JPH05176562A - 超音波モータの起動方法 - Google Patents

超音波モータの起動方法

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JPH05176562A
JPH05176562A JP3356899A JP35689991A JPH05176562A JP H05176562 A JPH05176562 A JP H05176562A JP 3356899 A JP3356899 A JP 3356899A JP 35689991 A JP35689991 A JP 35689991A JP H05176562 A JPH05176562 A JP H05176562A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波モータを確実に起動させるようにす
る。 【構成】 超音波モータ39の起動時に、ノイズ出力回
路51からホワイトノイズをノイズ入力回路49へワン
ショット入力する。ノイズ入力回路49にて電圧周波数
変換回路47からの速度指令電圧にホワイトノイズを重
畳するか、又はホワイトノイズの入力後に速度指令電圧
をドライブ回路53へ加え、ドライブ回路53から超音
波モータ39に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波モータの起動方法
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波モータとしては、一般的に
図6に示すような構成を有するものが知られている。す
なわち、中央の貫通孔にラジアル型ベアリング1をはめ
た基台3にベアリング1を囲む環状の凹部5を形成し、
片端面側(図6中上側)に一体的に突出する凸環部7を
有する金属製の円盤状弾性体9をその基台3に固定し、
この弾性体9の凸環部7に放射状の切込み(図示せず)
を形成して凸環部7を周方向に多数分割し、弾性体9の
他方の端面(図6中下側)にその凸環部7と重合う位置
にリング板状の圧電振動板11が貼付けられている。
【0003】この圧電振動板11は、図7に示すよう
に、圧電セラミック板13の片面に第1の分極グループ
の駆動電極15およびこれにλ/4ずれた第2の分極グ
ループの駆動電極17を形成し、それら駆動電極15、
17の間には共通電極19とセンサー電極21を形成す
るとともに、対向面に全面駆動電極(隠れて見えない)
を有している。圧電セラミック板13の駆動電極15、
17、共通電極19およびセンサー電極21には、図6
中の可撓性プリント基板23またはリード線(図示せ
ず)が接続されて外部に導出されている。
【0004】基台3にはカップ状の金属製のケース25
が被せられ、ケース25の中央突出部内に軸受27とス
ラスト型のベアリング29を固定し、ベアリング1、軸
受27およびベアリング29でシャフト31が軸支され
ている。ケース25内において、シャフト31には移動
体としての円盤状回転体33が固定され、シャフト31
に取付けられたフランジ35によって皿ばね37が回転
体33の周縁部を弾性体9の凸環部7に圧接し、超音波
モータ39が構成されている。
【0005】このような超音波モータ39は、互いに9
0゜位相が異なり例えば40KHzより若干高い2種類
の周波数駆動電圧〔V=V0 sinωt、以下sinと
する〕と〔V’=V0 sin(ωt±π/2)、以下c
osとする〕を駆動電極15、17に加えることによ
り、弾性体9の凸環部7には円周方向に進行する進行性
超音波が生じ、回転体33が周方向に回転してシャフト
31が回転する。また、超音波モータは、第8図のよう
に、周波数f0 、f1 、f2 の複数の共振点を有し、駆
動効率の面から最もQの高い中間の共振点f0 で起動さ
せることが考えられるが、安定した起動を確保する観点
から周波数f0 より若干高い周波数f3 で起動させるこ
とが好ましいとされている。
【0006】もっとも、種々の原因で最初から周波数f
3 の周波数駆動電圧を駆動電極15、17に印加しても
起動しない場合もあるので、スムースな起動を確保する
ために、周波数駆動電圧を周波数f3 より高い例えば4
4KHz付近からスタートさせて低い方向へスイープさ
せ、圧電振動板11を序々に励振させて周波数f3 で超
音波モータ39を回転起動させることが良く行なわれて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は高い周波数から低い方向へスイープさせて周波数駆動
電圧を圧電振動板11へ印加しても、稀に超音波モータ
39が起動しない場合のあることが分った。本発明はこ
のような従来の欠点を解決するためになされたもので、
超音波モータを確実に起動させることができる超音波モ
ータの起動方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、互いに所定の位相差を有する周波数
駆動信号によって動作する超音波モータについて、この
超音波モータの起動時にホワイトノイズを駆動信号とし
て印加して起動させることを特徴とするものである。そ
して、本発明では、そのホワイトノイズをワンショット
で超音波モータに印加することが好ましく、更に、その
ホワイトノイズを上述した周波数駆動信号に重畳させる
か、又はホワイトノイズを印加した後にその周波数駆動
信号を超音波モータに印加する方法も可能である。
【0009】
【作用】このような手段を備えた本発明では、ホワイト
ノイズが直流から高周波分まで広範囲の信号成分を一様
に含んでいるので、ホワイトノイズを例えば周波数駆動
信号に重畳させるか又は周波数駆動信号の印加前に超音
波モータに印加すると、この超音波モータの圧電振動板
が強制的に励振され易くなり、例えばスイープさせた周
波数駆動信号によってスムースに起動する。そして、そ
のホワイトノイズをワンショットで超音波モータに印加
する方法では、ホワイトノイズ中の直流又は低周波信号
成分による圧電振動板への影響が極めて小さい状態で起
動させることができる。
【0010】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。なお、従来例と共通する部分には同一の符号を付
す。図1は本発明に係る超音波モータの起動方法を実施
する起動装置を超音波モータの回転制御装置とともに示
すブロック図である。図1において、基準電圧発生回路
41は所定の基準直流電圧を発生して速度指令回路43
へ出力するもので、例えば回転制御装置の電源ラインか
らツェナーダイオード(図示せず)によって安定化した
直流電圧を発生するものである。
【0011】速度指令回路43は、超音波モータ39の
回転数(回転速度)を設定する速度指令信号を出力する
もので、基準電圧発生回路41からの基準直流電圧をフ
ィードバック回路(後述する)45からの直流のフィー
ドバック電圧で可変した直流の速度指令電圧をその速度
指令信号として電圧周波数変換回路(図中V/F変換回
路と略す)47へ出力するものである。この速度指令電
圧を可変すれば超音波モータ39の回転数が変化し、フ
ィードバック電圧が一定となるように速度指令電圧を出
力すれば、速度が安定化制御される。
【0012】電圧周波数変換回路47は、速度指令回路
43からの速度指令電圧をこのレベルに応じた周波数信
号に変換してノイズ入力回路49へ出力するもので、こ
のノイズ入力回路49は電圧周波数変換回路47からの
速度指令電圧にノイズ出力回路51からのホワイトノイ
ズを重畳し、又は速度指令電圧とホワイトノイズを切換
え入力してドライブ回路53へ出力するものである。な
お、電圧周波数変換回路47は、起動時に安定起動周波
数(上述した周波数f3 )より高い周波数(スタート周
波数)から速度設定周波数f3 まで下方にスイープした
指令電圧をも出力する機能を有している。
【0013】ホワイトノイズは、図2に示すように、直
流成分から高周波成分まで一様な信号成分を含んでいる
ノイズ信号であり、図示はしないが特定の周波数近傍に
成分が集中しているノイズはカラードノイズ等と呼ばれ
ることがある。ノイズ入力回路49は、例えば図3に示
すように、電圧周波数変換回路47からの出力ラインL
1にノイズ出力回路51からの出力ラインL2をスイッ
チSW1を介して接続してなるもので、速度指令電圧に
ホワイトノイズを重畳してドライブ回路53へ出力する
混合(MIX)回路である。
【0014】また、ノイズ入力回路49は、図4に示す
ように、電圧周波数変換回路47からの出力ラインL1
を1回路2接点のスイッチSW2の一方の固定接点に接
続し、ノイズ出力回路51からの出力ラインL2をスイ
ッチSW2の他方の固定接点に接続し、可動接点をドラ
イブ回路53へ接続するよう形成し、速度指令電圧とホ
ワイトノイズを選択的に切換え入力してドライブ回路5
3へ出力する切換型でもよい。スイッチSW1、2は、
例えば回転制御装置の起動スイッチ(図示せず)に連動
して動作し、起動時に長くても数秒、例えば1秒以下、
好ましくは数十msだけ出力ラインL2を出力ラインL
1へ接続したり、スイッチSW2の可動接点をノイズ出
力回路51側に接続するよう形成された機械的スイッチ
又は電子的無接点スイッチであり、ワンショット接続動
作するように形成すると良い。
【0015】ホワイトノイズを出力するノイズ出力回路
51は、図1に示すように、ホワイトノイズを発生する
ホワイトノイズ発生回路57と、これに直列接続されホ
ワイトノイズを増幅するホワイトノイズ増幅回路57か
ら形成されている。ホワイトノイズ発生回路57として
は種々の回路構成が可能である。例えば、図5に示すよ
うに、非反転入力端をアースしたOPアンプ59の反転
入力端に抵抗R1を介してマイナス電源−Bを接続し、
反転入力端からOPアンプ59の出力端にツェナーダイ
オードZを順方向接続し、OPアンプ59の出力端にコ
ンデンサCの一端を接続するとともに、コンデンサCの
他端とアース間に抵抗R2および方向互いに逆向きにし
たクリップ用の2個のダイオードD1、D2の並列回路
を接続して形成されている。
【0016】このような、ホワイトノイズ発生回路57
では、マイナス電源−Bおよび抵抗R1の値を適当に選
定し、ツェナーダイオードZの逆バイアス状態において
ツェナー電流の流れない範囲で流れる非常に微弱な電流
をOPアンプ59で増幅すれば、ホワイトノイズを出力
させることができ、ダイオードD1、D2によって上下
のレベルをクリップしてレベルの揃ったホワイトノイズ
が得られる。なお、ホワイトノイズ増幅回路57は一般
的な増幅回路である。ドライブ回路53はその周波数信
号やホワイトノイズ信号を昇圧増幅するとともに位相を
変え、互いに90゜位相が異なる2種類の周波数駆動電
圧V、V’を形成して超音波モータ39を駆動するもの
である。
【0017】もっとも、ホワイトノイズ信号について
は、そのような位相関係のある周波数駆動電圧とはなら
ないであろう。超音波モータ39は、例えば上述した図
6に示すように、ベアリング1、基台3、凹部5、凸環
部7、弾性体9、圧電振動板11、圧電セラミック板1
3、プリント基板23、ケース25、軸受27、ベアリ
ング29、シャフト31、回転体33、フランジ35お
よび皿ばね37を有した構成となっており、上述した図
7のように圧電振動板11に形成された駆動電極15、
17にドライブ回路53からの周波数駆動電圧V、V’
を印加することによってシャフト31が回転する。
【0018】図1に戻って、超音波モータ39の圧電振
動板(図1では図示省略)11のセンサー電極21は、
上述したように圧電振動板11の振動レベルに応じたレ
ベルの信号を出力するもので、フィードバック回路45
に接続されている。フィードバック回路45は、センサ
ー電極21からのレベル信号を整形、整流、平滑して負
の直流フィードバック信号を速度指令回路43へ出力す
る公知の回路である。次に、このような回転制御装置を
説明する過程で本発明を説明する。
【0019】図示しない起動スイッチを操作すると、こ
れに連動して例えば図3のノイズ入力回路49のスイッ
チSW1がワンショット動作してノイズ出力回路51が
電圧周波数変換回路47の出力ラインL1に接続され、
ホワイトノイズが速度指令電圧に重畳されてドライブ回
路53へ出力され、超音波モータ39の圧電振動板11
にホワイトノイズを含む周波数駆動電圧が印加される。
そのため、ホワイトノイズによって圧電振動板11が極
めて振動し易くなり、ホワイトノイズが切られた後でも
スイープする周波数駆動電圧によってスムースに起動す
る。
【0020】このようにノイズ信号の印加によって極め
て起動し易くなる理由は必ずしも明らかではないが、広
い周波数範囲の信号成分による電界が圧電振動板11の
励振を強制し、極めて振動し易くするためであると考え
られる。また、図4のノイズ入力回路49についても、
起動時にスイッチSW2がワンショット動作して一時的
にノイズ出力回路51がドライブ回路53に接続され、
その後に電圧周波数変換回路47がドライブ回路53に
接続され、同様に超音波モータ39の圧電振動板11に
ホワイトノイズが印加されて圧電振動板11の励振が強
制された後、周波数駆動電圧によってスムースに起動す
る。
【0021】このように、本発明は超音波モータ39の
起動時にホワイトノイズを周波数駆動電圧に重畳又は独
立して印加して起動させるので、圧電振動板11が広い
周波数範囲の信号成分によって励振強制されて極めて励
振し易くなる。しかも、ワンショット等のように短い期
間でホワイトノイズを印加すれば、スイープする周波数
駆動電圧にホワイトノイズ中の直流成分や低周波成分が
乗り、実質的に周波数駆動電圧が上述した図8の共振周
波数f0 を飛越して低下するようなこともなくなり、ス
ムースかつ確実に起動する。
【0022】もっとも、ホワイトノイズ中の直流成分や
低周波成分が必ずしも常に起動のブレーキとなるとは限
らないので、起動時に多少の時間で印加しても差し支え
ないであろう。また、上述した回転制御装置において
は、超音波モータ39のセンサー電極21からのセンサ
信号をフィードバック信号として用いたが、例えば超音
波モータ39に公知のロータリーエンコーダ(図示せ
ず)を形成し、シャフト31の回転に伴うロータリーエ
ンコーダからの周波数信号を整形、整流、平滑してフィ
ードバック信号を速度指令回路43へ出力する構成も可
能である。
【0023】なお、図6の超音波モータ39の構成は一
例であって従来公知の超音波モータにおいて実施可能で
あり、回転型の超音波モータに限らず、例えば往復運動
型の超音波モータの起動についても応用可能である。さ
らに、上述した超音波モータの起動方法では、スイープ
する周波数駆動信号と連動して起動させる例を説明した
が、本発明はホワイトノイズのみを駆動信号として印加
する構成であればよく、起動用の周波数駆動信号は別途
印加するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、超音波モ
ータの起動時にホワイトノイズを駆動信号として、例え
ば周波数駆動信号に重畳させるか又は周波数駆動信号の
印加前に超音波モータに印加するので、超音波モータを
構成する圧電振動板が強制的に励振され易くなり、例え
ばスイープさせた周波数駆動信号によってスムースに起
動する。そして、そのホワイトノイズをワンショットで
超音波モータに印加する方法では、ホワイトノイズ中の
直流又は低周波信号成分による圧電振動板への影響が極
めて小さい状態で起動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波モータの起動方法を実施す
る起動装置を超音波モータの回転制御装置とともに示す
ブロック図である。
【図2】ホワイトノイズを周波数成分で示す図である。
【図3】図1のノイズ入力回路の一例を示す概略回路図
である。
【図4】図1のノイズ入力回路の他の例を示す概略回路
図である。
【図5】ホワイトノイズ発生回路の一例を示す回路図で
ある。
【図6】一般的な超音波モータの一例を示す半断面図で
ある。
【図7】図6の超音波モータの圧電振動板を示す平面図
である。
【図8】超音波モータの共振特性と起動の関係を説明す
る図である。
【符号の説明】
1 ベアリング 3 基台 5 凹部 7 凸環部 9 弾性体 11 圧電振動板 13 圧電セラミック板 15、17 駆動電極 19 共通電極 21 センサー電極 23 プリント基板 25 ケース 27 軸受 29 ベアリング 31 シャフト 33 回転体 35 フランジ 37 皿ばね 39 超音波モータ 41 基準電圧発生回路 43 速度指令回路 45 フィードバック回路 47 電圧周波数変換回路(V/F変換回路) 49 ノイズ入力回路 51 ノイズ出力回路 53 ドライブ回路 55 ホワイトノイズ発生回路 57 ホワイトノイズ増幅回路 59 OPアンプ C コンデンサ D1、D2 ダイオード L1、L2 出力ライン R1、R2 抵抗 SW1、SW2 スイッチ Z ツェナーダイオード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定の位相差を有する周波数駆動
    信号によって動作する超音波モータの起動方法におい
    て、 前記超音波モータの起動時にホワイトノイズを駆動信号
    として印加することを特徴とする超音波モータの起動方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ホワイトノイズをワンショット印加
    する請求項1記載の超音波モータの起動方法。
  3. 【請求項3】 前記ホワイトノイズを前記周波数駆動信
    号に重畳させて印加する請求項1又は2記載の超音波モ
    ータの起動方法。
  4. 【請求項4】 前記ホワイトノイズを印加した後に前記
    周波数駆動信号を印加する請求項1又は2記載の超音波
    モータの起動方法。
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