JPH0516321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は中空板を躯体に取り付けることが出来
る取付装置に掛り、特に相隣する横張り中空板を
簡単かつ体裁良く相方兼用で柱等の躯体に取り付
けることが出来る中空板取付装置に関するもので
ある。

〈従来の技術〉 従来のこの種の中空板の取り付け装置として
は、例えば第６図に示す如く、相隣する中空板１
を柱２に取り付けるに当たつて、アングル状の下
地金物３を柱２の両隅に夫々溶接固定し、更に中
空板１の所定位置に穴を穿孔した後、この穴にボ
ルト４を挿通し、別に用意した締付金具５及びナ
ツト６等を介して左右の中空板１を夫々別個に前
記下地金物３に取り付け固定し、これによつて中
空板１を柱２に取付固定していた。

〈考案が解決しようとする課題〉 然るに、上述の技術は中空板１に穴を穿孔しな
ければならないので、作業性が悪くコスト高にな
ると共に板材の強度を低下せしめる等の問題があ
つた。

かつ、相隣する中空板１を夫々別々に下地金物
３、ボルト４及び締付金具５で固定しなければな
らないので作業能率が悪い問題があつた。

更に前述の金具類が表面に露出するので体裁が
悪く、又前記金具類は躯体側から取り付ける金具
があるので、梁に面する位置では取り付け不能な
場合が多い等の問題点があつた。

本考案に係る装置は、従来のこれ等の問題点に
鑑み開発された全く新規な技術であつて、特に相
隣する中空板の間隔を小さくして一緒に取り付け
ることが出来、かつ簡単な施工作業で取付金具が
中空板の外側面に現れないようにした新規な中空
板取付装置の技術を提供するものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案に係る中空板取付装置は、前述の従来の
問題点を根本的に改善した技術であつて、その要
旨は、建物躯体に取り付けられる中空板１６の裏
面に当接することが可能でかつ柱９に固定された
下地金物７と、この下地金物７の中央部に固定さ
れたボルト１０と、該ボルト１０が摺動自在に挿
通し得る長孔１２を片側中央部に偏在させると共
に該長孔１２が存在する部分の外周両側に多数の
横溝１３を設けたプレート１１と、該プレート１
１の長孔１２に挿通された前記ボルト１０に螺合
し得、かつ外面に掛り溝１５が穿設されたハツト
型ナツト１４との組み合わせからなる中空板取付
装置である。

〈作用〉 本考案に於いては、上述の如き構造を有してい
るので、柱８に固定された下地金物７の中央部に
突出して固定されたボルト１０に対し、中空板１
６の端部がボルト１０を固定した下地金物７と接
するようにし、その状態でプレート１１の長孔１
２に取り付けるべき該中空板１６とは反対側にし
た状態でその長孔１２に該ボルト１０を挿通さ
せ、ハツト型ナツト１４を緩く該ボルト１０に螺
合させるという作業が、中空板１６の端部で作業
を目で確認しながら確実に実施できるという作用
を有する。

また、プレート１１に存在する長孔１２は、上
記の作業が終了後、該長孔１２を利用してプレー
ト１１を取り付けた中空部内に押し込むことがで
きるという作用を発揮することが出来る。

このようにプレート１１を取り付けた中空板１
６の中空部内に押し込んだ状態で、隣の中空板１
６を前記の下地金物７のボルト１０を介した反対
面に接するように持つて来ても、このように隣の
中空板１６を取り付ける際に前記のプレート１１
は中空部に押し込まれているので障害にならな
い。

更にプレート１１の両外側に設けられた多数の
横溝１３は、このようにボルト１０の両側に中空
板１６が配され、その間隔が狭くなつていても、
外側からこの狭い間隙に治具を差し込むことによ
り、治具の引掛部を横溝１３内に入れてプレート
１１を引掛けて、後に持つてきた中空板１６側に
引出すことができるという作用を発揮することも
出来る。

そして、ハツト型ナツト１４に穿設された掛り
溝１５は、両側に中空板１６が配され、その間隔
が狭くなつていても、外側から治具をこの掛り溝
１５に差し込んでハツト型ナツト１４を締めるこ
とが可能である。

このように本考案に於いては、各部材が上述の
構造を有しているので、中空板１６に取り付け用
の穴を穿孔する必要がなく、かつ一組の金具類で
狭い間隔で隣接する二枚の中空板１６を取付固定
することができ、更に金具類が中空板１６の外側
からは殆ど見えなくなるという作用も発揮するこ
とが出来る。

〈実施例〉 図により、本考案に係る中空板取付装置の一実
施例を具体的に説明すると、第１図は本考案の取
付装置の要部を示す断面図、第２図は構成部品を
示す斜視説明図、第３図乃至第５図は夫々組立の
順序を示す断面説明図である。

図に於いて、７は下地金物であつて、一体的に
溶接されたアングル材８を介して柱９に溶接固定
されている。この下地金物７の下面にはフツクボ
ルト又は直ボルト等のボルト１０が下方に突出さ
れた状態で溶接固定されている。

１１は角座金状のプレートであつて、その片側
中央部には左右の長軸方向に長孔１２が穿孔さ
れ、かつ長孔１２が存在する左右両側縁にはスラ
イド用治具掛り用のノコ刃状横溝１３が夫々穿設
されている。

１４は前記ボルト１０に螺合し得るハツト型ナ
ツトであり、下面には治具掛り溝１５が穿設され
ている。また、１６は中空板であつて、押し出し
セメント板等より構成されており、その内部には
中空部を有している。

本考案に係る取付装置の構成に当たつては、第
３図乃至第５図に示す如く、先ず所定位置に建付
けられた一方の中空板１４の中空部に寄せて深く
挿入されたプレート１１の長孔１２内にボルト１
０を挿入し、これをハツト型ナツト１４で仮止め
する。

次に、他方の中空板１６を、既に建付けが終わ
つた前記中空板１６に相隣させた後で、ハツト型
ナツト１４をゆるめながら専用治具とプレート１
１の横溝１３とを利用して、プレート１１をスラ
イドさせながら、このプレート１１の一端部を新
しく建付けた他方の中空板１６の中空部に挿入
し、この状態でナット１４を本締めすることによ
つて、相隣する中空板１６を柱９に取付固定する
ことが出来る。

〈考案の効果〉 本考案に係る取付装置は、上述の如き構造と作
用とを有するので、次のような効果を奏すること
が出来る。

(1) 一式の金具類を使用することによつて、隣接
する２個の中空板を一度に建付固定することが
できる。

(2) 中空板には固定用の孔を穿孔する必要がない
ので、作業性が良く、かつ中空板素材の強度を
低下せしめることがない。

(3) 取付金具が中空板の外側面より表に現れない
ので体裁がよく、しかも隣接する中空板間の間
隔（目地間隔）を小さくして中空板の取付が可
能である。

このように、本考案に係る取付装置は全体とし
て施工作業性、意匠性、経済性に極めて優れてい
る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の取付装置の要部を示す断面
図、第２図は構成部品を示す斜視説明図、第３図
乃至第５図は夫々組立の順序を示す断面説明図、
第６図は従来例を示す説明図である。 １，１６は中空板、２，９は柱、３，７は下地
金物、４，１０はボルト、６，１４はナツト、８
はアングル、１１はプレート、１２は長孔、１３
は横溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物躯体に取り付けられる中空板１６の裏面に
   当接することが可能でかつ柱９に固定された下地
   金物７と、この下地金物７の中央部に固定された
   ボルト１０と、該ボルト１０が摺動自在に挿通し
   得る長孔１２を片側中央部に偏在させると共に該
   長孔１２が存在する部分の外周両側に多数の横溝
   １３を設けたプレート１１と、該プレート１１の
   長孔１２に挿通された前記ボルト１０に螺合し
   得、かつ外面に掛り溝１５が穿設されたハツト型
   ナツト１４との組み合わせからなる中空板取付装
   置。