JPH1160602A - カルボキシ多糖類の製造方法 - Google Patents

カルボキシ多糖類の製造方法

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JPH1160602A
JPH1160602A JP22640997A JP22640997A JPH1160602A JP H1160602 A JPH1160602 A JP H1160602A JP 22640997 A JP22640997 A JP 22640997A JP 22640997 A JP22640997 A JP 22640997A JP H1160602 A JPH1160602 A JP H1160602A
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nitrogen dioxide
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nitrogen
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Masabumi Jinpo
正文 神宝
Kazuyuki Tomita
和幸 冨田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】スケール付着防止剤、顔料分散剤、サイズ剤、
コンクリ−ト混和剤の他、特に洗剤ビルダーとして好適
に利用できるカルボキシ多糖類の製造方法を提供する。 【解決手段】多糖類を、遷移金属触媒の存在下、二酸化
窒素/四酸化二窒素で酸化させることを特徴とするカル
ボキシ多糖類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多糖類の酸化によ
り、カルボキシ多糖類又はその塩を製造する方法に関す
る。本発明により得られるカルボキシ多糖類又はその塩
は、スケール付着防止剤、顔料分散剤、サイズ剤、コン
クリート混和剤、洗剤ビルダーとして好適に利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】地球上に遍在する資源として、天然物を
工業原料として利用する試みが様々になされている。特
に、天然多糖類を化学的に処理して種々の機能性高分子
として利用することは資源リサイクルの観点から興味深
い。多糖類から機能性高分子を得る方法には、官能基を
もった機能化剤を多糖類に結合させる方法の他、多糖類
それ自体に化学変化を起こさせて構造を変化させる方法
がある。
【0003】たとえば、特公昭49-1281 号公報には、過
ヨウ素酸と亜塩素酸塩の組み合わせ又は次亜塩素酸塩を
使用して多糖類を酸化する方法が開示されており、多糖
類構成単位の2位及び3位を酸化して得られるジカルボ
キシデンプンが洗剤ビルダー機能を有することが記載さ
れている。ビルダー機能は洗濯水中のCaイオンなどの硬
度成分を封鎖することにより発現するので、機能活性の
高い洗剤ビルダーを得るためには、分子内にカルボキシ
ル基を高密度に含有するポリカルボン酸構造が必要であ
り、また、高分子構造が重要である。
【0004】多糖類を酸化してトリカルボキシ多糖類を
製造する方法として、特公昭47-40552号公報及びチェコ
スロバキア特許235576号公報には、デンプンを過ヨウ素
酸塩でアルデヒド化した後、四酸化二窒素により酸化カ
ルボキシル化する方法が開示されている。しかし、特公
昭 49-1281号公報、特公昭47-40552号公報及びチェコス
ロバキア特許235576号公報に記載されている方法は、高
価な過ヨウ素酸塩を使用しなければならないので工業化
には不利を伴う。特開平9-71601 号公報には、ルテニウ
ム触媒の存在下、次亜塩素酸塩を用いてデンプンをカル
ボキシル化する方法が開示されている。
【0005】さらに、欧州特許542496号公報には、デン
プンを硝酸/硫酸溶媒中でバナジウム塩と亜硝酸塩を加
えて酸化カルボキシル化する方法が開示されている。し
かし、欧州特許542496号公報に記載されている方法は、
高濃度の硫酸を溶媒に使用して飴状のデンプンを濃硝酸
で酸化する方法であるために反応液の処理が容易でな
く、工業的な製造方法としては適当でない。
【0006】米国特許 2,472,590号公報、特表平7-5008
53号公報、特表平7-503495号公報及び特表平8-510494号
公報には、デンプンを四酸化二窒素/二酸化窒素で酸化
してピラノース単位の6位-CH2OH基をカルボキシル基に
酸化したポリカルボン酸を製造する技術が開示されてお
り、このポリカルボン酸がゼオライトの補助ビルダー機
能を有することも記載されている。しかし、記載された
方法による四酸化二窒素/二酸化窒素酸化は反応速度が
必ずしも十分でなく、工業的に実施するには、より高い
反応速度をもった酸化方法が望まれる。
【0007】ポリカルボン酸ビルダーとしては、アクリ
ル酸ポリマー又はアクリル酸系コポリマーが工業的に使
用されている。しかしながら、これら付加重合系ポリカ
ルボン酸は、天然の高分子の化学構造としては一般的で
ないビニル重合体構造からなるため、微生物による生分
解性がきわめて低いという問題が知られている。多糖類
を酸化カルボキシル化して製造されたポリカルボン酸
が、生分解性ビルダーとしてこの問題の解決に役立つこ
とが期待される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多糖
類を四酸化二窒素/二酸化窒素で酸化する方法におけ
る、より反応速度が大きな酸化方法の提供である。本発
明のもう一つの目的は、多糖類を、分子量の極端な低下
を伴うことなく酸化カルボキシル化して、-CH2OH基又は
-CH2OH基と-CHOH-基が -COOH基に転換した、ポリカルボ
ン酸を工業的に製造する方法の提供である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、多糖類を構成するピラ
ノース単位を酸化カルボキシル化する方法において、遷
移金属触媒の存在下、二酸化窒素/四酸化二窒素で酸化
することを特徴とするカルボキシ多糖類の製造方法に関
する。本発明の特徴は、四酸化二窒素/二酸化窒素を酸
化剤に用いて多糖類を酸化する際に、酸化剤使用量当た
りのカルボキシル基生成速度が大きいことである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用する多糖類には、ピ
ラノース(無水グルコース)単位からなる重合体である
デンプンやセルロースが挙げられる。反応の行ない易さ
から、デンプンが好ましい。デンプンには、トウモロコ
シデンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、小麦
デンプン、甘薯デンプン、米デンプン等が挙げられ、こ
れらを原料として変性させた水溶化デンプンも使用でき
る。工業的に実施する上で特に好ましくは、トウモロコ
シデンプン及びタピオカデンプンである。多糖類の含水
率は低い方が良く、20重量%以下が好ましい。
【0011】本発明においては、二酸化窒素/四酸化二
窒素を酸化剤として使用する。二酸化窒素/四酸化二窒
素の表記は、二酸化窒素(NO2 )とその二量体の四酸
化二窒素(N24 )との反応条件下における平衡混合
物を意味する。
【0012】二酸化窒素/四酸化二窒素の使用量は、平
衡を理論上完全に二酸化窒素の側に移行する場合に、酸
化原料となる多糖類を構成するピラノース単位モル数の
2倍以上の量である。好ましい二酸化窒素の使用量は、
多糖類を構成するピラノース単位の4倍モル以上20倍
モル以下の量である。二酸化窒素の使用量が多糖類を構
成するピラノース単位の2〜4倍モルの場合は、6位の
-CH2OH基が -COOH基に転化したモノカルボキシ化ピラノ
ース単位からなるカルボキシ多糖類が主に生成する。二
酸化窒素の使用量を増やすに従って、6位の-CH2OH基及
び2位,3位の-CHOH-基が -COOH基に転化したトリカル
ボキシ化ピラノース単位の構成比率が増加する。
【0013】二酸化窒素/四酸化二窒素の使用量が前記
範囲より少ない場合は、多糖類の酸化カルボキシル化が
不十分であり、前記範囲より過剰の場合は経済的に無駄
であるばかりか多糖類の過度の酸化による低分子量化又
は収量の低下を引き起こす。
【0014】使用時の二酸化窒素/四酸化二窒素は液体
状態でも気体状態でもよい。ベンゼンなどの炭化水素溶
媒又は四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素溶媒に溶解
させた溶液として、二酸化窒素/四酸化二窒素を使用す
ることもできる。気体状態で使用する場合、窒素や一酸
化窒素、空気などの二酸化窒素以外の気体との混合気体
として使用することもできる。二酸化窒素と酸素との混
合気体を使用することも好ましい。
【0015】本発明は、多糖類の二酸化窒素/四酸化二
窒素酸化を遷移金属触媒の存在下に行うことを特徴とす
る。遷移金属触媒の使用により、二酸化窒素/四酸化二
窒素酸化剤によるピラノース単位の6位の-CH2OH基の酸
化、2位,3位の-CHOH-基の開裂酸化が促進され、酸化
剤使用量当たりのカルボキシル基生成速度が大きくな
る。
【0016】本発明の触媒は、周期率表の4A、5A、
6A、7A、8、1B及び2B族からなる群から選ばれ
た少なくとも一種の元素を含有する遷移金属化合物であ
る。中でも、5A族、6A族、7A族及び8族からなる
群から選ばれた少なくとも一種の元素を含有する化合物
が酸化触媒活性が高いので好ましい。特に、酸化剤使用
量当たりのカルボキシル基生成速度を大きくならしめる
点でより触媒活性が高い遷移金属触媒は、バナジウム、
モリブデン、鉄又はコバルトを含有する化合物である。
【0017】バナジウムを含有する化合物の例として、
五酸化バナジウム;バナジン酸、バナジン酸のアンモニ
ウム、ナトリウム及びカリウム塩;リンバナジン酸、ケ
イバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ホウバナジン酸及
びそれらヘテロポリ酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩
及びカリウム塩;バナジウム混合配位型ヘテロポリ酸及
びそのアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩;
酸化バナジルアセチルアセトナート;塩化バナジウム、
臭化バナジウム;バナジウムキレート錯体が挙げられ
る。
【0018】モリブデンを含有する化合物の例として、
酸化モリブデン;モリブデン酸、モリブデン酸のアンモ
ニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩;リンモリブデ
ン酸、ケイモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ホウ
モリブデン酸及びそれらヘテロポリ酸のアンモニウム
塩、ナトリウム塩及びカリウム塩;モリブデン混合配位
型ヘテロポリ酸及びそのアンモニウム塩、ナトリウム塩
及びカリウム塩;塩化モリブデン、臭化モリブデン;モ
リブデンキレート錯体が挙げられる。
【0019】鉄を含有する化合物の例として、酸化鉄、
硫酸鉄、硝酸鉄、リン酸鉄、炭酸鉄、塩化鉄、臭化鉄、
アセチルアセトン鉄、有機カルボン酸鉄及び鉄キレート
錯体が挙げられる。コバルトを含有する化合物の例とし
て、酸化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、リン
酸コバルト、炭酸コバルト、塩化コバルト、臭化コバル
ト、アセチルアセトンコバルト、有機カルボン酸コバル
ト及びコバルトキレート錯体が挙げられる。
【0020】遷移金属触媒の使用量は、基質多糖類に対
して 0.001〜20重量%、好ましくは0.1〜 5重量%であ
る。触媒の基質多糖類への添加方法は、触媒と基質多糖
類の接触が図られる方法ならば制限はない。たとえば、
触媒の水溶液を基質多糖類と混合後、必要ならば酸化反
応前に加熱及び/又は減圧により脱水しても良い。固体
状態の触媒を加えて混合しても良い。水溶性の触媒を使
用した場合は、酸化反応により生成した水と基質との混
合物に触媒が溶解して均質化する。
【0021】さらに驚くべきことに、四酸化二窒素/二
酸化窒素を酸化剤に用いて多糖類を酸化する際に、触媒
としてバナジウム又はモリブデンを含有する化合物を使
用すると、酸化剤使用量当たりの酸化カルボキシル化が
一層促進されるのみならず、窒素が結合した生成物の副
生量が減少する。すなわち、本発明における特に好まし
い触媒は、バナジウム又はモリブデンを含有する化合物
であり、最も好ましい触媒は、酸化バナジウム、バナジ
ン酸及びバナジン酸塩並びにバナジウム又はモリブデン
を含有するヘテロポリ酸である。これらを触媒に使用す
る際の付加的な特徴は、窒素が結合した生成物の副生が
少ないことである。
【0022】バナジウム又はモリブデンを含有する化合
物の使用量は、基質多糖類に対して0.001〜20重量%、
好ましくは0.05〜 5重量%である。
【0023】本発明の酸化反応の反応温度は、常温以上
で可能であるが、好ましくは50〜100 ℃、より好ましく
は60〜90℃で行われる。酸化反応温度が低い場合は、カ
ルボキシル化反応の進行が遅い。酸化反応温度が高い場
合は、多糖類の過度の分解による低分子量化が進行す
る。反応は、常圧又は加圧で行われる。反応条件におけ
る圧力は好ましくは0.01〜10MPa 、より好ましくは 0.1
〜5MPaである。反応後の気体は、回収した後、好ましく
は酸素酸化により四酸化二窒素/二酸化窒素として再使
用することもできる。
【0024】酸化反応は、気−固2相系、気−液2相系
又は気−液−固3相系で行なうことができる。液相を利
用する場合には、酸化反応に安定な溶媒を使用すること
もできる。溶媒として、ベンゼンに例示される炭化水素
溶媒又は四塩化炭素に例示されるハロゲン化炭化水素な
どの非プロトン性有機溶媒が好ましい。
【0025】四酸化二窒素/二酸化窒素酸化反応で生成
した反応混合物に対して精製操作を行なうことにより、
用途に適したカルボキシ多糖類として分離することがで
きる。精製操作には、溶媒抽出、キレート抽出、イオン
交換樹脂処理、限外膜処理、透析膜処理、RO膜処理、
イオン選択膜処理、精密濾過、濃縮、凍結乾燥が例示さ
れる。さらに、必要に応じて、生成物を水に溶解した
後、低級アルコールあるいは低級ケトンを加えることに
よって沈澱化させ、精製することもできる。
【0026】本発明で得られるカルボキシ多糖類はそれ
自体、洗剤補助ビルダーなどのポリカルボン酸として公
知の用途に利用できるが、さらに別の酸化方法で酸化カ
ルボキシル化して重量当りの性能の向上したビルダーと
することも可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により詳しく説明する。実施例
において、生成物のカルボキシル基の含有率は、試料を
精秤後、水に溶解し、N/20水酸化ナトリウム水溶液で滴
定して求めた。生成物の単位構造は、13C−NMRによ
り解析した。また、分子量は、0.3M NaCl,0.1M NaH2PO
4, 0.33M KH2P04水溶液を溶離液としてGPC(カラ
ム:Shodex Ohpack SB-G /Shodex OHpack SB-803HQ 8mm
ID×300mmL, RI検出器)により、多糖類を標品として重
量平均分子量を測定した。生成物の窒素含有量は、全窒
素分析計(三菱化学(株)製 TN-10型)を用いて測定し
た。
【0028】実施例1 撹拌機、圧力計、温度計及びガス置換バルブを備えたSU
S316製オートクレーブ反応器にトウモロコシデンプン
3.60g(絶乾量 3.15g、ピラノース単位19.4ミリモル)
及び触媒として粉砕した五酸化バナジウム(V25
63mgを入れ、氷浴で冷却した容器に量り取った二酸化窒
素/四酸化二窒素の液化混合物 4.48g(二酸化窒素とし
て97ミリモル)の四塩化炭素80ml溶液を加え、密閉後、
熱水浴に浸漬した。撹拌しながら加熱し、反応器内部温
度70℃にて 6時間保った。オートクレーブ内は3.2MPaに
昇圧した。冷却後、反応器内の気体を放出し、空気置換
後、四塩化炭素相を捨てた。反応系内には二酸化窒素/
四酸化二窒素は残留していなかった。反応器内に付着し
て残留する、触媒を含んで均一化したペースト状物を水
を加えて溶解して回収し、濃縮後、メタノールに沈殿さ
せ、凍結乾燥して生成物を得た。
【0029】生成物のカルボキシル基の含有率は 8.0ミ
リ当量/gであった。生成物の構造は、原料デンプンを
構成するピラノース単位の6位-CH2OH基のほぼ100%及び
2位及び3位の-CHOH-基のほぼ 24%がカルボキシル基に
酸化開裂したポリカルボン酸であった。重量平均分子量
は 3,700であった。生成物の窒素含有量は、0.07重量%
であった。
【0030】比較例1 触媒を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして反
応を行なった。70℃にて 6時間保った結果、オートクレ
ーブ内は2.4MPaに昇圧した。反応系内には二酸化窒素/
四酸化二窒素がかなり残留していた。実施例1と同様に
処理して生成物を得た。生成物のカルボキシル基の含有
率は 5.9ミリ当量/gであった。生成物は、水に不溶性
のため、分子量の測定はできなかった。生成物の窒素含
有量は、0.54重量%であった。
【0031】実施例2 触媒として五酸化バナジウムの代わりに混合配位ヘテロ
ポリ酸であるリンバナジウムモリブデン酸(H4 PVM
o1140・30H2 O)粉砕物を同量使用した以外は、実
施例1と同様にして70℃にて 6時間反応を行なった後、
同様に処理して生成物を得た。反応系内には二酸化窒素
/四酸化二窒素は残留していなかった。生成物のカルボ
キシル基の含有率は 8.4ミリ当量/g、重量平均分子量
は 3,000であった。生成物の窒素含有量は、0.04重量%
であった。
【0032】実施例3 触媒として五酸化バナジウムの代わりにヘテロポリ酸で
あるリンモリブデン酸(H3 PMo1240・30H2 O)
粉砕物を同量使用した以外は、実施例1と同様にして70
℃にて 6時間反応を行なった後、同様に処理して生成物
を得た。反応系内には二酸化窒素/四酸化二窒素は残留
していなかった。生成物のカルボキシル基の含有率は
7.7ミリ当量/g、重量平均分子量は 3,200であった。
生成物の窒素含有量は、0.05重量%であった。
【0033】実施例4 触媒として五酸化バナジウムの代わりに粉砕した硝酸鉄
(Fe(NO33 ・9H2 O)を同量使用した以外は、
実施例1と同様にして70℃にて 6時間反応を行った後、
同様に処理して生成物を得た。反応系内には二酸化窒素
/四酸化二窒素は残留していなかった。生成物のカルボ
キシル基の含有率は 7.3ミリ当量/g、重量平均分子量
は 3,000であった。生成物の窒素含有量は、1.08重量%
であった。
【0034】実施例5 触媒として五酸化バナジウムの代わりに粉砕した硝酸コ
バルト(Co (NO33 ・6H2 O)を同量使用した以
外は、実施例1と同様にして70℃にて 6時間反応を行な
った後、同様に処理して生成物を得た。反応系内には二
酸化窒素/四酸化二窒素は残留していなかった。生成物
のカルボキシル基の含有率は 7.4ミリ当量/g、重量平
均分子量は 3,300であった。生成物の窒素含有量は、0.
72重量%であった。
【0035】実施例6 二酸化窒素使用量を 6.00g(二酸化窒素として 130ミリ
モル、トウモロコシデンプンピラノース単位の 6.7モル
倍) に変えた以外は、実施例1と同様にして反応を行な
った。70℃にて 6時間保った結果、オートクレーブ内は
4.2MPaに昇圧した。実施例1と同様に処理して生成物を
得た。反応系内には二酸化窒素/四酸化二窒素は残留し
ていなかった。生成物のカルボキシル基の含有率は10.0
ミリ当量/gであった。生成物の構造は、原料デンプン
を構成するピラノース単位の6位-CH2OH基のほぼ100%及
び2位及び3位の-CHOH-基のほぼ 45%がカルボキシル基
に酸化開裂したポリカルボン酸であった。重量平均分子
量は 3,700であった。生成物の窒素含有量は、0.07重量
%であった。
【0036】比較例2 触媒を使用しなかった以外は、実施例6と同様にして70
℃にて 6時間反応を行なった後、同様に処理して生成物
を得た。反応系内には二酸化窒素/四酸化二窒素がかな
り残留していた。生成物のカルボキシル基の含有率は
7.2ミリ当量/g、重量平均分子量は 3,200であった。
生成物の窒素含有量は、0.78重量%であった。
【0037】実施例7 触媒として五酸化バナジウムの代わりに粉砕したバナジ
ン酸アンモニウム(NH4 VO3 )を同量使用した以外
は、実施例1と同様にして70℃にて 6時間反応を行なっ
た後、同様に処理して生成物を得た。反応系内には二酸
化窒素/四酸化二窒素は残留していなかった。生成物の
カルボキシル基の含有率は 9.1ミリ当量/g、重量平均
分子量は 4,000であった。生成物の窒素含有量は、0.05
重量%であった。
【0038】実施例8 触媒として五酸化バナジウムの代わりに混合配位ヘテロ
ポリ酸であるリンバナジウムモリブデン酸(H5 PV2
Mo1040・30N2 O)粉砕物を同量使用した以外は、
実施例1と同様にして70℃にて 6時間反応を行なった
後、同様に処理して生成物を得た。反応系内には二酸化
窒素/四酸化二窒素は残留していなかった。生成物のカ
ルボキシル基の含有率は11.7ミリ当量/g、重量平均分
子量は 3,300であった。生成物の窒素含有量は、0.03重
量%であった。
【0039】実施例9 触媒として五酸化バナジウムの代わりに粉砕したリンモ
リブデン酸を同量使用した以外は、実施例1と同様にし
て70℃にて 6時間反応を行なった後、同様に処理して生
成物を得た。反応系内には二酸化窒素/四酸化二窒素は
残留していなかった。生成物のカルボキシル基の含有率
は 9.2ミリ当量/g、重量平均分子量は 2,300であっ
た。生成物の窒素含有量は、0.07重量%であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、多糖類を四酸化二窒素
/二酸化窒素で酸化する方法において、カルボキシル基
生成反応速度がより大きな酸化方法が提供される。本発
明により製造されるポリカルボン酸は、洗剤補助ビルダ
ーなどのポリカルボン酸として公知の用途又はその中間
原料として利用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖類を、遷移金属触媒の存在下、二酸
    化窒素/四酸化二窒素で酸化することを特徴とするカル
    ボキシ多糖類の製造方法。
  2. 【請求項2】 遷移金属触媒がバナジウムを含有する化
    合物である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 遷移金属触媒がモリブデンを含有する化
    合物である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 二酸化窒素/四酸化二窒素の量が多糖類
    を構成するピラノース単位の2倍モル以上である請求項
    1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 多糖類がデンプンである請求項1記載の
    製造方法。
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