JPH0527313Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のフロントバンパの取付構造に
関するものである。

自動車のフロントバンパの形式に関し、従来、
例えば第４図に符号１で示す如く、端末がドア２
と近接する部位まで延びているものがある。さら
に、このようなフロントバンパとして、中央部で
あるセンタバンパと、その両側部であるサイドバ
ンパとに３分割されたものがある。この３分割型
フロントバンパはセンタバンパが不動部である例
えば車体部に固定され、サイドバンパが各々一端
をセンタバンパに取付けられている。そして各サ
イドバンパの自由端がドアの端部と近接設定され
ている。

一例を以て示せば、第５図において符号３は板
金加工により製作されたセンタバンパ、符号４は
合成樹脂材からなるサイドバンパを各々示す。こ
の例では、第６図にも示されるようにセンタバン
パ３とサイドバンパ４の重なり部をボルト５など
の締付手段で相互に固定されており、さらにサイ
ドバンパ４は中間部材６を介して車体にボルトな
どの締付手段で固定されている。

このような取付方法では、サイドバンパ４のド
ア２寄りの端部とドア２の端部との隙間ｔは一定
に維持されるものの、外気温の変化によるサイド
バンパ４の膨張、収縮に対して逃げがなく、この
ため熱変形を起こして外観を損うという問題があ
る。

又、フロントバンパの他の取付方法として第７
図に示す例がある。この例では、車体に固定され
たセンタバンパ３′の端部にサイドバンパ４′を固
定し、ドア２寄りの端部は自由端とする。この場
合、温度変化に対する逃げは隙間t′で吸収される
のであるが、サイドバンパ４′とドア２との隙間
t′が変化し、開き過ぎた場合にはやはり外観を害
するという問題がある。

従つて本考案の目的は外観性を向上することの
できる改良されたフロントバンパを提供すること
にある。

本考案は上記の目的を達成するため、車体前部
に固着されると共に車幅方向に延設され、且つ、
その両端部が車体側部に沿つて後方に延在された
センタバンパと、先端部がセンタバンパの端部に
可動取付手段を介して重合連結されると共に後端
部がドアの前方側端部に近接配置されるように同
後端部近傍において車体側部に固着された左右の
サイドバンパとに３分割されたフロントバンパを
備え、可動取付手段が、センタバンパの端部また
はサイドバンパの先端部のいずれか一方に穿設さ
れた前後方向に延びる長孔と、センタバンパの端
部またはサイドバンパの先端部のいずれか他方に
一体に形成されると共に、長孔と相対移動可能に
係合された係合部とで構成したことを特徴として
いる。

以下、一実施例を以て説明する。

第１図、第２図において、サイドバンパ４０の
ドア２０寄りの部位は中間部材６０を介して車体
等の不動部材にねじ７０で固定されている。この
とき、サイドバンパ４０のドア２０寄りの端部は
外観を配慮してドアに近接するように設定する。

一方、当該サイドバンパ４０のセンタバンパ３
０寄りの部位はセンタバンパに重ねられており、
サイドバンパ４０と一体の抜け止めピン４０ａが
センタバンパ３０に形成した長孔３０ａに係合し
て両者は相互に取付けられている。

これら長孔３０ａ及び抜け止めピン４０ａを以
て、本考案に係る可動取付手段の一例が構成され
ている。

本例で、長孔３０ａは第３図の如く形成されて
おり、ドア２０の端部とセンタバンパの端部とを
結ぶ方向上に細長い形状である。そして、この長
孔３０ａに、先端が抜け止め用に太く形成された
合成樹脂製の抜け止めピン４０ａが押し込まれて
いる。このような可動取付手段５０は、第１図に
示す如くセンタバンパ３０とサイドバンパ４０と
の重ね合わせ部にわたつて数ケ所設けてあり、サ
イドバンパの保持が可動状になされている。

可動取付手段５０としては、図示の例に限ら
ず、サイドバンパ４０の外側にセンタバンパ３０
を重ね合わせ、センタバンパ３０と一体に抜け止
めピンを形成すると共に、サイドバンパ４０に長
孔を形成して両者を係合させてもよい。

本例によれば、サイドバンパ４０はドア２０寄
りの部位が固定され、センタバンパ３０寄りの部
位が可動的に取付けてあるので、温度変化による
膨張、伸縮があつたとしてもドア２０寄りには影
響が及ばず、専ら可動取付手段５０の部位を介し
て吸収されるのでバンパの変形による外観の低下
や応力集中による劣化を防止を防止できる。

さらに、本考案では、サイドバンパの先端部が
可動取付手段を介してフロントバンパに係合さ
れ、また、該サイドバンパの後端部が車体側部に
固着されて２点支持されているため、車体側部に
直接固定されていないフロントバンパの先端部の
熱変形による下方への垂れ、捩じれ及び車幅方向
の変形や、走行時の振動による車幅方向の変位に
よるバタツキ等を防止することができる。

その上、本考案によれば、可動取付手段の係合
部がフロントバンパまたはサイドバンパに一体に
形成された構造のため、部品点数を増加すること
なく、上記効果を奏することができるもので、実
用的な効果をも奏するものである。

従つて、本考案によれば、バンパの熱変形によ
る外観悪化を簡易な手段で回避することができ、
好都合である。

なお、本考案の実施に際し、第２図に示す如
く、中間部材６０の先端６０ａをＬ字状に形成し
ておけば、その角部にサイドバンパ４０の取付部
をつき当てて位置決めできるので、組立作業の能
率化に効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバンパの部分斜視図、第
２図は同上図のＢ−Ｂ矢視断面図、第３図はセン
タバンパ３０の端部を部分的に示した正面図、第
４図は本考案の実施に適する自動車の正面図、第
５図は従来技術に係るバンパ部分の斜視図、第６
図は同上図のＡ−Ａ矢視断面図、第７図は他の従
来技術を説明したバンパ部分の断面図である。 ３０……センタバンパ、４０……サイドバン
パ、５０……可動取付手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体前部に固着されると共に車幅方向に延設さ
   れ、且つ、その両端部が上記車体側部に沿つて後
   方に延在されたセンタバンパと、先端部が同セン
   タバンパの端部に可動取付手段を介して重合連結
   されると共に後端部がドアの前方後端部に近接配
   置されるように同後端部近傍において上記車体側
   部に固着された左右のサイドバンパとに３分割さ
   れたフロントバンパを備え、上記可動取付手段
   が、上記センタバンパの端部または上記サイドバ
   ンパの先端部のいずれか一方に穿設された前後方
   向に延びる長孔と、上記センタバンパの端部また
   は上記サイドバンパの先端部のいずれか他方に一
   体に形成されると共に、上記長孔と相対移動可能
   に係合された係合部とで構成した特徴とするフロ
   ントバンパの取付構造。