JP2924455B2 - 超音波モータの駆動方法 - Google Patents

超音波モータの駆動方法

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JP2924455B2 JP4151762A JP15176292A JP2924455B2 JP 2924455 B2 JP2924455 B2 JP 2924455B2 JP 4151762 A JP4151762 A JP 4151762A JP 15176292 A JP15176292 A JP 15176292A JP 2924455 B2 JP2924455 B2 JP 2924455B2
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修 川崎
孝弘 西倉
正則 住原
克 武田
貴志 野島
勝巳 今田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電セラミック等の圧
電体を用いて、振動体に弾性波を励振することにより駆
動力を発生する超音波モータの駆動方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】以下、図面を参照しながら超音波モータ
と、その駆動方法の従来技術について説明を行う。
【0003】図7はリング型超音波モータの切り欠き斜
視図であり、リング形の弾性基板1のリング面の一方
に、駆動用の圧電体としてリング形圧電セラミック2を
接着剤で貼合せてリング形振動体3を構成している。4
は耐磨耗性材料の摩擦材、5は弾性体であり、互いに貼
合せられて移動体6を構成している。移動体6は摩擦材
4を介して、ここでは図示していないがばね等の加圧手
段により振動体3と加圧接触して設置される。
【0004】図8は圧電セラミック2に形成される駆動
電極の構造図であり、弾性進行波の1/4波長相当だけ
位置的にずれた2組の駆動電極AとBを形成している。
駆動電極AとBは、それぞれ1/2波長相当の長さを持
つ小電極群からなっている。電極CとDはそれぞれ3/
4波長と1/4波長相当の長さを持ち、駆動電極AとB
に1/4波長相当の位置的なずれを作るために形成して
いる。
【0005】駆動電極AとBに、それぞれ90度位相の
異なる2つの交流電圧を印加すると(例えばsin波と
cos波)、図9に示すような撓み振動の進行波が振動
体3に励振される。ここで、図9(a)は撓み振動の振
動姿態を示し、図9(b)は径方向の変位分布を示して
いる。リング型超音波モータでは径方向1次で周方向3
次以上の撓み振動の進行波が振動体3に励振される。こ
の進行波の波頭の横方向成分により、移動体6は摩擦駆
動され回転運動をする。
【0006】図10に示すように、超音波モータの振動
体は圧電セラミック単体の時と同様に、駆動端子からみ
ると共振・反共振特性を示し、共振周波数近傍では低イ
ンピーダンスになるので、共振周波数近傍で駆動すれば
低電圧で効率良く弾性進行波を励振することができる。
しかし、同図の矢印に示すように、駆動周波数の掃引方
向により振動体のアドミッタンスは周波数f1からf2
領域でヒステリシス特性を示し、この領域では振動体の
アドミッタンスが1意的に決まらず超音波モータの動作
が不安定になる。従って、超音波モータの駆動は振動体
の不安定動作領域(同図の周波数f1からf2の領域)よ
りも高い安定動作領域(同図の周波数f 2からf3の領
域)内で安定に駆動する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の超音波モータ
は、図8の圧電体の電極構造の電極Cまたは電極Dを、
そのまま、あるいは分割して振動を検出するセンサ電極
として用い、このセンサ電極の出力により移動体の速度
を制御していた。しかし、圧電体の圧電定数の温度特性
により、センサ電極の出力電圧は振動振幅が一定でも温
度と共に変化し、その結果、センサ電極の出力電圧によ
り速度制御をしても、移動体の回転速度が温度と共に変
化するという課題を有していた。
【0008】本発明は上記課題を解決するもので、振動
体の温度を検出して、振動体の振幅を精度よく求めるこ
とにより、温度が変化しても常に動作の安定した超音波
モータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】超音波モータの振動体を
構成する圧電体に、駆動電極と共に少なくても2つのセ
ンサ電極を構成して、1つのセンサ電極E部は分極し、
他方のセンサ電極F部は未分極のまま残し、振動体の駆
動時にセンサ電極Eに発生する電圧で移動体の速度を制
御し、センサ電極Fで振動体の温度を検出して、移動体
の速度制御の温度補正を行う。
【0010】
【作用】超音波モータの振動体を構成する圧電体に駆動
電極と共に少なくても2つのセンサ電極を構成して、1
つのセンサ電極E部は分極し、他方のセンサ電極F部は
未分極のまま残し、振動体を駆動電極に駆動電圧で駆動
時した時に、センサ電極Fの電気容量値により振動体の
温度を検出して、振動体の振動に比例してセンサ電極E
に発生する電圧による移動体の速度制御の温度補正する
ことにより、温度による移動体の移動速度変化の少ない
超音波モータを実現する。
【0011】
【実施例】以下、図面に従って本発明の実施例について
詳細な説明を行う。
【0012】図1は、本発明の超音波モータ駆動制御方
法の1実施例である超音波モータ駆動制御回路のブロッ
ク図である。同図において、電圧制御発振回路7は、発
振周波数制御端子Tの印加電圧に対応した周波数の発振
信号を出力する。出力信号は2分割され、一方の信号は
90度移相回路8により90度だけ移相され、もう一方
の信号はそのままで、お互いに90度の位相差を持った
2信号が作られる。この2信号は、それぞれ電力増幅回
路A9と電力増幅回路B10に入力され、それぞれ超音
波モータを駆動するのに十分な電圧値に電力増幅され、
超音波モータの駆動電極A、Bにそれぞれ印加される。
その結果、振動体に弾性振動の進行波が励起され、移動
体は摩擦力により駆動されて進行波の振幅に比例した速
度で移動を開始する。
【0013】図2は図1に示した実施例の回路で用いる
超音波モータの圧電体の電極構造例であり、駆動電極
A、Bとともに、1/2波長相当のセンサ電極Eと1/
4波長相当のセンサ電極Fを構成している。そしてセン
サ電極E部は分極されており、センサ電極部Fは分極さ
れていない。振動体に弾性進行波が励起されると、セン
サ電極Eには圧電効果により圧電体の圧電定数と振動の
大きさに比例した電圧が発生する。しかし、振動体の振
動を電圧に変換する圧電体の圧電定数は、図3に示すよ
うに温度特性を有する。その結果、センサ電極Eの出力
電圧も温度特性を有する。従って、分極していないセン
サ電極Fを圧電体に構成して、この電極部の電気容量値
が図4に示すように温度特性を持つことを利用して振動
体の温度を直接検出して、センサ電極Eの発生電圧の温
度補正を行い、振動体の振動を正確に求める。
【0014】容量検出回路12は、センサ電極F部の電
気容量値を検出し、整流回路13はセンサ電極Eの発生
電圧を直流変換すると共に、容量検出回路12の出力に
より変換後の直流電圧の温度補正を行う。誤差増幅回路
14の一方の入力端子には、目的とする移動体の移動速
度に対応した設定電圧Vdを入力して、もう一方の入力
端子には整流回路13の出力を入力する。誤差増幅回路
14は、振動体の振動の大きさに対応した電圧と設定電
圧Vsとの誤差を出力する。誤差出力は周波数制御回路
15の入力端子に入力され、周波数制御回路15は整流
回路13の直流出力が設定電圧Vdに等しくなるように
振動体の駆動周波数を制御する。
【0015】図5は容量検出回路12の1具体例であ
り、電気容量Ctを示すセンサ電極Fと容量素子C116
とで直列回路を構成して、駆動電極Bに印加する交流駆
動電圧を直列回路にも印加して、その接続点の交流電圧
をダイオード17と容量素子18で構成した整流回路で
整流して直流変換する。この直流電圧は温度情報を含ん
でいるので、整流回路13に入力すれば、センサ電極E
の出力電圧の温度補正を行うことができる。ここで、直
列回路に印加する交流電圧は別に用意しても全く同様で
ある。
【0016】超音波モータの振動体は駆動周波数に対し
てヒステリシス特性を示し、この領域では動作が不安定
になる。従って、超音波モータの駆動はヒステリシス領
域を避けて、それよりも高い周波数領域で行うことはい
うまでもない。
【0017】図6は超音波モータの駆動制御した後の移
動体の移動速度の温度特性例であり、点線は本発明の温
度補償を行わない時の移動体の移動速度の温度特性例で
あり、実線は本発明の温度補償を用いた時の移動体の移
動速度の温度特性例であり、同図より、本発明の温度補
償を用いることにより、移動体の移動速度が温度によら
ずほぼ一定に保たれている時がわかる。
【0018】以上の実施例では、駆動周波数範囲を限定
して移動体の速度制御を周波数で行っているが、駆動周
波数範囲を限定して移動体の速度制御を駆動電圧で行っ
ても同様の効果が得られる。しかし、この時は図5の容
量検出回路12の具体例において直列回路に駆動電圧を
印加する時は、接続点の電圧は駆動電圧との比をとるこ
とにより駆動電圧の変化を吸収することが必要である。
【0019】
【発明の効果】センサ電極Eの容量変化により振動体の
温度を直接に検出して、振動体の振動に比例してセンサ
電極Eに発生する電圧による移動体の速度制御の温度補
正することにより、温度による移動体の移動速度変化の
少ない、常に安定な動作をする超音波モータを実現す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の超音波モータの駆動制御回
路のブロック図
【図2】圧電体に構成する駆動電極と2センサ電極の電
極構造の平面図
【図3】圧電体の圧電定数の温度特性図
【図4】センサ電極の電気容量値の温度特性図
【図5】センサ電極の電気容量値の検出回路
【図6】移動体の移動速度の温度特性図
【図7】円環形超音波モータの切り欠き斜視図
【図8】円環形圧電体の電極構造図
【図9】円環形超音波モータの振動体の径方向の振動変
位図
【図10】振動体のアドミッタンスの周波数特性図
【符号の説明】
7 電圧制御発振回路 8 90度移相回路 9 電力増幅回路A 10 電力増幅回路B 11 超音波モータ 12 容量検出回路 13 整流回路 14 誤差増幅回路 15 周波数制御回路 16 容量素子C1 17 ダイオード 18 容量素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 克 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 野島 貴志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 今田 勝巳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−54878(JP,A) 特開 昭64−12881(JP,A) 特開 平1−255480(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/00 - 2/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性基板に圧電体を結合して振動体を構成
    し、上記振動体に加圧接触して移動体を設置し、上記圧
    電体に形成された駆動電極に、それぞれ所定の位相差を
    持った駆動電圧を印加して上記振動体に進行波を励振
    し、上記移動体を移動させる超音波モータにおいて、上
    記圧電体に上記駆動電極と共に少なくても2つのセンサ
    電極を構成して、1つのセンサ電極E部は分極し、他方
    のセンサ電極F部は未分極のまま残し、上記振動体の駆
    動時に上記センサ電極Eに発生する電圧で上記移動体の
    速度を制御し、上記センサ電極Fで上記振動体の温度を
    検出して、上記移動体の速度制御の温度補正をすること
    を特徴とする超音波モータの駆動方法。
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DE19742447C2 (de) * 1997-09-26 1999-09-23 Daimler Chrysler Ag Wanderwellenmotor mit Temperaturmeßeinrichtung und Verfahren zur Temperaturmessung
JP5309719B2 (ja) 2008-06-23 2013-10-09 株式会社ニコン 振動アクチュエータ、それを備えるレンズ鏡筒及びカメラ

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