JPH05156061A - シリコ−ンゴム発泡性組成物 - Google Patents

シリコ−ンゴム発泡性組成物

Info

Publication number
JPH05156061A
JPH05156061A JP30841391A JP30841391A JPH05156061A JP H05156061 A JPH05156061 A JP H05156061A JP 30841391 A JP30841391 A JP 30841391A JP 30841391 A JP30841391 A JP 30841391A JP H05156061 A JPH05156061 A JP H05156061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
composition
silicone rubber
foam
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30841391A
Other languages
English (en)
Inventor
Junya Ishida
田 純 也 石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP30841391A priority Critical patent/JPH05156061A/ja
Publication of JPH05156061A publication Critical patent/JPH05156061A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】けい素原子に結合する有機基に基づいてビニル
基を平均0.05〜3.0モル%含有するオルガノポリシロキ
サン,触媒量の重合触媒、及び結晶水をもつ無機塩類の
微細粒子発泡剤の特定範囲量が配合されたシリコ−ンゴ
ム発泡性組成物。 【効果】本発明のシリコ−ンゴム発泡性組成物は、加熱
発泡により有毒物質を発生させたり残留させることのな
い極めて安全な発泡体を提供する。従って、得られる発
泡体は、医療用として、あるいは化粧用品として有用で
あり、その産業上の利用価値は極めて高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコ−ンゴム発泡体
形成用組成物に関し、特に、発泡成形時に有毒ガスを発
生させたり、有害物質を残留することのないクリ−ンな
シリコ−ンゴム発泡性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコ−ンゴム発泡体は、シリコ
−ンゴム材料、例えば、ジオルガノポリシロキサンに充
填材と重合触媒を混和し、これに発泡材としてアズビス
イソブチロニトリル(AIBN)の所要量を配合し、そ
の均一組成物を加熱し発砲させて製造されている。
【0003】AIBNは、加熱により容易に化学的に分
解してガスを発生し、そのガスによってシリコ−ンゴム
発泡体が形成される。しかし、この化学熱分解はガスを
発生させるだけでなく、テトラメチルコハク酸ジニトリ
ル(TMSNと略記する)が生成してこれが発泡体中に
付着残留する。このTMSNは、若干の有毒性が認めら
れているため、医療分野での利用は厳しく制限されてい
る。従って、AIBNの分解によって得られたシリコ−
ンゴム発泡体は、更に熱処理等の二次的手段によりこの
有毒物質を除去する処理が行われている。しかし、この
熱処理は比較的高い温度で長時間の処理を必要とするた
め、工業的に著しく不利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、製造が容易で、有毒物質の除去を必要としない工業
的に望ましいシリコ−ンゴム発泡体成形用組成物を提供
することにある。また他の課題は、均一なセル構造を有
する優れた品質のシリコ−ンゴム発泡体を提供すること
にある。更に、他の課題は、医療分野においても何らの
制限を受けること無く使用し得る高い実用的価値を持っ
たシリコ−ンゴム発泡体の効果的製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決する方法について、特に発泡剤に着目して多く
の実験研究を行い、実用性の優れた、特に工業的に有利
なシリコ−ンゴム発泡体成形用組成物を開発した。すな
わち、本発明は、前記特許請求の範囲各項に記載の構成
要件を要旨とする組成物を提供するものである。
【0006】本発明の組成物に用いられる成分(イ)の
ビニル基含有オルガノポリシロキサンは、従来シリコ−
ンゴムの原料として使用されているすべてのシリコ−ン
ゴム材料が包含されるが、例えば、その代表的なものと
しては、一般式:
【0007】
【化1】
【0008】(式中、Rは、メチル基,エチル基,ビニ
ル基,及びフェニル基より成る群から選択され、二つの
Rは同一でも異なっていてもよい。またmは、100〜100
00の整数である。)で表される化合物類を挙げることが
できる。本発明においては、この化合物は、けい素原子
に結合している全有機基に基づいて、ビニル基を平均0.
05〜3.0モル%含有するものが好ましく用いられる。
【0009】この成分(イ)のビニル基含有ジオルガノ
ポリシロキサンは、通常、無機質充填剤が配合使用され
る。そのような配合用充填剤は、従来シリコ−ンゴムに
配合使用されているものはいずれも使用できるが、本発
泡体用充填剤としては、特に煙霧質シリカ及び沈降性シ
リカが好ましい。この微粉状無機質充填剤の添加は、特
にシリコ−ン発泡体のセル構造を均一に形成させ、風合
のよい製品を提供するのに重要であって、その量は、配
合組成物が150〜500のウィリアムス可塑度範囲となるよ
うに添加することが極めて好ましい。このように、本発
明組成物における成分(イ)の化合物は、別に加えられ
る充填剤含有組成物を包含する。
【0010】また、微粉状無機質充填剤のビニル基含有
ジオルガノポリシロキサンへの分散性を向上させるため
に、通常知られた手段が採用できる。例えば、分散助剤
を使用する方法は実用的であり、また無機質充填剤の表
面をシラン処理して分散性を高めることも有効であって
何ら差し支えない。
【0011】本発明組成物を構成する成分(ロ)は、上
記成分(イ)の化合物の重合加硫用触媒であって、有機
過酸化物が代表的である。その有機過酸化物としては、
例えば、ベンゾイルパ−オキサイド,ビス-2,4-ジクロ
ロベンゾイルパ−オキサイド,t-ブチルパ−ベンゾエ−
ト,ジクミルパ−オキサイドを挙げることができる。こ
の有機過酸化物の触媒量は、成分(イ)の100重量部に
対して、0.05〜5重量部程度が好ましく使用される。使
用量が、0.05重量部未満では、加熱発泡時の加硫硬化反
応が不充分となり、また5重量部を超えると加熱発泡が
阻害され、所望の発泡体を形成させることが困難とな
り、ひいては発泡体の品質を低下させるので好ましくな
い。
【0012】また、他の触媒として、白金又は白金系化
合物触媒が用いられるが、この触媒を用いるときは、そ
の触媒能に関連して、オルガノハイドロジェンポリシロ
キサンを併用することが重要である。その白金系触媒
は、通常知られた白金化合物類であって、例えば、塩化
第二白金,塩化白金酸,塩化白金酸と一価のアルコ−ル
との反応物,塩化白金酸とオレフィン類との錯体及び塩
化白金酸とビニルシロキサンの錯体などが挙げられる。
【0013】その使用量は、成分(イ)のジオルガノポ
リシロキサンと密接に関連し、成分(イ)のジオルガノ
ポリシロキサン100重量部に対して、通常、0.5〜30重量
部の範囲が好ましく用いられる。その場合の白金触媒の
使用量は、通常採用されている触媒量、例えば、成分
(イ)100重量部に対して、50〜4000ppm程度であるが、
多少の変更は何ら差し支えない。また、場合によって
は、付加反応速度遅延剤、例えば、有機窒素化合物,ア
ルキン系化合物や錫化合物を用いて架橋速度をコントロ
−ルすることができる。この白金系触媒と前記過酸化物
触媒は、適宜組み合わせて使用することができる。
【0014】白金系触媒と共に用いられるオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンは、次の一般式で表される化
合物類であって、その式中のRは、水素原子,メチル
基,エチル基及びフェニル基より成る群から選択され、
6個のRのうち少なくとも2個は水素原子であり、また
nは10〜1000の範囲の整数である。
【0015】
【化2】
【0016】上記式で表される化合物類は、分子中にけ
い素原子に結合した少なくとも2個の水素原子を有し、
その水素が成分(イ)のビニル基とハイドロサイレ−シ
ョン付加結合をして硬化する。かかる化学反応から、そ
の水素原子(H)/ビニル基(V)の数比は、好ましく
は、1.0〜8.0になるようにオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの使用量が選択される。このH/V比が1.0よ
り小さいと、加熱発泡時の加硫硬化反応が不充分とな
り、8.0を超えると加熱発泡が阻害され、発泡体の品質
が低下するので好ましくない。
【0017】本発明組成物を構成する成分(ハ)の結晶
水をもつ無機質塩類は、分子内に結合水を結合する無機
酸の塩であって、シリコ−ンゴムの加熱加硫温度におい
て結晶水を放出する発泡剤であり、比較的結晶水を多く
持った塩類が好適に使用される。そのような無機塩類と
しては、例えば、硫酸ナトリウム,炭酸マグネシウム,
炭酸水素ナトリウム,炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0018】それらの結晶水は、硫酸ナトリウムでは7
水塩及び10水塩が代表的である。炭酸マグネシウムは3
水塩であるが、慣用的に炭酸マグネシウムと呼ばれるヒ
ドロキシ炭酸マグネシウムの3〜7水塩も包含される。
また、炭酸水素ナトリウムは、代表的には1水塩である
が、その比較的低温で熱分解して発生する炭酸ガスによ
る発泡が期待できる物質である。更に炭酸カルシウムは
6水塩が代表的である。
【0019】これらは、加熱によりその結晶水が気化し
て離脱放出され、その水蒸気が発泡ガスとして有効利用
されるので、可及的微細粒子に粉砕して配合使用され
る。この含水塩類から発生する気泡形成用ガスは水であ
るから全く無毒無害であり、また残留する無機物もクリ
−ン物質であって、従来のAIBNのような問題をもた
ない発泡剤であり、発泡後に無毒化処理を必要としない
望ましいものである。これらの結晶水含有無機塩類は、
通常、単独で使用されるが、二種以上を組み合わせて用
いることもできる。本発明は、このような結晶水含有無
機塩類を発泡剤として使用し、所望のシリコ−ンゴム発
泡体を効果的に形成させ得ることの発見に基づくもので
ある。
【0020】それらの使用量は、所望発泡度に応じて成
分(イ)100重量部に対し、0.5〜15重量部の範囲から選
択される。0.5重量部未満では、充分な発泡が得られ
ず、また15重量部を超えると、発泡体に亀裂が発生した
り変形が起こるので好ましくない。上記発泡用無機塩類
は、その種類によって結合する結晶水の数や比重等が異
なり、また得られる発泡体の気泡の大きさ及び発泡度の
程度により、その使用量は上記範囲から適宜選択され
る。
【0021】本発明の組成物は、構成成分(イ),
(ロ)及び(ハ)を混合し、均一組成物に調製され、加
熱発泡硬化処理される。この均一混合は、例えば、2本
ロ−ルや3本ロ−ル等を用いて効果的に行うことができ
る。また、加熱発泡操作は、従来のシリコ−ンゴムの加
熱発泡体の製造に用いられる方法が有利に採用できる。
しかし、シリコ−ンゴムの主成分であるポリジメチルシ
ロキサンは、マイクロ波に対する誘電損失係数が0.026
にすぎないため、実用に耐えないが、高い誘電損失係数
1.204を有する水を結晶水として含有する成分(ハ)を
組成物中に有する本発明の組成物は、マイクロ波の吸収
が向上し、その加熱を利用して加硫発砲させることがで
きるので、極めて有利である。
【0022】
【作用】本発明の組成物は、結晶水を有する無機塩類を
シリコ−ンゴムの発泡剤として使用するので発泡用ガス
も残留物も全く無毒,無害で、得られるシリコ−ンゴム
発泡体は、無毒化二次処理を施す必要が無く、そのまま
医療用として使用することもできるので、工業的に極め
て有利である。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により、更に詳細に説
明する。なお、例中の部数は、特にことわりがない限
り、重量による。 実施例1,2及び比較例1 下記組成物を2本ロ−ルで均一に混合した。 成分(イ):ビニル基含有オルガノポリシロキサン(信越化学工業社製の商品 名:KE951U) 100部 成分(ロ)−1:オルガノハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業社製 の商品名:C−153A) 2.5部 仝 −2:白金触媒(信越化学工業社製の商品名:Cat−PL−2) 0.03部 成分(ハ):硫酸ナトリウム・10水塩 0部,1部又は2部 付加反応遅速度延剤(信越化学工業社製の商品名:R−153A) 0.42部
【0024】第3の成分(ハ)に関して、1部を添加し
たもの、2部を点添加したもの及び比較のために添加し
なかった組成物をそれぞれ調製し、それらの均一混合物
を押出機で押し出して、断面が4×7mmの帯状の長尺体
を製造した。これを常圧下に450℃の熱風炉中で1分半
の間、加熱発砲させた。その結果、発泡剤1部のもの
(実施例1)は、比重:0.62,発泡倍率:185%であ
り、2部のもの(実施例2)は、比重:0.51,発泡倍
率:225%でったのに対し、発泡剤を加えなかったもの
(比較例1)は、比重:1.05,発泡倍率:110%に過ぎ
なかった。
【0025】なお、比重の測定は、水中置換法により求
めた。また発泡倍率は、発泡前のゴム均一混合組成物を
プレス成形(圧力:200kgf/cm2,加熱条件:160℃×5m
in)して得た2mmのシ−トの比重(d=1.15)から算出
した。
【0026】比較例 2及び3 実施例1において、成分(ハ)の発泡剤物質として、無
水硫酸ナトリウム1部(比較例2)及びイオン交換水0.
56部(この量は、前記実施例1で用いた硫酸ナトリウム
・10水塩の1部の含有水分量に匹敵)(比較例3)を
それぞれ添加した以外は全く同様にして組成物を調製
し、同様に操作して発泡体を作製した。その結果、比較
例2の発泡体は、比重:1.06,発泡倍率:108%であ
り、比較例3の発泡体は異常発泡したため、いずれの項
目の測定もできなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明のシリコ−ンゴム発泡性組成物
は、加熱発泡により有毒物質を発生させたり残留させる
ことのない極めて安全な発泡体を提供する。従って、医
療用として、また化粧用品として有用であり、その産業
上の利用価値は極めて高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコ−ンゴム発泡体
形成用組成物に関し、特に、発泡成形時に有毒ガスを発
生させたり、有害物質を残留することのないクリ−ンな
シリコ−ンゴム発泡性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコ−ンゴム発泡体は、シリコ
−ンゴム材料、例えば、ジオルガノポリシロキサンに充
填材と重合触媒を混和し、これに発泡材としてアズビス
イソブチロニトリル(AIBN)の所要量を配合し、そ
の均一組成物を加熱し発砲させて製造されている。
【0003】AIBNは、加熱により容易に化学的に分
解してガスを発生し、そのガスによってシリコ−ンゴム
発泡体が形成される。しかし、この化学熱分解はガスを
発生させるだけでなく、テトラメチルコハク酸ジニトリ
ル(TMSNと略記する)が生成してこれが発泡体中に
付着残留する。このTMSNは、若干の有毒性が認めら
れているため、医療分野での利用は厳しく制限されてい
る。従って、AIBNの分解によって得られたシリコ−
ンゴム発泡体は、更に熱処理等の二次的手段によりこの
有毒物質を除去する処理が行われている。しかし、この
熱処理は比較的高い温度で長時間の処理を必要とするた
め、工業的に著しく不利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、製造が容易で、有毒物質の除去を必要としない工業
的に望ましいシリコ−ンゴム発泡体成形用組成物を提供
することにある。また他の課題は、均一なセル構造を有
する優れた品質のシリコ−ンゴム発泡体を提供すること
にある。更に、他の課題は、医療分野においても何らの
制限を受けること無く使用し得る高い実用的価値を持っ
たシリコ−ンゴム発泡体の効果的製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決する方法について、特に発泡剤に着目して多く
の実験研究を行い、実用性の優れた、特に工業的に有利
なシリコ−ンゴム発泡体成形用組成物を開発した。すな
わち、本発明は、前記特許請求の範囲各項に記載の構成
要件を要旨とする組成物を提供するものである。
【0006】本発明の組成物に用いられる成分(イ)の
ビニル基含有オルガノポリシロキサンは、従来シリコ−
ンゴムの原料として使用されているすべてのシリコ−ン
ゴム材料が包含されるが、例えば、その代表的なものと
しては、一般式:
【0007】
【化1】
【0008】(式中、Rは、メチル基,エチル基,ビニ
ル基,及びフェニル基より成る群から選択され、二つの
Rは同一でも異なっていてもよい。またmは、100〜100
00の整数である。)で表される化合物類を挙げることが
できる。本発明においては、この化合物は、けい素原子
に結合している全有機基に基づいて、ビニル基を平均0.
05〜3.0モル%含有するものが好ましく用いられる。
【0009】この成分(イ)のビニル基含有ジオルガノ
ポリシロキサンは、通常、無機質充填剤が配合使用され
る。そのような配合用充填剤は、従来シリコ−ンゴムに
配合使用されているものはいずれも使用できるが、本発
泡体用充填剤としては、特に煙霧質シリカ及び沈降性シ
リカが好ましい。この微粉状無機質充填剤の添加は、特
にシリコ−ン発泡体のセル構造を均一に形成させ、風合
のよい製品を提供するのに重要であって、その量は、配
合組成物が150〜500のウィリアムス可塑度範囲となるよ
うに添加することが極めて好ましい。このように、本発
明組成物における成分(イ)の化合物は、別に加えられ
る充填剤含有組成物を包含する。
【0010】また、微粉状無機質充填剤のビニル基含有
ジオルガノポリシロキサンへの分散性を向上させるため
に、通常知られた手段が採用できる。例えば、分散助剤
を使用する方法は実用的であり、また無機質充填剤の表
面をシラン処理して分散性を高めることも有効であって
何ら差し支えない。
【0011】本発明組成物を構成する成分(ロ)は、上
記成分(イ)の化合物の重合加硫用触媒であって、有機
過酸化物が代表的である。その有機過酸化物としては、
例えば、ベンゾイルパ−オキサイド,ビス-2,4-ジクロ
ロベンゾイルパ−オキサイド,t-ブチルパ−ベンゾエ−
ト,ジクミルパ−オキサイドを挙げることができる。こ
の有機過酸化物の触媒量は、成分(イ)の100重量部に
対して、0.05〜5重量部程度が好ましく使用される。使
用量が、0.05重量部未満では、加熱発泡時の加硫硬化反
応が不充分となり、また5重量部を超えると加熱発泡が
阻害され、所望の発泡体を形成させることが困難とな
り、ひいては発泡体の品質を低下させるので好ましくな
い。
【0012】また、他の触媒として、白金又は白金系化
合物触媒が用いられるが、この触媒を用いるときは、そ
の触媒能に関連して、オルガノハイドロジェンポリシロ
キサンを併用することが重要である。その白金系触媒
は、通常知られた白金化合物類であって、例えば、塩化
第二白金,塩化白金酸,塩化白金酸と一価のアルコ−ル
との反応物,塩化白金酸とオレフィン類との錯体及び塩
化白金酸とビニルシロキサンの錯体などが挙げられる。
【0013】その使用量は、成分(イ)のジオルガノポ
リシロキサンと密接に関連し、成分(イ)のジオルガノ
ポリシロキサン100重量部に対して、通常、0.5〜30重量
部の範囲が好ましく用いられる。その場合の白金触媒の
使用量は、通常採用されている触媒量、例えば、成分
(イ)100重量部に対して、50〜4000ppm程度であるが、
多少の変更は何ら差し支えない。また、場合によって
は、付加反応速度遅延剤、例えば、有機窒素化合物,ア
ルキン系化合物や錫化合物を用いて架橋速度をコントロ
−ルすることができる。この白金系触媒と前記過酸化物
触媒は、適宜組み合わせて使用することができる。
【0014】白金系触媒と共に用いられるオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンは、次の一般式で表される化
合物類であって、その式中のRは、水素原子,メチル
基,エチル基及びフェニル基より成る群から選択され、
6個のRのうち少なくとも2個は水素原子であり、また
nは10〜1000の範囲の整数である。
【0015】
【化2】
【0016】上記式で表される化合物類は、分子中にけ
い素原子に結合した少なくとも2個の水素原子を有し、
その水素が成分(イ)のビニル基とハイドロサイレ−シ
ョン付加結合をして硬化する。かかる化学反応から、そ
の水素原子(H)/ビニル基(V)の数比は、好ましく
は、1.0〜8.0になるようにオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの使用量が選択される。このH/V比が1.0よ
り小さいと、加熱発泡時の加硫硬化反応が不充分とな
り、8.0を超えると加熱発泡が阻害され、発泡体の品質
が低下するので好ましくない。
【0017】本発明組成物を構成する成分(ハ)の結晶
水をもつ無機質塩類は、分子内に結合水を結合する無機
酸の塩であって、シリコ−ンゴムの加熱加硫温度におい
て結晶水を放出する発泡剤であり、比較的結晶水を多く
持った塩類が好適に使用される。そのような無機塩類と
しては、例えば、硫酸ナトリウム,炭酸マグネシウム,
炭酸水素ナトリウム,炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0018】それらの結晶水は、硫酸ナトリウムでは7
水塩及び10水塩が代表的である。炭酸マグネシウムは3
水塩であるが、慣用的に炭酸マグネシウムと呼ばれるヒ
ドロキシ炭酸マグネシウムの3〜7水塩も包含される。
また、炭酸水素ナトリウムは、代表的には1水塩である
が、その比較的低温で熱分解して発生する炭酸ガスによ
る発泡が期待できる物質である。更に炭酸カルシウムは
6水塩が代表的である。
【0019】これらは、加熱によりその結晶水が気化し
て離脱放出され、その水蒸気が発泡ガスとして有効利用
されるので、可及的微細粒子に粉砕して配合使用され
る。この含水塩類から発生する気泡形成用ガスは水であ
るから全く無毒無害であり、また残留する無機物もクリ
−ン物質であって、従来のAIBNのような問題をもた
ない発泡剤であり、発泡後に無毒化処理を必要としない
望ましいものである。これらの結晶水含有無機塩類は、
通常、単独で使用されるが、二種以上を組み合わせて用
いることもできる。本発明は、このような結晶水含有無
機塩類を発泡剤として使用し、所望のシリコ−ンゴム発
泡体を効果的に形成させ得ることの発見に基づくもので
ある。
【0020】それらの使用量は、所望発泡度に応じて成
分(イ)100重量部に対し、0.5〜15重量部の範囲から選
択される。0.5重量部未満では、充分な発泡が得られ
ず、また15重量部を超えると、発泡体に亀裂が発生した
り変形が起こるので好ましくない。上記発泡用無機塩類
は、その種類によって結合する結晶水の数や比重等が異
なり、また得られる発泡体の気泡の大きさ及び発泡度の
程度により、その使用量は上記範囲から適宜選択され
る。
【0021】本発明の組成物は、構成成分(イ),
(ロ)及び(ハ)を混合し、均一組成物に調製され、加
熱発泡硬化処理される。この均一混合は、例えば、2本
ロ−ルや3本ロ−ル等を用いて効果的に行うことができ
る。また、加熱発泡操作は、従来のシリコ−ンゴムの加
熱発泡体の製造に用いられる方法が有利に採用できる。
しかし、シリコ−ンゴムの主成分であるポリジメチルシ
ロキサンは、マイクロ波に対する誘電損失係数が0.026
にすぎないため、実用に耐えないが、高い誘電損失係数
1.204を有する水を結晶水として含有する成分(ハ)を
組成物中に有する本発明の組成物は、マイクロ波の吸収
が向上し、その加熱を利用して加硫発砲させることがで
きるので、極めて有利である。
【0022】
【作用】本発明の組成物は、結晶水を有する無機塩類を
シリコ−ンゴムの発泡剤として使用するので発泡用ガス
も残留物も全く無毒,無害で、得られるシリコ−ンゴム
発泡体は、無毒化二次処理を施す必要が無く、そのまま
医療用として使用することもできるので、工業的に極め
て有利である。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により、更に詳細に説
明する。なお、例中の部数は、特にことわりがない限
り、重量による。 実施例1,2及び比較例1 下記組成物を2本ロ−ルで均一に混合した。 成分(イ):ビニル基含有オルガノポリシロキサン(信越化学工業社製の商品 名:KE951U) 100部 成分(ロ)−1:オルガノハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業社製 の商品名:C−153A) 2.5部 仝 −2:白金触媒(信越化学工業社製の商品名:Cat−PL−2) 0.03部 成分(ハ):硫酸ナトリウム・10水塩 0部,1部又は2部 付加反応遅速度延剤(信越化学工業社製の商品名:R−153A) 0.42部
【0024】第3の成分(ハ)に関して、1部を添加し
たもの、2部を点添加したもの及び比較のために添加し
なかった組成物をそれぞれ調製し、それらの均一混合物
を押出機で押し出して、断面が4×7mmの帯状の長尺体
を製造した。これを常圧下に450℃の熱風炉中で1分半
の間、加熱発砲させた。その結果、発泡剤1部のもの
(実施例1)は、比重:0.62,発泡倍率:185%であ
り、2部のもの(実施例2)は、比重:0.51,発泡倍
率:225%でったのに対し、発泡剤を加えなかったもの
(比較例1)は、比重:1.05,発泡倍率:110%に過ぎ
なかった。
【0025】なお、比重の測定は、水中置換法により求
めた。また発泡倍率は、発泡前のゴム均一混合組成物を
プレス成形(圧力:200kgf/cm2,加熱条件:160℃×5m
in)して得た2mmのシ−トの比重(d=1.15)から算出
した。
【0026】比較例 2及び3 実施例1において、成分(ハ)の発泡剤物質として、無
水硫酸ナトリウム1部(比較例2)及びイオン交換水0.
56部(この量は、前記実施例1で用いた硫酸ナトリウム
・10水塩の1部の含有水分量に匹敵)(比較例3)を
それぞれ添加した以外は全く同様にして組成物を調製
し、同様に操作して発泡体を作製した。その結果、比較
例2の発泡体は、比重:1.06,発泡倍率:108%であ
り、比較例3の発泡体は異常発泡したため、いずれの項
目の測定もできなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明のシリコ−ンゴム発泡性組成物
は、加熱発泡により有毒物質を発生させたり残留させる
ことのない極めて安全な発泡体を提供する。従って、医
療用として、また化粧用品として有用であり、その産業
上の利用価値は極めて高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)けい素原子に結合している有機基
    に基づいて、ビニル基を平均0.05〜3.0モル%含有する
    オルガノポリシロキサン 100重量部 (ロ)触媒量の重合触媒、及び (ハ)結晶水をもつ無機塩類の微細粒子 0.5〜15重量
    部を含有して成るシリコ−ンゴム発泡性組成物。
  2. 【請求項2】 触媒量の重合触媒が、有機過酸化物0.05
    〜5重量部、又は分子中にけい素原子に結合した少なく
    とも2個の水素原子を有するオルガノハイドロジェンポ
    リシロキサン0.5〜30重量部と触媒量の白金もしくは白
    金系化合物、あるいはそれらの混合物である請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】 無機塩類が、硫酸ナトリウム,炭酸マグ
    ネシウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸カルシウムである
    請求項1記載の組成物。
JP30841391A 1991-10-28 1991-10-28 シリコ−ンゴム発泡性組成物 Pending JPH05156061A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30841391A JPH05156061A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 シリコ−ンゴム発泡性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30841391A JPH05156061A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 シリコ−ンゴム発泡性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05156061A true JPH05156061A (ja) 1993-06-22

Family

ID=17980764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30841391A Pending JPH05156061A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 シリコ−ンゴム発泡性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05156061A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0751173A1 (de) * 1995-06-28 1997-01-02 Bayer Ag Geschlossenporige Siliconschäume, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
JP2006083237A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴムスポンジ組成物およびシリコーンゴムスポンジ
JP2008069353A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Wacker Chemie Ag マイクロ波フォーム
JP2008129171A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴムスポンジ、その製造方法及びそれを用いた定着ロール、並びに、該定着ロールを用いた電子写真式画像形成装置
JP2008189798A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Iwaki Kasei Kk 多孔樹脂成形体並びにその製造方法
JP2008214440A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴムスポンジ組成物
JP2009516011A (ja) * 2005-11-10 2009-04-16 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト 発泡プラスチックを製造するための発泡可能な組成物
JP2017512235A (ja) * 2014-02-27 2017-05-18 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトWacker Chemie AG 高い吸水能力を有する付加架橋性シリコーン組成物
CN116285365A (zh) * 2023-03-30 2023-06-23 东莞市利群榕兴高分子科技有限公司 一种发泡导电硅橡胶及其制备方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0751173A1 (de) * 1995-06-28 1997-01-02 Bayer Ag Geschlossenporige Siliconschäume, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
JP2006083237A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴムスポンジ組成物およびシリコーンゴムスポンジ
JP2009516011A (ja) * 2005-11-10 2009-04-16 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト 発泡プラスチックを製造するための発泡可能な組成物
JP2008069353A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Wacker Chemie Ag マイクロ波フォーム
US8114919B2 (en) 2006-09-12 2012-02-14 Wacker Chemie Ag Microwave foam
JP2008129171A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴムスポンジ、その製造方法及びそれを用いた定着ロール、並びに、該定着ロールを用いた電子写真式画像形成装置
JP2008189798A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Iwaki Kasei Kk 多孔樹脂成形体並びにその製造方法
JP2008214440A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴムスポンジ組成物
JP2017512235A (ja) * 2014-02-27 2017-05-18 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトWacker Chemie AG 高い吸水能力を有する付加架橋性シリコーン組成物
CN116285365A (zh) * 2023-03-30 2023-06-23 东莞市利群榕兴高分子科技有限公司 一种发泡导电硅橡胶及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW561183B (en) Moldable silicone rubber sponge composition, silicone rubber sponge, and method for producing silicone rubber sponge
US8114919B2 (en) Microwave foam
JP4854480B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ、その製造方法及びそれを用いた定着ロール、並びに、該定着ロールを用いた電子写真式画像形成装置
JP4767516B2 (ja) 高連泡率シリコーンゴムスポンジ、その製造方法、及び該シリコーンゴムスポンジを用いた定着ロール
JP4762781B2 (ja) 導電性シリコーンゴム組成物及び導電性シリコーンゴムスポンジ
JP2008214440A (ja) シリコーンゴムスポンジ組成物
CN102174260B (zh) 硅橡胶海绵组合物和硅橡胶海绵
JPH05156061A (ja) シリコ−ンゴム発泡性組成物
JPH0561298B2 (ja)
US4983642A (en) Foamable silicone rubber composition and foamed silicone rubber body therefrom
JPH02261835A (ja) 発泡性シリコーンゴム組成物
JPH064716B2 (ja) 発泡性シリコーン組成物、シリコーンスポンジ及びシリコーンスポンジロール
EP0497565A2 (en) Foamable silicone rubber composition and silicone rubber sponge
JPH06128487A (ja) 高強度弾性乾燥剤
JP4704954B2 (ja) 導電性シリコーンゴム組成物及び導電性シリコーンゴムスポンジ
JP6976657B2 (ja) シリコーンゴムスポンジの製造方法
US6359026B1 (en) Method for producing silicone foams
JP2006193609A (ja) シリコーンゴムスポンジ組成物
JPH11279312A (ja) シリコーンゴムスポンジ組成物およびそれを用いたシリコーンゴムスポンジならびにスポンジガスケット
JPH03221561A (ja) シリコーンゴム組成物およびその硬化方法ならびに硬化物
JP5057036B2 (ja) 導電性シリコーンゴムスポンジ組成物及び導電性シリコーンゴムスポンジの製造方法
JP3419279B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ組成物
JP3611025B2 (ja) シリコーンゴム組成物
JP2008115284A (ja) シリコーンゴム組成物およびそれを用いた臭いの少ないシリコーンゴムスポンジ
JP2004189818A (ja) シリコーンゴム組成物