JP2022530334A - スガマデクスを調製するための新しいプロセス - Google Patents
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Abstract
本発明は、スガマデクスを調製するための新しいプロセスに関する。【選択図】図1
Description
本発明は、スガマデクスを調製するための新しいプロセスに関する。
スガマデクス(Sugammadex)は、例えばロクロニウム及びベクロニウムの作用を打ち消すことができる選択的筋弛緩剤拮抗剤であり、静脈内注射用の滅菌溶液の形態でBridion(登録商標)の名称で販売されている。
スガマデクスの合成法としては、式(I)の中間体化合物が関与する様々な方法が文献で知られている。
上記式(I)中、Xはハロゲン置換基であり、次いで、これを非プロトン性有機溶媒への置換反応により、2-メルカプトプロピオン酸又はその誘導体と反応させることにより、スガマデクスが得られる。
本出願人は、式(I)の化合物が関与するスガマデクスの合成法には、高い収率値に到達することの難しさと、特に式(II)の化合物等の部分置換生成物の蓄積に関連する技術的限界があることを見出した。
上記式(II)中、Xはハロゲン置換基である。本出願人は、これらの部分置換生成物の除去は、スガマデクスとの高い構造的類似性のために、クロマトグラフィー法、分子排除膜及びイオン交換樹脂等の複雑で高価な精製技術を使用しない限り、反応媒体からの生成物の単離とそれに続く精製工程を複数回行うことによっても、特に実施が困難であることも見出した。本出願人は、複雑で高価な精製プロセスが、時間とコストの面でスガマデクスの合成プロセスの競争力の限界を構成する可能性がることも見出した。
スガマデクスと高い構造的類似性を有する部分置換生成物の存在が、スガマデクス自体の十分に高い純度値の達成も妨げることも、本出願人は見出した。本出願人は、例えば、International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(ICH、医薬品規制調和国際会議)のガイドライン「Impurities in new drug substances(新薬物質中の不純物)」(Q3A)では、医薬品分野の有効成分の登録において、許容可能な不純物の最大含有量が規定されていることを考慮すると、スガマデクス自体の十分に高い純度値の達成が妨げられることは基本的に重要な臨界的な側面であると留意している。特に、本出願人は、上記ICHガイドラインが、既知の不純物の限界を0.1%、未知の不純物の限界を0.10%と特定していることを承知している。
本発明によれば、本出願人は驚くべきことに、非プロトン性有機溶媒中で、上記式(I)の中間体化合物と2-メルカプトプロピオン酸又はその誘導体との置換反応を提供する合成工程中に、特定の反応条件及び技術的手段を使用してスガマデクスを得ることにより、上記目的を達成することが可能であることを見出した。
特に、本出願人は、上記置換反応の進行の特定の段階で、特定の規定の量の水を反応混合物に加えることにより、反応収率を向上させることが可能であり、同時に、反応自体の終わりに、特に式(II)の化合物等の生成物から分離することが困難な部分置換生成物がより少ない量で存在することを確実にすることが可能であることを見出した。さらに、このことは追加的に、後続のスガマデクス精製工程をより単純で競争力のあるものにする。
それゆえ、本発明は、その第1の態様において、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩の調製方法であって、
a. 少なくとも1種のナトリウムアルコキシド及び少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の存在下で、式(I)の化合物を3-メルカプトプロピオン酸と反応させる工程であって、
上記式(I)中、XはCl及びBrからなる群から選択される工程と、
b. 式(II)の化合物が、上記反応物の総質量に対して10%以下の量で反応混合物中に存在するときに、上記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の全体積に対して0.5体積%~10体積%の量の水を工程a.の反応混合物に加える工程であって、
上記式(II)中、Xは上記式(I)で定義されたとおりである工程と、
c. 工程bから得られた反応物の総質量から上記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を単離する工程と
を含む方法に関する。
a. 少なくとも1種のナトリウムアルコキシド及び少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の存在下で、式(I)の化合物を3-メルカプトプロピオン酸と反応させる工程であって、
b. 式(II)の化合物が、上記反応物の総質量に対して10%以下の量で反応混合物中に存在するときに、上記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の全体積に対して0.5体積%~10体積%の量の水を工程a.の反応混合物に加える工程であって、
c. 工程bから得られた反応物の総質量から上記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を単離する工程と
を含む方法に関する。
実際、驚くべきことに、反応の進行度の「閾値」で識別される置換反応の特定の段階で、反応混合物中に特定の規定の量の水を存在させることによって、反応収率を向上させることが可能であり、同時に、反応の終わりに、生成物から分離することが困難な部分置換生成物がより少ない量で存在することを確実にすることが可能であることが発見された。
本出願人は、実際に、置換反応が進行するにつれて、沈殿物が徐々に形成されることを確認しており、本出願人は、この沈殿物に部分置換生成物が取り込まれ、その結果、置換反応から差し引かれ(除外され)、従って、置換反応はもはや一定の限界を超えて進行しないと考えている。これに関して特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本出願人は、式(II)の化合物の量が反応物の総質量に対して10%以下であるときに、特定の規定の量の水を反応混合物に加えることにより、沈殿物の量を減らすことができ、従って部分置換生成物の取り込みを制限することができ、それゆえ、その部分置換生成物はもはや置換反応から差し引かれないと考えている。このようにして、本出願人は、反応収率を向上させ、同時に、反応の終わりに、生成物から分離することが困難な部分置換生成物がより少ない量で存在することを確実にする可能性を予想外にも特定した。
また、本出願人は、上記式(I)の化合物が関与するスガマデクスの合成プロセスには、ハロゲン化剤をその場で合成するため、反応中に望ましくない量のガス状副生成物が発生することに関する技術的限界もあることにも注目した。このガス状副生成物の発生は、一方では、反応収率を制限する反応生成物の巻き込み現象を引き起こし、他方では、装置内、例えば凝縮器内での蓄積を引き起こし、装置自体の効率を低下させかねない。
第2の態様では、本発明は、式(I)の化合物の改良された調製方法であって、
上記式(I)中、XはCl及びBrからなる群から選択され、
A)トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させて、式(III)の化合物を得る工程であって、
上記式(IV)中、R1及びR2は-CH3、フェニル基であるか、又は一緒になって-CH2-CH2-O-CH2-CH2-基を表し、
上記式(III)中、R1、R2及びXは、上記式(I)及び上記式(IV)で定義したとおりである工程と、
B)工程A)の反応混合物から、上記トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を蒸留する工程と、
C)ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを、工程B)から得られた上記式(III)の化合物と反応させて、上記式(I)の化合物を得る工程と
を含む方法にも関する。
A)トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させて、式(III)の化合物を得る工程であって、
B)工程A)の反応混合物から、上記トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を蒸留する工程と、
C)ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを、工程B)から得られた上記式(III)の化合物と反応させて、上記式(I)の化合物を得る工程と
を含む方法にも関する。
実際、本出願人は、式(I)の化合物を調製するための当該プロセスが、安全な条件下で所望の生成物を高収率で得ること、及び望ましくない量のガス状副生成物の生成を回避し、それゆえ反応生成物の巻き込み又は装置内の蓄積の現象を生じさせないことを可能にすることを見出した。
本発明に係る式(I)の化合物の調製方法は、式(I)の化合物自体の関与を規定する先行技術に記載されたスガマデクスの任意の合成プロセスに適用することができる。
有利なことに、本出願人はさらに、本発明の第2の態様に係る式(I)の化合物の調製方法は、本発明の第1の態様に係る6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩の調製方法の上流に適用できることを見出した。
それゆえ、第3であり好ましい態様では、本発明は、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩の調製方法であって、
(i)本発明の第2の態様に係る方法によって式(I)の化合物を調製する工程と、
(ii)本発明の第1の態様に係る方法によって上記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を調製する工程と
を含む方法に関する。
(i)本発明の第2の態様に係る方法によって式(I)の化合物を調製する工程と、
(ii)本発明の第1の態様に係る方法によって上記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を調製する工程と
を含む方法に関する。
本発明は、その第1の態様において、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩の調製方法であって、
a. 少なくとも1種のナトリウムアルコキシド及び少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の存在下で、式(I)の化合物を3-メルカプトプロピオン酸と反応させる工程であって、
上記式(I)中、XはCl及びBrからなる群から選択される工程と、
b. 式(II)の化合物が、上記反応物の総質量に対して10%以下の量で反応混合物中に存在するときに、上記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の全体積に対して0.5体積%~10体積%の量の水を工程a.の反応混合物に加える工程であって、
上記式(II)中、Xは上記式(I)で定義されたとおりである工程と、
c. 工程bから得られた反応物の総質量から上記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を単離する工程と
を含む方法に関する。
a. 少なくとも1種のナトリウムアルコキシド及び少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の存在下で、式(I)の化合物を3-メルカプトプロピオン酸と反応させる工程であって、
b. 式(II)の化合物が、上記反応物の総質量に対して10%以下の量で反応混合物中に存在するときに、上記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の全体積に対して0.5体積%~10体積%の量の水を工程a.の反応混合物に加える工程であって、
c. 工程bから得られた反応物の総質量から上記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を単離する工程と
を含む方法に関する。
本出願人は、実際に、工程bの反応混合物中に特定の規定の量の水を加えることにより、反応収率を向上させ、同時に、反応の終わりに、特に式(II)の化合物等の生成物から分離することが困難な部分置換生成物がより少ない量で存在することを確実にすることが可能であることを発見した。
本発明は、その1つ以上の態様において、以下に示す好ましい特性の1つ以上を有することができ、これらの特性は、適用要件に応じて互いに所望のように互いに組み合わせることができる。
本明細書及び以下の特許請求の範囲において、量、パラメータ、パーセンテージ等を示すすべての数値の大きさは、特段の記載がない限り、あらゆる状況において「約」という用語が先行していると考えられる。さらに、数値の大きさの範囲すべてには、以下に示すものに加えて、最大値と最小値とのすべての可能な組み合わせ、及びすべての可能な中間的な範囲も含まれる。
本発明において、「反応物の総質量」(反応物の全体)という表現が用いられる場合、その表現は、式(I)の化合物、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩、式(II)の化合物、並びに本発明に係るプロセス中に形成される他のすべての部分置換生成物及び副生成物からなる集合を指す。
スガマデクスの調製方法は、工程a. 少なくとも1種のナトリウムアルコキシド及び少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の存在下で、式(I)の化合物を3-メルカプトプロピオン酸と反応させる工程を含む。
本発明に係るプロセスの利点の1つは、式(I)の化合物を工程a.で使用する際の形態が何ら限定されず、それによってプロセスを極めて柔軟かつ適応可能なものにするのに役立つことである。例えば、式(I)の化合物は、有利には非晶質形態で本発明に係るプロセスで使用することができ、この場合、化合物の非晶質性は、例えばX線回折法等のルーチン分析によって確認することができ、例えば市場から直接供給されることが可能である。
市販されている式(I)の化合物の例は、例えば、Apollo Scientific ltd(アポロ・サイエンティフィック)(英国)、Carbosynth Limited(カルボシンス・リミティッド)(英国)、Sagechem Limited(サゲケム)(中国)、Toronto Research Chemicals(トロント・リサーチ・ケミカルズ)(カナダ)から「6-クロロ-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン」又は「オクタキス(6-デオキシ-6-クロロ)-γ-シクロデキストリン」の名称で販売されているものである。
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物は、上記工程aの前又は上記工程aの間に、ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを少なくとも1種のハロゲン化剤と反応させることを含むプロセスによって調製される。好ましくは、式(I)の化合物が上記工程a.の前に調製される場合、式(I)の化合物は、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンと少なくとも1種のハロゲン化剤との反応の終了時に単離される。
好ましくは、ジメチルホルムアミドの存在下での、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンと少なくとも1種のハロゲン化剤との上記反応は、40~70℃の範囲の温度で行われる。
好ましくは、上記少なくとも1種のハロゲン化剤は、上記少なくとも1種のγ-シクロデキストリンの当量数に対して8~50当量、より好ましくは少なくとも1種のγ-シクロデキストリンの当量数に対して12~40当量、さらにより好ましくは少なくとも1種のγ-シクロデキストリンの当量数に対して20~35当量の量で使用される。
上記少なくとも1種のハロゲン化剤は、この目的のために当業者に公知のハロゲン化剤のいずれかから選択することができる。
好ましくは、上記少なくとも1種のハロゲン化剤は、式(III)の化合物であり、
上記式(III)中、
R1及びR2は、-CH3、フェニル基であるか、又は一緒になって-CH2-CH2-O-CH2-CH2-基を表し、
Xは、Cl及びBrからなる群から選択される。
R1及びR2は、-CH3、フェニル基であるか、又は一緒になって-CH2-CH2-O-CH2-CH2-基を表し、
Xは、Cl及びBrからなる群から選択される。
上記式(III)の化合物は、その場で生成することができるし、又は、ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを少なくとも1種のハロゲン化剤と反応させる前に得て、任意に単離することができる。
好ましい実施形態では、上記式(III)の化合物は、ジメチルホルムアミド、N-ホルミルモルホリン、及びジフェニルホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と反応させることによって得られる。
さらに好ましい実施形態では、上記式(III)の化合物は、ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを少なくとも1種のハロゲン化剤と反応させる前に、
トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させる工程であって、
上記式(IV)中、R1及びR2は-CH3、フェニル基であるか、又は一緒になって-CH2-CH2-O-CH2-CH2-基を表す工程と、
上記トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を蒸留する工程と
によって得られる。
トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させる工程であって、
上記トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を蒸留する工程と
によって得られる。
上記好ましい実施形態において、上記少なくとも1種のハロゲン化物及び上記式(IV)の化合物は、異なる逆数比で使用することができる。
好ましい実施形態では、上記少なくとも1種のハロゲン化物は、式(IV)の化合物の当量数に対して過剰に使用され、より好ましくは、式(IV)の化合物の当量数に対して1.00~2.00当量の量、さらに好ましくは、式(IV)の化合物の当量数に対して1.05~1.9当量の量、さらに好ましくは、式(IV)の化合物の当量数に対して1.10~1.8当量の量で使用される。好ましくは、上記実施形態では、過剰なハロゲン化物は、式(IV)の化合物との反応の最後に除去される。
さらに特に好ましい実施形態では、上記少なくとも1種のハロゲン化物は、式(IV)の化合物の当量数に対して過少に使用され、より好ましくは、式(IV)の化合物の当量数に対して0.10~0.95当量の量、さらに好ましくは、式(IV)の化合物の当量数に対して0.40~0.80当量の量で使用される。
好ましくは、本発明に係るプロセスの工程a.において、少なくとも1種のナトリウムアルコキシドは、ナトリウムtert-ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びナトリウムtert-ペントキシドからなる群から選択される。
好ましくは、本発明に係るプロセスの工程a.において、少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒は、ジメチルスルホキシド、又はジメチルスルホキシドと、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、及びエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも別の溶媒とを含む溶媒の混合物である。
好ましくは、上記溶媒の混合物は、ジメチルスルホキシドと、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、及びエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる溶媒とからなる二元混合物である。
好ましくは、上記溶媒の混合物は、ジメチルスルホキシドと、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる溶媒とからなる二元混合物であり、ジメチルスルホキシドは、16体積%~96体積%、より好ましくは54体積%~87体積%の量で存在する。
さらに好ましい実施形態によれば、上記溶媒の混合物は、ジメチルスルホキシドと、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、及びエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる溶媒とからなる二元混合物であり、ジメチルスルホキシドは、80体積%~99体積%、好ましくは85体積%~99体積%、より好ましくは90体積%~99体積%、さらに好ましくは90体積%~98体積%の量で存在する。好ましくは、上記さらなる好ましい実施形態では、上記さらなる溶媒は、有利には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールからなる群から選択される。
好ましくは、上記溶媒の混合物は、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、並びにジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される第3の溶媒を含む三元混合物である。
好ましい実施形態では、上記三元混合物において、ジメチルスルホキシド:テトラヒドロフラン:第3の溶媒の体積比は、25:1:1~0.2:1:1の範囲である。
好ましくは、本発明に係るプロセスの工程a.は、40℃から70℃の温度で実施される。
好ましくは、本発明に係るプロセスの工程a.において、上記少なくとも1種のナトリウムアルコキシドは、式(I)の化合物の当量数に対して16~40当量の量、より好ましくは、式(I)の化合物の当量数に対して20~30当量の量で使用される。
好ましくは、上記工程a.において、3-メルカプトプロピオン酸は、式(I)の化合物の当量数に対して8~20当量の量、より好ましくは、式(I)の化合物の当量数に対して10~15当量の量で使用される。
本発明に係るプロセスは、工程b. 式(II)の化合物が、上記反応物の総質量に対して10%以下の量で、さらにより好ましくは反応物の総質量に対して5%以下の量で反応混合物中に存在するときに、上記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の全体積に対して0.5体積%~10体積%の量の水を工程a.の反応混合物に加える工程を含む。反応物の総質量の中の式(II)の化合物の量は、反応混合物の試料に対する任意の分析技術(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等)によって容易にモニターすることができる。
好ましくは、反応物の総質量の中の式(II)の化合物の量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、反応物の総質量のクロマトグラフィー面積の値に対する式(II)の化合物のクロマトグラフィー面積の百分率値を決定することによって測定される。
さらにより好ましくは、上記の反応物の総質量のクロマトグラフィー面積の値に対する式(II)の化合物のクロマトグラフィー面積の割合の決定は、210nmの波長に設定されたUV-可視分光光度計ダイオードアレイ検出器(UV-DAD)を用いて実施される。
好ましくは、本発明に係るプロセスの上記工程b.では、水が、上記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の全体積に対して1体積%~5体積%の量で添加される。
好ましくは、本発明に係るプロセスの工程b.は、40℃~70℃の温度で実施される。
本発明に係るプロセスは、工程c. 工程b.から得られた反応物の総質量から6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を単離する工程を含む。
好ましくは、上記工程c.において、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩は、沈殿により単離される。
好ましくは、上記沈殿は、反応混合物を冷却し、次いで完全に溶解するまで水を加え、最後に、メタノール及びエタノールからなる群から選択される貧溶媒を加えることにより得られる。
このようにして、固体状のスガマデクスを得ることができ、この固体状のスガマデクスは、次いで濾過、又はこの目的のために当業者に公知の当業者に公知の任意の他の固液分離技術によって回収することができる。
工程c.の終了時には、得られたスガマデクスは、本発明に係るプロセスの工程c.の終了時には、すでに99%よりもさらに高い高純度の値を有するが、本発明に係るプロセスの工程c.の終了時に、有利にはスガマデクスをさらに精製することができる。
好ましくは、本発明に係るプロセスは、
d. 工程c.で単離された6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を精製する工程
を含む。
d. 工程c.で単離された6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を精製する工程
を含む。
好ましくは、上記工程d.は、
d-i. 工程cで単離された6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を水性溶媒に可溶化して、水溶液を得る工程と、
d-ii. 工程d-iの水溶液に、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩に対して0.01重量%~25重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%、さらに好ましくは1重量%~10重量%の量の少なくとも1つの活性炭を添加して、水性懸濁液を得る工程と、
d-iii. 工程d-ii.で得られた水性懸濁液を濾過して、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を含む濾液を得る工程と、
d-iv. 工程d-iii.の濾液から、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を分離する工程と
を含む。
d-i. 工程cで単離された6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を水性溶媒に可溶化して、水溶液を得る工程と、
d-ii. 工程d-iの水溶液に、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩に対して0.01重量%~25重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%、さらに好ましくは1重量%~10重量%の量の少なくとも1つの活性炭を添加して、水性懸濁液を得る工程と、
d-iii. 工程d-ii.で得られた水性懸濁液を濾過して、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を含む濾液を得る工程と、
d-iv. 工程d-iii.の濾液から、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を分離する工程と
を含む。
好ましくは、上記工程d-i.において、上記水性溶媒は、水、又は好ましくは1:3~4:1、より好ましくは1:1~4:1、さらに好ましくは2:1~4:1の範囲の水:メタノールの体積比で水及びメタノールを含む混合物である。
好ましくは、上記工程d-i.において、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩は、0.1~0.4g/mlの範囲の濃度で上記水溶液中に存在する。
上記工程d-ii.において、上記活性炭は、例えば、塩化亜鉛で活性化された活性炭、又はECOSORB(Graver Technologies LLC(グレーバー・テクノロジーズ))の名称で販売されている活性炭及びNorit(Cabot Corporation(キャボット・コーポレーション))の名称で販売されている活性炭等、目的に適した任意の活性炭とすることができる。
市販されている塩化亜鉛で活性化された活性炭は、例えば、Wako(富士フイルム和光純薬株式会社)又は白鷺A(日本エンバイロケミカルズ株式会社)の名称で販売されているものである。
好ましくは、上記工程d-ii.において、上記水性懸濁液は、10~40℃の温度で、5~60分の時間、撹拌下に保たれる。
好ましくは、上記工程d-iv.において、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩は、沈殿により濾液から分離される。
好ましくは、上記沈殿は、メタノール及びエタノールからなる群から選択される貧溶媒を加えることにより得られる。このようにして、精製したスガマデクスを固体形態で得ることができ、これを、次いで濾過、又はこの目的のために当業者に公知の任意の他の固液分離技術によって回収することができる。
第2の態様では、本発明は、式(I)の化合物の調製方法であって、
上記式(I)中、XはCl及びBrからなる群から選択され、
A)トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させて、式(III)の化合物を得る工程であって、
上記式(IV)中、R1及びR2は-CH3、フェニル基であるか、又は一緒になって-CH2-CH2-O-CH2-CH2-基を表し、
上記式(III)中、R1、R2及びXは、上記式(I)及び上記式(IV)で定義したとおりである工程と、
B)工程A)の反応混合物から、上記トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を蒸留する工程と、
C)ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを、工程B)から得られた式(III)の化合物と反応させて、式(I)の化合物を得る工程と
を含む方法にも関する。
A)トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させて、式(III)の化合物を得る工程であって、
B)工程A)の反応混合物から、上記トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を蒸留する工程と、
C)ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを、工程B)から得られた式(III)の化合物と反応させて、式(I)の化合物を得る工程と
を含む方法にも関する。
有利には、上記式(I)の化合物の調製方法は、式(I)の化合物自体の関与を規定する先行技術に記載されたスガマデクスの任意の合成プロセスに適用することができる。
本出願人は、式(I)の化合物を調製するための当該プロセスが、安全な条件下で所望の生成物を高い収率で得ること、及び発生すると、一方では収率を制限する反応生成物の巻き込み現象を生じさせ、他方では、装置内、例えば凝縮器内に蓄積してその効率を低下させかねない、望ましくない量のガス状副生成物の生成を回避することができることを実際に見出した。
式(I)の化合物の調製方法は、トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させる工程A)を規定する。
本発明に係る式(I)の化合物の調製方法の工程A)において、上記少なくとも1種のハロゲン化物及び上記式(IV)の化合物は、異なる逆数比で使用することができる。
好ましい実施形態では、上記工程A)において、上記少なくとも1種のハロゲン化物は、式(IV)の化合物の当量数に対して1.00~2.00当量の量、さらに好ましくは式(IV)の化合物の当量数に対して1.05~1.9当量の量、さらに好ましくは式(IV)の化合物の当量数に対して1.10~1.8当量の量で使用される。好ましくは、上記実施形態では、過剰なハロゲン化物は、式(IV)の化合物との反応の最後に除去される。
さらに特に好ましい実施形態では、上記工程A)において、上記少なくとも1種のハロゲン化物は、式(IV)の化合物の当量数に対して過少に使用され、より好ましくは、式(IV)の化合物の当量数に対して0.10~0.95当量の量、さらに好ましくは、式(IV)の化合物の当量数に対して0.40~0.80当量の量で使用される。
式(I)の化合物の調製方法の工程B)では、当業者の目的に適した任意の蒸留方法が用いられる。
当該式(I)の化合物の調製方法は、ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを、工程B)から得られた式(III)の化合物と反応させて、式(I)の化合物を得る工程C)を規定する。
好ましくは、上記工程C)は、40~70℃の温度で実施される。
好ましくは、上記工程C)において、式(III)の化合物は、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンの当量数に対して8~50当量、より好ましくは、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンの当量数に対して12~40当量、さらに好ましくは、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンの当量数に対して20~35当量の量で使用される。
有利なことに、本出願人はさらに、本発明の第2の態様に係る式(I)の化合物の調製方法が、本発明の第1の態様に係る6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩の調製方法の上流に適用できることを見出した。
それゆえ、第3の態様では、本発明は、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩の調製方法であって、
(i)本発明の第2の態様に係る方法によって式(I)の化合物を調製する工程と、
(ii)本発明の第1の態様に係る方法によって6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を調製する工程と
を含む方法に関する。
(i)本発明の第2の態様に係る方法によって式(I)の化合物を調製する工程と、
(ii)本発明の第1の態様に係る方法によって6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を調製する工程と
を含む方法に関する。
実験部
次に、本発明をいくつかの実施例によって説明するが、この実施例は例示を目的としたものであり、本発明の限定を目的としたものではないと考えられるべきである。
実施例
実施例1
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した120ミリリットルのジメチルホルムアミド(「DMF」)を含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、ガス状副生成物の生成及び発生が観察され、これによって反応生成物の巻き込み及び反応器の上部への生成物の蓄積という現象が発生した。
次に、本発明をいくつかの実施例によって説明するが、この実施例は例示を目的としたものであり、本発明の限定を目的としたものではないと考えられるべきである。
実施例
実施例1
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した120ミリリットルのジメチルホルムアミド(「DMF」)を含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、ガス状副生成物の生成及び発生が観察され、これによって反応生成物の巻き込み及び反応器の上部への生成物の蓄積という現象が発生した。
反応器の上部から反応生成物をスパチュラで回収し、反応混合物の残りの部分に加えた後、γ-シクロデキストリン(20.0g)を加え、このようにして得られた反応混合物を60℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次にメタノール(160ミリリットル)を加えた。
このようにして得られた溶液を、25℃に保たれた63グラムの炭酸水素カリウムを含む水(360ミリリットル)及びメタノール(200ミリリットル)の溶液に滴下した。このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿を確認した後、これを、メンブレンポンプを用いて真空下で濾過し、通気性のあるオーブンで50℃で一定重量まで乾燥させた。こうして21.0グラムの生成物が得られ、反応重量収率は94.3%であった。得られた生成物を、X線回折装置(電圧45kV、電流40mA、走査速度0.025710°/秒、CuKα線源、θ角範囲3.0°~49.992°で動作)を用いて、X線回折法でも分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示した(図1)。
実施例2
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した200ミリリットルのジクロロメタン及び54.0グラムのジメチルホルムアミドを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した200ミリリットルのジクロロメタン及び54.0グラムのジメチルホルムアミドを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
このようにして得られた混合物に、さらに100ミリリットルのジメチルホルムアミドを加え、次いでジクロロメタンを蒸留によって除去した。続いて、このようにして得られた混合物にγ-シクロデキストリン(20.0グラム)を加え、次いでこの混合物を60℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(160ミリリットル)を加えた。
このようにして得られた溶液を、63グラムの炭酸水素カリウムを含む水(360ミリリットル)及びメタノール(200ミリリットル)の溶液に滴下した。
このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿が観察され、次いでこれを実施例1と同様に濾過し、一定の重量になるまで乾燥させた。
こうして21.8gの生成物が得られ、反応重量収率は97.9%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
実施例3
塩化オキサリル(48.5グラム)を、0℃まで冷却した154ミリリットルのトルエン及び41.5グラムのジメチルホルムアミドを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
塩化オキサリル(48.5グラム)を、0℃まで冷却した154ミリリットルのトルエン及び41.5グラムのジメチルホルムアミドを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
このようにして得られた混合物に、さらに77ミリリットルのジメチルホルムアミドを加え、次いでトルエンを蒸留によって除去した。
続いて、このようにして得られた混合物にγ-シクロデキストリン(15.3グラム)を加え、次いでこの混合物を60℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(123ミリリットル)を加えた。
次いで、このようにして得られた溶液を、48グラムの炭酸水素カリウムを含む水(277ミリリットル)及びメタノール(154ミリリットル)の溶液に滴下した。
このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿が観察され、次いでこれを実施例1と同様に濾過し、一定の重量になるまで乾燥させた。
こうして15.8gの生成物が得られ、反応重量収率は93%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
実施例4
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した200ミリリットルのジクロロメタン及び86.0グラムのN-ホルミルモルホリンを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した200ミリリットルのジクロロメタン及び86.0グラムのN-ホルミルモルホリンを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
次に、このようにして得られた混合物に、100ミリリットルのジメチルホルムアミドを加え、次いでジクロロメタンを蒸留によって除去した。続いて、このようにして得られた混合物にγ-シクロデキストリン(20.0グラム)を加え、次いでこの混合物を60℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(160ミリリットル)を加えた。
このようにして得られた溶液を、63グラムの炭酸水素カリウムを含む水(360ミリリットル)及びメタノール(200ミリリットル)の溶液に滴下した。
このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿が観察され、次いでこれを実施例1と同様に濾過し、一定の重量になるまで乾燥させた。
こうして20.6gの生成物が得られ、反応重量収率は92.5%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
実施例5
塩化オキサリル(48.5グラム)を、0℃まで冷却した154ミリリットルのトルエン及び48.0グラムのN-ホルミルモルホリンを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
塩化オキサリル(48.5グラム)を、0℃まで冷却した154ミリリットルのトルエン及び48.0グラムのN-ホルミルモルホリンを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
次に、このようにして得られた混合物に、77ミリリットルのジメチルホルムアミドを加え、次いでトルエンを蒸留によって除去した。続いて、このようにして得られた混合物にγ-シクロデキストリン(15.3グラム)を加え、次いでこの混合物を60℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(123ミリリットル)を加えた。
このようにして得られた溶液を、48グラムの炭酸水素カリウムを含む水(277ミリリットル)及びメタノール(154ミリリットル)の溶液に滴下した。
このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿が確認され、次いでこれを実施例1と同様に濾過し、一定の重量になるまで乾燥させた。
こうして16.6gの生成物が得られ、反応重量収率は97.4%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
実施例6
塩化オキサリル(48.5グラム)を、0℃まで冷却した154ミリリットルのジクロロメタン及び48.0グラムのN-ホルミルモルホリンを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を周囲温度に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
塩化オキサリル(48.5グラム)を、0℃まで冷却した154ミリリットルのジクロロメタン及び48.0グラムのN-ホルミルモルホリンを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を周囲温度に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
得られた懸濁液をメンブレンポンプを用いて真空下で濾過した。得られた固体を秤量して、反応収率99%を示す64.4gの重量を記録し、次いで新しい反応器に移し、そこに100ミリリットルのジメチルホルムアミド及び15.3gのγ-シクロデキストリンを加えた。このようにして得られた反応混合物を、次いで60℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(123ミリリットル)を加えた。
このようにして得られた溶液を、48グラムの炭酸水素カリウムを含む水(277ミリリットル)及びメタノール(154ミリリットル)の溶液に滴下した。
このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿が観察され、次いでこれを実施例1と同様に濾過し、一定の重量になるまで乾燥させた。
こうして16.4gの生成物が得られ、反応重量収率は96.2%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
実施例7
ジクロロメタンの代わりにトルエンを用いて、実施例6の手順を繰り返した。
ジクロロメタンの代わりにトルエンを用いて、実施例6の手順を繰り返した。
こうして16.7gの生成物が得られ、反応重量収率は98.0%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
実施例8
100ミリリットルのジメチルホルムアミド及び15.3グラムのγ-シクロデキストリンを、48.3グラムのN,N-ジメチルクロロメチルイミニウムクロリド(CAS登録番号:3724-43-4)を含む反応器に加えた。このようにして得られた反応混合物を、次いで60℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(123ミリリットル)を加えた。
100ミリリットルのジメチルホルムアミド及び15.3グラムのγ-シクロデキストリンを、48.3グラムのN,N-ジメチルクロロメチルイミニウムクロリド(CAS登録番号:3724-43-4)を含む反応器に加えた。このようにして得られた反応混合物を、次いで60℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(123ミリリットル)を加えた。
このようにして得られた溶液を、48グラムの炭酸水素カリウムを含む水(277ミリリットル)及びメタノール(154ミリリットル)の溶液に滴下した。
このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿が観察され、次いでこれを実施例1と同様に濾過し、一定の重量になるまで乾燥させた。
こうして16.8gの生成物が得られ、反応重量収率は97.6%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
実施例2~8により、本発明の第2の態様に係る式(I)の化合物の調製方法が、常に高い収率値に到達することを可能にし、同時に、発生すると反応生成物の巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成を回避し、それに加えて、使用される装置に生成物の望ましくない蓄積を生じさせないことを理解することができた。
実施例9
3-メルカプトプロピオン酸(1.9グラム)を、3.2グラムのナトリウムtert-ブトキシド及び32ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラムを加え、反応混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、波長210nmに設定したWaters Acquity - UV/DAD装置を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析し、反応物の総質量のクロマトグラフィー面積の値に対する式(II)の化合物のクロマトグラフィー面積の百分率値を決定することにより、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
3-メルカプトプロピオン酸(1.9グラム)を、3.2グラムのナトリウムtert-ブトキシド及び32ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラムを加え、反応混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、波長210nmに設定したWaters Acquity - UV/DAD装置を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析し、反応物の総質量のクロマトグラフィー面積の値に対する式(II)の化合物のクロマトグラフィー面積の百分率値を決定することにより、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
反応混合物中において、式(II)の化合物は、同じ波長の210nmに設定した同じWaters Acquity-UV/DAD装置を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により事前に分析した、XがClである式(II)の化合物の標準試料と保持時間を比較することにより同定した。その質量スペクトルは、図2に参考として報告されている。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、1ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%よりも低い値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、40ミリリットルの水を加えた。その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、120ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして2.7グラムのスガマデクスが得られ、反応重量収率は90%であった。
比較例1
1.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸及び1ミリリットルの水を、3.2グラムのナトリウムtert-ブトキシド及び32ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
1.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸及び1ミリリットルの水を、3.2グラムのナトリウムtert-ブトキシド及び32ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して経時的に最小の一定値に達した時、反応混合物を25℃まで冷却し、40ミリリットルの水を加えた。その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、120ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして2.5グラムの生成物が得られ、反応重量収率は83%であった。
比較例2
1.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸を、3.2グラムのナトリウムtert-ブトキシド及び32ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラム及び水1ミリリットルを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
1.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸を、3.2グラムのナトリウムtert-ブトキシド及び32ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラム及び水1ミリリットルを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して経時的に最小の一定値に達した時、反応混合物を25℃まで冷却し、40ミリリットルの水を加えた。その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、120ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして2.6グラムの生成物が得られ、反応重量収率は86%であった。
実施例9と比較例1及び比較例2とを比較すると、上記置換反応の進行の特定の段階で、反応混合物に特定の規定の量の水を加えることで、明らかに反応収率を向上させることができることを理解することができ、反応収率は、実施例9では90%に等しく、化合物(I)の添加前及び添加時にそれぞれ水を加えた比較例1及び比較例2では、それぞれ83%及び86%の値に等しい。また、反応収率が高いことで、反応終了時に生成物から分離することが困難な部分置換生成物がより少ない量で存在することが確実になり、これにより、その後の精製において、クロマトグラフィー法、分子排除膜、イオン交換樹脂等の複雑で高価な精製技術に頼る必要がなくなることも理解できる。
実施例10
3-メルカプトプロピオン酸(2.9グラム)を、4.8グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、30ミリリットルのジメチルスルホキシド及び18ミリリットルのテトラヒドロフランの二元混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン3グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
実施例10
3-メルカプトプロピオン酸(2.9グラム)を、4.8グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、30ミリリットルのジメチルスルホキシド及び18ミリリットルのテトラヒドロフランの二元混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン3グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、1.5ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%の値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、60ミリリットルの水を加えた。
その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、180ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして4グラムの生成物が得られ、反応重量収率は88%であった。
実施例11
3-メルカプトプロピオン酸(4.4グラム)を、7.2グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、45ミリリットルのジメチルスルホキシド及び27ミリリットルのN,N-ジメチルホルムアミドの二元混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン4.5グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
3-メルカプトプロピオン酸(4.4グラム)を、7.2グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、45ミリリットルのジメチルスルホキシド及び27ミリリットルのN,N-ジメチルホルムアミドの二元混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン4.5グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、2.3ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%の値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、90ミリリットルの水を加えた。
その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、270ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして5.8グラムの生成物が得られ、反応重量収率は85%であった。
実施例12
3-メルカプトプロピオン酸(2.9グラム)を、4.8グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、30ミリリットルのジメチルスルホキシド及び18ミリリットルのN,N-ジメチルアセトアミドの二元混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン3グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
3-メルカプトプロピオン酸(2.9グラム)を、4.8グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、30ミリリットルのジメチルスルホキシド及び18ミリリットルのN,N-ジメチルアセトアミドの二元混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン3グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、1.5ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%の値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、60ミリリットルの水を加えた。
その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、180ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして3.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は81%であった。
実施例13
3-メルカプトプロピオン酸(5.8グラム)を、9.6グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、60ミリリットルのジメチルスルホキシド及び36ミリリットルのN-メチルピロリドンの二元混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン6グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
3-メルカプトプロピオン酸(5.8グラム)を、9.6グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、60ミリリットルのジメチルスルホキシド及び36ミリリットルのN-メチルピロリドンの二元混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン6グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、1.5ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%の値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、120ミリリットルの水を加えた。
その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、360ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして7.8グラムの生成物が得られ、反応重量収率は86%であった。
実施例14
18ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解した4.8グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、2.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸とを、30ミリリットルのジメチルスルホキシド及び18ミリリットルのN-メチルピロリドンの混合物を含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン3グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
18ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解した4.8グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、2.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸とを、30ミリリットルのジメチルスルホキシド及び18ミリリットルのN-メチルピロリドンの混合物を含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン3グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、1.5ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%の値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、60ミリリットルの水を加えた。
その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、180ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして4グラムの生成物が得られ、反応重量収率は88%であった。
実施例15
1.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸を、1.8グラムのナトリウムメトキシド及び32ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2で得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
1.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸を、1.8グラムのナトリウムメトキシド及び32ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2で得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、1ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%の値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、40ミリリットルの水を加えた。
その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、120ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして2.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は90%であった。
実施例16
1.8グラムのナトリウムメトキシドの代わりに2.2グラムのナトリウムエトキシドを使用して、実施例15の手順を繰り返し、この場合も2.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は90%であった。
1.8グラムのナトリウムメトキシドの代わりに2.2グラムのナトリウムエトキシドを使用して、実施例15の手順を繰り返し、この場合も2.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は90%であった。
実施例17
1.8グラムのナトリウムメトキシドの代わりに3.6グラムのナトリウムtert-ペントキシドを使用して、実施例15の手順を繰り返し、この場合も2.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は90%であった。
1.8グラムのナトリウムメトキシドの代わりに3.6グラムのナトリウムtert-ペントキシドを使用して、実施例15の手順を繰り返し、この場合も2.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は90%であった。
実施例18
1.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸を、3.2グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2から得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
1.9グラムの3-メルカプトプロピオン酸を、3.2グラムのナトリウムtert-ブトキシドと、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物とを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2から得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン2グラムを加え、この混合物を60℃に加熱した。反応中に、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、1ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%の値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、40ミリリットルの水を加えた。
その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、120ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして2.6グラムの生成物が得られ、反応重量収率は86%であった。
実施例19
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び2.2ミリリットルのエタノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び2.2ミリリットルのエタノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
こうして2.5グラムの生成物が得られ、反応重量収率は83%であった。
実施例20
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び2.7ミリリットルのn-プロパノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び2.7ミリリットルのn-プロパノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
こうして2.9グラムの生成物が得られ、反応重量収率は97%であった。
実施例21
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び2.8ミリリットルのイソプロパノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び2.8ミリリットルのイソプロパノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
こうして2.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は90%であった。
実施例22
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び3.3ミリリットルのn-ブタノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び3.3ミリリットルのn-ブタノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
こうして2.4グラムの生成物が得られ、反応重量収率は80%であった。
実施例23
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び3.4ミリリットルのiso-ブタノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び3.4ミリリットルのiso-ブタノールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
こうして2.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は90%であった。
実施例24
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び2.1ミリリットルのエチレングリコールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び1.5ミリリットルのメタノールの混合物の代わりに、32ミリリットルのジメチルスルホキシド及び2.1ミリリットルのエチレングリコールの混合物を使用して、実施例18の手順を繰り返した。
こうして2.7グラムの生成物が得られ、反応重量収率は90%であった。
実施例25
3-メルカプトプロピオン酸(37グラム)を、63.4グラムのナトリウムtert-ブトキシド及び640ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン40グラムを加え、反応混合物を60℃に加熱した。反応中、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
3-メルカプトプロピオン酸(37グラム)を、63.4グラムのナトリウムtert-ブトキシド及び640ミリリットルのジメチルスルホキシドを含む反応器に加えた。このようにして得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時間の後、実施例2に従って得た非晶性の6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリン40グラムを加え、反応混合物を60℃に加熱した。反応中、沈殿物の生成が観察された。反応混合物の代表的な試料を一定の間隔で採取し、実施例9に記載したように、反応物の総質量に対する反応混合物中の式(II)の化合物の量を決定した。
上述に従って決定した反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して5%の値に達した時、20ミリリットルの水を加え、反応混合物中の式(II)の化合物の量が、反応物の総質量に対して0.1%の値に達する時まで反応を行った。その後、反応混合物を25℃まで冷却し、800ミリリットルの水を加えた。その後、沈殿物の完全な溶解を観察し、2400ミリリットルのメタノールを加えて、反応生成物であるスガマデクスの沈殿物を得た。
こうして56グラムの生成物が得られ、反応重量収率は93%であった。
実施例26
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に特級WAKO活性炭(富士フイルム和光純薬株式会社)0.5グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に特級WAKO活性炭(富士フイルム和光純薬株式会社)0.5グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして4.9グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は98%であった。
International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(ICH)のガイドライン「Impurities in new drug substances」(Q3A)に準拠し、上記精製したスガマデクスは、HPLC純度が99.5%超、未知の不純物の含有量が0.10%未満、既知の不純物の含有量が0.1%未満(式(II)の化合物の量が0.05%未満)であることを示した。
実施例27
実施例25に従って得た生成物7グラムを28ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に特級WAKO活性炭0.7グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に100ミリリットルのエタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物7グラムを28ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に特級WAKO活性炭0.7グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に100ミリリットルのエタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして6.8グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は97%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例28
実施例25に従って得た生成物3グラムを、9ミリリットルの水及び3ミリリットルのメタノールからなる混合物に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に特級WAKO活性炭0.3グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に50ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物3グラムを、9ミリリットルの水及び3ミリリットルのメタノールからなる混合物に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に特級WAKO活性炭0.3グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に50ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして2.8グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は93%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例29
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に白鷺A(日本エンバイロケミカルズ株式会社)の活性炭0.7グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのエタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に白鷺A(日本エンバイロケミカルズ株式会社)の活性炭0.7グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのエタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして4.9グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は98%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例30
実施例25に従って得た生成物7グラムを28ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に白鷺A活性炭0.7グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に100ミリリットルのエタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物7グラムを28ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に白鷺A活性炭0.7グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に100ミリリットルのエタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして6.8グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は97%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例31
実施例25に従って得た生成物3グラムを、9ミリリットルの水及び3ミリリットルのメタノールからなる混合物に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に白鷺A活性炭0.3gを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に50ミリリットルのエタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物3グラムを、9ミリリットルの水及び3ミリリットルのメタノールからなる混合物に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液に白鷺A活性炭0.3gを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に50ミリリットルのエタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして2.8グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は93%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例32
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液にECOSORB C-948(Graver Technologies LLC)活性炭0.25グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液にECOSORB C-948(Graver Technologies LLC)活性炭0.25グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして4.9グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は98%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例33
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液にECOSORB C-906(Graver Technologies LLC)活性炭0.25グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液にECOSORB C-906(Graver Technologies LLC)活性炭0.25グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして4.9グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は98%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例34
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液にNORIT SX ULTRA(Cabot Corporation)活性炭0.25グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液にNORIT SX ULTRA(Cabot Corporation)活性炭0.25グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして4.8グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製収率は96%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例35
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液にNORIT SX PLUS活性炭0.25グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
実施例25に従って得た生成物5グラムを20ミリリットルの水に溶解することにより、スガマデクスの水溶液を調製した。次いで、この水溶液にNORIT SX PLUS活性炭0.25グラムを加え、このようにして得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。活性炭を紙の上で濾過して除去した後、濾液に40ミリリットルのメタノールを加え、精製したスガマデクスの沈殿物を観察した。
こうして4.7グラムの精製したスガマデクスが得られ、精製重量収率は94%であった。
得られたスガマデクスは、実施例26に係るスガマデクスと全く同様の不純物のプロファイルを示した。
実施例26~実施例35の結果を分析することにより、本発明に係るプロセスが、クロマトグラフィー法等の複雑で高価な精製技術の使用に頼ることなく、ICHのガイドライン「Impurities in new drug substances」(Q3A)に準拠した純度のスガマデクスを高収率で得ることができ、これにより、プロセス自体の競争力向上に寄与することができるということを理解することができた。
実施例36
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した200ミリリットルのジクロロメタン及び54.0グラムのジメチルホルムアミドを含む反応器に滴下し、添加終了後、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した200ミリリットルのジクロロメタン及び54.0グラムのジメチルホルムアミドを含む反応器に滴下し、添加終了後、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
このようにして得られた混合物に、さらに100ミリリットルのジメチルホルムアミドを加え、次いでジクロロメタンを蒸留によって除去した。続いて、このようにして得られた混合物にγ-シクロデキストリン(20.0グラム)を加え、次いでこの混合物を40℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(160ミリリットル)を加えた。
次いで、このようにして得られた溶液を、63グラムの炭酸水素カリウムを含む水(360ミリリットル)及びメタノール(200ミリリットル)の溶液に滴下した。
このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿が観察され、次いでこれを実施例1と同様に濾過し、一定の重量になるまで乾燥させた。
こうして21.0gの生成物が得られ、反応重量収率は94.3%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
実施例37
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した200ミリリットルのジクロロメタン及び54.0グラムのジメチルホルムアミドを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
塩化オキサリル(63.0グラム)を、0℃まで冷却した200ミリリットルのジクロロメタン及び54.0グラムのジメチルホルムアミドを含む反応器に滴下し、添加終了時に、この混合物を室温に戻した。反応中に、巻き込み現象を引き起こすガス状副生成物の生成及び発生は観察されなかった。
次いで、このようにして得られた混合物に、さらに100ミリリットルのジメチルホルムアミドを加え、次いでジクロロメタンを蒸留によって除去した。続いて、このようにして得られた混合物にγ-シクロデキストリン(20.0グラム)を加え、次いでこの混合物を50℃で16時間加熱した。完全な変換が観察されたら、反応混合物を25℃まで冷却し、次いでメタノール(160ミリリットル)を加えた。
このようにして得られた溶液を、63グラムの炭酸水素カリウムを含む水(360ミリリットル)及びメタノール(200ミリリットル)の溶液に滴下した。
このようにして、6-パーデオキシ-6-パークロロ-γ-シクロデキストリンの沈殿が観察され、次いでこれを実施例1と同様に濾過し、一定の重量になるまで乾燥させた。
こうして21.4gの生成物が得られ、反応重量収率は96.1%であった。得られた生成物も、実施例1に記載したようにX線回折法で分析した。
X線分析は、得られた生成物が非晶性であることを示し、X線スペクトルは実施例1で得られたものと同様であった。
Claims (11)
- 6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩の調製方法であって、
a. 少なくとも1種のナトリウムアルコキシド及び少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の存在下で、式(I)の化合物を3-メルカプトプロピオン酸と反応させる工程であって、
b. 式(II)の化合物が、反応物の総質量に対して10%以下の量で反応混合物中に存在するときに、前記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒の全体積に対して0.5体積%~10体積%の量の水を工程a.の反応混合物に加える工程であって、
c. 工程bから得られた反応物の総質量から前記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を単離する工程と
を含む方法。 - 前記式(I)の化合物が、前記工程a.の前又は間に、ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを少なくとも1種のハロゲン化剤と反応させることを含む方法によって調製される請求項1に記載の方法。
- 前記式(III)の化合物が、ジメチルホルムアミドの存在下で、前記少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを前記少なくとも1種のハロゲン化剤と反応させる前に、
トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させる工程であって、
前記トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を蒸留する工程と
によって得られる請求項3に記載の方法。 - 前記工程a.において、前記少なくとも1種のナトリウムアルコキシドが、ナトリウムtert-ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ペントキシドからなる群から選択される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記工程a.において、前記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒が、ジメチルスルホキシド、又はジメチルスルホキシドと、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、及びエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種の他の溶媒とを含む溶媒の混合物である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記工程b.において、前記反応物の総質量の中の式(II)の化合物の量が、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、全反応物質量のクロマトグラフィー面積の値に対する前記式(II)の化合物のクロマトグラフィー面積の百分率値を決定することによって測定される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
- d. 工程c.で単離された前記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を精製する工程
を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。 - 前記工程d.が、
d-i. 工程c.で単離された前記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を水性溶媒に可溶化して、水溶液を得る工程と、
d-ii. 工程d-iの前記水溶液に、前記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩に対して0.01体積%~25重量%の量の少なくとも1種の活性炭を添加して、水性懸濁液を得る工程と、
d-iii. 工程d-ii.で得られた前記水性懸濁液を濾過して、6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を含む濾液を得る工程と、
d-iv. 工程d-iii.の前記濾液から、前記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を分離する工程と
を含む請求項8に記載の方法。 - 式(I)の化合物の調製方法であって、
A)トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、ハロゲン化オキサリル及びハロゲン化チオニルからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、式(IV)の化合物とを反応させて、式(III)の化合物を得る工程であって、
B)工程A)の反応混合物から、前記トルエン及びジクロロメタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を蒸留する工程と、
C)ジメチルホルムアミドの存在下で、少なくとも1種のγ-シクロデキストリンを、工程B)から得られた前記式(III)の化合物と反応させて、前記式(I)の化合物を得る工程と
を含む方法。 - 6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩の調製方法であって、
(i)請求項10に記載の方法によって式(I)の化合物を調製する工程と、
(ii)請求項1及び請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の方法によって、前記6-パーデオキシ-6-パー(2-カルボキシエチル)チオ-γ-シクロデキストリン八ナトリウム塩を調製する工程と
を含む方法。
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