JPH05170686A - 新規包接化合物及びその製造方法 - Google Patents
新規包接化合物及びその製造方法Info
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- JPH05170686A JPH05170686A JP4150083A JP15008392A JPH05170686A JP H05170686 A JPH05170686 A JP H05170686A JP 4150083 A JP4150083 A JP 4150083A JP 15008392 A JP15008392 A JP 15008392A JP H05170686 A JPH05170686 A JP H05170686A
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Abstract
びその製造方法を提供する。 【構成】ホスト化合物としてテトラキス(ヒドロキシフ
ェニル)エタン及びゲスト化合物として種々の有機化合
物とを反応させることにより新規包接化合物を得る。 【効果】種々の有機化合物が包接化され、極めて容易か
つ効率的に製造できる新規包接化合物を提供することが
できた。該化合物は、包接化によりゲスト化合物の選択
分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化が可能となるの
で、幅広い技術分野へ適用される。
Description
り、更に詳しくはテトラキス(ヒドロキシフェニル)エ
タンをホスト化合物とする包接化合物及びその製造方法
に関する。
スト分子が入り込んだ構造を有する化合物であり、選択
分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化などの技術分野
における利用が期待されている。従来の包接化合物の製
造方法としては、ホスト化合物を溶媒に溶解した溶液
を、ゲスト化合物を含んだ溶液に添加して反応させて得
る方法が一般的であった。
な包接化合物を提供すること、また同時に従来の包接化
合物の製造方法における次に挙げる製造上の諸問題点、 1) 溶媒の種類によっては包接化合物を生成しない 2) ゲスト分子を包接せずに溶媒を包接し、溶媒包接化
合物が得られる 3) 包接化合物を生成する溶媒であっても、ゲスト分子
の包接化合物を析出させるためには、温度,ホスト/ゲ
スト仕込み比及び濃度,攪拌等の条件が限定されるた
め、条件設定が難しい。 4) 固液分離後の反応廃液の処理が必要である。 5) 有機溶媒使用時には、人体及び作業環境を保護する
ための設備を要する。 6) ホスト化合物ベースでの回収率が100%とならな
い。 を解決し、溶媒を使用することなしに、簡単でかつ効率
的な包接化合物の製造方法を提供することを目的とす
る。
を達成すべく鋭意研究した結果、特定のテトラキス(ヒ
ドロキシフェニル)エタン類のホスト化合物を、直接ゲ
ストとする有機化合物の含有液に入れて反応させること
により、新規な包接化合物が極めて効率的に生成するこ
とを見出し、本発明を完成した。
ドロキシフェニル)エタンのホスト化合物としては、一
般式〔I〕で表される化合物を挙げることが出来る。
ラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタン(以下、「T
EP−DF」と略記する。)および、1,1,2,2−
テトラキス(m−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げ
られる。中でもTEP−DFは、得られる包接化合物が
常温で固体であり、取り扱いが容易なことから特に好ま
しい。
スト有機化合物としては、前記テトラキス(ヒドロキシ
フェニル)エタンをホスト化合物する包接化合物を形成
し得るものであれば良く特に制限されない。具体的な例
としては、メタノール、エタノール、i−プロパノー
ル、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアル
コール類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベン
ズアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル
類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテ
ル類及び酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類等を例示することができる。
若しくはゲスト有機化合物を含有する溶液とホスト化合
物であるTEP−DFとを、常温〜100℃で数分間〜
数時間攪拌して反応させることにより、ゲスト有機化合
物がホスト化合物に容易に包接され、新規包接化合物と
して得ることができる。
にゲスト化合物を放出すること、更にホスト化合物は水
を包接しないことから、その性質を利用して水とこれら
ゲスト化合物の混合物からの分離回収に利用することが
できる。
ト化合物とを反応することにより、有機化合物をゲスト
分子とする包接化合物が高選択率及び高収率で生成され
る。本発明の方法によれば、ホスト化合物を溶解するた
めの有機溶媒等の必要性がないため、溶媒使用に起因す
る製造上の諸問題が解消される。
明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何等制
限されるものではない。
−DF(旭有機材工業製)2.51mmol( 1.0g)を、ゲスト
としたい有機化合物10ml中に加えて、TEP−DFが
完全に溶解するまで加温攪拌した。TEP−DFが完全
に溶解した後さらに所定の時間反応させた後、直ちに濾
過し、この濾液を室温で放置して結晶を析出させた。こ
の析出物を瀘別後、室温にて真空乾燥を行い、本発明化
合物である試料、A−1〜A−6を得た。
して、TEP−DF(旭有機材工業製)2.51mmol( 1.0
g)を、ゲストとしたい有機化合物10ml中に加えて、
有機化合物が煮沸するまで加熱攪拌した。さらに還流下
で所定の時間反応させ、反応液を室温にて放冷して結晶
を析出させた。結晶を瀘別し、室温にて真空乾燥を行
い、本発明化合物である試料、A−7〜A−11を得た。
=1:1v/v混合溶媒10ml中にTEP−DF(旭
有機材業製)1.0g(2.51mmol)を加え、T
EP−DFが完全に溶解するまで加温攪拌した。TEP
−DFが完全に溶解した後さらに所定の時間反応させた
後、直ちに濾過し、この濾液を室温で放置して結晶を析
出させた。この析出物を濾別し室温にて真空乾燥して、
白色結晶である試料:A−12を得た。
る有機化合物(酢酸エチル,1,4─ジオキサン)10
ml中に、TEP−DF1.0g(2.51mmol)
を加え、TEP−DFが完全に溶解するまで加温攪拌し
た。TEP−DFが完全に溶解した後さらに所定の時間
反応させた後、直ちに濾過し、この濾液を室温で放置し
て結晶を析出させた。この析出物を濾別後、室温にて真
空乾燥して、本発明の化合物である試料:A−13,1
4を得た。
有機化合物(ジエチルアミン,トリエチルアミン)5m
lにTEP−DF1.0g(2.51mmol)を加
え、有機化合物が煮沸するまで加熱攪拌した後、反応液
を室温まで放冷して結晶を析出させた。結晶を濾別後、
室温にて真空乾燥して、本発明の化合物である試料:A
−15,16を得た。
TEP−DF(旭有機材業製)1.0g(2.51mm
ol)を加えTEP−DFが完全に溶解するまで加温攪
拌した。TEP−DFが完全に溶解した後、ベンズイミ
ダゾール1.2g(4.0mmol)を徐々に添加し
て、50℃で10分攪拌した後、直ちに濾過し、この濾
液を室温で放置して結晶を析出させた。この析出物を濾
別した後、室温にて真空乾燥して白色結晶物の試料:A
−17を得た。
l中にTEP−DF(旭有機材業製)1.0g(2.5
1mmol)を加え、TEP−DF(旭有機材業製)が
完全に溶解した後、ここへベンズイミダゾール1.2g
(4.0mmol)徐々に添加し、80℃で10分攪拌
しながら反応させた後、直ちに濾過し、この濾液を室温
で放置して結晶を析出させた。この析出物を濾別後、室
温にて真空乾燥して白色結晶物の試料:A−18を得
た。
件、得られた包接化合物のゲスト/ホストmol比及び
ゲストの再放出温度を表1に纏めて示した。
スペクトル、1 HーNMRスペクトル、X線回折、DT
A、HPLC及びTLC上の挙動により、包接体である
ことが確認された。
1のIRスペクトル図1において、包接化に伴うヒドロ
キシル基吸収が3600cm-1付近に観測され、図2に
おいて、ゲスト化合物であるアセトンのカルボニル基吸
収が1689cm-1に観測され、また、図3において
は、ゲスト化合物であるアセトニトリルのシアノ基吸収
が2294cm-1及び2263cm-1に観測される。更
に、図12〜図14に示すX線回折図から、試料Aー
1、Aー7及びAー10は結晶性物質であることがわか
るので、Aー1、Aー7及びAー10はいずれも包接化
合物であることが確認された。
−10、A−12〜A−18及び原料のホスト化合物で
あるTEP−DFの赤外線吸収(IR)スペクトルを図
1〜図11にそれぞれ示した。IRスペクトルはすべて
KBr法により測定した。
10及びTEP−DFのX線回折図を図12〜図15に
それぞれ示した。
ル)エタン類をホスト化合物とした新規包接化合物は以
下の特徴を有する。 1) 種々の有機化合物がゲスト化合物として極めて容易
に包接される。 2) 常温付近に沸点を有する化合物を包接することによ
り、揮発の制御が可能となる。 3) 水に混入している有機化合物を、選択的に包接体と
して回収することが可能になる。 4) 蒸留等で分離不可能な、同一沸点を有する有機化合
物の混合液から、目的とする化合物を選択的に包接体と
して分離回収することができる。 5) ゲスト分子として取り込んだ化合物を、加熱により
簡単に分離回収することができる。 6) 包接体は常温で固体であるため、打錠成型も可能で
あり極めて取扱いが容易である。 従って、本発明は、幅広い範囲の有機化合物を包接化し
た包接化合物に関し、かつ取扱の容易な新規包接化合物
及びその製造方法を提供するものであり、その産業上に
おける意義は極めて大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式〔I〕で示されるテトラキス(ヒド
ロキシフェニル)エタンをホスト化合物とすることを特
徴とする包接化合物。 【化1】 - 【請求項2】テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン
のホスト化合物とゲスト有機化合物とを反応してなるこ
とを特徴とする請求項1記載の包接化合物の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15008392A JP3173525B2 (ja) | 1991-05-21 | 1992-05-19 | 新規包接化合物及びその製造方法 |
PCT/JP1992/001620 WO1993012060A1 (en) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
EP92924909A EP0589044B1 (en) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
DE69214814T DE69214814T2 (de) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Neue einschlussverbindungen welche tetrakisphenol als wirt beinhalten |
KR1019930702410A KR960004883B1 (ko) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | 호스트로서 테트라키스페놀류를 포함하는 신규 포접 화합물 |
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---|---|---|---|
JP3-144142 | 1991-05-21 | ||
JP14414291 | 1991-05-21 | ||
JP15008392A JP3173525B2 (ja) | 1991-05-21 | 1992-05-19 | 新規包接化合物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05170686A true JPH05170686A (ja) | 1993-07-09 |
JP3173525B2 JP3173525B2 (ja) | 2001-06-04 |
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ID=26475657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15008392A Expired - Lifetime JP3173525B2 (ja) | 1991-05-21 | 1992-05-19 | 新規包接化合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3173525B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0589044A1 (en) * | 1991-12-12 | 1994-03-30 | Nippon Soda Co., Ltd. | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
US5892133A (en) * | 1996-07-24 | 1999-04-06 | Takasago International Corporation | Repellent agent against harmful insects and perfume composition containing the same |
JP2002316953A (ja) * | 2001-04-18 | 2002-10-31 | Nippon Soda Co Ltd | 分子化合物の製造方法 |
-
1992
- 1992-05-19 JP JP15008392A patent/JP3173525B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0589044A1 (en) * | 1991-12-12 | 1994-03-30 | Nippon Soda Co., Ltd. | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
EP0589044A4 (en) * | 1991-12-12 | 1994-05-25 | Nippon Soda Co | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
US5892133A (en) * | 1996-07-24 | 1999-04-06 | Takasago International Corporation | Repellent agent against harmful insects and perfume composition containing the same |
JP2002316953A (ja) * | 2001-04-18 | 2002-10-31 | Nippon Soda Co Ltd | 分子化合物の製造方法 |
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JP3173525B2 (ja) | 2001-06-04 |
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