JPH0516726A - 車両用灯具 - Google Patents

車両用灯具

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Publication number
JPH0516726A
JPH0516726A JP17109591A JP17109591A JPH0516726A JP H0516726 A JPH0516726 A JP H0516726A JP 17109591 A JP17109591 A JP 17109591A JP 17109591 A JP17109591 A JP 17109591A JP H0516726 A JPH0516726 A JP H0516726A
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JP
Japan
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hologram
hologram element
light
angle
rear window
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Application number
JP17109591A
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English (en)
Inventor
Masayuki Hori
雅之 堀
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Lighting Device Outwards From Vehicle And Optical Signal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外来光が車室内側に回折されることを防止す
る。 【構成】 リアウィンドウ2の車室内側にホログラム素
子12およびホログラム素子11を接着して構成された
ホログラム板10を設置し、ホログラム素子12によっ
て光源からの光を、ホログラム板10またはリアウィン
ドウ2と空気層との境界における臨界角よりも大きい角
度で回折し、ホログラム素子11によってホログラム素
子12の回折光を車両後方に回折するようにした。 【効果】 外来光が車室内側に回折されることを防止で
き、また、外来光がホログラム板によって車両後方に回
折されにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホログラム素子を用い
た車両用灯具に係わり、例えばハイマウントストップラ
ンプとして用いられる車両用灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイマウントストップランプを用いた車
両用灯具としては、特許出願公表平成1年502465
号公報に示されたようなものがある。図14にこのよう
な車両用灯具の一例を示す。
【0003】図14において、101,102,109
はそれぞれ車体、リアウィンドウおよびリアパーセルで
ある。リアウィンドウ102上にはいずれも反射型のホ
ログラム素子111,112を重ね合わせたホログラム
板110が設置されている。また、リアパーセル109
には光源103が埋設されている。光源103は白色電
球104、リフレクタ105、レンズ106および赤色
フィルタ107から構成される。白色電球104はフッ
トブレーキペダル(図示省略)と連動しており、フット
ブレーキペダルが踏まれたとき点灯する。
【0004】図14および図15に基づいて、上記装置
の作用を説明する。運転者によってフットブレーキペダ
ルが踏まれたとき、光源103の白色電球104から白
色光が放射される。この白色光はリフレクタ105によ
って反射される。そして、レンズ106によって所定の
配光分布に成形された後、赤色フィルタ107を通過す
る。その結果、光源103からは所定の配光分布を有す
る赤色光108が放射される。
【0005】次に、図15に示すように、赤色光108
はホログラム素子111に入射角θ20で入射される。そ
して、ホログラム素子111表面で屈折し、屈折角θ21
でホログラム素子111内部を伝搬する。ホログラム素
子111は角度θ21で伝搬する光を、そのまま透過させ
るように露光されているため、赤色光108は直進して
ホログラム素子112に入射する。ホログラム素子11
2は角度θ21で伝搬する光を回折するように露光されて
いるため、赤色光108は回折角θ22で回折される。
【0006】ホログラム素子112によって回折された
赤色光108はホログラム素子111に入射する。ホロ
グラム素子111は角度θ22で伝搬する光を回折するよ
うに露光されており、赤色光はホログラム素子111に
よって回折角θ23で回折される。ホログラム素子111
によって回折された赤色光108は回折角θ23のまま、
ホログラム素子112およびリアウィンドウ102を透
過し、リアウィンドウ102と空気層との境界面に達す
る。そして、この境界面で屈折し、屈折角θ24で空気層
に放射される。
【0007】上記の屈折角θ24を装置が車両に搭載され
たときに車両の水平方向と一致させることにより、赤色
光は車両後方に放射される。その結果、後続車両の搭乗
者119からはホログラム板110が赤色に発光して見
えるため、車両がブレーキ操作中であることが分かる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】車両のほぼ真上からリ
アウィンドウ102の車室外側表面に屈折角がθ22とな
るような外来光116(太陽光や街灯の光など)が入射
した場合、外来光116はリアウィンドウ102および
ホログラム素子112を透過する。そして、外来光11
6は入射角θ22でホログラム素子111に入射し、ホロ
グラム素子111の車室内側の表面で反射角θ22で反射
される。その結果、外来光116の赤色成分はホログラ
ム素子111の回折条件に合致し、ホログラム素子11
1によって回折角θ23で回折される。
【0009】そして、ホログラム素子111によって回
折された外来光116は、車室内側に放射される。その
結果、運転者からはバックミラーなどを介して回折光が
見えてしまい、運転者が不快感や違和感を感じてしまう
恐れがあった。
【0010】また、車両の後方より上方からリアウィン
ドウ102に屈折角がθ22となるような他の外来光11
7が入射した場合、外来光117はリアウィンドウ10
2、ホログラム素子112を透過し、ホログラム素子1
11に入射角θ22で入射する。その結果、外来光117
の赤色成分はホログラム素子111の回折条件に合致
し、ホログラム素子111によって回折角θ23で車室外
方向に回折される。そして、ホログラム素子111によ
って回折された外来光117は、上述の赤色光108と
同様の経路を経て車両後方に放射される。その結果、フ
ットブレーキ操作中でなくとも、後続車両の搭乗者11
9からはホログラム板110が赤色に発光しているよう
に見えてしまうという問題点があった。
【0011】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、外来光が車室内側や車両後方に回折
されにくい車両用灯具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、車室内に設置
された光源と、リアウィンドウに設置され、第1のホロ
グラム素子と第2のホログラム素子とが重ね合わされて
形成されるホログラム板と、を有する車両用灯具であ
り、前記第1のホログラム素子は、前記光源から放射さ
れた光を、前記リアウィンドウもしくは前記ホログラム
板と空気層との境界面の法線に対して、前記リアウィン
ドウと空気層との境界面における臨界角および前記ホロ
グラム板と空気層との境界面における臨界角のいずれよ
りも大きい角度をなす方向であり、かつ前記第2のホロ
グラム素子側の方向に回折するように露光されたもので
あり、前記第2のホログラム素子は、前記第1のホログ
ラム素子から入射された光を車室外側の所定方向に回折
するように露光されたものである。
【0013】
【作用】本発明によると、光源から放射された光が第1
のホログラム素子に車室内側より入射される。この光
は、第1のホログラム素子によって回折され、第2のホ
ログラム素子に入射する。このとき、第1のホログラム
素子から第2のホログラム素子に進行する光の方向は、
リアウィンドウもしくはホログラム板表面の法線に対し
て、リアウィンドウと空気層との境界面における臨界角
およびホログラム板と空気層との境界面における臨界角
のいずれよりも大きい角度をなす方向である。そして、
第2のホログラム素子に入射した光は第2のホログラム
素子によって回折されて、車両後方に放射される。
【0014】上記のホログラム板に外来光が入射され、
第1のホログラム素子もしくは第2のホログラム素子に
おける回折条件を満たすような外来光がホログラム板の
内部を伝搬した場合、この外来光はいずれかのホログラ
ム素子のうち回折条件を満たすホログラム素子によって
回折される。
【0015】このときの回折光の進行方向は、リアウィ
ンドウもしくはホログラム板表面の法線に対して、リア
ウィンドウと空気層との臨界角およびホログラム板と空
気層との臨界角のいずれよりも大きい角度をなす方向と
なる。
【0016】したがって、回折された外来光は、ホログ
ラム板もしくはリアウィンドウと空気層との境界面に、
臨界角より大きい角度で入射する。そのため、外来光は
この境界面で全反射した後、リアウィンドウとホログラ
ム板の表面で全反射を繰り返し、リアウィンドウもしく
はホログラム板の内部を伝搬する。
【0017】一方、第1のホログラム素子もしくは第2
のホログラム素子の内部を伝搬し、いずれかの回折条件
を満たす光のうち、第1のホログラム素子から第2のホ
ログラム素子に回折される光に平行なものは、リアウィ
ンドウまたはホログラム板表面に対して臨界角より大き
い角度で伝搬する光である。したがって、このような条
件を満たす光がホログラム板またはリアウィンドウの外
部から入射されることはない。すなわち、この条件を満
たす外来光は存在しないので、ホログラム板またはリア
ウィンドウの外に放射されることはない。
【0018】
【実施例】図1から図4に基づいて本発明の第1の実施
例について説明する。図1および図4は本実施例の構成
を示す断面図であり、図2および図3はホログラム素子
の製造方法を示す図である。
【0019】図1において、1,2,9はそれぞれ車
体、リアウィンドウおよびリアパーセルである。リアウ
ィンドウ2の車室内側には第1のホログラム素子として
の反射型ホログラム素子12が接着されている。そし
て、ホログラム素子12の車室内側の表面上には、ホロ
グラム素子12と形状および屈折率が等しい、第2のホ
ログラム素子としての反射型ホログラム素子11が接着
されている。なお、ホログラム素子11およびホログラ
ム素子12によってホログラム板10が構成される。
【0020】また、リアウィンドウ2はガラスで形成さ
れ、屈折率は約1.5である。ホログラム素子11,1
2は、フォトポリマまたはダイクロネートゼラチン(D
CG)で形成されている。したがって、ホログラム素子
11,12の屈折率はいずれも約1.5であり、リアウ
ィンドウ2の屈折率とほぼ等しくなる。さらに、リアウ
ィンドウ2、ホログラム素子11,12を接着する接着
剤には紫外線硬化型のものが使われており、この接着剤
の屈折率も約1.5である。
【0021】なお、ホログラム素子11,12の厚さ
(数〜数百[μm])はともに一定しており、リアウィ
ンドウ2の厚さ(3〜5[mm])も一定である。した
がって、リアウィンドウ2の車室外側の表面と、ホログ
ラム素子11の車室内側の表面とは平行になっている。
また、ホログラム素子の保護膜をホログラム素子11の
車室内側表面に形成する場合、この保護膜の車室内側表
面はリアウィンドウ2の車室外側の表面と平行になるよ
うに形成される。さらに、保護膜としては厚さ数十[μ
m]、屈折率およそ1.5のPET(PolyEthylene Tel
ephthalate resin)フィルムが使用される。
【0022】リアパーセル9には光源3が埋設されてい
る。光源3は白色電球4、リフレクタ5、レンズ6およ
び赤色フィルタ7から構成される。白色電球4はフット
ブレーキペダル(図示省略)と連動しており、通常の制
動灯と同様に、運転者によってフットブレーキペダルが
踏まれたときに点灯する。
【0023】次に図2に基づいて、ホログラム素子11
の露光方法について説明する。13はホログラム乾板で
ある。ホログラム乾板13の一方の面13aには断面形
状が長方形のガラスブロック91が設置される。また、
ホログラム乾板13の他方の面13bにはガラスブロッ
ク91と同一形状のガラスブロック92が設置される。
15,16はHe−Neレーザーによるレーザー光線
(波長632.8[nm])である。
【0024】レーザー光線15が、ガラスブロック92
のホログラム乾板13に平行な面92bに入射される。
レーザー光線15の入射角はθ5であり、面92bにお
ける屈折角がθ4となるような角度である。したがっ
て、レーザー光線15はホログラム乾板13の面13b
に、入射角θ4で入射する。ホログラム乾板13に入射
したレーザー光線15はホログラム乾板13およびガラ
スブロック91を透過して、ガラスブロック91の外に
放射される。なお、ホログラム乾板13およびガラスブ
ロック91,92の屈折率はいずれも約1.5でほぼ等
しいため、面13a,13bではほとんど屈折が起こら
ない。
【0025】また、上記の照射と同時にレーザー光線1
6が、ガラスブロック91のホログラム乾板13に垂直
な面91aに入射される。レーザー光線16の入射角は
θ6であり、面91aにおける屈折角が90゜−θ3とな
るような角度である。したがって、レーザー光線16は
ホログラム乾板13の面13aに、入射角θ3で入射す
る。また、入射角θ3は前述したホログラム素子11お
よびリアウィンドウ2のうち屈折率が最小のものと空気
層との境界面における臨界角よりも大きい角度に設定さ
れている。ホログラム乾板13に入射したレーザー光線
16はホログラム素子13およびガラスブロック92を
透過して、ガラスブロック92の外に放射される。
【0026】ホログラム乾板13はレーザー光線15お
よびレーザー光線16の干渉縞を記録する。そして、上
記干渉縞を記録したホログラム乾板13は、反射型のホ
ログラム素子11となる。以上のようにして製造された
ホログラム素子11の内部を表面の法線に対して角度θ
3で伝搬する赤色光は、上記干渉縞によって回折角θ4で
回折される。
【0027】次に図3に基づいて、ホログラム素子12
の露光方法について説明する。14はホログラム乾板で
ある。ホログラム乾板14の一方の面14aにはガラス
ブロック91が設置され、他方の面14bにはガラスブ
ロック92が設置される。17はHe−Neレーザーに
よるレーザー光線(波長632.8[nm])である。
【0028】レーザー光線16が、ガラスブロック91
の面91aに入射角θ6で入射される。したがって、レ
ーザー光線16はホログラム素子14の面14aに、入
射角θ3で入射する。ホログラム乾板14に入射したレ
ーザー光線16はホログラム乾板14およびガラスブロ
ック92を透過して、ガラスブロック92の外に放射さ
れる。なお、ホログラム乾板14およびガラスブロック
91,92の屈折率はいずれも約1.5でほぼ等しいた
め、面14a,14bではほとんど屈折が起こらない。
【0029】また、上記の照射と同時にレーザー光線1
7が、ガラスブロック92の面92bに入射される。レ
ーザー光線17の入射角はθ1であり、面92bにおけ
る屈折角はθ2となる。したがって、レーザー光線17
はホログラム乾板14の面14bに、入射角θ2で入射
する。ホログラム乾板14に入射したレーザー光線17
はホログラム乾板14およびガラスブロック91を透過
して、ガラスブロック91の外に放射される。
【0030】ホログラム乾板14はレーザー光線16お
よびレーザー光線17の干渉縞を記録する。そして、上
記干渉縞を記録したホログラム乾板14は、反射型のホ
ログラム素子12となる。以上のようにして製造された
ホログラム素子12の内部を表面の法線に対して角度θ
2で伝搬する赤色光は、上記干渉縞によって回折角θ4で
回折される。
【0031】次に、図1および図4に基づいて、上記装
置の作用を説明する。運転者によってフットブレーキペ
ダルが踏まれたとき、光源3の白色電球4から白色光が
放射される。この白色光はリフレクタ5によって反射さ
れる。そして、レンズ6によって開口角がほぼ0度の配
光分布に成形された後、赤色フィルタ7を通過する。そ
の結果、光源3からは開口角がほぼ0度で均一な分布を
有する赤色光8が放射される。
【0032】次に、図4に示すように、赤色光8は光路
20を通り、ホログラム素子11に入射角θ1で入射さ
れる。そして、ホログラム素子11表面で屈折し、屈折
角θ2でホログラム素子11内部を伝搬する。ホログラ
ム素子11は内部を角度θ2で伝搬する光を、そのまま
透過させるように製造されているため、赤色光8は直進
してホログラム素子12に入射する(光路21)。ホロ
グラム素子12は角度θ2で伝搬する光を回折するよう
に製造されており、赤色光8は回折角θ3でホログラム
素子11方向に回折される。ホログラム素子12によっ
て回折された赤色光8は光路22を通りホログラム素子
11に入射する(光路22)。ホログラム素子11は角
度θ3で入射した光を回折するように露光されており、
赤色光はホログラム素子11によって回折角θ4で回折
される。ホログラム素子11によって回折された赤色光
8は回折角θ4のまま、ホログラム素子12およびリア
ウィンドウ2を透過し、リアウィンドウ2と空気層との
境界面に達する(光路23)。そして、赤色光8はこの
境界面で屈折し、屈折角θ5で空気層に放射される(光
路24)。
【0033】上記の屈折角θ5は、当該装置が車両に搭
載されたときに車両の水平方向と一致するように設定さ
れている。したがって、赤色光8は光路24を通り車両
後方に放射される。その結果、後続車両の搭乗者からは
ホログラム板10が赤色に発光して見えるため、車両が
ブレーキ操作中であることが分かる。
【0034】次に、太陽光や街灯の光のような外来光の
うち、ホログラム素子11またはホログラム素子12の
回折条件を満たすものが入射された場合の作用を説明す
る。リアウィンドウ2に対して車両上方から入射角θ5
で入射する外来光25はリアウィンドウ2の表面で屈折
角θ4で屈折される。そして、外来光25はリアウィン
ドウ2、ホログラム素子12,11を透過して、ホログ
ラム素子11の車室内側表面に達し、ホログラム素子1
1表面で反射角θ4で反射される。このような外来光2
5の反射光は光路23に平行な光であり、外来光25の
赤色成分はホログラム素子11の回折条件を満たしてい
る。そのため、外来光25はホログラム素子11によっ
て回折角θ3で回折される。
【0035】このとき、外来光25は光路23を赤色光
8とは逆向きに伝搬したため、回折光は光路22と平行
に車室内方向に回折される。そして、ホログラム素子1
1の車室内側表面に入射角θ3で入射する。入射角θ3は
前述のようにホログラム素子11の臨界角よりも大きい
角度であるため、外来光25はホログラム素子11の表
面で全反射される。したがって、外来光25はホログラ
ム板10およびリアウィンドウ2の表面で全反射を繰り
返し、次第に減衰したり、リアウィンドウ2の端部に到
達し、吸収されてしまう。そのため、外来光25はリア
ウィンドウ2またはホログラム板10の内部に閉じこめ
られ、車両後方または車室内側に放射されない。
【0036】また、リアウィンドウ2に対して車両上方
から入射角θ1で入射する外来光27はリアウィンドウ
2の表面で、屈折角θ2で屈折される。そして、外来光
27は光路21と平行に赤色光8とは逆向きに進行し
て、リアウィンドウ2を透過した後、ホログラム素子1
2の内部を伝搬する。外来光27に含まれる赤色の波長
成分は、ホログラム素子12の回折条件を満たしており
回折角θ3で回折される。このとき、外来光27は光路
21を伝搬する赤色光8とは逆向きに伝搬したため、回
折光は光路22と平行に車両後方に回折される。その結
果、外来光27は再びリアウィンドウ2に入射される。
そして、リアウィンドウ2の内部を透過し、リアウィン
ドウ2の車室外側の表面に達する。この外来光27の回
折光がリアウィンドウ2の表面に入射するときの入射角
は回折角θ3に等しい。また、入射角θ3は、上述のよう
にリアウィンドウ2と空気層との境界面における臨界角
よりも大きく設定されている。したがって、外来光27
はリアウィンドウ2の表面で全反射を繰り返し、次第に
減衰したり、リアウィンドウ2の端部で吸収されてしま
う。そのため、外来光27はリアウィンドウ2の内部に
閉じこめられて、車両後方または車室内側に放射されな
い。
【0037】なお、光路22と平行に進行する光はホロ
グラム素子11またはホログラム素子12で回折され、
車室内側または車室外側に放射される。しかし、外来光
は臨界角より大きい角度で入射することはできないた
め、このような光は存在しない。
【0038】また、車両後方から光路24を赤色光8と
逆向きに進行してリアウィンドウ2に入射する外来光2
6は、光路23,22,21,20を赤色光8とは逆向
きに進行し、光源3に達する。したがって、外来光の回
折光は、後続車の搭乗者や自車両の搭乗者からは見えな
い。
【0039】以上のように第1の実施例によれば、リア
ウィンドウ2の車室内側にホログラム素子12を接着
し、ホログラム素子12の表面にホログラム素子11を
接着し、ホログラム素子12によって光源からの光を、
ホログラム素子11およびリアウィンドウ2と空気層と
の境界における臨界角よりも大きい角度θ3で回折し、
ホログラム素子11によってホログラム素子12の回折
光を車両後方に回折するようにした。
【0040】そのため、外来光がホログラム素子11,
12に入射された場合、外来光が車室内側に回折される
ことがなくなるため、搭乗者に不快感もしくは違和感な
どを感じさせることを防止することができるという効果
が得られる。また、外来光がホログラム素子11,12
によって車両後方に回折されなくなるため、ブレーキ操
作が行われていないにも係わらず後続車からホログラム
板10が発光して見えることを抑えることができるとい
う効果が得られる。
【0041】次に、図5から図7に基づいて本発明の第
2の実施例について説明する。本実施例の構成は、ホロ
グラム板を構成するホログラム素子の露光方法のみが異
なり、そのほかは第1の実施例と同様の構成である。図
5に本実施例の構成を示す。図5において、リアウィン
ドウ2の車室内側には第1のホログラム素子としての反
射型ホログラム素子32が接着されている。そして、ホ
ログラム素子32の車室内側の表面上には、第2のホロ
グラム素子としての反射型ホログラム素子31が接着さ
れている。なお、ホログラム素子31およびホログラム
素子32によってホログラム板30が構成される。
【0042】図6に基づいて、ホログラム素子31の露
光方法について説明する。33はホログラム乾板であ
る。ホログラム乾板33の面33a,33bにはガラス
ブロック91,92が設置される。35,36はHe−
Neレーザーによるレーザー光線(波長632.8[n
m])である。
【0043】レーザー光線35が、ガラスブロック92
の面92bに入射角θ5で入射される。レーザー光線3
5は面92bで屈折し、ホログラム乾板33の面33b
に、入射角θ4で入射する。また、上記の照射と同時に
レーザー光線36が、ガラスブロック91の面91cに
入射角θ8で入射される。レーザー光線36は面91c
で屈折角90゜−θ7で屈折する。したがって、レーザ
ー光線36はホログラム乾板33の面33aに、入射角
θ7で入射する。また、入射角θ7は前述のホログラム素
子31およびリアウィンドウ2のうち屈折率が最小のも
のと空気層との境界面における臨界角よりも大きい角度
に設定されている。ホログラム乾板33はレーザー光線
35およびレーザー光線36の干渉縞を記録する。そし
て、上記干渉縞を記録したホログラム乾板33は反射型
のホログラム素子31となる。
【0044】次に図7に基づいて、ホログラム素子32
の露光方法について説明する。34はホログラム乾板で
ある。ホログラム乾板34の一方の面34aにはガラス
ブロック91が設置され、他方の面34bにはガラスブ
ロック92が設置される。37はHe−Neレーザーに
よるレーザー光線(波長632.8[nm])である。
【0045】レーザー光線36が、図6と同様にガラス
ブロック91の面91cに入射される。なお、ホログラ
ム乾板34およびガラスブロック91,92の屈折率は
いずれも約1.5でほぼ等しい。また、上記の照射と同
時にレーザー光線37が、ガラスブロック92の面92
bに入射角θ1で入射され、屈折角θ2で屈折される。し
たがって、レーザー光線37はホログラム乾板34の面
34bに、入射角θ2で入射する。ホログラム乾板34
はレーザー光線36およびレーザー光線37の干渉縞を
記録する。そして、上記干渉縞を記録したホログラム乾
板34は反射型のホログラム素子32となる。
【0046】次に、図5に基づいて、上記装置の作用を
説明する。運転者によってフットブレーキペダルが踏ま
れたとき、光源3から赤色光8が放射される。赤色光8
は光路40を通り、ホログラム素子31に入射角θ1で
入射される。そして、赤色光8は光路41、光路42、
光路43を経て、ホログラム板30およびリアウィンド
ウ2の内部を伝搬する。そして光路44より車両後方に
放射される。したがって、後続車両の搭乗者からはホロ
グラム板30が赤色に発光して見えるため、車両がブレ
ーキ操作中であることが分かる。
【0047】次に、太陽光や街灯の光のような外来光の
うち、ホログラム素子31またはホログラム素子32の
回折条件を満たすものが入射された場合の作用を説明す
る。リアウィンドウ2に対して車両上方から入射角θ5
で入射する外来光45はリアウィンドウ2の表面で屈折
角θ4で屈折される。そして、リアウィンドウ2、ホロ
グラム素子32,31を透過し、ホログラム素子31表
面で反射角θ4で反射される。このような外来光45の
赤色成分はホログラム素子31の回折条件を満たしてい
る。そのため、外来光45はホログラム素子31によっ
て回折角θ7で車室内方向に回折される。そして、ホロ
グラム素子31の車室内側表面に入射角θ7で入射す
る。上述のように入射角θ7はホログラム素子31の臨
界角よりも大きい角度であるため、外来光45はホログ
ラム素子31の表面で全反射される。したがって、外来
光45はホログラム板30およびリアウィンドウ2の表
面で全反射を繰り返し、次第に減衰したり、リアウィン
ドウ2の端部に到達し、吸収されてしまう。そのため、
外来光25はリアウィンドウ2またはホログラム板30
の内部に閉じこめられ、車両後方または車室内側に放射
されない。
【0048】また、リアウィンドウ2に対して車両上方
から入射角θ1で入射する外来光47はリアウィンドウ
2の表面で、屈折角θ2で屈折される。そして、光路4
1と平行に赤色光8とは逆向きに進行して、リアウィン
ドウ2を透過した後、ホログラム素子32の内部を伝搬
する。外来光47に含まれる赤色の波長成分は、ホログ
ラム素子32の回折条件を満たしており回折角θ7で車
室外側に回折される。そして、リアウィンドウ2の内部
を透過し、リアウィンドウ2の車室外側の表面に入射角
θ7で達する。入射角θ7は、上述のようにリアウィンド
ウ2と空気層との境界面における臨界角よりも大きく設
定されている。したがって、外来光47はリアウィンド
ウ2の表面で全反射を繰り返し、次第に減衰したり、リ
アウィンドウ2の端部で吸収されてしまう。そのため、
外来光47はリアウィンドウ2の内部に閉じこめられ
て、車両後方または車室内側に放射されない。
【0049】また、車両後方から光路44を赤色光8と
逆向きに進行してリアウィンドウ2に入射する外来光4
6は、光43,42,41,40を赤色光8とは逆向き
に進行し、光源3に達する。したがって、外来光の回折
光は、後続車の搭乗者や自車両の搭乗者からは見えな
い。
【0050】以上のように第2の実施例によれば、リア
ウィンドウ2の車室内側にホログラム素子32を接着
し、ホログラム素子32の表面にホログラム素子31を
接着し、ホログラム素子32によって光源からの光を、
ホログラム素子32およびリアウィンドウ2と空気層と
の境界における臨界角よりも大きい角度θ7で回折し、
ホログラム素子31によってホログラム素子32の回折
光を車両後方に回折するようにした。
【0051】したがって、ホログラム素子31,32の
回折角を第1の実施例と異なった角度としても第1の実
施例と同様の効果が得られる。
【0052】次に、図8から図10に基づいて本発明の
第3の実施例について説明する。本実施例の構成は、ホ
ログラム板を構成するホログラム素子の露光方法のみが
異なり、そのほかは第1の実施例と同様の構成である。
図8に本実施例の構成を示す。図8において、リアウィ
ンドウ2の車室内側には第2のホログラム素子としての
透過型ホログラム素子52が接着されている。そして、
ホログラム素子52の車室内側の表面上には、第1のホ
ログラム素子としての透過型ホログラム素子51が接着
されている。なお、ホログラム素子51およびホログラ
ム素子52によってホログラム板50が構成される。
【0053】図9に基づいて、ホログラム素子51の露
光方法について説明する。53はホログラム乾板であ
る。ホログラム乾板53の面53a,53bには断面形
状が長方形のガラスブロック91,92が設置される。
55,56はHe−Neレーザーによるレーザー光線
(波長632.8[nm])である。
【0054】レーザー光線55が、ガラスブロック92
の面92bに入射角θ1で入射され、屈折角θ2で屈折さ
れる。したがって、レーザー光線55はホログラム乾板
53の面53bに、入射角θ2で入射する。なお、ホロ
グラム乾板53およびガラスブロック91,92の屈折
率はいずれもほぼ等しい。
【0055】また、上記の照射と同時にレーザー光線5
6が、ガラスブロック92の面92aに入射される。レ
ーザー光線36の入射角はθ10であり、面92aにおい
て屈折角90゜−θ9で屈折する。したがって、レーザ
ー光線56はホログラム乾板53の面53bに、入射角
θ9で入射する。また、入射角θ9は上述したホログラム
素子51およびリアウィンドウ2のうち屈折率が最小の
ものと空気層との境界面における臨界角よりも大きい角
度に設定されている。ホログラム乾板53はレーザー光
線55およびレーザー光線56の干渉縞を記録する。そ
して、上記干渉縞を記録したホログラム乾板53は透過
型のホログラム素子51となる。以上のようにして製造
されたホログラム素子51の内部を表面の法線に対して
角度θ2で伝搬する赤色光は、上記干渉縞によって回折
角θ9で回折される。
【0056】次に、図10に基づいて、ホログラム素子
52の露光方法について説明する。54はホログラム乾
板であり、面54a,54bにはガラスブロック91,
92が設置されている。57はHe−Neレーザーによ
るレーザー光線(波長632.8[nm])である。
【0057】レーザー光線56が、図9と同様にガラス
ブロック92の面92aに入射される。なお、ホログラ
ム乾板34およびガラスブロック91,92の屈折率は
いずれも約1.5でほぼ等しい。また、上記の照射と同
時にレーザー光線57が、ガラスブロック92の面92
bに入射角θ5で入射され、屈折角θ4で屈折される。し
たがって、レーザー光線57はホログラム乾板54の面
54bに、入射角θ4で入射する。ホログラム乾板54
はレーザー光線56およびレーザー光線57の干渉縞を
記録する。そして、上記干渉縞を記録したホログラム乾
板54は透過型のホログラム素子52となる。以上のよ
うにして製造されたホログラム素子52の内部を表面の
法線に対して角度θ9で伝搬する赤色光は、上記干渉縞
によって回折角θ4で回折される。
【0058】次に、図8に基づいて、上記装置の作用を
説明する。運転者によってフットブレーキペダルが踏ま
れたとき、光源3から赤色光8が放射される。そして、
赤色光8は光路60を通り、ホログラム素子51に入射
角θ1で入射される。赤色光8はホログラム素子51表
面で屈折し、屈折角θ2でホログラム素子51内部を伝
搬する。(光路61)。ホログラム素子51は角度θ2
で伝搬する光を回折するように製造されている。そのた
め、赤色光8は回折角θ9で回折され、ホログラム素子
52に入射する(光路62)。ホログラム素子52は角
度θ9で入射した光を回折するように露光されているの
で、赤色光8は回折角θ4で回折される。そして、ホロ
グラム素子52によって回折された赤色光8はリアウィ
ンドウ2と空気層との境界面に達する(光路63)。そ
して、赤色光8はこの境界面で屈折し、屈折角θ5で空
気層に放射される(光路64)。その結果、後続車両の
搭乗者からはホログラム板50が赤色に発光して見える
ため、車両がブレーキ操作中であることが分かる。
【0059】次に、太陽光や街灯の光のような外来光の
うち、ホログラム素子51またはホログラム素子52の
回折条件を満たすものが入射された場合の作用を説明す
る。リアウィンドウ2に対して車両上方から入射角θ5
で入射する外来光65はリアウィンドウ2の表面で屈折
角θ4で屈折される。そして、リアウィンドウ2、ホロ
グラム素子52,51を透過し、ホログラム素子51表
面で反射角θ4で反射された後、ホログラム素子52に
入射される。このような外来光65の赤色成分はホログ
ラム素子52の回折条件を満たしている。そのため、外
来光65はホログラム素子52によって回折角θ9で車
室外方向に回折される。そして、回折された外来光65
はリアウィンドウ2の車室外側表面に入射角θ9で入射
する。入射角θ9はリアウィンドウ2の臨界角よりも大
きい角度であるため、外来光65はリアウィンドウ2の
表面で全反射される。したがって、外来光65はホログ
ラム板50およびリアウィンドウ2の表面で全反射を繰
り返し、次第に減衰したり、リアウィンドウ2の端部に
到達して吸収されてしまう。そのため、外来光65はリ
アウィンドウ2またはホログラム板50の内部に閉じこ
められ、車両後方または車室内側に放射されない。
【0060】また、リアウィンドウ2に対して車両上方
から入射角θ1で入射する外来光67はリアウィンドウ
2の表面で、屈折角θ2で屈折される。そして、外来光
67はリアウィンドウ2およびホログラム素子52を透
過して、ホログラム素子51の内部を伝搬する。外来光
67に含まれる赤色の波長成分は、ホログラム素子51
の回折条件を満たしている。そのため、回折角θ9で車
室内側に回折され、ホログラム素子51の車室内側の表
面に達する。入射角θ9は、上述のようにホログラム素
子51と空気層との境界面における臨界角よりも大きく
設定されている。したがって、外来光67はリアウィン
ドウ2の表面で全反射を繰り返し、次第に減衰したり、
リアウィンドウ2の端部で吸収されてしまう。そのた
め、外来光67はリアウィンドウ2の内部に閉じこめら
れて、車両後方または車室内側に放射されない。
【0061】また、車両後方から光路64を赤色光8と
逆向きに進行してリアウィンドウ2に入射する外来光6
6は、光路63,62,61,60を赤色光8とは逆向
きに進行し、光源3に達する。したがって、外来光の回
折光は、後続車の搭乗者や自車両の搭乗者からは見えな
い。
【0062】なお、光路62と平行に進行する光は、ホ
ログラム素子51またはホログラム素子52で回折さ
れ、車室内側または車室外側に放射される。しかし、光
は臨界角より大きい角度で入射することはできないた
め、このような外来光は存在しない。
【0063】以上のように第3の実施例によれば、リア
ウィンドウ2の車室内側にホログラム素子52を接着
し、ホログラム素子52の表面にホログラム素子51を
接着し、ホログラム素子51によって光源からの光を、
ホログラム板50およびリアウィンドウ2と空気層との
境界における臨界角よりも大きい角度θ9で回折し、ホ
ログラム素子52によってホログラム素子51の回折光
を車両後方に回折するようにした。
【0064】したがって、ホログラム素子を透過型とし
た場合でも第1および第2の実施例と同様の効果が得ら
れる。
【0065】次に、図11から図13に基づいて本発明
の第4の実施例について説明する。本実施例の構成は、
ホログラム板を構成するホログラム素子の露光方法のみ
が異なり、そのほかは第3の実施例と同様の構成であ
る。図11に本実施例の構成を示す。図11において、
リアウィンドウ2の車室内側には第2のホログラム素子
としての透過型ホログラム素子72が接着されている。
そして、ホログラム素子72の車室内側の表面上には、
第1のホログラム素子としての透過型ホログラム素子7
1が接着されている。なお、ホログラム素子71および
ホログラム素子72によってホログラム板70が構成さ
れる。
【0066】図12に基づいて、ホログラム素子71の
露光方法について説明する。73はホログラム乾板であ
る。ホログラム乾板73の面73a,73bには断面形
状が長方形のガラスブロック91,92が設置される。
75,76はHe−Neレーザーによるレーザー光線
(波長632.8[nm])である。
【0067】レーザー光線75が、ガラスブロック92
の面92bに入射角θ1で入射され、屈折角θ2で屈折さ
れる。したがって、レーザー光線75はホログラム乾板
73の面73bに、入射角θ2で入射する。なお、ホロ
グラム乾板73およびガラスブロック91,92の屈折
率はいずれもほぼ等しい。
【0068】また、上記の照射と同時にレーザー光線7
6が、ガラスブロック92の面92cに入射される。レ
ーザー光線76の入射角はθ12であり、面92cにおい
て屈折角90゜−θ11で屈折する。したがって、レーザ
ー光線76はホログラム乾板73の面73bに、入射角
θ11で入射する。なお、入射角θ11は上述のホログラム
素子71およびリアウィンドウ2のうち屈折率が最小の
ものと空気層との境界面における臨界角よりも大きい角
度に設定されている。ホログラム乾板73はレーザー光
線75およびレーザー光線76の干渉縞を記録する。そ
して、干渉縞を記録したホログラム乾板73は透過型の
ホログラム素子71となる。
【0069】次に、図13に基づいて、ホログラム素子
72の露光方法について説明する。74はホログラム乾
板であり、面74a,74bにはガラスブロック91,
92が設置されている。77はHe−Neレーザーによ
るレーザー光線(波長632.8[nm])である。レ
ーザー光線76が、図12と同様にガラスブロック92
の面92cに入射される。なお、ホログラム乾板74お
よびガラスブロック91,92の屈折率はいずれも約
1.5でほぼ等しい。また、上記の照射と同時にレーザ
ー光線77が、ガラスブロック92の面92bに入射角
θ5で入射され、屈折角θ4で屈折される。したがって、
レーザー光線77はホログラム乾板74の面74bに、
入射角θ4で入射する。ホログラム乾板74はレーザー
光線76およびレーザー光線77の干渉縞を記録する。
そして、上記干渉縞を記録したホログラム乾板74は透
過型のホログラム素子72となる。
【0070】次に、図11に基づいて、上記装置の作用
を説明する。運転者によってフットブレーキペダルが踏
まれたとき、光源3から赤色光8が放射される。そし
て、赤色光8は光路80,81,82,83,84を通
り車両後方に放射される。その結果、後続車両の搭乗者
からはホログラム板70が赤色に発光して見えるため、
車両がブレーキ操作中であることが分かる。
【0071】次に、太陽光や街灯の光のような外来光の
うち、ホログラム素子71またはホログラム素子72の
回折条件を満たすものが入射された場合の作用を説明す
る。リアウィンドウ2に対して車両上方から入射角θ5
で入射する外来光85は、ホログラム素子71の車室内
側表面で反射され、ホログラム素子72内部を反射角θ
2で伝搬する。このような外来光85の赤色成分はホロ
グラム素子72によって回折角θ11で車室外方向に回折
される。そして、回折された外来光85はリアウィンド
ウ2の車室外側表面に入射角θ11で入射し、リアウィン
ドウ2の表面で全反射される。したがって、外来光85
はホログラム板70およびリアウィンドウ2の表面で全
反射を繰り返し、車両後方または車室内側に放射されな
い。
【0072】また、リアウィンドウ2に対して車両上方
から入射角θ1で入射する外来光87はリアウィンドウ
2の表面で、屈折角θ2で屈折される。そして、外来光
87の赤色成分はホログラム素子71の内部で回折さ
れ、ホログラム素子71の車室内側の表面に入射角θ11
で入射する。したがって、外来光87はリアウィンドウ
2の表面で全反射を繰り返し、次第に減衰したり、リア
ウィンドウ2の端部で吸収される。そのため、外来光8
7は車両後方または車室内側に放射されない。
【0073】また、車両後方から光路84方向からリア
ウィンドウ2に入射する外来光86は光源3に達する。
したがって、外来光の回折光は、後続車の搭乗者や自車
両の搭乗者からは見えない。
【0074】以上のように第4の実施例によれば、リア
ウィンドウ2の車室内側にホログラム素子72を接着
し、ホログラム素子72の表面にホログラム素子71を
接着し、ホログラム素子71によって光源からの光を、
ホログラム板70およびリアウィンドウ2と空気層との
境界における臨界角よりも大きい角度θ11で回折し、ホ
ログラム素子72によってホログラム素子71の回折光
を車両後方に回折するようにした。
【0075】したがって、ホログラム素子71,72の
回折角を第3の実施例と異なった角度としても第3の実
施例と同様の効果が得られる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、リ
アウィンドウの車室内側に第1のホログラム素子および
第2のホログラム素子を重ね合わせて構成されたホログ
ラム板を設置し、第1のホログラム素子によって光源か
らの光を、ホログラム板またはリアウィンドウと空気層
との境界における臨界角よりも大きい角度で回折し、第
2のホログラム素子によって第1のホログラム素子の回
折光を車両後方に回折するようにした。
【0077】そのため、ホログラム板の回折条件に合う
外来光がホログラム板に入射された場合、外来光が車室
内側に回折されることがなくなるため、搭乗者に不快感
もしくは違和感などを感じさせることを防止することが
できるという効果が得られる。また、外来光がホログラ
ム板によって車両後方に回折されなくなるため、ブレー
キ操作が行われていないにも係わらず後続車からホログ
ラム板が発光して見えることを抑えることができるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成を示す断面図。
【図2】第1の実施例のホログラム素子の製造方法を示
す図。
【図3】第1の実施例のホログラム素子の製造方法を示
す図。
【図4】第1の実施例の作用を示す部分断面図。
【図5】第2の実施例のホログラム素子の製造方法を示
す図。
【図6】第2の実施例のホログラム素子の製造方法を示
す図。
【図7】第2の実施例の作用を示す部分断面図。
【図8】第3の実施例のホログラム素子の製造方法を示
す図。
【図9】第3の実施例のホログラム素子の製造方法を示
す図。
【図10】第3の実施例の作用を示す部分断面図。
【図11】第4の実施例のホログラム素子の製造方法を
示す図。
【図12】第4の実施例のホログラム素子の製造方法を
示す図。
【図13】第4の実施例の作用を示す部分断面図。
【図14】従来例の構成を示す断面図。
【図15】従来例の作用を示す部分断面図。
【符号の説明】
3 光源 2 リアウィンドウ 10 ホログラム板 11 ホログラム素子 12 ホログラム素子

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】車室内に設置された光源と、 リアウィンドウに設置され、第1のホログラム素子と第
    2のホログラム素子とが重ね合わされて形成されるホロ
    グラム板と、 を有し、 前記第1のホログラム素子は、前記光源から放射された
    光を、前記リアウィンドウもしくは前記ホログラム板と
    空気層との境界面の法線に対して、前記リアウィンドウ
    と空気層との境界面における臨界角および前記ホログラ
    ム板と空気層との境界面における臨界角のいずれよりも
    大きい角度をなす方向であり、かつ前記第2のホログラ
    ム素子側の方向に回折するように露光されたものであ
    り、 前記第2のホログラム素子は、前記第1のホログラム素
    子から入射された光を車室外側の所定方向に回折するよ
    うに露光されたものである、 車両用灯具。
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