JPH05165190A - 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク並びにその製造方法 - Google Patents

位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク並びにその製造方法

Info

Publication number
JPH05165190A
JPH05165190A JP32863791A JP32863791A JPH05165190A JP H05165190 A JPH05165190 A JP H05165190A JP 32863791 A JP32863791 A JP 32863791A JP 32863791 A JP32863791 A JP 32863791A JP H05165190 A JPH05165190 A JP H05165190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase shift
shift mask
layer
etching
etching stop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32863791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2501383B2 (ja
Inventor
Toshinobu Miura
敏信 三浦
Hiroyuki Sakai
裕之 坂井
Yoichi Yamaguchi
洋一 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP32863791A priority Critical patent/JP2501383B2/ja
Publication of JPH05165190A publication Critical patent/JPH05165190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2501383B2 publication Critical patent/JP2501383B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッチング停止層としての基本的性質を具備
するほかに耐酸性をも備えたエッチング停止層を有する
位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク並びに
その製造方法を提供すること目的とする。 【構成】 本発明にかかる位相シフトマスクブランク及
び位相シフトマスク並びにその製造方法は、位相シフト
層3をエッチングする際にそのエッチングを停止させる
エッチング停止層2を、20〜92モル%のAl2 3
と、8〜80モル%のSnO2 とを含有する物質で構成
したことにより、エッチング停止層2としての基本的性
質を具備するほかに耐酸性をも備えたエッチング停止層
2を有する位相シフトマスクブランク及び位相シフトマ
スク並びにその製造方法を得ているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSI製造の際等にお
いて、微細パターン露光用のマスクとして用いられる位
相シフトマスク及び位相シフトマスク用の位相シフトマ
スクブランク並びのその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の高集積化にともなってリソ
グラフィー工程に用いられる投影露光技術には、転写で
きるパターンのより微細化、高解像度化が要求されてき
ている。
【0003】この投影露光を行う際に用いられるフォト
マスクは、透明基板上に透光部と遮光部とからなる露光
用微細パターンを形成したものである。ここで、この露
光用微細パターンによって被露光体に投影できるパター
ンの解像度は、投影に用いる光の波長によって制限され
ることが知られている。すなわち、波長λの光を用いた
場合には、次の(1) 式に示されるレーリの式によって解
像度が決まる。
【0004】R=k×λ/NA……(1) この(1) 式において、Rは解像限界、kは被露光体に形
成されたレジストやプロセス、あるいは、像形成で決ま
る比例定数、NAは投影露光に用いる対物レンズの開口
数である。
【0005】そこで、この限界を打破する方法として考
えられたのが位相変調を利用したパターン形成法であ
る。この方法は、一般に、位相シフト法と呼ばれ、例え
ば、特公昭62−50811にその一例が開示されてい
る。
【0006】この位相シフト法は、例えば、細長い透光
部と遮光部の繰り返しパターンの場合、マスク上におい
て、互いに隣り合った透光部を通過した光の位相差がほ
ぼ180°になるように、透光部の一つおきに位相を反
転させるための位相シフターと呼ばれる透明材料を設け
たものである。これにより、位相シフターを設けなかっ
た場合に、i−線(365nm)では干渉効果により得
られなかった0.3μmパターンが、位相シフターを設
けることにより得られるようになる。
【0007】この位相シフト法に用いられる位相シフタ
ーの材料としては、液相法、気相法によって形成される
SiO2 、又は、SiO2 に類似の材料からなる薄膜が
用いられる場合が多い。ところが、基板上に位相シフタ
ーを直接形成する場合、位相シフターの微細加工時に位
相シフターと基板ガラスとの間でエッチング速度の差が
小さいため、位相シフターのオーバーエッチングにより
基板のエッチングも生じてしまう。基板がエッチングさ
れると、予定した位相シフト効果が得られなくなるとい
う問題が生ずる。
【0008】この問題を解決するために、基板と位相シ
フターの間に位相シフターのエッチング条件に耐性を有
するエッチング停止(ストッパー)層を設けた位相シフ
トマスクを用いる方法が提案されている。
【0009】このエッチング停止層の存在により、基板
までエッチングすることなく、位相シフターのみをエッ
チングして予定した通りの位相シフト効果が得られる適
切な微細加工が可能となる。このエッチング停止層の材
料には露光波長での透明性、位相シフターのエッチング
工程で十分なエッチング耐性を有すること、フォトマス
ク洗浄工程でのスクラブ洗浄及び熱濃硫酸浸漬洗浄に耐
え得ること、等の特性が要求される。
【0010】このエッチング停止層としては、例えば、
文献[1991年第38回応用物理学界予行集29p−
ZC−15]に開示されているものが知られている。こ
の文献に開示されているエッチング停止層は、エッチン
グ停止層をAl2 3 で構成したものである。
【0011】なお、位相シフトマスクブランクは、位相
シフトマスクを製造する中間の段階で得られるもので、
位相シフターとなるべき薄膜層及びそのエッチング停止
層、並びに、遮光膜層等が積層して形成されたもので、
いまだ透光部と遮光部とからなる微細パターンが形成さ
れていないものである。すなわち、この位相シフトマス
クブランクに所望の微細パターン加工を施すことによ
り、所望の位相シフトマスクが得らるもので、位相シフ
トマスクブランクとして独立した製品として取り扱われ
る場合も少なくない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の文献
に開示のエッチング停止層を構成するAl2 3 は、露
光波長での透明性、位相シフターのエッチング工程で十
分なエッチング耐性を有すること等のエッチング停止層
として必要な基本的性質は有するが、フォトマスク洗浄
工程での熱濃硫酸浸漬洗浄に耐性がない。すなわち熱濃
硫酸に溶解するという問題点を有している。このため洗
浄中にエッチング停止層の膜厚が減少し、露光時にその
部分を透過する光の位相が目的とする位相からずれてし
まうという問題点が生ずる。
【0013】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、エッチング停止層としての基本的性質を具備
するほかに耐酸性をも備えたエッチング停止層を有する
位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク並びに
その製造方法を提供することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる位相シフトマスクブランクは、
(1) 透明基板上に、少なくとも位相シフト層と、こ
の位相シフト層をエッチングする際にそのエッチングを
停止させるエッチング停止層とを備えた位相シフトマス
クブランクにおいて、前記エッチング停止層が、20〜
92モル%のAl2 3 と、8〜80モル%のSnO2
とを含有する物質で構成されたものであることを特徴と
した構成とした。
【0015】また、本発明かかる位相シフトマスクは、
(2) 構成1の位相シフトマスクブランクに微細パタ
ーン加工を施して、透光部と遮光部とからなる露光用微
細パターンを形成したことを特徴とする構成とした。
【0016】さらに、本発明にかかる位相シフトマスク
ブランクの製造方法は、(3) 透明基板上に、少なく
とも位相シフト層と、この位相シフト層をエッチングす
る際にそのエッチングを停止させるエッチング停止層と
を備えた位相シフトマスクブランクを製造する位相シフ
トマスクブランクの製造方法であって、透明基板上に、
70〜92モル%のAl2 3 と、8〜30モル%のS
nO2 とを含有する物質で構成されたエッチング停止層
を形成する工程と、前記透明基板上に位相シフト層を形
成する工程と、前記エッチング停止層を該エッチング停
止層の成膜温度以上でかつ1000°C以下の温度で加
熱する工程とを含むことを特徴とした構成とした。
【0017】また、本発明にかかる位相シフトマスクの
製造方法は、(4) 透明基板上に、少なくとも位相シ
フト層と、この位相シフト層をエッチングする際にその
エッチングを停止させるエッチング停止層とを備えた位
相シフトマスクブランクに微細パターン加工を施して、
透光部と遮光部とからなる露光用微細パターンを形成し
た位相シフトマスクを製造する位相シフトマスクの製造
方法であって、透明基板上に、70〜92モル%のAl
2 3 と、8〜30モル%のSnO2 とを含有する物質
で構成されたエッチング停止層を形成する工程と、透明
基板上に位相シフト層を形成する工程と、前記エッチン
グ停止層を該エッチング停止層の成膜温度以上でかつ1
000°C以下の温度で加熱する工程と透明基板状に形
成された薄膜層に微細パターン加工を施して、透光部と
遮光部とからなる露光用微細パターンを形成する工程と
を含むことを特徴とした構成としたものである。
【0018】
【作用】上述の構成1〜4によれば、エッチング停止層
としての基本的性質を具備するほかに洗浄工程でのスク
ラブ洗浄及び熱濃硫酸浸漬洗浄等に耐え得る耐酸性をも
備えたエッチング停止層を有する位相シフトマスクブラ
ンク及び位相シフトマスク並びにその製造方法が得られ
る。
【0019】ここで、エッチング停止層を、20〜92
モル%のAl2 3 と、8〜80モル%のSnO2 を含
む物質で構成したのは次の理由による。
【0020】すなわち、本発明者の研究によると、Sn
2 が8モル%より小になると、耐酸性に乏しくなり、
逆に、80モル%より大になると、i線の透過率が90
%を下回りパターン精度が低下することが判明したから
である。なお、好ましいSnO2 の範囲は30モル%を
越え、70モル%以下の範囲である。これは30モル%
以下だと熱処理を施さないと十分な耐酸性が得られず、
70モル%を越えると、透過率が低下する傾向が認めら
れる為である。また、本発明のエッチング停止層は、S
nO2 の一部分をZrO2 、Ta2 5 、Nb2 5
中から選ばれた一種と置換してもよい。これらの酸化物
と置換した場合、耐酸性が僅かながら低下するものの、
例えば、透過率が向上する等の特性を改善する効果を得
ることができる。
【0021】さらに、エッチング停止層の形成には、ス
パッタリング、真空蒸着法、液相法などが好適である。
【0022】また、SnO2 の含有量が30モル%を下
回ると耐酸性が低下する傾向があるが、構成3〜4のよ
うに、エッチング停止層に所定時間加熱処理を施すこと
により、耐酸性を向上させることができる。図8及び図
9は熱処理に伴う熱濃硫酸に対する溶解速度変化を示し
たものである。但し、これらの図において、SnO2
それぞれ10%及び18モル%であり、熱処理時間はと
もに30分、成膜(スパッタリング)温度はともに25
0°Cである。これら図から明らかなように、250°
C(成膜温度)〜1000°Cで熱処理を行うことによ
り更に優れた耐熱濃硫酸特性を得られることがわかる。
また、1000°C以上では加熱及び冷却時に徐冷を行
わなければ石英等基板に歪みが発生し、さらには、クリ
ーンルーム内での1000°C以上の高温処理が困難で
あって位相シフトマスクの量産に不向きであるため限定
される。なお、この熱処理はエッチング停止層形成後で
あってレジストを塗布するより以前に行えばよく、また
エッチング停止層成膜後に行うことのみならず成膜時に
基板を加熱することによっても同様な効果を得ることが
できる。
【0023】位相シフト層としては、露光波長で所定の
透過率が得られる物質であればよく、スパッタリング又
は真空蒸着法によるSiO2 膜又はケイ素化合物溶液を
塗布した後、焼成して形成するSOG(スピン・オン・
グラス)膜が好適である。これらの酸化ケイ素膜のほか
には、例えば、レジスト等の有機高分子膜、フッ化マグ
ネシウム等を用いても構わない。この位相シフト層の膜
厚は所定の位相差を得る関係式を満足するように選択す
ればよい。
【0024】透明基板は露光光に対して透明なものであ
ればよく、石英ガラス、アルミノボロシリケートガラス
板が好適である。また、この基板上に直接エッチング停
止層を形成する場合以外に電子線露光時のチャージ・ア
ップを防止する目的で、基板上にITO(酸化インジウ
ム・スズ)等の透明導電膜を形成し、この透明導電膜上
にエッチング停止層を形成するようにしてもよい。
【0025】また、遮光部を構成する遮光膜の材料とし
てはフォトマスクを通して被転写体に必要とされる光学
濃度のコントラストを有するパターンを転写できる物質
なら全て使用が可能で、例えばクロムや酸化クロム等が
使用できる。なお、遮光部としては、クロムや酸化クロ
ム等の遮光膜を用いず、位相シフト層で構成したものも
適用できる。すなわち、透明基板上に位相シフト層を形
成すると、そのエッジ部分で露光光の位相がずれ、干渉
によって被露光体上にエッジに沿った暗部が形成され
る。したがって、そのエッジを所定のパターンに形成す
ることにより、所定のパターンの遮光部とすることがで
きる。また、位相シフト層を幅の狭い帯状に形成する
と、この帯状パターンの両端のエッジ部分による暗部が
重なることを利用してこの帯状パターンを遮光部とする
こともできる。
【0026】
【実施例】第1実施例 図1は本発明の第1実施例にかかる位相シフトマスクブ
ランクの構成を示す断面図、図2は本発明の第1実施例
にかかる位相シフトマスクの構成を示す断面図、図3な
いし図7は本発明の第1実施例にかかる位相シフトマス
クブランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明
図である。以下、これらの図面を参照にしながら第1実
施例を説明する。
【0027】第1実施例の位相シフトマスクブランク
は、図1に示されるように、透明基板1の上に、90モ
ル%のAl2 3 と、10モル%のSnO2 とを含有す
る物質で構成されたエッチング停止層2が形成され、こ
のエッチング停止層2の上に位相シフト層3が形成さ
れ、さらに、この位相シフト層3の上にクロム膜等から
なる遮光層4が形成されたものである。
【0028】また、第1実施例の位相シフトマスクは、
図2に示されるように、透明基板1の上に、90モル%
のAl2 3 と、10モル%のSnO2 とを含有する物
質で構成されたエッチング停止層2が形成され、このエ
ッチング停止層2の上に、微細パターン状に形成された
位相シフター3aが形成され、さらに、この位相シフタ
ー3aの上に、該位相シフター3aの線幅より狭い線幅
を有するクロム膜等からなる遮光部4aが形成されたも
のである。
【0029】次に、図3ないし図7を参照にしながら第
1実施例にかかる位相シフトマスクブランク及び位相シ
フトマスクの製造方法を説明する。
【0030】まず、石英ガラス基板1上に、10モル%
のSnO2 と、90モル%のAl2 3 とからなるエッ
チング停止層2をスパッタリングにより35nmの膜厚
で形成する。なお、このときのスパッタ温度は約250
°Cであった。
【0031】次に、このエッチング停止層2の上に、ケ
イ素化合物溶液(アライドシグナル社のアキュグラス#
311スピンオングラス(商品名))をスピンコート法
により広げ、200°Cで30分間焼成することにより
有機バインダーを除去してSOGからなる位相シフト層
3を膜厚430nmで形成する。
【0032】次いで、これら薄膜を形成した状態で透明
基板1に、1000°Cで30分間、加熱処理を施す。
【0033】しかる後、位相シフト層3上に、スパッタ
リングによりクロム膜からなる遮光層4(膜厚80n
m)を形成して、図1に示される位相シフトマスクブラ
ンクを得る。
【0034】次に、図3に示されるように、位相シフト
マスクブランクの遮光層4の表面にスピンコート法によ
り電子線用レジスト5を膜厚400nmになるように塗
布し、これを150°Cで乾燥させる。
【0035】次に、このレジスト5に選択的に電子線を
照射して電子線露光を施した後、現像して微細パターン
状のレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジ
ストパターンに沿って遮光層4をエッチングして微細パ
ターン状の遮光部4aを得る(図4参照)。
【0036】次に、この遮光部4a及び位相シフト層3
を含む表面全体に、スピンコート法により2層構造の電
子線レジスト51(有機樹脂膜+導電性薄膜)を形成す
る(図5参照)。
【0037】次に、このレジスト51に微細パターン露
光を施して現像し、図6に示されるようなレジストパタ
ーン51aを形成する。このレジストパターン51a
は、遮光部4aの線幅よりその線幅が所定の大きさだけ
大きくなるように形成される。すなわち、遮光部4aの
両側部に所定の距離だけはみだすようにして形成され
る。
【0038】次に、このレジストパターン51aに沿っ
て、位相シフト層3にCF4 /O2 混合ガスによってプ
ラズマによるドライエッチングを施し、レジストパター
ン51aと同じ微細パターンを有する位相シフター3a
を得る。ここで、この位相シフト層3のエッチングの際
において、位相シフト層3のエッチング速度とエッチン
グ停止層2のエッチング速度との比であるエッチング選
択比は60であり、位相シフト層3のエッチングが終了
してもエッチング停止層2が存在するため透明基板1の
エッチングが防止され、位相シフト層3のみのエッチン
グができる。
【0039】次いで、レジストパターン51aを除去
し、しかる後、残存レジストその他の異物除去等のため
に、100°Cの熱濃硫酸浸漬処理(30分間)を含む
洗浄処理を施して乾燥し、図2に示される位相シフトマ
スクを得る。
【0040】このようにして得られた位相シフトマスク
においては、遮光部4aが形成された領域以外での透光
部での波長365nmのi線に対する透過率が92%で
あって、十分な透過率を有し、上述の位相シフト層3の
エッチングの際のエッチング選択比とともに、エッチン
グ停止層として要求される基本的特性を十分備えている
ことがわかった。しかも、このエッチング停止層2は、
熱濃硫酸溶解速度が10オングストローム/minであ
り、したがって、100°Cの熱濃硫酸浸漬処理(30
分間)を施してもその膜厚減少は従来に比較して著しく
小さいものであることがわかった。
【0041】また、この位相シフトマスクを用いてi線
によりパターニングを行ったところ0.4μmのライン
アンドスペース(L/S)パターンの転写が可能であっ
た。
【0042】なお、本実施例においては、エッチング停
止層の耐酸性を向上させるための加熱処理を、位相シフ
ト層3の形成後に行ったが、位相シフト層3の形成の工
程で行われるSOGの焼成の温度を400°Cに上げて
このSOGの焼成で、上記エッチング停止層2の加熱処
理を兼ねてもよい。
【0043】第2実施例 この実施例は、上述の第1実施例においては施したエッ
チング停止層2への加熱処理工程(1000°Cで30
分間)を省き、また、エッチング停止層2の膜厚を95
nmと厚くしたほかは第1実施例と同一の構成を有する
ものである。
【0044】この加熱工程を省いた結果、エッチング停
止層2の熱濃硫酸に対する溶解速度は30オングストロ
ーム/min程度となったが、従来と比較すると、十分
小さい値であることがわかった。なお、エッチング停止
層としての基本特性及び位相シフトマスクとしての性能
は第1実施例と同じであった。この実施例によれば、製
造工程が単純になるという利点が得られる。
【0045】第3実施例 この実施例は、エッチング停止層2として、SnO2
18モル%含有したAl2 3 材料を用い、また、エッ
チング停止層2の膜厚を25nmと薄くした点を除き、
上述の第2実施例と同じ構成を有する。
【0046】この実施例では、SnO2 の含有量を増や
した結果、エッチング停止層2の熱濃硫酸に対する溶解
速度が、7オングストローム/min程度になり、第2
実施例に比較して向上した。これにともなって、i線に
対する透過率等のエッチング停止層としての基本特性及
び位相シフトマスクとしての性能も第1〜2実施例に比
較して向上した。
【0047】第4実施例 この実施例は、上述の第3実施例における位相シフト層
3の形成工程後に、600°C、30分間の加熱処理を
施す工程を追加したほかは、上述の第3実施例と同じ構
成を有する。
【0048】この加熱処理工程を追加した結果、エッチ
ング停止層2の熱濃硫酸に対する溶解速度が、5オング
ストローム/min程度になり、第3実施例に比較して
向上した。また、これにより、i線に対する透過率等の
エッチング停止層としての基本特性及び位相シフトマス
クとしての性能も第1〜3実施例に比較して向上した。
【0049】なお、図8及び図9に、エッチング停止層
2として、SnO2 をそれぞれ10モル%及び18モル
%含有したAl2 3 材料を用いた場合において、上述
の加熱処理工程の加熱処理温度(°C)を変えた場合の
加熱処理温度とエッチング停止層2の熱濃硫酸に対する
溶解速度との関係を示したグラフを示した。これらのグ
ラフから明らかなように、成膜温度(250°C)以上
で1000°C以下の温度範囲で、加熱処理温度が高い
程効果が顕著になることがわかる。
【0050】第5実施例 この実施例は、エッチング停止層2として、SnO2
33モル%含有したAl2 3 材料を用いた点を除き、
上述の第3〜4実施例と同じ構成を有する。
【0051】この実施例では、加熱工程がないにもかか
わらず、SnO2 の含有量を増やした結果、エッチング
停止層2の熱濃硫酸に対する溶解速度が、3オングスト
ローム/minと、良好なものであった。これにともな
って、i線に対する透過率等のエッチング停止層として
の基本特性及び位相シフトマスクとしての性能も第1〜
4実施例よりさらに向上した。
【0052】第6実施例 この実施例は、上述の第5実施例における位相シフト層
3の形成工程後に、450°C30分間の加熱処理を施
す工程を追加したほかは、上述の第5実施例と同じ構成
を有する。
【0053】この加熱処理を追加した結果、エッチング
停止層2の熱濃硫酸に対する溶解速度が、1オングスト
ローム/min程度になり、第5実施例に比較して向上
した。これにより、i線に対する透過率等のエッチング
停止層としての基本特性及び位相シフトマスクとしての
性能が第1〜5実施例比べてさらに著しく向上し、特に
位相シフターによる位相シフト量は極めて理論値に近い
ものであった。
【0054】第7実施例 この実施例は、エッチング停止層2として、SnO2
44モル%含有したAl2 3 材料を用いた点を除き、
上述の第1〜2及び第5実施例と同じ構成を有する。
【0055】この実施例では、加熱工程がないにもかか
わらず、エッチング停止層2の熱濃硫酸に対する溶解速
度が、ほぼ、0オングストローム/minと、極めて良
好なものであった。i線に対する透過率等のエッチング
停止層としての基本特性及び位相シフトマスクとしての
性能は第1〜5実施例に比較してはるかにすぐれ、位相
差シフターによる位相差はほぼ理論値通りであった。
【0056】第8実施例 この実施例は、エッチング停止層2として、SnO2
70モル%含有したAl2 3 材料を用いた点を除き、
上述の第7実施例と同じ構成を有する。
【0057】この実施例においても、エッチング停止層
2の熱濃硫酸に対する溶解速度が、ほぼ、0オングスト
ローム/minと、極めて良好なものであった。i線に
対する透過率等のエッチング停止層としての基本特性及
び位相シフトマスクとしての性能は第7実施例と同様で
あった。
【0058】比較例1 この比較例は、エッチング停止層2として、SnO2
全く含まないAl2 3 (膜厚100nm)のみからな
る材料を用いた点を除き、上述の第2〜3、第5及び第
7〜8実施例と同じ構成を有する。
【0059】この比較例にあっては、熱濃硫酸浸漬によ
る洗浄でエッチング停止層であるAl2 3 が溶解して
除去された。このため、エッチング停止層の存在する部
分としない部分とで位相のずれが生じ、0.5〜0.6
μm程度のL/Sパターンの転写しかできなかった。
【0060】比較例2 この比較例は、エッチング停止層2として、SnO2
85モル%含有したAl2 3 材料を用い、その膜厚を
10nmとした点を除き、上述の第2〜3、第5及び第
7〜8実施例と同じ構成を有する。
【0061】この比較例では、SnO2 の含有量を85
モル%と過剰にした結果、エッチング停止層2の熱濃硫
酸に対する溶解速度は、ほぼ、0オングストローム/m
inと、極めて良好なものであったが、i線に対する透
過率が85%に低下し、i線の吸収が大きいためフォト
マスクとしての実用的なパターン転写を行うことができ
なかった。
【0062】なお、図10は、以上の各実施例及び比較
例の結果を表にまとめて示したものである。
【0063】なお、上述した実施例においては、耐酸性
を熱濃硫酸によって調べたが、熱濃硫酸以外の塩酸、酢
酸などの酸性溶液でも同様の効果が確認された。
【0064】また、上述の各実施例では、エッチング停
止層をスパッタリング法で成膜する例を掲げたが、これ
は、真空蒸着法、液相法等の他の成膜法でもよい。他の
成膜法による場合には、エッチング停止層を加熱する工
程における加熱温度範囲は、それぞれの成膜温度以上で
かつ1000°C以下であればよい。
【0065】また、位相シフトマスクブランクの他の形
態としては図11に示すものがあり、このブランクや、
このブランクから製作した図12に示す位相シフトマス
クにも本発明は適用することができる。図11に示され
る位相シフトマスクブランクは、透明基板1の上にエッ
チング停止層2を形成し、その上にクロム膜の微細パタ
ーンからなる遮光部4aを形成し、しかる後、遮光部4
a及びエッチング停止層2の上に位相シフト層3を形成
したものである。また、図12に示される位相シフトマ
スクは、図11に示される位相シフトマスクブランクの
位相シフト層3に微細パターンを形成して、位相シフタ
ー3aを設けたものである。この位相シフター3aは、
細長い透光部と遮光部の繰り返しパターンの互いに隣り
合った透光部を通過した光の位相差がほぼ180°にな
るように、透光部の一つおきに形成されたものである。
【0066】さらに、本発明は、例えば、図13に示さ
れる位相シフトマスクにも適用できる。この位相シフト
マスクは、透明基板1上にエッチング停止層2を形成
し、その上に微細パターン状の位相シフター3aを形成
し、この位相シフター3aの各パターンライン上の両端
部に線幅の狭い遮光部4aを形成したもので、図1に示
される位相シフトマスクブランクから製造することがで
きる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかる位
相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク並びにそ
の製造方法は、位相シフト層をエッチングする際にその
エッチングを停止させるエッチング停止層を、20〜9
2モル%のAl2 3 と、8〜80モル%のSnO2
を含有する物質で構成したことにより、エッチング停止
層としての基本的性質を具備するほかに耐酸性をも備え
たエッチング停止層を有する位相シフトマスクブランク
及び位相シフトマスク並びにその製造方法を得ているも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる位相シフトマスク
ブランクの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる位相シフトマスク
の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施例にかかる位相シフトマスク
ブランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図
である。
【図4】本発明の第1実施例にかかる位相シフトマスク
ブランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図
である。
【図5】本発明の第1実施例にかかる位相シフトマスク
ブランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図
である。
【図6】本発明の第1実施例にかかる位相シフトマスク
ブランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図
である。
【図7】本発明の第1実施例にかかる位相シフトマスク
ブランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図
である。
【図8】エッチング停止層の熱濃硫酸に対する溶解速度
の加熱処理温度依存性を示すグラフである。
【図9】エッチング停止層の熱濃硫酸に対する溶解速度
の加熱処理温度依存性を示すグラフである。
【図10】各実施例及び比較例の結果を表にまとめて示
した図である。
【図11】位相シフトマスクブランクの他の例を示す図
である。
【図12】位相シフトマスクの他の例を示す図である。
【図13】位相シフトマスクの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…透明基板、2…エッチング停止層、3…位相シフト
層、3a…位相シフター、4…遮光層、4a…遮光部、
5,51…レジスト、51a…レジストパターン。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、少なくとも位相シフト層
    と、この位相シフト層をエッチングする際にそのエッチ
    ングを停止させるエッチング停止層とを備えた位相シフ
    トマスクブランクにおいて、 前記エッチング停止層が、20〜92モル%のAl2
    3 と、8〜80モル%のSnO2 とを含有する物質で構
    成されたものであることを特徴とした位相シフトマスク
    ブランク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の位相シフトマスクブラ
    ンクに微細パターン加工を施して、透光部と遮光部とか
    らなる露光用微細パターンを形成したことを特徴とする
    位相シフトマスク。
  3. 【請求項3】 透明基板上に、少なくとも位相シフト層
    と、この位相シフト層をエッチングする際にそのエッチ
    ングを停止させるエッチング停止層とを備えた位相シフ
    トマスクブランクを製造する位相シフトマスクブランク
    の製造方法であって、 透明基板上に、70〜92モル%のAl2 3 と、8〜
    30モル%のSnO2 とを含有する物質で構成されたエ
    ッチング停止層を形成する工程と、 前記透明基板上に位相シフト層を形成する工程と、 前記エッチング停止層を該エッチング停止層の成膜温度
    以上でかつ1000°C以下の温度で加熱する工程とを
    含むことを特徴とした位相シフトマスクブランクの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 透明基板上に、少なくとも位相シフト層
    と、この位相シフト層をエッチングする際にそのエッチ
    ングを停止させるエッチング停止層とを備えた位相シフ
    トマスクブランクに微細パターン加工を施して、透光部
    と遮光部とからなる露光用微細パターンを形成した位相
    シフトマスクを製造する位相シフトマスクの製造方法で
    あって、 透明基板上に、70〜92モル%のAl2 3 と、8〜
    30モル%のSnO2 とを含有する物質で構成されたエ
    ッチング停止層を形成する工程と、 前記透明基板上に位相シフト層を形成する工程と、 前記エッチング停止層を該エッチング停止層の成膜温度
    以上でかつ1000°C以下の温度で加熱する工程と、 前記透明基板状に形成された薄膜層に微細パターン加工
    を施して、透光部と遮光部とからなる露光用微細パター
    ンを形成する工程とを含むことを特徴とした位相シフト
    マスクの製造方法。
JP32863791A 1991-12-12 1991-12-12 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク Expired - Lifetime JP2501383B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32863791A JP2501383B2 (ja) 1991-12-12 1991-12-12 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32863791A JP2501383B2 (ja) 1991-12-12 1991-12-12 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05165190A true JPH05165190A (ja) 1993-06-29
JP2501383B2 JP2501383B2 (ja) 1996-05-29

Family

ID=18212490

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32863791A Expired - Lifetime JP2501383B2 (ja) 1991-12-12 1991-12-12 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2501383B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010009001A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 S & S Tech Co Ltd ブランクマスク、フォトマスク及びその製造方法
CN101989043A (zh) * 2009-07-30 2011-03-23 Hoya株式会社 多色调光掩模、光掩模坯体、多色调光掩模的制造方法和图案转印方法
JP2012137643A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Ulvac Seimaku Kk ハーフトーンマスク、ハーフトーンマスクブランクス及びハーフトーンマスクの製造方法
JP2013134435A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Hoya Corp フォトマスクの製造方法、フォトマスク、パターン転写方法及びフラットパネルディスプレイの製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05134386A (ja) * 1991-11-12 1993-05-28 Dainippon Printing Co Ltd 位相シフトフオトマスク

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05134386A (ja) * 1991-11-12 1993-05-28 Dainippon Printing Co Ltd 位相シフトフオトマスク

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010009001A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 S & S Tech Co Ltd ブランクマスク、フォトマスク及びその製造方法
CN101989043A (zh) * 2009-07-30 2011-03-23 Hoya株式会社 多色调光掩模、光掩模坯体、多色调光掩模的制造方法和图案转印方法
JP2012137643A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Ulvac Seimaku Kk ハーフトーンマスク、ハーフトーンマスクブランクス及びハーフトーンマスクの製造方法
JP2013134435A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Hoya Corp フォトマスクの製造方法、フォトマスク、パターン転写方法及びフラットパネルディスプレイの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2501383B2 (ja) 1996-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101780068B1 (ko) 마스크 블랭크 및 전사용 마스크의 제조 방법
KR100242364B1 (ko) 포토 마스크와 그의 제조방법
TWI481949B (zh) 光罩基底、光罩及此等之製造方法
JP3037941B2 (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク及びハーフトーン型位相シフトマスクブランク
JP6534343B2 (ja) 位相反転ブランクマスク及びフォトマスク
CN109643058B (zh) 掩模坯料、转印用掩模及半导体器件的制造方法
US6395433B1 (en) Photomask for projection lithography at or below about 160 nm and a method thereof
JPH0798493A (ja) 位相シフトマスク及びその製造方法
TW202205006A (zh) 遮罩基底、轉印用遮罩之製造方法及半導體元件之製造方法
US8709683B2 (en) Photomask blank, photomask blank manufacturing method, and photomask manufacturing method
CN111742259B (zh) 掩模坯料、相移掩模及半导体器件的制造方法
JPH10186632A (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP3478067B2 (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク及びハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク
US20230069092A1 (en) Mask blank and method of manufacturing photomask
JP2501383B2 (ja) 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク
JPH07134389A (ja) 位相シフトマスクブランクの製造方法及び位相シフトマスクの製造方法
JPH11125896A (ja) フォトマスクブランクス及びフォトマスク
JPH06250376A (ja) 位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法
JP3289606B2 (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP2002040625A (ja) 露光用マスク、レジストパターン形成方法及び露光マスク用基板の製造方法
JPH1184624A (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク及びそれらの製造方法
KR102109865B1 (ko) 블랭크 마스크, 위상반전 포토마스크 및 그의 제조 방법
JP3760927B2 (ja) パターン転写方法
JPH07281414A (ja) 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクとその製造方法
JPH10142767A (ja) パターン形成方法、これに使用されるマスク及びその製造方法