JPH05170685A - 2−アルキルレゾルシノールの製造法 - Google Patents

2−アルキルレゾルシノールの製造法

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JPH05170685A
JPH05170685A JP3344605A JP34460591A JPH05170685A JP H05170685 A JPH05170685 A JP H05170685A JP 3344605 A JP3344605 A JP 3344605A JP 34460591 A JP34460591 A JP 34460591A JP H05170685 A JPH05170685 A JP H05170685A
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alkylresorcinol
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和憲 岩倉
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勲 栗本
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正好 南井
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 顔料、染料、合成樹脂、医薬、農薬または写
真剤等の中間体として有用な2−アルキルレゾルシノー
ルの工業的に有利な製造法を提供する。 【構成】一般式 化1(式中、Rは炭素数1〜10のア
ルキル基を示す。)で示される4,6−ジ−t−ブチル
−2−アルキルレゾルシノールを、塩化アルミニウム、
ニトロメタンおよび芳香族化合物の存在下に、トランス
アルキル化して脱t−ブチル化を行うことを特徴とする
一般式 化2で示される2−アルキルレゾルシノールの
製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2−アルキルレゾルシ
ノールの新規な製造法に関するものである。2−アルキ
ルレゾルシノールは顔料、染料、合成樹脂、医薬、農薬
または写真剤等の中間体として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】2−アルキルレゾルシノールの製造法と
して、2−メチルレゾルシノールに関しては、天然物か
らの抽出法および化学的な製造法が知られている。天然
物からの抽出は、石炭の乾留による方法であり、2−メ
チルレゾルシノールの現在の主な供給法となっている
が、生産量が安定せず、また、純度面でも問題があり、
最近、化学的な製造法に注目が集まっている。また、ア
ルキル基がエチル基以上の高級アルキル基である2−ア
ルキルレゾルシノールの製造法に関しては、化学的な製
造法に頼らざるを得ない。
【0003】2−アルキルレゾルシノールの化学的な製
造法としては、4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキル
レゾルシノールを脱t−ブチル化する方法が一般的であ
り、例えば、特公昭61−41499号公報、特開昭6
0−214751号公報、特開昭61−7226号公
報、特開昭63−222138号公報等に記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、検討の中心を4,6−ジ−t−ブチル−2−
アルキルレゾルシノールの製造法においているため、
4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキルレゾルシノール
の脱t−ブチル化に関しては、従来からの塩化アルミニ
ウム、濃硫酸等の酸触媒による高温下でのイソブチレン
の脱離による方法または塩化アルミニウム、濃硫酸、ヘ
テロポリ酸、強酸性イオン交換樹脂等の酸触媒の存在
下、アルキル化反応に対して受容体となる芳香族化合物
へトランスアルキル化する方法を用いていた。ところ
が、これらの方法で得られる2−アルキルレゾルシノー
ルは、4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキルレゾルシ
ノールのt−ブチル基の1つだけが脱t−ブチル化され
た4−t−ブチル−2−アルキルレゾルシノール等の種
々の副生物を含んでおり、目的とする2−アルキルレゾ
ルシノールの精製に煩雑な操作を必要とするといった問
題があり、また、脱t−ブチル化の収率も満足し得るも
のではなかった。
【0005】かかる問題を解決するためには、4,6−
ジ−t−ブチル−2−アルキルレゾルシノールの脱t−
ブチル化に適した触媒、反応条件を見いだす必要があっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するものである。 すなわち、本発明は、一般式化1 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で
示される4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキルレゾル
シノールを、塩化アルミニウム、ニトロメタンおよび芳
香族化合物の存在下に、トランスアルキル化して脱t−
ブチル化を行うことを特徴とする一般式 化2 (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)で示される2
−アルキルレゾルシノールの製造法を提供するものであ
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
原料となる4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキルレゾ
ルシノールの製造法は特に限定されず、例えば、前記の
公知の方法により得ることができる。
【0008】塩化アルミニウムの使用量は、通常、原料
の4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキルレゾルシノー
ルに対して、0.6〜10モル倍、好ましくは1〜3モ
ル倍使用される。塩化アルミニウムの形態としては、固
体のまま使用しても良く、また、トルエン等の有機溶媒
に溶解させたものを使用しても差し支えない。
【0009】ニトロメタンの使用量は、通常、塩化アル
ミニウムに対して0.1〜10モル倍、好ましくは0.
5〜5モル倍使用される。
【0010】t−ブチル基受容体である芳香族化合物と
して具体的には、フェノール、ハイドロキノン、レゾル
シノール、クレゾール等のフェノール性化合物、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化水
素等が挙げられるが、これらの中でもトランスアルキル
化反応により生成する上記芳香族化合物のt−ブチル化
体と目的物である2−アルキルレゾルシノールの分離の
容易さから、芳香族炭化水素が特に好ましく用いられ
る。これらの芳香族化合物の使用量は、通常、原料の
4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキルレゾルシノール
に対して、0.5モル倍以上、好ましくは1モル倍以上
使用される。上限については、特に制限されない。
【0011】本反応には,必要により溶媒を用いること
ができ、用いられる溶媒としては、反応に不活性な溶媒
であれば特に制限されないが、一般的には、上記のt−
ブチル基受容体である芳香族化合物の過剰量を溶媒とし
て用いることが好ましい。その使用量については、特に
制限されない。
【0012】反応温度は、通常、−50〜150℃、好
ましくは−20〜50℃の範囲である。反応温度が低す
ぎる場合には反応に長時間を必要とし、好ましくなく、
また、反応温度が高すぎる場合には、目的物の2−アル
キルレゾルシノール以外に数種の副生物が生成し、精製
操作が煩雑となり、好ましくない。
【0013】反応混合物からの2−アルキルレゾルシノ
ールの取り出しは、通常、反応マスに水を注入し、過剰
の塩化アルミニウムを加水分解した後、トランスアルキ
ル化反応により生成した芳香族化合物のt−ブチル体を
含む有機層と、目的物の2−アルキルレゾルシノールを
含む水層を分離し、その後、水層に酸および有機溶媒を
加えて2−アルキルレゾルシノールを酸析、抽出処理
し、得られた抽出油を濃縮することにより行われる。
【0014】以上の操作により得られる2−アルキルレ
ゾルシノールは、通常、90%以上の純度であり、その
ままでも顔料、染料、合成樹脂、医薬、農薬または写真
剤等の原料として使用できるが、必要により、蒸留、再
結晶等の方法でさらに精製することも可能である。
【0015】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、4,6−ジ−
t−ブチル−2−アルキルレゾルシノールを、穏和な条
件で、原料の4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキルレ
ゾルシノールやモノ−t−ブチル−2−アルキルレゾル
シノールの残存なく、目的の2−アルキルレゾルシノー
ルを、高収率で得ることができ、工業的に極めてすぐれ
た製造法である。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0017】実施例1 4,6−ジ−t−ブチル−2−メチルレゾルシノール1
0gおよびニトロメタン5.68gを、トルエン100
ml中に溶かし、25℃で撹拌下、これに塩化アルミニ
ウム12.41gを加えた。その後、同温度で撹拌下4
時間保持し、水100mlを加えて過剰の塩化アルミニ
ウムを分解した。次いで、反応液を分液して水層を分離
し、この水層に濃塩酸30mlおよびメチルイソブチル
ケトン100mlを加え、酸析・抽出した。油層は20
mlの水で2回洗浄した後、溶媒を留去して2−メチル
レゾルシノールの粗結晶5.26g(含量96%−GC
/IS)を得た。4,6−ジ−t−ブチル−2−メチル
レゾルシノールおよびモノ−t−ブチル−2−メチルレ
ゾルシノールは、検出されず。更にこれを減圧蒸留し、
純品の2−メチルレゾルシノール(138℃/10mm
Hg)4.79gを得た。
【0018】実施例2 実施例1の4,6−ジ−t−ブチル−2−メチルレゾル
シノールに代えて、4,6−ジ−t−ブチル−2−エチ
ルレゾルシノールを用いる以外は、実施例1と同様に反
応を行なった。その結果を以下に示す。 (反応物):4,6−ジ−t−ブチル−2−エチルレゾ
ルシノール(10.59g); (生成物):2−エチルンレゾルシノール(含量:93
%−GC/IS;収率95%)、4,6−ジ−t−ブチ
ル−2−エチルレゾルシノールおよびモノ−t−ブチル
−2−エチルレゾルシノールは、検出されず。
【0019】実施例3 実施例1の4,6−ジ−t−ブチル−2−メチルレゾル
シノールに代えて、4,6−ジ−t−ブチル−2−プロ
ピルレゾルシノールを用いる以外は、実施例1と同様に
反応を行なった。その結果を以下に示す。 (反応物):4,6−ジ−t−ブチル−2−プロピルレ
ゾルシノール(11.19g); (生成物):2−プロピルレゾルシノール(含量:93
%−GC/IS;収率95%)、4,6−ジ−t−ブチ
ル−2−プロピルレゾルシノールおよびモノ−t−ブチ
ル−2−プロピルレゾルシノールは、検出されず。
【0020】実施例4 4,6−ジ−t−ブチル−2−メチルレゾルシノール1
0gを、トルエン50ml中に溶かし、25℃で撹拌
下、これに塩化アルミニウム12.41gおよびニトロ
メタン5.68gのトルエン溶液60mlを加えた。そ
の後、同温度で撹拌下4時間保持し、水100mlを加
えて過剰の塩化アルミニウムを分解した。次いで、反応
液を分液して水層を分離し、この水層に濃塩酸30ml
およびメチルイソブチルケトン100mlを加え、酸析
・抽出した。油層は20mlの水で2回洗浄した後、溶
媒を留去して2−メチルレゾルシノールの粗結晶5.1
8g(含量95%−GC/IS)を得た。、4,6−ジ
−t−ブチル−2−メチルレゾルシノールおよびモノ−
t−ブチル−2−メチルレゾルシノールは、検出され
ず。更にこれを減圧蒸留し、純品の2−メチルレゾルシ
ノール(138℃/10mmHg)4.69gを得た。
【0021】比較例1 4,6−ジ−t−ブチル−2−メチルレゾルシノール1
0gを、トルエン100ml中に溶かし、25℃で撹拌
下、これに塩化アルミニウム12.41gを加えた。そ
の後、同温度で撹拌下4時間保持し、水100mlを加
えて過剰の塩化アルミニウムを分解した。次いで、反応
液を分液して水層を分離し、この水層に濃塩酸30ml
およびメチルイソブチルケトン100mlを加え、酸析
・抽出した。 油層は20mlの水で2回洗浄した後、
溶媒を留去して2−メチルレゾルシノールの粗結晶5.
37g(含量81%−GC/IS、収率83%)を得
た。4,6−ジ−t−ブチル−2−メチルレゾルシノー
ルは、1%、およびモノ−t−ブチル−2−メチルレゾ
ルシノールは、8%含まれていた。更にこれを減圧蒸留
し、純品の2−メチルレゾルシノール(138℃/10
mmHg)3.91gを得た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 化1 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で
    示される4,6−ジ−t−ブチル−2−アルキルレゾル
    シノールを、塩化アルミニウム、ニトロメタンおよび芳
    香族化合物の存在下に、トランスアルキル化して脱t−
    ブチル化を行うことを特徴とする一般式 化2 (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)で示される2
    −アルキルレゾルシノールの製造法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の4,6−ジ−t−ブチル
    −2−アルキルレゾルシノールのRが、メチル基、エチ
    ル基またはn−プロピル基である請求項1記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】芳香族化合物が、芳香族炭化水素である請
    求項1または2記載の製造法。
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