JPH05162311A

JPH05162311A - インクジェットの圧力発生室

Info

Publication number: JPH05162311A
Application number: JP33335991A
Authority: JP
Inventors: Shigeo Nonoyama; 茂夫野々山; Chikako Kawana; 千佳子川名; Yoshiki Nagasaki; 良樹長崎; Shuji Kawamoto; 修治河本; Masanori Ueda; 正則上田
Original assignee: Fujitsu Ltd
Current assignee: Fujitsu Ltd
Priority date: 1991-12-17
Filing date: 1991-12-17
Publication date: 1993-06-29

Abstract

(57)【要約】【目的】気泡を放出できる圧力発生室の構造とする。【構成】圧力発生室１はインク供給路３とインク吐出
ノズル２を備え、インク供給路３を圧力発生室１の周囲
壁の接線上にくるよう配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェットの圧力発
生室の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェットプリンタは、高速、低騒
音でカラー化が容易なことからオフイスオートメーショ
ン（ＯＡ）分野における次世代のプリンタとして注目を
集めている。このようなインクジェット印字ヘッドとし
て、インクを圧力発生室に供給し、圧力発生室のノズル
より噴出する方法が用いられている。

【０００３】図２は従来用いられている圧力発生室の構
成を示す図である。圧力発生室１にはインクを供給する
インク供給路３と、この供給されたインクを噴出するイ
ンク吐出ノズル２が設けられ、さらに圧力発生室１に変
位を与えて圧力を発生させる圧力発生源４が圧力発生室
４の背部に取り付けられている。

【０００４】圧力発生源４として圧電素子が用いられる
ことが多い。圧力素子は圧力発生室１の囲壁を構成する
弾性板と貼り合わされ、いわゆるバイモルフを構成し、
電界を加えると圧電素子が収縮し、バイモルフ効果によ
り弾性板が屈曲変位を行い、圧力発生室１の容積を変化
させ、インクを噴射する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】圧力発生室１が空の状
態からインクをインク供給路３より注入する際、インク
吐出ノズル２と圧力発生室１の構造との関係から、図２
に示すように気泡６が取り残される場合が多い。このよ
うに気泡が残留するとインク粒子５を安定して噴出でき
ない。このため真空注入を行ったり、パージ操作を何度
も繰り返して少しづつ気泡を取り除くなどの困難な作業
が必要とされた。また、一旦インクを気泡なしで注入で
きた場合でも、外乱等によって圧力発生室１の内部に気
泡が混入すると、パージ操作を行ってもなかなか気泡が
除去されず、復旧が非常に困難であった。

【０００６】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、気泡の発生しにくい構造を有するインクジェット
の圧力発生室を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】図１は本発明の原理図で
ある。同図において圧力発生室１はインク供給路３とイ
ンク吐出ノズル２を備えており、インク供給路３を圧力
発生室１の周囲壁の接線上にくるよう配置したものであ
る。

【０００８】また、インク供給路３とインク吐出ノズル
２を備えた圧力発生室１に、インク供給路３より流入す
るインクの流れが圧力発生室１内で渦状に流れるように
する偏向板７を設ける。

【０００９】また、前記インク供給路３を１つの圧力室
１に対して複数設けるようにする。

【００１０】また、前記圧力発生室１の周囲壁の形状
を、直線と円弧、直線と楕円弧、円弧、楕円弧の内の少
くとも１つ以上により構成するようにする。

【００１１】また、前記インク吐出ノズル２を前記圧力
発生室１内に生じるインクの渦の中心位置に配置するよ
うにする。

【００１２】

【作用】圧力発生室１の周囲壁の接線上にインク供給路
３を設けることにより、インク供給路３から流入したイ
ンクは周囲壁に添って圧力発生室１内を流れるので、渦
流を発生する。これにより圧力発生室１の周囲壁に気泡
がある場合もインクの渦流にまき込まれてインク吐出ノ
ズル２より放出される。

【００１３】また、圧力発生室１内にインクの流れ方向
を変更する偏向板を設けることにより、インク供給路３
から流入したインクは圧力発生室１内で渦流を発生す
る。これにより圧力発生室１内に気泡がある場合も、こ
の渦流に巻き込まれてインク吐出ノズル２より放出され
る。

【００１４】また、インク供給路３を１つの圧力発生室
１に複数設けることにより、圧力発生室１内に生ずる渦
流がより強くなり、気泡放出作用が強化される。

【００１５】また、圧力発生室１の形状を直線と円弧、
直線と楕円弧、円弧、楕円弧の少くとも１つ以上で構成
することにより圧力発生室１の形状が渦流を発生するの
に適した形状となる。

【００１６】また、インク吐出ノズル２を圧力発生室１
内の渦の中心位置に設けることにより、渦がスムースに
発生し、強い渦となり、気泡を巻き込む作用が強化され
る。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図３は本発明の第１実施例の構成を示す図であ
る。圧力発生室１は直線と円弧を組み合せた長円の形状
となっており、この長円の接線に添ってインク供給口３
が設けられている。インク吐出ノズル２は圧力発生室１
内に生じる渦のほぼ中心に設けられている。

【００１８】このようにインク供給路３が圧力発生室囲
壁の接線上に配置され、インク吐出ノズル２は渦のほぼ
中心位置にあるため、供給されるインクは圧力発生室１
の周囲壁面に沿って流れて渦を形成し、最後にインク吐
出ノズル２に至るという１本の流線を形成する。従って
インクを注入する方法が供給側からの加圧か、インク吐
出ノズル２からの吸い出しかに関係なく、気泡は流線に
沿って必ず排出される。この現象はインクを注入済のベ
ットに気泡が混入した場合も同様であり、圧力発生室内
の気泡は容易に排出される。

【００１９】なお、圧力発生室１の形状的条件は、次の
３点を満たせばよい。供給されるインクが全ての壁面に沿って流れる。その流線が渦流となってインク吐出ノズルに通じてい
る。その流線が滑らかでよどみや余分な渦が生じないよう
にする。

【００２０】図４は渦中心と圧力発生室１の中心が必ず
しも一致しない例を示したもので、×印で示した圧力発
生室１の中心と、インク吐出ノズル２位置の渦中心が一
致してないことを表わす。両者が一致しない場合、イン
クの滞流が生じ気泡が残留する可能性がある。

【００２１】図５は第２実施例を示す。本実施例は正三
角形の頂点を円弧で置き換えた「おむすび」形の圧力発
生室１を有し、インク供給路３は三角形の一辺に沿って
設けられ、インク吐出ノズル２は三角形の中心に設けら
れている。

【００２２】図６は本発明の第３実施例を示す。本実施
例は楕円形の圧力発生室１を有し、長径に沿った接線上
にインク供給路３が設けられ、楕円の中心にインク吐出
ノズル２が設けられている。

【００２３】図７は本発明の第４実施例を示す。本実施
例は、圧力発生室１は円形であるが、インク供給路３を
円の接線に設けられない場合を示す。本実施例では偏向
板７を設け、接線上にインク供給路３が設けられた場合
と同様の効果あるよう、つまり渦流が十分発生し、イン
ク吐出ノズル２に流線が導かれるようにしている。

【００２４】図８は本発明の第５実施例で、図７に示す
第４実施例と同様に圧力発生室１の周囲壁の接続上にイ
ンク供給路３が設けられない場合を示す。偏向板７をイ
ンク供給路３の出口に設け、インクが圧力発生室１の周
囲壁に沿って流れるようにし、渦流が十分発生するよう
にする。

【００２５】図９は本発明の第６実施例を示す。本実施
例はインク供給路３を圧力発生室１の周囲壁の接線に沿
って２個設けたもので、これにより強力な渦が発生し気
泡を巻き込んで圧力発生室１の中心に設けられたインク
吐出ノズル２に向って流れてゆく。

【００２６】図10は本発明の第７実施例を示す。本実施
例はインク供給路３を圧力発生室１の周囲壁の接線に沿
って３個設けたもので、これにより、図９に示した第６
実施例よりさらに強力な渦を発生することができる。

【００２７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は圧力発生室に渦を発生させる構成にしたので、気泡を
インク吐出ノズルより放出することができ、インク粒子
を安定して射出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理図である。

【図２】従来の圧力発生室の構造例を示す図である。

【図３】本発明の第１実施例を示す図である。

【図４】渦中心と圧力発生室の中心が一致しない例を示
す図である。

【図５】本発明の第２実施例を示す図である。

【図６】本発明の第３実施例を示す図である。

【図７】本発明の第４実施例を示す図である。

【図８】本発明の第５実施例を示す図である。

【図９】本発明の第６実施例を示す図である。

【図１０】本発明の第７実施例を示す図である。

【符号の説明】

１圧力発生室２インク吐出ノズル３インク供給路６気泡７偏向板

フロントページの続き (72)発明者河本修治神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地富士通株式会社内 (72)発明者上田正則神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地富士通株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インク供給路（３）と、インク吐出ノズ
ル（２）を備えたインクジェットの圧力発生室（１）に
おいて、前記インク供給路（３）が前記圧力発生室
（１）の周囲壁の接線上にくるように配置したことを特
徴とするインクジェットの圧力発生室。
【請求項２】インク供給路（３）と、インク吐出ノズ
ル（２）を備えたインクジェットの圧力発生室（１）に
おいて、前記インク供給路（３）より流入するインクの
流れが前記圧力発生室（１）内で渦状に流れるようにす
る偏向板（７）を設けたことを特徴とするインクジェッ
トの圧力発生室。
【請求項３】前記インク供給路（３）を１つの圧力室
（１）に対して、複数個設けたことを特徴とする請求項
１または２記載のインクジェットの圧力発生室。
【請求項４】前記圧力発生室（１）の周囲壁の形状
を、直線と円弧、直線と楕円弧、円弧、楕円弧の内の少
くとも１つ以上により構成したことを特徴とする請求項
１〜３のいずれかに記載のインクジェットの圧力発生
室。
【請求項５】前記インク吐出ノズル（２）が前記圧力
発生室（１）内に生じるインクの渦の中心位置に配置さ
れていることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記
載のインクジェットの圧力発生室。