JP3523106B2 - ホログラムの露光装置 - Google Patents

ホログラムの露光装置

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JP3523106B2
JP3523106B2 JP05354099A JP5354099A JP3523106B2 JP 3523106 B2 JP3523106 B2 JP 3523106B2 JP 05354099 A JP05354099 A JP 05354099A JP 5354099 A JP5354099 A JP 5354099A JP 3523106 B2 JP3523106 B2 JP 3523106B2
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hologram
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの窓ガ
ラスに光を導入及び導出して、雨滴が付着したことを検
出してワイパーなどを自動的に駆動させるための雨滴検
出用検出光の導入用ホログラムと導出用ホログラム、あ
るいはブレーキに応じて点灯し後続車に知らせるハイマ
ウントストップランプ用光源の導入用ホログラムと導出
用ホログラムの露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雨滴を検出する装置は、フロント
ガラスに向けて配された発光素子と、フロントガラスに
向けて配されるとともに発光素子より発せられフロント
ガラス内を全反射した光を受光する素子とを有し、フロ
ントガラス上の雨滴によって生じる受光素子における受
光量の変化に基づき雨滴の存在を検出する装置(特開平
10−62336号公報)などが出願されている。
【0003】しかしながら、プリズムの形状、設置状況
により検出装置全体の寸法が大きくなって運転者などに
とって邪魔な存在になるばかりか、導入用、導出用プリ
ズムを発光素子、受光素子との位置関係で正確に取り付
ける必要がある。
【0004】そこで本発明者らはホログラムを利用して
検出光の導入と導出を行う検出装置を特願平10−31
2015号として提案しているが、その場合のホログラ
ムを通常の方法により2種類別個に露光するのでは、2
回の露光作業を行う必要があり、露光作業が増えるばか
りでなく、別個に作製した2枚のホログラムを検出光の
導入用、導出用として車両用のフロントガラスなどに配
設する場合には、位置合わせが困難である。この問題を
解決するために1枚のシートに2種類のホログラムを露
光することが考えられるがこの場合には、作製中のホロ
グラム領域に不要な光(特にガラス基板の臨界角を超え
る角度で入射するレーザー光による迷光)が照射されな
いような煩雑な減光処理に、また同領域以外の領域に不
要なホログラムが作製されないような煩雑なマスキング
処理が必要となる。
【0005】従来、雨滴を検出する装置は、室内側に発
光素子と受光素子を配設し、発光素子からの発光ビーム
と、受光素子の受光視野とが室外においてガラスの前方
所定距離で交差するようにし、センシング領域内に雨滴
が存在すると発光素子からの光が雨滴に当たって散乱光
を発し、該散乱光を受光素子が検出して雨滴を検出する
装置(特開平10−96791号公報)、フロントガラ
スに向けて配された発光素子と、フロントガラスに向け
て配されるとともに発光素子より発せられフロントガラ
ス内を全反射した光を受光する素子とを有し、フロント
ガラス上の雨滴によって生じる受光素子における受光量
の変化に基づき雨滴の存在を検出する装置(特開平10
−62336号公報)などが出願されている。
【0006】しかしながら、特開平10−96791号
公報に示される装置では、常時前方向に検出光の赤外線
を放出するが、検出領域が広いので赤外線放射、検出に
エネルギーを要し、車両などの移動体において電力消費
が大きくなることから問題があり、特に車室内に装置を
配する場合には、近年の車両のフロントガラスでは車室
内への熱の流入を抑制するため遮熱効果の高いグリーン
系の着色ガラスが多く用いられており、これらは、3μ
mより長い波長では10%以下と著しく透過率が低く、
それより短い赤外線域においても透過率が50%以下と
低いことから特にこの点が懸念され、装置、さらには制
御システム全体としても大がかりとならざるを得ない。
【0007】また、特開平10−62336号公報に示
される装置では、プリズムの形状、設置状況により検出
装置全体の寸法が大きくなって運転者などにとって邪魔
な存在になるばかりか、導入用、導出用プリズムを発光
素子、受光素子との位置関係で正確に取り付ける必要が
ある。
【0008】そこで本発明者らはホログラムを利用して
検出光の導入と導出を行う検出装置を特願平10−31
2015号として提案しているが、その場合のホログラ
ムを通常の方法により2種類別個に露光するのでは、2
回の露光作業を行う必要があり、露光作業が増えるばか
りでなく、別個に作製した2枚のホログラムを検出光の
導入用、導出用として車両用のフロントガラスなどに配
設する場合には、位置合わせが困難である。この問題を
解決するために1枚のシートに2種類のホログラムを露
光することが考えられるがこの場合には、作製中所望の
ホログラム領域に不要な光(特にガラス基板の臨界角を
超える角度で入射するレーザー光による迷光)が照射さ
れないような煩雑な減光処理に、また同領域以外の領域
に不要なホログラムが作製されないような煩雑な、マス
キング処理が必要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
点に鑑みてなされたものであり、露光作業が1回で済
み、1枚のシートに露光する場合にも、煩雑な減光処理
やマスキング処理なども不要であるホログラム露光装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のホログラムの露
光装置は、2種類の透過型ホログラムを形成する場合に
は、ガラス基板に感光材を貼着して配置した乾板と、該
感光材の一方の面に物体光と参照光を入射させるレーザ
ーを含む光学系とを少なくとも具備し、第1の物体光と
第1の参照光により第1のホログラムを形成し、第2の
物体光と第2の参照光により第2のホログラムを形成さ
せるホログラムの露光装置において、前記光学系から第
1の参照光として入射させる平面と、ガラス基板中で全
反射するように前記光学系から第1の物体光として入射
させる平面を少なくとも具備する第1のプリズムを前記
乾板の感光材側に密着させるとともに、前記光学系から
のレーザー光が前記乾板のガラス面側から感光材側に向
けて入射させた光を第2の物体光として出射させる平面
と、前記第1の物体光がガラス基板内を全反射して進行
した光を第2の参照光として出射させる平面を少なくと
も有する第2のプリズムを前記乾板の感光材側に第1の
プリズムとは離隔して密着させたことを特徴とする。
【0011】また、2種類の反射型ホログラムを作製す
る場合には、前記光学系からのレーザー光が前記乾板の
ガラス基板側から感光材側に向けて入射させた光を第1
の参照光として出射させる平面と、ガラス基板中で全反
射するように第1の物体光を前記光学系から入射させる
平面を少なくとも具備する第1のプリズムを前記乾板の
光学系側に密着させるとともに、前記光学系から第2の
物体光として入射させる平面と、前記第1の物体光がガ
ラス基板内を全反射して進行した光を第2の参照光とし
て出射させる平面を少なくとも有する第2のプリズムを
前記乾板の光学系側に第1のプリズムとは離隔して密着
させたことを特徴とする。
【0012】さらに、一対の透過型ホログラムと反射型
ホログラムを作製する場合には、前記光学系から第1の
参照光として入射させる平面と、ガラス基板中で全反射
するように前記光学系から第1の物体光として入射させ
る平面を少なくとも具備する第1のプリズムを前記乾板
の感光材側に密着させるとともに、前記光学系から第2
の物体光として入射させる平面と、前記第1の物体光が
ガラス基板内を全反射して進行した光を第2の参照光と
して出射させる平面を少なくとも有する第2のプリズム
を前記乾板の光学系側に第1のプリズムとは離隔して密
着させたことを特徴とする。
【0013】本発明は、車両用の窓ガラスなどに設けた
光源などから光を導入し、窓ガラスなどを全反射させる
ように回折する導入用のホログラムと、窓ガラスなどを
全反射して進行する光を外部の受光素子などに導出する
ように回折する導出用のホログラムを、さらには場合に
より、導入用のホログラムと導出用のホログラムの間に
伝搬用のホログラムを1回の露光作業で容易に作製する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】雨滴検出用途としては、ホログラ
ムは透過型ホログラム、反射型ホログラムのいずれも使
用可能であり、発光素子からの光を透明板状体に導入す
る際のホログラムは発光素子の光をフロントガラスなど
の透明板状体中で全反射するように回折角を板ガラスの
場合で41.1°以上とし、雨滴(屈折率1.33)と
透明板状体との界面で全反射しないように60.1°以
下になるようなホログラムを使用する必要があり、透明
板状体から受光素子へ導出する際のホログラムは逆に透
明板状体中を全反射してきた光を受光素子に出射するよ
うなホログラムを使用する必要がある。
【0015】したがって、透過型ホログラムの作製は、
レーザー光源を含む光学系から第1の参照光として入射
させる平面と、ガラス基板中で全反射するように前記光
学系から第1の物体光として入射させる平面を少なくと
も具備する第1のプリズムをガラス基板に感光材を貼着
して配置した乾板の感光材側に密着させるとともに、前
記光学系からのレーザー光が前記乾板のガラス基板側か
ら感光材側に向けて入射させた光を第2の物体光として
出射させる平面と、前記第1の物体光がガラス基板内を
全反射して進行した光を第2の参照光として出射させる
平面を少なくとも有する第2のプリズムを前記乾板の感
光材側に第1のプリズムとは離隔して密着させた状態で
露光すれば、第1のホログラムが導入用ホログラムとし
て、第2のホログラムが導出用ホログラムとして1回の
露光作業で作製することができる。
【0016】反射型ホログラムの作製は、物体光あるい
は参照光のどちらかを透過型ホログラムの場合と逆向き
に感光材に入射させればよく、光学系からのレーザー光
が前記乾板のガラス基板側から感光材側に向けて入射さ
せた光を第1の参照光として出射させる平面と、ガラス
基板中で全反射するように第1の物体光を前記光学系か
ら入射させる平面を少なくとも具備する第1のプリズム
を前記感光材の光学系側に密着させるとともに、前記光
学系から第2の物体光として入射させる平面と、前記第
1の物体光がガラス基板内を全反射して進行した光を第
2の参照光として出射させる平面を少なくとも有する第
2のプリズムを前記乾板の感光材側に第1のプリズムと
は離隔して密着させた状態で露光すれば、第1のホログ
ラムが導入用ホログラムとして、第2のホログラムが導
出用ホログラムとして1回の露光作業で作製することが
できる。
【0017】ハイマウントストップランプ用途として
は、ホログラムは一対の透過型ホログラムと反射型ホロ
グラムとなり、光源からの赤色光を透明板状体に導入す
る際のホログラムは発光素子の光をフロントガラスなど
の透明板状体中で全反射するように回折角を板ガラスの
場合で41.1°以上とし、望ましくは、雨滴(屈折率
1.33)と透明板状体との界面でも全反射するように
60.1°以上になるようなホログラムを使用する必要
があり、透明板状体から後続車へ導出する際のホログラ
ムは逆に透明板状体中を全反射してきた光を後続車方向
に出射するようなホログラムを使用する必要がある。
【0018】したがって、一対の透過型ホログラムと反
射型ホログラムの作製は、レーザー光源を含む光学系か
ら第1の参照光として入射させる平面と、ガラス基板中
で全反射するように前記光学系から第1の物体光として
入射させる平面を少なくとも具備する第1のプリズムを
ガラス基板に感光材を貼着して配置した乾板の感光材側
に密着させるとともに、前記光学系から第2の物体光と
して入射させる平面と、前記第1の物体光がガラス基板
内を全反射して進行した光を第2の参照光として出射さ
せる平面を少なくとも有する第2のプリズムを前記乾板
の感光材側に第1のプリズムとは離隔して密着させた状
態で露光すれば、第1のホログラムが導入用ホログラム
として、第2のホログラムが導出用ホログラムとして1
回の露光作業で作製することができる。
【0019】さらに、第1のホログラムと第2のホログ
ラムの間に伝搬用の第3のホログラムを作製する場合に
ついても、同じ構成で作製することができる。
【0020】プリズムについて、表面が平滑なガラスを
使用して、レーザー光が入射及び出射する平面に相当す
る部分を切断、研磨して作製すればよいが、第1の物体
光がガラス基板中を1回の全反射して(1往復)でして
第2の参照光として出射させる場合であって、ガラス基
板が湾曲している場合には第1のプリズムと第2のプリ
ズムは別個に密着させた方がよいが、ガラス基板の曲率
が小さいか、あるいはフラットな場合には、感光材との
界面に反射膜を設ければ第1のプリズムと第2のプリズ
ムが一体化されたものを使用することができる。
【0021】ガラス基板内に全反射角でレーザー光を入
射するあるいはその逆に出射するためのプリズムの平面
の角度について、図1の第1のプリズム3によって説明
すると、ガラス基板1の屈折率をn1、プリズムの屈折
率をn2とすると、β=θ°−sin-1(sinφ/n
2)°、α=sin-1{sinβ・(n2/n1)}°
が成り立つ。
【0022】ここでプリズムの屈折率はガラス基板の屈
折率に等しいとしてよいので、n1=n2=nとしてα
=βとなる。
【0023】第1の物体光S1がガラス基板中を全反射
して進むためには、sin-1(1/n)° ≦α<90
°が成り立たなければならない。
【0024】したがって、sin-1(1/n)° ≦θ
°−sin-1(sinφ/n)°<90°となり、この
結果からsin-1(1/n)°+sin-1(sinφ/
n)°<θ≦90°+sin-1(sinφ/n)°が成
り立つようにすればよい。
【0025】θが90°を越える場合、すなわちガラス
基板と接する面をその表面である31より短くした場合
にも第1の物体光をガラス基板中で全反射させることは
可能であるが、入射角が大きくなり好ましくない。
【0026】なお、第1の参照光R1は、実際の露光の
場合、表面での反射光がレーザー発振器に戻りレーザー
光が不安定となるのを防ぐために法線からずらした方が
よいが、ここでは便宜上第1の参照光R1を法線として
扱った。
【0027】プリズムの平面31は必ずしもガラス基板
1の面と平行にする必要はなく、第1の物体光S1がガ
ラス基板に入射して、ガラス基板中で全反射せず、ガラ
ス基板からほとんどの光が出射するような範囲で使用す
る光学系に応じて若干傾けてもよい。
【0028】感材については、樹脂フィルムに厚さ25
μmのフォトポリマーポリマー、例えばOmniDex
−352(DuPont製)を塗布したものなどが好適
であるが、フィルムに感材が塗布されたものであればよ
い。
【0029】この発明の露光装置によって作製されたホ
ログラムは、後述する実施例に示すように、雨滴検出用
のホログラムとして好適に使用することができる。この
場合には発光素子からの検出光を本発明の第1のホログ
ラム(導入用ホログラム)を介して車両用のフロントガ
ラスなどに入射させ、フロントガラスなどの透明板状体
中を全反射させながら、雨滴などがフロントガラスに付
着していなければ、フロントガラスから外に出射するこ
とはないので、透明板状体中を進行する検出光を本発明
の第2のホログラム(導出用ホログラム)を介して受光
素子に入力すれば雨滴の検出を的確に行うことができ
る。
【0030】また、ハイマウントストップランプとして
使用する場合には、光源からの赤色光を本発明の第1の
ホログラム(導入用ホログラム)を介して車両用のリア
ガラスなどに入射させ、リアガラスなどの透明板状体中
を全反射させながら、第2のホログラム(導出用ホログ
ラム)を介して後続車方向に発光すればストップランプ
として好適に使用することができる。
【0031】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。
【0032】図1と図2は、それぞれ実施例1における
露光装置を示す概略図と得られたホログラムを応用した
雨滴検出装置を示す概略図、図3と図4はそれぞれ実施
例2と実施例3における露光装置を示す概略図である。
【0033】実施例1 図1に示すように、車両用のフロントガラスに設けて雨
滴検出装置として使用する場合の導入用と導出用のホロ
グラムを作製するために、車両用フロントガラスの厚さ
(普通は約4.8mm)の1/2(約2.4mm)の厚
さを有するガラス基板に感光材を貼着し乾板として、第
1の参照光と第2の物体光を独立して感光材に入射さ
せ、さらに第1の物体光を感光材とガラス基板中を2回
往復させて全反射させ、第2の参照光として第2のプリ
ズムの斜面から出射させる構造とした場合について例示
する。
【0034】まず、厚さが0.2mmのベースフィルム
に厚さ25μmのフォトポリマーなどの感光材2を塗布
してカバーフィルムを貼り付けた、例えばOmniDe
x−352(DuPont製)のベースフィルムを剥が
して、厚さが車両用フロントガラスの1/2である2.
4mmのガラス基板1にラミネータにより圧着により感
光材2として配設し、感光材に平行な平面31とこの感
光材面とのなす角度が60.0°となるように切断し
て、研磨した平面32とを少なくとも具備する第1のプ
リズム3と、感光材に平行な平面41と感光材面とのな
す角度が60.0°になるように切断、研磨された平面
42を少なくとも具備する第2のプリズム4を感光材に
密着させる。
【0035】次いで、図示しない532nmの光を発振
するレーザー発振器、ビームスプリッター、凸レンズ、
ミラーなどを組み合わせた光学装置によりレーザー光を
3分割させて、第1の物体光S1を第1のプリズムの平
面32に、その法線方向から、第1の参照光R1を第1
のプリズムの平面31に、その法線方向から、第2の物
体光S2を裏面のガラス基板に、その法線方向からそれ
ぞれ入射させる。
【0036】第1の物体光S1と第1の参照光R1とに
より干渉縞が形成、記録された第1のホログラム21が
得られ、感光材を透過した第1の物体光はガラス基板の
裏面に到り、この裏面で全反射して感光材の23の部分
に入射するが、この部分は予め不感化処理が施されてい
るので干渉縞の形成により不要なホログラムが作製形成
されることなく、この感光材の表面で全反射されて、再
度ガラス基板の裏面に到り、全反射されて感光材に第2
の参照光R2として入射し、第2のプリズムの平面42
から空気中に出射する。このとき第2の物体光S2が感
光材中で第2の参照光と重なるように入射されるので、
この部分にも干渉縞が形成され、第2のホログラム22
が得られる。
【0037】なお、それぞれのレーザー光は、第1のプ
リズムの平面、ガラス基板の平面に法線方向から入射さ
せると説明したが、精密に法線方向から入射させるとそ
れぞれの入射面から反射した光がレーザー光源に戻って
しまい、レーザー光が不安定になる恐れがあるので、実
際には法線方向から1°程度ずらして入射させたほうが
望ましい。
【0038】このようにして得られた第1のホログラム
21と第2のホログラム22は、例えば図2に示すよう
に、厚さが2mmの車内側板ガラス61と車外側板ガラ
ス62が厚さが約0.8mmポリビニールブチラールな
どの中間膜63により接着された合わせガラス(合計厚
さが約4.8mm)6の車内側表面に第1のホログラム
21と第2のホログラム22が記録されたホログラムシ
ートを貼り付け、第1のホログラム(導入用ホログラ
ム)21の前面に発光素子7を、第2のホログラム(導
出用ホログラム)22の前面に受光素子8を取り付け、
自動車の前部開口部にフロントガラスとして装着する。
【0039】このようにして得られた雨滴検出装置にお
いて、雨が降っていないときには、合わせガラスに発光
素子7からの検出光が導入されると、検出光は車外側板
ガラスの車外側面で1回全反射されて受光素子8によっ
て受光されるが、この場合には合わせガラス中の光の減
衰が若干あるだけでほぼ全量が受光される。雨滴が車外
側板ガラスの車外側面に付着すると、雨滴に検出光の一
部、あるいは全量が入射してこの雨滴によって散乱する
ので、受光素子8で受光される検出光はほとんど0にな
るか激減する。
【0040】図示しない検出回路において、この受光量
の絶対量を、雨が降ってない通常の量に相当する量を基
準値として比較すれば雨滴を的確に検出することができ
る。なお、この場合に結露が貼り付けたホログラム表面
に生じても検出光は1回(1往復)全反射するだけであ
り、ホログラムと空気との界面では反射されないので結
露により誤検出することはない。
【0041】この場合に、第1の物体光と第2の参照光
のレーザー光の向きをそのままにして第1の参照光と第
2の物体光のレーザー光の向きを逆向きにするか、ある
いは第1の参照光と第2の物体光のレーザー光の向きを
そのままにして第1の物体光と第2の参照光のレーザー
光の向きを逆向きにすれば、第1のホログラム、第2の
ホログラムとも反射型ホログラムとすることができる。
その場合には、合わせガラスの内部に配置して使用する
ことができる。
【0042】実施例2 図3に示すように、ガラス基板の厚さを実施例1の2倍
の厚さ4.8mm(フロントガラスの厚みに同じ)にし
て第1の物体光S1を感光材2とガラス基板1中を1回
全反射(1往復)させ、第2の参照光R2として第2の
プリズムの平面42から出射させる構造としたものであ
り、その他は実施例1と同じ構成としたものである。
【0043】この場合には、第1の物体光を感光材とガ
ラス基板中で1回しか全反射させないので、感光材の中
央部分に不感化処理を施す必要がない。
【0044】また、この場合には第1のプリズムと第2
のプリズムを一つのプリズムとしてもよい。
【0045】実施例3 図4に示すように、第1のミラー51と第2のミラー5
2を乾板のガラス基板側に配置し、第1の参照光R1を
第1のミラー51と第2のミラー52で反射させて第2
の物体光S2として感光材2に入射させて露光する場合
について例示する。
【0046】この場合に、第1の参照光R1を感光材に
入射させて第1の物体光S1とにより第1のホログラム
を記録し、ガラス基板を透過した光を第1のミラー51
により反射させ、さらにその反射光を第2のミラー52
により反射させ、第2の物体光S2として乾板のガラス
基板側から入射させて、ガラス基板と感光材中を全反射
されて進行してきた第2の参照光R2とにより第2のホ
ログラム22が記録される。
【0047】実施例4 ガラス基板の厚さを2.0mm(車外側ガラスの厚みに
同じ)にし、感光材の中央部への不感化処理を行わない
ようにした他は実施例1と同じ構成としたものである。
このようにして得られたホログラムを用いた雨滴検出装
置では、ホログラムを合わせガラスの内部に配置するこ
とができ、シェードバンド部分の車外側板ガラスのみを
利用して検出光を進行させるものであるから、検出光が
車内側ガラスとシェードバンド部により減光されず有効
に利用できるため、雨滴を的確に検出することができ
る。
【0048】実施例5 センターハイマウントストップランプ用のホログラムを
露光する場合について例示する。
【0049】図5に示すように、第2の物体光S2を乾
板の感光材2側から入射させるようにし、使用するレー
ザー装置の発振波長を647.1nmにした他は、実施
例1と同じ構成としたものである。このようにして得ら
れたホログラムを車両のリアガラスに配置し、第1のホ
ログラムの前面に赤色光源を配置しブレーキランプと連
動すれば、後続車にブレーキングの状態を知らせるため
のハイマウントストップランプとして有効に使用するこ
とができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、窓ガラスなどを全反射
させるように回折する導入用のホログラムと、窓ガラス
などを全反射して進行する光を外部に導出するように回
折する導出用のホログラムを、さらには場合により、導
入用のホログラムと導出用のホログラムの間に伝搬用の
第3のホログラムを1回の露光作業で容易に作製するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における露光装置を示す要部概略図で
ある。
【図2】実施例1において得られたホログラムを応用し
た雨滴検出装置を示す要部概略図である。
【図3】実施例2における露光装置を示す要部概略図で
ある。
【図4】実施例3における露光装置を示す要部概略図で
ある。
【図5】実施例5における露光装置を示す要部概略図で
ある。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 感光材 21、22 ホログラム 3 第1のプリズム 4 第2のプリズム 51、52 ミラー 6 合わせガラス 7 発光素子 8 受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−28380(JP,A) 特開 平6−337316(JP,A) 特開 平9−265085(JP,A) 特開 平4−194730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03H 1/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板に感光材を貼着して配置した乾
    板と、該乾板に物体光と参照光を入射させるレーザーを
    含む光学系とを少なくとも具備し、第1の物体光と第1
    の参照光により第1のホログラムを形成し、第2の物体
    光と第2の参照光により第2のホログラムを形成させる
    ホログラムの露光装置において、前記光学系から第1の
    参照光として入射させる平面と、ガラス基板中で全反射
    するように前記光学系から第1の物体光として入射させ
    る平面を少なくとも具備する第1のプリズムを前記乾板
    の感光材側に密着させるとともに、前記光学系からのレ
    ーザー光が前記乾板のガラス基板側から感光材側に向け
    て入射させた光を第2の物体光として出射させる平面
    と、前記第1の物体光がガラス基板内を全反射して進行
    した光を第2の参照光として出射させる平面を少なくと
    も有する第2のプリズムを前記乾板の感光材側に第1の
    プリズムとは離隔して密着させたことを特徴とするホロ
    グラムの露光装置。
  2. 【請求項2】ガラス基板に感光材を貼着して配置した乾
    板と、該乾板に物体光と参照光を入射させるレーザーを
    含む光学系とを少なくとも具備し、第1の物体光と第1
    の参照光により第1のホログラムを形成し、第2の物体
    光と第2の参照光により第2のホログラムを形成させる
    ホログラムの露光装置において、前記光学系からのレー
    ザー光が前記乾板のガラス基板側から感光材側に向けて
    入射させた光を第1の参照光として出射させる平面と、
    ガラス基板中で全反射するように第1の物体光を前記光
    学系から入射させる平面を少なくとも具備する第1のプ
    リズムを前記乾板の感光材側に密着させるとともに、前
    記光学系から第2の物体光として入射させる平面と、前
    記第1の物体光がガラス基板内を全反射して進行した光
    を第2の参照光として出射させる平面を少なくとも有す
    る第2のプリズムを前記乾板の感光材側に第1のプリズ
    ムとは離隔して密着させたことを特徴とするホログラム
    の露光装置。
  3. 【請求項3】ガラス基板に感光材を貼着して配置した乾
    板と、該乾板に物体光と参照光を入射させるレーザーを
    含む光学系とを少なくとも具備し、第1の物体光と第1
    の参照光により第1のホログラムを形成し、第2の物体
    光と第2の参照光により第2のホログラムを形成させる
    ホログラムの露光装置において、前記光学系から第1の
    参照光として入射させる平面と、ガラス基板中で全反射
    するように前記光学系から第1の物体光として入射させ
    る平面を少なくとも具備する第1のプリズムを前記乾板
    の感光材側に密着させるとともに、前記光学系から第2
    の物体光として入射させる平面と、前記第1の物体光が
    ガラス基板内を全反射して進行した光を第2の参照光と
    して出射させる平面を少なくとも有する第2のプリズム
    を前記乾板の感光材側に第1のプリズムとは離隔して密
    着させたことを特徴とするホログラムの露光装置。
  4. 【請求項4】ガラス基板に感光材を貼着して配置した乾
    板と、該乾板に物体光と参照光を入射させるレーザーを
    含む光学系とを少なくとも具備し、第1の物体光と第1
    の参照光により第1のホログラムを形成し、第2の物体
    光と第2の参照光により第2のホログラムを形成させる
    ホログラムの露光装置において、前記光学系からのレー
    ザー光が前記乾板内を全反射して進行し、第1のホログ
    ラムと第2のホログラムの間に伝搬用の第3のホログラ
    ムを作製することを特徴とした1〜3記載のホログラム
    の露光装置。
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