JP3177267B2 - 鉄ークロム合金の製造方法 - Google Patents

鉄ークロム合金の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼用原料である鉄ー
クロム合金の製造方法であって、産業廃棄物であるクロ
ム・マグネシア質煉瓦屑を有効に利用して鉄ークロム合
金を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来鉄ークロム合金は、クロム鉱石に、
該クロム鉱石中の酸化クロム及び酸化鉄を還元するため
に充分な量以上の炭素質還元剤と造滓剤とを混合し、そ
の混合原料を加熱溶融し、前記酸化クロム及び酸化鉄を
還元することによって製造している。
【0003】クロム鉱石は、その主な成分として酸化ク
ロム(Cr23 )及び酸化鉄(FeO)のほかに酸化
マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al23
)及び二酸化珪素(SiO2 )を含有している。これ
に炭素質還元剤を加えて加熱溶融すると,Cr23
びFeOは還元されて鉄ークロム合金溶湯が生成し、炭
素は一酸化炭素として揮散する。
【0004】残った成分は、スラグを形成するが、鉱石
中に含まれている組成のままでは、非常に高融点で、か
つ高粘性のスラグとなり、生成した鉄ークロム合金溶湯
との分離が悪く、さらにその処理が難しくなる等の不都
合を生ずる。従って、それらを改善するために造滓剤と
してMgO,SiO2等を加える。通常、造滓剤として
は、珪石(主成分:SiO2)、蛇紋岩(主成分:Mg
O・SiO2・nH2O)等が使用されている。
【0005】一方、クロム鉱石は、スピネル型結晶
〔組成:(Mg,Fe)O・(Cr,Fe,Al)
23〕を有する代表的な鉱物であり、耐火性に優れてい
るためにマグネシア(酸化マグネシウム)等と混合・成
型・焼結して耐火煉瓦として使用される。これは、Mg
O−Cr23系煉瓦として広く各方面に使用されている
が、一般にクロムマグネシア(クロマグ)煉瓦又はマグ
ネシアをさらに多く配合して塩基性スラグに対する浸食
抵抗を大きくしたものをマグネシアクロム(マグクロ)
煉瓦と称している。
【0006】これらの煉瓦は、耐火性が大きく、荷重軟
化点が高く、かつ塩基性スラグに対して浸食抵抗が大き
いという性質を持つため、混銑炉、アーク炉、非鉄金属
精錬炉、ロータリーキルン等に広く使用されている。従
来、鉄ークロム合金業界は、炉の内張り用に一般の耐火
煉瓦等を使用しているが、前記MgOーCr23系煉瓦
を使用することはなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】MgO−Cr23系煉
瓦は、上述の如く現在広く用いられているが、使用後の
煉瓦屑も大量に発生している。この煉瓦屑は、現在適切
な処理方法がなく、産業廃棄物として埋め立て処分がな
されている現状である。
【0008】しかし、現在産業廃棄物に関しては、発生
量の増加と埋立地の不足等から、その減量化と再生利用
が重要な課題となっているが、MgOーCr23系煉瓦
屑の場合、その使用量に応じて発生し、減量化は不可能
であるため、再生利用による処理方法が望まれている。
本発明は、かかる現状に鑑み、MgO−Cr23系煉瓦
屑を、鉄ークロム合金製造用原料の一部として再生利用
する方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、クロム鉱石と
炭素質還元剤と造滓剤を原料とし、該原料の混合物を加
熱溶融し、クロム鉱石中の酸化クロム及び酸化鉄を還元
して鉄ークロム合金を製造するに際し、前記原料の一部
としてCr23−MgO系煉瓦屑を使用し、該煉瓦中の
酸化クロム及び酸化鉄を還元して鉄ークロム合金として
回収し、その残部を安定なスラグとする方法である。
【0010】
【作用】鉄ークロム合金は、前記の如く、クロム鉱石と
炭素質還元剤と造滓剤を原料とし、その混合原料を加熱
溶融することによって製造される。
【0011】原料であるクロム鉱石は、通常Cr
40〜60%、FeO10〜30%、Al5〜1
5%、MgO5〜15%、SiO1〜10%程度の組
成をもち、これに炭素質還元剤を混合して加熱溶融する
と、次の反応式にしたがってCr及びFeOが還
元されて鉄一クロム合金が生成する。Cr +3C=2Cr+3CO FeO + C= Fe+ CO
【0012】炭素質還元剤は、通常コークス、石炭又は
木炭等を使用する。その量は、クロム鉱石中の酸化クロ
ム及び酸化鉄を完全に還元するために必要な理論量以上
混合する。その理論量に対する比率は、加熱方法や目的
とする鉄ークロム合金の品位等によって異なるが1〜
1.5程度である。
【0013】Cr23及びFeOが還元すると、クロム
鉱石中の残りの成分であるAl23,MgO及びSiO
2はスラグを形成する。しかし、そのままでは,Al2
3ーMgO系が主体であることから高融点、かつ高粘性
のスラグとなり、生成した合金とスラグとの分離が悪
く、その取扱いも困難である。
【0014】従って、スラグの性質を改善して低融点、
かつ低粘性のスラグとする必要がある。通常の操業にお
ける適切なスラグ組成は、MgO約35%,Al23
25%及びSiO2約30%程度である。そのような組
成とするため、造滓剤としてMgO及びSiO2を加え
てスラグ組成の調整を行う。
【0015】MgO及びSiO2源としては、蛇紋岩
(組成:MgO・SiO2・nH2O)、珪石(Si
2)又はマグネシア(MgO)等が用いられている。
また、スラグ中のMgOは、酸化カルシウム(CaO)
に置換することもできるので、生石灰等が用いられるこ
ともある。特に、CaOは、スラグ中に5%程度含有す
ることはCr収率の向上にも効果のあることが知られて
いる。
【0016】本発明は、その造滓剤としてMgO−Cr
23系煉瓦屑を使用するものである。MgO−Cr23
系煉瓦は、クロム鉱石とマグネシアを粉砕、混合、成型
した後、焼成したものであって、その組成は、Cr23
約10%,Fe23約5%,Al235〜8%,SiO
22〜3%及びMgO約70%程度である。
【0017】MgOーCr23系煉瓦は、その用途が製
鋼用炉、セメント製造用キルン、ガラス窯炉等であり、
使用した後の該煉瓦屑は当然それらの製品、スラグ等の
汚染がある。従って、その煉瓦屑については、これまで
有効な利用方法がなく、廃棄処分を余儀なくされていた
ものである。
【0018】本発明者等は、それらの汚染成分に付いて
検討した結果、鉄ークロム合金の製造に悪影響を与える
物質はほとんどなく、適正な配合調整を行うことにより
充分有効に使用できることを知見した。特に、セメント
キルンに用いた該煉瓦屑は、CaO含有率が高いが、前
述の如く、適正量用いることにより、Cr収率の向上と
いう効果が得られる。
【0019】MgOーCr23系煉瓦屑は、MgOが非
常に高いことからMgO源として使用する。その際、M
gOの必要量全量を該煉瓦屑としても良く、また必要に
よっては一部使用することもできる。該煉瓦屑中のCr
23及びFe23は、炭素によって還元され鉄ークロム
合金として回収され、残りの成分はスラグを形成する。
【0020】混合原料を加熱溶融する方法は、現在一般
的に使われている装置、例えば電気炉、転炉、高炉等が
使用できる。また、クロム鉱石、炭素質還元剤及び造滓
剤は別個に秤量混合して加熱炉に挿入しても良く、これ
らの全部又は一部を粉砕、混合後、塊状化した後、その
まま又は加熱して予備還元したものを加熱炉に挿入する
こともできる。
【0021】
【発明の効果】以上の如く、本発明は製鋼用炉、セメン
ト製造用キルン、ガラス窯炉等から発生する煉瓦屑を原
料として利用することにより、廃棄物である煉瓦屑を再
資源として有効に活用することができると共に、従来造
滓剤として用いられていた蛇紋岩に比較して製造成績が
若干向上しているのが認められる。これは、蛇紋岩中に
は10数%の結晶水を含むため、その蒸発潜熱を必要と
するが、Cr23−MgO系煉瓦屑は使用された時点で
加熱されており、水分を含まないことによるものと考え
られる。
【0022】また、鉄ークロム合金製造時に副生するス
ラグは非常に安定であり、熱、薬品等に対して強く、か
つ強度、耐摩耗性に優れているため、道路舗装用材料、
研磨材料或は鋳物砂等として有効に利用することができ
るから、廃棄処分の必要がなく、産業上非常に有益な方
法である。
【0023】
【実施例】以下、実施例をもって本発明の構成、作用を
具体的に説明する。
【0024】実施例1 鉄ークロム合金としてJIS規格で定める高炭素フェロ
クロム(5号品)を製造した。原料としてクロム鉱石2
種類、炭素質還元剤としてコークス、造滓剤としてマグ
クロ煉瓦屑及び珪石を用いた。それらの品位を表1に示
す。尚、比較例として用いた蛇紋岩の品位を併記する。
【0025】
【表1】
【0026】原料配合は、クロム鉱石500Kg(クロ
ム鉱石A:クロム鉱石B=53:47)単位で行い、加
熱溶融には3000KVAの電気炉を用いて連続操業を
行った。電気炉で加熱溶融した後、生成した鉄ークロム
合金溶湯及び溶融スラグを一定時間に取り出し、取鍋に
取った後、鉄ークロム合金とスラグを別々に鋳込み、秤
量し、組成の分析を行った。
【0027】操業は5日間行い、操業が定常状態となっ
た4日間で得られた結果として、鉄ークロム合金100
0Kg当りの平均原料使用量、鉄ークロム合金品位、ス
ラグ組成、スラグ生成量、Cr収率及び電力原単位を表
2に示した。
【0028】次に、比較例として同様に高炭素フェロク
ロム(5号品)を目標として造滓剤に蛇紋岩を用いて5
日間の操業を行った。操業が定常状態となった4日間の
平均の結果を表2に示した。
【0029】これらの結果から、MgO−Cr23系煉
瓦屑を使用した場合、Cr収率及び電力原単位の向上が
見られた。
【0030】実施例2 鉄ークロム合金としてJIS規格で定める高炭素フェロ
クロム(4号品)を製造した。クロム鉱石は表1に示し
たクロム鉱石Bのみを用い、他の原料並びに操業方法は
実施例1と同様に行った。その結果を表2に併せて示し
た。
【0031】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 33/04 C21B 11/00 - 11/02 C21C 5/28 C21C 5/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム鉱石と炭素質還元剤と造滓剤を原
    料とし、該原料の混合物を加熱溶融し、クロム鉱石中の
    酸化クロム及び酸化鉄を還元して鉄ークロム合金を製造
    する方法において、前記原料の一部として酸化クロムー
    酸化マグネシウム系煉瓦屑を使用することを特徴とする
    鉄ークロム合金の製造方法。
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