JPH05155813A - ヒドロキシアルキルモノアクリレートの製造方法及びその中間体 - Google Patents

ヒドロキシアルキルモノアクリレートの製造方法及びその中間体

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JPH05155813A
JPH05155813A JP3349135A JP34913591A JPH05155813A JP H05155813 A JPH05155813 A JP H05155813A JP 3349135 A JP3349135 A JP 3349135A JP 34913591 A JP34913591 A JP 34913591A JP H05155813 A JPH05155813 A JP H05155813A
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JP
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ether
hydroxyalkyl
acrylate
tetrahydropyranyl
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JP3349135A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yuasa
博之 湯浅
Eiichiro Fukuzaki
英一郎 福崎
Yutaka Nakazono
豊 中薗
Shuji Senda
修治 千田
Tetsuo Komata
哲夫 小俣
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルカンジオールをテトラヒドロピランと反
応させた後、塩化アクリロイルと反応させて一般式1
(化1)で示されるヒドロキシアルキルアクリレートテ
トラヒドロピラニルエーテルとし、このヒドロキシアル
キルアクリレートテトラヒドロピラニルエーテルからテ
トラヒドロピラニル基を脱離させて一般式2(化2)で
示されるヒドロキシアルキルモノアクリレートを製造す
る方法。 【効果】 実用上興味深いヒドロキシアルキルモノアク
リレートを極めて高純度で、しかも容易に製造すること
ができる。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はヒドロキシアルキルモ
ノアクリレートの製造方法及びその中間体に係り、その
目的は柔軟性や親水性がさまざまな程度で賦与されたさ
まざまな重合体又は共重合体を生成することのできるヒ
ドロキシアルキルモノアクリレートを極めて高純度でし
かも効率良く製造することができる方法及びその中間体
を提供することにある。
【0002】
【発明の背景】一般式4
【化4】 で表されるヒドロキシアルキルモノアクリレートは、分
子中に疎水性のアルキル単位と親水性のヒドロキシル基
とを共有するところから、柔軟性や親水性がさまざまの
程度で賦与された実用上興味深い物性をもった重合体又
は共重合体を生成せしめることができる物質として知ら
れている。さらにこのヒドロキシル基は反応性にも富む
ので架橋性重合体あるいは共重合体としての用途も注目
されている。
【0003】
【従来の技術】このヒドロキシアルキルモノアクリレー
トの最も簡単な合成法としては、アクリル酸と相当する
アルカンジオールとを反応させ、アルカンジオールの一
方の末端をアクリル基に変える方法が知られており、特
にアルキル基の長さがブチル以上の長さとなる場合には
ほとんど唯一の合成法とされている。しかしながら、こ
の合成反応においては、如何に反応条件を選択しても目
的とするモノアクリレートと同時にジアクリレートの副
生も生じ、最終的にはモノアクリレートとジアクリレー
トの混合物より前者をいかにして分離するかが重要な問
題とされていた。この分離方法としては蒸留法と溶媒抽
出法とが例示されるがいずれも高純度で分離することは
困難とされていた。
【0004】このような問題に照らし、ヒドロキシアル
キルモノアクリレートを高純度で製造する方法として特
開昭50-83320号「ヒドロキシアルキルモノアクリレート
の精製方法」及び特開昭63- 237791号「ジエステルのモ
ノエステルへの部分加水分解方法」が開示されている。
特開昭50-83320号公報にて開示されている技術は、ノル
マルアルカン又はイソアルカンを添加し、ヒドロキシア
ルキルジアクリレートをアルカン層に吸収させた後、ヒ
ドロキシアルキルモノアクリレート層を分離するヒドロ
キシアルキルモノアクリレートの精製方法であり、また
特開昭63-237791 号公報にて開示されている技術は、ヒ
ドロキシアルキルジアクリレートを酵素により部分加水
分解する方法であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た何れの方法においても、99%以上の極めて高い純度で
目的物であるヒドロキシアルキルモノアクリレートを得
ることはできなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明ではアルカンジ
オールをテトラヒドロピランと反応させた後、塩化アク
リロイルと反応させてヒドロキシアルキルアクリレート
テトラヒドロピラニルエーテルとし、このヒドロキシア
ルキルアクリレートテトラヒドロピラニルエーテルから
テトラヒドロピラニル基を脱離させることを特徴とする
ヒドロキシアルキルモノアクリレートの製造方法を提供
することにより前記従来の課題を悉く解消する。
【0007】すなわち、この発明者らは鋭意研究を重ね
た結果、アルカンジオールの片方の水酸基をあらかじめ
テトラヒドロピラニル基で保護した後、塩化アクリロイ
ルと反応させることによりヒドロキシアルキルアクリレ
ートテトラヒドロピラニルエーテルを得、得られたヒド
ロキシアルキルアクリレートテトラヒドロピラニルエー
テルからテトラヒドロピラニル基を脱離させることによ
り、99%以上の極めて高い純度で且つ容易に目的のヒド
ロキシアルキルモノアクリレートを得ることを初めて見
出したのである。(尚、この発明においてヒドロキシア
ルキル基の鎖長は特に限定はされない。)
【0008】
【発明の構成】以下、この発明に係るヒドロキシアルキ
ルモノアクリレートの製造方法及びその中間体の構成に
ついて説明する。
【0009】まず、この発明に係るヒドロキシアルキル
モノアクリレートの製造方法について説明する。この発
明において出発原料とされるアルカンジオールとして
は、ヘキサンジオール、オクタンジオール等が好適に使
用され、鎖長等は特に限定はされない。この発明におい
ては、アルカンジオールの分子中、一方の水酸基をテト
ラヒドロピラニル基で保護し、アルカンジオールモノテ
トラヒドロピラニルエーテルとする。
【0010】この反応は、アルカンジオールをテトラヒ
ドロフランにて溶解し、冷却しながらp−トルエンスル
ホン酸・水和物を加え、エーテル中にて溶解させたテト
ラヒドロピランを添加し、約2〜4時間反応させること
によって行われる。使用されるテトラヒドロピランとし
ては、3,4−ジヒドロ−α−ピランが好適に例示され
るが特に限定はされない。
【0011】テトラヒドロピラニル基の導入は、薄層ク
ロマトグラフィー等により確認して行い、テトラヒドロ
ピラニル基の導入が充分に確認されない場合には同様の
反応を繰り返し行う。反応終了後、シリカゲルクロマト
グラフィー等を用いて反応液を精製し、アルカンジオー
ルモノテトラヒドロピラニルエーテルを得る。
【0012】得られたアルカンジオールモノテトラヒド
ロピラニルエーテルは次いで塩化アクリロイルと反応さ
せて一般式4(化4)で示されるヒドロキシアルキルア
クリレートテトラヒドロピラニルエーテルとする。
【化4】
【0013】この反応は有機溶媒中、低温域にて行わ
れ、トリエチルアミンの存在下、塩化アクリロイルを原
料アルカン 100重量部に対して1〜2重量部添加して、
2〜4時間反応させて行われる。また、この反応におい
て用いられる有機溶媒は特に限定はされず、エーテル、
ヘキサン、ペンタン、イソプロピルエーテル等が好適な
実施例として例示される。さらに、この反応は薄層クロ
マトグラフィー等により確認して行い、反応が不充分で
あれば繰り返し反応を行う。
【0014】反応終了後、有機層を抽出、洗浄し、無水
硫酸ナトリウム等を用いて乾燥して重合禁止剤であるヒ
ドロキノンを微量加えて、濃縮、乾燥した。得られた反
応生成物は無色透明で油状の物質であった。また、赤外
線吸収スペクトルの吸収波数(cm-1) が2920、2850、17
30、1640、1620、1520、1470、1460、1450、1420、139
0、1370、1360、1310、1300、1280、1200、1140、112
0、1080、1070、1040、990 、910 、870 、810 であっ
たことからヒドロキシアルキルアクリレートテトラヒド
ロピラニルエーテルであると同定された。
【0015】得られたヒドロキシアルキルアクリレート
テトラヒドロピラニルエーテルから次いで、テトラヒド
ロピラニル基の脱離を行う。この反応は、アルコール溶
媒中、p−トルエンスルホン酸・水和物を添加し、約1
〜3時間反応させることによって行われる。このテトラ
ヒドロピラニル基の脱離は薄層クロマトグラフィー等に
より確認し、脱離が充分でなければ同様の反応を繰り返
し行う。反応終了後、反応液を有機溶媒にて抽出し、洗
浄、精製して反応生成物を得た。
【0016】得られた反応生成物は無色透明で油状の物
質であった。また、その赤外線吸収スペクトルやプロト
ン磁気共鳴スペクトル等の機器分析によりヒドロキシア
ルキルモノアクリレートであると同定された。
【0017】次に、この発明に係るヒドロキシアルキル
モノアクリレートの中間体、ヒドロキシアルキルアクリ
レートテトラヒドロピラニルエーテルについて説明す
る。
【0018】このヒドロキシアルキルアクリレートテト
ラヒドロピラニルエーテルはアルカンジオールをテトラ
ヒドロフランと反応させた後、塩化アクリロイルと反応
させることによって容易に得ることができ、実用上興味
深い物性を持つヒドロキシアルキルモノアクリレートを
前述した如く、極めて高い純度で効率良く導くことがで
きる。
【0019】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明はアルカン
ジオールをテトラヒドロピランと反応させた後、塩化ア
クリロイルと反応させてヒドロキシアルキルアクリレー
トテトラヒドロピラニルエーテルとし、このヒドロキシ
アルキルアクリレートテトラヒドロピラニルエーテルか
らテトラヒドロピラニル基を脱離させることを特徴とす
るヒドロキシアルキルモノアクリレートの製造方法であ
るから、極めて高純度で、効率良くヒドロキシアルキル
モノアクリレートを製造することができる優れた効果を
奏する。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げてこの発明をより一層詳
細に説明する。
【0021】(実施例1)ヘキサンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテルの
合成 ヘキサンジオール100g(846mmol) をテトラヒドロフラン
に溶解し攪拌した。氷浴で冷却しながら、p−トルエン
スルホン酸・水和物5gを加え、次にエーテル中にて溶
解させた3,4-ジヒドロ- α- ピラン 71.2g (846mmol)を
滴下した。その後2℃〜10℃間で攪拌し、薄層クロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/:2/1)で原料
スポットの消失を確認したが、確認できずさらにp−ト
ルエンスルホン酸・水和物2gを加え、攪拌を続けた。
再び薄層クロマトグラフィーで原料スポット消失を確認
して後処理を行った。まず、反応液にエーテルを加え、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに、水、
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
これを減圧濃縮して、得られたヘキサンジオールモノテ
トラヒドロピラニルエーテルをシリカゲルクロマトグラ
フィー(シリカゲル2.6Kg)、展開溶媒ヘキサン/酢酸エ
チル(20/1〜2/1)で精製を行ない、目的のヘキサ
ンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテル 76.5g
(収率44.7%)を得た。
【0022】6−ヒドロキシヘキシルアクリレートテト
ラヒドロピラニルエーテルの合成 ヘキサンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテル 5
0g (248mmol)をエーテル中に溶解し攪拌した。これにト
リエチルアミン 65.9ml (55mmol)を添加し、氷浴で冷却
しながら、塩化アクリロイル25gを滴下し、1時間反応
させた後薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチ
ル/:4/1)で原料スポットの消失を確認したが、原
料スポットの消失が確認できなかったため、さらに塩化
アクリロイル4mlを加えた。その後も再度、薄層クロマ
トグラフィーにて確認したが、原料スポットの消失が確
認できず、再び塩化アクリロイル2mlを2回、4−ジメ
チルアミノピリジン1gを加え、反応温度を室温にし
た。4時間30分後に反応を停止させ、後処理を行った。
反応液を氷水中に移し、エーテル300ml を加えて抽出
し、水層をエーテルで再抽出した。すべての有機層を1
N以下の塩酸で洗浄し更に、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
させた。これにヒドロキノン(重合禁止剤)を微量加え
てから、減圧濃縮することにより目的物である中間体、
6−ヒドロキシヘキシルアクリレートテトラヒドロピラ
ニルエーテル 58.6g を得た。
【0023】得られた6−ヒドロキシヘキシルアクリレ
ートテトラヒドロピラニルエーテルは、赤外線吸収スペ
クトルの吸収波数(cm-1)が2920、2850、1960、1730、
1640、1620、1520、1470、1460、1450、1420、1390、13
70、1360、1310、1300、1280、1200、1140、1120、108
0、1070、1040、990 、910 、870 、810 であった(図
1参照)ことから同定された。
【0024】6−ヒドロキシヘキシルアクリレートの合
前工程で得られた6−ヒドロキシヘキシルアクリレート
テトラヒドロピラニルエーテル 58.6gをメタノールに溶
解し攪拌した後冷却した。その後、p−トルエンスルホ
ン酸・水和物3gを添加し、1時間後薄層クロマトグラ
フィー(ヘキサン/酢酸エチル/:2/1)で原料スポ
ットの消失を確認したが、原料スポットが消失しなかっ
たため室温で攪拌を続けた。1時間30分後、薄層クロマ
トグラフィーにて原料スポットの消失を確認して後処理
をした。反応液にエーテルを加え、有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄して、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これにヒドロキノン
(重合禁止剤)を微量加えて減圧濃縮することにより、
52.2g の6−ヒドロキシヘキシルアクリレートを得た。
得られた6−ヒドロキシヘキシルアクリレートをシリカ
ゲルクロマトグラフィー(シリカゲル1Kg、展開溶媒ペ
ンタン:エーテル=9:1〜1:1)で精製することに
より、最終生成物である6−ヒドロキシヘキシルアクリ
レート 33.7g(収率79.2%)をヘキサンジオールモノテ
トラヒドロピラニルエーテルより得ることができた。
【0025】得られた6−ヒドロキシヘキシルアクリレ
ートは赤外線吸収スペクトルの吸収波数(cm-1)が3360
(br)、2910(S) 、2840(S) 、1960(W) 、1730(S) 、1640
(m)、1620(m) 、1520(W) 、1470(m) 、1420(S) 、1390
(W) 、1300(S) 、1280(S) 、1200(S) 、1060(S) 、990
(S)、810(m)であった(図2参照)こと及びプロトン磁
気共鳴スペクトル1HNMR(400MH2) のσ値が1.37〜1.41(5
H,m)、1.54〜1.60(2H,m)、1.64〜1.71(2H,m)、3.63(2H,
t,J=6.6 Hz) 、4.14(2H,t,J=6.8 Hz) 、5.80(1H,dd,J=1
0.3, 1.46Hz)、6.10(1H,dd,J=17.1, 10.7Hz)、6.38(1H,
dd,J=17.3, 1.47Hz)であった(図3参照)ことから同定
された。
【0026】(実施例2)オクタンジオールモノテトロヒドロピラニルエーテルの
合成。 オクタンジオール 100g (574mmol) をテトラヒドロフラ
ンにて溶解して、攪拌し、冷却した。内温10℃以下でp
−トルエンスルホン酸・水和物3.4gを加え、次にエーテ
ルにて溶解させた。3,4-ジヒドロ- α- ピラン 48.3g
(574mmol)を滴下した。この溶液を5〜9℃間にて約3
時間攪拌し、薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸
エチル/:2/1)でチェックしたが原料スポットが残
っていたため冷媒を除去した。1時間後の薄層クロマト
グラフィーでもまだ原料スポットが残っていたため、エ
ーテル、p−トルエンスルホン酸・水和物2g、及びエ
ーテルに溶解した3,4-ジヒドロ- α- ピラン 10gをそれ
ぞれ加え、室温で一晩放置した。翌朝薄層クロマトグラ
フィーで原料スポットの消失を確認し、原料スポットが
残っていたが、反応を終了させた。後処理法は、反応液
にエーテルを加え、有機層を重炭酸水素ナトリウム、水
道水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。これを減圧濃縮して、得られたオクタンジオ
ールモノテトラヒドロピラニルエーテルをシリカゲルク
ロマトグラフィー (シリカゲル2.0Kg 、展開溶媒ヘキサ
ン/酢酸エチル:20/1〜5/1)で精製を行い、目
的のオクタンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテ
ル68.4g (収率43.7%)を得た。
【0027】8−ヒドロキシオキシルアクリレートテト
ラヒドロピラニルエーテルの合成。 オクタンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテル 3
0g (130mmol)をエーテル 300mlに溶解し、攪拌した。次
にトリエチルアミン 35ml を添加し、氷浴で冷却し、塩
化アクリロイル 15.4g、エーテル200ml を加えた。2時
間後、薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル
/:2/1)で原料消失を確認して後処理を行った。反
応液を氷水にあけて分液をし、水層をエーテルで抽出し
た。すべての有機層をブライン洗浄して、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。これを減圧濃縮することにより、目
的物である8−ヒドロキシオキシルアクリレートテトラ
ヒドロピラニルエーテル30g を得た。
【0028】8−ヒドロキシオキシルアクリレートの合
前工程で得られた8−ヒドロキシオキシルアクリレート
テトラヒドロピラニルエーテル 30gをメタノールに溶解
し、攪拌、冷却した。その後、p−トルエンスルホン酸
・水和物2gを添加し、1時間攪拌してから室温で2時
間攪拌した。その後、薄層クロマトグラフィー(ヘキサ
ン/酢酸エチル)で原料スポットの消失を確認して後処
理を行った。反応液にエーテルを加えて、これを重炭酸
水素ナトリウム、水、ブラインで順次洗浄して無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。これを減圧濃縮して 30gの8−
ヒドロキシオキシルアクリレートを得た。得られた8−
ヒドロキシオキシルアクリレートをシリカゲルクロマト
グラフィー(シリカゲル300g、展開溶媒ペンタン/ エー
テル:9/1 〜1/1)で精製することにより、最終生成物で
ある8−ヒドロキシオキシルアクリレート12.3g (収率
46.3%)をオクタンジオールモノテトラヒドロピラニル
エーテルより得た。
【0029】得られた8−ヒドロキシオキシルアクリレ
ートは赤外線吸収スペクトルの吸収波数(cm-1)が3380
(br)、2920(S) 、2850(S) 、1760(W) 、1730(S) 、1640
(m)、1620(m) 、1470(m) 、1420(S) 、1300(S) 、1280
(S) 、1200(S) 、1060(S) 、990(S)、900(W)、810(S)で
あった(図4参照)こと及びプロトン磁気共鳴スペクト
1HNMR(400MH2) のσ値が1.33(9H,m)、1.51〜1.58(2H,
m)、1.61〜1.67(2H,m)、3.62(2H,t,J=6.5 Hz) 、4.13(2
H,t,J=6.8 Hz) 、5.80(1H,dd,J=10.3, 1.6Hz)、6.10(1
H,dd,J=17.3, 10.5Hz)、6.38(1H,dd,J=17.3, 1.8Hz) で
あった(図5参照)ことから同定された。
【0030】(実施例3)デカンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテルの合
デカンジオール 100g (574mmol) をテトラヒドロフラン
に溶解し、攪拌、冷却した。内温10℃以下でp−トルエ
ンスルホン酸・水和物 3.4g を加え、次に1リットルの
エーテルに溶かした3,4-ジヒドロ- α- ピラン 48.3g
(574mmol)を滴下した。その後5〜9℃間で約3時間攪
拌し、薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチ
ル:2/1)で原料スポットの消失を確認したが、原料
スポットが残っていたため冷媒を除去した。1時間後の
薄層クロマトグラフィーでもまだ原料が残っていたの
で、エーテル1.5 リットル、p−トルエンスルホン酸・
水和物2g及び200ml のエーテルに溶かした 3,4- ジヒ
ドロ- α- ピラン10g をそれぞれ加え、室温で一晩放置
した。翌朝薄層クロマトグラフィーにて確認を行い、原
料が残っていたが反応を終了した。後処理法は、反応液
にエーテルを加え有機層を重炭酸水素ナトリウム、水道
水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。これを減圧濃縮して、得られたデカンジオール
モノテトラヒドロピラニルエーテルをシリカゲルクロマ
トグラフィー(シリカゲル2.0Kg 、展開溶媒ヘキサン/
酢酸エチル:20/1〜5/1)で精製を行い、目的のデ
カンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテル 63.2g
(収率42.7%)を得た。
【0031】10−ヒドロキシデキシルアクリレートテ
トラヒドロピラニルエーテルの合成 デカンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテル 40g
(155mmol) をドライエーテル1リットル中にて溶解し攪
拌した。これにトリエチルアミン 28.2g(279mmol) を添
加して、氷浴で冷却した。これに塩化アクリロイル 16.
8gを滴下し、約1時間後、薄層クロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル:4/1)で原料スポットの消失を
確認したが、原料スポットが残っていたので冷媒を除去
し、さらに塩化アクリロイルを3.3gを加えた。1時間後
薄層クロマトグラフィーで原料の消失を確認して、後処
理を行った。反応液に氷水を入れ、分液した。水層をエ
ーテル抽出し、すべての有機層を飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これにp−メトキシフ
ェノール(重合禁止剤)を微量加えてから、減圧濃縮す
ることにより目的物である中間体、10−ヒドロキシ−デ
オキシルアクリレートテトラヒドロピラニルエーテル 5
0.0gを得た。
【0032】得られた10−ヒドロキシ−デオキシルアク
リレートテトラヒドロピラニルエーテルは、赤外線吸収
スペクトルの吸収波数(cm-1)が2910、2840、1960、17
30、1640、1620、1480、1460、1450、1420、1390、137
0、1360、1330、1300、1280、1200、1140、1130、108
0、1070、1040、990 、910 、880 、820 であった(図
6参照)ことから同定された。
【0033】10−ヒドロキシデキシルアクリレートの
合成。 前工程で得られた10−ヒドロキシデキシルアクリレー
トテトラヒドロピラニルエーテル 50.0gをメタノールに
溶解し、攪拌、冷却した。内温9℃でp−トルエンスル
ホン酸・水和物2.6gを添加し、1時間30分後薄層クロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:4/1)で原料
スポットの消失を確認したが、確認できなかったため、
冷却をやめ、p−トルエンスルホン酸・水和物0.4g、メ
タノール200ml を加え、さらに攪拌を続けた。2時間後
薄層クロマトグラフィーで確認したが原料が残ってい
た。しかしこれ以上反応がすすまないと判断し、後処理
を行った。反応液にエーテルを加え、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄して、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。これを減圧濃縮することによ
り49.4g の10−ヒドロキシデキシルアクリレートを得
た。得られた10−ヒドロキシデキシルアクリレートを
シリカゲルクロマトグラフィー( シリカゲル400g、展開
溶媒ペンタン/エーテル:9/1〜3/1)で精製する
ことにより、最終物である10−ヒドロキシデキシルア
クリレート 30.0g( 収率87.8%)をデカンジオールモノ
テトラヒドロピラニルエーテルより得ることができた。
【0034】得られた10−ヒドロキシデキシルアクリ
レートは赤外線吸収スペクトルの吸収波数(cm-1)が33
80(br)、2900(S) 、2840(S) 、1960(W) 、1730(S)、164
0(m) 、1620(m) 、1470(m) 、1410(S) 、1300(S) 、128
0(S) 、1200(S) 、1060(S)、990(S)、810(m)であった
(図7参照)こと及びプロトン磁気共鳴スペクトル1HNM
R(400MH2) のσ値が1.28(12H,br)、1.48(1H,br) 、1.51
〜1.56(2H,m)、1.61〜1.66(2H,m)、3.62(2H,t,J=6.5 H
z) 、4.13(2H,t,J=6.8 Hz) 、5.80(1H,dd,J=10.7, 1.2H
z) 、6.10(1H,dd,J=17.3, 10.3Hz)、6.38(1H,dd,J=17.
1, 1.5Hz) であった(図8参照)ことから同定された。
【図面の簡単な説明】
【図1】6−ヒドロキシヘキシルアクリレートテトラヒ
ドロピラニルエーテルの赤外線吸収スペクトル図であ
る。
【図2】6−ヒドロキシヘキシルアクリレートの赤外線
吸収スペクトル図である。
【図3】同上、プロトン磁気共鳴スペクトル図である。
【図4】8−ヒドロキシオキシルアクリレートの赤外線
吸収スペクトル図である。
【図5】同上、プロトン磁気共鳴スペクトル図である。
【図6】10−ヒドロキシ−デオキシルアクリレートテト
ラヒドロピラニルエーテルの赤外線吸収スペクトル図で
ある。
【図7】10−ヒドロキシデキシルアクリレートの赤外
線吸収スペクトル図である。
【図8】同上、プロトン磁気共鳴スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千田 修治 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 小俣 哲夫 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカンジオールをテトラヒドロピラン
    と反応させた後、塩化アクリロイルと反応させて一般式
    1(化1)で示されるヒドロキシアルキルアクリレート
    テトラヒドロピラニルエーテルとし、この一般式1(化
    1)で示されるヒドロキシアルキルアクリレートテトラ
    ヒドロピラニルエーテルからテトラヒドロピラニル基を
    脱離させることを特徴とする一般式2(化2)で示され
    るヒドロキシアルキルモノアクリレートの製造方法。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 ヒドロキシアルキルモノアクリレートの
    中間体である一般式3(化3)で示されるヒドロキシア
    ルキルアクリレートテトラヒドロピラニルエーテル。 【化3】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010064514A1 (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 日立化成工業株式会社 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルの製造方法

Cited By (2)

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