JPH0516465B2 - - Google Patents

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JPH0516465B2
JPH0516465B2 JP61076802A JP7680286A JPH0516465B2 JP H0516465 B2 JPH0516465 B2 JP H0516465B2 JP 61076802 A JP61076802 A JP 61076802A JP 7680286 A JP7680286 A JP 7680286A JP H0516465 B2 JPH0516465 B2 JP H0516465B2
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JP
Japan
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olefin
ethylene
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propylene
copolymer
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JP61076802A
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JPS62235351A (ja
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Kyoshi Kawabe
Yasunosuke Myazaki
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Eneos Corp
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は特定のプロピレン系ブロツク共重合体
の剛性、耐衝撃性及び成形時の流動性をバランス
よく改良する方法に関する。 <従来の技術> ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレ
フイン系樹脂はパイプ、シート、ブロー成形、射
出成形等広範な分野に使用されているが、多くの
場合機械的強度、成形性等を改良するために各種
のフイラーや他の樹脂を配合する方法が用いられ
ている。 近年、とくに自動車工業、電気工業分野などに
おいて省資源、省エネルギーの観点から軽量化、
コストダウンの動きが活発となつており、たとえ
ば自動車においてはバンパー、インストルメント
パネルをはじめ各部品の樹脂化が強力に押し進め
られつつある。同様な傾向は家庭電気機器分野、
電線用被覆物分野等でも起こりつつあり、鋼板、
アルミニウムなどの従来の材料の代替、または既
用の樹脂の薄肉化などが活発に試みられてきてい
る。 かかる観点から、すでに各種の耐衝撃性の樹脂
が実用化されてきており、たとえばポリオレフイ
ン樹脂の分野では、耐衝撃性のよいプロピレンブ
ロツクコポリマー、ポリプロピレンとエチレン・
プロピレンゴムとのブレンド組成物などがこの目
的のために種々開発されてきた。 しかしながら、耐衝撃性は極力高いことが望ま
しいこと、強度、剛性を高めると一般に耐衝撃性
は低下する傾向にあること、低温での耐衝撃性も
きわめて重要な実用性能であること等を考慮する
と、公知のプロピレンブロツクコポリマー、ポリ
プロピレン−エチレン・プロピレンゴムブレンド
組成物などの各種耐衝撃性樹脂組成物もまだ性能
的に十分でない。またこれらの組成物は、成形加
工時の流動性も良好とは言い難い。それ故、これ
らプロピレン系ブロツク共重合体の剛性、耐衝撃
性及び流動性をバランスよく改良する方法の開発
が望まれている。 <発明が解決しようとする問題点> 本発明は上述の問題点を解決し、低温下での耐
衝撃性が著しく高いだけでなく、強度、剛性およ
び耐衝撃性のバランスにすぐれ、しかも成形加工
性もきわめて良好なポリプロピレン系樹脂組成物
を製造することを目的とする。 <問題点を解決するための手段> 本発明者らは上記の目的に沿つて鋭意検討した
結果、プロピレン系ブロツク共重合体に特定の低
密度エチレン系共重合体を核剤とともにブレンド
することにより、従来の組成物より著しくすぐれ
た前記性能を示す樹脂組成物が得られることを見
出し、これに基づいて本発明に到達した。 すなわち本発明は、 (A) プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフイン
をコモノマー成分とするプロピレン系ブロツク
共重合体80〜97重量部に、 (B) 少くともマグネシウムおよびチタンを含有す
る固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と
からなる触媒の存在下で、エチレンと炭素数4
〜12のα−オレフインとを共重合させて得られ
る下記(i)〜(iv)の性状を有するエチレン・α−オ
レフイン共重合体20〜3重量部、 (i) メルトフローレート 0.01〜20g/10min (ii) 密度 0.860〜0.910g/cm3 (iii) 示差走査熱量測定法(DSC)による最大
ピーク温度 100℃以上 (iv) 沸騰n−ヘキサン不溶分 10重量%以上 および (C) 核剤0.01〜0.5重量部を配合することを特徴
とするプロピレン系ブロツク共重合体の剛性、
耐衝撃性及び流動性の改良方法である。 以下本発明について詳細に説明する。 まず本発明において成分(A)として用いられるプ
ロピレンと炭素数2〜8のα−オレフインとのブ
ロツク共重合体は、公知技術によりチグラー・ナ
ツタ型触媒を用いて合成される。共重合体中のα
−オレフインの含量は3〜27モル%、好ましくは
9〜21モル%のものが用いられる。炭素数2〜8
のα−オレフインとしては、エチレン、ブテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1などが例示され
るが、とくにエチレンが好ましい。これらの重合
体のメルトフローレートについてはとくに制限は
なく、通常メルトフローレートが0.1〜100g/
10minのものが好ましく用いられる。 共重合体中のα−オレフインの含量が3モル%
未満では得られる組成物の耐衝撃性が向上せず、
27モル%を越えると組成物の剛性が低下しすぎて
好ましくない。 本発明において成分(B)として用いられるのは、
少なくともマグネシウムおよびチタンを含有する
固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とからな
る触媒の存在下にエチレンと炭素数4〜12のα−
オレフインとを共重合させて得られる下記(i)〜(iv)
の性状を有するエチレン・α−オレフイン共重合
体である。 (i) メルトフローレートが0.01〜20g/10min、
好ましくは0.1〜10g/10min、 (ii) 密度が0.860〜0.910g/cm3、好ましくは0.880
〜0.908g/cm3、 (iii) 示差走査熱量測定法(DSC)においてその
最大ピークの温度が100℃以上、好ましくは110
℃〜125℃、 (iv) 沸騰n−ヘキサン不溶分が10重量%以上、好
ましくは30〜97重量%。 本発明で用いるエチレン・α−オレフイン共重
合体は上記(i)〜(iv)の条件をすべて満足するもので
なければならない。 〔条件(i)〕 まず、(i)のメルトフローレート(JIS K6760、
K7210)が0.01g/10min未満であると組成物の
流動性が悪くなつて成形性が劣り、一方20g/
10minを越えると強度が低下する。 〔条件(ii)〕 (ii)の密度(JIS K6760、K7112)が0.860g/cm3
未満であると得られる組成物が軟かすぎて剛性不
足となり、一方密度が0.910g/cm3を越えると硬
質になりすぎ、衝撃強度に欠けるため好ましくな
い。 〔条件(iii)〕 (iii)のDSCによる最大ピーク温度は結晶形態と
相関する値であり、この温度が100℃未満である
と得られる組成物の耐熱性、引張強度が不足し、
また表面にべたつきが生じて望ましくない。 〔条件(iv)〕 つぎに、沸騰n−ヘキサン不溶分は非晶質部分
の割合および低分子量成分の含有率の目安となる
ものであり、不溶分が10重量%未満であるときは
非晶質部分および低分子量成分が多くなり強度低
下による性能不足や表面がべたつき、ごみが付着
しやすくなるなどの問題が生じる。 なお、本発明におけるDSCおよび沸騰n−ヘ
キサン不溶分の測定方法は次のとおりである。 〔DSCによる測定法〕 熱プレス成形した厚さ100μmのフイルムから
約5mgの試料を精秤し、それをDSC装置にセツ
トし、170℃に昇温してその温度で15min保持し
た後降温速度2.5℃/minで0℃まで冷却する。
次に、この状態から昇温速度10℃/minで170℃
まで昇温して測定を行う。0℃から170℃に昇温
する問に現われたピークの最大ピークの頂点の位
置の温度をもつて最大ピーク温度とする。 〔沸騰n−ヘキサン不溶分の測定法〕 熱プレスを用いて、厚さ200μmのシートを成
形し、20mm×30mmのシートを3枚切り取り、2重
管式ソツクスレー抽出器を用いて、沸騰n−ヘキ
サンで5時間抽出を行なう。n−ヘキサン不溶分
を取り出し、真空乾燥(7hr.真空下、50℃)後、
次式により沸騰n−ヘキサン不溶分を算出する。 沸騰n−ヘキサン不溶分=抽出済シート重量/未抽出シ
ート重量×100(重量%) 本発明におけるエチレン・α−オレフイン共重
合体は上記の諸特性をすべて満たすことによつ
て、所望の性能を発揮することができる。 エチレンと共重合するα−オレフインは炭素数
4〜12のものである。具体的には、ブテン−1、
4−メチルペンテン、ヘキセン−1、オクタン−
1、デセン−1、ドデセン−1などをあげること
ができる。これらのうちとくに好ましいのは、ブ
テン−1、4−メチルペンテン−1およびヘキセ
ン−1である。エチレン・α−オレフイン共重合
体中のα−オレフイン含量は5〜40モル%である
ことが好ましい。 以下に、本発明において用いるエチレンとα−
オレフインの共重合体の製造法について説明す
る。 まず使用する触媒系は、少なくともマグネシウ
ムおよびチタンを含有する固体触媒成分に有機ア
ルミニウム化合物を組み合わせたもので、該固体
触媒成分としてはたとえば金属マグネシウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグ
ネシウム、塩化マグネシウム、またケイ素、アル
ミニウム、カルシウムから選ばれる金属とマグネ
シウム原子とを含有する複塩、複酸化物、炭酸
塩、塩化物あるいは水酸化物など、さらにはこれ
らの無機質固体化合物を含酸素化合物、含硫黄化
合物、芳香族炭化水素、ハロゲン含有物質で処理
または反応させたもの等のマグネシウムを含む無
機質固体化合物にチタン化合物を公知の方法によ
り担持させたものがあげられる。 上記の含酸素化合物としては、たとえば水、ア
ルコール、フエノール、ケトン、アルデヒド、カ
ルボン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミド
等の有機含酸素化合物、金属アルコキシド、金属
のオキシ塩化物等の無機含酸素化合物を例示する
ことができる。含硫黄化合物としては、チオー
ル、チオエーテル等の有機含硫黄化合物、二酸化
硫黄、三酸化硫黄、硫酸等の無機硫酸化合物を例
示することができる。芳香族炭化水素としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、
フエナントレン等の各種単環および多環の芳香族
炭化水素化合物を例示することができる。ハロゲ
ン含有物質としては、塩素、塩化水素、金属塩化
物、有機ハロゲン化物等の化合物を例示すること
ができる。 チタン化合物としては、チタンのハロゲン化
物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハ
ロゲン化酸化物等をあげることができる。チタン
化合物としては4価のチタン化合物と3価のチタ
ン化合物が好適であり、4価のチタン化合物とし
ては具体的には一般式Ti(OR)oX4-o(ここでRは
炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはア
ラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。n
は0≦n≦4である。)で示されるものが好まし
く、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタ
ン、モノメトキシトリクロロチタン、ジメトキシ
ジクロロチタン、トリメトキシモノクロロチタ
ン、テトラメトキシチタン、モノエトキシトリク
ロロチタン、ジエトキシジクロロチタン、トリエ
トキシモノクロロチタン、テトラエトキシチタ
ン、モノイソプロポキシトリクロロチタン、ジイ
ソプロポキシジクロロチタン、トリイソプロポキ
シモノクロロチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、モノブトキシトリクロロチタン、ジブトキシ
ジクロロチタン、モノペントキシトリクロロチタ
ン、モノフエノキシトリクロロチタン、ジフエノ
キシジクロロチタン、トリフエノキシモノクロロ
チタン、テトラフエノキシチタン等を挙げること
ができる。3価のチタン化合物としては、四塩化
チタン、四臭化チタン等の四ハロゲン化チタンを
水素、アルミニウム、チタンあるいは周期律表
〜族金属の有機金属化合物により還元して得ら
れる三ハロゲン化チタンがあげられる。また一般
式Ti(OR)nX4-n(ここでRは炭素数1〜20のアル
キル基、アリール基またはアラルキル基を示し、
Xはハロゲン原子を示す。mは0<m<4であ
る。)で示される4価のハロゲン化アルコキシチ
タンを周期律表〜族金属の有機金属化合物に
より還元して得られる3価のチタン化合物があげ
られる。 これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化
合物がとくに好ましい。 これらの触媒の具体的なものとしては、たとえ
ばMgO−RX−TiCl4系(特公昭51−3514号公
報)、Mg−SiCl4−ROH−TiCl4系(特公昭50−
23864号公報)、MgCl4−Al(OR)3−TiCl4系(特
公昭51−152号公報、特公昭52−15111号公報)、
MgCl4−SiCl4−ROH−TiCl4系(特開昭49−
106581号公報)、Mg(OOCR)2−Al(OR)3−TiCl4
系(特公昭52−11710号公報)、Mg−POCl3
TiCl4系(特公昭51−153号公報)、MgCl2
AlOCl−TiCl4系(特公昭54−15316号公報)、
MgCl2−Al(OR)oX3-o−Si(OR′)nX4-n−TiCl4
系(特開昭56−95909号公報)などの固体触媒成
分(前記式中において、R、R′は有機残基、X
はハロゲン原子を示す)に有機アルミニウム化合
物を組み合わせたものが好ましい例としてあげら
れる。 他の触媒系の例としては固体触媒成分として、
いわゆるグリニヤール化合物などの有機マグネシ
ウム化合物とチタン化合物との反応生成物を用
い、これに有機アルミニウム化合物を組み合わせ
た触媒系を例示することができる。有機マグネシ
ウム化合物としては、たとえば、一般式RMgX、
R2Mg、RMg(OR)などの有機マグネシウム化
合物(ここで、Rは炭素数1〜20の有機残基、X
はハロゲンを示す)およびこれらのエーテル錯合
体は、またはこれらの有機マグネシウム化合物を
さらに他の有機金属化合物たとえば有機ナトリウ
ム、有機リチウム、有機カリウム、有機ホウ素、
有機カルシウム、有機亜鉛、有機アルミニウムな
どの各種化合物を加えて変性したものを用いるこ
とができる。 これらの触媒系の具体的な例としては、たとえ
ばRMgX−TiCl4系(特公昭50−39470合公報)、
RMgX−フエノール−TiCl4系(特公昭54−
12953号公報)、RMgX−ハロゲン化フエノール
−TiCl4系(特公昭54−12954号公報)、RMgX−
CO2−TiCl4系(特開昭57−73009号公報)等の固
体触媒成分に有機アルミニウム化合物を組み合わ
せたものをあげることができる。 また他の触媒系の例としては固体触媒成分とし
て、SiO2、Al2O3等の無機酸化物と前記の少なく
ともマグネシウムおよびチタンを含有する固体触
媒成分を接触させて得られる固体物質を用い、こ
れに有機アルミニウム化合物を組み合わせたもの
を例示することができる。無機酸化物としては
SiO2、Al2O3の外にCaO、B2O3、SnO2等をあげ
ることができ、またこれらの酸化物の複酸化物も
なんら支障なく使用できる。これら各種の無機酸
化物と少なくともマグネシウムおよびチタンを含
有する固体触媒成分を接触させる方法としては公
知の方法を採用することができる。すなわち、不
活性溶媒の存在下あるいは不存在下に温度20〜
400℃、好ましくは50〜300℃で通常5分〜20時間
反応させる方法、共粉砕処理による方法、あるい
はこれらの方法を適宜組み合わせることにより反
応させてもよい。 これらの触媒系の具体的な例としては、たとえ
ば、SiO2−ROH−MgCl2−TiCl4系(特開昭56−
47407号公報)、SiO2−R−O−R′−MgO−AlCl3
−TiCl4系(特開昭57−187305号公報)、SiO2
MgCl2−Al(OR)3−TiCl4−Si(OR′)4系(特開昭
58−21405号公報)(前記式中においてR、R′は
炭化水素残基を示す。)等に有機アルミニウム化
合物を組み合わせたものをあげることができる。 これらの触媒系において、チタン化合物を有機
カルボン酸エステルとの付加物として使用するこ
ともでき、また前記したマグネシウムを含む無機
固体化合物を有機カルボン酸エステルと接触処理
させたのち使用することもできる。また、有機ア
ルミニウム化合物を有機カルボン酸エステルとの
付加物として使用しても何ら支障がない。さらに
は、あらゆる場合において、有機カルボン酸エス
テルの存在下に調整された触媒系を使用すること
も何ら支障なく実施できる。 ここで有機カルボン酸エステルとしては各種の
脂肪族、脂環族、芳香族カルボン酸エステルが用
いられ、好ましくは炭素数7〜12の芳香族カルボ
ン酸エステルが用いられる。具体的な例としては
安息香酸、アニス酸、トルイル酸のメチル、エチ
ルなどのアルキルエステルをあげることができ
る。 上記した固体触媒成分と組み合わせるべき有機
アルミニウム化合物の具体的な例としては一般式
R3Al、R2AlX、RAlX2、R2AlOR、RAl(OR)
XおよびR3Al2X3の有機アルミニウム化合物(こ
こでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはアラルキル基、Xはハロゲン原子を示し、
Rは同一でもまた異なつていてもよい)で示され
る化合物が好ましく、トリエチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチル
アルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムエ
トキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド、
およびこれらの混合物等があげられる。 有機アルミニウム化合物の使用量はとくに制限
されないが通常チタン化合物に対して0.1〜1000
モル倍使用することができる。 また、前記の触媒系をα−オレフインと接触さ
せたのち重合反応を用いることによつて、その重
合性を大幅に向上させ、未処理の場合よりも一層
安定に運転することもできる。このとき使用する
α−オレフインとしては種々のものが使用可能で
あるが、好ましくは炭素数4〜12のα−オレフイ
ンであり、さらに好ましくは炭素数4〜8のα−
オレフインである。これらのα−オレフインの例
としてはたとえばブテン−1、ペンテン−1、4
−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、デセン−1、ドデセン−1等およびこれら
の混合物などをあげることができる。触媒系とα
−オレフインとの接触時の温度、時間は広い範囲
で選ぶことができ、たとえば0〜200℃、好まし
くは0〜110℃で1分〜24時間で接触処理させる
ことができる。接触させるα−オレフインの量も
広い範囲で選べるが、通常、前記固体触媒成分1
g当り1g〜50000g、好ましくは5g〜30000g
程度のα−オレフインで処理し、前記固体触媒成
分1g当り1g〜500gのα−オレフインを反応
させることが望ましい。このとき、接触時の圧力
は任意に選ぶことができるが通常、−1〜100Kg/
cm2・Gの圧力下に接触させるのが望ましい。 α−オレフイン処理の際、使用する有機アルミ
ニウム化合物を全量、前記固体接触成分と組み合
わせたのちα−オレフインと接触させてもよい
し、また、使用する有機アルミニウム化合物のう
ち一部を前記固体触媒成分と組み合わせたのちα
−オレフインと接触させ、残りの有機アルミニウ
ム化合物を重合の際に別途添加して重合反応を行
つてもよい。また、触媒系とα−オレフインとの
接触時に、水素が共存しても支障なく、また、窒
素、アルゴン、ヘリウムなどその他の不活性ガス
が共存しても何ら支障がない。 重合反応は通常のチグラー型接触によるオレフ
インの重合反応と同様にして行われる。すなわち
反応はすべて実質的に酸素、水などを絶つた状態
で気相または不活性溶媒の存在下、またはモノマ
ー自体を溶媒として行われる。オレフインの重合
条件は温度20〜300℃、好ましくは40〜200℃であ
り、圧力は常圧ないし70Kg/cm2・G、好ましくは
2Kg/cm2・Gないし60Kg/cm2・Gである。分子量
の調節は重合温度、触媒のモル比などの重合条件
を変えることによつてもある程度調節できるが、
重合系中に水素を添加することにより効果的に行
われる。もちろん、水素温度、重合温度などの重
合条件の異なつた2段階ないしそれ以上の多段階
の重合反応も何ら支障なく実施できる。 本発明のエチレン・α−オレフイン共重合体
と、固体触媒成分としてバナジウムを含有するも
のを使用して得られるエチレン・α−オレフイン
共重合体とは明確に区別される。 両者は共重合体を構成するモノマーが同一の場
合であつて、かつ密度が同一であつても、DSC
による最大ピーク温度は本発明の共重合体のほう
が高く、また沸騰n−ヘキサン不溶分は本発明の
共重合体が10重量%以上であるのに対し、バナジ
ウム系触媒によるものは不溶分が存在しないか、
または極めて少量である。このように共重合体自
体に相違があるため、本発明の組成物に使用する
場合には、本発明の共重合体を用いたほうが強
度、耐衝撃性等諸性能のバランスがすぐれてい
る。 本発明において成分(C)として用いられる核剤と
しては、公知のものを使用でき、シリカ、タルク
などの無機質微粉末、脂肪族および芳香族ジカル
ボン酸、芳香族カルボン酸、これらカルボン酸の
無水物または金属塩などがあげられる。この他
に、ソルビトール系、リン酸塩系等もあげられる
が、プロピレン系重合体に関しては安息香酸のナ
トリウム塩またはアルミニウム塩類が好ましい。 次に本発明の方法について説明する。 まず上述の成分(A)〜(C)の配合(混合)割合は、
成分(A)が80〜97重量部、好ましくは85〜95重量
部、成分(B)が20〜3重量部、好ましくは15〜5重
量部、成分(C)が0.01〜0.5重量部である。これら
の範囲外では得られる組成物の耐衝撃性や成形性
などが低下し、良好な組成物が得られない。 本発明では上記各成分を所定割合で配合し、混
練工程を経ることによつて得られる。混練はミキ
シングロール、バンバリーミキサー、ニーダー、
二軸混練機、押出機等を用いて行われる。温度は
通常180〜280℃、好ましくは200〜250℃で行う。 かくして得られたプロピレン系組成物から成形
品を製造する場合は、当該技術分野で通常使用さ
れる射出成形法、押出成形法等種々の成形法が適
用できる。 本発明においては、前記した3成分((A)〜(C))
の外に、他のポリオレフインを適宜配合すること
は、得られる組成物の特性を損なわない限り行つ
てもよい。これら他のポリオレフインの例として
は、高圧法ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレ
ン−α−オレフインランダム共重合体、スチレン
−ブタジエンブロツク共重合体およびオレフイン
系などの熱可塑性エラストマー等があげられる。 また、本発明においては改良すべきプロピレン
系ブロツク共重合体又はその組成物よりも最終生
成物の剛性、耐衝撃性及び流動性の1以上を低下
させない限り、必要に応じて安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、発泡剤、帯電防止剤、
難然剤、可塑剤、染料、顔料、等を適宜配合する
ことができる。 <発明の効果> 以上述べたように、本発明ではプロピレン系ブ
ロツク共重合体に特定のきわめて低密度のエチレ
ン系共重合体および核剤を配合することにより剛
性、低温下での耐衝撃性、さらに成形時の流動性
がいずれも同時に改良され、これらの物性間のバ
ランスがとれた樹脂組成物が得られる。 <実施例> 以下、本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらによつて限定されるものでは
ない。なお、実施例および比較例における物性測
定は下記の方法によつた。 〔メルトフローレート(MFR)測定法〕 (1) プロピレン系(JIS K6758、K7210) MFR測定装置を用い、荷重2160g、温度230
℃で規定の内径および長さのオリフイスから
10min間に押出される樹脂の重量を測定する。 (2) エチレン系(JIS K6760、K7210) 測定温度を190℃とする以外は上記と同じ。 〔引張破壊強さ測定法〕および〔引張破壊伸び測
定法〕(ASTM D−638) 引張速度50mm/minで標線間50mmの試験片を引
張試験機を用いて引張り、破断時の引張強度およ
び破断時の標線間の距離を測定する。 〔曲げ弾性率測定法〕(ASTM D−790) 圧縮ロードセル付き引張試験機を用い水平に2
点支持された試験片の支点間中央に上から曲げ速
度30mm/minで力を加え、試験片が3mm変形した
時の応力を測定する。 〔アイゾツト衝撃測定法〕(ASTM D−256) アイゾツト衝撃試験機を用いて、ノツチ付きの
試験片が一定の角度から振り降ろされたハンマー
の高速度荷重により破断した時の衝撃強度を測定
する。 〔スパイラルフロー長さ測定法〕(ASTM
D3123) スパイラルフロー長さ測定用金型(アルキメデ
ス形)を射出成形機に取り付け、250℃でのスパ
イラルフロー長さを測定する。 実施例 1〜5 成分(A)として、エチレン含量および性状の異な
る5種のプロピレン−エチレンブロツク共重合体
(A1〜A5)を用いた。それらのエチレン含量お
よびMFRの値を表に1示す。 成分(B)として次の3種を用いた。 B1:実質的に無水の塩化マグネシウム、1,2
−ジクロルエタンおよび四塩化チタンから得ら
れた固体触媒成分とトリエチルアルミニウムか
らなる触媒を用いてエチレンとブテン−1とを
共重合させてエチレン・ブテン−1共重合体を
得た。 このエチレン・ブテン−1共重合体のエチレ
ン含量は87.9モル%、MFRは1.0g/10min、
密度は0.895g/cm3、DSCの最大ピーク温度
(Tm)は119℃、沸騰n−ヘキサン不溶分は72
重量%であつた。 B2:成分(B1)と同一の触媒を用いてエチレ
ン・ブテン−1共重合体を得た。 このエチレン・ブテン−1共重合体のエチレ
ン含量は84.0モル%、MFRは2.0g/10min、
密度は0.885g/cm3、DSCの最大ピーク温度は
117℃、沸騰n−ヘキサン不溶分は66重量%で
あつた。 B3:成分(B1)と同一の触媒を用いて、エチレ
ン・ブテン−1共重合体を得た。 このエチレン・ブテン−1共重合体のエチレ
ン含量は91.0モル%、MFRは5.1g/10min、
密度は0.903g/cm3、DSCの最大ピーク温度は
121℃、沸騰n−ヘキサン不溶分は78重量%で
あつた。 上記各共重合体の性状を表1に示した。 成分(C)としては、C1:ヒドロキシ−ビス−(p
−t−ブチル安息香酸)アルミニウム(300メツ
シユ、商品名:Al−PTBBA、シエル化学(株)製)
を用いた。分子式は次のとおりである: Al〔OOC・C6H4・C(CH332OH 上記各成分を表1に示す配合割合でドライブレ
ンドした後、押出機で混練し、所定の成形を行
い、物性を測定した。 結果を表1に示す。 比較例 1〜6 成分(A)としては前記のプロピレン−エチレンブ
ロツク共重合体(A1)を用いた。 成分(B)としては前記のエチレン・ブテン−1共
重合体(B1)のほかに、次のものも使用して調
合を行つた。 B4:市販のエチレン・プロピレン共重合体ゴム
(商品名:EP02P、日本合成ゴム(株)製)。 この共重合体ゴムのMFRは1.9g/10min、
密度は0.864/cm3、DSCの最大ピーク温度は32
℃、沸騰n−ヘキサン不溶分は0重量%であつ
た。 B5:市販の直鎖状低密度ポリエチレン。 このポリエチレンのMFRは1.0g/10min、
密度は0.922g/cm3、DSCの最大ピーク温度は
123℃、沸騰n−ヘキサン不溶分は97重量%で
あつた。 成分(C)としては前記のp−t−ブチル安息香酸
アルミニウム(C1)を使用し、または何ら使用
せずに調合を行つた。 上記各成分を表1に示すように配合し、実施例
の場合と同様に混練、成形を行い物性を測定した
結果を表1に示す。表の結果から、比較例1〜6
の組成物は、いずれも曲げ弾性率、アイゾツト衝
撃値およびMFRのすべてにすぐれているものは
なく、剛性、耐衝撃性および流動性のバランスの
点で実施例に比べ著しく劣ることがわかる。
【表】
【表】 実施例 6 成分(A)としてA5を90重量部、成分(B)としてB3
を10重量部、成分(C)としてタルクを0.3重量部を
用い、これらをドライブレンドした後、押出機で
混練し、所定の成形を行い、物性を測定した。結
果を表2に示す。 比較例 7 タルクの使用量を1.0重量部とした以外は実施
例6と同一の条件で実験を行つた。結果を表2に
示す。
【表】 実施例6と比較例7の対比から核剤の量が多す
ぎると耐衝撃性及び流動性が低下してくることが
わかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフ
    インをコモノマー成分とするプロピレン系ブロ
    ツク共重合体80〜97重量部に、 (B) 少なくともマグネシウムおよびチタンを含有
    する固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物
    とからなる触媒の存在下で、エチレンと炭素数
    4〜12のα−オレフインとを共重合させて得ら
    れる下記(i)〜(iv)の性状を有するエチレン・α−
    オレフイン共重合体20〜3重量部; (i) メルトフローレート 0.01〜20g/10min (ii) 密度 0.860〜0.910g/cm3 (iii) 示差走査熱量測定法(DSC)による最大
    ピーク温度 100℃以上 (iv) 沸騰n−ヘキサン不溶分 10重量%以上 および (C) 核剤0.01〜0.5重量部を配合することを特徴
    とするプロピレン系ブロツク共重合体の剛性、
    耐衝撃性及び流動性の改良方法。 2 前記成分(A)のプロピレン・α−オレフインブ
    ロツク共重合体中のα−オレフイン含量が3〜27
    モル%である特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 前記成分(A)のプロピレン・α−オレフインブ
    ロツク共重合体中のα−オレフインがエチレンで
    ある特許請求の範囲第1項または第2項記載の方
    法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5147946A (ja) * 1974-10-22 1976-04-24 Mitsubishi Petrochemical Co Horipuropirensoseibutsuno taishogekiseikairyoho
JPS5823842A (ja) * 1981-07-23 1983-02-12 Showa Denko Kk 樹脂組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5147946A (ja) * 1974-10-22 1976-04-24 Mitsubishi Petrochemical Co Horipuropirensoseibutsuno taishogekiseikairyoho
JPS5823842A (ja) * 1981-07-23 1983-02-12 Showa Denko Kk 樹脂組成物

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