JPH05155127A - 光透過型表示部材及びその製造方法 - Google Patents

光透過型表示部材及びその製造方法

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JPH05155127A
JPH05155127A JP14518692A JP14518692A JPH05155127A JP H05155127 A JPH05155127 A JP H05155127A JP 14518692 A JP14518692 A JP 14518692A JP 14518692 A JP14518692 A JP 14518692A JP H05155127 A JPH05155127 A JP H05155127A
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JP
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light
layer
transmissive
electroless plating
masking
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JP14518692A
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Haruo Miyashita
治雄 宮下
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TSUKADA RIKEN KOGYO KK
Original Assignee
TSUKADA RIKEN KOGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性を低下させることなく、表示面側の遮
光性を高め、表示の品位を向上可能な光透過型表示部材
及びその製造方法を実現すること。 【構成】 光透過型表示ボタン1の基体たるプラスチッ
ク製成形体10の表示面側には、厚さが約0.2μmの
無電解Niめっき層2aと、厚さが約20μmの表面塗
膜層3とを有し、これらの無電解Niめっき層2a、及
び表面塗膜層3は、レーザ加工によってくり抜きされ
て、光透過部4が形成されている。また、光透過型表示
ボタン1の裏面側にも、光透過部4に対応する領域周囲
5にマスキング層6が形成されており、このマスキング
層6を避けて、無電解めっき層2bが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオーディオ製品などの操
作ボタンなどに利用されている光透過型表示部材及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用オーディオ製品、自動車用空調
装置等の操作盤などに使用されている操作ボタンには、
その表示面側に、文字、図形などの形態をもつ透光性表
示部が形成されている。従って、この操作ボタン裏面側
に配置したバックライトを点灯すると、その透光性表示
部から光が透過し、表示面側から見ると、その透過光に
よって文字、図形などが鮮明に浮き上がる。
【0003】このような光透過型表示部材の従来の構造
は、図9に示すように、角筒形の光透過性部材31の表
示面側全域に、遮光性の塗料が塗布されて表面塗膜層3
2が形成されており、そこには光透過部33がくり抜き
されている。ここで、光透過部33は、そのパターンが
微細化される傾向があると共に、くり抜きした光透過部
と表面塗膜層との境界における見切り面の精度が高いこ
とも要求されつつあるため、光透過部の形成にはレーザ
加工が利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構造を有す
る従来の光透過型表示部材において、表面塗膜層32
は、操作ボタンの装飾機能と共に、バックライトからの
光を遮って光透過部33を浮き上げる機能とを有してお
り、この表面塗膜層32の厚さがばらつくと、薄い部分
から光が漏れてしまうことがある。特に、表示面の湾曲
部分や側面周囲等、平面を形成していない領域において
は、薄い部分が発生しやすい。そこで、表面塗膜層32
を形成するにあたって、塗料を厚く塗布して、光の漏れ
を防止し、表示の品位を向上させている。しかしなが
ら、表面塗膜層32を厚くしていくと、レーザを利用し
て光透過部33をくり抜くのに要する時間が長くなっ
て、生産性が低下するという問題が発生する。すなわ
ち、表示の品位と生産性とは二律背反する関係にあっ
た。
【0005】以上の問題点に鑑み、本発明の課題は、プ
ラスチックめっき技術を応用して、生産性を低下させる
ことなく、表示面側の遮光性を高め、表示の品位を向上
可能な光透過型表示部材及びその製造方法を実現するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る光透過型表示部材においては、表示面
側の遮光性膜として、無電解めっき層を利用することを
特徴とする。すなわち、所定形状をしたプラスチック製
の光透過性部材の表面には、この表面に被着された表面
側無電解めっき層と、この無電解めっき層の表面上に形
成された表面塗膜層と、これらの無電解めっき層及び表
面塗膜層が部分的にくり抜かれて光透過部材表面が露出
する状態にある光透過部とを有し、光透過部材の裏面に
おける光透過部に対応する領域以外の領域には、裏面側
無電解めっき層を有する。
【0007】この構成の光透過型表示部材は、例えば、
以下の方法によって製造できる。まず、光透過性部材に
対して、その裏面側における光透過部に対応する領域を
含む領域にマスキング層を形成した状態で表面側及び裏
面側めっき層を形成し(プラスチックめっき工程)、次
に、形成された表面側無電解めっき層の上に表面塗膜層
を形成する(塗着工程)。その後に、光透過性部材の表
面側に形成された表面側無電解めっき層及び表面塗膜層
を、レーザを利用して部分的にくり抜いて光透過性部材
表面を露出させて、光透過部を形成する(くり抜き工
程)。さらに、光透過部の光透過性を確保するため、プ
ラスチックめっき工程、塗着工程またはくり抜き工程の
後に、マスキング層を除去して、光透過性部材の裏面に
おける光透過部に対応する部分を露出させる(マスク除
去工程)。本発明においては、マスク除去工程を、これ
らの工程の後の他の工程に続いて行う場合も含む。
【0008】本発明において、光透過部は、光透過性部
材の素地が露出する状態に代えて、他の光透過性の塗膜
層が露出する状態にあってもよい。そのために、光透過
性部材の表面における光透過部に対応する領域を含む領
域に対し、下地塗膜層を形成し、この下地塗膜層を覆う
状態、または、避ける状態に、光透過性部材の表面側に
表面側無電解めっき層を形成する。そして、これらの無
電解めっき層及び表面塗膜層を、または、表面塗膜層の
みを部分的にくり抜いて、下地塗膜層を露出さて光透過
部を形成する。この場合には、前述のプラスチックめっ
き工程に先立って、光透過性部材の表面における光透過
部に対応する領域を含む領域に下地塗膜層を形成する下
地塗膜層形成工程を行っておく。なお、本発明におい
て、下地塗膜層の形成をプラスチックめっき工程に先立
って行うとは、遅くとも、プラスッチックめっき工程で
行う各処理のうちの無電解めっき層を形成する処理の前
に行うことを意味する。
【0009】本発明においてプラスチックめっき工程
は、例えば、光透過性部材をエッチング液を用いて粗面
化する粗面化工程、光透過性部材の粗面化された領域に
活性化液を用いて金属触媒核を付着させる活性化工程、
及び、光透過性部材の金属触媒核の付着領域に無電解め
っき液を用いて無電解めっき層を形成する無電解めっき
工程に加えて、光透過性部材の裏面側における光透過部
に対応する領域を含む領域にマスキング層を形成するマ
スキング工程をも有する。ここで、これらの工程の順序
としては、マスキング層の材質に対する制約をなくする
ためには、マスキング工程を粗面化工程の後に行えばよ
いが、エッチング液に対して耐食性のあるマスキング材
料を用いる場合には、粗面化工程の前に行ってもよい。
【0010】本発明において、マスキング層に光透過性
を有するマスキング材を用いた場合には、マスク除去工
程を省略してもよい。
【0011】なお、いずれの工程においても、または、
いずれの工程の間においても、必要に応じて、洗浄、乾
燥等の処理を行ってもよいものである。
【0012】
【作用】本発明においては、表示面側の光透過部、及び
裏面側における光透過部に対応する領域を除いて無電解
めっき層が形成されており、この無電解めっき層の遮光
性によって、表面塗膜層の遮光性を補っているため、光
透過部以外の領域から光の漏れが発生せず、表示の品位
が高い。また、表面塗膜層の厚さにばらつきがあって
も、薄い部分から光が通過しないため、薄い部分が発生
しないように表面塗膜層を厚くする必要がなく、逆に、
表面塗着層全体の厚さを薄くすることもできるので、塗
着工程及びくり抜き工程における歩留りが向上する。こ
こで、無電解めっき層は、その厚さが薄くても遮光性が
高いので、レーザを利用した光透過部のくり抜き工程に
要する時間が長くなることがない。
【0013】また、プラスッチックめっき工程、すなわ
ち、粗面化工程、活性化工程、無電解めっき工程、いず
れも光透過性部材を処理液に浸漬することにより、一括
して処理することが可能な方法を採用しているので、各
無電解めっき層を設けるにあたって、生産性を低下させ
ることがない。
【0014】
【実施例】次に、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。
【0015】〔実施例1〕図1は実施例1の光透過型表
示ボタンの断面図であり、図2はその斜視図である。
【0016】これらの図に示すように、光透過型表示ボ
タン1は、その基体が角筒形の光透過性を有するABS
系樹脂製の成形体10であり、その上面1aが表示面に
なっている。この上面1aの側において、成形体10に
は、厚さが約0.2μmの無電解Niめっき層2aと、
この無電解Niめっき層2aの表面に塗着された厚さが
約20μmの灰色の表面塗膜層3とが形成されており、
これらの無電解Niめっき層2a、及び表面塗膜層3
は、レーザ加工によってくり抜きされて、「DOOR」
の4文字のパターンをもつ光透過部4が形成されてい
る。また、光透過型表示ボタン1の裏面側において、光
透過部4に対応する領域を含む領域5には塩化ビニル系
樹脂の透明なマスキング層6が形成されており、このマ
スキング層6の形成領域を避けて、厚さが約0.2μm
の無電解めっき層2bが形成されている。ここで、無電
解めっき層2a,2bは、同時に無電解めっきにより形
成されたものである。なお、側面1bに形成されている
溝及び穴は、装置側への固定部である。
【0017】この構成の光透過型表示ボタン1におい
て、裏面側からバックライトを点灯すると、そこからの
光が光透過部4のみを通過して、「DOOR」の4文字
が浮き上がるようになっている。ここで、表示面側の光
透過部4を除く領域には、表面塗膜層3に加えて、無電
解Niめっき層2aが形成されており、さらに、裏面側
では、光透過部4に対応する領域周囲5を避けるよう
に、無電解Niめっき層2bが形成されている。このた
め、光透過部4以外の領域では、表面塗膜層3に加え
て、無電解Niめっき層2a,2bも遮光性を発揮して
いるので、この領域から、バックライトの光が通過する
ことがない。従って、表示の品位が高い。しかも、表面
塗膜層3に厚さが薄い部分があっても、表示の品位が高
いので、例えば、側面1bのように表面塗膜層3の厚さ
が薄くなりやすい部分の遮光性も確保するために、表面
塗膜層3全体の厚さを厚くする必要がない。
【0018】この構成の光透過型表示ボタン1は、例え
ば、以下の工程により製造される。
【0019】まず、図3に示すように、ABS系樹脂か
らなる乳白色をした角筒形の成形体10を準備する。
【0020】次に、図4(a)に示すように、成形体1
の裏面側に、透明な塩化ビニル系樹脂からなるマスキン
グ材を、タンポ印刷によって塗布し、マスキング層6を
形成した後、これを硬化させる。ここで、マスキング層
6は、成形体10に表示面側に形成される光透過部4に
対応する領域を含む領域5に形成する(マスキング工
程)。
【0021】次に、マスキング層6が形成された成形体
10を、下記の組成を有する約65℃のエッチング液
に、約10分間浸漬する。
【0022】エッチング液組成 無水クロム酸 約 400g/リットル 硫酸 約 400g/リットル これにより、成形体10の表面、すなわち、表示面側及
び裏面側も含めて粗面化する。ここで、マスキング層6
には塩化ビニル系樹脂を使用しているため、マスキング
層6の表面は、エッチング液に侵されにくいので、粗面
化されない(粗面化工程)。
【0023】次に、水洗、中和、水洗を行った後、成形
体10を下記の組成を有する約35℃のキャタリスト液
及びアクセレーター液に順次浸漬して、粗面化された成
形体10の表面に、金属触媒核としてのパラジウムを付
着させる。ここで、マスキング層6の表面は粗面化され
ていないので、そこにはパラジウムが付着しない(活性
化工程)。
【0024】キャタリスト液組成 塩化パラジウム 約 50g/リットル 塩酸(35容量%) 約 200cc/リットル アクセレーター液組成 塩酸(35容量%) 約 20cc/リットル 次に、成形体10を、例えば、下記の組成を有するNi
無電解めっき液に浸漬して、図4(b)に示すように、
無電解Niめっき層2a,2bを形成する。ここで、成
形体10の裏面側において、マスキング層6の表面に
は、パラジウムが付着していないので、無電解Niめっ
き層2bは成長しない(無電解めっき工程)。
【0025】Ni無電解めっき組成 硫酸ニッケル 約 20g/リットル 酢酸ナトリウム 約 5g/リットル 次亜りん酸ナトリウム 約 10g/リットル クエン酸ナトリウム 約 5g/リットル 次に、図4(c)に示すように、成形体10の表示面側
に、厚さが約20μmの灰色の表面塗膜層3を塗布する
(塗着工程)。
【0026】しかる後に、この表示面側に対し、レーザ
ビームを「DOOR」の文字に沿って照射することによ
って、図1及び図2に示すように、表面塗膜層3及び無
電解Niめっき層2aをくり抜いて、成形体10の表面
を露出させ、光透過型表示ボタン1の光透過部4を形成
する。(くり抜き工程)。
【0027】この製造方法において、無電解めっき層2
aの厚さは、約0.2μmであり、極めて薄いので、く
り抜き工程において、レーザ加工により成形体10を露
出させるまでに要する時間には、ほどんど影響しない。
むしろ、無電解めっき層2aの遮光性を利用して、表面
塗膜層3の厚さを約20μmとし、従来の表面塗膜層の
厚さに比較して薄くできるので、逆にレーザ加工時間を
短縮でき、生産効率を高めることができる。また、表面
塗膜層3の厚さが薄いので、塗着工程における生産効率
も高い。
【0028】また、マスキング層6の形成は、成形体1
0の開口端側から表示面の裏側に向けて、光透過部4に
対応する部分を含むようにマスキング材を塗布すればよ
く、その塗布領域は光透過部4のパターンに規定されな
い。しかも、側面1bのように、塗布しにくい形状の部
分に塗布する必要がない。従って、マスキング層6の形
成は、簡単な塗布方法、例えば、タンポ印刷や刷毛塗り
等で充分可能である。
【0029】さらに、粗面化工程、活性化工程、無電解
めっき工程は、成形体10を処理液に浸漬すればよいの
で、成形体10の形状に係わらず、処理方法が共通する
ものである。しかも、成形体10を個々に処理するので
はなく、一括して処理液に浸漬する。従って、生産性を
低下させることがほとんどない。
【0030】なお、本例においては、マスキング層6と
して、透明なものを使用しているため、光透過型表示ボ
タン1の裏面側にマスキング層6を残した状態でも、光
透過部4から光が通過する。但し、光透過性を有しない
マスキング材を使用した場合等、必要に応じてマスキン
グ層6を除去する工程(マスク除去工程)を行って、図
5に示す構造としてもよい。この場合には、マスク除去
工程を、めっき工程、塗着工程、くり抜き工程のうちの
いずれの工程に続いて行ってもよいが、光透過型表示ボ
タン1の外観の品位を維持するという観点からは、表面
塗膜層3に汚れ、損傷等が発生しないように、表面塗膜
層3を形成する前に行うことが好ましい。
【0031】また、マスキング層6として、エッチング
液によって侵されやすい材質のものを使用した場合に
は、マスキング工程後に粗面化工程を行うと、活性化工
程及び無電解めっき工程によって無電解めっき層が形成
されてしまう。この場合には、マスキング層を除去しに
くくなるので、粗面化工程の後に、、マスキング工程を
行って、マスキング層表面に無電解Niめっき層が形成
されないようにすればよい。
【0032】〔実施例2〕図6は実施例2の光透過型表
示ボタンの断面図である。
【0033】光透過型表示ボタン11は、その基体が角
筒形の光透過性を有する乳白色のABS系樹脂製の成形
体20であり、その上面11aが表示面になっている。
ここで、実施例1の光透過型表示ボタン1と異なり、厚
さが約20μmの灰色の表面塗膜層14の下層側におい
て、光透過部15を含む領域15aには、白色の光透過
性の下地塗膜層12が形成されており、この下地塗膜層
12の形成領域を避けて、厚さが約0.2μmの無電解
Cuめっき層13aが形成されている。従って、光透過
部15は、レーザ加工により表示塗膜層14をくり抜い
て形成されたものであり、そこでは下地塗膜層12が露
出している。なお、光透過型表示ボタン11の裏面側に
おいては、実施例1の光透過型表示ボタン1と同様に、
光透過部15に対応する領域を含む領域16には、透明
な塩化ビニル系樹脂からなるマスキング層17が形成さ
れており、このマスキング層17の形成領域を避けて、
無電解Cuめっき層13aと同時に形成された厚さが約
0.2μmの無電解Cuめっき層13bが形成されてい
る。
【0034】この構成の光透過型表示ボタン1において
は、成形体20の素地色に係わらず、光透過部15は白
色を呈し、昼間の光透過型表示ボタン11の外観の品位
を高めている。また、表示面側において、下地塗膜層1
2が形成された領域を除いて、無電解Cuめっき層13
aが形成され、また、裏面側においても、マスキング層
17が形成された領域を除いて、無電解Cuめっき層1
3bが形成されている。従って、光透過部15以外の領
域からバックライトの光が通過しにくくなっている。特
に、表面塗膜層14が薄くなりやすい側面11bでは、
無電解Cuめっき層13a,13bによっても遮光され
ているので、側面11bから光が通過することがない。
【0035】この構成の光透過型表示ボタン11は、以
下に述べるとおり、実施例1の光透過型表示ボタン1の
製造方法に、下地塗膜層12の形成工程を追加すると共
に、くり抜き工程におけるレーザ加工条件を変更するこ
とによって製造できる。
【0036】まず、図7(a)に示すように、ABS系
樹脂からなる乳白色をした角筒形の光透過型表示ボタン
の成形体20を準備した後、その表示面側において、光
透過部15を形成する領域を含む領域15aに、白色の
塩化ビニル系樹脂をタンポ印刷またはスクリーン印刷に
より塗布して、下地塗膜層12を形成する。
【0037】後の工程は、実施例1と同様、図7(b)
に示すように、塩化ビニル系の透明なマスキング材を用
いて、成形体10の裏面側のうち、光透過部15に対応
する領域を含む領域16にマスキング層17を形成する
(マスキング工程)。
【0038】次に、成形体20をエッチング液に浸漬し
て、成形体20の表面粗面化した後(粗面化工程)、水
洗、中和、水洗を行う。
【0039】さらに、成形体20をキャタリスト液及び
アクセレーター液に順次浸漬して、粗面化された成形体
20の表面に、金属触媒核として、パラジウムを付着さ
せた後(活性化工程)、成形体10を、以下のCu無電
解めっき液に浸漬して、図7(c)に示すように、無電
解Cuめっき層13a,13bを形成する。ここで、マ
スキング層17及び下地塗膜層12表面は、粗面化工程
において、エッチング液に浸食されず、粗面化されてい
ないため、そこには金属触媒核としてのパラジウムが付
着していないので、無電解Cuめっき層13a,13b
は成長しない(無電解めっき工程)。
【0040】Cu無電解めっき液 硫酸銅 約 10g/リットル ロッセル塩 約 22g/リットル ホルマリン(37容量%)約 10cc/リットル 水酸化ナトリウム 約 10g/リットル 次に、図7(c)に示すように、成形体10の表示面側
に、厚さが約20μmの灰色の表面塗膜層14を塗装す
る(塗着工程)。
【0041】しかる後に、この表示面側に対し、レーザ
ービームを所定のパターンに沿って照射することによっ
て、図6に示すように、表面塗膜層14をくり抜く。こ
こで、レーザ加工条件を所定の条件に変更して、下地塗
膜層12を露出させ、光透過部15を形成する。(くり
抜き工程)。
【0042】なお、本例においても、マスキング層16
として、透明なものを使用しているため、光透過型表示
ボタン11の裏面側に、マスキング層16を残してある
が、光透過性を有しないマスキング材を使用する場合
等、必要に応じて、これを除去してもよい。ここで、マ
スキング層16を除去する場合にも、そのマスク除去工
程を、めっき工程、塗着工程、くり抜き工程のうちのい
ずれの工程の後に行ってもよいが、光透過型表示ボタン
11の外観の品位を維持するという観点からは、表面塗
膜層14を形成する前に行うことが好ましい。
【0043】また、本例においては、下地塗膜層12と
して塩化ビニル系塗料を使用しているため、下地塗膜層
12の表面は、前述の組成のエッチング液では、粗面化
されないので、そこには無電解Cuめっき層は形成され
ない。これに対し、ABS系塗料等を使用した場合に
は、図8に示すように、下地塗膜層21の表面にも、無
電解Cuめっき層22が形成される。このような構造に
おいては、光透過部23の周囲からもバックライトから
の光が通過しないので、表示品質が高い。
【0044】なお、上述の実施例1及び実施例2におい
ては、光透過性部材の形状は、角形蓋状のものであった
が、この形状に限定されるものではない。また、光透過
性部材の形状、エッチング条件、活性化条件、無電解め
っき条件、各処理液の組成等も、製造すべき光透過形表
示部材の用途、大きさ、他の材料との関係等によって、
最適な条件に設定されるべき性質のものである。
【0045】そして、光透過性部材の材質としては、A
BS系樹脂、アクリル系、ポリカーボネート系、ポリア
セタール系、ポリイミド系、ノリル系、ポリプロピレン
系、その他、いずれの材質であってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上のとおり、本発明においては、プラ
スチック製の光透過性部材の表面側に、無電解めっき層
と、この無電解めっき層の表面に積層された表面塗膜層
と、これらの無電解めっき層及び表面塗膜層がくり抜き
された光透過部とを備え、光透過部材の裏面側にも、光
透過部に対応する領域を避けて無電解めっき層が被着さ
れている。従って、本発明によれば、無電解めっき層の
遮光性によって、光透過部以外の領域から、光が漏れな
いので、表示の品位が高い。
【0047】また、表面塗膜層の厚さにばらつきがあっ
ても、薄い部分から光が通過しないので、薄い部分が発
生しないように表面塗膜層を厚くする必要がなく、逆
に、表面塗着層全体の厚さを薄くすることもできるの
で、塗着工程及びくり抜き工程における歩留りが向上す
る。ここで、無電解めっき層は、その厚さが薄くても遮
光性が高いので、レーザを利用した光透過部のくり抜き
工程に要する時間が長くなることがない。
【0048】さらに、無電解めっき層を形成するための
工程として、プラスッチックめっき工程、すなわち、粗
面化工程、活性化工程、無電解めっき工程、いずれも光
透過性部材を一括して処理することができ、しかも光透
過性部材の形状に係わらず共通な処理方法を採用してい
る。しかも、光透過部に対応する領域を含む領域を避け
て、無電解めっき層を形成すればよいため、マスキング
層は、光透過部の形成パターンに係わらず、概ねの領域
に形成すればよいので、具合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る光透過型表示ボタンの
断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る光透過型表示ボタンの
斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係る光透過型表示ボタンの
基体たる成形体の斜視図である。
【図4】本発明の実施例1に係る光透過型表示ボタンの
工程断面図である。
【図5】本発明の実施例1の変形例に係る光透過型表示
ボタンの断面図である。
【図6】本発明の実施例2に係る光透過型表示ボタンの
断面図である。
【図7】本発明の実施例2に係る光透過型表示ボタンの
工程断面図である。
【図8】本発明の実施例2の変形例に係る光透過型表示
ボタンの断面図である。
【図9】従来の光透過型表示ボタンの断面図である。
【符号の説明】
1,11・・・光透過型表示ボタン 1a,11a・・・上面 1b,11b・・・側面 2a,2b・・・無電解Niめっき層 3,14・・・表面塗膜層 4,15,23・・・光透過部 6,17・・・マスキング層 10,20・・・成形体 12,21・・・下地塗膜層 13a,13b,22・・・無電解Cuめっき層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状をしたプラスチック製の光透過
    性部材と、この光透過性部材の表面に被着された表面側
    無電解めっき層と、この無電解めっき層の表面上に形成
    された表面塗膜層と、これらの無電解めっき層及び表面
    塗膜層が部分的にくり抜かれて前記光透過部材表面が露
    出する状態にある光透過部と、前記光透過部材の裏面に
    おける前記光透過部に対応する領域以外の領域に被着さ
    れた裏面側無電解めっき層とを有することを特徴とする
    光透過型表示部材。
  2. 【請求項2】 所定形状をしたプラスチック製の光透過
    性部材と、この光透過性部材の表面に形成された光透過
    性の下地塗膜層と、この下地塗膜層を覆う状態に前記光
    透過性部材の表面に被着された表面側無電解めっき層
    と、この無電解めっき層の表面上に形成された表面塗膜
    層と、これらの無電解めっき層及び表面塗膜層が部分的
    にくり抜かれて前記下地塗膜層が露出する状態にある光
    透過部と、前記光透過部材の裏面における前記光透過部
    に対応する領域以外の領域に被着された裏面側無電解め
    っき層とを有することを特徴とする光透過型表示部材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記表面側無電解め
    っき層は、前記下地塗膜層の形成領域以外の前記光透過
    性部材の表面部分に形成されていることを特徴とする光
    透過型表示部材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかの項に
    おいて、前記光透過性部材の裏面には、前記光透過部に
    対応する領域を含む領域に光透過性のマスキング層が形
    成され、このマスキング層以外の領域に前記裏面側無電
    解めっき層が形成されていることを特徴とする光透過型
    表示部材。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の光透過型表示部材の製
    造方法であって、 前記光透過性部材に対して、その裏面側における前記光
    透過部に対応する領域を含む領域にマスキング層を形成
    した状態で前記表面側及び前記裏面側めっき層を形成す
    るプラスチックめっき工程と、 形成された前記表面側無電解めっき層の上に前記表面塗
    膜層を形成する塗着工程と、 前記光透過性部材の表面側に形成された前記表面側無電
    解めっき層及び前記表面塗膜層を、レーザを利用して部
    分的にくり抜いて前記光透過性部材表面を露出させて、
    前記光透過部を形成するくり抜き工程と、 前記プラスチックめっき工程、前記塗着工程及び前記く
    り抜き工程のうちのいずれかの工程の後に、前記マスキ
    ング層を除去して、前記光透過性部材の裏面における前
    記光透過部に対応する部分を露出させるマスク除去工程
    とを行うことを特徴とする光透過型表示部材の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の光透過型表示部材の製
    造方法であって、 前記光透過性部材の表面における前記光透過部に対応す
    る領域を含む領域に光透過性の下地塗膜層を形成する下
    地塗膜層形成工程と、 前記光透過性部材に対し、その裏面側における前記光透
    過部に対応する領域を含む領域にマスキング層を形成し
    た状態で前記表面側及び前記裏面側めっき層を形成する
    プラスチックめっき工程と、 形成された前記表面側無電解めっき層の上に前記表面塗
    膜層を形成する塗着工程と、 前記光透過性部材の表面側に形成された前記表面側無電
    解めっき層及び前記表面塗膜層を、レーザを利用して部
    分的にくり抜き、前記下地塗膜層を露出させて前記光透
    過部を形成するくり抜き工程と、 前記プラスチックめっき工程、前記塗着工程及び前記く
    り抜き工程のうちのいずれかの工程の後に、前記マスキ
    ング層を除去して、前記光透過性部材の裏面における前
    記光透過部に対応する部分を露出させるマスク除去工程
    とを行うことを特徴とする光透過型表示部材の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の光透過型表示部材の製
    造方法であって、 前記光透過性部材の表面における前記光透過部に対応す
    る領域を含む領域に光透過性の下地塗膜層を形成する下
    地塗膜層形成工程と、 前記光透過性部材に対し、その裏面側における前記光透
    過部に対応する領域を含む領域にマスキング層を形成し
    た状態で前記表面側及び前記裏面側めっき層を形成する
    プラスチックめっき工程と、 形成された前記表面側無電解めっき層及び前記下地塗膜
    層の上に前記表面塗膜層を形成する塗着工程と、 前記光透過性部材の表面側に形成された前記表面塗膜層
    を、レーザを利用して部分的にくり抜き、前記下地塗膜
    層を露出させて前記光透過部を形成するくり抜き工程
    と、 前記プラスチックめっき工程、前記塗着工程及び前記く
    り抜き工程のうちのいずれかの工程の後に、前記マスキ
    ング層を除去して、前記光透過性部材の裏面における前
    記光透過部に対応する部分を露出させるマスク除去工程
    とを行うことを特徴とする光透過型表示部材の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至請求項7のいずれかの項に
    おいて、前記プラスチックめっき工程は、 前記光透過性部材を、エッチング液を用いて粗面化する
    粗面化工程と、 前記光透過性部材の裏面側における前記光透過部に対応
    する領域を含む領域に前記マスキング層を形成するマス
    キング工程と、 前記光透過性部材の粗面化された領域に、活性化液を用
    いて金属触媒核を付着させる活性化工程と、 前記光透過性部材の前記金属触媒核の付着領域に、無電
    解めっき液を用いて無電解めっき層を形成する無電解め
    っき工程と、 を有することを特徴とする光透過型表示部材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記マスキング工程
    を前記粗面化工程に先立って行い、このマスキング工程
    においては、前記エッチング液に対して耐食性のあるマ
    スキング材料を用いて前記マスキング層を形成すること
    を特徴とする光透過性部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5乃至請求項9のいずれかの項
    において、前記マスキング層に光透過性を有するマスキ
    ング材料を用いて、前記マスク除去工程を省略すること
    を特徴とする光透過型表示部材の製造方法。
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