JPH0344658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、牛乳、ジユース、酒等を充填密封す
るのに用いられる包装容器の注出口に関する。

従来の技術 従来、包装容器においては、その内容物を注出
する場合、例えば、牛乳、ジユース等に用いられ
ているゲーベルトツプシール形紙容器において
は、容器密封部を押し開いて注出開口を形成して
いるが、注出開口を形成するのに相当な力を必要
とし、また、開口形成手段として密封キヤツプに
よる注出口を設けた場合は、注出口本体とキヤツ
プを別々に製作して結合しなければならないか
ら、製作上の手数と費用が多くなる欠点がある。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、従来の包装容器のように、その内容
物を注出するのに密封部を押し開いたり、密封キ
ヤツプを取外すことなく、上面を一部を残して切
離して開閉蓋とするよう加工された注出口を、鍔
状周縁部を介して包装容器に取り付けることによ
り、簡単に注出口を開口でき、また、必要に応じ
て蓋を閉塞することができるようにし、衛生的で
製作が容易であり、かつ、操作を簡単化した注出
口であり、しかも、蓋の閉塞に際し、開閉蓋が注
出口内部に落込んで蓋の役目をしなくなるような
事態が生じないようにした包装容器の注出口を得
ようとするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記目的を達成するため、切離可能
な薄肉溝とこれより少し厚めのヒンジ部となる薄
肉溝を介して、係止用突起付突出摘み部を設けた
蓋を筒状体上面に、また、筒状体下側に、包装容
器に穿設した開口周縁と接合するための鍔状周縁
部を設けてなる合成樹脂製注出口において、蓋体
を閉じるに際して蓋体及び係止用突起部分が撓ん
で、突出摘み部の係止用突起による係止が行なわ
れず、蓋体が注出口内部に落込んでしまうのを防
止するために、摘み部の係止用突起の上部に横切
欠溝を設け、摘み部に加わる力により蓋体が撓む
ことがないようにしようとするものである。

作 用 本考案の注出口は、任意の包装容器に取付けて
使用するもので、包装容器内に充填密封した内容
液を注出する時は、突出摘み部を引張ることによ
り蓋の薄肉周縁部を破断し、少し厚めの薄肉溝に
より形成したヒンジ部を中心として蓋を回動する
ことにより注出口を開口して、内容液を注出し、
注出を中止した時は、蓋の切り開いてできた開口
部と蓋の周縁に切り離しの際に生じたバリにより
蓋が跳ね上がつて開こうとする動きが阻止され、
注出口を確実に閉塞することができるものであ
り、しかも、蓋の閉止に当つて摘み部に加わる力
により蓋体等が撓んで蓋が注出口内部に落込むこ
とがないようにするものである。

実施例 本考案を図面に示す実施例に従つて説明する。

図面は本考案による実施例を示すもので、第１
図は注出口の斜視図、第２図は第１図の断面図、
第３図は注出口を容器に取付けた状態を示す断面
図、第４図は注出口の蓋体を破断して開き、再び
閉じた状態を示す断面図、第５図は蓋体を閉じる
際に加えられる力により摘み部が曲る様子を示す
断面図、第６図は本考案によらない通常の蓋体が
注出口内部に落込む状態を示す断面図、である。

図面に示す注出口１は、ポリエチレン製の合成
樹脂で一体的に、即ち１ピースに射出成形により
作ることが可能で、その上面の蓋２はその周縁を
破断可能な薄肉溝３とヒンジ部となる薄肉溝４を
介して筒状部５上面に接続されており、蓋２の上
面には、ヒンジ部となる薄肉溝４の反対側に摘み
握り部６を上端に、係止用突起７を下部外方に備
えた突出摘み部８が設けられている。図示実施例
においては、筒状部５は略５角形となつており、
したがつて蓋体２との接続部分である薄肉溝３，
４のなす形も５角形となつていて、突出摘み部８
を握つて引張ると、薄肉溝３は引き裂かれ、薄肉
溝４をヒンジ部９とする蓋２が形成され、筒状部
５の上部が先細形状に開口されることになる（肉
薄溝３の肉厚はヒンジ部となる肉厚溝の肉厚より
も薄くされてある）。また、蓋２を閉じる場合に
蓋２が筒状部５中に没入してしまわないように、
突出摘み部８の係止用突起７が筒状部上部と係止
するようになつており、さらに、この係止用突起
７の上側には横方向の切欠溝１０が設けられてい
る。筒状部５の周壁１１下部には、包装容器１２
の注出口取付開口１３周縁１４への複数の仮止用
突起１５と鍔状周縁部１６とが設けられており、
この周壁１１は鍔状周縁部１６より筒状部５上面
に向つて先細状テーパーが付けられていて、注出
口１の包装容器１２への取付が簡単に行なわれる
ようにされてある。

第３図は、注出口１をゲーベルトツプシール形
紙容器１２に接合した状態を示す断面図で、第４
図に示すように、包装容器１２の内容液を注出す
る場合、蓋２の突出摘み部８を引つ張つて薄肉溝
３を引き破りヒンジ部９となる薄肉溝４の両端部
分まで切離し、この蓋２をヒンジ部９を中心とし
て回動開口することにより行ない、注出を中止し
た際には、蓋２を５角形筒状部５の開口に嵌着す
れば、係止用突起７が注出口の切り開いた開口縁
に係止して蓋２が容器１２内側に落ち込むのが防
止され、さらに、切離した切口部分に生ずるバリ
により蓋２と５角形筒状部周壁１１が係合状態と
なり、注出口を閉塞することができる。

しかしながら、蓋２を閉めるに当つて、突出摘
み部８に力が加わるため、例えば、第６図に示す
ように、突出摘み部８と蓋２との接合部分を介し
て蓋２に曲げモーメントが加わり、係止用突起７
が筒状部５上縁と係合できずに蓋２が容器開口内
に落下してしまう事態が生ずる恐れがあるので、
本考案においては、突出摘み部８の係止用突起７
より上部に横方向切欠溝１０を設けることによ
り、第５図に示すように、この部分において突出
摘み部８に加わる曲げ応力により突出摘み部８の
上部のみが湾曲し、蓋２及び係止用突起７部分に
曲げ応力が作用しないようにしてあるので、蓋２
と突出摘み部８の係止用突起７は共に変位しな
い。

なお、横方向切欠溝１０は突出摘み部８のどち
らの面に設けてもよく、要するに、突出摘み部８
に加わる力により係止用突起７の係止が行なわれ
なくならないようにするものであればよい。

考案の効果 本考案による包装容器の注出口は、注出口の突
出摘み部を引つ張つて蓋の薄肉周縁部を切り裂く
ことにより簡単に注出口を形成することができ、
また、注出口を閉塞するに当つては、蓋を押し下
げれば蓋周縁に生じたバリが係合して蓋を閉止位
置に保持するので、閉止状態を持続でき、しか
も、軟質プラスチツク材を使用しても、突出摘み
部８の係止用突起７上側に横方向切欠溝１０が設
けられているので、蓋と係止用突起部分が曲り、
係止用突起７が注出口周壁上部と係止せずに蓋体
２が注出口内部に落込むようなことがなく、第５
図に示すように、確実に蓋の係止が行なわれる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による実施例を示すもので、第１
図は注出口の斜視図、第２図は第１図の断面図、
第３図は注出口を容器に取付けた状態を示す断面
図、第４図は注出口の蓋体を破断して開き、再び
閉じた状態を示す断面図、第５図は蓋体を閉じる
際に加えられる力により摘み部が曲る様子を示す
断面図、第６図は本考案によらない通常の蓋体が
注出口内部に落込む状態を示す断面図、である。 １……注出口、２……蓋、３……薄肉部（切離
部）、４……薄肉部（ヒンジ部）、５……筒状部、
６……握り部、７……係止用突起、８……突出摘
み部、９……ヒンジ部、１０……横方向切欠溝、
１２……包装容器、１６……鍔状周縁部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 イ １ピースの射出成形の注出口本体 ロ この注出口本体の周壁の上周縁に薄肉の切離
   部を有するヒンジ蓋 ハ 上記注出口本体の周壁の下周縁に外方に向う
   容器本体に取付けるための鍔状周縁部 ニ 上記注出口本体の平面視において、ヒンジ蓋
   のヒンジ部側に対する先細形状の注出部 ホ 前記ヒンジ蓋の上面にあつて、上記の先細形
   状の注出部の該先細形状部に対応した位置に突
   設してなる、係止用突起及び係止用突起の上側
   裏面に横方向切欠溝付突出摘み部 以上の構成からなる包装容器の注出口。