JPH0327948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、牛乳、ジユース等のゲーベルトツプ
シール形紙容器に用いる注出口に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来のこの種ゲーベルトツプシール形紙容器に
おける、屋根形状部の傾斜面に設けた注出口は、
注出口本体とキヤツプとの２ピースより形成され
ていて、内容液を注出するには、キヤツプを取外
し、注出筒内の封鎖部を引きちぎるものであつ
た。また、これを改良したものとして、１ピース
成形の注出口は、実願昭59−161197号（実開昭61
−77323号）として提案されているが、このもの
は、注出口本体が全体として側壁をもつと膨出し
ており、その上面の蓋には鉤付き摘みが突設され
ているものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のような従来のものの前者にあつては、注
出口本体とキヤツプとの２ピースより形成される
ため、成形型代を考えるとそれだけ費用が嵩むば
かりでなく組立てにおいても手数がかかり、注出
筒内に指を差込んで封鎖部を引きちぎるため、注
出口部に直接手指が触れることから衛生的ではな
かつた。また、後者の１ピースで成形の注出口に
あつては、注出口本体が全体として側壁をもつて
膨出しており、その上面の蓋に鉤付き摘み部が突
設されたものであるから、摘み部は、屋根状の傾
斜部から大きく突出したことになり、これがカー
トンとして梱包するとき等において邪魔となり、
また内容液の充填密封されたゲーベルトツプシー
ル形紙容器の運搬等において他物に引掛かるおそ
れを生じており、また摘み部は単なる鉤状のもの
であるから、開封の際の摘みにおいて、またこれ
の紙容器のトツプシール部に対する係止におい
て、不充分であつた。

本考案は、このような点に鑑みて案出されたも
ので、その目的とするところは、この種のゲーベ
ルトツプシール形紙容器が、その開封し注出に当
りて衛生的であり、しかも開封時の摘み部の摘み
をし易くするとともに、注出口を容器本体に取り
付けた際に、開封用の摘みをも含めて全体として
低く、カートンとして梱包するときに邪魔ににな
つたり、搬送等において他物が引掛かることを防
止するにある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案にあつて
は、ゲーベルトツプシール形紙容器の傾斜面に設
けた開口部に対して装着すべき注出口本体を、プ
ラスチツクの射出成形による１ピースとしたもの
で、その構成は、注出口本体が、前記の開口部に
嵌入すべきベース板形状の突出部と、同開口部の
口縁外周面に接着すべき鍔状部とから構成される
板状体であつて、前記ベース板形状の突出部の平
面視における山形状の頂部寄りの位置には、その
上面に、この面と平行状にリング状の摘みが突設
されており、また同じベース板形状の突出部の山
形状の頂部に対する直線状部側の前記鍔状部に
は、その下面の接着部側に下方より直線状の折曲
用のＶ字形溝が形成された構成をとつている。

（作用） 本考案の注出口は、ゲーベルトツプシール形紙
容器の屋根形の傾斜面に装着して使用するもの
で、紙容器内に充填密封された内容液を注出する
際、リング状の摘み部を引張ることにより開封
し、開封した蓋部を、それのリング状の摘み部を
もつて容器のトツプシール部に係止し、この状態
で注出し、注出が終わるとリング状の摘み部をト
ツプシール部から外して閉蓋する。

（実施例） 第１図及び第２図に示す本考案のゲーベルトツ
プシール形紙容器に用いる注出口Ａは、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のプラスチツクで射出成
形された１ピースのものであり、注出口本体ａの
構成は、第３図に示すようにゲーベルトツプシー
ル形紙容器Ｂの屋根形傾斜面部１の開口部２に外
方より嵌入すべき、第１図に示すように平面視に
おいてベース板形状の突出部ｂと、前記開口部２
の口縁外周面に接着すべき鍔状部ｃよりなる板状
体である。

この注出口本体ａは、その平面視においてベース
板形状の突出部ｂの山形状頂部３寄りの上面４
に、この面４に平行状にリング状の摘み部ｄが突
設されている。また、注出口本体ａには、前記山
形状の頂部３に対する直線状部の折曲用のＶ字形
溝ｅが設けられている。

以上のような構成の注出口本体ａをゲーベルト
ツプシール形紙容器Ｂに装着するには、紙容器Ｂ
の屋根形傾斜面部１の開口部２に対し、注出口本
体ａのベース板形状の突出部ｂを嵌入するととも
に、その鍔状部ｃの下面６を、開口部２の開口外
周面に接着する。この接着には、超音波、加熱、
接着剤等のいずれの手段であつてもよいが、開封
に当りて、リング状摘み部ｄを摘んで引張ると
き、ベース板形状の突出部ｂの山形状の頂部３側
から剥離できる程度の接着の強さである。牛乳、
ジユース等の内容液が充填密封されたゲーベルト
ツプシール形紙容器Ｂより、内容液を注出するに
当りては、注出口本体ａの上面４にこの面４と平
行状に突設されたリング状の摘み部ｄを摘んで引
張ると、その引張り力は山形状の頂部３側に集中
してかかるから、注出口本体ａは、頂部３側の鍔
状部ｃから剥離が始まり、両側にと進み、頂部３
側に対する直線状部５側の鍔状部ｃの下面よりの
Ｖ字形溝ｅに至りて上方に折曲がる。ここにおい
て、折曲がつた注出口本体ａは、それのリング状
摘み部ｄをもつて、ゲーベルトツプシール形紙容
器Ｂのトツプシール部７に係止する。そして紙容
器Ｂを傾倒して、開口部２より内容液を注出す
る。注出が終わり、リング状摘み部ｄをトツプシ
ール部７より外して注出口本体ａを蓋体として、
そのベース板形状の突出部ｂを開口部２に嵌入す
る。このとき、鍔状部ｃは、開口部２の口縁外周
面に当接して、開口部２は閉鎖される。

（考案の効果） 本考案のゲーベルトツプシール形紙容器用注出
口は、注出口本体が、ベース板形状の突出部と、
その周囲の鍔状部と、突出部の上面に突設し、こ
の面に平行状のリング状摘み部とより構成される
ものであるから、プラスチツクの射出成形に当り
ても１ピースで成形し易く、成形費用も比較的低
廉にして、全体的に扁平状に近いから、ゲーベル
トツプシール形紙容器に装着した場合において
も、全体的に屋根形傾斜面部より大きく突出する
ことなく、これにより、カートンとして梱包する
ときにおいても邪魔にならず、また内容液の充填
容器として運搬等においても他物に引掛かるおそ
れが少ない。また、開封時にあつては、紙容器の
開口部の切断面が内容液に触れるが、内容液自体
が一旦開封されたら長期にわたつて保存するもの
でないから、それがための支障をきたすことはき
わめて少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のゲーベルトツプシール形紙容
器用注出口の平面図、第２図は同上の正面図、第
３図は、これをゲーベルトツプシール形紙容器に
装着した場合の断面図である。 符号Ａ……ゲーベルトツプシール形紙容器用注
出口、Ｂ……ゲーベルトツプシール形紙容器、ａ
……注出口本体、ｂ……突出部、ｃ……鍔状部、
ｄ……リング状摘み部、ｅ……Ｖ字形溝、１……
屋根形傾斜面部、２……開口部、３……頂部、４
……上面、５……直線状部、６……下面、７……
トツプシール部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゲーベルトツプシール形紙容器の傾斜面の開口
   部に対して装着すべきプラスチツクの射出成形に
   よる１ピースの注出口本体は、前記の開口部に嵌
   入すべきベース板形状の突出部と、同開口部の口
   縁外周面に接着すべき鍔状部とから構成される板
   状体であつて、前記ベース板形状の突出部の平面
   視における山形状の頂部寄りの位置には、その上
   面に、この面と平行状にリング状の摘み部が突設
   されており、また同じベース板形状の突出部の山
   形状の頂部に対する直線状部側の前記鍔状部に
   は、下面の接着部側に下方より直線状の折曲用Ｖ
   字形溝が形成されているゲーベルトツプシール形
   紙容器用注出口。