JPH05170670A - 炭水化物からのオキシ酸の製法 - Google Patents

炭水化物からのオキシ酸の製法

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JPH05170670A
JPH05170670A JP4092666A JP9266692A JPH05170670A JP H05170670 A JPH05170670 A JP H05170670A JP 4092666 A JP4092666 A JP 4092666A JP 9266692 A JP9266692 A JP 9266692A JP H05170670 A JPH05170670 A JP H05170670A
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oxidation
reaction
carbohydrate
starch
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JP4092666A
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Irina P Skibida
イリーナ・ペトロヴナ・スキビダ
Andrei M Sakharov
アンドレイ・ミハイロヴィッチ・サハロフ
Aleksej M Sakharov
アレクセイ・ミハイロヴィッチ・サハロフ
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Novamont SpA
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Novamont SpA
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B15/00Preparation of other cellulose derivatives or modified cellulose, e.g. complexes
    • C08B15/02Oxycellulose; Hydrocellulose; Cellulosehydrate, e.g. microcrystalline cellulose
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B31/00Preparation of derivatives of starch
    • C08B31/18Oxidised starch
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D3/00Other compounding ingredients of detergent compositions covered in group C11D1/00
    • C11D3/16Organic compounds
    • C11D3/20Organic compounds containing oxygen
    • C11D3/22Carbohydrates or derivatives thereof
    • C11D3/222Natural or synthetic polysaccharides, e.g. cellulose, starch, gum, alginic acid or cyclodextrin
    • C11D3/223Natural or synthetic polysaccharides, e.g. cellulose, starch, gum, alginic acid or cyclodextrin oxidised

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで有利な試剤を用いる炭水化物の新
規な酸化方法を提供する。 【構成】 アルカリ性媒体中における、酸素含有ガスを
用いる接触酸化による炭水化物からのオキシ酸の製法に
おいて、該接触酸化を、Cu、Cr、Co、Ni、Fe、
V、Ti、Mnおよびこれらの混合物から成る群から選択
される触媒量の遷移金属イオンの存在下での均一触媒反
応によっておこなうことを特徴とするオキシ酸の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸素含有ガスを用い
る接触酸化によって、炭水化物からオキシ酸を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CaBr2の存在下での電気化学的酸化
法、または、酸化剤、例えば過マンガン酸カリウム、過
硫酸塩、次亜臭素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム
または過ヨウ素酸塩を用いる化学的酸化法によって、サ
ッカリドおよび/またはポリサッカリドからポリヒドロ
キシカルボン酸を製造することが知られている。このよ
うな既知の製法には、高価で毒性の試剤の使用および酸
化剤による生成物の汚染に起因する欠点がある。この場
合、塩素、臭素またはこれらの酸化物が酸化生成物中に
存在すると、得られるオキシ酸の生分解特性は大きな影
響を受ける。
【0003】コストと環境保全の見地からは非常に望ま
しい酸化剤である分子状酸素を用いる炭水化物の接触酸
化法も知られている。例えば、ドイツ国特許公告公報第
2123621号には、遊離のアルデヒド基またはケト
ン基を有さない糖アルコールの接触酸化を、貴金属触
媒、特にPtまたはPdの存在下、アルカリ性媒体中にお
ける酸素もしくは酸素含有ガスによっておこなうことに
より、アルドン酸を製造する方法が開示されている。ま
た、ヨーロッパ特許出願EP−A−0232020号明
細書には、周期律表第IV〜VI族の金属、特にPbま
たはBiをドープした貴金属触媒を不活性担体に担持し
た触媒の存在下、アルカリ性媒体中の分子状酸素を用い
る水溶性サッカリドの酸化によってポリヒドロキシカル
ボン酸を製造する方法が記載されている。これらの方法
は、いずれも再生を必要とする高価な触媒を使用すると
いう難点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的の一つ
は、低コストで有利な試剤を使用する炭水化物の新規な
酸化法を提供することである。この発明の別の目的は、
改良された生分解特性を有する酸化生成物を、特にデン
プンまたはデンプン水解物の酸化によって得る方法を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的および後述の
他の目的は、アルカリ性媒体中において、酸素含有ガス
を用いる接触酸化による炭水化物からのオキシ酸の製法
であって、該接触酸化を、Cu、Cr、Co、Ni、Fe、
V、Ti、Mnおよびこれらの混合物から成る群から選択
される触媒量の遷移金属イオンの存在下での均一触媒反
応によっておこなうことを特徴とするオキシ酸の製法に
よって達成された。
【0006】本発明による酸化法の基質となる炭水化物
としては次のものが例示される:(i)モノサッカリド、例
えば、天然のペントースおよびヘキソース、特にアラビ
ノース、グルコース、フルクトース、および還元モノサ
ッカリド、例えば、ソルビトール、マンニトール、エリ
トリトール、アラビトール、(ii)ジサッカリド、例えば
マルトース、サッカロース、セロビオース、ラクトース
およびトレハロース、および(iii)ポリサッカリド、特
にデキストリン、デキストラン、デンプン水解物、デン
プンおよびセルロース。
【0007】「デンプン」という用語は、水溶性または例
えば、アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土類金属
水酸化物等の添加によって水に可溶化もしくは分散化さ
れ得る全てのデンプンおよびデンプン誘導体を意味す
る。従って、「デンプン」という用語には、アミロース、
アミロペクチン、アミロース含有量の高いデンプン、例
えば、アミロメイズおよびアミロペクチンの含有量の高
いデンプン、例えばろう質デンプン等も包含される。種
々の植物、例えば、ジャガイモ、米、タピオカ、トウモ
ロコシおよびセリアル(cereal)等から抽出される天然デ
ンプン、特にトウモロコシとジャガイモのデンプンが好
ましい。
【0008】デンプンの加水分解生成物は、種々の数の
グルコシドユニットを有するオリゴマーとグルコースモ
ノマーを含む混合物から成る。これらのデンプン水解物
は、例えば、酵素加水分解、好ましくは内酵素を用いる
加水分解によって容易に得られる。
【0009】反応中の活性触媒は、均一相中のアニオン
型の基質と金属イオンとの錯体として存在するものと考
えられる。金属イオンは、アルカリ性媒体中に塩の形
態、好ましくは硫酸塩もしくは塩化物として添加され
る。好ましい金属イオンは銅イオンである。反応媒体中
の金属イオンの濃度は、通常、0.1×10-2〜4×1
-2Mである。
【0010】本発明による方法において使用する好まし
い塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水
酸化物、特に水酸化ナトリウムおよび水酸化カルシウ
ム、アミン、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、アンモニアおよび第4級アンモニウ
ム水酸化物である。望ましいアルカリ性条件を達成する
量の塩基性塩、例えば炭酸ナトリウムや重炭酸ナトリウ
ムを使用してもよい。反応媒体に添加するアルカリ性試
剤の濃度は、該媒体の初期のpHが7.5〜14、好まし
くは8〜13になり、反応中のpHがアルカリ性条件に
維持され、反応生成物となるオキシ酸が中和されるよう
に調整される。
【0011】酸化反応は、分子状酸素または空気をアル
カリ性媒体中に、20〜100℃において吹き込むこと
によっておこなう。酸素の分圧は0.02〜10MPaの
範囲にわたっていてもよく、さらに高い分圧は、経済的
な理由から制限される。
【0012】前述のポリサッカリドは、本発明方法に使
用する基質としては好ましいものである。本発明方法を
セルロース、デンプンまたはデンプン水解物に適用する
場合には、以下に詳述するように、いくつかの利用分野
において、改良された特性、特に改良された生分解特性
を有するために特に有用な新規な酸化生成物が得られ
る。従って、本発明方法によって得られる酸化生成物も
本発明に包含される。水性媒体中のポリサッカリドの含
有量は一般に10〜40重量%(乾燥重量換算)、好まし
くは10〜30重量%である。
【0013】分子状酸素によるデンプンの酸化は、アル
カリ性媒体中におけるデンプンのゼラチン化温度よりも
高い温度でおこなう。ゼラチン化条件下では、媒体の粘
度が非常に高くなり、強撹拌が必要となるので、予めゼ
ラチン化させたデンプンを使用するのが好ましい。
【0014】反応開始後、30〜40分間は、混合が不
十分なために、オキシ酸の生成速度は遅いが、カルボキ
シ基の形成(実用的には、50〜100個のグルコシド
環1個あたり、1個のCOOH基の形成)によって、ゼ
ラチンの粘度が低下して溶解度が高くなるので、媒体の
全体で反応がおこるようになる。
【0015】酸化反応は、最初は、C−C結合の開裂に
よる第二級ヒドロキシ基のみの酸化を伴って進行する。
デンプンとデキストランの酸化速度の比較から証明され
るように、第一級ヒドロキシ基は酸化に対してより安定
である。デンプンに比べてデキストランは数個の第一級
ヒドロキシ基しか有していないが、その酸化速度は、同
一条件下でのデンプンの酸化速度よりも幾分高い。
【0016】デンプン、セルロース、デンプン水解物、
デキストリンおよびデキストランの好ましい酸化条件
は、温度が50〜80℃で、全反応過程を通じて維持さ
れるpHが8〜13である。酸化反応をこのような条件
下でおこなうことによって、生成するオキシ酸の望まし
くない酸化分解に起因するCO2、蟻酸および低分子量
オキシ酸の形成は回避される。また、着色生成物をもた
らすアルデヒド、副生成物およびこれらの重縮合物の形
成も回避される。
【0017】反応終了時の反応媒体は、オキシ酸塩の水
性溶液または水性懸濁液である。該オキシ酸塩は、pH
5〜14の条件下では安定であるが、より強い酸性条件
下においては容易に加水分解されて不安定な酸となり、
該酸は蟻酸の生成を伴って直ちに分解する。
【0018】使用後の触媒は、カチオン性樹脂、特に、
ナトリウム塩形態のスルフォン酸樹脂またはアミノ二酢
酸樹脂を用いて反応生成物から除去することができる。
【0019】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例1 機械的撹拌器、酸素拡散器およびサーモスタット・ジャ
ケットを備えたガラス製反応容器(1.5l)内へ、水0.
8l、トウモロコシデンプン0.2kgおよび硫酸銅(CuS
4・5H2O)2.6g(銅イオン濃度:1×10-2M)を入
れ、高速撹拌を約2〜3分間続行し、銅塩を完全に溶解
させた。
【0020】粒状のKOH25g(85重量%)を添加
し、酸素を拡散器を通して約100ml/分の流速で反応
容器内へ導入した。温度が約60℃になった時点で、デ
ンプン懸濁液はゼラチン化し始め、撹拌混合が困難とな
ったので、撹拌力を増大させた。ゼラチン化後、温度は
80℃まで上昇し、一定に維持された。
【0021】酸素雰囲気下、80℃で撹拌を30分間お
こなうと、ゼラチン化したデンプンの粘度は、アルコー
ル性基からカルボキシル基への部分的酸化に起因して大
きく低下したので、撹拌効率はさらに増大した。80℃
での反応を開始してから2時間後、デンプンの酸化によ
って生成したオキシ酸を完全に中和することによって反
応を停止させた。反応終了後の反応生成物(pH:約8)に
は、オキシ酸のカリウム塩が約0.3M(溶液中のカルボ
キシル基のモル数換算濃度)含有されていた。得られた
結果を以下の表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2〜5 異なったデンプン基質とデキストランを使用して、実施
例1と同様の操作をおこなった。実施例2〜5の反応条
件と得られた結果を上記の表1に示す。
【0024】実施例6〜9 触媒として異なった金属イオンを使用して、実施例1と
同様の操作をおこなった。但し、この場合には、塩基と
して水酸化ナトリウム(反応媒体中のモル濃度:0.2M)
を用い、アミロペクチンデンプンの水解物(分子量:約1
5)の酸化を75℃で分子状酸素を用いておこなった。
反応条件および得られた結果を以下の表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】実施例10 サーモスタットジャケットおよび機械的撹拌器を装備し
た実施例1のガラス反応器中で、セルロースを酸化し
た。空気を大気圧で全酸化工程中、反応媒体を通してバ
ブリングした。微晶質セルロース100g、塩化銅Cu
Cl2・2H2O3g、NaOH25g、水900mlを反
応器に導入し、温度を70℃に維持した。反応は20時
間行なった。反応の終了時点で、不均質な溶液が得られ
た。 溶解していないセルロースの含量:50g; 酸化反応生成物中の可溶化フラクション含量:50g; カルボキシル基の含量:グルコシド単位2個あたりCO
OH基1個; カルボキシル基の溶液中の濃度は約0.17モル(M)で
あった。
【0027】実施例11 実施例10と同じ条件下で、分子状酸素を用いてセルロ
ースの酸化を行なった。基質としては、NaOH溶液で
アセチル−セルロースを処理しアセチルエステルを加水
分解し、次に蒸留水で洗浄し空気中で乾燥して得られた
セルロースを使用した。加水分解したアセチルセルロー
ス(10重量%)を0.1NNaOH0.1N(溶液中NaO
H3.6g含有)を存在させて酸化した。セルロースの酸
化は、生成したオキシ酸による塩基の中和により停止す
る。酸化生成物は、水溶性セルロース誘導体および水不
溶性セルロース誘導体を含む。以下の表3に酸化セルロ
ースの水溶性フラクションの含有量を示す。
【0028】実施例12〜15 溶液のアルカリ濃度を変えることにより、実施例11の
手順に従い、加水分解したアセチル−セルロースの酸化
を行なった。実施例12〜15の反応条件および結果を
表3にまとめて示す。
【0029】
【表3】
【0030】実施例11〜15の条件下でのセルロース
の酸化中の酸素消費速度曲線を図1に示してある。デン
プン、デンプン水解物、セルロース、デキストランおよ
びデキストリンの酸化生成物は、紙用バインダー、洗剤
用ビルダー、塗料および印刷インク用配合剤中の高分子
電解質融合助剤、高分子量合着剤(coalescent)および洗
剤組成物中におけるよごれ除去剤等として有用である。
酸化デンプンまたはデンプン水解物を洗剤のビルダーあ
るいはコビルダー(co−builder)として使用すること
は、次亜塩素酸塩で酸化することにより得られる生成物
よりも生分解性特性が改良されるという点において特に
都合がよい。コビルダーとして、ゼオライト等の公知の
ビルダーと共に洗剤に配合して使用することにより、耐
再沈澱特性、洗剤分散容量およびよごれ除去効率が改良
される。
【0031】モノサッカリドおよびジサッカリドの酸化 上記で定義したモノサッカリド、還元モノサッカリドお
よびジサッカリドは、本発明の方法を有効に適用するこ
とができる別の基質群である。好ましくは10ないし5
0重量%の範囲の基質濃度で、水性アルカリ媒体中で酸
化を行なう。反応媒体温度は、幅広く変えてもよく、通
常25〜80゜の間、好ましくは45〜65℃の間であ
る。銅塩は好ましい触媒イオン源を構成する。その銅に
おけるアニオンの性質および銅イオンの原子価状態(第
二銅塩あるいは第一銅塩)は、一般にプロセス速度およ
び反応中の生成物比に影響を与えない。基質のアニオン
形態と金属イオンとの錯体は、触媒塩を含有するポリオ
ールの水溶液への塩基の添加とほぼ同時に形成される。
触媒として金属塩を使用し、不溶性金属水酸化物の形成
を避けるためには、金属水酸化物に加えさらに基質を含
有する溶液を予め調製し、その溶液に塩基を添加するこ
とが常に必要とされる。その塩基としては、ポリサッカ
リドの酸化に関連して上記したと同様の化合物を使用す
ることができる;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムお
よび水酸化カルシウムが好ましい。
【0032】基質の分解酸化は、注意深く避けるべきで
ある;これとの関連において、反応媒体のpHを12から
7.5の範囲に維持することが好ましい。反応中に消費
された酸素と形成されたCOOH基の当量比は、約1.
5:10に等しくなる。このことは、主反応経路が、酸
素と2級ヒドロキシ基とが相互作用し、C−C結合が解
裂し、2つのカルボキシル基が形成するという反応機構
によく一致する。
【0033】
【化1】
【0034】反応混合物の化学分析によると、ソルビト
ールおよびマンニトールとの酸化主生成物は、グリコー
ル酸、グリセリン酸およびいくつかの高分子量オキシ酸
である。オキシ酸はサッカロース酸化の主生成物であ
る。モノ−およびジサッカリドの酸化生成物は、腐蝕防
止剤および食物防腐剤として有用である。
【0035】実施例16〜19 マルトースの酸化を、機械的撹拌器、酸素拡散器および
サーモスタットジャケットを備えた0.5リットル反応
容器中で行なう。マルトース20g、CuSO4・5H2
0.11g(1.1×10-3M)、蒸留水400mlおよび1
NNaOH2.5ml(pH9まで)を反応容器に入れ、60
℃で撹拌した。この温度で反応媒体中に拡散器を通して
酸素をバブリングさせる。反応を、生成するカルボキシ
基の中和によって、pHが9にされるように添加される
塩基の消費により監視する。上記手順を4回繰り返し、
各反応ごとに塩基の量を一定量増加させ、それにより、
酸化の程度の異なる生成物を4種類得た(以下の表4参
照)。40℃の真空下で蒸留することにより水を除去
し、生成物を回収した。得られた各生成物のC13NMR
スペクトル(図3、4、5および6)を出発物質(図2)の
13NMRスペクトルと比べると、元の化学構造の典型
的な変化がわかる: −アノメリック領域(anomeric region)(105−95p
pm)に3つの新しいシグナルが現れており、その強度
は、酸化の程度と共に増加する。 −新しいシグナルがカルボニル領域190−160ppm
(図7)に現れており、蟻酸(af)およびグリコール酸(ag)
のシグナルを含む。 −スペクトルの残りの部分は、大きく変化している。
【0036】
【表4】
【0037】実施例20 実施例1の反応容器中でサッカロースの酸化を行なっ
た。サッカロース100g、H2O900mlおよびCuCl
2・2H2O(CuCl2・2H2Oの溶液中の濃度1×10
-2M)を反応容器に入れ、75℃で撹拌した。この温度
でNaOH8gを添加し(濃度0.2M)、酸素を拡散器を
通して反応媒体中へバブリングする。反応を酸素および
塩基の消費量により監視する。反応は、反応生成物であ
るオキシ酸により、塩基が完全に中和されると停止す
る;4時間後の反応の終点ではpHは約8である。オキ
シ酸(グリコール酸、グリセリン酸およびより高分子量
のオキシ酸)の濃度を滴定およびイオン交換樹脂パーテ
ィシルサックス(PARTISIL−sax)によるクロマ
トグラフィーで決定する。全オキシ酸濃度は0.18M
である。反応終了時点ではオキシ酸とともに、オキシ酸
の全量に対して10%より多くない少量のナトリウムカ
ーボネートおよび蟻酸のナトリウム塩が形成される。結
果を表5に示す。
【0038】実施例21〜25 異なる金属イオン触媒を使用し、そして酸素含有ガスと
して空気(実施例21)を使用して実施例10の手順を
繰り返す。反応条件および反応生成物中のオキシ酸濃度
を表5にまとめて示す。
【0039】
【表5】
【0040】実施例26 機械的撹拌器を装備した150mlオートクレーブ中
に、水100ml、CuCl2・2H2O(1×10-2M)0.
17g、NaOH8g(2.0M)およびサッカロースを入れ
(サッカロース濃度20重量%)、酸素圧1.0MPaの
条件下、75℃でサッカロースの酸化を行った。
【0041】実施例27 トウモロコシデンプンを20重量%の濃度で使用し、実
施例26の手順を繰り返した。
【0042】実施例28および29 実施例26および27の手順を酸素圧0.1MPaの条件
下で繰り返した。実施例26〜29のデータを表6にま
とめて示す。
【0043】
【表6】
【0044】実施例30 22リットルのオートクレーブ(撹拌装置およびサーモ
スタットジャケットを装備)中に、蒸留水10l、マルト
デキストリン(平均分子量約105)2kg、CuSO4・H2
O12.5gおよびNaOHペレット1.383kgを仕込ん
だ。5MPaの空気をチャージし、温度を70℃に上昇
させた。16時間の反応の間、酸素が消費された空気を
(約3時間ごとに)4回入れかえた。反応混合物を室温ま
で冷却した。最終のpHは9であった。水をスプレード
ライヤー装置で除去し、2.8kgの白粉を得た。結果を
表7にまとめて示す。
【0045】実施例31および32 市販のトウモロコシデンプンおよびデンプン水解物(平
均分子量約1×103)を使用し、実施例30の手順を繰
り返した。反応条件および実施例31および32で得ら
れた結果を表7にまとめて示す。
【0046】
【表7】
【0047】異なるモノ−およびジサッカリド、トウモ
ロコシデンプンまたはトウモロコシデンプン水解物の1
0重量%水溶液中での好ましい酸化条件を表8にまとめ
て示す。
【0048】
【表8】
【0049】
【発明の効果】本発明は、低コストで有利な試剤を使用
する炭水化物の新規な酸化法を提供する。さらに本発明
は、改良された生物解特性を有する酸化生成物を、特に
デンプンまたはデンプン水解物の酸化によって得る方法
を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 異なるNaOH量の存在下でのセルロースの
酸化中における酸素の消費速度曲線を示す。
【図2】 出発物質のC13NMRスペクトルを示す。
【図3】 実施例16における生成物のC13NMRスペ
クトルを示す。
【図4】 実施例17における生成物のC13NMRスペ
クトルを示す。
【図5】 実施例18における生成物のC13NMRスペ
クトルを示す。
【図6】 実施例19における生成物のC13NMRスペ
クトルを示す。
【図7】 カルボニル領域でのC13−NMRスペクトル
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドレイ・ミハイロヴィッチ・サハロフ ロシア連邦共和国117279モスクワ、プロフ ソユズナヤ・イル、ドーム97、クフ270番 (72)発明者 アレクセイ・ミハイロヴィッチ・サハロフ ロシア連邦共和国109028モスクワ、ポクロ フスキー・ブールヴァール、ドーム14 /6、クフ21番

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性媒体中において、酸素含有ガ
    スを用いる接触酸化による炭水化物からのオキシ酸の製
    法において、該接触酸化を、Cu、Cr、Co、Ni、F
    e、V、Ti、Mnおよびこれらの混合物から成る群から
    選択される触媒量の遷移金属イオンの存在下での均一触
    媒反応によっておこなうことを特徴とするオキシ酸の製
    法。
  2. 【請求項2】 炭水化物を、触媒量の遷移金属イオンを
    添加したアルカリ性水性媒体に溶解もしくは分散させた
    後、分子状酸素を、酸化反応中の系のpHがアルカリ性
    条件に維持されるような量の塩基を添加した該媒体中へ
    供給する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金
    属水酸化物、アミン、例えば、エチルアミン、ジエチル
    アミン、トリエチルアミン、アンモニアおよび第4級ア
    ンモニウム水酸化物から成る群から選択されるアルカリ
    試剤を添加することによって反応媒体をアルカリ性条件
    に維持する請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 炭水化物を反応媒体中に5〜50重量%
    の濃度で存在させ、遷移金属イオンを0.01×10-2
    〜4×10-2Mの濃度で存在させる請求項1から3のい
    ずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 酸化反応を、酸素分圧0.02〜10M
    Paの条件下において、25〜100℃でおこなう請求
    項1から4いずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 酸化に付される炭水化物が、セルロー
    ス、デンプン、デンプン水解物、デキストリン、デキス
    トラン、モノサッカリド、ジサッカリドおよびトリサッ
    カリドから成る群から選択される炭水化物である請求項
    1から5いずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 炭水化物が、セルロース、デンプン、デ
    ンプン水解物、デキストリンおよびデキストランから成
    る群から選択される炭水化物であり、反応を、塩基の添
    加によって8〜13に調整されるpHおよび温度50〜
    80℃の条件下でおこなう請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 炭水化物がマルトース、サッカロースお
    よび還元モノサッカリドから成る群から選択される炭水
    化物であり、反応を、塩基の添加によって7.5〜12
    に調整されるpHおよび温度25〜80℃の条件下でお
    こなう請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の方法によって得られる生
    成物の紙用バインダーとしての使用。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の方法によって得られる
    生成物の腐食抑制剤または食品保存料としての使用。
  11. 【請求項11】 請求項7記載の方法によって得られる
    生成物の洗剤用ビルダーとしての使用。
  12. 【請求項12】 セルロース、デンプン、デンプン水解
    物、デキストリンおよびデキストランから成る群から選
    択される炭水化物の酸化生成物であって、Cu、Cr、N
    i、Fe、V、Ti、Mnおよびこれらの混合物から成る群
    から選択される触媒量の遷移金属イオンの存在下、アル
    カリ性媒体中における酸素含有ガスを用いる接触酸化に
    よって得られる酸化生成物。
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