JPH05148361A - 共重合ポリアミドイミド - Google Patents

共重合ポリアミドイミド

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JPH05148361A
JPH05148361A JP33987091A JP33987091A JPH05148361A JP H05148361 A JPH05148361 A JP H05148361A JP 33987091 A JP33987091 A JP 33987091A JP 33987091 A JP33987091 A JP 33987091A JP H05148361 A JPH05148361 A JP H05148361A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶液成形性が優れ、耐熱性および弾性が高
く、機械的強度に優れ、かつ熱膨張の少ないポリアミド
イミド樹脂を提供する。 【構成】 下記化1で表される単位および化2で表され
る単位を繰り返し単位として分子鎖中に含有する共重合
ポリアミドイミドであって、該共重合ポリアミドイミド
を0.5g/dlの割合で含有するN−メチル−2−ピ
ロリドン溶液の30℃における対数粘度が、0.10d
l/g以上であることを特徴とする共重合ポリアミドイ
ミド。 【化1】 【化2】 (化1、化2において、Rは炭素数1〜60のアルキル
基を表し、Arは二価の芳香族基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は共重合ポリアミドイミド
に関し、より詳しくは、耐熱性、難燃性、耐薬品性、機
械的性質、加工性に優れ、ワニス、フィルム、繊維、そ
の他種々に成形でき、電気、電子部品、宇宙航空用構造
材、機械部品など工業、産業用資材に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリアミドイミド樹脂は、耐熱
性が高く、電気的性質、機械的強度に優れているため、
耐熱性フィルム、繊維、成形材として広く利用されてい
る。しかし、現在用いられているポリアミドイミド、例
えばトリメリット酸無水物とジイソシアネート、または
トリメリット酸クロリドとジアミンから製造される一般
的なポリアミドイミドは通常Nメチル2ピロリドンやメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドといった極性
の強い、高吸湿性のアミド系溶剤にしか溶解性を示さな
い為、成形加工時の経時安定性が悪く、また溶液成形時
の吸湿による白化あるいはボイド等の発生により優れた
機械的特性を引き出す事が困難であった。さらに溶融温
度、粘度が高い為、溶融成形も非常に困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点を
解決しようとするもので、その目的は、溶融成形性は勿
論のこと、アミド系溶剤以外の溶液成形性を有し、耐熱
性、機械的性質の優れた成形物を得ることのできる新規
な共重合ポリアミドイミドを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の共重合ポリアミ
ドイミドは、下記化3で表される単位および化4で表さ
れる単位を繰り返し単位として分子鎖中に含有する共重
合ポリアミドイミドであって、該共重合ポリアミドイミ
ドを0.5g/dlの割合で含有するN−メチル−2−
ピロリドン溶液の30℃における対数粘度が、0.10
dl/g以上であることを特徴とし、そのことにより上
記目的を達成することができる。
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】 (化3、化4において、Rは炭素数1〜60のアルキル
基を表し、Arは二価の芳香族基を示す。)
【0007】次に本発明を詳しく説明する。本発明の共
重合ポリアミドイミド樹脂は、上記化3で表される単位
および化4で表される単位を繰り返し単位として分子鎖
中に含有するものであり、上記化3と上記化4との含有
比は、モル比で99/1〜50/50、特に80/20
〜60/40であることが好ましい。この含有比が99
/1を超える場合、あるいは50/50未満の場合、共
重合ポリアミドイミドの溶融温度が高くなり、また溶媒
に対する溶解性が悪くなるため、共重合ポリアミドイミ
ドをフィルム、繊維、その他の成形物に加工する際の溶
融成形性や溶液成形性が悪くなるので好ましくない。
【0008】本発明の共重合ポリアミドイミドを0.5
g/dlの割合で含有するN−メチル−2−ピロリドン
溶液の30℃における対数粘度は、0.10dl/g以
上であり、好ましくは0.1〜2.5dl/gである。
この対数粘度が0.10dl/g未満の場合、繊維、フ
ィルム等の成形物にした時に機械的性質が著しく悪くな
る。また、本発明の共重合ポリアミドイミドは、上記化
3で表される単位および化4で表される単位以外に他の
単位を多少含有してもよい。
【0009】本発明共重合ポリアミドイミドを得る方法
として、イソシアネート法又は酸クロリド法など公知の
方法を採用することができ、イソシアネート法では下記
一般式化5で示されるトリメリット酸無水物、化6で示
されるビスアンヒドロトリメリテートおよび化8で示さ
れる芳香族ジイソシアネートより得られ、酸クロリド法
では下記一般式化7で示される無水トリメリット酸クロ
リド、化6で示されるビスアンヒドロトリメリテートお
よび化9で示される芳香族ジアミンより得ることができ
る。
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】
【0015】本発明において前記化6で示されるビスア
ンヒドロトリメリテートとしては、エチレングリコール
ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコ
ールビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4ブタン
ジオールビス(アンヒドロトリメリテート)、ヘキサメ
チレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、
ポリエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテー
ト)、ポリプロピレングリコールビス(アンヒドロトリ
メリテート)等が挙げられるが、合成のしやすさ、ポリ
アミドイミドへの共重合のしやすさ、耐熱性などの点か
らエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテー
ト)が好ましい。
【0016】前記化8で示される芳香族ジイソシアネー
トとしては、1,5−ナフチレンジイソシアネート、
4,4’−ビス(3−トリレン)ジイソシアネート、
3,3’−ジクロロ−4,4’−ジイソシアネートビフ
ェニル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネー
ト、m−キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニ
ルエーテルジイソシアネート、p−フェニレンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネートを使用する
ことができ、特に本発明においては4,4’ジフェニル
メタンジイソシアネートが好ましい。
【0017】前記化9で示される芳香族ジアミンとして
は、1,5−ナフチレンジアミン、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ
−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フ
ェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’
−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジ
フェニルスルホン等を使用することができ、特に本発明
では4,4’−ジアミノジフェニルメタンが好ましい。
【0018】なお本発明共重合ポリアミドイミドの性質
を変えない範囲内で、前記化5〜化9で示される化合物
以外に下記に示すような化合物を共重合成分として用い
てもよい。例えば酸成分としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ピロメ
リット酸、3,3’、4,4’ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、3,3’、4,4’ビフェニルスルホンテト
ラカルボン酸、3,3’、4,4’ビフェニルテトラカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマ
ール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸あるいは
これらの酸無水物や、酸クロリドが挙げられ、ジアミン
又はジイソシアネート成分としてはヘキサメチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミ
ン、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートな
どが挙げられる。
【0019】本発明において、前記化合物を反応させる
際に用いる溶媒あるいは得られたポリマーの溶媒として
は、γ−ブチロラクトンが最も好ましく、その他に例え
ばトルエン、キシレン等の炭化水素系、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒、ケルト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、ジオ
キサン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル系、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸nブチル、酢酸セロソルブ等のエステル系の溶
剤などを挙げることができるが、これらの中でもできる
だけ吸湿性の低い溶剤が好ましく、単独又は混合して用
いてもよいが、特にγ−ブチロラクトンと併用して用い
るのが好ましい。また該溶媒の添加の時期は重合の初
期、重合途中、重合の終了後等いづれでも構わないが、
重合を速やかに終了させるためには重合が終わった後に
混合するのが好ましい。
【0020】本発明共重合ポリアミドイミドは、各種の
性能、機能、加工性等をさらに付与、改良するために、
他の樹脂、充填剤、添加剤、滑剤、安定剤などと適宜混
合し、若しくは反応させて使用することができる。例え
ば、低分子量多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネ
ート等との反応により変性もしくは架橋して強度を高く
したり、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等との混合により
変性したり、少量の無機微粒子(SiO2 、TiO2
CaCO3 等)との混合により耐熱性を付与したり、遊
離基反応性モノマーとの反応により加工性を改良したり
することができる。この場合、共重合ポリアミドイミド
の含有量は、60重量%以上が好ましく、特に90重量
%以上が好ましい。
【0021】本発明共重合ポリアミドイミドは、さらに
溶剤を加えて塗料として用いる他に、その目的に応じて
種々の製品に加工される。例えば、各種基板、フィル
ム、繊維などに加工される。その成形加工法は、従来公
知の方法を使用することができる。例えば、溶液キャス
ティング、乾式紡糸、湿式紡糸、ゲル紡糸等の溶液成形
加工;溶融キャスティング、溶融紡糸等の溶融成形加
工;射出成形などが好適に使用される。溶融成形および
射出成形の成形温度としては250〜400℃が好まし
い。また成形物の形態は、特に限定されないが、フィル
ム(厚さ2〜200μm)、繊維(0.1〜10デニー
ル)、中空繊維、パイプ、ボトル等に成形することがで
きる。
【0022】得られた成形品は、自動車、化学プラン
ト、航空、宇宙、機械、電子または電気用の部品等の工
業用資材として使用することができる。特に電気絶縁材
としてフレキシブルプリント配線板のベース材、カバー
材に好適に使用することができ、銅箔などの金属箔上に
直接フィルムを形成することができる。
【0023】
【作用】本発明共重合ポリアミドイミドは、特定の構造
を有することにより、溶液成形性、耐熱性および弾性が
高く、機械的強度に優れ、かつ熱膨張の少ないものとな
る。これらの特徴は、共重合ポリアミドイミド中にアル
キレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)残
基を有することに由来すると考えられる。
【0024】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例を挙げて具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお実施例における各物生質の測定は以下の方
法で行った。 対数粘度:0.5gのポリマーを100mlのNメチル
2ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型粘度管を用
いて30℃で測定した。 引張強度:幅15mm、長さ100mm、厚さ30μm
のポリアミドフィルムを20mm/分の速度で引っ張
り、このフィルムが破断した時の強度を測定する。 ヤング率:上記引張強度の測定において、ひずみ初期の
勾配から算出する。 破断伸度:上記引張強度の測定において、フィルムが破
断した時のフィルムの伸びを測定し、伸び率を算出す
る。 熱分解温度:熱分解測定器を用い昇温速度5℃/分で測
定した。
【0025】実施例1 トリメリット酸無水物 (0.8mol) エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート) (0.1mol) ジフェニルメタンジイソシアネート (1mol) γ−ブチロラクトン 398g 反応容器に上記の組成物を仕込み、撹拌しながら約30
分で180℃に昇温した。その後、180℃で約5時間
撹拌を続けた後100℃まで冷却して反応を完了した。
その後341gのシクロヘキサノンを加えて更に攪拌し
ながら均一に希釈して固形濃度が35%で溶液粘度が1
500センチポイズの共重合ポリアミド溶液を得た。上
記の共重合ポリアミドイミド溶液を、厚さ100μmの
離型性を有するポリエステルフィルム上に流延して塗布
した。その後、このポリエステルフィルムを100℃で
5分間、次いで150℃で30分間乾燥した後、ポリエ
ステルフィルムから共重合ポリアミドイミド樹脂の層を
剥離した。さらにこの層を、溶媒を完全に除去するため
に、減圧下、200℃で約3時間乾燥し、厚さ30μm
のポリアミドイミドフィルムを得た。得られたフィルム
の各物性質を表1に示す。なお得られた共重合ポリアミ
ドイミドのNMRスペクトルを図1に示す。
【0026】実施例2〜4、比較例1 実施例1において、各組成を表1に示す化合物にし所定
量用いた以外は全て実施例1と同様にして共重合ポリア
ミドイミドフィルムを得た。その結果を表1に併記す
る。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上かかる構成によりなる本発明共重合
ポリアミドイミドは、溶液成形性、耐熱性および弾性が
高く、機械的強度に優れ、かつ熱膨張が少ないので、自
動車、化学プラント、航空、宇宙、機械、電子または電
気用の部品等の工業用資材として好適に使用することが
できる。特に電気絶縁材としてフレキシブルプリント配
線板のベース材、カバー材や、強化繊維に好適に使用す
ることができる。さらに溶融成形性および溶液成形性に
優れるため、フィルムや繊維に容易に加工することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた共重合ポリアミド
イミドNMRスペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表される単位および化2で表
    される単位を繰り返し単位として分子鎖中に含有する共
    重合ポリアミドイミドであって、該共重合ポリアミドイ
    ミドを0.5g/dlの割合で含有するN−メチル−2
    −ピロリドン溶液の30℃における対数粘度が、0.1
    0dl/g以上であることを特徴とする共重合ポリアミ
    ドイミド。 【化1】 【化2】 (化1、化2において、Rは炭素数1〜60のアルキル
    基を表し、Arは二価の芳香族基を示す。)
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