JPH05155325A - アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチロックブレーキ制御装置

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JPH05155325A
JPH05155325A JP32430991A JP32430991A JPH05155325A JP H05155325 A JPH05155325 A JP H05155325A JP 32430991 A JP32430991 A JP 32430991A JP 32430991 A JP32430991 A JP 32430991A JP H05155325 A JPH05155325 A JP H05155325A
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Masato Yoshino
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Abstract

(57)【要約】 【目的】摩擦ブレーキ等からなる主制動装置と排気ブレ
ーキ等の補助制動装置を備える車両用において、主制動
装置等の作動状態の有無に適応して好適なアンチロック
制御を行うこと。 【構成】 主制動装置が作動状態か否かを検出する作動
検出手段を備える。主制動装置の制動力を調整する制動
力調整手段を備える。補助制動装置制御手段は、補助制
動装置の作動を解除又は許可する。処理手段は、車輪が
ロック状態か否かを検出すると共に、該検出結果及び上
記作動検出手段からの信号に基づき、上記制動力調整手
段及び補助制動装置制御手段に対して制御信号を出力す
る。また、処理手段は、作動検出検出手段が主制動装置
の作動を検出せず、かつ、車輪のロック状態が検出され
た場合に、少なくとも予め定めた所定時間内は制動力調
整手段を作動を禁止する一方、補助制動装置の作動の解
除を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力す

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアンチロックブレーキ制
御装置に関するものであり、特に、摩擦ブレーキ等から
なる主制動装置の他に、排気ブレーキ、各種のリターダ
等からなる補助制動装置を備える車両において、主制動
装置の作動状態等に応じて補助制動装置の作動を排除又
は許可し、好適なアンチロックブレーキ制御の実現を図
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より大型自動車、鉄道等では摩擦ブ
レーキ等からなる主制動装置の他に補助制動装置を備え
るのが一般的である。
【0003】上記主制動装置は、長時間の使用の際に発
生する摩擦熱により制動力が低下してしまう。そのた
め、上記補助制動装置は、通常摩擦を利用しないタイプ
のブレーキ装置が採用されている。即ち、大型自動車用
としては、排気ブレーキ、電磁式又は永久磁石式のエデ
ィカレントリターダ、流体式リターダ等が採用され、鉄
道用としては発電制動ブレーキ等が採用されている。ま
た、自動車におけるエンジンブレーキも広い意味で補助
制動装置の範疇に入る。
【0004】一方、従来より種々のアンチロックブレー
キ制御装置が提供されている。これらのアンチロッブレ
ーキ制御装置では、車輪がロック状態に向かった場合
に、主制動装置のブレーキ力を低減させて車輪の回転の
回復を図るものが殆どである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】上記アンチロックブレーキ制御装置を上記
した種々のタイプの補助制動装置を備えた車両に適用し
た場合、下記のような問題を生じる。
【0006】例えば、凍結した路面を走行する自動車で
は主制動装置を作動さなくても、補助制動装置の作動の
みにより車輪がロック状態となってしまうことがある。
このような場合、主制御装置に対してアンチロックブレ
ーキ制御装置を作動させて、主制動装置のブレーキ力を
低減させても、車輪の回転は回復しない。更に、この場
合、アンチロックブレーキ制御装置による作動音が運転
者に不快感を与えると共に、該装置の作動のために無駄
なエネルギーが消費されることになる。
【0007】これに対して、ロック発生時には、エンジ
ンブレーキ、エディカレントリターダの作動を解除する
構成としたアンチロックブレーキ制御装置が提案されて
いる。(特開平1−95962号、特開平2−1693
58号公報参照)
【0008】しかしながら、上記した従来のアンチロッ
ク制御装置は、車輪がロックした場合には、常に、主制
動装置に対してアンチロック制御を行うと共にエンジン
ブレーキ等の作動を解除する構成としている。そのた
め、例えば、主制動装置が非作動状態であって、補助制
動装置の制動力のみによって車輪がロックした状態であ
り、補助制動装置の作動のみを解除すれば足りる場合に
も、主制動装置にアンチロック制御を行うことになる。
この場合、主制動装置を制御するアンチロック制御装置
の作動のために無駄な電力を費やすことになる。
【0009】また、上記補助制動装置の制動力は、主制
動装置と比べると比較的小さくいため、坂道等では作動
状態のまま保持されることが多い。一方、補助制動装置
は、通常、作動、非作動の二値的に作動し、制動力を段
階的に調整できないものが多い。
【0010】そのため、坂道等で補助制動装置を作動状
態に保持している際に、更に、主制動装置も作動させた
ことにより車輪にロックが生じた場合には、上記のよう
に主制動装置にアンチロック制御を行い、かつ、補助制
動装置を解除するのでは、好適な制御を行うことが困難
である。
【0011】更に、上記の状態からロックが解除した直
後に、再び補助制動装置を作動させると、上記したよう
に補助制動装置は二値的に作動するため、直ちに車輪が
ロック状態となってしまう可能性がある。
【0012】本発明は上記のような従来の補助制動装置
を備えた車両等に用いるアンチロックブレーキ制御装置
における問題を解決するためになされたものであって、
主制動装置の作動、非作動等の条件に応じて好適なアン
チロックブレーキ制御を達成することを目的としてなさ
れたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、主制
動装置と、補助制動装置を備える車両において、上記主
制動装置が作動状態か否かを検出する作動検出手段と、
上記主制動装置の制動力を調整する制動力調整手段と、
上記補助制動装置の作動を解除又は許可する補助制動装
置制御手段と、車輪がロック状態か否かを検出すると共
に、該検出結果及び上記作動検出手段からの信号に基づ
き、上記制動力調整手段及び補助制動装置制御手段に対
して制御信号を出力する処理手段とを備え、該処理手段
は、作動検出手段が主制動装置の作動を検出せず、か
つ、補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状態が検出
された場合に、補助制動装置の作動の解除を命令する制
御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成としてい
ることを特徴とするアンチロックブレーキ制御装置を提
供するものである。
【0014】また、本発明は、主制動装置と、補助制動
装置を備える車両において、上記主制動装置が作動状態
か否かを検出する作動検出手段と、上記主制動装置の制
動力を調整する制動力調整手段と、上記補助制動装置の
作動を解除又は許可する補助制動装置制御手段と、車輪
がロック状態か否かを検出すると共に、該検出結果及び
上記作動検出手段からの信号に基づき、上記制動力調整
手段及び補助制動装置制御手段に対して制御信号を出力
する処理手段とを備え、該処理手段は、作動検出手段が
主制動装置の作動を検出せず、かつ、補助制動装置の作
用が及ぶ車輪のロック状態が検出された場合に、少なく
とも予め定めた所定時間内は制動力調整手段を作動を禁
止する一方、補助制動装置の作動の解除を命令する制御
信号を補助制動装置制御手段に出力する構成としている
ことを特徴とするアンチロックブレーキ制御装置を提供
するものである。
【0015】上記補助制動装置は具体的には、例えば、
排気ブレーキ、電磁式又は永久磁石式のエディカレント
・リターダ、流体式リターダ等を使用することが好まし
い。
【0016】また、上記処理手段は、補助制動装置の作
用が及ぶ車輪がロック状態でないことを検出すると、補
助制動装置の作動の許可を命令する制御信号を補助制動
装置制御手段に出力する構成とすることが好ましい。
【0017】特に、補助制動装置の作用が及ぶ車輪がロ
ック状態でないことを所定の時間以上継続して検出した
場合に、補助制動装置の作動の許可を命令する制御信号
を補助制動装置制御手段に出力する構成とすることが好
ましい。
【0018】更に、上記処理手段は、上記作動検出手段
が主制動装置の作動を検出し、かつ、補助制動装置の作
用が及ぶ車輪のロック状態が検出された場合に、少なく
とも予め定めた所定時間内は制動力調整手段のみを作動
する一方、ロック状態が所定時間を越えても解消されな
い場合に、補助制動装置制御手段に対して補助制動装置
の作動を排除する制御信号を出力する構成とすることが
好ましい。
【0019】
【作用】本発明に係るアンチロックブレーキ制御装置で
は、上記のような構成としているため、主制動装置の非
作動時にロック状態が検出されると、補助制動装置の作
動が解除され、補助制動装置の制動力のみにより、ロッ
ク状態が発生した場合には、この補助制動装置の解除に
よりロック状態を解除することができる。
【0020】また、上記のようなロック状態が検出され
た場合にも、所定時間内は制動力調整手段の作動を禁止
し、補助制動装置制御手段の作動のみを解除する場合に
は、不要な制動力調整装置の作動を回避することができ
る。
【0021】また、主制動装置の作動時にロック状態が
検出されると所定時間内は、補助制動装置の作動を解除
せず、制動力調整手段のみを作動する場合には、運転者
が補助制動装置をオンの状態に保持する場合にも、円滑
にアンチロックブレーキ制御を行うことができる。
【0022】更に、上記のようにロック回復後、所定時
間経過後に補助制動装置の作動を許可する場合には、補
助制動装置を作動させることによりロック回復後すぐに
新たなロック状態となるのを防止することができる。
【0023】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づき本発明につ
いて詳細に説明する。図1に示す本発明の第1実施例
は、エアブレーキからなり自動車の車輪1に対して摩擦
力による制動力を与える主制動装置2、及び、自動車の
所定の車輪1に対して上記主制動装置2の制動力に加え
て制動力を与える排気ブレーキからなる補助制動装置3
を備え、アンチロックブレーキ装置(以下、ABS装置
4と略称する。)により上記主制動装置2に対してアン
チロックブレーキ制御を行うと共に、上記補助制動装置
3の作動を排除、許可する構成としている。
【0024】上記主制動装置2は、ブレーキペダル5を
踏み込むと、ポンプ手段6によりタンク7内に充填され
たエアが後述する制動力調整装置32及びエアマスタ8
を介して油圧に変換されてブレーキパッド9側に送ら
れ、この圧力によりブレーキパッド9を作動して摩擦力
により車輪1に対して制動力を加える構成としている。
また、上記ブレーキペダル5の位置、即ち、主制動装置
2の作動状態はブレーキ・スイッチからなる作動検出手
段10を介して電気信号としてABS装置4に送信され
る構成としている。尚、図1では主制動装置2は一つの
車輪1に対応する系統のみ示しているが、第1実施例の
自動車は前後に2輪づつの4輪車であって、各車輪1に
対して主制動装置2を設けている。
【0025】上記補助制動装置3では、電源13を手動
スイッチ14及び後述するリレー35を介してソレノイ
ドバルブ15に接続している。このソレノイドバルブ1
5に電源13からの電流を供給して開弁すると、タンク
17内のエアがサージポンプ18A、18Bに供給され
る。
【0026】サージポンプ18Aは自動車のエンジン
(図示せず)の排気管19内に設けた排気ブレーキ弁2
0と接続しており、サージポンプ18Aにエアが供給さ
れると排気ブレーキ弁20が閉弁して排気管19内の断
面積を減少させる構成としている。
【0027】一方、サージポンプ18Bはインジェクシ
ョンポンプ21内の噴射燃料制限手段(図示せず)に接
続しており、サージポンプ18Bにエアが供給されると
インジェクションポンプ21からエンジンに供給される
燃料が減少する構成としている。
【0028】第1実施例の補助制動装置3では、上記の
ような構成としているため、ソレノイドバルブ15に電
流が供給されると、エンジンの排気及び噴射燃料が制限
され、よって、駆動輪に対して上記主制動装置2の制動
力に加えて補助的な制動力を与えることができる。尚、
第1実施例では、駆動輪は後輪の二輪であり、これらが
補助制動の対象となる。
【0029】上記ABS装置4は、車輪1の速度を検出
する車輪速検出手段24を備え、この車輪速検出手段2
4からの信号を車輪速入力インターフェイス(車輪速入
力I/F25)を介して処理手段を構成する中央処理装
置(以下、CPU26と略称する。)に出力する構成と
している。
【0030】また、CPU26には、上記作動検出手段
10からの信号をブレーキ・スイッチ・インターフェイ
ス(以下、ブレーキ・スイッチI/F28と略称す
る。)を介して入力すると構成とすると共に、ROM2
9を接続している。
【0031】CPU26には第1ドライバ31を介して
制動力調整手段32を接続している。第1実施例の制動
力調整手段32は3ポート2位置弁又は3ポート3位置
弁又はこれらに相当する2ポート2位置弁の組み合わせ
からなるソレノイド弁装置33を備えている。上記第1
ドライバ31はCPU26から送信された制御信号に応
じて、制動力調整手段32のソレノイド弁装置33を駆
動し、よって、ブレーキパッド9側に供給するエアの圧
力を調整して車輪1に対する制動力を調整する構成とし
ている。
【0032】CPU26には、第2ドライバ34を介し
て補助制動装置制御手段を構成するリレー35を接続し
ている。このリレー35は常閉であって、上記したよう
に補助制動装置3の電源13及び手動スイッチ14側と
ソレノイドバルブ15の間に介在し、補助制動装置3の
作動の解除、許可を制御する構成としている。
【0033】即ち、第2ドライバ34から電流が供給さ
れずリレー35が閉じている状態では、手動スイッチ1
4をオンすれば、電源13からの電流がソレノイドバル
ブ15に供給されて補助制動装置3が作動する一方、第
2ドライバ34から電流が供給されてリレー35が開い
ている状態では、手動スイッチ14をオンしてもソレノ
イドバルブ15は作動せず、補助制動装置3の作動は解
除される構成としている。
【0034】更に、CPU26は、上記車輪速検出手段
24からの信号を公知の方法により処理して車輪速度、
車輪加速度及び推定車体速度等を計算し、これらに基づ
き各車輪1について、ロック状態にあるか否かを検出
し、車輪状態に応じた加圧、減圧、保持信号を第1ドラ
イバ31を介して、ブレーキ力調整手段32に出力する
構成としている。
【0035】また、CPU26は補助制動装置3の作動
を解除する必要がある場合、リレー35に電流を供給し
て、このリレー35を開く命令に相当する制御信号を第
2ドライバ34に出力する構成としている。
【0036】一方、CPU26は補助制動装置3の作動
を許可する場合は、リレー35に電流を供給を停止し
て、このリレー35を閉じる命令に相当する制御信号を
第2ドライバ34に出力する構成としている。
【0037】尚、上記車輪速入力I/F25、CPU2
6、ブレーキ・スイッチI/F28、並びに、第1及び
第2ドライバ31、34は一つの制御ユニット36を形
成している。
【0038】次に、第1実施例のCPU26の作動を図
2から図5に示すフローチャートを参照して説明する。
尚、図2のステップ#1及び図4のステップ#15は第
1実施例では省略される。まず、図2はメインプログラ
ムであり、作動開始時には、イニシャルチェックの後、
システム診断を行う無限ループに入る。
【0039】第1実施例では、図3に示す処理を所定の
時間間隔で割り込ませるようにしている。まず、ステッ
プ#2で車輪速検出手段24からの信号を入力し、ステ
ップ#3でブレーキ10からの信号を入力する。
【0040】次に、ステップ#4において上記車輪速検
出手段24からの信号に基づいて、車輪速度、車輪加速
度、推定車体速度等を計算する。上記の処理が終了した
後、ステップ#5において、主制動装置2の制動力の調
整及び補助制動装置の作動の制御を行う。
【0041】図4及び図5は上記ステップ#5の詳細を
示し、まず、ステップ#6において、フラッグFに初期
値0を代入する。このフラッグFは、補助制動装置の作
用が及ぶ車輪のうち少なくとも1個の車輪についてロッ
ク状態が検出されれば「1」であり、補助制動装置の作
用が及ぶ全車輪についてロック状態が検出されなければ
「0」となる。
【0042】また、図4のステップ6において、フラッ
グGに初期値「0」を代入する。このフラッグGは、主
制動装置が作動状態の場合には「1」、非作動状態の場
合には「0」となる。即ち、上記したステップ#10に
おいてロック状態が検出された車輪が補助制動の対象車
輪である場合には、ステップ#15において上記したブ
レーキ・スイッチ10の信号から主制動装置2が作動状
態か否かを検出し、作動状態の場合にはフラッグGに
「1」を代入する。
【0043】次に、ステップ#7において、上記車輪速
度、推定車体速度等から車輪がロック状態か否かを判別
し、ステップ#8においてロック状態か否かにより異な
る処理を行う。即ち、ロック状態でなければ、ステップ
#9に直接移る。一方、ロック状態であればステップ#
10において当該ロック状態の車輪が補助制動の対象車
輪か否かを判別し(上記したように、本実施例では後輪
が補助制動の対象車輪である。)、対象車輪でなければ
ステップ#9に直接移り、対象車輪であればフラッグF
を「1」とする。
【0044】ステップ#9では4輪の全てに対して上記
の処理を行ったか否かを判断し、4輪の全てについて終
了していない場合には、上記ステップ#7に戻り、終了
している場合には図5に示すステップ#11に移る。
【0045】上記ステップ#11では、フラッグFが
「0」であるか、即ち、4輪のうち少なくとも一つの車
輪についてロック状態が検出されたか否かを判断する。
ステップ#11において、F=0、即ち、補助制動装置
3の作用が及ぶ車輪のいずれについてもロック状態が検
出されない場合には、ステップ#12において補助制動
装置3の作動を許可する制御信号をリレー35の第2ド
ライバ34に出力する。一方、ステップ#11におい
て、F=1、即ち、補助制動装置3の作用が及ぶ車輪の
少なくともいずれか一つの車輪にロック状態か検出され
た場合には、ステップ#14において補助制動装置3の
作動を排除する制御信号をリレー35の第2ドライバ3
4に出力する。
【0046】最後に、ステップ#14において、制動力
調整手段32に対して各車輪の状態に適合した加圧、減
圧、又は保持信号を出力し、各車輪1のソレノイド弁装
置33で主制動装置2の制動力を調整する。
【0047】第1実施例では、上記のような構成として
いるため、図6に示すように、主制動装置2が非作動中
(G=0)の場合、F=1、即ち、補助制動装置の作用
する車輪にロック状態が検出されると(t1〜t2)、
補助制動装置3の作動が排除され、F=0、即ち、ロッ
ク状態が解消すると(t2〜t3)補助制動装置3の作
動が許可され、手動スイッチ14がオンであれば補助制
動装置3が作動する。
【0048】上記のように第1実施例では、作動検出手
段10が主制動装置2の作動を検出せず、かつ、CPU
26が補助制動装置3の作用する車輪にロック状態を検
出した場合に、補助制動装置3の作動の解除を命令する
制御信号をリレー35に出力する構成としているため、
補助制動装置3の作動解除によりロック状態が解消した
場合には、主制動装置2に対してアンチロック制御は行
われず、ABS装置4の無駄な作動に費やす電力を節約
することができると共に、該無駄な作動の際の作動音の
発生を防止することができる。
【0049】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。第2実施例の装置の構成は、上記図1に示す第1実
施例と同じであるが、CPU26が行う処理を異ならせ
ている。
【0050】第2実施例では、図2のステップ#1にお
いて、後述する所定時間TR1を設定する共に、カウン
トTをクリアする。
【0051】図7のステップ#16では、フラッグFが
「0」か否かを判断する。フラッグFが「0」即ち、ロ
ック状態が検出されない場合は、カウントTをクリアし
て、ステップ#17において、補助制動装置3の作動を
許可する。一方、フラッグFが「1」の場合には、カウ
ントTに1を加算してステップ#18に移る。ステップ
18では、カウントTを予め設定した所定時間TR1と
比較してカウントTが所定時間TR1以上、即ち、ロッ
ク状態が所定時間TR以上継続している場合には、ステ
ップ#19において補助制動装置3の作動を解除する。
カウントTが所定時間TR未満の場合、即ち、ロック状
態が所定時間TRを継続していない場合には、ステップ
#20に移る。
【0052】ステップ20では、フラッグGが「0」か
否か、即ち、主制動装置2が作動状態か否かを判断す
る。フラッグGが「1」即ち、主制動装置2が作動状態
の場合には、上記ステップ#17において、補助制動装
置2の作動を許可する。一方、Gが「0」即ち、主制動
装置2が非作動中の場合には、制動力調整手段32に対
して補助制動対象車輪に対する減圧指令の出力を禁止す
る制御信号を出力しステップ#19において、補助制動
装置3の作動を解除する。
【0053】次に、ステップ#20において、減圧指令
の出力を禁止された車輪に対して加圧指令を出力し、ス
テップ#21において減圧指令の出力を禁止されていな
い車輪対して車輪状態に応じた、減圧、加圧、又は、保
持指令を出力する。
【0054】第2実施例では、上記のような構成として
いるため、図8で示すように、主制動装置2の作動状態
が作動検出手段10により検出されず、かつ、ロック状
態が検出された場合には、まず、補助制動装置2により
車輪がロックしたと推定できることから補助制動装置2
の作動を解除し、所定時間TRを経過後もロックが解除
しない場合には、作動検出手段10の故障等の原因によ
り実際は主制動装置2は作動しているものと判断して、
制動力調整手段32を作動させるようにしている。その
ため、第2実施例では、作動検出手段10等の故障が発
生した場合にも好ましい制動力調整効果を得ることがで
きる。
【0055】また、第2実施例では、上記のような構成
とすることにより、図9に示すように、上記作動検出手
段10が主制動装置2の作動を検出し、かつ、車輪のロ
ック状態が検出された場合には、まず、所定時間TR内
は制動力調整手段32のみにより主制動装置2の制動力
を調整し、それでもロック状態が解消しないときには、
補助制動装置3の作動を排除するようにしている。その
ため、第2実施例では、坂道等で運転者が補助制動装置
3の手動スイッチ14をオン状態に保持している場合で
も、好適なアンチロック制御を行うことができ、補助制
動装置3の効果を失うことがない。
【0056】尚、本発明は、上記実施例に限定されるも
のではなく、種々の変形が可能である。例えば、第1実
施例のステップ#12又は第2実施例のステップ#17
の代わりに、図10に示すような処理を行う構成として
もよい。
【0057】まず、ステップ#31において、前回割り
込み時にF=0か否かを判断し、前回割り込み時のフラ
ッグFが「1」の場合、即ち、前回の割り込み時にロッ
ク状態が検出されていた場合には、カウンタT’をクリ
アしてステップ#32において補助制動装置2の作動を
禁止する。
【0058】一方、前回割り込み時のフラッグFが
「0」の場合、即ち、前回の割り込み時にロック状態が
検出されていなかった場合には、カウンタT’に1を加
算して、ステップ33に移る。
【0059】ステップ33では、T’と予め定めた所定
時間TR2を比較する。カウンタT’が所定時間TR2
以上である場合、即ち、ロック状態が検出されない状態
が所定時間TR2以上継続した場合には、ステップ#3
4において、補助制動装置3の作動を許可する。一方、
カウンタT’が所定時間TR2を下回る場合、即ち、ロ
ック状態が検出されない状態が所定時間TR2以上継続
していない場合には、ステップ#32において、補助制
動装置3の作動を禁止する。
【0060】即ち、この変形例では、図10に示すよう
に、ロック状態が発生して補助制動装置3の作動が解除
された後に、再びロック状態が検出されなくなっても、
直ちに補助制動装置3の作動を許可するのではなく、所
定の時間遅れTR2をもたせて再作動を許可する構成と
している。
【0061】そのため、この変形例では、アンチロック
回復後に直ちに補助制動装置3を作動させることによ
り、また、直ぐにロック状態となるのを防止することが
できる。
【0062】また、本発明では、上記補助制動装置は排
気ブレーキに限定されるものではない。例えば、電磁式
リターダを使用することができる。この電磁式リターダ
は車軸と連動して回転する導体からなるディスクと電磁
石を備えている。該電磁石に電流を供給すると上記ディ
スクは磁場中を運動するため抵抗を受け、これにより制
動力を得ることができる。従って、この電磁石をソレノ
イドバルブ15の部分に配置すれば、上記実施例と同様
の構成を得ることができる。
【0063】更に、流体式リターダ、永久磁石式のリタ
ーダ等を使用してもよく、この場合も、上記電磁式リタ
ーダの場合と同様に、電流の供給を受けると制動力を生
じる部分を上記実施例のソレノイドバルブ15の部分に
配置すればよい。
【0064】更に、主制動装置2は上記したエアブレー
キに限定されるものではなく、油圧ブレーキ等の他の種
類のブレーキであってもよい。制御力調整手段32も油
圧を調整するように構成しても良い。
【0065】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る
アンチロックブレーキ制御装置によれば、主制動装置の
非作動時にロック状態を検出した場合には、補助制動装
置の作動を解除する構成としているため、主制動装置の
制御力調整手段を作動させることによる無駄な電力の消
費を回避することができると共に、この制動力調整手段
の作動音により運転者に不快感を与えることがない。そ
のため、例えば、凍結した路面を走行する自動車等にお
いて好適なアンチロックブレーキ制御を行うことができ
る。
【0066】また、主制動装置が非作動の状態でロック
状態が検出された場合に、まず、補助制動装置の作動を
解除して、所定時間経過後に制動力調整手段を作動させ
る構成とした場合には、作動検出手段の故障等により主
制動装置が作動しているにもかかわらず、上記主制動装
置が非作動状態と判断されている場合にも、ロック状態
を早期に回復することができ安全性を確保することがで
きる。
【0067】また、主制動装置が作動の状態でロック状
態が検出された場合に、まず、制動力制御手段を作動さ
せ、所定時間経過後に補助制動装置の作動を解除する構
成とした場合には、坂道等において運転者が補助制動装
置をオンの状態のままに保持する場合にも好適なアンチ
ロックブレーキ制御と補助制動装置の作動時の両立を達
成することができる。
【0068】更に、本発明では、ロック状態が回復した
後に所定時間経過後に補助制動装置の作動を許可する構
成とした場合には、摩擦係数の低い路面等において、運
転者がロック回復後に直ちに補助制動装置を作動させる
ことにより再びロック状態となるのを回避することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の構成を示す概略図である。
【図2】 第1実施例のCPUの作動を示すフローチャ
ートである。
【図3】 第1実施例のCPUの作動を示すフローチャ
ートである。
【図4】 第1実施例のCPUの作動を示すフローチャ
ートである。
【図5】 第1実施例のCPUの作動を示すフローチャ
ートである。
【図6】 第1実施例の具体的作動の一例を示す線図で
ある。
【図7】 第2実施例のCPUの作動を示すフローチャ
ートである。
【図8】 第2実施例の具体的作動の一例を示す線図で
ある。
【図9】 第2実施例の具体的作動の一例を示す線図で
ある。
【図10】 変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車輪 2 主制動装置 3 補助制動装置 10 作動検出手段 15 ソレノイドバルブ 26 CPU 32 制動力調整手段 35 リレー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主制動装置と、補助制動装置を備える車
    両において、 上記主制動装置が作動状態か否かを検出する作動検出手
    段と、 上記主制動装置の制動力を調整する制動力調整手段と、 上記補助制動装置の作動を解除又は許可する補助制動装
    置制御手段と、 車輪がロック状態か否かを検出すると共に、該検出結果
    及び上記作動検出手段からの信号に基づき、上記制動力
    調整手段及び補助制動装置制御手段に対して制御信号を
    出力する処理手段とを備え、 該処理手段は、作動検出手段が主制動装置の作動を検出
    せず、かつ、補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状
    態が検出された場合に、補助制動装置の作動の解除を命
    令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成
    としていることを特徴とするアンチロックブレーキ制御
    装置。
  2. 【請求項2】 主制動装置と、補助制動装置を備える車
    両において、 上記主制動装置が作動状態か否かを検出する作動検出手
    段と、 上記主制動装置の制動力を調整する制動力調整手段と、 上記補助制動装置の作動を解除又は許可する補助制動装
    置制御手段と、 車輪がロック状態か否かを検出すると共に、該検出結果
    及び上記作動検出手段からの信号に基づき、上記制動力
    調整手段及び補助制動装置制御手段に対して制御信号を
    出力する処理手段とを備え、 該処理手段は、作動検出手段が主制動装置の作動を検出
    せず、かつ、補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状
    態が検出された場合に、少なくとも予め定めた所定時間
    内は制動力調整手段を作動を禁止する一方、補助制動装
    置の作動の解除を命令する制御信号を補助制動装置制御
    手段に出力する構成としていることを特徴とするアンチ
    ロックブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 上記処理手段は、補助制動装置の作用が
    及ぶ車輪がロック状態でないことを検出すると、補助制
    動装置の作動の許可を命令する制御信号を補助制動装置
    制御手段に出力する構成としていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 上記処理手段は、補助制動装置の作用が
    及ぶ車輪がロック状態でないことを所定の時間以上継続
    して検出した場合に、補助制動装置の作動の許可を命令
    する制御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成と
    していることを特徴とする請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 上記処理手段は、上記作動検出手段が主
    制動装置の作動を検出し、かつ、補助制動装置の作用が
    及ぶ車輪のロック状態が検出された場合に、少なくとも
    予め定めた所定時間内は制動力調整手段のみを作動する
    一方、ロック状態が所定時間を越えても解消されない場
    合に、補助制動装置制御手段に対して補助制動装置の作
    動を排除する制御信号を出力する構成としていることを
    特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載
    の装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08108777A (ja) * 1994-10-11 1996-04-30 Hino Motors Ltd エンジンブレーキ装置
US7991532B2 (en) 2004-12-27 2011-08-02 Equos Research Co., Ltd. Wheel control device and control device

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