約はなく、いかなる微生物および酵素も本発明により固
定され得る。また、本発明の水溶性合成高分子(A)か
らなるゲルには、ゲル化を阻害しない範囲で、微生物の
培地、生成ゲルの比重を調整する充填剤等を添加しても
よい。
分子ゲル(A)を繊維で補強することにより、高強度で
生体触媒との親和性に優れた芯鞘繊維状ゲルの製造方法
を提供する。最初に、本発明の製造方法により得られる
芯鞘繊維状ゲルについて説明する。ここで、芯の部分の
繊維は、補強材の役割をし、鞘の部分の水溶性合成高分
子(A)からなるゲルは、生体触媒固定の役割をする。
したがって、被覆する水溶性合成高分子ゲル(A)の量
が少なすぎると、通常の生物膜と大差なくなり、バイオ
リアクター担体としての効率が悪くなる。生体触媒が有
効に固定されるためには、水溶性合成高分子(A)から
なるゲルの厚みが10ミクロン以上であることが好まし
く、100ミクロン以上がさらに好ましい。本発明にお
いて使用される繊維としては、反応槽での使用に耐える
強度をもつものであれば、特に制約はない。たとえば、
綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、レーヨンなどの再生
繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド系、ポ
リビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩
化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル
系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリウレタン
系、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系、フェノ
ール系、ポリフルオロエチレン系などの合成繊維、ガラ
ス繊維、炭素繊維などの無機繊維が挙げられるが、バイ
オリアクター内での耐久性を考えると、生体触媒による
分解を受けない合成繊維が好ましい。これらの繊維のな
かでも紡績糸が好ましい。水溶性合成高分子(A)から
なるゲルを構成する水溶性高分子(A)としては、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレン
グリコールなどの水溶性合成高分子を用いた水性ゲルが
挙げられる。とくに、排水処理に使用する場合には、微
生物分解を受けない水溶性合成高分子が好ましい。高分
子ゲル中に生体触媒を包括固定しないものも本発明の範
囲であるが、バイオリアクター内での効率を考えると、
高分子ゲル中に積極的に生体触媒を包括固定することが
好ましい。ここで使用される生体触媒としては、特に制
約はなく、いかなる微生物および酵素も本発明により固
定され得る。また、本発明の水溶性合成高分子(A)か
らなるゲルには、ゲル化を阻害しない範囲で、微生物の
培地、生成ゲルの比重を調整する充填剤等を添加しても
よい。
【0005】次に、本発明の芯鞘繊維状ゲルの製造方法
について説明する。まずゲルの主成分となる水溶性合成
高分子(A)およびカチオンとの接触によりゲル化する
能力のある水溶性多糖類(B)を含む水溶液を調整す
る。先に述べた、微生物や酵素等の生体触媒、微生物の
培地、比重調整のための充填剤を添加する場合には、こ
の混合水溶液に添加しておく。ここで、カチオンとの接
触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類(B)とし
ては、水溶性高分子多糖類が好ましく、アルギン酸塩、
カラギーナン、マンナン、キトサン等がより好ましく、
アルギン酸ナトリウムが特に好ましい。つぎに、この成
分(A)および成分(B)からなる水溶液を繊維ととも
にノズルから吐出させ、カチオンを含む水溶液と接触さ
せることにより芯鞘繊維状ゲルを成形する。ここで用い
るカチオン含有化合物としては、具体的には、カルシウ
ムイオン、マグネシウムイオン、ストロンチウムイオ
ン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、カリウムイ
オン、セリウムイオン、ニッケルイオンなどの金属カチ
オン、アンモニウムイオンなどの非金属カチオンのうち
の少なくとも1種を含有する化合物が挙げられるが、と
りわけ塩化カルシウムが好ましい。最後に、ゲルの主成
分となる水溶性合成高分子(A)をゲル化させて芯鞘繊
維状ゲルを得ることができる。
について説明する。まずゲルの主成分となる水溶性合成
高分子(A)およびカチオンとの接触によりゲル化する
能力のある水溶性多糖類(B)を含む水溶液を調整す
る。先に述べた、微生物や酵素等の生体触媒、微生物の
培地、比重調整のための充填剤を添加する場合には、こ
の混合水溶液に添加しておく。ここで、カチオンとの接
触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類(B)とし
ては、水溶性高分子多糖類が好ましく、アルギン酸塩、
カラギーナン、マンナン、キトサン等がより好ましく、
アルギン酸ナトリウムが特に好ましい。つぎに、この成
分(A)および成分(B)からなる水溶液を繊維ととも
にノズルから吐出させ、カチオンを含む水溶液と接触さ
せることにより芯鞘繊維状ゲルを成形する。ここで用い
るカチオン含有化合物としては、具体的には、カルシウ
ムイオン、マグネシウムイオン、ストロンチウムイオ
ン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、カリウムイ
オン、セリウムイオン、ニッケルイオンなどの金属カチ
オン、アンモニウムイオンなどの非金属カチオンのうち
の少なくとも1種を含有する化合物が挙げられるが、と
りわけ塩化カルシウムが好ましい。最後に、ゲルの主成
分となる水溶性合成高分子(A)をゲル化させて芯鞘繊
維状ゲルを得ることができる。
【0006】水溶性合成高分子(A)をゲル化させる方
法としては、重合開始剤・架橋剤と接触させ、重合・架
橋させる方法、光や電子線を照射して架橋させる方法、
凍結および解凍を1回以上行なうことにより微結晶を生
成させる方法、水溶性合成高分子(A)の離液作用のあ
る化合物水溶液と接触させてゲル化させる方法等が挙げ
られる。とくに生体触媒を固定する場合には、その活性
を阻害しない方法でゲル化させる方法が好ましい。とり
わけ凍結および解凍を1回以上行なう方法、高分子の離
液作用のある化合物水溶液と接触させる方法が好まし
い。凍結および解凍を1回以上行なう場合には、充分な
微結晶を生成させるために、凍結温度は−5℃以下が好
ましい。さらにゲルの強度を増すために、凍結および解
凍操作を繰り返してもよい。
法としては、重合開始剤・架橋剤と接触させ、重合・架
橋させる方法、光や電子線を照射して架橋させる方法、
凍結および解凍を1回以上行なうことにより微結晶を生
成させる方法、水溶性合成高分子(A)の離液作用のあ
る化合物水溶液と接触させてゲル化させる方法等が挙げ
られる。とくに生体触媒を固定する場合には、その活性
を阻害しない方法でゲル化させる方法が好ましい。とり
わけ凍結および解凍を1回以上行なう方法、高分子の離
液作用のある化合物水溶液と接触させる方法が好まし
い。凍結および解凍を1回以上行なう場合には、充分な
微結晶を生成させるために、凍結温度は−5℃以下が好
ましい。さらにゲルの強度を増すために、凍結および解
凍操作を繰り返してもよい。
【0007】水溶性合成高分子(A)の離液作用のある
化合物水溶液と接触させる場合、その水溶性合成高分子
(A)の離液作用のある化合物水溶液としては、硫酸ナ
トリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸アルミニウム、クエン酸ナトリウム、ク
エン酸アンモニウム、クエン酸カリウム、クエン酸マグ
ネシウム、クエン酸アルミニウム、酒石酸ナトリウム、
酒石酸アンモニウム、酒石酸アルミニウム等の化合物の
うちのうち少なくとも1種を含有する水溶液が挙げられ
るが、とりわけ硫酸塩水溶液が好ましい。
化合物水溶液と接触させる場合、その水溶性合成高分子
(A)の離液作用のある化合物水溶液としては、硫酸ナ
トリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸アルミニウム、クエン酸ナトリウム、ク
エン酸アンモニウム、クエン酸カリウム、クエン酸マグ
ネシウム、クエン酸アルミニウム、酒石酸ナトリウム、
酒石酸アンモニウム、酒石酸アルミニウム等の化合物の
うちのうち少なくとも1種を含有する水溶液が挙げられ
るが、とりわけ硫酸塩水溶液が好ましい。
【0008】このようにして製造された芯鞘繊維状ゲル
は、各種の形式の反応槽において、長期間にわたって変
形、損壊しない強度を有し、水や各種薬液に対しても侵
されることなく、連続運転が可能となり、生体反応の担
体としての実用性が発現する。
は、各種の形式の反応槽において、長期間にわたって変
形、損壊しない強度を有し、水や各種薬液に対しても侵
されることなく、連続運転が可能となり、生体反応の担
体としての実用性が発現する。
【0009】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。 実施例1 (株)クラレ製のポリビニルアルコール(PVA)(平
均重合度4000、ケン化度 99.85モル%)を4
0℃の温水で約1時間洗浄後、PVA濃度10wt%に
なるようにPVAに水を加え全量を400gにして、p
H6に調整した。これをオートクレーブで、120℃、
30分間処理し、PVAを溶解した後、室温まで放冷し
た。このPVA水溶液に4wt%アルギン酸ナトリウム
水溶液200gを加えて混合し、さらに(株)クラレ岡
山工場(岡山県岡山市海岸通り1丁目2番1号)の排水
処理槽より採取し、濃縮操作を施して得られた活性汚泥
(MLSS 80000 mg/リットル)を200g
加え、充分に撹拌した。この混合液を先端に内径1.2
mmの注射針状の吐出口より、(株)クラレ製のビニロ
ン紡績糸(20番手)とともに吐出させた。吐出口は
0.2mol/リットルの塩化カルシウム(CaC
l2)水溶液に浸漬させ、吐出物を毎分5mの速度で引
きとった。吐出物のCaCl2水溶液への滞留時間は1
分間とした。吐出物はCaCl2水溶液との接触により
直ちに糸の表面を覆って凝固した。これを蒸留水で軽く
洗浄した後、−20℃の冷凍庫で24時間凍結させた
後、室温で解凍させた。さらにこの凍結、解凍操作を2
回繰り返した。これにより、不透明な褐色の柔軟性に富
んだ芯鞘繊維状ゲルが得られた。得られた芯鞘繊維状ゲ
ルを50cm毎に切断し、100本ずつそろえて、一端
を固定した。これを(株)クラレ岡山工場の活性汚泥曝
気槽に10日間浸漬させた。芯鞘繊維状ゲルの色が淡褐
色から濃褐色に変化したことから、活性汚泥の増殖が認
められた。また、培養前後で芯鞘繊維状ゲルの形状は変
化しなかったことから、芯鞘繊維状ゲルの耐久性も優れ
ていることが判明した。(株)クラレ岡山工場の排水未
処理水をTOC(全有機炭素)値100mg/リットル
に調整して得られた排水液20リットルを試験曝気槽に
入れ、1kgの芯鞘繊維状ゲルの固定した一端を試験曝
気槽の底面に固定した。30分間曝気して得られた処理
液のTOC値を測定すると2mg/リットルであり、充
分な生物活性が出ていることが判明した。
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。 実施例1 (株)クラレ製のポリビニルアルコール(PVA)(平
均重合度4000、ケン化度 99.85モル%)を4
0℃の温水で約1時間洗浄後、PVA濃度10wt%に
なるようにPVAに水を加え全量を400gにして、p
H6に調整した。これをオートクレーブで、120℃、
30分間処理し、PVAを溶解した後、室温まで放冷し
た。このPVA水溶液に4wt%アルギン酸ナトリウム
水溶液200gを加えて混合し、さらに(株)クラレ岡
山工場(岡山県岡山市海岸通り1丁目2番1号)の排水
処理槽より採取し、濃縮操作を施して得られた活性汚泥
(MLSS 80000 mg/リットル)を200g
加え、充分に撹拌した。この混合液を先端に内径1.2
mmの注射針状の吐出口より、(株)クラレ製のビニロ
ン紡績糸(20番手)とともに吐出させた。吐出口は
0.2mol/リットルの塩化カルシウム(CaC
l2)水溶液に浸漬させ、吐出物を毎分5mの速度で引
きとった。吐出物のCaCl2水溶液への滞留時間は1
分間とした。吐出物はCaCl2水溶液との接触により
直ちに糸の表面を覆って凝固した。これを蒸留水で軽く
洗浄した後、−20℃の冷凍庫で24時間凍結させた
後、室温で解凍させた。さらにこの凍結、解凍操作を2
回繰り返した。これにより、不透明な褐色の柔軟性に富
んだ芯鞘繊維状ゲルが得られた。得られた芯鞘繊維状ゲ
ルを50cm毎に切断し、100本ずつそろえて、一端
を固定した。これを(株)クラレ岡山工場の活性汚泥曝
気槽に10日間浸漬させた。芯鞘繊維状ゲルの色が淡褐
色から濃褐色に変化したことから、活性汚泥の増殖が認
められた。また、培養前後で芯鞘繊維状ゲルの形状は変
化しなかったことから、芯鞘繊維状ゲルの耐久性も優れ
ていることが判明した。(株)クラレ岡山工場の排水未
処理水をTOC(全有機炭素)値100mg/リットル
に調整して得られた排水液20リットルを試験曝気槽に
入れ、1kgの芯鞘繊維状ゲルの固定した一端を試験曝
気槽の底面に固定した。30分間曝気して得られた処理
液のTOC値を測定すると2mg/リットルであり、充
分な生物活性が出ていることが判明した。
【0010】比較例1
実施例1で用いたものと同様のビニロン紡績糸を50c
m毎に切断し、100本ずつそろえて、一端を固定し
た。これを(株)クラレ岡山工場の活性汚泥曝槽に10
日間浸漬させた。糸の表面に、少量の活性汚泥が付着し
ていた。(株)クラレ岡山工場の排水未処理水をTOC
値100mg/リットルに調整して得られた排水液20
リットルを試験曝気槽に入れ、1kgのビニロン紡績糸
の固定した一端を試験曝気槽の底面に固定した。30分
曝気して得られた処理液のTOC値を測定すると65m
g/リットルであり、生物活性が不充分であった。
m毎に切断し、100本ずつそろえて、一端を固定し
た。これを(株)クラレ岡山工場の活性汚泥曝槽に10
日間浸漬させた。糸の表面に、少量の活性汚泥が付着し
ていた。(株)クラレ岡山工場の排水未処理水をTOC
値100mg/リットルに調整して得られた排水液20
リットルを試験曝気槽に入れ、1kgのビニロン紡績糸
の固定した一端を試験曝気槽の底面に固定した。30分
曝気して得られた処理液のTOC値を測定すると65m
g/リットルであり、生物活性が不充分であった。
【0011】比較例2
(株)クラレ製のポリビニルアルコール(PVA)(平
均重合度4000、ケン化度 99.85モル%)を4
0℃の温水で約1時間洗浄後、PVA濃度10wt%に
なるようにPVAに水を加え全量を400gにして、p
H6に調整した。これをオートクレーブで、120℃、
30分間処理し、PVAを溶解した後、室温まで放冷し
た。このPVA水溶液に4wt%アルギン酸ナトリウム
水溶液200gを加えて混合し、さらに(株)クラレ岡
山工場(岡山県岡山市海岸通り1丁目2番1号)の排水
処理槽より採取し、濃縮操作を施して得られた活性汚泥
(MLSS 80000 mg/リットル)を200g
加え、充分に撹拌した。この混合液のみを先端に内径
1.2mmの注射針状の吐出口より吐出させた。吐出口
は0.2mol/リットルの塩化カルシウム(CaCl
2)水溶液に浸漬させ、吐出物を10cm/秒の速度で
引きとった。吐出物のCaCl2水溶液への滞留時間は
1分間とした。吐出物はCaCl2水溶液との接触によ
り直ちに凝固した。これを蒸留水で軽く洗浄した後、−
20℃の冷凍庫で24時間凍結させた後、室温で解凍さ
せた。さらにこの凍結、解凍操作を2回繰り返した。こ
れにより、不透明な褐色の柔軟性に富んだ芯鞘繊維状ゲ
ルが得られた。得られた芯鞘繊維状ゲルを50cm毎に
切断し、100本ずつそろえて、一端を固定した。これ
を(株)クラレ岡山工場の活性汚泥曝気槽に10日間浸
漬させた。繊維状ゲルの色が淡褐色から濃褐色に変化し
たことから、活性汚泥の増殖が認められた。しかし、曝
気槽への浸漬により、繊維状ゲルが切断されていたこと
から、繊維状ゲルの強度に問題があることが判明した。
均重合度4000、ケン化度 99.85モル%)を4
0℃の温水で約1時間洗浄後、PVA濃度10wt%に
なるようにPVAに水を加え全量を400gにして、p
H6に調整した。これをオートクレーブで、120℃、
30分間処理し、PVAを溶解した後、室温まで放冷し
た。このPVA水溶液に4wt%アルギン酸ナトリウム
水溶液200gを加えて混合し、さらに(株)クラレ岡
山工場(岡山県岡山市海岸通り1丁目2番1号)の排水
処理槽より採取し、濃縮操作を施して得られた活性汚泥
(MLSS 80000 mg/リットル)を200g
加え、充分に撹拌した。この混合液のみを先端に内径
1.2mmの注射針状の吐出口より吐出させた。吐出口
は0.2mol/リットルの塩化カルシウム(CaCl
2)水溶液に浸漬させ、吐出物を10cm/秒の速度で
引きとった。吐出物のCaCl2水溶液への滞留時間は
1分間とした。吐出物はCaCl2水溶液との接触によ
り直ちに凝固した。これを蒸留水で軽く洗浄した後、−
20℃の冷凍庫で24時間凍結させた後、室温で解凍さ
せた。さらにこの凍結、解凍操作を2回繰り返した。こ
れにより、不透明な褐色の柔軟性に富んだ芯鞘繊維状ゲ
ルが得られた。得られた芯鞘繊維状ゲルを50cm毎に
切断し、100本ずつそろえて、一端を固定した。これ
を(株)クラレ岡山工場の活性汚泥曝気槽に10日間浸
漬させた。繊維状ゲルの色が淡褐色から濃褐色に変化し
たことから、活性汚泥の増殖が認められた。しかし、曝
気槽への浸漬により、繊維状ゲルが切断されていたこと
から、繊維状ゲルの強度に問題があることが判明した。
【0012】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなとおり、本発
明の製造方法により得られた芯鞘構造の繊維状ゲルを用
いることにより、生体触媒との親和性がよく、かつ高強
度の繊維状担体として、排水処理等のバイオリアクター
などへの応用が可能となる。
明の製造方法により得られた芯鞘構造の繊維状ゲルを用
いることにより、生体触媒との親和性がよく、かつ高強
度の繊維状担体として、排水処理等のバイオリアクター
などへの応用が可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 水溶性合成高分子(A)およびカチオン
との接触によりゲル化する能力のある水溶性多糖類
(B)を含む水溶液を、繊維とともにノズルから吐出さ
せ、吐出物をカチオンを含む水溶液と接触させることに
より成形した後、水溶性合成高分子(A)をゲル化させ
ることを特徴とする、鞘の部分が水溶性合成高分子
(A)からなるゲルであり、芯の部分が繊維である芯鞘
繊維状ゲルの製造方法。 - 【請求項2】 水溶性合成高分子(A)をゲル化させる
方法が、−5℃以下での凍結および解凍を1回以上行な
う方法である請求項1記載の芯鞘繊維状ゲルの製造方
法。 - 【請求項3】 水溶性合成高分子(A)をゲル化させる
方法が、水溶性合成高分子(A)の離液作用のある溶液
と接触させる方法である請求項1記載の芯鞘繊維状ゲル
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19700791A JPH0517656A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 芯鞘繊維状ゲルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19700791A JPH0517656A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 芯鞘繊維状ゲルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517656A true JPH0517656A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16367241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19700791A Pending JPH0517656A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 芯鞘繊維状ゲルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0517656A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018514658A (ja) * | 2015-04-28 | 2018-06-07 | スピンノヴァ オイSpinnova Oy | 繊維性糸の製造のための、化学的方法およびシステム |
-
1991
- 1991-07-10 JP JP19700791A patent/JPH0517656A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018514658A (ja) * | 2015-04-28 | 2018-06-07 | スピンノヴァ オイSpinnova Oy | 繊維性糸の製造のための、化学的方法およびシステム |
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