JPH04317445A - 鋼滓を改質した超速硬セメント原料の製造法 - Google Patents

鋼滓を改質した超速硬セメント原料の製造法

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JPH04317445A
JPH04317445A JP3079117A JP7911791A JPH04317445A JP H04317445 A JPH04317445 A JP H04317445A JP 3079117 A JP3079117 A JP 3079117A JP 7911791 A JP7911791 A JP 7911791A JP H04317445 A JPH04317445 A JP H04317445A
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JP
Japan
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caf2
steel slag
slag
raw material
cement
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JP3079117A
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Kazuo Kubo
和夫 久保
Kazumi Yusa
遊佐 一己
Junichiro Yoshiyama
芳山 純一郎
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B7/00Hydraulic cements
    • C04B7/14Cements containing slag
    • C04B7/147Metallurgical slag
    • C04B7/153Mixtures thereof with other inorganic cementitious materials or other activators
    • C04B7/17Mixtures thereof with other inorganic cementitious materials or other activators with calcium oxide containing activators
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

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  • Materials Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、螢石を用いた溶銑予備
処理または製鋼過程で発生するCaF2含有熱鋼滓を有
効に利用することによる、前記CaF2含有熱鋼滓を改
質した超速硬セメント原料 (クリンカー)の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】脱炭炉および脱燐炉の上底吹き転炉2基
を用いて精錬を行うSRP製鋼法は、従来から、以下に
示す手順■ないし■により実施されていた。■例えば、
溶銑鍋にカルシウムカーバイドやソーダ灰等の脱硫剤を
添加するとともに浸漬したインペラーを80〜120r
pm程度で回転させることにより脱硫を行うKR法によ
り、炉外脱硫された溶銑を脱燐炉に注湯する。脱硫され
た溶銑の組成および温度を表1に例示する。この溶銑は
殆ど脱Sされているが、Pは0.100 重量%(以下
、本明細書においては、特にことわりがない限り、「%
」は「重量%」を意味するものとする) 前後含有され
ている。
【0003】
【表1】
【0004】■一方、脱炭炉で精錬が行われた際に造滓
され、溶鋼が出鋼された後に脱炭炉内に残った溶滓は溶
滓鍋に移され、例えばKR設備により処理されて前記脱
燐炉内に注湯された溶銑の上に装入される。前記溶滓の
組成および温度を表2に例示する。
【0005】
【表2】
【0006】■次いで、表3に例示される組成を有する
媒溶剤を前記脱燐炉内に投入し、同表に示す処理時間に
より、脱燐精錬を行う。
【0007】
【表3】
【0008】この媒溶剤のうち、生石灰(CaO) の
添加量は、塩基度(CaO/SiO2)が一定になるよ
うにコントロールするため、溶銑中に含有されるSi量
によって決定される。したがって、脱燐滓中の CaO
量を容易に推定することができる。螢石は、通常15%
になるように調整する。 Al2O3 源は添加しないために1%程度である。こ
のようにして、脱燐滓中の CaO量、Al2O3 量
およびCaF2量は容易に推定することができる。■表
4に例示される組成を有する脱燐された溶銑は、転炉よ
り出湯される。同表から明らかなように、Pは0.00
3〜0.023 %程度にまで低減される。
【0009】
【表4】
【0010】■この出湯の際に脱燐炉に残された脱燐滓
は表5に例示される程度の組成を有し、滓鍋に排出され
てから、一定の処理を施され廃棄されていた。
【0011】
【表5】
【0012】表5から明らかなように、廃棄される際の
脱燐滓には、CaO:45〜55%、Al2O3:0.
5 〜2.0 %、CaF2:12〜15%が含有され
る。このように、SRP製鋼法において、特に極低P鋼
の製鋼を行う場合、溶銑予備処理または製鋼過程におい
て、前述の表3から明らかなように、媒溶剤 (フラッ
クス) 等の副原料の一部として螢石 (CaF2) 
を使用した処理が行われることがある。溶銑の脱燐処理
は、脱燐効率およびコストの面から低温処理を行うこと
が好ましく、低温処理で滓化を促進させるために螢石を
低融点媒溶剤として使用するためである。
【0013】ところが、螢石を用いて溶銑の脱硫を行う
と、表5から明らかなように、脱燐滓中に未反応のCa
F2が10%以上存在するため、このまま廃棄するとフ
ッ素イオンが脱燐滓から溶出し (15℃の水に対する
Fの溶解度:16ppm)、排水中の基準値であるF許
容値:15ppm以下を満足することが出来ないという
問題があった。そこで、廃棄前に通常の転炉滓と混合し
てCaF2分を低下せしめることにより無害化処理を施
し、廃棄するかまたは埋立用として用いていた。
【0014】このように、CaF2分を含有する脱燐滓
を廃棄処分する際には、無害化処理が必要となること、
および溶出するF量の管理が必要となることといったよ
うに、場所、設備、費用さらには労力を多大に要するた
め、CaF2を多量に含有する脱燐滓を単に廃棄処分す
るのではなく積極的に有効利用することが望まれており
、従来からCaF2を含む脱燐滓の改質方法が種々提案
されている。
【0015】特開昭63−206336号公報には、磁
選して金属鉄分を除去した石灰およびフッ化カルシウム
を含む脱燐滓の粉末に、アルミナ源および石灰源を配合
し、石灰、アルミナおよびフッ化カルシウムの合計量に
対する各成分の比率に換算して、石灰:55〜75%、
アルミナ:12〜41%およびフッ化カルシウム:4〜
13%となる混合物を調整する工程と、この混合物を 
850〜1250℃で焼成し、生成された 11CaO
・7Al2O3・CaF2 (カルシウムフルオロアル
ミネート) を主成分とするクリンカーを造り、これを
粉砕する工程と、この粉砕したクリンカーに石膏を配合
する工程とからなる速硬セメントの製造方法が提案され
ている。
【0016】また、特開平2−236214号公報には
、精錬中の溶鋼あるいは溶銑予備処理過程の溶銑に、ト
ップチャージあるいはインジェクションにより、石灰、
石灰石、酸化鉄、螢石、アルミニウム、アルミドロス、
アルミナ系廃棄物、ボーキサイト、水酸化アルミの1種
あるいは2種以上を混入して、鋼滓組成を CaO:3
5〜45%、Al2O3:25〜35%に調整し、固化
した鋼滓の主成分が 12CaO・7Al2O3あるい
は 11CaO・7Al2O3・CaF2となるように
した鋼滓の改質方法が提案されている。この方法では、
鋼滓成分を CaO:35〜45%、 Al2O3:2
5〜35%に調整しているため、溶鋼ならびに溶銑の脱
燐、脱硫、脱酸等の調整は従来通り行うことができると
ともに、製鋼または溶銑予備処理で発生した鋼滓は改質
され、発生する熱も有効利用することができる。得られ
た改質鋼滓は急結固化剤として超速硬セメント原料とな
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−2063
36号公報により提案された技術は、冷却固化した脱燐
滓を対象としているため、溶滓が有する保有顕熱を有効
に利用することができないこと、改質処理を行う前に鉄
分の除去や鋼滓の粉砕を行う必要があること、さらには
再度焼成を行うための一連の設備が必要となることとい
った問題がある。一方、特開平2−236214号公報
により提案された技術を転炉の脱燐滓に適用すると、転
炉吹錬中に添加したAl源とCaF2とが反応してAl
F3が生成し、ダストとして排ガス中に含まれることに
なる。排ガス中のダストは湿式集塵されるものの、25
℃におけるAlF3の水に対する溶解度は5000pp
mであるため、到底排水における水質基準の15ppm
 以下とすることはできず、水処理上問題である。
【0018】ここに、本発明の目的は、(A) 溶滓が
有する顕熱を有効利用すること、(B) 改質前の鋼滓
の処理を必要とせずそのための設備を省略することによ
り、鋼滓の改質工程を簡略化すること、および(C) 
精錬中に生成するAlF3の水処理時の有害性を排除す
ることを加味しながら、螢石を用いた溶銑予備処理また
は製鋼過程で発生するCaF2含有熱鋼滓を有効に利用
することにより、CaF2を例えば10%以上含有する
CaF2含有熱鋼滓を改質した超速硬セメント原料 (
クリンカー) の製造法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため種々検討を重ねた。その結果、本発明者
らは、脱燐炉と脱炭炉の上底吹き転炉2基を用いて精錬
を行う際に、脱燐炉で媒溶剤として蛍石のほか生石灰・
鉄鉱石・転炉滓等を添加して脱燐精錬を行い、脱燐後の
溶銑を出湯し、脱燐炉中には脱燐滓のみを残し、この脱
燐滓に炭素または炭素源(例、粉コークス、石炭、ピッ
チ、電極屑) 、一酸化炭素(CO)などの還元剤を配
合し、また上吹きおよび/または底吹きによりO2を吹
込み1300〜1800℃で溶融還元を行い、しかる後
同一炉内において、さらに石灰源 (生石灰、石灰石等
) 、アルミナ源 (ボーキサイト、アルミナ系廃棄物
、アルミドロス、水酸化アルミ等) を配合して焼成を
行い、しかる後、滓鍋に落下排出し、鋼滓の組成が C
aO:35〜40%、 Al2O3:40〜50%、C
aF2:4〜6%になるように調整し、固化した鋼滓の
主成分が 11CaO・7Al2O3・CaF2となる
ようにすることにより、鋼滓を改質した超速硬セメント
原料を得ることができることを知見した。
【0020】本発明者らは、この知見に基づいてさらに
鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成した。ここに、本
発明の要旨とするところは、溶銑予備処理または製鋼過
程で発生したCaF2含有熱鋼滓をその溶製炉に残し、
還元剤を配合し還元処理を行った後、同一炉内でさらに
石灰源、アルミナ源を配合して焼成を行うことにより、
熱鋼滓の組成を CaO:35〜40%、 Al2O3
:40〜50%、CaF2:4〜6%に調整し、 11
CaO・7Al2O3・CaF2を主成分とする生成物
を得ることを特徴とする鋼滓を改質した超速硬セメント
原料の製造法である。
【0021】本発明で処理する鋼滓は、溶銑予備処理ま
たは製鋼過程で発生するCaF2含有熱鋼滓であれば特
に限定されない。その代表例は、媒溶剤の一部として螢
石を使用した脱燐処理で生じる脱燐滓であるが、CaF
2を含有する限り他の鋼滓も使用することができる。鋼
滓中のCaF2量も特に限定されないが、目的とする 
11CaO・7Al2O3・CaF2を効果的に生成さ
せるためには、CaF2含有量が3重量%以上であるこ
とが好ましい。アルミナ源としては、Al2O3 を含
む材料であれば何でも使用できる。好適なアルミナ源の
例は、アルミ灰、アルミドロス、ボーキサイト、水酸化
アルミニウムである。
【0022】石灰源としては、CaO を含有する任意
の材料が使用できる。好ましい石灰源には、生石灰およ
び石灰石がある。還元剤としては、炭素または炭素源 
(例、粉コークス、石炭、ピッチ、電極屑) 、一酸化
炭素 (CO) 、アルミニウム源 (アルミニウム、
Fe−Al等) 、水素等が使用できる。還元剤として
アルミニウム源を用いた場合には、該アルミニウム源の
一部からアルミナが生成されるため、上記アルミナ源の
添加量を若干低減してもよい。なお、本発明において「
主成分とする」とは、50重量%以上を意味するのでは
なく、最も含有量の多い成分をいう。実際には、30重
量%以上含有していればよい。
【0023】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明においては、溶銑予備処理または製鋼工程で発生し
たCaF2含有熱鋼滓、例えば脱燐処理完了後の溶鋼を
排出した後の転炉内に残存するCaF2含有熱鋼滓を出
発原料として、 11CaO・7Al203・CaF2
を主成分とする超速硬セメント原料を生成させるために
、前記CaF2含有熱鋼滓に前述のような還元剤を配合
し、また上吹きおよび/または底吹きによりO2を吹込
み1300〜1800℃で溶融還元し、鋼滓中のFeO
 、Fe203 、MnO 、Mn2O3 を還元して
合金鉄 (Fe−Mn) とする。
【0024】生成した合金鉄は鋼滓より比重が大きいた
め炉底に沈むため、この合金鉄を比重分離により鋼滓か
ら容易に分離して回収し、製鋼副原料等として利用する
ことができる。この還元処理により、鋼滓中のFeO+
Fe203 含有量が例えば 0.1〜5%、MnO+
Mn203 含有量が 2.0%以下になるように成分
調整する。この理由は次の通りである。
【0025】〔セメント中のFe203 〕Fe203
 は、セメントの製造において媒溶剤として作用し、セ
メント原料の焼成およびその化合を容易ならしめるとと
もにセメント特有の配色を付与するといった重要な作用
を有する。しかし、Fe203 には 11CaO・7
Al203・CaF2および3CaO・SiO2などの
水和を抑制する作用があることから、超速硬性セメント
においては酸化鉄分を低減することが重要である。その
ため、本発明においては、前記焼成を行うことにより、
 Fe203含有量を 0.1〜2.0%、 FeO+
 Fe203含有量を 0.1〜5%と低減する。
【0026】〔セメント中のMnO 、Mn203 〕
MnO(Mn203)は、セメントの製造において、焼
成中の3CaO・SiO2の生成量を減少させることに
よりセメント強度を阻害する。 また、セメントの色を褐色化させる問題もあり、セメン
ト中のMnO(Mn203)含有量は少ない程良いとさ
れている。 セメント協会発行の文献 (第35回セメント技術大会
の日本セメント発表資料)によれば、Mn203 とし
て 0.2%を越えるとセメント強度の低下が現れると
している。
【0027】上記の理由から、鋼滓中のFeO 、Fe
203 、MnO 、Mn203 を除去し、生成クリ
ンカー中のFeO 、Fe203 、MnO およびM
n203 の各含有量を低減することが好ましい。この
ための方法として前記焼成を行うのは、比重分離という
簡便な方法でFeおよびMnの分離が可能であり、Ca
F2含有熱鋼滓の顕熱をそのまま利用することができる
からである。
【0028】この還元処理によりFeO+Fe203 
含有量: 0.1〜5%、MnO+Mn203 含有量
:2.0%以下に成分調整する。鋼滓中の酸化鉄および
酸化マンガンの含有量をこの範囲内に低減しておけば、
本発明の方法により改質されたクリンカーに石膏やポル
トランドセメントを配合して得られる超速硬セメントの
Fe203 含有量およびMnO(Mn203)含有量
を上記の範囲内に調整することが可能となり、品質に優
れた超速硬セメントを得ることができる。
【0029】前記比重分離を行うことにより鋼滓から分
離回収された合金鉄(Fe−Mn) は、前述のように
、フェロマンガンとして各種の用途に有用である。例え
ば、脱酸その他の目的で製鋼副原料に有効利用すること
ができる。したがって、本発明によれば、廃棄物を生ず
ることなく、実質的に鋼滓の全成分を有効に再利用する
ことができ、環境保護および資源保護の両面に大きな効
果を奏する。
【0030】上記のように還元処理後、 11CaO・
7Al203・CaF2を主成分とする超速硬性生成物
を生成させるべく、還元後の熱鋼滓にアルミナ源および
石灰源を配合して成分調整した後焼成する。この焼成は
、還元工程で使用した炉をそのまま利用して実施する。 すなわち、例えば転炉内で還元処理後、比重分離により
合金鉄が分離された転炉内の熱鋼滓に、直ちに石灰源お
よびアルミナ源を投入し、850 〜1250℃で焼成
する。なお、熱源不足時は排ガス等の熱風を吹込む。ま
たはコークスとO2を吹込む方法でもよい。
【0031】配合後の鋼滓中の成分は、CaF2 1モ
ルに対しAl2O3 3〜10モル、好ましくは5〜8
モル、CaO 5〜17モル、好ましくは7〜13モル
とする。11CaO ・7Al203・CaF2の生成
量を最大とするためには、Al2O3 約7モル、Ca
O 約11モルが最も好ましい。焼成温度は、 850
〜1250℃とする。この範囲外では11CaO・7A
l203・CaF2の生成効率が低下する。好ましい焼
成温度は 900〜1200℃である。この焼成により
改質された 11CaO・7Al203・CaF2を主
成分とする生成物を転炉から回収し、超速硬セメント原
料 (クリンカー) を得ることができる。
【0032】このクリンカーに、石膏やポルトランドセ
メントを配合し、超速硬セメントとして使用する。石膏
やポルトランドセメントの配合量は、速硬性やセメント
強度を考慮して調整するが、通常は、前記クリンカー:
20〜40%、石膏:10〜25%、ポルトランドセメ
ント:35〜70%の範囲内である。また、本発明では
、溶銑を出湯した脱燐炉内で処理を行うことができるた
め、処理が極めて簡単であり、またそのための専用設備
も不要であり、鋼滓の改質工程を簡略化できる。次に、
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、これは
あくまでも本発明の例示であって、これにより本発明が
限定されるものでない。
【0033】
【実施例】脱燐処理完了後の溶鋼を排出した後の転炉内
に残存する、表6に示す組成を有するCaF2含有熱鋼
滓に、直ちに、同表に示す組成を有する粉コークス (
還元剤)を、スラグと粉コークスの合計量に対して20
%の量で投入し、上底吹きにより表7に示す還元温度に
なるようにO2を吹込み1時間保熱して還元処理した。 次に、アルミ灰 (アルミナ源) および生石灰(Ca
O源) を転炉上部より表8に示す配合率で転炉内に投
入し、さらに転炉上部より熱風を表8に示す焼成温度に
なるような量だけ吹込み、同焼成温度に3時間保持して
焼成し超速硬セメント原料となるクリンカーを得た。
【0034】表7に還元処理条件と還元結果 (比重分
離後の溶融スラグ中のFeO +Fe203 およびM
nO +Mn2O3 含有量と溶融状況) を示す。還
元温度の上昇に伴い、還元処理後のスラグ中のFeO 
+Fe203 およびMnO+Mn203 とも減少し
ている。しかし、還元温度を高くする程、製造コストが
高くなるので、使用スラグの成分および改質後の最終生
成クリンカーの目標組成によって還元温度を決定すれば
よい。但し、比較例に示すように、処理温度1300℃
未満では溶融比重分離ができず、1800℃を超えると
CaO やAl2O3 まで還元されるため、最終的に
 11CaO・7Al203・CaF2の生成量が極端
に減少するので、本発明の目的を果たすことができない
【0035】表8に、焼成処理条件と結果 (焼成クリ
ンカー中の 11CaO・7Al203・CaF2の含
有量) を示す。焼成温度は850 〜1250℃の範
囲の試料がよく、1200℃前後が最もよい結果となっ
た。この範囲を外れると、試料No.10および試料N
o.11 から明らかなように、11CaO ・7Al
203・CaF2が効率よく生成しない。
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】焼成後の熱鋼滓の組成は、 CaO:35
〜40%、 Al2O3:40〜50%、CaF2:4
〜6%であれば、11CaO ・7Al203・CaF
2を主成分とするクリンカーが得られ、この範囲を外れ
ると、 11CaO・7Al203・CaF2の生成量
が極端に少なくなる。具体的な組成は、11CaO ・
7Al203・CaF2の目標生成量と製造コストの関
係を勘案して、適宜決定すればよい。
【0040】〔モルタル圧縮強度試験〕このようにして
得られた試料No.3、試料No.6および試料No.
9のクリンカーを、それぞれボールミルにて比表面積4
000cm2/g に粉砕し、この粉体を、表9に示す
条件で配合し (超速硬性原料は本実施例で得られた粉
体、無水石膏(CaSO4)は市販品、ポルトランドセ
メントは市販の普通ポルトランドセメント) 、配合後
のセメント組成物中のFeO+Fe203 およびMn
O+Mn203 の含有量を調査した。その結果を表9
に示す。
【0041】
【表9】
【0042】次に、これらのセメントからJIS R 
5201に規定するモルタル供試体を作成し、圧縮強度
を調べた。 その結果を同表に併せて示す。なお、表中の比較例には
、還元なしで焼成処理した超速硬性原料を用いた例と、
普通ポルトランドセメント (市販品) およびジェッ
トセメント(市販の超速硬性セメント) の圧縮強度を
併記した。表9から明らかなように、本発明方法により
改質した原料を用いた超速硬性セメントは市販品と同等
の性能を示した。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来は埋め立て用として廃棄されていたCaF2を含有
する溶融鋼滓から、その顕熱を有効利用して経済的に、
付加価値の高い超速硬セメントの原料(クリンカー)が
製造される。しかも、還元剤を添加することにより、鋼
滓中のFe分およびMn分を合金鉄 (Fe−Mn) 
として除去回収することができ、強度や色等の品質に優
れたクリンカーが得られると同時に、回収された合金鉄
は製鋼等の副原料として有効利用可能であるため、鋼滓
の全成分を有効に活用することができる。従って、本発
明の方法は、資源の有効利用のみならず、従来は比較的
高価であった超速硬セメントをより安価に供給すること
ができる。さらに、本発明では、溶銑を出湯した脱燐炉
内で処理を行うことができるため、処理が極めて簡単で
あり、またそのための専用設備も不要であり、鋼滓の改
質工程を簡略化できる。かかる効果を有する本発明の意
義は著しい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  溶銑予備処理または製鋼過程で発生し
    たCaF2含有熱鋼滓をその溶製炉に残し、還元剤を配
    合し還元処理を行った後、同一炉内で、さらに石灰源、
    アルミナ源を配合して、850 〜1250℃で焼成を
    行うことにより、熱鋼滓の組成をCaF2 1モルに対
    しAl2O3 3〜10モル、CaO 5 〜17モル
    に調整し、 11CaO・7Al2O3・CaF2を主
    成分とする生成物を得ることを特徴とする鋼滓を改質し
    た超速硬セメント原料の製造法。
JP3079117A 1991-04-11 1991-04-11 鋼滓を改質した超速硬セメント原料の製造法 Withdrawn JPH04317445A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100357208C (zh) * 2002-06-08 2007-12-26 叶德敏 钢渣改质及钢渣水泥
KR100806645B1 (ko) * 2006-04-20 2008-02-26 요업기술원 클링커 원료 조성물 및 그 제조방법
CN108658483A (zh) * 2018-01-12 2018-10-16 华南理工大学 一种钢渣还原回收铁及二次渣制备辅助性胶凝材料的方法

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