JPH05162591A - 自動車のモール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ルーフパネル１の外側縁がサイドフレームア
ウタ２の内側縁に接合され、この接合部の上面に車体前
後方向に延びる凹溝３が形成され、該凹溝３内にルーフ
モールが嵌着されるとともに、上記接合部の上面に、フ
ロントピラーガーニッシュ７が取付けられてなる自動車
のフロントピラーの上端部とルーフとの結合部におい
て、上記結合部周辺の剛性の向上を図る。 【構成】 フロントピラーガーニッシュ７の上端部に、
ウインドシールドの上縁よりも上方において車幅方向内
側に延びる延出部7aを一体に設け、この延出部7aにより
ルーフモール部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のフロントピラ
ーの上端部とルーフとの結合部におけるモール構造に関
する。

【０００２】

【従来の技術】ルーフパネルの車幅方向の外側縁に沿っ
て車体前後方向に延びるルーフレールが接合され、この
接合部の上面に凹溝を備えた自動車がある。この場合、
ルーフレールは、ルーフレールインナとサイドフレーム
アウタ（キャブサイドアウタとも呼ばれる）とによって
閉断面を構成しており、ルーフパネルの外側縁がサイド
フレームアウタの内側縁に接合され、上記凹溝内には、
例えば実開昭63-181562号公報に開示されているよう
に、ルーフモールが嵌着される。そして、このルーフモ
ールがフロントピラーの上端部とルーフとの結合部まで
延びている場合、このルーフモールを一般に「モヒカン
モール」と呼んでいる。

【０００３】一方、フロントピラーの上部に、フロント
ピラーガーニッシュと呼ばれる飾り部材を取付ける場合
がある。図５はフロントピラーガーニッシュとモヒカン
モールとを備えた従来の自動車のフロントピラーの上端
部とルーフとの結合部周辺の構造を示す斜視図で、図６
は図５のVI-VI 線に沿った断面図である。図において、
１はルーフパネル、２はサイドフレームアウタである。
ルーフパネル１の外側縁とサイドフレームアウタ２の内
側縁とが双方に形成された側縁部1a，2aにおいて接合さ
れており、これら両部材１，２の接合部の上面に、車体
前後方向に延びる凹溝３が形成され、該凹溝３内にルー
フモール４が嵌入され、ルーフモール４の前端部はボル
ト５およびナット６によって、凹溝３の前端部に固定さ
れる。

【０００４】また、サイドフレームアウタ２には、上記
凹溝３の前端部に隣接して、フロントピラーガーニッシ
ュ７の上端部を取付けるための凹部2bが形成され、この
凹部2bにフロントピラーガーニッシュ７の上端部がボル
ト８およびナット９によって固定されるようになってい
る。

【０００５】さらに、ルーフパネル１とサイドフレーム
アウタ２との接合部の下方には、ウインドシールドの上
縁に沿って車幅方向に延びるフロントヘッダパネル10が
接合されており、このフロントヘッダパネル10に設けら
れた２個の作業穴11，12を通じてナット６，９がボルト
５，８にそれぞれ締着されるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来構
成では、図６から明らかなように、ボルト５，８にそれ
ぞれナット６，９を締着するための工具の挿入される比
較的大きい作業穴11，12がフロントヘッダパネル10に設
けられるため、フロントピラーの上端部とルーフとの結
合部周辺の剛性が不足するという問題があった。

【０００７】本発明はこのような課題に鑑み、フロント
ピラーの上端部とルーフとの結合部周辺の剛性を向上さ
せた自動車のモール構造を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による自動車のモ
ール構造は、ルーフパネルの外側縁がサイドフレームア
ウタの内側縁に接合され、この接合部の前端部の上面
に、フロントピラーガーニッシュが取付けられてなる自
動車のフロントピラーの上端部とルーフとの結合部にお
いて、フロントピラーガーニッシュの上端部に、ウイン
ドシールドの上縁よりも上方において車幅方向内側に延
びる延出部が一体に設けられ、該延出部がルーフモール
部を形成してなることを特徴とするものである。

【０００９】この場合、上記ルーフパネルの外側縁と上
記サイドフレームアウタの内側縁との接合部の上面に
は、車体前後方向に延びる凹溝が形成され、該凹溝内に
ルーフモールが嵌着されるとともに、上記フロントピラ
ーガーニッシュの延出部が上記ルーフモールの前端部に
連接される。

【００１０】さらに本発明では、上記凹溝の前端部内に
上記フロントピラーガーニッシュの延出部が固定される
ことにより、フロントピラーガーニッシュがルーフモー
ルの前端部とともに車体に取付けられる。

【００１１】

【作用および効果】本発明によれば、フロントピラーガ
ーニッシュの上端部に、車幅方向へ延びる延出部が一体
に設けられてルーフモール部を形成しているから、この
延出部を車体にボルト締めすることによって、一本のボ
ルトを用いるのみでフロントピラーガーニッシュとルー
フモールの前端部との双方を車体に固定することができ
る。

【００１２】したがって、上記ボルトに対するナットの
締着のために１つの作業穴をフロントヘッダパネルに設
けるのみでよいから、フロントピラーガーニッシュおよ
びルーフモールを車体に対し確実に取付けることができ
るとともに、フロントピラーの上端部とルーフとの結合
部周辺の剛性を向上させることができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１〜図４に基づい
て説明する。

【００１４】図１は本発明によるモール構造を備えた自
動車のフロントピラーの上端部とルーフとの結合部周辺
の構造を図５に対応させて示す斜視図で、図２および図
３は、それぞれ図１のII-II 線およびIII-III 線に沿っ
た断面図である。また図４は分解斜視図である。

【００１５】図４から明らかなように、ルーフパネル１
の外側縁には、このルーフパネル１の上面よりも一段低
くなった側縁部1aが車体前後方向に延長して形成されて
おり、またサイドフレームアウタ２の内側縁にも、この
サイドフレームアウタ２の上面よりも一段低くなった側
縁部2aが車体前後方向に延長して形成されている。そし
て両側縁部1a，1bが溶接によって接合されていることに
より、この接合部の上面に、車体前後方向に延びる凹溝
３が形成されている。さらに、サイドフレームアウタ２
には、上記側縁部2aの前端部の外側に、フロントピラー
ガーニッシュ７の上端部を収容する凹部2bが形成されて
いる。

【００１６】一方、フロントピラーガーニッシュ７の上
端部には、ウィンドシールド（フロントガラス）13（図
３参照）の上縁よりも上方において車幅方向内側に延び
出た延出部7aが一体に形成されている。延出部7aの内部
には、ボルト５のボルトヘッド5aがそのねじ杆部5bを延
出部7aの下面から下方へ突出させた状態で固着されてお
り、このボルト５のねじ杆部5bを両側縁部1a，2aに設け
られたボルト孔15に貫通させ、かつねじ杆部5bにナット
６を締着することによって、フロントピラーガーニッシ
ュ７が車体に取付けられるようになっている。そしてこ
の場合、凹溝３内に嵌着されたいわゆるモヒカンモール
であるルーフモール４の前端部とは図３、図４に示され
ているような肉薄にされた段部4aが形成されており、フ
ロントピラーガーニッシュ７の車体への定着に際して、
上記段部4aがフロントピラーガーニッシュ７の延出部7a
の下面と凹溝３の底面との間に挟まれて、フロントピラ
ーガーニッシュ７とともに強固に車体へ取付けられる。
また、必要に応じて、フロントピラーガーニッシュ７の
底面とサイドフレームアウタ２の凹部2bの上面との間に
は、接着用両面テープ16が介装される。

【００１７】ルーフパネル１とサイドフレームアウタ２
との接合部の下方には、ウインドシールド13の上縁13a
に沿って車幅方向に延びるフロントヘッダパネル10が接
合されており、このフロントヘッダパネル10に、上記ナ
ット６をボルト５のねじ杆部5bにナット６を締着するた
めの工具を挿入する作業穴11が形成されているが、この
作業穴11は、ルーフパネル１の側縁部1aとサイドフレー
ムアウタ２の側縁部2aとをスポット溶接により接合する
ためのスポットガンが挿入される作業穴と兼用される。

【００１８】以上の説明で明らかなように、本実施例に
よれば、フロントピラーガーニッシュ７に延出部7aが形
成され、この延出部7aを１本のボルト５およびナット６
によって凹溝３の前端部に締着することによって、フロ
ントピラーガーニッシュ７およびルーフモール４の前端
部が一挙に車体に固定されるようになっているから、ナ
ット６を締着するためにフロントヘッダパネル10に設け
られる作業穴11は１個でよいことになり、フロントピラ
ーガーニッシュ７とルーフモール４の前端部4aとを車体
に対し確実に取付けることができるとともに、フロント
ピラーの上端部とルーフとの結合部周辺の剛性を向上さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるモール構造を備えた自動車のフロ
ントピラー上端部とルーフとの結合部周辺の構造を示す
斜視図

【図２】図１のII-II 線に沿った断面図

【図３】図１にIII-III 線に沿った断面図

【図４】要部の分解斜視図

【図５】従来の自動車のフロントピラー上端部とルーフ
との結合部周辺の構造を示す斜視図

【図６】図５のVI-VI 線に沿った断面図

【符号の説明】

１ ルーフパネル ２ サイドフレームアウタ ３ 凹溝 ４ ルーフモール ５ ボルト ６ ナット ７ フロントピラーガーニッシュ 7a 延出部 10 フロントヘッダパネル 11 作業穴 13 ウインドシールド

フロントページの続き (72)発明者 藤田 紀子 広島県安芸郡府中町新地３番１号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ルーフパネルの外側縁がサイドフレーム
   アウタの内側縁に接合され、この接合部の前端部の上面
   に、フロントピラーガーニッシュが取付けられてなる自
   動車のフロントピラーの上端部とルーフとの結合部にお
   いて、 前記フロントピラーガーニッシュの上端部に、ウインド
   シールドの上縁よりも上方において車幅方向内側に延び
   る延出部が一体に設けられ、該延出部がルーフモール部
   を形成してなることを特徴とする自動車のモール構造。
2. 【請求項２】 前記ルーフパネルの外側縁と前記サイド
   フレームアウタの内側縁との接合部の上面に、車体前後
   方向に延びる凹溝が形成され、該凹溝内にルーフモール
   が嵌着されるとともに、前記フロントピラーガーニッシ
   ュの延出部が前記ルーフモールの前端部に連接されてな
   ることを特徴とする請求項１記載の自動車のモール構
   造。
3. 【請求項３】 前記凹溝の前端部内に前記フロントピラ
   ーガーニッシュの延出部が固定されることにより、前記
   フロントピラーガーニッシュが前記ルーフモールの前端
   部とともに車体に取付けられてなることを特徴とする請
   求項２記載の自動車のモール構造。