JPH05163047A - 鋼滓を改質した超速硬セメント原料の製造法 - Google Patents

鋼滓を改質した超速硬セメント原料の製造法

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JPH05163047A
JPH05163047A JP3332192A JP33219291A JPH05163047A JP H05163047 A JPH05163047 A JP H05163047A JP 3332192 A JP3332192 A JP 3332192A JP 33219291 A JP33219291 A JP 33219291A JP H05163047 A JPH05163047 A JP H05163047A
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steel slag
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CaF2含有鋼滓の有効利用を図るべく、超速硬
セメントを製造する。 【構成】 転炉に残したCaF2含有熱鋼滓を還元処理し、
Fe、Mn分を除き、一旦冷却固化してから粉砕し、これに
アルミナ源、石灰源を配合し、焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍石を用いた溶銑予備
処理または製鋼過程で発生するCaF2含有鋼滓の有効利用
方法、具体的には、この鋼滓を改質して超速硬セメント
原料 (クリンカー) を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶銑予備処理または製鋼過程において、
媒溶剤 (フラックス) などの副原料の一部として蛍石
(CaF2) を使用した処理が行われることがある。例え
ば、溶銑の脱燐処理は、脱燐効率およびコストの面から
低温処理が好ましく、低温処理でスラグ滓化を促進させ
る目的で蛍石を低融点媒溶剤として使用することが多
い。
【0003】このように蛍石を使用した処理で発生する
鋼滓 (スラグ) は、未反応のCaF2をかなりの量で含有し
ており、これからフッ素イオンの溶出が懸念されるた
め、埋立用以外に利用の方法がなかった。そこでかかる
CaF2含有鋼滓の高付加価値的利用を図るために、組成が
セメント原料に比較的類似していることに着目して、こ
の鋼滓を改質してセメント原料、特に超速硬型セメント
原料として利用することが試みられてきた。
【0004】例えば、特公昭57−34223 号公報には、重
量%で、 CaO =68〜72%、 Fe203=0.2 〜1.0 %、 SiO2
22〜26%、P205=0.1 〜0.6 %、 Al203=1〜3%、
TiO2 =0.4 〜0.9 %、MnO =0.4 %以下、 CaF2
=0.3〜2.0 %、 MgO =0.3 〜3.0 % からなる組成をもち、鉱物組織としては、主に3CaO・Si
O2の形で存在し、3CaO・Al203 がほとんど存在しないこ
とを特徴とする、鋼滓を改質した鋼滓セメントの製造法
が開示されている。
【0005】これは、鋼滓セメント成分中のAl203 が少
なく、超速硬性を示す 11CaO・7Al203・CaF2の鉱物組織
がほとんど存在していない、いわゆる早強性セメントに
類するものである。特開昭63−206336号公報には、脱燐
スラグを用いた速硬セメントの製造方法として、磁選し
て金属鉄分を除いた脱燐スラグ粉末にアルミナ源と石灰
源を配合し、850 〜1250℃で焼成し、 11CaO・7Al203
CaF2を主成分とするクリンカーを造り、これを粉砕した
後、石膏を添加して速硬セメントとする方法が開示され
ている。
【0006】しかしながら、この方法で製造されたセメ
ントは超速硬性が低く、JIS モルタル試験での1時間経
過後の圧縮強度は2〜6kg重/cm2である。この圧縮強度
は、市販の超速硬セメントであるジェットセメントの35
〜40kg重/cm2に比べ1/6 以下とはるかに低いという問題
がある。また磁選した後の脱燐スラグを原料とするた
め、熱鋼滓の持っている顕熱を有効利用できず製造コス
トが高くつく上、MnO を除去できないので、セメント強
度の低下とセメントの色が褐色を帯びるという問題もあ
る。
【0007】特開平2−236214号公報には、精錬中の溶
鋼あるいは溶銑予備処理過程の溶銑に、トップチャージ
あるいはインジェクションにて、石灰、石灰石、酸化
鉄、蛍石、アルミニウム、アルミドロス、アルミナ系廃
棄物、ボーキサイト、水酸化アルミの一種あるいは二種
以上を混合して、鋼滓成分を重量%で CaO=35〜45%、
Al203 =25〜35%とし、固化した鋼滓成分の主成分が 1
2CaO・7Al203あるいは 11CaO・7Al203・CaF2となるよう
にしたことを特徴とする、鋼滓の改質方法が記載されて
いる。
【0008】この方法で得られる改質鋼滓は、急結固化
剤として超速硬セメント原料となる。この改質方法は精
錬中に実施することから、鋼滓改質処理前に鋼滓を還元
処理することができない。そのため、得られた改質鋼滓
はFeO 、Fe203 などの鉄分を多く含み、またMnO を多く
含むため、後工程で磁選処理して鉄分を除去することが
必要となり、操作がかえって煩雑となる。また、鋼滓か
らMnO を取り除くことは不可能であり、上述したよう
に、MnO の存在は、セメント強度の阻害とセメントの色
が褐色を帯びるという問題を生ずる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本件特許出願人は、さ
きに、特願平2−413805号、同3−79117 号として、溶
銑予備処理または製鋼過程で発生したCaF2含有熱鋼滓に
還元剤を加えて1300〜1800℃で溶融還元した後、沈降し
た合金鉄を比重分離することによって、FeO +Fe203
有量0.1 〜5重量%、MnO +Mn203 含有量2.0 重量%以
下に成分調整し、次いでこの熱鋼滓にアルミナ源および
石灰源を配合して、その組成をCaF2 1モルに対しAl203
3 〜10モル、CaO5 〜17モルに調整した後、この熱鋼滓
を850 〜1250℃で焼成する方法を開示した。
【0010】しかし、その後の研究の結果、この方法で
は、還元処理後の熱鋼滓中にアルミナ源および石灰石を
投入し、850 〜1250℃の温度範囲で焼成するため鋼滓と
アルミナ源および石灰源の混合が充分でなく、焼成時の
生成鉱物相に焼きむらが発生する問題のあることが判明
した。
【0011】そのような焼きむらが発生すると、セメン
ト原料 (クリンカー) 中の 11CaO・7Al203生成量のバラ
ツキが大きくなることが判かった。かくして、本発明の
目的は、上記問題点のない鋼滓を改質した超速硬セメン
ト原料の製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく、検討した結果、還元処理後鋼滓を一旦冷
却させ、破砕して粉状化した鋼滓にアルミナ源および石
灰石源を配合し、充分に混合させてから、850 〜1250℃
で焼成する改質処理により品質および歩留に優れた超速
硬セメント原料を製造することのできることを知り、本
発明を完成した。ここに、本発明は、次の工程(i) 〜
(v) から成る、CaF2含有熱鋼滓を改質して超速硬セメン
ト原料を製造する方法である。
【0013】(i) 溶銑予備処理または製鋼過程で発生し
たCaF2含有鋼滓に還元剤を加えて1300〜1800℃で溶融還
元する工程、(ii)溶融還元され沈降した合金鉄を比重分
離して、FeO +Fe203 含有量0.1 〜5重量%、MnO +Mn
203 含有量2.0 重量%以下に成分調整した熱鋼滓を回収
する工程、(iii) 回収された熱鋼滓を冷却し、粉砕する
工程、(iv)粉砕された鋼滓にアルミナ源および石灰源を
配合して、その組成をCaF2 1モルに対しAl203 3〜10モ
ル、CaO 5〜17モルの割合に調整し、混合する工程、そ
して(v) 得られた混合物を850 〜1300℃で焼成して、11
CaO ・7Al203 ・CaF2を主成分とする生成物を得る工
程。
【0014】本発明によれば、予備処理工程または精錬
過程で発生したCaF2含有鋼滓を、好ましくは転炉に残し
た熱鋼滓の状態で、アルミ灰等の還元剤を投入し、上吹
または底吹または上底吹等でN2等を用いてインジェクシ
ョンして、FeO 、Fe203 、MnO 、Mn203 を溶融還元さ
せ、合金鉄 (Fe−Mn) として比重分離させ、次いで、冷
却固化し、鋼滓を破砕して粉状化後、アルミナ源および
石灰源を配合させ、充分混合させてから、焼成処理する
ことによってCaF2含有熱鋼滓の熱源を還元処理時に有効
利用でき、かつ、還元処理後、鋼滓を冷却固化させてか
ら破砕して粉状化させ、次いで、アルミナ源および石灰
源を配合し、充分混合させた後、焼成させることにより
セメントの品質低下をもたらすFe分およびMn分を含まず
かつ焼成むらがまったくない、高品質の超速硬セメント
原料が製造できる。
【0015】本発明で処理する熱鋼滓は、溶銑予備処理
または製鋼過程で発生するCaF2含有熱鋼滓であれば特に
限定されない。その代表例は、媒溶剤の一部として蛍石
を使用した脱燐スラグであるが、CaF2を含有する限り、
他の鋼滓も使用することができる。鋼滓中のCaF2量も特
に限定されないが、目的とする 11CaO・7Al203・CaF2
効果的に生成させるためにはCaF2含有量が3重量%以上
あることが好ましい。
【0016】かかる熱鋼滓に添加する還元剤としては、
金属アルミニウム、金属アルミニウム含有物 (アルミニ
ウム缶、アルミ灰等) 、炭素または炭素源 (粉コーク
ス、石炭、ピッチ、電極屑等) 、一酸化炭素などが使用
できるが、酸化熱が高く、反応性の良い金属アルミニウ
ムまたは金属アルミニウム含有物が最も好ましい。
【0017】アルミナ源としては、Al203 を含む材料で
あれば何でも使用できる。好適なアルミナ源の例は、ア
ルミ灰、アルミドロス、ボーキサイト、水酸化アルミニ
ウムである。石灰源としては、CaO を含有する任意の材
料が使用できる。好ましい石灰源には、生石灰、石灰
石、消石灰がある。
【0018】合金鉄が分離された熱鋼滓の冷却、粉砕
は、一旦転炉などの冶金処理炉から熱鋼滓を排出させ、
そのまま大気中で冷却してもよく、強制空冷した風砕と
してもよい。更には、水冷による急冷水砕であってもよ
い。冷却後の粉砕は、ボールミルなど慣用の粉砕手段で
行えばよい。好ましくは、比表面積で1000〜20,000cm2/
g の範囲とするが、最も好ましくは3000〜6000cm2/g 程
度にまで粉砕する。
【0019】
【作用】次に、本発明における各処理工程についてその
作用を具体的に説明する。 (i) 溶融還元工程:本発明の方法によれば、まず、溶銑
予備処理または製鋼過程で発生したCaF2を含有する鋼滓
(一部鋼を含んでもよい) 、例えば、転炉での脱燐処理
で発生したCaF2含有熱鋼滓を転炉に残し、溶融状態で直
ちに還元剤を加えて1300〜1800℃で溶融還元する。
【0020】好適態様にあっては、還元剤を加えた後、
上吹または底吹または上底吹で不活性ガス (N2、Arガス
等) を用いてインジェクションを行い還元反応を均一化
させながら1300〜1800℃で溶融還元し、鋼滓中のFeO ・
Fe203 ・MnO ・Mn203 を還元して合金鉄 (Fe−Mn) とす
る。
【0021】使用する還元剤の種類は、還元処理時の鋼
滓の温度を1300〜1800℃とするために、酸化熱と還元処
理前の鋼滓の温度および反応性の面から選定すればよい
が、特に好適な還元剤としては金属アルミニウムまたは
金属アルミニウム含有物がある。この還元処理を行う理
由は次の通りである。
【0022】〔セメント中のFe203 〕Fe203はセメント
製造において媒溶剤として作用し、セメント原料の焼成
およびその化合を容易ならしめるほかセメント特有の配
色を付与する重要な役目をもっている。しかし、Fe203
は 11CaO・7Al203・CaF2および3CaO・SiO2などの水和を
抑制する働きがあることから、超速硬性セメントにおい
ては酸化鉄分を低位にすることが重要である。そのた
め、超速硬セメントにおいては、Fe203 含有量を0.1 〜
2.0 重量%としている。
【0023】〔セメント中のMnO 、Mn203 〕MnO(Mn203)
はセメント製造において、焼成中の3CaO・SiO2の生成量
を減少させることにより、セメント強度を阻害する。ま
た、セメントの色を褐色化させる問題もあり、セメント
中のMnO(Mn203)含有量は少ない程良いとされている。セ
メント協会発行の文献 (第35回セメント技術大会の日本
セメント発表資料)によれば、Mn203 として0.2 %を越
えるとセメント強度の低下がみられるとしている。
【0024】上記の理由から、鋼滓中のFeO 、Fe203
MnO 、Mn203 を除去し、生成クリンカー中のFeO 、Fe20
3 、MnO 、Mn203 を減少させることが好ましい。このた
めの方法として溶融還元法を採用するのは、比重分離と
いう簡便な方法で鉄およびマンガンの分離が可能であ
り、また、熱鋼滓を使用する場合その顕熱をそのまま利
用できるからである。
【0025】改質された生成クリンカー中の主要生成物
である 11CaO・7Al203・CaF2の生成量を大きくするため
には、焼成温度を1300℃以下とする必要性があることか
ら、還元処理工程は 11CaO・7Al203・CaF2の焼成工程の
前でなくてはならない。また、還元処理温度としては、
前述の理由から鋼滓の溶融温度以上で、かつCaO および
Al203 が還元されない温度以下とする必要があることか
ら、1300〜1800℃の範囲とする。好ましい還元処理温度
は、1400〜1700℃である。還元処理時の容器としては、
熱鋼滓の熱ロスを最少にする面から転炉が好適である
が、取鍋等へ熱鋼滓を移し変えてもよい。
【0026】(ii)分離・回収工程:還元処理後、生成し
た合金鉄は、鋼滓より比重が大きいため、炉底に沈むの
で、比重分離により鋼滓から分離できる。この合金鉄分
離後に回収された鋼滓の組成は、上記の還元処理によ
り、鋼滓中のFeO +Fe203 含有量およびMnO +Mn203
有量が成分調整されており、FeO +Fe203 含有量0.1 〜
5重量%、MnO +Mn203 含有量2.0 重量%以下となる。
鋼滓中の酸化鉄および酸化マンガンの含有量をこの範囲
内に低減しておけば、本発明の方法により改質されたク
リンカーに石膏やポルトランドセメントを配合して得ら
れる超速硬セメントのFe203 含有量およびMnO(Mn203)含
有量を前述の範囲内に調整することが可能となり、品質
に優れた超速硬セメントとすることができる。
【0027】(iii) 冷却・粉砕工程:アルミナ源、石灰
源の配合に先立って、本発明によれば、溶融熱鋼滓は冷
却固化されてから粉砕される。熱鋼滓を冷却固化させた
後、破砕し粉状化するのは、アルミナ源および石灰源と
の混合を十分なものとし、焼成時に、アルミナ源および
石灰源と鋼滓を均一に反応させて、 11CaO・7Al203・Ca
F2の生成の均一化のために行うものである。したがっ
て、アルミナ源および石灰源も同様に粉砕したものを配
合するのが好ましい。
【0028】鋼滓、アルミナ源および石灰源の破砕粒度
は比表面積で1000〜20,000cm2/g の範囲とするが、3000
〜6000cm2/g が最も好ましい。1000cm2/g未満では焼成
後の生成鉱物相のバラツキが大きく、20,000cm2/g を越
えると混合時に粉煙となって巻き上がり易いため混合作
業が難しいばかりか、破砕コストも膨大となり微粉砕化
の効果がなくなる。
【0029】(iv)調整・混合工程:焼成前に鋼滓とアル
ミナ源および石灰源を充分に混合させる。よって、アル
ミナ源および石灰源についても、粉状のものを使用し、
焼成前に鋼滓とアルミナ源および石灰源を充分に混合さ
せてから焼成を行う。混合手段は特に制限されないが、
粉砕と混合を兼ねてボールミルにて混合粉砕すれば充分
である。
【0030】配合後の鋼滓中の成分は、CaF2 1モルに対
しAl203 3 〜10モル、好ましくは5〜8モル、CaO 5 〜
17モル、好ましくは7〜13モルとする。 11CaO・7Al203
・CaF2の生成量を最大とするためには、Al203 約7モ
ル、CaO 約11モルが最も好ましい。
【0031】(v) 焼成工程:焼成炉としては、焼成物の
均一化の上で、ロータリーキルンが最も好ましいが、均
一に加熱焼成できる炉であれば何でもよい。焼成温度
は、850 〜1300℃とする。この範囲外では 11CaO・7Al2
03・CaF2の生成効率が低下する。好ましい焼成温度は90
0 〜1200℃である。この焼成により改質された 11CaO・
7Al203・CaF2を主成分とする生成物を加熱炉から回収
し、超速硬セメント原料 (クリンカー) を得る。
【0032】このクリンカーに、石膏やポルトランドセ
メントを配合し、超速硬セメントとして使用する。石膏
やポルトランドセメントの配合量は速硬性やセメント強
度を考慮して調整するが、通常は重量%で本発明の方法
で得たクリンカー20〜40%、石膏10〜25%、ポルトラン
ドセメント35〜70%の範囲内である。次に、実施例によ
り本発明をさらに説明する。実施例中、「%」は特に指
定しない限り、「重量%」である。
【0033】
【実施例】転炉にて脱燐処理完了後、転炉内に熱鋼滓を
残し、上部より還元剤としてアルミ灰を鋼滓量に対し20
%の量で投入し、転炉のランスを利用して上吹にてN2
スを吹込みインジェクションを行いながら15分還元処理
した。このときの熱鋼滓の温度は1600〜1650℃であっ
た。還元処理後、転炉から熱鋼滓を排出して冷却固化し
た。炉底に沈降した合金鉄は熱鋼滓を排出した後、分離
して排出した。
【0034】次に、冷却固化した鋼滓とアルミナ源とし
てアルミ灰および石灰源として石灰石をボールミルにて
比表面積4000cm2/g に混合粉砕した。しかる後、ロータ
リーキルンで焼成した。使用した脱燐スラグ、還元剤
(アルミ灰) 、アルミナ源 (アルミ灰) および石灰源
(生石灰) の組成を表1にまとめて示す。
【0035】焼成条件および結果は表2にまとめて示す
が、本発明の方法によれば 11CaO・7Al203・CaF2生成量
のバラツキが小さいことが分かる。一方、比較例として
示す特願平2−413805号の方法によれば、同表に示す通
り、 11CaO・7Al203・CaF2の生成量のバラツキが大きい
ことが判明した。
【0036】(モルタル圧縮強度試験)本例によって焼成
されたクリンカーをボールミルにて比表面積5300cm2/g
に粉砕した粉体を、表3に示す条件で組合わせて配合し
た。同表中、超速硬性原料は本例で得られた5300cm2/g
の粉体、無水石膏(CaSO4)は市販品、ポルトランドセメ
ントは市販の普通ポルトランドセメントであった。
【0037】配合後のセメント組成物中のFeO +Fe203
およびMnO +Mn203 の含有量を調査した。その結果を表
3に示す。次に、JIS R5201 に規定するモルタル供試体
を作成し、圧縮強度を調べた。その結果を同表に示す。
なお、表中の比較例には、比較例および市販の超速硬性
セメントであるジェットセメントの圧縮強度を併記し
た。比較例では圧縮強度のバラツキが大きいのに対し、
本発明例ではバラツキが小さく、市販のジェットセメン
トと同等の性能を示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、従来は埋め立て用とし
て廃棄されていたCaF2を含有する溶融鋼滓から、その顕
熱を有効利用して、かつ、還元処理を併用することによ
って、鋼滓中のFe分、Mn分を合金鉄 (Fe−Mn) として除
去回収することができ、焼成されたクリンカーは超速硬
性能が極めて安定しており、超速硬性セメント原料とし
て安定使用できるのと同時に、回収された合金鉄は製鋼
等の副原料として有効利用可能であるため、鋼滓を全量
有効に活用することができる。従って、本発の方法は、
資源の利用のみならず、従来は比較的高価であった超速
硬セメントをより安価に供給することができるという、
産業上極めて優れた効果を発揮するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】そのような焼きむらが発生すると、セメン
ト原料 (クリンカー) 中の 11CaO・7Al20 3・CaF 2 生成量
のバラツキが大きくなることが判かった。かくして、本
発明の目的は、上記問題点のない鋼滓を改質した超速硬
セメント原料の製造方法を提供することである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】(i) 溶銑予備処理または製鋼過程で発生し
たCaF2含有鋼滓に還元剤を加えて1300〜1800℃で溶融還
元する工程、(ii)溶融還元され沈降した合金鉄を比重分
離して、FeO +Fe203 含有量0.1 〜5重量%、MnO +Mn
203 含有量2.0 重量%以下に成分調整した熱鋼滓を回収
する工程、(iii) 回収された熱鋼滓を冷却し、粉砕する
工程、(iv)粉砕された鋼滓にアルミナ源および石灰源を
配合して、その組成をCaF2 1モルに対しAl203 3〜10モ
ル、CaO 5〜17モルの割合に調整し、混合する工程、そ
して(v) 得られた混合物を850 〜1250℃で焼成して、11
CaO ・7Al203 ・CaF2を主成分とする生成物を得る工
程。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】合金鉄が分離された熱鋼滓の冷却、粉砕
は、一旦転炉などの冶金処理炉から熱鋼滓を排出させ、
そのまま大気中で冷却してもよく、強制空冷した風砕と
してもよい。更には、水冷による急冷水砕であってもよ
い。冷却後の粉砕は、ボールミルなど慣用の粉砕手段で
行えばよい。好ましくは、比表面積で1000〜20,000cm2/
g の範囲とするが、最も好ましくは3000〜7000cm2/g 程
度にまで粉砕する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】改質された生成クリンカー中の主要生成物
である 11CaO・7Al203・CaF2の生成量を大きくするため
には、焼成温度を1250℃以下とする必要性があることか
ら、還元処理工程は 11CaO・7Al203・CaF2の焼成工程の
前でなくてはならない。また、還元処理温度としては、
前述の理由から鋼滓の溶融温度以上で、かつCaO および
Al203 が還元されない温度以下とする必要があることか
ら、1300〜1800℃の範囲とする。好ましい還元処理温度
は、1400〜1700℃である。還元処理時の容器としては、
熱鋼滓の熱ロスを最少にする面から転炉が好適である
が、取鍋等へ熱鋼滓を移し変えてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】鋼滓、アルミナ源および石灰源の破砕粒度
は比表面積で1000〜20,000cm2/g の範囲とするが、3000
7000cm2/g が最も好ましい。1000cm2/g 未満では焼成
後の生成鉱物相のバラツキが大きく、20,000cm2/g を越
えると混合時に粉煙となって巻き上がり易いため混合作
業が難しいばかりか、破砕コストも膨大となり微粉砕化
の効果がなくなる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】(v) 焼成工程:焼成炉としては、焼成物の
均一化の上で、ロータリーキルンが最も好ましいが、均
一に加熱焼成できる炉であれば何でもよい。焼成温度
は、850 〜1250℃とする。この範囲外では 11CaO・7Al2
03・CaF2の生成効率が低下する。好ましい焼成温度は90
0 〜1200℃である。この焼成により改質された 11CaO・
7Al203・CaF2を主成分とする生成物を加熱炉から回収
し、超速硬セメント原料 (クリンカー) を得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】次に、冷却固化した鋼滓とアルミナ源とし
てアルミ灰および石灰源として生石灰をボールミルにて
比表面積500 0cm2/g に混合粉砕した。しかる後、ロータ
リーキルンで焼成した。使用した脱燐スラグ、還元剤
(アルミ灰) 、アルミナ源 (アルミ灰) および石灰源
(生石灰) の組成を表1にまとめて示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】(モルタル圧縮強度試験)本例によって焼成
されたクリンカーをボールミルにて比表面積5300cm2/g
に粉砕した粉体を、表3に示す条件で組合わせて配合し
た。同表中、超速硬性原料は本例で得られた5300cm2/g
の粉体、水石膏(CaSO 4・2H 2O) は市販品、ポルトラン
ドセメントは市販の普通ポルトランドセメントであっ
た。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表3】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、従来は埋め立て用とし
て廃棄されていたCaF2を含有する溶融鋼滓から、その顕
熱を有効利用して、かつ、還元処理を併用することによ
って、鋼滓中のFe分、Mn分を合金鉄 (Fe−Mn) として除
去回収することができ、焼成されたクリンカーは超速硬
性能が極めて安定しており、超速硬性セメント原料とし
て安定使用できるのと同時に、回収された合金鉄は製鋼
等の副原料として有効利用可能であるため、鋼滓を全量
有効に活用することができる。従って、本発の方法
は、資源の有効利用のみならず、従来は比較的高価であ
った超速硬セメントをより安価に供給することができる
という、産業上極めて優れた効果を発揮するものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i) 溶銑予備処理または製鋼過程で発生し
    たCaF2含有鋼滓に還元剤を加えて1300〜1800℃で溶融還
    元する工程、(ii)溶融還元され沈降した合金鉄を比重分
    離し、FeO +Fe203 含有量0.1 〜5重量%、MnO +Mn20
    3 含有量2.0 重量%以下に成分調整した熱鋼滓を回収す
    る工程、(iii) 回収された熱鋼滓を冷却し、粉砕する工
    程、(iv)粉砕された鋼滓にアルミナ源および石灰源を配
    合して、その組成をCaF2 1モルに対しAl203 3〜10モ
    ル、CaO 5〜17モルの割合に調整し、混合する工程、そ
    して(v) 得られた混合物を850 〜1300℃で焼成して、11
    CaO ・7Al203 ・CaF2を主成分とする生成物を得る工程
    から成ることを特徴とする、鋼滓を改質した超速硬セメ
    ント原料の製造方法。
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