JP3965006B2 - 微生物固定化処理用の発泡担体、並びにこれを用いた有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理方法 - Google Patents

微生物固定化処理用の発泡担体、並びにこれを用いた有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理方法 Download PDF

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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐水性発泡担体の表面を、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物でコーティングして形成した微生物固定化処理用の発泡担体、並びにこれを用いた有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理方法に関し、特に、前記耐水性発泡担体は、至極耐久性に優れる上、埋め立て処分或いは焼却処分によっても内分泌攪乱物質を発生することのない耐水性素材で形成されており、しかも、耐水性発泡担体表面の微生物付着機能を促進したり、前記耐水性発泡担体表面での微生物の親和性や増殖性を向上させて、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の脱窒、浄化作用を著しく促進させる微生物固定化処理用の発泡担体、並びにこれを用いた有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒素及びリンの化合物(アンモニウム塩、亜硝酸塩、硝酸塩、リン酸塩等)は栄養塩類と呼ばれ、一次生産を行う植物プランクトンや藻類の生育に不可欠のものである。ところが、これらの栄養塩類が有機物と共に河川等の水域に過剰に供給されると、その水域は栄養源供給過多となって生産活動が活発になり生態系も変化していく。この現象が、いわゆる富栄養化と呼ばれるものであり、富栄養化対策は、現在我が国の水質保全上最重要の課題となっている。
【0003】
富栄養化の原因となる有機廃水や家庭下水等を処理する方法は、現在までに多くの方法が提案されているが、これらは主に、物理・化学的処理法、化学的処理法及び生物学的処理法の三つの廃水等の富栄養化水処理法に大別される。
【0004】
物理化学的処理法には、沈殿分離法、浮上分離法(重力浮上法、加圧浮上法)、凝集沈殿法、中和処理法、酸化・還元法、ろ過法、濃縮法、吸着法などがあり、主として廃水中の浮遊物質や無機物質を除去するのに応用されている。
【0005】
又、化学処理としては、中和や重金属イオンを水酸化物又は硫化物として処理する方法がある。
【0006】
更に、生物学的処理法には、好気性菌を利用した活性汚泥法や散水ろ床法、及び、嫌気性菌を利用したメタン発酵法などが挙げられる。
【0007】
この生物学的処理法は、微生物等の持つ浄化作用を利用して廃水等を処理する方法であるが、このような微生物等による水の浄化は自然界ではごく普通に行われている現象である。
【0008】
廃水処理における浄化作用は、自然界の自浄作用よりも効率よく進行させる必要があるので、処理の目的に応じて装置及びその操作に多くの工夫がなされている。即ち、この微生物の浄化作用を効果的に廃水処理に利用したのが、生物学的処理法であり、現在、廃水処理の最も重要なプロセスとなっている。
【0009】
生物学的処理法の中でも、酵素或いは微生物等を種々の担体に固定して反応器内に充填し、いわゆるバイオリアクターとして廃水処理等に利用する試みは従来から行われている。
【0010】
前記の固定化微生物を用いるバイオリアクターの形式としては、反応槽の内部に微生物を固定化して使用する固定床型、或いは担体に微生物を固定化した固定化微生物担体を反応槽内の内液中で流動させながら使用する流動床型とが挙げられる。
【0011】
一般に、脱窒を目的とする廃水処理においては、微生物を担体に固定化し、この担体を反応槽内において廃水中で流動させ、担体に固定化された微生物により廃水中の汚濁物質を分解する流動床型が用いられている。
【0012】
流動床型の廃水処理の中でも、活性汚泥による生物学的廃水処理は、数多くの廃水処理場で実施されており、親水性ゲルやポリプロピレン、ポリウレタン、或いは無機多孔質体等に活性汚泥(微生物等)を固定化し、廃水処理に用いる方法が提案されている。
【0013】
ところで、担体に活性汚泥を固定化する方法としては、大別して、包括固定化法と付着固定化法の2種類の方法がある。
【0014】
包括固定化法では、ポリアクリルアミド(特公平1−41113号公報)、ポリエチレングリコール(特開昭61−204089号公報、特開昭62−224290号公報)、ポリビニルアルコール(特開平2−39884号公報、特開平3−242292号公報)、カラギーナン(特開平3−27196号公報)、キトサン(特開平6−54687号公報)等の親水性ゲルを用いるものが数多く提案されている。
【0015】
しかしながら、包括固定化法においては、親水性ゲルからなる固定化担体を用いて活性汚泥を包括固定するため、固定化ゲル基材の拡散抵抗によって、基質及び酸素が充分にゲルの内部にまで到達することが困難となり、特に好気的条件下においては、事実上ゲルの表層部分の活性汚泥しか活動していないことになり、担体内部に包括された大部分の活性汚泥は活動していないという欠点がある。
【0016】
又、包括固定化時の固定化操作による硝化菌体への悪影響が少なからず認められており、特にアクリルアミドを使用した場合、モノマーの毒性の影響も加わり、硝化菌体の90%以上が失活することが指摘されている。
【0017】
更に、包括固定化法においては、包括用の活性汚泥の管理等が必要となり、担体のコストが高くなるといった問題もある。
【0018】
この欠点を解消するために、ポリウレタン、ポリプロピレン等を用いたプラスチック系スポンジやゼオライト等の無機多孔質担体等を用いた付着固定化用の担体が、特開昭57−75192号、特開平8−141589号などに提案されている。
【0019】
この付着固定化法は、前記の包括固定化法のようにあらかじめ活性汚泥を包括するのではなく、担体を微生物反応槽にそのまま投入し、活性汚泥を付着させるものであるため、前記包括固定化法と比較して、取り扱いが簡便であり、又、活性汚泥の管理等の必要がないことから、経済性にも優れるといった利点がある。
【0020】
しかしながら、これらの疎水性素材を微生物固定化担体として用いたものは、活性汚泥や微生物等との親和性が低いために、活性汚泥等が担体に付着しがたく、付着したとしても容易に剥離するといった問題がある上、特にスポンジ状の疎水性担体においては、担体を反応糟に投入しても内液になじまず、水面に浮き続け、活性汚泥が付着し、担体表面が親水性を発現するまでの間は沈降や回動がおこらず、浄化作用が発現するまでに長時間を要するといった欠点があった。
【0021】
そこで、このような疎水性素材の欠点を解決するために、微生物等との親和性が比較的高い、セルロース、ポリビニルアルコール、キトサン、吸水性樹脂等の親水性ゲルを付着固定化用の担体として用いる方法が種々提案されている。
【0022】
このうち、セルロース系の親水性ゲルを微生物固定化担体として用いたものは、セルロース自体に生分解性があるため、長期間の使用中に分解・劣化し、長期にわたって初期の活性を維持できないといった欠点、即ち、耐久性に劣るといった致命的な問題がある。
【0023】
更に、特許第2851523号には、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、およびソルビタンポリグリシジルエーテルから選択されるエポキシ誘導体を含んでなる、セルロースと反応させて使用される、セルロース生分解性抑制組成物が開示されている。
【0024】
即ち、上記方法によって生分解性を抑制したセルロースを微生物固定化用の担体として用いることにより、耐久性に劣るといったセルロース系担体の欠点を解消しようとしたものである。
【0025】
しかしながら、この方法によって得られた担体を用いても、せいぜい半年から10カ月程度の耐久性しかなく、特に、長期にわたる安定した連続使用が望まれる排水処理の分野では、実用上使用が制限されるものである。
【0026】
又、この担体は、処理する廃水の質や、季節毎の廃水の温度変化により、その耐久性が大きく左右されるため、断続的な管理が必要であり、これにより、コスト面での問題点もある。
【0027】
一方、ポリビニルアルコールやキトサン等の親水性ゲルを微生物固定化担体として用いたものは、一般に、機械的強度が劣っており、流動床中での担体同士の摩擦や反応槽内壁との摩擦により摩耗しやすく、担体の寿命が短いといった問題もある。
【0028】
更に、吸水性樹脂等の親水性ゲルを微生物固定化担体として用いたものは、吸水性樹脂自体がアニオン性であるため、一般に細胞表面がアニオン性に帯電している活性汚泥に対しては、電荷の反発により付着性が不十分になるといった問題がある。又、吸水性樹脂は、膨潤すると強度が低下するといった性質があり、長期間の使用に耐えることができないといった致命的な問題がある。
【0029】
これに対し、担体への微生物の付着性を向上させるために、特開昭63−7785号では、カチオン性の吸水性樹脂を付着用固定化担体に用いる方法が提案されている。
【0030】
即ち、カチオン性の吸水性樹脂を担体に用いることで、担体に正電荷を付与し、アニオン性である活性汚泥の付着性を向上させたものである。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アニオン性の活性汚泥は、カチオン性の吸水性樹脂担体の表層部に集中して付着するため、担体表面にのみ菌体層が形成され担体内部までは活性汚泥が付着し難く、担体内部まで活性汚泥が進入できないことから、担体の大部分(中心部)を有効に利用できない、即ち、無駄が多いといった欠点があった。
【0032】
また、一般的にカチオン性の吸水性樹脂はコストが高く、経済的に優れている担体が求められている廃水処理用担体としては実際上使用し難いものであった。
【0033】
そこで、ポリウレタン等の比較的廉価な疎水性担体等に、カチオン系界面活性剤(第4級アンモニウム塩等)を担持させて、担体の機械的強度を維持したまま、親水性及び活性汚泥の付着性を向上する方法が考えられる。
【0034】
しかしながら、一般に第4級アミン等のカチオン系界面活性剤は、殺菌剤として石鹸、洗剤等に用いられるものであり、細菌や微生物等に対して毒性を有するものであって、菌体の殆どが失活する。
【0035】
したがって、付着固定化担体としてこのようなカチオン系界面活性剤を疎水性担体等に担持させて使用する場合は、カチオン系界面活性剤自体の毒性のため微生物の活性が著しく阻害され、実用上、微生物固定化用の担体には適さないのである。
【0036】
本発明は、前記技術的課題を解決するために完成されたものであって、耐久性、親水性、微生物親和性、富栄養化水の処理性、安全性、取り扱い性を至極向上させた、有機廃水等の廃水及び富栄養化水を微生物で処理するために用いられる微生物固定化処理用の発泡担体、並びにこれを用いた有機廃水等の廃水及び冨栄養化水の処理方法の提供を目的とするものである。
【0037】
更に詳しくは、耐水性発泡担体の表面を、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物でコーティングすることにより、親水性を発現ないし向上させる上、この耐水性発泡担体表面の微生物付着機能を促進したり、前記耐水性発泡担体表面での微生物の親和性や増殖性を向上させたりして、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の脱窒、浄化作用を著しく促進させることができるのであり、加えて、前記耐水性発泡担体が、埋め立て処分或いは焼却処分によっても内分泌攪乱物質を発生することのない耐水性素材で形成されていることにより、二次公害の発生のおそれがない安全で、しかも、耐久性に優れる微生物固定化処理用の発泡担体、並びにこれを用いた有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理方法を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の微生物固定化処理用の発泡担体は、有機廃水等の廃水及び富栄養化水を微生物で処理するために用いられる微生物固定化用の発泡担体であって、この発泡担体が耐水性発泡担体の表面を、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物でコーティングして形成されたものであることを特徴とするものである。
【0039】
即ち、本発明者は、微生物固定化処理用の発泡担体として、耐水性発泡担体の表面を、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物でコーティングして形成することにより、発泡担体の親水性の向上ないし発現、及び微生物の親和・付着性が至極向上し、これによって、廃水処理能力も著しく向上するとの知見を得た。
【0040】
又、本発明において、前記正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤は、微生物に対する毒性が比較的低いため、従来、提案されていた第4級アミン等のカチオン系界面活性剤のように、適用が制限されることが無いとの知見も得た。
【0041】
更に、本発明においては、微生物固定化処理用の発泡担体において、耐水性発泡担体をいわゆる担体の核とすることにより、微生物固定化処理用担体の機械的強度を向上ないし維持することができる結果、担体の寿命を長期化することが可能となるとの知見を得た。
【0042】
加えて、本発明においては、耐水性発泡担体をいわゆる担体の核とすることにより、担体の表面積が増加し、これにより、微生物の付着量が増加して廃水処理能力が向上するばかりか、担体核として廉価な素材を選択して用いることができるため、経済的にも優れるとの知見を得た。
【0043】
そして、この場合、耐水性発泡担体として耐水性連続発泡担体をいわゆる担体の核とすることにより、担体の表面積が一層増加し、しかも微生物の付着が担体内部まで認められ、これにより、微生物の付着量が一層増加して廃水処理能力が著しく向上するとの知見を得た。
【0044】
特に、本発明において、前記耐水性発泡担体は、埋め立て処分或いは焼却処分によっても内分泌攪乱物質を発生することのない耐水性発泡素材で形成されているため、二次公害の発生のおそれがなく、この点において、安全性も向上するとの知見を得た。
【0045】
本発明は、これらの知見に基づき完成されたものであり、以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0046】
本発明の微生物固定化処理用の発泡担体は、主に、有機廃水等の廃水及び富栄養化水を微生物で処理するために用いられるものであるが、用途としてはこれに限定されるものではない。
【0047】
具体的な用途としては、例えば、微生物又は動植物細胞培養担体、微生物、動植物細胞又は酵素などの固定化用担体、肥料、農薬などを除放化するための薬剤吸収体等が挙げられる。
【0048】
ところで、本発明において微生物とは、細菌、菌類、ウイルス、微細藻類、原生動物等はもちろん含まれ、更に、1〜2mm以下の微小な生動物、即ち、袋形動物、環形動物、節足動物の一部等も含まれる。
【0049】
本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体において、担体の核として用いられる耐水性発泡担体としては、親水性であると疎水性であるとを問わず耐水性であって有機廃水等の廃水及び富栄養化水の中で耐久性及び機械的強度に優れ、且つ、埋め立て処分或いは焼却処分によっても内分泌攪乱物質を発生することのない独立及び/又は連続の発泡体で形成されたものであれば、特に限定されるものではない。
【0050】
本発明において、耐水性発泡担体としては、耐久性及び機械的強度が一層高い疎水性発泡担体を用いるのが望ましく、又、耐水性発泡担体として耐水性連続発泡担体をいわゆる担体の核として用いることにより、当該担体の表面積が一層増加し、しかも微生物の付着が担体内部まで認められ、これにより、微生物の付着量が一層増加して廃水処理能力が著しく向上するので望ましい。
【0051】
従って、以上のことより、本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体において、担体の核として用いられる耐水性発泡担体としては、耐久性及び機械的強度に一層優れ、且つ、埋め立て処分或いは焼却処分によっても内分泌攪乱物質を発生することのない疎水性の発泡担体であり、しかもこの発泡担体が連続発泡担体であるもの、つまり疎水性連続発泡担体で形成されているものが最も望ましい。
【0052】
この耐水性発泡素材としては、具体的には、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、天然ゴム、合成ゴム、ポリスチレン樹脂、ケイ素樹脂又はポリビニルアセタールの独立及び/又は連続の発泡体、特に連続発泡体から選ばれる1種又は2種以上の発泡素材が挙げられる。
【0053】
又、前記耐水性発泡担体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、既知の方法で製造することができるのであり、具体的には、例えば耐水性素材に揮発性液体又は分解性発泡剤を添加して製造する方法、空気、窒素ガス、炭酸ガスなどを吹き込む方法、スプレー法等が挙げられる。
【0054】
そして、本発明においては、耐水性発泡担体を製造する際の発泡倍率としては特に限定されるものではないが、一般に、2〜500倍程度のものが好ましく、更に、5〜200倍程度のものが好ましく、特に、10〜100倍程度のものが一層好ましい。
【0055】
発泡倍率が2倍未満になると、担体の空隙率が減少し、十分な表面積を確保することができなくなり、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能力の低下を招くため好ましくなく、一方、発泡倍率が500倍を超えると、担体の機械的強度の低下を招くため好ましくない。
【0056】
又、耐水性発泡担体の形状としては、特に限定されるものではなく、球状、略球状、直方体状、立方体状、柱状、錐状、紡錘状、チューブ状、リング状等の任意の形状を用いることができる。
【0057】
更に、本発明において、この耐水性発泡担体は、使用目的、反応槽の大きさ等により、その大きさを適宜選択すれば良く、特に限定されるものではないが、一般的には、一辺又は直径が2.5〜50mm程度のものが好ましく、更に、一辺又は直径が3mm〜25mm程度のものが好ましい。
【0058】
耐水性発泡担体の一辺又は直径が2.5mm未満になると、小さすぎて取り扱いが不便になる上、反応槽の隙間に挟まり込んだり、フィルター等において目詰まりを起こしたりするおそれがあるので好ましくなく、一方、耐水性発泡担体の一辺又は直径が50mm以上になると、使用中に破損したり、機械的強度が低下するばかりか、撹拌羽根等により有機廃水等の廃水及び富栄養化水を攪拌する反応槽においては、撹拌羽根等の回転力に抵抗を与え、速やかな回動が得られなくなるおそれがあるため好ましくない。
【0059】
本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体においては、前記耐水性発泡担体を担体の核として、この担体核の表面を、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物でコーティングしてなる点、に特徴を有するものである。
【0060】
以下、このコーティング剤について、正電荷を有する高分子量親水性向上剤、微生物親和性向上剤の順で詳細に説明する。
【0061】
前者の正電荷を有する高分子量親水性向上剤としては、基本的には、親水性に優れ、且つ、耐水性発泡担体にコーティングした状態で正電荷を発現し、これにより、アニオン性に帯電した微生物等を静電的引力で捕獲することができるものであれば特に制限されるものではないが、4級アミン等のカチオン系界面活性剤等は、微生物や菌体等に対し、毒性を与え、活性を阻害するため、本発明においては、以下に例を挙げて詳しく説明する菌体に対して殆ど毒性を示さない高分子量親水性向上剤を用いることが好ましい。
【0062】
即ち、本発明においては、正電荷を有する高分子量親水性向上剤として、毒性が無いか、或いは殆ど無いものを用いることにより、付着した微生物等の活性が阻害されずに良好に有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能力を発現することができる結果、廃水処理能力を至極向上することができるのである。
【0063】
本発明における正電荷を有する高分子量親水性向上剤のうち、毒性が無いか、或いは殆ど無く、付着した微生物等の活性が阻害されずに良好に有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能力を発現することができるものの代表的な例としては、第1級、第2級又は第3級のアミノ基を側鎖に持ち且つ正電荷を有するポリマー、塩化アルキルトリメチルアンモニウム
【化3】
Figure 0003965006
(但し、Rは炭素数が16〜22のアルキル基)
、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム
【化4】
Figure 0003965006
(但し、Rは炭素数が16〜22のアルキル基)
、又はポリビニルアルコールを架橋したカチオン性樹脂から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0064】
中でも、第1級、第2級又は第3級のアミノ基を側鎖に持ち且つ正電荷を有するポリマーについては、毒性が無いか、或いは殆ど無く、付着した微生物等の活性に全く悪影響を与えず、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能力を良好に発現することができるので、ポリエチレンイミン又はアクリル樹脂骨格を有するアミノエチル化樹脂を用いることが特に好ましい。
【0065】
又、本発明において、ポリエチレンイミンについては、特に、親水性が良好で、水や低級アルコールに対していかなる割合でもとけ込むことができるため、耐水性発泡担体にコーティングする際の取り扱いが簡便であり、しかも、カチオン化密度が高いポリマーであるため、微生物を捕獲する能力に極めて優れるから好ましい。
【0066】
このポリエチレンイミンの市販品の例としては、例えば株式会社日本触媒社製、エポミンSPシリーズ(SP−003、SP006、SP012、SP018、SP103、SP110、SP200等)、エポミンP−1000等が挙げられる。
【0067】
又、アクリル樹脂骨格を有するアミノエチル化樹脂については、前記のポリエチレンイミンと同様の性質に加えて、各種基材への密着性が良好であることが挙げられる。
【0068】
このアクリル樹脂骨格を有するアミノエチル化樹脂の市販品の例としては、例えば、株式会社日本触媒社製のポリメントNKシリーズ、ポリメントSK−1000、ケミタイトPZ−33、ケミタイトDZ−22、エポクロスK−1000シリーズ、エポクロスー2000シリーズ、エポクロスWS−500、RS−1205Tが挙げられる。
【0069】
ところで、本発明においては、正電荷を有する高分子量親水性向上剤の代表的な例のうち、塩化アルキルトリメチルアンモニウム
【化5】
Figure 0003965006
、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム
【化6】
Figure 0003965006
については、アルキル基の炭素数について、炭素数が16〜22であることを制限している。
【0070】
この理由としては、アルキル基の炭素数が16未満の場合、係る化合物の毒性が高くなり、微生物が付着したとしても、活性が阻害されるため好ましくなく、一方、アルキル基の炭素数が22を超える場合、カチオン化密度が相対的に低くなり、微生物等を捕獲する能力が低下するため好ましくないからである。
【0071】
本発明において、後者の微生物親和性向上剤としては、微生物との親和性が高く、特に、担体に付着した微生物が増殖・繁殖等するための培地となるものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えばゼラチン、アルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩、ペクチン、デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉などの澱粉系微生物親和性向上剤、カラギーナン寒天などの多糖類、CMC、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系微生物親和性向上剤、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン等の細胞接着又は増殖因子等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを正電荷を有する高分子量親水性向上剤で処理したり、これらと正電荷を有する高分子量親水性向上剤を組み合わせて親水性を向上させても良いのである。
【0072】
中でも、本発明においては、寒天が好ましく、特に、低温溶解性寒天が好ましいが、この理由としては、低温溶解性寒天は、通常の寒天と比較して、低温度においても水等の溶媒に対して良好な溶解性を示すためである。
【0073】
即ち、低温溶解性寒天が低温度においても水等の溶媒に対して良好な溶解性を示すことから、微生物親和性向上剤として耐水性発泡担体にコーティングする際に、高温に加熱した溶媒を使用する必要がなくなり、これより、熱により、耐水性発泡担体が変質、変性、又は形状変化(空隙率又は表面積の減少等)を受けるおそれがないので望ましい。
【0074】
この低温溶解性寒天の例としては、例えば、伊那食品工業株式会社製、INA AGARシリーズ(UP−37、UP−26、UP−16等)が挙げられる。
【0075】
本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体においては、前記の正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物を耐水性発泡担体にコーティングしてなるものである。
【0076】
この場合、耐水性発泡担体にコーティングする、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の量としては、所望の親水性及び微生物親和性が得られる範囲で適宜決定すればよく、特に制限されるものではないが、一般的には、耐水性発泡担体に対し、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の量として、0.1〜55重量%程度が好ましく、特に、0.5〜35重量%程度とするのが好ましい。
【0077】
正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の量が、0.1重量%未満であると、コーティング量が少なすぎて親水性や微生物親和性更に微生物が増殖・繁殖等の所望の効果が得られなくなるため好ましくなく、一方、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の量が55重量%を超えると、これらの効果に限界が生じ意味が無いだけでなく無駄が多く、しかも高価になるなど経済上の理由から好ましくない。
【0078】
このコーティングの方法としては、特に制限されるものではないが、具体的には、水や低級アルコール等の溶媒に、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤を溶解ないし分散し、この溶液ないし分散液中に耐水性発泡担体を浸漬したり、この溶液ないし分散液を耐水性発泡担体に塗りつけたり、吹き付けたりしたものが挙げられるのであり、又、所要により、これらをその後乾燥させたものでもよいのである。
【0079】
その他のコーティングの方法としては、所定量の正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の溶液ないし分散液の中に耐水性発泡担体を投入し、これを混練したものが挙げられる他、これをその後乾燥させる方法等が挙げられる。
【0080】
前記の乾燥方法としては特に限定されるものではないが、具体的には、例えば加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、減圧加熱乾燥、真空加熱乾燥等が挙げられるのであり、この場合、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤が分解、変質しないように、加熱温度を配慮することを要する。
【0081】
ところで、本発明において、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤(A)を溶媒ないし分散媒に溶解ないし分散するにあたり、その濃度としては、前記耐水性発泡担体の親水性化および生物親和性の向上を実現するよう適宜決定すれば良いが、一般に、前記(A)が0.1〜50重量%の範囲、より好ましくは0.5〜30重量%程度の範囲とするのが好ましく、(A)の濃度が0.1重量%未満では濃度が低く過ぎて耐水性発泡担体への付着性が悪く、繰り返し含浸等の作業を行う必要があるので好ましくなく、一方、(A)の濃度が50重量%を超えると粘度が高くなって撹拌性が悪く、均一にコーティングできなくなるおそれがあるので好ましくない。
【0082】
本発明において、これらの溶媒または分散媒としては、水、アルコール等の極性溶媒および水溶性有機性溶剤等が挙げられるのであり、特に好ましい例としては、水、メタノール、エタノール、(イソ)プロピルアルコール等が挙げられる。
【0083】
そして、本発明においては、コーティングの際に、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤に存在するアミノ基と反応性を有する化合物、例えば、多価エポキシ化合物、アクリロイル化合物及び活性エステル化合物等を前記溶媒或いは分散媒中に共存させて、これらの化合物を耐水性発泡担体に導入することにより、耐水性発泡担体の親水性や生物親和性を向上させると共に、耐水性発泡担体の密着性や機械的強度更に耐久性を一層向上させることが好ましい。
【0084】
本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体を用いた有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理方法においては、前記目的を達成するために、上述の微生物固定化処理用の発泡担体を用いて、反応槽内で有機廃水等の廃水及び富栄養化水を脱窒、浄化するものであり、この結果、この微生物固定化処理用の発泡担体表面の微生物付着機能を促進したり、該担体表面での微生物の親和性や増殖性を向上させたりして、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の脱窒、浄化作用を著しく促進させることができるのである。
【0085】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
(a)耐水性連続発泡担体
本実施例においては、耐水性連続発泡担体として、ポリエチレン製連続発泡担体(発泡率約15倍、三和化工株式会社製、商品名:オプセルLC−150)を用い、これを立方体(5mm×5mm×5mm)に成形したものを担体核として使用した。
【0087】
(b)高分子量親水性向上剤
本実施例においては、高分子量親水性向上剤として、アクリル樹脂骨格を有するアミノエチル化樹脂(株式会社日本触媒社製、商品名:ポリメントSK−1000)を用いた。
【0088】
(c)微生物親和性向上剤
本実施例においては、微生物親和性向上剤として、低温溶解性寒天(伊那食品工業株式会社製、商品名:即溶性寒天UP−37)を用いた。
【0089】
(d)反応槽
エジェクター型リアクター(株式会社バイオセル社製、商品名:小型脱窒リアクターテスト機、全容量10L、有効容量6.5L、リアクター容量5.0L)を反応槽として用いた。
【0090】
実施例1
まず、前記高分子量親水性向上剤30重量部と、前記微生物親和性向上剤1.5重量部とを、70℃の純水300重量部に均一に混合、溶解し、コーティング用の混合溶液を得た。
【0091】
このコーティング用の混合溶液の全量を前記耐水性発泡担体100重量部に含浸ないし付着させ、熱風乾燥によって水分を蒸発させることにより、前記の高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物をコーティングしてなる本発明の微生物固定化用の連続発泡担体を得た。
【0092】
参考例1
実施例1において、高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物を用いるのに代えて、疎水性連続発泡担体100重量部に対して、前記高分子量親水性向上剤のコーティング量が31.5重量部となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、前記高分子量親水性向上剤をコーティングしてなる、本発明の微生物固定化用の連続発泡担体を得た。
【0093】
参考例2
実施例1において、高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物を用いるのに代えて、耐水性発泡担体100重量部に対して、微生物親和性向上剤のコーティング量が1.5重量部となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、前記微生物親和性向上剤をコーティングしてなる、本発明の微生物固定化用の連続発泡担体を得た。
【0094】
比較例
10重量%のグリセロールジグリシジルエーテルと20重量%のエタノール水溶液及び1重量%の水酸化ナトリウムを含む水溶液を、セルロース(5mm×5mm×5mm、発泡体構造)に含浸させ、121℃の温度で、15分かけて反応を行うことにより得られた担体を、比較例として用いた。
【0095】
前記の実施例1、参考例1・2及び比較例で得られた担体を、それぞれ電池工場脱窒汚泥(硝酸態窒素濃度 約500mg/L)の反応槽(全容量10.0L、有効容量6.5L)におけるリアクター容量を5.0Lに調整し、このリアクター容量5.0Lに対して、担体充填率が40容量%となるように充填し、廃水処理脱窒試験を行った。
【0096】
それぞれの担体を用いた場合における廃水処理脱窒試験の試験条件及び試験結果を表1に示す。
【0097】
なお、本試験における廃水成分としては、硝酸カリウムを主成分とする無機合成廃水(硝酸態窒素濃度 500mg/L)を用いた。
【0098】
【表1】
Figure 0003965006
【0099】
なお、表1において、最大容積負荷とは担体を充填した反応槽(リアクター)について運転開始後、定常状態になった際、このリアクターが1日に除去できる最大の窒素除去量をいい、この数値が大きいほど廃水処理能力が高いといえる。
【0100】
そして、表1において、最大容積負荷になるまでの時間とは、運転開始直後から定常状態になるまでの時間をいい、この時間が短いほど、迅速に廃水処理能力が発揮されていることになる。
【0101】
表1に示す結果より、実施例1及び参考例1・2のものは、比較例のものと比べて、良好な廃水処理性(最大容積負荷6.0kg−N/m3・日以上)を示すことが認められ、特に、実施例1及び参考例2の担体を用いた場合においては、一層良好な廃水処理性(最大容積負荷7.0kg−N/m3・日以上)が認められた。
【0102】
又、実施例1及び参考例1・2のものは、比較例と比べて、廃水処理能力が発現するまでの時間が短く、特に実施例1及び参考例1の担体を用いた場合には、この廃水処理能力が発現するまでの時間が短いことが認められ、至極優れた廃水処理能力を発揮することが認められる。
【0103】
更に、本試験を連続120日に亘って行った後、実施例1、参考例1・2及び比較例の担体を反応槽から取り出し、目視により、その形状を観察したところ、比較例のものは、担体の一部に微生物による侵食や摩耗が認められたが、実施例1及び参考例1・2のものは、微生物による侵食や摩耗が全くといって良いほど認められず、その形状にほとんど変化がなく、これにより、比較例のものと比べて、耐久性が著しく優れることが認められた。
【0104】
その後、更に、連続して本試験を行ったところ、比較例のものは、時間の経過に反比例して、廃水処理能力が著しく低下し、10カ月後には、反応槽内でほとんど全ての担体が分解、破損して消失していることが認められたが、実施例1及び参考例1・2のものは、1年後においても、ほとんど変化がなく良好な廃水処理能力を示すことが認められた。
【0105】
【発明の効果】
本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体においては、前記構成を有し、有機廃水等の廃水及び富栄養化水を微生物で処理するために、活性汚泥等が存在する反応槽に投入するだけで、速やかに、微生物が付着し、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能を発現する結果、活性汚泥の管理等の負担が必要でなく、又、これらの発泡担体は廉価な材質を担体核としているため、コストの低減及び取り扱いが簡便となる効果を有するのである。
【0106】
更に、本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体においては、担体の核として耐水性発泡担体を用いているため、耐久性及び機械的強度に優れ、長期間にわたっての使用を可能とする効果を有する上、このような発泡担体であることから、表面積が至極大であるものを確保することができるのであり、この結果、微生物の付着量を向上させたり、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能をも向上させる効果を奏するのである。
【0107】
しかも、この耐水性発泡担体が、埋め立て処分或いは焼却処分になっても内分泌攪乱物質が発生することのない耐水性素材で形成されているため、二次公害の発生のおそれがなくなり、安全性を至極向上させる効果をも有するのである。
【0108】
そして、本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体においては、耐水性発泡担体の表面を、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物でコーティングして形成されているため、親水性の向上ないし親水性を発現し、且つ、微生物との親和性をも向上させるため、微生物が迅速に且つ多量に付着することができる結果、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能を至極向上させる効果を有するのである。
【0109】
特に、本発明においては、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の毒性が無いか、或いは殆ど無く、従って、微生物の活性を阻害することのないものが用いられているため、微生物の有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能を低下させることなく、安定で良好な有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理能を発現する効果を有するのである。
【0110】
加えて、本発明に係る有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理方法においては、本発明に係る微生物固定化処理用の発泡担体を用いて有機廃水等の廃水及び富栄養化水を処理するものであり、この結果、この微生物固定化処理用の発泡担体表面の微生物付着機能を促進し、この担体表面での微生物の親和性や増殖性を向上することができる結果、有機廃水等の廃水及び富栄養化水の脱窒、浄化作用を著しく促進させるなどの優れた効果を有するのである。

Claims (8)

  1. 有機廃水等の廃水及び富栄養化水を微生物で処理するために用いる微生物固定化用の発泡担体であって、この発泡担体が耐水性発泡担体の表面を、正電荷を有する高分子量親水性向上剤及び微生物親和性向上剤の混合物でコーティングして形成されたものであることを特徴とする微生物固定化処理用の発泡担体。
  2. 発泡担体が連続発泡担体である請求項1に記載の微生物固定化処理用の発泡担体。
  3. 耐水性発泡担体が疎水性発泡担体である請求項1又は2に記載の微生物固定化処理用の発泡担体。
  4. 発泡担体がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、天然ゴム、合成ゴム、ポリスチレン樹脂、ケイ素樹脂又はポリビニルアセタールの発泡体で形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の微生物固定化処理用の発泡担体。
  5. 正電荷を有する高分子量親水性向上剤が第1級、第2級又は第3級のアミノ基を側鎖に持ち且つ正電荷を有するポリマー、塩化アルキルトリメチルアンモニウム
    Figure 0003965006
    (但し、Rは炭素数が16〜22のアルキル基)
    、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム
    Figure 0003965006
    (但し、Rは炭素数が16〜22のアルキル基)
    、又はポリビニルアルコールを架橋したカチオン性樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の微生物固定化処理用の発泡担体。
  6. 第1級、第2級又は第3級のアミノ基を側鎖に持ち且つ正電荷を有するポリマーがポリエチレンイミン又はアクリル樹脂骨格を有するアミノエチル化樹脂である請求項5に記載の微生物固定化処理用の発泡担体。
  7. 微生物親和性向上剤が寒天又は低温溶解性寒天である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微生物固定化処理用の発泡担体。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載された微生物固定化処理用の発泡担体を用いて有機廃水等の廃水及び富栄養化水を処理することを特徴とする有機廃水等の廃水及び富栄養化水の処理方法。
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