JP2501383B2 - 位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク - Google Patents

位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク

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JP2501383B2
JP2501383B2 JP32863791A JP32863791A JP2501383B2 JP 2501383 B2 JP2501383 B2 JP 2501383B2 JP 32863791 A JP32863791 A JP 32863791A JP 32863791 A JP32863791 A JP 32863791A JP 2501383 B2 JP2501383 B2 JP 2501383B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSI製造の際等にお
いて、微細パターン露光用のマスクとして用いられる
相シフトマスクを製造する際の素材として用いられる位
相シフトマスクブランク及びこの位相シフトマスクブラ
ンクを用いて製造した位相シフトマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の高集積化にともなってリソ
グラフィー工程に用いられる投影露光技術には、転写で
きるパターンのより微細化、高解像度化が要求されてき
ている。
【0003】この投影露光を行う際に用いられるフォト
マスクは、透明基板上に透光部と遮光部とからなる露光
用微細パターンを形成したものである。ここで、この露
光用微細パターンによって被露光体に投影できるパター
ンの解像度は、投影に用いる光の波長によって制限され
ることが知られている。すなわち、波長λの光を用いた
場合には、次の(1) 式に示されるレーリの式によって解
像度が決まる。
【0004】 R=k×λ/NA……(1) この(1) 式において、Rは解像限界、kは被露光体に形
成されたレジストやプロセス、あるいは、像形成で決ま
る比例定数、NAは投影露光に用いる対物レンズの開口
数である。
【0005】そこで、この限界を打破する方法として考
えられたのが位相変調を利用したパターン形成法であ
る。この方法は、一般に、位相シフト法と呼ばれ、例え
ば、特公昭62−50811にその一例が開示されてい
る。
【0006】この位相シフト法は、例えば、細長い透光
部と遮光部の繰り返しパターンの場合、マスク上におい
て、互いに隣り合った透光部を通過した光の位相差がほ
ぼ180°になるように、透光部の一つおきに位相を反
転させるための位相シフターと呼ばれる透明材料を設け
たものである。これにより、位相シフターを設けなかっ
た場合に、i−線(365nm)では干渉効果により得
られなかった0.3μmパターンが、位相シフターを設
けることにより得られるようになる。
【0007】この位相シフト法に用いられる位相シフタ
ーの材料としては、液相法、気相法によって形成される
SiO2 、又は、SiO2 に類似の材料からなる薄膜が
用いられる場合が多い。ところが、基板上に位相シフタ
ーを直接形成する場合、位相シフターの微細加工時に位
相シフターと基板ガラスとの間でエッチング速度の差が
小さいため、位相シフターのオーバーエッチングにより
基板のエッチングも生じてしまう。基板がエッチングさ
れると、予定した位相シフト効果が得られなくなるとい
う問題が生ずる。
【0008】この問題を解決するために、基板と位相シ
フターの間に位相シフターのエッチング条件に耐性を有
するエッチング停止(ストッパー)層を設けた位相シフ
トマスクを用いる方法が提案されている。
【0009】このエッチング停止層の存在により、基板
までエッチングすることなく、位相シフターのみをエッ
チングして予定した通りの位相シフト効果が得られる適
切な微細加工が可能となる。このエッチング停止層の材
料には露光波長での透明性、位相シフターのエッチング
工程で十分なエッチング耐性を有すること、フォトマス
ク洗浄工程でのスクラブ洗浄及び熱濃硫酸浸漬洗浄に耐
え得ること、等の特性が要求される。
【0010】このエッチング停止層としては、例えば、
文献[1991年第38回応用物理学界予行集29p−
ZC−15]に開示されているものが知られている。こ
の文献に開示されているエッチング停止層は、エッチン
グ停止層をAl2 3 で構成したものである。
【0011】なお、位相シフトマスクブランクは、位相
シフトマスクを製造する中間の段階で得られるもので、
位相シフターとなるべき薄膜層及びそのエッチング停止
層、並びに、遮光膜層等が積層して形成されたもので、
いまだ透光部と遮光部とからなる微細パターンが形成さ
れていないものである。すなわち、この位相シフトマス
クブランクに所望の微細パターン加工を施すことによ
り、所望の位相シフトマスクが得らるもので、位相シフ
トマスクブランクとして独立した製品として取り扱われ
る場合も少なくない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の文献
に開示のエッチング停止層を構成するAl2 3 は、露
光波長での透明性、位相シフターのエッチング工程で十
分なエッチング耐性を有すること等のエッチング停止層
として必要な基本的性質は有するが、フォトマスク洗浄
工程での熱濃硫酸浸漬洗浄に耐性がない。すなわち熱濃
硫酸に溶解するという問題点を有している。このため洗
浄中にエッチング停止層の膜厚が減少し、露光時にその
部分を透過する光の位相が目的とする位相からずれてし
まうという問題点が生ずる。
【0013】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、エッチング停止層としての基本的性質を具備
するほかに耐酸性をも備えたエッチング停止層を有する
位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクを提供
することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる位相シフトマスクブランクは、(構成1) 透明基板上に、少なくとも位相シフト層
と、この位相シフト層をエッチングする際にそのエッチ
ングを停止させるエッチング停止層とを備えた位相シフ
トマスクブランクにおいて、前記エッチング停止層が、
Al 2 3 とSnO 2 とを含有する物質で構成されたも
のであることを特徴とした構成とし、また、この構成1
の態様として、 (構成2) 構成1の位相シフフトマスクブランクにお
いて、前記エッチング停止層が、20〜92モル%のA
2 3 と、8〜80モル%のSnO 2 とを含有する物
質で構成されたものであることを特徴とした構成とし、
さらに、本発明かかる位相シフトマスクは、 (構成3) 構成1又は2の位相シフトマスクブランク
に微細パターン加工を施して、透光部と遮光部とからな
る露光用微細パターンを形成したことを特徴とする構成
とした。
【0015】
【作用】上述の構成1〜3によれば、エッチング停止層
としての基本的性質を具備するほかに洗浄工程でのスク
ラブ洗浄及び熱濃硫酸浸漬洗浄等に耐え得る耐酸性をも
備えたエッチング停止層を有する位相シフトマスクブラ
ンク及び位相シフトマスクが得られる。
【0016】ここで、構成2において、エッチング停止
層を、20〜92モル%のAl2 3 と、8〜80モル
%のSnO2 を含む物質で構成したのは次の理由によ
る。
【0017】すなわち、本発明者の研究によると、Sn
2 が8モル%より小になると、耐酸性に乏しくなり、
逆に、80モル%より大になると、i線の透過率が90
%を下回りパターン精度が低下することが判明したから
である。なお、好ましいSnO2 の範囲は30モル%を
越え、70モル%以下の範囲である。これは30モル%
以下だと熱処理を施さないと十分な耐酸性が得られず、
70モル%を越えると、透過率が低下する傾向が認めら
れる為である。また、本発明のエッチング停止層は、S
nO2 の一部分をZrO2 、Ta2 5 、Nb2 5
中から選ばれた一種と置換してもよい。これらの酸化物
と置換した場合、耐酸性が僅かながら低下するものの、
例えば、透過率が向上する等の特性を改善する効果を得
ることができる。
【0018】さらに、エッチング停止層の形成には、ス
パッタリング、真空蒸着法、液相法などが好適である。
【0019】また、SnO2 の含有量が30モル%を下
回ると耐酸性が低下する傾向があるが、エッチング停止
層に所定時間加熱処理を施すことにより、耐酸性を向上
させることができる。図8及び図9は熱処理に伴う熱濃
硫酸に対する溶解速度変化を示したものである。但し、
これらの図において、SnO2 はそれぞれ10%及び1
8モル%であり、熱処理時間はともに30分、成膜(ス
パッタリング)温度はともに250°Cである。これら
図から明らかなように、250°C(成膜温度)〜10
00°Cで熱処理を行うことにより更に優れた耐熱濃硫
酸特性を得られることがわかる。なお、この熱処理はエ
ッチング停止層形成後であってレジストを塗布するより
以前に行えばよく、またエッチング停止層成膜後に行う
ことのみならず成膜時に基板を加熱することによっても
同様な効果を得ることができる。
【0020】位相シフト層としては、露光波長で所定の
透過率が得られる物質であればよく、スパッタリング又
は真空蒸着法によるSiO2 膜又はケイ素化合物溶液を
塗布した後、焼成して形成するSOG(スピン・オン・
グラス)膜が好適である。これらの酸化ケイ素膜のほか
には、例えば、レジスト等の有機高分子膜、フッ化マグ
ネシウム等を用いても構わない。この位相シフト層の膜
厚は所定の位相差を得る関係式を満足するように選択す
ればよい。
【0021】透明基板は露光光に対して透明なものであ
ればよく、石英ガラス、アルミノボロシリケートガラス
板が好適である。また、この基板上に直接エッチング停
止層を形成する場合以外に電子線露光時のチャージ・ア
ップを防止する目的で、基板上にITO(酸化インジウ
ム・スズ)等の透明導電膜を形成し、この透明導電膜上
にエッチング停止層を形成するようにしてもよい。
【0022】また、遮光部を構成する遮光膜の材料とし
てはフォトマスクを通して被転写体に必要とされる光学
濃度のコントラストを有するパターンを転写できる物質
なら全て使用が可能で、例えばクロムや酸化クロム等が
使用できる。なお、遮光部としては、クロムや酸化クロ
ム等の遮光膜を用いず、位相シフト層で構成したものも
適用できる。すなわち、透明基板上に位相シフト層を形
成すると、そのエッジ部分で露光光の位相がずれ、干渉
によって被露光体上にエッジに沿った暗部が形成され
る。したがって、そのエッジを所定のパターンに形成す
ることにより、所定のパターンの遮光部とすることがで
きる。また、位相シフト層を幅の狭い帯状に形成する
と、この帯状パターンの両端のエッジ部分による暗部が
重なることを利用してこの帯状パターンを遮光部とする
こともできる。
【0023】
【実施例】実施例1 図1は本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクブラ
ンクの構成を示す断面図、図2は本発明の実施例1にか
かる位相シフトマスクの構成を示す断面図、図3ないし
図7は本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクブラ
ンク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図であ
る。以下、これらの図面を参照にしながら実施例1を説
明する。
【0024】実施例1の位相シフトマスクブランクは、
図1に示されるように、透明基板1の上に、90モル%
のAl2 3 と、10モル%のSnO2 とを含有する物
質で構成されたエッチング停止層2が形成され、このエ
ッチング停止層2の上に位相シフト層3が形成され、さ
らに、この位相シフト層3の上にクロム膜等からなる遮
光層4が形成されたものである。
【0025】また、実施例1の位相シフトマスクは、図
2に示されるように、透明基板1の上に、90モル%の
Al2 3 と、10モル%のSnO2 とを含有する物質
で構成されたエッチング停止層2が形成され、このエッ
チング停止層2の上に、微細パターン状に形成された位
相シフター3aが形成され、さらに、この位相シフター
3aの上に、該位相シフター3aの線幅より狭い線幅を
有するクロム膜等からなる遮光部4aが形成されたもの
である。
【0026】次に、図3ないし図7を参照にしながら
施例1にかかる位相シフトマスクブランク及び位相シフ
トマスクの製造方法を説明する。
【0027】まず、石英ガラス基板1上に、10モル%
のSnO2 と、90モル%のAl23 とからなるエッ
チング停止層2をスパッタリングにより35nmの膜厚
で形成する。なお、このときのスパッタ温度は約250
°Cであった。
【0028】次に、これら薄膜を形成した状態で透明基
板1に、1000°Cで30分間、加熱処理を施す。
【0029】次に、このエッチング停止層2の上に、ケ
イ素化合物溶液(アライドシグナル社のアキュグラス#
311スピンオングラス(商品名))をスピンコート法
により広げ、200°Cで30分間焼成することにより
有機バインダーを除去してSOGからなる位相シフト層
3を膜厚430nmで形成する。
【0030】しかる後、位相シフト層3上に、スパッタ
リングによりクロム膜からなる遮光層4(膜厚80n
m)を形成して、図1に示される位相シフトマスクブラ
ンクを得る。
【0031】次に、図3に示されるように、位相シフト
マスクブランクの遮光層4の表面にスピンコート法によ
り電子線用レジスト5を膜厚400nmになるように塗
布し、これを150°Cで乾燥させる。
【0032】次に、このレジスト5に選択的に電子線を
照射して電子線露光を施した後、現像して微細パターン
状のレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジ
ストパターンに沿って遮光層4をエッチングして微細パ
ターン状の遮光部4aを得る(図4参照)。
【0033】次に、この遮光部4a及び位相シフト層3
を含む表面全体に、スピンコート法により2層構造の電
子線レジスト51(有機樹脂膜+導電性薄膜)を形成す
る(図5参照)。
【0034】次に、このレジスト51に微細パターン露
光を施して現像し、図6に示されるようなレジストパタ
ーン51aを形成する。このレジストパターン51a
は、遮光部4aの線幅よりその線幅が所定の大きさだけ
大きくなるように形成される。すなわち、遮光部4aの
両側部に所定の距離だけはみだすようにして形成され
る。
【0035】次に、このレジストパターン51aに沿っ
て、位相シフト層3にCF4 /O2混合ガスによってプ
ラズマによるドライエッチングを施し、レジストパター
ン51aと同じ微細パターンを有する位相シフター3a
を得る。ここで、この位相シフト層3のエッチングの際
において、位相シフト層3のエッチング速度とエッチン
グ停止層2のエッチング速度との比であるエッチング選
択比は60であり、位相シフト層3のエッチングが終了
してもエッチング停止層2が存在するため透明基板1の
エッチングが防止され、位相シフト層3のみのエッチン
グができる。
【0036】次いで、レジストパターン51aを除去
し、しかる後、残存レジストその他の異物除去等のため
に、100°Cの熱濃硫酸浸漬処理(30分間)を含む
洗浄処理を施して乾燥し、図2に示される位相シフトマ
スクを得る。
【0037】このようにして得られた位相シフトマスク
においては、遮光部4aが形成された領域以外での透光
部での波長365nmのi線に対する透過率が92%で
あって、十分な透過率を有し、上述の位相シフト層3の
エッチングの際のエッチング選択比とともに、エッチン
グ停止層として要求される基本的特性を十分備えている
ことがわかった。しかも、このエッチング停止層2は、
熱濃硫酸溶解速度が10オングストローム/minであ
り、したがって、100°Cの熱濃硫酸浸漬処理(30
分間)を施してもその膜厚減少は従来に比較して著しく
小さいものであることがわかった。
【0038】また、この位相シフトマスクを用いてi線
によりパターニングを行ったところ0.4μmのライン
アンドスペース(L/S)パターンの転写が可能であっ
た。
【0039】なお、本実施例においては、エッチング停
止層の耐酸性を向上させるための加熱処理を、位相シフ
ト層3の形成に行ったが、位相シフト層3の形成の工
程で行われるSOGの焼成の温度を400°Cに上げて
このSOGの焼成で、上記エッチング停止層2の加熱処
理を兼ねてもよい。
【0040】実施例2 この実施例は、上述の実施例1においては施したエッチ
ング停止層2への加熱処理工程(1000°Cで30分
間)を省き、また、エッチング停止層2の膜厚を95n
mと厚くしたほかは実施例1と同一の構成を有するもの
である。
【0041】この加熱工程を省いた結果、エッチング停
止層2の熱濃硫酸に対する溶解速度は30オングストロ
ーム/min程度となったが、従来と比較すると、十分
小さい値であることがわかった。なお、エッチング停止
層としての基本特性及び位相シフトマスクとしての性能
は、実施例1に比較して膜減りが増大し、また、この膜
減りを補う意味でエッチング停止層の厚さを厚くした分
若干劣るが、この実施例によれば、製造工程が単純にな
るという利点が得られる。
【0042】実施例3 この実施例は、エッチング停止層2として、SnO2
18モル%含有したAl2 3 材料を用い、また、エッ
チング停止層2の膜厚を25nmと薄くした点を除き、
上述の実施例2と同じ構成を有する。
【0043】この実施例では、SnO2 の含有量を増や
した結果、エッチング停止層2の熱濃硫酸に対する溶解
速度が、7オングストローム/min程度になり、実施
例2に比較して向上した。また、エッチング停止層を薄
くした結果、i線に対する透過率も充分な値を確保でき
た。
【0044】実施例4 この実施例は、上述の実施例3における位相シフト層3
の形成工程に、600°C、30分間の加熱処理を施
す工程を追加したほかは、上述の実施例3と同じ構成を
有する。
【0045】この加熱処理工程を追加した結果、エッチ
ング停止層2の熱濃硫酸に対する溶解速度が、5オング
ストローム/min程度になり、実施例3に比較して向
上した。また、i線に対する透過率は実施例3と同等で
あった。
【0046】なお、図8及び図9に、エッチング停止層
2として、SnO2 をそれぞれ10モル%及び18モル
%含有したAl2 3 材料を用いた場合において、上述
の加熱処理工程の加熱処理温度(°C)を変えた場合の
加熱処理温度とエッチング停止層2の熱濃硫酸に対する
溶解速度との関係を示したグラフを示した。これらのグ
ラフから明らかなように、成膜温度(250°C)以上
で1000°C以下の温度範囲で、加熱処理温度が高い
程効果が顕著になることがわかる。
【0047】実施例5 この実施例は、エッチング停止層2として、SnO2
33モル%含有したAl2 3 材料を用いた点を除き、
上述の実施例3〜4と同じ構成を有する。
【0048】この実施例では、加熱工程がないにもかか
わらず、SnO2 の含有量を増やした結果、エッチング
停止層2の熱濃硫酸に対する溶解速度が、3オングスト
ローム/minと、良好なものであった。i線に対する
透過率についても充分であった。
【0049】実施例6 この実施例は、上述の実施例5における位相シフト層3
の形成工程に、450°C30分間の加熱処理を施す
工程を追加したほかは、上述の実施例5と同じ構成を有
する。
【0050】この加熱処理を追加した結果、エッチング
停止層2の熱濃硫酸に対する溶解速度が、1オングスト
ローム/min程度になり、実施例5に比較して向上し
た。i線に対する透過率等も充分な値を維持できた。
【0051】実施例7 この実施例は、エッチング停止層2として、SnO2
44モル%含有したAl2 3 材料を用いた点を除き、
上述の実施例1〜2及び実施例5と同じ構成を有する。
【0052】この実施例では、加熱工程がないにもかか
わらず、エッチング停止層2の熱濃硫酸に対する溶解速
度が、ほぼ、0オングストローム/minと、極めて良
好なものであった。i線に対する透過率等も充分な値を
維持できた。
【0053】実施例8 この実施例は、エッチング停止層2として、SnO2
70モル%含有したAl2 3 材料を用いた点を除き、
上述の実施例7と同じ構成を有する。
【0054】この実施例においても、エッチング停止層
2の熱濃硫酸に対する溶解速度が、ほぼ、0オングスト
ローム/minと、極めて良好なものであった。i線に
対する透過率等も実用上問題ない値を維持できた。
【0055】比較例1 この比較例は、エッチング停止層2として、SnO2
全く含まないAl2 3 (膜厚100nm)のみからな
る材料を用いた点を除き、上述の実施例2〜3、5及び
7〜8と同じ構成を有する。
【0056】この比較例にあっては、熱濃硫酸浸漬によ
る洗浄でエッチング停止層であるAl2 3 が溶解して
除去された。このため、エッチング停止層の存在する部
分としない部分とで位相のずれが生じ、0.5〜0.6
μm程度のL/Sパターンの転写しかできなかった。
【0057】比較例2 この比較例は、エッチング停止層2として、SnO2
85モル%含有したAl2 3 材料を用い、その膜厚を
10nmとした点を除き、上述の実施例2〜3、5及び
7〜8と同じ構成を有する。
【0058】この比較例では、SnO2 の含有量を85
モル%と過剰にした結果、エッチング停止層2の熱濃硫
酸に対する溶解速度は、ほぼ、0オングストローム/m
inと、極めて良好なものであったが、i線に対する透
過率が85%に低下し、i線の吸収が大きいためフォト
マスクとしての実用的なパターン転写を行うことができ
なかった。
【0059】なお、図10は、以上の各実施例及び比較
例の結果を表にまとめて示したものである。
【0060】なお、上述した実施例においては、耐酸性
を熱濃硫酸によって調べたが、熱濃硫酸以外の塩酸、酢
酸などの酸性溶液でも同様の効果が確認された。
【0061】また、上述の各実施例では、エッチング停
止層をスパッタリング法で成膜する例を掲げたが、これ
は、真空蒸着法、液相法等の他の成膜法でもよい。他の
成膜法による場合には、エッチング停止層を加熱する工
程における加熱温度範囲は、それぞれの成膜温度以上で
かつ1000°C以下であればよい。
【0062】また、位相シフトマスクブランクの他の形
態としては図11に示すものがあり、このブランクや、
このブランクから製作した図12に示す位相シフトマス
クにも本発明は適用することができる。図11に示され
る位相シフトマスクブランクは、透明基板1の上にエッ
チング停止層2を形成し、その上にクロム膜の微細パタ
ーンからなる遮光部4aを形成し、しかる後、遮光部4
a及びエッチング停止層2の上に位相シフト層3を形成
したものである。また、図12に示される位相シフトマ
スクは、図11に示される位相シフトマスクブランクの
位相シフト層3に微細パターンを形成して、位相シフタ
ー3aを設けたものである。この位相シフター3aは、
細長い透光部と遮光部の繰り返しパターンの互いに隣り
合った透光部を通過した光の位相差がほぼ180°にな
るように、透光部の一つおきに形成されたものである。
【0063】さらに、本発明は、例えば、図13に示さ
れる位相シフトマスクにも適用できる。この位相シフト
マスクは、透明基板1上にエッチング停止層2を形成
し、その上に微細パターン状の位相シフター3aを形成
し、この位相シフター3aの各パターンライン上の両端
部に線幅の狭い遮光部4aを形成したもので、図1に示
される位相シフトマスクブランクから製造することがで
きる。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかる
相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、位相
シフト層をエッチングする際にそのエッチングを停止さ
せるエッチング停止層を、Al 2 3 とSnO 2 とを含
有する物質で構成したことにより、エッチング停止層と
しての基本的性質を具備するほかに耐酸性をも備えたエ
ッチング停止層を有する位相シフトマスクブランク及び
位相シフトマスクを得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクブ
ランクの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクの
構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクブ
ランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図で
ある。
【図4】本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクブ
ランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図で
ある。
【図5】本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクブ
ランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図で
ある。
【図6】本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクブ
ランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図で
ある。
【図7】本発明の実施例1にかかる位相シフトマスクブ
ランク及び位相シフトマスクの製造方法の工程説明図で
ある。
【図8】エッチング停止層の熱濃硫酸に対する溶解速度
の加熱処理温度依存性を示すグラフである。
【図9】エッチング停止層の熱濃硫酸に対する溶解速度
の加熱処理温度依存性を示すグラフである。
【図10】各実施例及び比較例の結果を表にまとめて示
した図である。
【図11】位相シフトマスクブランクの他の例を示す図
である。
【図12】位相シフトマスクの他の例を示す図である。
【図13】位相シフトマスクの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…透明基板、2…エッチング停止層、3…位相シフト
層、3a…位相シフター、4…遮光層、4a…遮光部、
5,51…レジスト、51a…レジストパターン。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、少なくとも位相シフト層
    と、この位相シフト層をエッチングする際にそのエッチ
    ングを停止させるエッチング停止層とを備えた位相シフ
    トマスクブランクにおいて、前記エッチング停止層が、Al 2 3 とSnO 2 とを含
    有する物質で構成されたものである ことを特徴とした位
    相シフフトマスクブランク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の位相シフフトマスクブ
    ランクにおいて、 前記エッチング停止層が、20〜92モル%のAl 2
    3 と、8〜80モル%のSnO 2 とを含有する物質で構
    成されたものであることを特徴とした位相シフトマスク
    ブランク。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の位相シフトマス
    クブランクに微細パターン加工を施して、透光部と遮光
    部とからなる露光用微細パターンを形成したことを特徴
    とする位相シフトマスク。
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