JPH0516101Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、牛乳、ジユース、その他の飲料を充
填密封するのに用いられる包装容器の注出口に関
する。この注出口を施すに適した包装容器は、例
えばゲーベルトツプシール形紙容器、直方体形状
のブリツクパツク形紙容器等である。

（従来の技術） 従来、包装容器においては、その内容物を注出
する場合、例えば、牛乳、ジユース等に用いられ
ている包装容器においては、容器密封部を切断し
たり、押し開くことにより注出開口を形成してい
る。また、注出開口形成手段として、密封キヤツ
プによる注出口を設ける場合もある。

（考案が解決しようとする問題点） 上述の形式の容器開放方式では、注出開口を形
成するのに鋏を必要としたり、押し開きに相当な
力を必要とするうえ、出力開口部に手指が接触す
るため不衛生であり、また、開口形成手段として
密封キヤツプによる注出口を設けた場合は、注出
口本体とキヤツプを別々に製作して結合しなけれ
ばならないから、製作上の手数と費用が多くなる
欠点がある。

本考案は、その内容物を注出するのに密封部を
押し開いたり、密封キヤツプを取外すことなく、
蓋体を本体より切離して開閉蓋とするように加工
された注出口を、包装容器に取り付けることによ
り、簡単に注出口を開口して開口状態を保持で
き、また、必要に応じて蓋を閉塞することができ
るようにし、衛生的で製作が容易で、かつ、操作
を簡単化した包装容器の注出口を得ようとするも
のである。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決のために、本考案による包装
容器の注出口は、包装容器に取付けるための部分
を備えかつ注出開口となるべき部分を有する本体
と、この本体の注出の開口となるべき部分を閉じ
るように本体に一体的て連設され表面に摘み片を
備えた蓋とを有し、この蓋は、その一側で、ヒン
ジ部を構成する薄肉部を介して本体に一体的に接
続されるとともに、前記ヒンジ部以外の部分で
は、切離し用薄肉部を介して本体に一体的に接続
され、前記ヒンジ部の外側における本体外面には
係合凹所がヒンジ部に隣接して形成され、一方、
前記ヒンジ部の内側における蓋の外面には、弾性
はあるが保形性をもつ立上り状係合突部が一体的
に形成され、この係合突部の先端には、前記係合
凹所にほぼ向かう方向にフツク部が一体的に形成
され、係合突部は、前記摘み片の引上げによる前
記切離し用薄肉部の破断後、蓋をそのヒンジ部を
中心として開放方向に回動させた時に、前記係合
凹所に係合して蓋を開放位置に保つような形状、
位置、寸法を与えられ、前記本体、摘み片、蓋、
係合突部は同じ弾性材料により形成されている。

（作用） 以上の構成により、本考案の注出口の開放の際
には、摘み片を持上げて蓋を切離し用薄肉部に沿
つて本体より切離すと、蓋はヒンジ部に沿つて斜
め上方に向かつて立上り注出開口が形成され、係
合突部のフツク部は係合凹所内に弾発的に係合し
て蓋は開放位置に保持される。蓋を閉じるとき
は、係合凹部と係合突部の係合を解くように蓋を
押下げて注出開口内にはめればよい。

（実施例） 以下、図面について本考案の実施例を説明す
る。

第１図に示すように、本考案の注出口１は任意
の液体用包装容器Ｃに取付けられる。図示の例で
は、容器Ｃは牛乳、ジユース等の飲料のゲーベル
トツプシール形紙容器で、注出口１はその頂部の
斜壁C₁に取付けられている。容器は直方体形状
の紙容器、その他の形態の容器でもよい。

注出口１は、ポリエチレン等の弾性のある合成
樹脂で一体的に射出成形等に作ることが可能であ
り、全体的に第２図に示すように、下部の筒状を
なす本体３と上部の蓋２とから構成されている。
筒状の本体３はその基部に鍔状周縁部４を一体的
に備え、この鍔状周縁部４を第１図に示すように
容器Ｃの壁面C₁の内面に当接させてそれに接合
し、筒状本体３を容器壁面C₁に設けた孔を経て
外部へ突出させることにより、注出口１は容器Ｃ
に取付けられる。第２図に示すように、筒状本体
３の外面には、鍔状周縁部４に対し間隔をおいて
容器への仮止め用突起５が設けられ、容器Ｃの壁
C₁の孔の周縁部が鍔状周縁部４と突起５との間
に挿入される。

第３図および第４図に示すように、蓋２は図の
右側が高く、左側が低くなるように傾斜してお
り、筒状本体３の高さは図の右側へ行く程大きく
なつている。蓋２の低い側の端は直線状薄肉部７
によつて筒状本体３の上部に一体的に接続されて
いる。この薄肉部７は蓋２のヒンジ部６を構成す
る。

蓋２のヒンジ部６を除く周縁部の下側には、切
離し用薄肉部９が形成されている。この切離し用
薄肉部９は、筒状本体３の上端縁に沿つて弧状に
形成されており、その両端は前記直線状薄肉部７
の両端の近傍で、それから少し離れた位置で終つ
ている。

前記ヒンジ部６を挟んで筒状本体３と蓋２の外
面に、係合凹所１０および係合突部１１がそれぞ
れ形成されている。係合突部１１は弾性ある保持
性をもつ立上り状の板片で、その頂部に係合凹所
１０内に係合しうるフツク部１１ａが係合凹所１
０にほぼ向かう方向に穿設されている。係合凹所
１０は例えば直線溝状をなしている。なお、係合
突部１１のフツク部１１ａと係合凹所１０の形状
は、互いに係合しうるものであれば、図示以外の
形状でもよい。

係合凹所１０および係合突部１１のある側と反
対の側で、蓋２には外側への張出し部１２ａおよ
び内側の切込み１２ｂのある開閉用摘み片１２が
一体的に形成されている。この摘み片１２は、そ
の切込み１２ｂにより蓋２に対して可撓状に接続
したことにより、誤つて摘み片１２に力が加えら
れても摘み片が湾曲して薄肉部９に切断力が及ば
ないので、いたずらなどによる開口を防ぐことが
できる。

本考案による注出口の上記実施例は以上のよう
に構成されているので、摘み片１２を上方に引く
ことにより、蓋２は注出口の筒状本体３より薄肉
部９に沿つてヒンジ部６付近まで切り裂かれ、直
線状薄肉溝７により形成されているヒンジ部６を
中心として上方へ回動し、注出口が開かれること
になる。なお、薄肉部９の切裂きに際し、ヒンジ
部６の薄肉溝７をも切り裂かれる事態が生じない
ように、前述のように薄肉部９とヒンジ部の薄肉
溝７とがつながることがないようにしてある。

蓋２を上方へ回動するにつれて、蓋に設けた係
合突部１１のフツク部１１ａが筒状本体３に設け
られた係合凹所１０内に第５図に示すように係合
し、蓋２が開かれた状態に保持される。したがつ
て、内容物の注出を容易に行うことができる。

フツク部１１ａはそのフツク形状のために係合
凹所１０内に掛かるように係合し、僅かな力では
係合凹所１０から離脱しないようになる。

容器よりの内容物の注出が終了したら、蓋２を
押下げれば、第６図に示すように、蓋の摘み片１
２の張出し部１２ａが筒状本体３の頂部に係止し
て蓋が閉じられた状態が得られる。この状態は、
蓋２の先端部が筒状本体３の内壁に強く当接する
ことにより維持される。

以上に述べた実施例では、本体３は筒状をなし
ているが、本体の筒状部分はなくてもよい。筒状
部分のない実施例は、第７図に示すように、鍔状
周縁部４の一部が本体３を兼ね、本体３は鍔状周
縁部４に直接接続される。したがつて、蓋２、本
体３および鍔状周縁部４は１枚の平板状をなして
いる。その他の点はさきの実施例と同じであるの
で、さきの符号と同じ符号を付して説明を省略す
る。

なお、摘み片１２の形は任意であり、例えば第
８図に示すような形状でもよい。

（考案の効果） 以上に述べたように、本考案による注出口、蓋
を摘み片などを利用して引張ることにより、蓋と
本体とを係合している薄肉部を切り裂いて、簡単
に注出口を形成することができ、しかも、係合突
部と係合凹所の係止により蓋は開いた状態で保持
されるので容器内容物の注出に便利であり、ま
た、注出口開口作業に当り、注出口周辺に手指が
触れないので衛生的であり、しかも、注出口を閉
塞するに当つては、蓋を押圧すれば蓋と本体が嵌
合して閉止状態を保持できる。

また、本考案では蓋を開封して上方へ立ち上げ
た時に、係合突部のフツク部がそのフツク形状に
より係合凹所に掛かるように係合する。したがつ
て、僅かな外力ではフツク部と係合凹所の係合が
解除されることがなく、蓋の開放状態が確実に維
持される。また、蓋を閉じる時には、やや強い力
でフツク部を係合凹所から外せばよく、作業が簡
単である。

さらに、本考案による包装容器の注出口は、構
成が簡単であるため、プラスチツク射出成形によ
り一体成形可能で、安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の注出口を施した包装容器の斜
視図、第２図は注出口のみの斜視図、第３図は同
注出口の縦断斜視図、第４図は同縦断面図、第５
図は同注出口の蓋開放状態の説明用部分図、第６
図は蓋開放後蓋を閉じた状態を示す縦断面図、第
７図は本考案の注出口の他の実施例を示す縦断面
図、第８図は本考案の注出口のさらに他の実施例
を示す縦断面図である。 １……注出口、Ｃ……包装容器、２……蓋、３
……本体、４……鍔状周縁部、５……仮止め用突
起、６……ヒンジ部、７……薄肉部、９……切離
し用薄肉部、１０……係合凹所、１１……係合突
部、１１ａ……フツク部、１２……摘み片、１２
ａ……張出し部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 包装容器に取付けるための部分を備えかつ注
   出開口となるべき部分を有する本体と、この本
   体の注出開口となるべき部分を閉じるように本
   体に一体的に連設され表面に摘み片を備えた蓋
   とを有し、この蓋は、その一側で、ヒンジ部を
   構成する薄肉部を介して本体に一体的に接続さ
   れるとともに、前記ヒンジ部以外の部分では、
   切離し用薄肉部を介して本体に一体的に接続さ
   れ、前記ヒンジ部の外側における本体外面には
   係合凹所がヒンジ部に隣接して形成され、一
   方、前記ヒンジ部の内側における蓋の外面に
   は、弾性はあるが保形性をもつ立上り状係合突
   部が一体的に形成され、この係合突部の先端に
   は、前記係合凹所にほぼ向かう方向にフツク部
   が一体的に形成され、係合突部は、前記摘み片
   の引上げによる前記切離し用薄肉部の破断後、
   蓋をそのヒンジ部を中心として開放方向に回動
   させた時に、前記フツク部が前記係合凹所に係
   合して蓋を開放位置に保つような形状、位置、
   寸法を与えられ、前記本体、摘み片、蓋、係合
   突部は同じ弾性材料により形成されている、包
   装容器の注出口。 ２ 摘み片がヒンジ部と反対の側に突設されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の包装容
   器の注出口。 ３ 本体が、筒部を備え、この筒部の基部に、包
   装容器に取付けるための前記鍔状周縁部が形成
   され、筒部の先端部に蓋が形成されている実用
   新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   包装容器の注出口。 ４ 本体が、中央部に蓋を備える平板からなり、
   この平板のまわりに、包装容器に取付けるため
   の前記鍔状周縁部が前記平板と同一平面をなし
   て接続されている実用新案登録請求の範囲第１
   項または第２項記載の包装容器の注出口。