JP6534343B2 - 位相反転ブランクマスク及びフォトマスク - Google Patents

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Description

本発明は、位相反転ブランクマスク及びフォトマスクに関し、特に、32nm級以下、特に、14nm級以下の微細パターンの具現が可能な位相反転ブランクマスク及びフォトマスクに関する。
近年、大規模集積回路の高集積化に伴って回路パターンの微細化の要求が続いている。そのために、ブランクマスクは、既存のバイナリ(Binary)ブランクマスク、位相反転(Phase Shift)ブランクマスクが開発されて商用化されており、最近では、ハードフィルム(Hard film)を有するハードマスク用バイナリブランクマスクが開発されて使われている。
最近では、32nm以下の高精度微細パターンの具現に伴って、位相反転ブランクマスクにハードフィルムが備えられた位相反転ブランクマスクを開発している。このハードフィルムが備えられた位相反転ブランクマスクは、根本的に、位相反転膜上に遮光性膜、ハードフィルム及びレジスト膜が積層された構造を有し、ハードフィルムは、乾式エッチング時に下部の遮光性膜とのエッチング選択比を確保するために、一般に、シリコン(Si)を含む化合物で構成される。
しかしながら、上記のハードフィルムがシリコン(Si)を含む化合物で構成されることから次のような問題点が発生する。まず、シリコン(Si)を含む化合物で構成されたハードフィルムがレジスト膜の下部に接して設けられるため、フォトマスクを製造するための電子ビーム(e−beam)を用いた露光工程時にハードフィルムにおいて電子チャージ−アップ(electron charge−up)現象が発生する。この電子チャージ−アップ現象は、露光時に電子経路の曲がりを誘発し、フォトマスク製造過程でパターンの位置誤り(Position error)といった問題を発生させる。このため、パターン位置が一層厳格に管理されるダブルパターニング(Double Patterning)、マルチパターニング(Multi−patterning)技術を用いる露光工程では、シリコン(Si)を含む化合物で構成されたハードフィルムの適用が困難である。
また、シリコン(Si)を含む化合物で構成されたハードフィルムは、レジスト膜との接着(Adhesion)において問題を引き起こす。すなわち、シリコン(Si)を含む化合物で構成されたハードフィルムは表面エネルギーが高いため、レジスト膜の塗布時に部分的に塗布がなされないか(Un−coating)、露光に続く現像工程後にレジスト膜の剥がれのような現象を誘発する。このような、レジスト膜とハードフィルムとの接着上の問題を解決するためにHMDS(Hexamethyldisilazane)のような表面処理工程を行っているが、HMDSのような追加表面処理工程は欠陥(Defect)発生の原因となる他、高い接着力に起因して現像工程後にスポット(Spot)性又はスカム(Scum)性の欠陥を発生させる。
しかも、ハードフィルムを使用せず、位相反転膜上に遮光性膜を形成した後、レジスト膜をエッチングマスクとして下部の遮光性膜をエッチングする場合、レジスト膜の厚さ及びローディング効果などによって32nm級以下の微細パターンは形成し難い。
一方、最近では、位相反転膜の透過率を約6%に限定せず、高透過率を有させる位相反転ブランクマスクに対する研究が行われている。この高透過率を有させる位相反転ブランクマスクは、透過率を約6%以上に設定し、パターンエッジ部分の相殺干渉を大きくしてパターンを微細化する。しかしながら、位相反転膜は、透過率及び位相反転量などの光学特性を満たすために約1000Å以上の厚さが必要となるが、これは一般の位相反転膜の厚さ(650Å〜700Å)に比べて1.5倍以上も厚い厚さであり、パターンの微細化に困難を招く。また、位相反転膜の透過率を高めるために多量の軽元素を含有すると、耐化学性が悪化し、パターン形成時に欠陥が発生することにつながる。
本発明は、高透過率の位相反転膜を形成することによって32nm級以下、特に、14nm級以下の微細パターンの具現が可能な位相反転ブランクマスク及びこれを用いたフォトマスクを提供する。
本発明に係る位相反転ブランクマスクは、透明基板上に位相反転膜及び遮光性膜を有し、前記遮光性膜は、酸素(O)及び窒素(N)の少なくとも一つを含む2層以上の多層膜からなり、前記膜のうち少なくとも一つの膜は酸素(O)を必ず含み、前記酸素(O)を必ず含む膜は、遮光性膜の全厚さの50%〜95%の厚さを占める。
前記位相反転膜は、193nm又は248nm波長の露光光に対して10%〜50%の透過率を有する。
前記位相反転膜は、シリコン(Si)、金属シリサイド、シリコン化合物及び金属シリサイド化合物のうち一つからなり、前記シリコン化合物及び前記金属シリサイド化合物はそれぞれ、シリコン及び金属シリサイドにそれぞれ窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の軽元素物質をさらに含んでなる。
前記遮光性膜は、クロム(Cr)、又はクロム(Cr)に窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の軽元素物質をさらに含むクロム(Cr)化合物のうち一つからなる。
前記遮光性膜は、300Å〜700Åの厚さを有し、1.0Å/sec〜4.0Å/secのエッチング速度を有する。
前記遮光性膜上に、エッチング阻止膜及びハードフィルムのうち少なくとも一つの膜をさらに有する。
本発明は、位相反転膜を6%以上の透過率を有するように形成することによって、より一層微細なパターンを形成することが可能になる。
また、本発明は、クロム(Cr)系ハードフィルム、及びその下部に遮光性膜とエッチング特性が異なるエッチング阻止膜を使用することによって、ハードフィルムとレジスト膜との間に発生する付着力(Adhesion)の問題を解消し、HMDSのような付加的な工程を行わないことにより、スポット(Spot)性又はスカム性の欠陥の発生を防止することができ、シリコン(Si)を含むハードフィルムにおいて発生していた電子チャージ−アップ現象を解消することができる。
これによって、本発明は、32nm級以下、特に、14nm級以下、好ましくは、10nm級以下の微細パターンの具現が可能なフォトマスクを製造できるブランクマスクを製造することができる。
本発明の第1実施例に係る位相反転ブランクマスクを示す断面図である。 本発明の第2実施例に係る位相反転ブランクマスクを示す断面図である。 本発明の第3実施例に係る位相反転ブランクマスクを示す断面図である。 本発明の第4実施例に係る位相反転ブランクマスクを示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。たたじ、実施例は、本発明の例示及び説明をするために用いられるものに過ぎず、意味を限定したり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限したりするために用いられるものではない。したがって、本発明の技術の分野における通常の知識を有する者にとって実施例から様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点が理解できる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的事項によって定められるべきである。
図1は、本発明の第1実施例に係る位相反転ブランクマスクを示す断面図であり、図2は、本発明の第2実施例に係る位相反転ブランクマスクを示す断面図である。
図1及び図2を参照すると、本発明に係る位相反転ブランクマスク100は、透明基板102、透明基板102上に順次に形成された位相反転膜104、遮光性膜106及びレジスト膜112を有する。
透明基板102は、石英ガラス、合成石英ガラス、フッ素ドープ石英ガラスで構成される。透明基板102の平坦度は、上部に形成されるいずれかの薄膜、例えば、位相反転膜104、遮光性膜106などの平坦度に影響を及ぼすようになるので、成膜される面の平坦度をTIR(Total Indicated Reading)値と定義するとき、その値が142mm領域で100nm以下、好ましくは50nm以下に制御される。
位相反転膜104は、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、セレニウム(Se)、銅(Cu)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)のうちの1種以上の物質を含んでなるか、又は、上記物質に窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の物質をさらに含んでなる。
位相反転膜104は、例えば、シリコン(Si)、又はSiN、SiC、SiO、SiCN、SiCO、SiNO、SiCON、SiB、SiBN、SiBC、SiBO、SiBCN、SiBCO、SiBNO、SiBCONのようなシリコン(Si)化合物のうちの一つで構成されることが好ましい。また、位相反転膜104は、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、又はMoSiN、MoSiC、MoSiO、MoSiCN、MoSiCO、MoSiNO、MoSiCON、MoSiB、MoSiBN、MoSiBC、MoSiBO、MoSiBCN、MoSiBCO、MoSiBNO、MoSiBCONのようなモリブデンシリサイド(MoSi)化合物を含む金属シリサイド化合物のうちの一つで構成されることが好ましい。
位相反転膜104は、要求される透過率及び位相反転量を満たすために、シリコン(Si)とこれに含まれる上記軽元素のうちの一つ以上との組成比を調節して形成する。詳しくは、位相反転膜104がシリコン(Si)化合物で構成される場合、位相反転膜104は、シリコン(Si)が40at%〜90at%、軽元素が10at%〜60at%である組成比を有し、好ましくは、シリコン(Si)が50at%〜85at%、軽元素が15at%〜50at%である組成比を有する。また、位相反転膜104が金属シリサイド又はその化合物で構成される場合、位相反転膜104は、金属が0.1at%〜10at%、シリコン(Si)が39at%〜90at%、軽元素が0at%〜60at%である組成比を有し、好ましくは、金属が0.1at%〜5at%、シリコン(Si)が49at%〜80at%、軽元素が15at%〜50at%である組成比を有する。
位相反転膜104は、単層、又は2層以上の多層の構造にしてもよく、組成比が同じ単一膜又は組成比が連続して変化する連続膜の形態にしてもよい。位相反転膜104が多層膜又は連続膜の構造を有する場合、最上部は必ず1at%〜20at%の酸素(O)を含むように形成し、位相反転膜104の耐化学性及び耐露光性を向上させることができる。
位相反転膜104はスパッタリング工程によって形成され、位相反転膜104が金属シリサイド又はそれらの化合物からなる場合、ターゲットは、金属及びシリコン(Si)が別個に構成されたターゲットを用いて形成したり、金属シリサイドターゲットを用いて形成することができる。このとき、金属シリサイドターゲットは、金属:シリコン(Si)=1at%〜10at%:90at%〜99at%の組成比を有し、好ましくは、Mo:Si=1at%〜6at%:94at%〜99at%の組成比を有する。また、上記ターゲットがホウ素(B)を含む場合、ターゲットは、金属:Si:B=1at%〜10at%:80at%〜98at%:1at%〜10at%の組成比を有する。ここで、位相反転膜104の金属含有量が10at%を超えると、金属性の特性から、193nm又は248nm波長の露光光に対して約30%の透過率を確保し難いので、ターゲットの金属含有量は10at%以下にする。
位相反転膜104は、500Å〜850Åの厚さを有し、好ましくは、550Å〜650Åの厚さを有し、193nm又は248nm波長の露光光に対して170゜〜190゜の位相反転量を有し、20%〜30%の表面反射率を有する。
位相反転膜104は、193nm又は248nm波長の露光光に対して10%〜50%の透過率を有する。位相反転膜104の透過率が10%よりも低いと、ウエハー(Wafer)に塗布されたレジスト膜への露光時に相殺干渉のための露光光の強度(Intensity)が低下し、位相反転効果がわずかであり、透過率が50%よりも高いと、ウエハーに塗布されたレジスト膜にダメージ(Damage)を与え、レジスト膜の損失が増加する。
位相反転膜104は、選択的に100℃〜500℃で熱処理して耐薬品性及び平坦度を調節することができる。
遮光性膜106は、位相反転膜104上に単層又は多層の形態で設けられ、位相反転膜104と10以上のエッチング選択比を有する物質から形成される。
遮光性膜106は、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、セレニウム(Se)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、シリコン(Si)のうちの1種以上の物質を含んでなるか、又は、上記物質に窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の軽元素物質をさらに含んでなる。
遮光性膜106は、例えば、クロム(Cr)、又はCrN、CrC、CrO、CrCN、CrON、CrCO、CrCONのようなクロム(Cr)に軽元素を含むクロム(Cr)化合物から形成することが好ましい。遮光性膜106がクロム(Cr)化合物から形成される場合、遮光性膜106は、クロム(Cr)が30at%〜70at%、窒素(N)が10at%〜40at%、酸素(O)が0〜50at%、炭素(C)が0〜30at%、ホウ素(B)が0〜30at%、水素(H)が0〜30at%である組成比を有する。
遮光性膜106は2層以上の多層膜で構成されてもよく、このとき、多層膜は、エッチング速度を調節するための膜と光学密度(OD:Optical Density)を調節するための膜を含む。
図2を参照すると、遮光性膜106は、クロム(Cr)に軽元素を含むクロム(Cr)化合物からなる第1遮光層114及び第2遮光層116で構成されている。
第1遮光層114は位相反転膜104上に形成され、エッチング速度を速くさせて全体遮光性膜106のエッチング工程の時間を短縮する役割を担う。
第1遮光層114は、300Å〜550Åの厚さを有し、遮光性膜106の全厚さの50%〜95%に該当する厚さを有し、好ましくは、70%〜90%に該当する厚さを有する。
第1遮光層114は、酸素(O)を必ず含み、これによって、エッチング速度を増加させることができる。第1遮光層114は、10at%〜50at%の酸素(O)含有量、好ましくは、10at%〜20at%の酸素(O)含有量を有し、エッチング速度の増加によって遮光性膜106の全体のエッチング時間が短縮する効果を得ることができる。
第2遮光層116は、第1遮光層114上に形成され、光学密度を調節する役割を担う。第1遮光層114のみで光学密度を調節する場合、遮光性膜106に要求される光学特性に合わせるためには厚さが増加するという問題が発生するので、第2遮光層116を形成し、遮光性膜106に要求される光学密度を補充できるようにする。
第2遮光層116は、20Å〜150Åの厚さを有し、好ましくは、30Å〜100Åの厚さを有する。
第2遮光層は、酸素(O)を含む又は含まないクロム(Cr)化合物から形成する。
第2遮光層116が酸素(O)を含む場合、一定の遮光性の確保のために、酸素(O)を含まない場合に比べて膜厚が厚くなりうるが、エッチング速度が速くなるので、エッチング時間及びレジスト膜の薄膜化においては同一の効果を得ることができる。このとき、第2遮光層116は、1at%〜20at%の酸素(O)含有量を有し、好ましくは、1at%〜15at%の酸素(O)含有量を有する。第2遮光層116の酸素(O)含有量が20at%を超えると、位相反転膜104のエッチングに使われるフッ素(F)系エッチングガスに対する耐性が低下して位相反転膜104エッチング時に第2遮光層116が損傷し、光学密度が低下するという問題につながる。
第2遮光層116が酸素(O)を含まない場合、第2遮光層116は、30at%〜70at%のクロム(Cr)含有量を有し、好ましくは、40at%〜50at%のクロム(Cr)含有量を有する。
遮光性膜106は、300Å〜700Åの厚さを有し、好ましくは、350Å〜550Åの厚さを有し、2.0Å/sec〜4.0Å/secの平均エッチング速度を有する。
位相反転膜104及び遮光性膜106が積層された部分の光学密度は、193nm又は248nmの露光波長に対して2.5〜3.5、好ましくは、2.7〜3.2である。位相反転膜104及び遮光性膜106が積層された部分の表面反射率は20%〜40%、好ましくは、25%〜35%である。
遮光性膜106には選択的に熱処理を行ってもよく、このとき、熱処理温度は、下部の位相反転膜104の熱処理温度と同等の又は低い条件で行うことができる。
レジスト膜114には化学増幅型レジスト(CAR;Chemically Amplified Resist)が用いられ、レジスト膜114は、400Å〜1500Åの厚さを有し、好ましくは、400Å〜1200Åの厚さを有する。
図3は、本発明の第3実施例に係る位相反転ブランクマスクを示す断面図であり、図4は、本発明の第4実施例に係る位相反転ブランクマスクを示す断面図である。
図3及び図4を参照すると、本発明に係る位相反転ブランクマスク200は、透明基板202、透明基板202上に順次に形成された、位相反転膜204、遮光性膜206、エッチング阻止膜208、ハードフィルム210及びレジスト膜212を有する。ここで、位相反転膜204、遮光性膜206及びレジスト膜212は、上述した第1実施例及び第2実施例と同じ光学的、化学的、物理的特性を有する。
エッチング阻止膜208は、遮光性膜206上に設けられて、後述するハードフィルム210のパターン形成時に又はハードフィルム210の除去時に、下部に位置した遮光性膜206を保護する役割を担い、また、遮光性膜206のパターン形成時にエッチングマスクの役割を担う。このため、エッチング阻止膜208はハードフィルム210及び遮光性膜206と10以上のエッチング選択比を有する物質から形成し、また、エッチング工程の単純化のためにエッチング阻止膜208が位相反転膜204のパターン形成時に除去される場合、エッチング阻止膜208は、位相反転膜204とエッチング特性が同じ物質から形成してもよい。
エッチング阻止膜208は、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、セレニウム(Se)、銅(Cu)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)のうちの1種以上の物質を含んでなるか、又は、上記物質に窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の物質をさらに含んでなる。
エッチング阻止膜208は、例えば、シリコン(Si)、又はSiN、SiC、SiO、SiCN、SiCO、SiNO、SiCON、SiB、SiBN、SiBC、SiBO、SiBCN、SiBCO、SiBNO、SiBCONのようなシリコン(Si)化合物のうちの一つで構成されることが好ましい。また、エッチング阻止膜208は、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、又はMoSiN、MoSiC、MoSiO、MoSiCN、MoSiCO、MoSiNO、MoSiCON、MoSiB、MoSiBN、MoSiBC、MoSiBO、MoSiBCN、MoSiBCO、MoSiBNO、MoSiBCONのようなモリブデンシリサイド(MoSi)化合物を含む金属シリサイド化合物のうちの一つで構成されることが好ましい。
エッチング阻止膜208がシリコン(Si)化合物で構成される場合、エッチング阻止膜208は、シリコン(Si)が40at%〜90at%、軽元素が10at%〜60at%である組成比を有し、好ましくは、シリコン(Si)が50at%〜85at%、軽元素が15at%〜50at%である組成比を有する。また、エッチング阻止膜208が金属シリサイド又はその化合物で構成される場合、エッチング阻止膜208は、金属が0.1at%〜10at%、シリコン(Si)が39at%〜85at%、軽元素が10at%〜60at%である組成比を有し、好ましくは、金属が0.1at%〜5at%、シリコン(Si)が50at%〜80at%、軽元素が15at%〜50at%である組成比を有する。
エッチング阻止膜208は20Å〜150Åの厚さを有し、好ましくは、30Å〜100Åの厚さを有する。
ハードフィルム210は、エッチング阻止膜208の上部に設けられてエッチング阻止膜208のエッチングマスクの役割を担い、このため、エッチング阻止膜208と10以上のエッチング選択比を有する物質で構成される。ハードフィルム210は、エッチング工程の単純化のために遮光性膜206のパターニング時に除去される場合、遮光性膜206とエッチング特性が同じ物質から形成する。
ハードフィルム210は、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、セレニウム(Se)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、シリコン(Si)のうちの1種以上の物質を含んでなるか、又は、上記物質に窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の軽元素物質をさらに含んでなる。
ハードフィルム210は、例えば、クロム(Cr)、又はCrN、CrC、CrO、CrCN、CrNO、CrCO、CrCONのように、クロム(Cr)に軽元素を含むクロム(Cr)化合物から形成することが好ましい。また、ハードフィルム210は、上記のクロム(Cr)又はクロム(Cr)化合物にスズ(Sn)をさらに含むCrSn、CrSnN、CrSnC、CrSnO、CrSnCN、CrSnNO、CrSnCO、CrSnCONのような化合物から形成することが好ましい。
ハードフィルム210は、エッチング速度が高いほどレジスト膜212の薄膜化が容易なため、0.4Å/sec以上のエッチング速度を有し、好ましくは、1.0Å/sec以上のエッチング速度を有する。
ハードフィルム210は20Å〜100Åの厚さを有し、好ましくは、30Å〜60Åの厚さを有する。ハードフィルム210は、20Å以下の厚さを有すると、エッチングマスクの役割を果たし難く、100Å以上の厚さを有すると、レジスト膜212が薄膜化し難く、結果として高解像度パターンの具現が難しい。
以下、本発明の実施例に係る位相反転ブランクマスクを詳しく説明する。
(実施例)
位相反転膜の構成物質に対する特性評価
本発明の実施例に係る位相反転ブランクマスクの位相反転膜を、シリコン(Si)、シリコン(Si)化合物及びモリブデンシリサイド(MoSi)化合物で構成し、厚さによる透過率及び位相反転量を評価した。
Figure 0006534343
表1から、実施例1乃至実施例4のシリコン位相反転膜は13.2%〜30.1%の透過率を示し、透過率の高い位相反転膜を形成するに問題ないことを確認した。
これに対し、比較例1及び比較例2のモリブデンシリサイド(MoSi)ターゲット(Mo:Si=10:90)を用いた位相反転膜は、厚さ及び位相反転量の条件を満たす場合には6.2%の透過率を示し、本発明に要求される位相反転膜の透過率条件(10%〜50%)を満しておらず、窒素(N)の含有量を増加させて透過率及び位相反転量の条件を満たす場合には900Åの厚さが要求され、本発明に係る位相反転膜の厚さ条件(500Å〜850Å)を満たしていない。
位相反転膜の耐化学性の評価
本発明の実施例に係る位相反転膜を単層及び2層以上の多層膜の構造で製作し、SC−1及びSPM溶液に対する耐化学性を評価した。これらの位相反転膜はいずれもモリブデンシリサイド(MoSi)ターゲット(組成比Mo:Si=2at%:98at%)を用いて形成し、これらの位相反転膜以外の基板、及び熱処理などの条件はいずれも同一に適用した。
実施例5は、工程ガスとしてAr:N=7sccm:8.5sccmを注入し、0.7Kwの工程パワーで550秒間成膜して、窒化モリブデンシリサイド(MoSiN)膜として形成した。その後、真空急速熱処理装備(RTP;Rapid Thermal Process)を用いて350℃で30分間熱処理を行った。
この位相反転膜の透過率及び位相反転量をn&k analyzer 3700RT装備を用いて測定した結果、18.2%の透過率と183゜の位相反転量を示した。また、位相反転膜の厚さをXRR(X−ray Reflectometer)装備を用いて測定した結果、上部層584Åの厚さを示した。
実施例6は、工程ガスとしてAr:N=7sccm:20sccmを注入し、0.7Kwの工程パワーで900秒間成膜して、窒化モリブデンシリサイド(MoSiN)膜を形成した。その後、連続して工程ガスをAr:N:NO=7sccm:7sccm:7sccm注入し、0.7Kwの工程パワーで80秒間成膜して、酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)で構成された2層構造の高透過率位相反転膜を形成した。
この2層構造の位相反転膜の透過率、位相反転量及び厚さを実施例1と同じ装備を用いて測定した。その結果、20.1%の透過率と184゜の位相反転量を示した。また、位相反転膜の厚さは、上部層が540Å、下部層が50Åの厚さを示した。
実施例7は、工程ガスとしてAr:N=7sccm:25sccmを注入し、0.7Kwの工程パワーで400秒間成膜して窒化モリブデンシリサイド(MoSiN)膜を形成した。その後、連続して工程ガスとしてAr:N=7sccm:15sccmを注入し、0.7Kwの工程パワーで800秒間成膜して窒化モリブデンシリサイド(MoSiN)膜を形成した。その後、工程ガスをAr:NO=5sccm:10sccm注入し、0.7Kwの工程パワーで80秒間成膜し、酸化モリブデンシリサイド(MoSiO)で構成された3層構造の高透過率位相反転膜を形成した。
同様に、この実施例7の透過率、位相反転量及び厚さを測定した。その結果、19.1%の透過率、185゜の位相反転量を示し、位相反転膜の厚さは、1層が150Å、2層が390Å、3層が50Åの厚さを示した。
上記製造された位相反転膜の、SC−1とSPMに対する耐化学性を評価した。
SC−1評価は、NHOH、H及びHOを混合した溶液を使用し、NHOH:H:HO=1:1:5の体積比として、約45℃で20分間3回洗浄工程を進行し、洗浄工程前・後の位相量及び透過率変化を測定した。
SPM評価は、HSOとHを混合した溶液を使用し、HSO:H=9:1の比として、約90℃の温度で10分間3回洗浄工程を進行し、洗浄工程前・後の位相量及び透過率変化を測定した。
Figure 0006534343
表2を参照すると、SC−1評価の結果、実施例5は、193nmの露光光で2.5゜の位相量変化と0.3%の透過率変化を示し、実施例6は、193nmの露光光で1.0゜の位相量変化と0.1%の透過率変化を示し、実施例7は、193nmの露光光で0.6゜の位相量変化と0.8%の透過率変化を示した。
SPM評価の結果、実施例5は、193nmの露光光で1.5゜の位相量変化と0.15%の透過率変化を示し、実施例6は、193nmの露光光で0.7゜の位相量変化と0.08%の透過率変化を示し、実施例7は193nmの露光光で0.5゜の位相量変化と0.06%の透過率変化を示した。
実施例5乃至実施例7はいずれも、耐化学性評価の結果、良好な範囲の透過率変化及び位相量変化を示した。また、実施例5乃至実施例7の耐化学性評価を比較した結果、表面層の酸素含有量が増加するほど、優れた耐化学性を有することが分かった。
遮光性膜に対するエッチング評価
本発明の実施例に係る位相反転ブランクマスクの遮光性膜をそれぞれフッ素(F)系ガスを含むエッチングガスでエッチングする場合、遮光性膜の最上部層の構成物質による遮光性膜の厚さ及び光学密度の変化を評価した。
これらの遮光性膜はいずれもクロム(Cr)ターゲットを用いて形成し、また、共通に使われる第1遮光層は、工程ガスとしてAr:N:NO=5sccm:10sccm:5sccmを注入し、1.0Kwの工程パワーを加えて、酸化窒化クロム(CrON)層を300Åの厚さで形成した。
実施例8は、工程ガスとしてAr:N=3sccm:5sccmを注入し、0.8Kwの工程パワーを加えて、上記第1遮光層上に302Åの窒化クロム(CrN)で構成された第2遮光層を形成した。実施例9は、工程ガスとしてAr:N:NO=5sccm:10sccm:2sccmを注入し、0.8Kwの工程パワーを加えて、上記第1遮光層上に298Åの酸化窒化クロム(CrON)で構成された第2遮光層を形成した。
上記の製造された遮光性膜を、フッ素(F)系ガスを含むエッチングガスでエッチングしてパターンを形成した後、残っている遮光性膜の厚さ及び光学密度の変化量を測定した。
Figure 0006534343
表3を参照すると、実施例8の酸素を含まない上部層の第2遮光層(CrN)は、4Åの厚さの変化を示し、実施例9の酸素を少なく含む第2遮光層(CrON)は、7Åの厚さの変化を示した。
第2遮光層の厚さの変化は、遮光性膜の基本機能である遮光機能に影響を与え、これにより、実施例8では0.01の光学密度の変化を示し、実施例9では0.03の光学密度の変化を示した。
酸素(O)を少量含む酸化窒化クロム(CrON)膜の場合、窒化クロム(CrN)膜に比べて厚さの変化及び光学密度の変化において相対的に良好でない結果を示したが、遮光性膜の最上部層である第2遮光層として適用するには問題ない程度である。
また、第1及び第2遮光層の厚さ損失は、遮光性膜の遮光機能に問題を誘発する程度ではない僅かなレベルであり、実施例8及び実施例9の構成は実際に遮光性膜に適用可能である。
遮光性膜に対する光学密度の評価
本発明の実施例に係る位相反転ブランクマスクにおいて位相反転膜の透過率及び遮光性膜の構成による光学密度を評価した。実施例10乃至実施例12はいずれも同じ工程条件で第1遮光性膜を形成し、第1遮光性膜の厚さ及び第2遮光性膜の構成を変更して光学密度を調節した。
第1遮光層は、工程ガスとしてAr:N:NO=5sccm:10sccm:5sccmを注入し、1.0Kwの工程パワーを加えて、480Å乃至485Å厚の酸化窒化クロム(CrON)膜を形成した。
実施例10は、20%の透過率を有する位相反転膜上に酸化窒化クロム(CrON)層を480Åの厚さで形成した後、工程ガスとしてAr:N:NO=5sccm:10sccm:2sccmを注入し、0.8Kwの工程パワーを加えて、80Åの酸化窒化クロム(CrON)で構成された第2遮光層を形成した。
実施例11は、25%の透過率を有する位相反転膜上に、酸化窒化クロム(CrON)層を485Åの厚さで形成した後、工程ガスとしてAr:N=3sccm:5sccmを注入し、0.8Kwの工程パワーを加えて、90Åの窒化クロム(CrN)で構成された第2遮光層を形成した。
実施例12は、30%の透過率を有する位相反転膜上に、酸化窒化クロム(CrON)層を485Åの厚さで形成した後、工程ガスとしてAr:N=3sccm:5sccmを注入し、0.8Kwの工程パワーを加えて、100Åの窒化クロム(CrN)で構成された第2遮光層を形成した。
比較例3は、20%の透過率を有する位相反転膜上に、工程ガスとしてAr:N=3sccm:5sccmを注入し、0.8Kwの工程パワーを加えて、485Åの窒化クロム(CrN)で構成された遮光層を形成した後、工程ガスとしてAr:N:NO=5sccm:10sccm:2sccmを注入し、0.8Kwの工程パワーを加えて、120Åの酸化窒化クロム(CrON)で構成された反射防止層を形成した。
上記の位相反転膜及び遮光性膜が積層された実施例10乃至実施例12及び比較例3に対して、光学密度、平均エッチング速度、及びパターン形成後におけるレジスト膜の残留膜の厚さを測定した。
Figure 0006534343
表4を参照すると、実施例10乃至実施例12、及び比較例3はいずれも、2.6乃至3.0の光学密度値を示し、パターン形成後にフォトマスクとして使用するのに良子な値を示した。
しかし、平均エッチング速度の場合、実施例10乃至実施例12では2.0Å/sec乃至2.3Å/secのエッチング速度を示しており、比較例3の1.36Å/secに比べて優れたエッチング速度を有することが分かり、パターン形成によるレジスト膜の残留膜の厚さも、比較例3はパターン形成後に残留するレジスト膜がないが、実施例10乃至実施例12は25nm乃至35nmのレジスト膜が残留し、レジスト膜の薄膜化が可能である。
本発明に係る位相反転ブランクマスクの製造I
本発明に係る位相反転ブランクマスクの製造のために、基板として、横×縦×厚さが6inch×6inch×0.25inchのサイズを有し、複屈折率が2nm/6.3mmに制御され、平坦度(TIR:Total Indicated Reading)が2,560Åに制御された合成石英ガラス基板を準備した。
上記のガラス基板上にDCマグネトロンスパッタリング(DC Magnetron Reactive Sputter)装備を用いて、高透過率を有する位相反転膜を形成した。この位相反転膜は、モリブデンシリサイド(MoSi)ターゲット(組成比Mo:Si=2at%:98at%)を使用し、工程ガスとしてAr:N=7sccm:8.5sccmを注入し、0.7Kwの工程パワーで550秒間成膜して窒化モリブデンシリサイド(MoSiN)膜として形成した。その後、真空急速熱処理装備(RTP;Rapid Thermal Process)を用いて350℃で30分間熱処理を行った。
上記位相反転膜の透過率及び位相反転量をn&k analyzer 3700RT装備を用いて測定した。その結果、18.2%の透過率と183゜の位相反転量を示した。また、位相反転膜の厚さをXRR(X−ray Reflectometer)装備を用いて測定し、その結果、58.4nmの厚さを示した。そして、位相反転膜の組成比をオージェ電子分光器(AES;Auger Electron Spectroscopy)を用いて分析し、その結果、モリブデン(Mo)が2.1at%、シリコン(Si)が70.1at%、窒素(N)が27.8%である組成比を示した。また、位相反転膜の成膜による平坦度変化量を比較するためにUltra−Flat装備を用いて位相反転膜の平坦度を測定し、その結果、3,120Åを示した。これは上述した透明基板の平坦度(2,560Å)に対して560Åの平坦度変化量を有する値であり、以降のフォトマスク及びウエハーへの露光工程(Wafer Printing)時にパターン整列度及びDoFマージンに優れることが間接的に確認できた。
上記の位相反転膜上に、第1遮光層及び第2遮光層で構成された遮光性膜を成膜した。上記遮光性膜はいずれもクロム(Cr)ターゲットを用いて形成し、上記第1遮光層は、Ar:N:NO=5sccm:10sccm:5sccmの工程ガスを注入し、1.0Kwの工程パワーで368秒間成膜して酸化窒化クロム(CrON)膜として形成した。上記第2遮光層は、Ar:N=3sccm:5sccmの工程ガスを注入し、0.8Kwの工程パワーで60秒間成膜して窒化クロム(CrN)膜として形成した。この第1遮光層及び第2遮光層に対して、上述した位相反転膜と同じ方法で膜の厚さを測定し、その結果、第1遮光層は48nm、第2遮光層は5nmの厚さを示した。第1遮光層及び第2遮光層の組成比を分析した結果、第1遮光層は、クロム(Cr)が48at%、窒素(N)が30at%、酸素(O)が22at%である組成比を示し、第2遮光層は、クロム(Cr)が58at%、窒素(N)が42at%である組成比を示した。また、上記位相反転膜及び遮光性膜が積層された膜の光学密度を測定した結果、193nmの露光光で2.95の値を示し、33%の反射率を示した。
上記遮光性膜上にエッチング阻止膜を成膜した。このエッチング阻止膜は、モリブデンシリサイド(MoSi)ターゲット(組成比Mo:Si=2at%:98at%)を使用し、工程ガスとしてAr:N:NO=3sccm:3sccm:5sccmを注入し、0.6Kwの工程パワーを加えて、20Åの厚さを有する酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)膜として形成した。このエッチング阻止膜の組成比を分析した結果、エッチング阻止膜は、モリブデン(Mo)が1.5at%、シリコン(Si)が60.3at%、酸素(O)が12.5at%、窒素が25.7at%である組成比を示した。
上記エッチング阻止膜上にハードフィルムを成膜した。このハードフィルムは、クロム(Cr)ターゲットを使用し、8sccmのArを工程ガスとして注入し、0.6Kwの工程パワーで22秒間成膜して、40Åの厚さを有するクロム(Cr)膜として形成した。
上記ハードフィルム上に化学増幅型レジストをスピンコーティング(Spin Coating)方法によって100nmの厚さで形成した。これで、本発明に係るブランクマスクを完成した。
本発明に係る位相反転ブランクマスクの製造II
上述した位相反転ブランクマスクの製造Iにおいて第2遮光層の組成を異ならせ、第2遮光層以外の基板及び金属膜の物理的、化学的、光学的特性はいずれも同一にして位相反転ブランクマスクを製造した。
第2遮光層の形成のためにクロム(Cr)ターゲットを使用し、工程ガスとしてAr:N:NO=5sccm:10sccm:2sccmを注入し、工程パワーは0.8Kwを使用し、75秒間成膜して、酸化窒化クロム(CrON)膜を形成した。
成膜後、X−rayを用いたXRR(X−ray Reflectometer)装備を用いて膜の厚さを測定した。測定の結果、第2遮光層は7.5nmの厚さを示した。オージェ電子分光器を用いて組成比を分析した結果、クロム(Cr)が54at%、酸素(O)が7at%、窒素(N)が39at%の組成比を示した。また、上記位相反転膜及び上記遮光性膜が積層された膜の光学密度を測定した結果、193nmの露光光で2.92の値を示し、31%の反射率を示した。
本発明に係る位相反転フォトマスクの製造
上述した位相反転ブランクマスクに電子ビームを用いた露光工程を行い、ホットプレート(Hot Plate)を用いて190℃の温度で10分間ポストベーク(Post Exposure bake)工程を施した後、レジスト膜を現像してレジスト膜パターンを形成した。
その後、上記レジストパターンをエッチングマスクとし、下部ハードフィルムを、塩素(Cl)系ガスを含むエッチングガスでエッチングしてクロム(Cr)系ハードフィルムパターンを形成し、上記レジスト膜を除去した後、上記ハードフィルムパターンをエッチングマスクとし、フッ素(F)系ガスを含むエッチングガスで下部のシリコン(Si)を含むエッチング阻止膜をエッチングして、エッチング阻止膜パターンを形成した。
その後、エッチング阻止膜パターンをエッチングマスクとし、下部遮光性膜を、塩素(Cl)系ガスを含むエッチングガスでエッチングして、遮光性膜パターンを形成した。この時、上記ハードフィルムパターンは、上記エッチング阻止膜とエッチング特性が同じであることから、エッチング阻止膜パターンの形成過程で全て除去される。
続いて、遮光性膜パターンをエッチングマスクとし、フッ素(F)系ガスを含むエッチングガスで下部の位相反転膜をエッチングして、位相反転膜パターンを形成した。この時、上記エッチング阻止膜パターンは、上記位相反転膜とエッチング特性が同じであることから、位相反転膜パターンの形成過程で全て除去される。
その後、位相反転膜パターンを含む上記結果物上にレジスト膜パターンを形成し、メインパターンが形成されないブラインド(Blind)領域の上記遮光性膜パターンを除去して、本発明に係る位相反転フォトマスクの製造を完了した。
エッチング阻止膜を有しない位相反転ブランクマスク及びフォトマスクの製造
上述した本発明に係る位相反転ブランクマスクの製造Iとの比較のために、本発明と違い、エッチング阻止膜を省き、遮光性膜上にシリコン(Si)を含むモリブデンシリサイド(MoSi)化合物からハードフィルムを形成し、その上部にレジスト膜を形成して、比較例に係る位相反転ブランクマスクを製造した。この比較例の位相反転ブランクマスクを構成する透明基板、位相反転膜、遮光性膜は、本発明の実施例と同一である。
上記比較例によるハードフィルムは、下部のクロム(Cr)化合物からなる遮光性膜とエッチング選択比を有するように、モリブデンシリサイド(MoSi)ターゲット(組成比Mo:Si=2at%:98at%)を使用し、工程ガスとしてAr:N:NO=3sccm:5sccm:5sccmを注入し、0.6Kwの工程パワーを加えて、40Åの厚さを有する酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)膜として形成した。
その後、上記ハードフィルム上に化学増幅型レジストを1,000Åの厚さで形成して、比較例に係る位相反転ブランクマスクの製造を完了した。
しかし、比較例に係る位相反転ブランクマスクは、透明基板の各縁部において、酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)膜からなるハードフィルム上にレジスト膜が部分的に塗布されない(Un−coating)という問題が発生した。このため、ハードフィルム上にHMDS工程をさらに実施した後、ハードフィルム上にレジスト膜を塗布することで上記の問題を解決した。
上記位相反転ブランクマスクを用いて、本発明と同じエッチング物質及び方法でエッチング工程を行って位相反転フォトマスクを製造した。
まず、上記レジスト膜に露光及び現像工程を行ってレジスト膜パターンを形成した。このレジストパターンをエッチングマスクとし、酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)膜からなるハードフィルムを、フッ素(F)系ガスを含むエッチングガスでエッチングしてハードフィルムパターンを形成した。しかし、ハードフィルムパターンの形成中にハードフィルム上に設けられたHMDSによる強い接着(Adhesion)により、レジストパターンにスカムが約2Å〜50Åの厚さで存在し、ハードフィルムのエッチング時間が増加する他、レジストパターンのスカムによる副産物(by−product)が欠陥(Defect)として形成されるという問題を示した。
Figure 0006534343
表5を参照すると、HMDS工程によるレジスト膜のスカムとこのスカムによる乾式エッチング工程時の欠陥を分析した。その結果、HMDS処理によってレジスト膜のスカムが2Å〜50Åの厚さで存在し、これによる、ハードフィルムの乾式エッチング工程時の欠陥が、HMDS工程を進行しない場合に比べて約5倍〜6倍も増加したことが確認できる。
位相反転ブランクマスクの面抵抗の分析
上述した本発明に係る位相反転ブランクマスクの製造I及びIIの位相反転ブランクマスクに対してチャージ−アップ(Charge up)現象を分析するために、4ポイントプローブ(4−point probe)を用いて面抵抗を測定し、同じ条件で、上述したエッチング阻止膜を有しない位相反転ブランクマスクの位相反転ブランクマスクに対して面抵抗を測定し、両者を相互比較分析した。
本発明に係る位相反転ブランクマスクの製造I及びIIは、実施例13及び実施例14と表示し、エッチング阻止膜を有しない位相反転ブランクマスクは比較例4と表示した。
Figure 0006534343
表6を参照すると、実施例13、実施例14及び比較例4による位相反転ブランクマスクを構成する薄膜、すなわち、ハードフィルムまで形成された位相反転ブランクマスクの面抵抗を測定した結果、本発明の実施例13は、520Ω/□、実施例14は550Ω/□の値を示したが、比較例4は3,025Ω/□を示し、比較例4が実施例13,14に比べて約15倍以上と高い面抵抗を有し、チャージ−アップ現象が大きく発生することが確認できた。
以上、本発明を最も好適な実施例を用いて説明してきたが、本発明の技術的範囲は、上記の実施例に記載された範囲に限定されない。上記の実施例に様々な変更又は改良を加えることが当業者にとって可能であるということは明らかである。このような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれるということは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100,200 本発明に係る位相反転ブランクマスク
102,202 透明基板
104,204 位相反転膜
106,206 遮光性膜
208 エッチング阻止膜
210 ハードフィルム
112,212 レジスト膜
114,214 第1遮光層
116,216 第2遮光層

Claims (15)

  1. 透明基板上に位相反転膜遮光性膜、エッチング阻止膜およびハードフィルムを有する位相反転ブランクマスクであって、
    前記遮光性膜は、前記透明基板上に連続して形成された第1の層および第2の層を含み、前記第1の層および前記第2の層は、酸素(O)及び窒素(N)の少なくとも一つを含み、
    前記第1のは酸素(O)を必ず含み、遮光性膜の全厚さの50%〜95%の厚さを占め
    前記エッチング阻止膜は、前記位相反転膜と同じエッチング特性を有する物質で構成され、
    前記ハードフィルムは、前記位相反転膜及びエッチング阻止膜と異なるエッチング特性を有し、前記遮光性膜と同じエッチング特性を有する物質で構成され、
    前記遮光性膜および前記ハードフィルムに対するエッチング阻止膜のエッチング選択比が10より高い、
    位相反転ブランクマスク。
  2. 前記位相反転膜は、単層、又は2層以上の多層膜又は連続膜構造のうち一つの構造からなり、
    前記位相反転膜が多層膜又は連続膜構造を有する場合、最上部は必ず酸素(O)を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の位相反転ブランクマスク。
  3. 前記位相反転膜は、193nm又は248nm波長の露光光に対して10%〜50%の透過率を有することを特徴とする、請求項1に記載の位相反転ブランクマスク。
  4. 前記位相反転膜は、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、セレニウム(Se)、銅(Cu)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)のうちの1種以上の物質を含んでなるか、又は、前記物質に窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の物質をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の位相反転ブランクマスク。
  5. 前記位相反転膜は、シリコン(Si)、金属シリサイド、シリコン化合物及び金属シリサイド化合物のうち一つからなり、
    前記シリコン化合物及び前記金属シリサイド化合物はそれぞれ、シリコン及び金属シリサイドにそれぞれ窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の軽元素物質をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の位相反転ブランクマスク。
  6. 前記位相反転膜がシリコン(Si)化合物で構成される場合、前記位相反転膜は、シリコン(Si)が40at%〜90at%、軽元素が10at%〜60at%である組成比を有し、
    前記位相反転膜が金属シリサイド又はその化合物で構成される場合、金属が0.1at%〜10at%、シリコン(Si)が39at%〜90at%、軽元素が0〜60at%である組成比を有することを特徴とする、請求項5に記載の位相反転ブランクマスク。
  7. 前記位相反転膜は、500Å〜850Åの厚さを有し、193nm又は248nm波長の露光光に対して170゜〜190゜の位相反転量を有し、20%〜30%の反射率を有することを特徴とする、請求項1に記載の位相反転ブランクマスク。
  8. 前記遮光性膜は、クロム(Cr)が30at%〜70at%、窒素(N)が10at%〜40at%、酸素(O)が0より大きく50at%以下である組成比を有するクロム(Cr)化合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の位相反転ブランクマスク。
  9. 前記遮光性膜は、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上をさらに含み、炭素(C)が0〜30at%、ホウ素(B)が0〜30at%、水素(H)が0〜30at%である組成比を有することを特徴とする、請求項8に記載の位相反転ブランクマスク。
  10. 前記遮光性膜は、300Å〜700Åの厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の位相反転ブランクマスク。
  11. 前記遮光性膜は、2.0Å/sec〜4.0Å/secのエッチング速度を有することを特徴とする、請求項1に記載の位相反転ブランクマスク。
  12. 前記ハードフィルムは、クロム(Cr)、又はクロム(Cr)に窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)のうちの1種以上の軽元素物質をさらに含むクロム(Cr)化合物のうち一つからなることを特徴とする、請求項に記載の位相反転ブランクマスク。
  13. 前記エッチング阻止膜は、20Å〜150Åの厚さを有することを特徴とする、請求項に記載の位相反転ブランクマスク。
  14. 前記ハードフィルムは、20Å〜100Åの厚さを有し、0.4Å/sec以上のエッチング速度を有することを特徴とする、請求項に記載の位相反転ブランクマスク。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の位相反転ブランクマスクを用いて製造された位相反転フォトマスク。
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