JPH07251190A - 固体懸濁物用除去材 - Google Patents

固体懸濁物用除去材

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JPH07251190A
JPH07251190A JP6045837A JP4583794A JPH07251190A JP H07251190 A JPH07251190 A JP H07251190A JP 6045837 A JP6045837 A JP 6045837A JP 4583794 A JP4583794 A JP 4583794A JP H07251190 A JPH07251190 A JP H07251190A
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JP
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gel
microorganisms
polymer
pva
water
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JP6045837A
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Masaki Okazaki
正樹 岡崎
Akira Kurio
晃 栗生
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子粒状含水ゲルからなる固体懸濁物用除
去材において、微生物の活性が長期に高度に維持出来る
ばかりでなく、廃水および汚水に含まれているSSを捕
捉出来る含水ゲルを創出せとするもの。また、SSの逆
洗浄のための間隔を永くとることが出来、かつ該逆洗浄
でSSが容易に洗浄でき、したがって微生物の脱落の少
ない、即ち、効率のよい含水ゲルを創出せとするもの。 【構成】 高分子粒状含水ゲルの表面に繊維状物が髭状
に植え込まれた形態を有する固体懸濁物用除去材として
構成するものであり、より好ましくは、該高分子含水ゲ
ルの形状が球状であること、また該繊維状物は、その太
さが0.1〜5デニール、その長さが0.2〜20mm
であり、その量が高分子含水ゲル重量に対して0.1〜
5%でありかつ微生物を練り込んだ微生物固定化担体と
して構成するものである。また該高分子含水ゲルは、ア
ルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコ
ール、エポキシ、ポリアクリルアミドあるいはポリアク
リル酸から選ばれた1種又は2種以上の組合せからなる
含水ゲルであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子粒状含水ゲルか
らなる微生物による生体活性を長期にわたって高度に維
持せしめるばかりでなく、水中に分散しているSS(固
形懸濁物)の捕捉を可能とし、微生物の脱落のない効率
のよい生体反応を可能とする高分子粒状含水ゲルからな
る固体懸濁物用除去材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高分子粒状含水ゲルは、流体中における
分散性および流動性が良好であることから、バイオリア
クター用の生体触媒を固定化する担体として有用であ
り、それ自体としては、既に公知である。即ち、酵素、
微生物等の生体触媒を包括または付着して固定化する担
体として、高分子素材を用いた粒状含水ゲルは知られて
いる。
【0003】しかし、従来のこの種含水ゲルは球状、角
状等の形態を有し、その表面は、微生物等生体触媒から
見て、即ちサブミクロンのオーダーで、平滑な平面を持
ったものである。そのために、従来の粒状含水ゲルは、
微生物、細胞等の付着性については満足できるものでは
なく、解決すべき問題を有している。この点に関して改
良出来る提案として、須藤隆一編・著者になる「微生物
固定化法による排水処理」(発行所;産業用水調査会/
山根房子)の203頁には、商品名マリモと呼ばれるポ
リエステル繊維からなる直径10〜15mmの球状担体
(空隙率96%)中にポリアクリル酸ソーダと消化汚泥
とからなるゲルを流し込み、担体空隙中に該汚泥ゲルを
含浸させてつくった微生物包括体につき報告されてい
る。しかし、この微生物包括体においても、前記従来の
高分子粒状ゲルと同様、廃水および汚水に分散している
SSの捕捉が出来ないという大きな欠点を有している点
では同じである。
【0004】このSSの捕捉という課題を解決するため
に、微生物を固定化する繊維状物を、その外径寸法が5
〜35mm程度に丸めたボール状物とし、そのボール状
物の中および繊維状物間にSSを捕捉するように考えら
れた担体も知られている(「環境技術」Vol22,N
o.9 1993,539〜545頁や「用水と排水」
Vol35,No.6 1993,510〜516頁に
記載)。しかし、このボール状担体は、そのボール状物
の中および繊維状物間には微生物が付着しており、その
活性を維持させるためには、該ボール状物の中および繊
維状物間に捕捉され、いはば目詰まり状態を起こしてい
るSSの洗浄(逆洗浄)が必須であり、しかしその逆洗
浄を行うと、付着していた微生物が脱落してしまい、次
の微生物付着まで生体反応を維持させることが出来ず、
生物処理が出来ない、という、いはば二律背反の問題を
生ずるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明は、高
分子粒状含水ゲルからなる微生物固定化担体において、
微生物による生物活性を長期にわたって高度に維持せし
めるばかりでなく、さらに廃水および汚水に含まれてい
るSSを捕捉出来る含水ゲルを創出せんとするものであ
る。また本発明は、SSの逆洗浄のための間隔を永くと
ることが出来、かつ該逆洗浄でSSが容易に洗浄でき、
したがって微生物の脱落の少ない、または脱落のない、
即ち、効率のよい含水ゲルからなる固体懸濁物用除去材
を創出せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
つき鋭意検討した結果、高分子粒状含水ゲルを以下のよ
うに構成することによって、その目的が達せられること
を見いだした。即ち、本発明は、微生物を固定化した高
分子粒状含水ゲルの表面に繊維状物が髭状に植え込まれ
た形態を有する固体懸濁物用除去材として構成するもの
であり、より好ましくは、該高分子粒状含水ゲルの形状
が球状であること、また該高分子粒状含水ゲルが微生物
を練り込んだものであること、更にまた該繊維状物は、
その太さが0.1〜5デニール、その長さが0.2〜2
0mmであり、その量が高分子含水ゲル重量に対して
0.1〜5%である固体懸濁物用除去材として構成する
ものである。また該高分子含水ゲルは、アルギン酸、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エポキ
シ、ポリアクリルアミドあるいはポリアクリル酸から選
ばれた1種あるいは2種以上の組み合わせからなる含水
ゲルであることが好ましい。
【0007】
【作用】本発明は、高分子粒状含水ゲルの表面に繊維状
物が髭状に植え込まれた形態を有する固体懸濁物用除去
材として構成したので、微生物による生体活性を長期に
わたって高度に維持せしめるばかりでなく、廃水および
汚水中に分散しているSSを有効に捕捉することが出
来、かつその捕捉したSSの逆洗浄が容易で、微生物等
の脱落がないか、または少なく、生体触媒反応を効率良
く維持させることが出来、従来のこの種高分子含水ゲル
に比べて、廃水、汚水の処理を実際上大きく改善するこ
とが出来る。
【0008】本発明の粒状含水ゲルにおいて、ゲル基材
を構成する高分子としては、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレングリコール、エポキシ、ポリアクリルアミド
等の樹脂、ポリアクリル酸塩系、酢ビ・アクリル酸エス
テル共重合体ケン化物、デンプン・アクリロニトリルグ
ラフト重合体ケン化物、ポリビニルアルコール・無水マ
レイン酸重合物などの合成高分子が例示され、また、キ
チン、キトサン、アルギン酸塩、κ−カラギーナン、寒
天などの天然高分子が例示される。これら高分子は、そ
れぞれ単独で用いることも、また例えば、ポリビニルア
ルコールとアルギン酸塩、ポリエチレングリコールとア
ルギン酸塩、ポリエチレングリコールとポリアクリルア
ミドおよびアルギン酸、といった2種以上の組合わせで
用いることも出来る。
【0009】粒状含水ゲルの構造は高分子と水とが溶媒
和した成分の三次元ネットワーク構造からなるミクロセ
ルの中に液体の水が充填された構造と考えられ、このミ
クロセル中の水(一般に「自由水」と呼ばれる)によっ
て、そこに包括固定される微生物の活性が長期にわたっ
て維持できるものである。
【0010】本発明においては、対象とする粒状含水ゲ
ルの製造法については何等限定の対象となるものではな
く、ゲル基材を構成する高分子の種類に応じて適宜選ぶ
ことが出来る。ただ、低濃度の高分子水溶液をゲル化さ
せることによって自由水の含有量が多い含水ゲルを得よ
うとする場合には、得られる含水ゲルの強度が不充分と
なるため、好ましくない。ポリビニルアルコール系およ
びポリビニルアルコールとアルギン酸、ポリアクリルア
ミド、ポリエチレングリコール等と混合使用する系で、
低すぎない濃度の高分子水溶液から形成させた含水ゲル
に凍結とそれに続く解凍からなる操作を繰り返して施す
ことによって、ゲル中の高分子微結晶を増加させ、高分
子からの拘束が除かれた自由水の量を増加させるのが、
ゲルの強度の向上にもつながることから望ましい。この
傾向は、ポリビニルアルコール含水ゲルにおいて特に顕
著である。化学反応によって架橋構造を形成させた高分
子含水ゲルについても、微結晶の増加を行う凍結−解凍
操作を施すことにより、自由水の量は増加し、包括固定
化された微生物の棲息性が向上する。
【0011】今、この高分子ゲルの一例としてPVA粒
状含水ゲルの製造例を記載する。この製造条件も種々あ
り、基本的には、PVA水溶液を、芒硝等塩水溶液中に
または飽和ホウ酸液中に滴下するか、或はまた、アルギ
ン酸塩とPVAの混合溶液を塩化カルシウム水溶液中に
滴下する従来公知の製造法で採用される製造条件が採用
され、それに本願発明のための製造条件が組み合わされ
ればよいが、以下は、凍結−溶解法で得るPVAゲルの
一例としての主な点についての条件の概略である。
【0012】用いられるPVAとしては、その平均重合
度が1000以上、好ましくは1700以上で、ケン化
度が98.5モル%以上、好ましくは99.85モル%
以上の完全ケン化PVAが、PVAゲルの形成上望まし
い。重合度が低下すると、得られるPVAゲルはその使
用中一部が水中へ溶出するという問題を抱え、その耐久
性において問題となる。またケン化度が低下すると、必
要な強度のゲルが得られないため好ましくない。
【0013】PVA水溶液の濃度はPVAゲル形成能の
範囲から、3〜40重量%まで可能であり、PVA濃度
が高い程、より強固なゲルが生成するが、必要なゲル強
度が得られれば、PVA濃度が低い方が基質及び酸素の
透過性という品質面と原料コスト面から有利である。P
VA以外の添加成分の種類や濃度、PVA混合水溶液の
液温および滴下装置によって、適切な濃度を選定する必
要がある。また練り込む微生物または酵母の濃度は、用
いるものによって異なるが、PVAに対して約1〜5%
を30℃以下の条件でPVA水溶液中に混入する。常温
でPVA混合水溶液を滴下する場合は、PVA濃度5〜
10重量%が粒状化(球状化)が容易であり、実用上十
分なゲル強度が得られる。
【0014】PVA水溶液から粒状ゲル化した該ゲル
が、その凝固液中あるいは水溶液中で、相互に融着せ
ず、一定の強度を有することは、多量のゲルを連続処理
して製造しなければならない実用面において、その取り
扱いの容易さおよび製造装置の簡易さの点で非常に有利
である。この点で、少なくとも1種の多価金属イオンを
含む化合物と、該多価金属イオンとの接触によりゲル化
する能力のある水溶性高分子多糖類とを、いずれか1方
をPVA水溶液(原液)中に、また他方をゲル浴となる
水溶液中に添加して用いることが望ましい。
【0015】ここで、多価金属イオンとの接触によりゲ
ル化する能力のある水溶性高分子多糖類としては、具体
的には、アルギン酸のアルカリ金属塩、カラギーナン、
マンナン、キトサン等が挙げられるが、とりわけアルギ
ン酸ナトリウムが好ましい。また、多価金属イオンを含
む化合物とは、具体的には、マグネシウムイオン、カル
シウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン
等のアルカリ土類金属イオンあるいはアルミニウムイオ
ン、セリウムイオン、ニッケルイオン等の他の多価金属
イオンのうちの少なくとも1種を含有する化合物が挙げ
られるが、とりわけ塩化カルシウムが好ましい。そして
特に、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムとの組合
わせが、より好ましい。
【0016】PVA水溶液にアルギン酸ナトリウムなど
水溶性高分子多糖類を添加する場合の、その濃度は、水
に対して0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.5〜
2重量%がよい。その添加率はPVAに対し0.2〜2
0%が好ましい。0.2重量%未満では、PVA水溶液
の粒状(球状)化形成能が乏しく、また、20重量%よ
り大の場合は、固い球状物が得られるが、溶液粘度の上
昇をもたらす上、原料コスト上昇の要因となり好ましく
ない。PVAの原液は、上記のようなPVA混合水溶液
に目的の微生物の菌液を混入し、撹拌して得られる。
【0017】本発明の粒状含水ゲルに包括固定し得る微
生物、酵素、動植物細胞など特に限定されるものではな
い。微生物は、細菌、放線菌、カビ、酵母などのいずれ
でもよく、純粋培養で取得されたものでも、混合培養で
取得されたものでも、また活性汚泥菌であってもよい。
微生物としては、例えば、ムコール(Muccor)
属、フザリウム(Fusarium)属、クラドツリッ
クス(Cladothrix)属、スフェロチルス(S
phaerotilus)属、ヅーグレア(Zoogl
oea)属、レプトミッス(Leptomitus)
属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リ
ゾプス(Rhizopus)属、シュードモナス(Ps
eudomonas)属、アセトバクター(Aceto
bacter)属、ストレプトマイセス(Strept
omyces)属、エシェリシア(Escherich
ia)属、サッカロマイセス(Saccharomyc
es)属、キャンディダ(Candida)属等の属に
属する微生物が挙げられ、イオウ細菌、メタン菌、酪酸
菌、乳酸菌、枯草菌、変形菌、不全菌、アンモニア酸化
細菌、硝酸菌(Nitrobacter,Nitroc
ystisなど)、亜硝酸細菌(Nitrosomon
as,Nitrosococcus,Nitrosos
prita,Nitrosocyatis,Nitro
gloeaなど)、亜硝酸酸化細菌、脱窒細菌(Pse
uclomonas,Bacillus,Achrom
obacter,Micrococcusなど)等も例
示される。また、排水処理を目的とする場合には、タン
パク質分解酵素、炭水化物分解酵素、脂肪分解酵素を生
産する菌を固定化することが望ましい。酵素としては、
その起源にかかわらず、動物由来のもの、微生物由来の
ものなどを任意に選ぶことが出来る。
【0018】本発明の固体懸濁物用除去材においては、
微生物を練り込む場合は、ゲル中に微生物が予め混入さ
れているため、特殊な排水処理用に有用菌を固定化する
ことが可能で、好気性では硝化菌など、また嫌気性では
脱窒菌、硫酸還元菌、メタン菌など増殖速度が遅いもの
を包括することにより、有効処理が可能となる。一方、
ゲルに微生物を練り込んでいないものは、排水処理系に
存在する微生物が自然とゲルに付着する又はゲル内部に
もぐり込むのを待つ必要があるが、この場合には、ゲル
の形成に際して微生物を死滅させないような条件を考慮
する必要はなくなる。
【0019】どちらの場合にしても、本発明において
は、ゲルの表面に植え込んだ繊維状物が排水中のSS分
をこの繊維状物にトラップさせることにより、該SS分
を除去するが、SS分の付着が多くなると逆洗等により
付着SS分を系外に除去する必要が生じ、ゲルに微生物
を練り込んでおらず後に付着させたものの場合には、該
洗浄で付着微生物を洗い落としてしまう恐れがあり、強
く洗浄することが出来ない。これに対してゲルに練り込
む場合には、高分子ゲル内に微生物が包括されているた
め、強度に逆洗してもよく、その逆洗後すぐ生物活性が
得られる点で、より優れている。
【0020】アルギン酸ナトリウムなど水溶性高分子多
糖類をPVA水溶液に添加する場合、他方の多価金属イ
オンを含む化合物、特に塩化カルシウムは、ゲル浴とな
る水浴に添加されるが、該塩化カルシウム水溶液の濃度
としては0.05〜1.0モル/lが好ましく、通常は
0.1〜0.5モル/lが好ましい。
【0021】ノズルから噴霧されたPVA混合水溶液
は、塩化カルシウム水溶液に接触すると表面張力によっ
て球体となり、さらに球体の最表面が薄膜状に固化し、
最終的なゲル球状物となる。このゲル球状物は、押出ノ
ズルの直径、PVA混合水溶液の粘度等を調整すること
によって、直径1〜10mm程度のものを任意に得るこ
とが出来る。
【0022】塩化カルシウム水溶液中で固化した球状ゲ
ルは、該塩化カルシウム水溶液と分離し、そのまま凍結
させる。凍結温度は−5℃以下でよいが、より強力なP
VAゲルとするためには、−20℃以下とすることが望
ましい。凍結保持時間は2時間以上、好ましくは10時
間以上がよい。その後、微生物に悪影響を及ぼさない温
度範囲に放置して解凍する。この凍結−解凍処理は、1
回の操作では、PVA混合水溶液の組成や凍結条件によ
っては、必要な強度に達しない場合もあり、その場合に
は、2回以上、好ましくは3回以上の操作を行うことに
よって、強度の高いゲルとすることが出来る。またこの
凍結とそれに続く解凍からなる操作によって、ゲル中の
高分子微結晶を増加させ、高分子からの拘束が解かれた
自由水の量を増加させることが出来、それによって包括
固定化された微生物の棲息性をより高めることも出来
る。
【0023】本発明の粒状含水ゲルは、例えばこのよう
な製造法でゲルをつくるに際して、例えば、凝固浴液と
なる塩化カルシウム水溶液の浴中に繊維状物を添加し分
散させておき、その浴中にPVA水溶液からなる原液を
滴下することによって、該PVAからなる球状あるいは
それに類似形状の粒状含水ゲルを凝固させ、その際該ゲ
ル表面に、前記凝固浴液中に分散させておいた繊維状物
が髭状に付着し、結果として、該繊維状物がゲル表面に
植え込まれた形態のものとして得ることが出来る。
【0024】このPVAの場合と同様に、例えば天然高
分子であるアルギン酸ソーダの場合には、例えば1%水
溶液とし、これを0.2モル%の塩化カルシウム液中に
滴下して粒状ゲルを形成するが、この際塩化カルシウム
水溶液中に、例えば繊度2デニール、長さ6mmのPV
A繊維を1%分散させておくことにより、アルギン酸ソ
ーダの凝固時にゲルに該繊維を髭状物として付着形成さ
せることが出来る。同様に、アルギン酸ソーダの例えば
1%水溶液とポリアクリルアミドのプレポリマーとを混
合し、過酸化剤などの重合開始剤を用いて重合し、上記
と全く同様にして塩化カルシウム浴中で凝固させつつ繊
維を髭状物として植生形態に形成させた高分子ゲルを得
ることが出来る。またポリエチレングリコール、ポリア
クリルアミドなどの場合において、その重合に際して、
重合開始剤と共に繊維状物を分散混入して重合を行い、
該繊維状物を混入したゲル状成形物を得、その後該ゲル
状物を湿潤状態又は乾燥状態で粉砕することによって繊
維状物がゲル全体に髭状に出たものとすることも出来
る。
【0025】本発明での繊維状物の素材としては、PV
A系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンやホリプロ
ピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂等からなる繊
維状物やレーヨン繊維からなる繊維状物、人工のポリエ
チレンパルプあるいは天然のセルローズパルプ等のパル
プを挙げることが出来る。なお、本明細書においては、
このパルプをも含めて繊維状物として記載している。
【0026】繊維状物は、その太さが0.1〜5デニー
ルであることが望ましい。0.1デニール未満では繊維
本数が多くSSの捕捉効果は良くなるものの、ゲル製造
中あるいは使用中において相互の絡みが過度になってあ
たかも毛玉状態となり、ゲル表面に該繊維状物が出ず好
ましくない。また5デニールを越える太いものとなると
繊維本数が少なくなり、繊維状物間でSSを捕捉する該
捕捉効率が悪くなり好ましくない。
【0027】また、この繊維状物の長さは、0.2〜2
0mmであることが望ましい。0.2mm未満ではSS
の捕捉効率が不充分となり好ましくない。また20mm
を越えるものとなると、ゲル製造中あるいは使用中にお
いて相互の絡みが過度になりゲルが髭状繊維状物表面に
出にくくなり、好ましくない。
【0028】この繊維状物の量は、高分子粒状含水ゲル
に対して、その重量で、0.1〜5%が必要であること
が分かった。0.1重量%未満では、含水ポリマーに対
して少な過ぎ、髭状物が得られず、目的の効果が発揮さ
れない。また逆に5重量%を越える量となると、ゲル表
面を覆う繊維状物が多過ぎることとなり、含水ポリマー
が繊維状物の基材となりにくく繊維分が系外に抜け出て
しまい安定な担体になり得ず、かえって微生物の生体反
応を阻害したり、SS捕捉を阻害することとなり、好ま
しくない。
【0029】本発明の固体懸濁物用除去材は、前記例示
したPVA系ゲル製造法の場合、該ゲルは一般的に球状
となり、その表面に繊維状物を植え込んだ形態のものと
しては、図1(a)に示すような丸い毬栗状形態とな
り、またゲル素材がポリエチレングリコールやポリアク
リルアミドの場合にはゲルは一般的に楕円形状となり、
その表面に繊維状物を植え込んだ形態の担体としては、
同図(b)に示すような形態となる。即ち、本発明にお
いては、除去材の形態を特定するものではないが、その
使用に際してのリアクター中での挙動を考慮し、該除去
材の中心となるゲル状物が球状やそれに類似した楕円球
状、角状等粒状となり、除去材として極端な線条状ある
いは偏平状にならないものであればよい。即ち、本発明
の固体懸濁物用除去材は、言い換えれば、含水高分子ゲ
ルを繊維状物で補強した強化ゲル状物となっており、髭
状繊維のない単なる含水高分子ゲルに対して耐久性のあ
るものとなっているのである。
【0030】これにより、本発明の固体懸濁物用除去材
は、リアクターの廃水中あるいは汚水中で、図2で示さ
れるような、相互の除去材がその表面に植生状態とした
繊維状物で係合しあいSS捕捉の空間を形成するが、該
相互の担体は該繊維状物で互いに隔てられ目詰まり状態
となることがない集合状態となるものであり、したがっ
て微生物の生体反応を長期にわたって高度に維持するこ
とが可能となるのである。またこのような集合状態をと
るものであるので、捕捉物が溜まり逆洗浄が必要になっ
ても、除去材相互が密着状態にあるものではないので、
その洗浄は容易であり、逆洗浄による除去材の破損が防
止出来、ゲルに付着している微生物を該洗浄によって無
闇に脱落させてしまうこともない。したがって、この逆
洗浄後も能力を落とすことなくすぐに効率よく生体反応
を開始させることが出来る。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いてより具体的に
説明するが、本発明はそれにより限定されない。 実施例1;(株)クラレ製のPVA(平均重合度170
0、ケン化度99.98モル%)を8重量%水溶液とな
るように水を加えて溶解した。この溶液にアルギン酸ナ
トリウムの5%水溶液を前記水溶液のPVAに対し10
%となるように、また(株)クラレ岡山工場内で採取し
た活性汚泥(MLSS3000mg/l)をPVAに対
して1%添加し、混合して原液をつくった。この原液を
内径0.8mmのノズルより、0.5モル/lの塩化カ
ルシウム水溶液中に噴霧滴下した。この塩化カルシウム
水溶液中には、予め、繊度2デニール、長さ6mmにカ
ットした(株)クラレ製のビニロン繊維(PVA繊維)
を分散させてあり、噴霧滴下された上記原液は該水溶液
と接触して球状に凝固すると共に該凝固の際分散させて
いた前記ビニロン繊維が凝固ゲル状物の表面に髭状に
1.3%付着し、毬栗状形態のゲル状物となった。この
PVAゲル状物をよく水洗した後、−20℃で20時間
凍結し、その後12時間かけて常温で解凍した。この操
作を3回繰り返し、最終的に図1で示されるような形態
のゲル状物を得た。このゲル状物での繊維状物は、含水
ゲル重量に対して2重量%であり、またゲル状物の表面
から出た該繊維状物の長さは2〜5mmであった。
【0032】この、得られたゲル状物をカラムに詰め、
ここへ原水としてMLSS1000mg/lの活性汚泥
を含みSSが分散する汚水を通したところ、原水の透視
度は12cmであったが、通水後の透視度は23cmと
良好になった。かかる効果はゲル状物の表面から出てい
る繊維状物にSS成分が付着され除去されたことを示し
ている。
【0033】またこのゲル状物を用い、人工下水で馴養
しながらそのCOD除去率を調べた。CODは、溶解性
CODと固形分CODに分けられるが、本担体の添加率
を5容量%としたときのCOD除去率が表1で示され
る。なお、ここで人工下水とは、蒸留水1リットル中
に、肉エキスを120g、MgSO4・7H2Oを
6.2g、ペプトンを180g、KClを4.2
g、Na2HPO4・12H2Oを25.2g、Na
Clを90g、CaCl2・2H2Oを5.56g、
NaHCO3を250g、それぞれ溶解させたものであ
る。
【0034】
【表1】
【0035】表1で示されるように、本発明の担体はC
OD除去において優れている。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は高分子粒
状含水ゲルの表面に繊維状物を髭状に植生した如き形態
に構成させたので、それを下水処理などのリアクターで
用いる場合、微生物の生体反応を長期にわたって活性状
態で維持しその反応効率が高いばかりか、処理液中に分
散しているSSをも効果的に捕捉することが出来るもの
である。したがって、従来のこの種微生物包括固定化担
体に比べて、効率がより高く、かつ従来の担体が持ち得
なかった機能を有効に持つものであり、実用上その効果
は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、それぞれ本発明の固体懸濁
物用除去材の一形態例を示す斜視図である。
【図2】リアクターで使用中での本発明の固体懸濁物用
除去材の集合状態を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1 高分子含水ゲル 2 繊維状物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物が固定化された高分子粒状含水ゲ
    ルの表面に繊維状物が髭状に植え込まれた形態を有する
    ことを特徴とする固体懸濁物用除去材。
  2. 【請求項2】 高分子粒状含水ゲルの形状が球状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体懸濁物用除去
    材。
  3. 【請求項3】 高分子粒状含水ゲルに微生物が練り込ま
    れていることを特徴とする請求項1または2にに記載の
    固体懸濁物用除去材。
  4. 【請求項4】 繊維状物は、その太さが0.1〜5デニ
    ール、その長さが0.2〜20mmであり、その量が高
    分子粒状含水ゲル重量に対して0.1〜5%であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の固体
    懸濁物用除去材。
  5. 【請求項5】 高分子粒状含水ゲルは、アルギン酸、ポ
    リビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エポキ
    シ、ポリアクリルアミドあるいはポリアクリル酸から選
    ばれた1種あるいは2種以上の組み合わせからなる含水
    ゲルであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の固体懸濁物用除去材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022061133A (ja) * 2020-10-06 2022-04-18 株式会社ウイルステージ 水処理に用いる生物反応装置、およびそれを用いた水底浄化装置、およびアクアポニックス装置

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