JPH0514609U - パネルのたわみ防止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構造で、パネルのたわみを確実に防止
出来、しかも内部電気機器の取り付け位置に悪影響を及
ぼさないこと。 【構成】 ボックス底面Ｆに溶接された本体補強枠１
に、基板２ａの中央部にパネル取り付け部２ｂを膨出形
成したたわみ防止板２が、ネジ挿通孔２ｃからネジ孔１
ａへ螺着した止めネジ４，４によって締着されている。
このたわみ防止板２のパネル取り付け部２ｂに、パネル
３がネジ挿通孔３ｂからネジ孔２ｄへ螺着した止めネジ
５によってネジ止めされ、パネル３は全体の剛性を増
し、内部電気機器を取り付けてもたわみを発生しない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、大型の電気機器収納用箱体等におけるパネルのたわみ防止構造に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図６の分電盤２０のような大型の電気機器収納用箱体は、ボックス本体 ２１の底面に、両端部を１回又は２回折曲した１枚の鋼板のパネル２２をボルト ２３で締着し、そのパネル２２に、主幹漏電遮断器２４や配線用漏電遮断器２５ 等の内部電気機器を取り付け、それらの内部電気機器を配線覆い２６でカバーす るように構成されていた。 しかし、このように大型のパネル２２に漏電遮断器やマグネット等の内部電気 機器を取り付けると、その遮断動作によりパネル２２の前後方向に力が加わって パネル２２中央にたわみを生ずるので、各漏電遮断器を接続している母線銅バー ２７や分岐銅バー２８もたわみ、そのため、充電部間隔（パネル２２と各銅バー ２７，２８との間隔）が狭くなり、危険であった。

【０００３】 又、パネル２２を垂直に立ててボックス本体２１へ収納する時にも、内部電気 機器の重量によるパネルたわみ変化が発生し、パネル２２に支持されている配線 覆い２６とそれらの内部電気機器との間に寸法ズレを生ずるので、配線覆い２６ の寸法調整を必要とし組立て作業が厄介であった。

【０００４】 そのため、パネルのたわみ防止策として、盤製作時、充電部間隔を充分に取る ことや、又、図７及び図８のように、１枚の大型のパネルを２分割し、この２枚 のパネル３０，３０を左右２本のレール３１，３１にボルト３２及びナット３３ で夫々締め着けることが行われていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 上記従来のパネルのたわみ防止対策において、前者の充電部間隔を充分に取る 方法は、ボックスの厚みが増し大型になるので、取り扱い難くなると共に不経済 であり、又、後者のパネルを２分割する方法は、部品が多くなり管理に手間がか かると共に組立て工数が増え、更に、２枚のパネルの合せ部Ｍには孔加工が出来 ないことと、加工誤差により段差が生じ易いことにより、合せ部Ｍには内部電気 機器を取り付けるこがとが出来ないという問題があった。 そこで、本考案の課題は、簡易な構造で、確実にたわみ防止が出来、しかも内 部電気機器の取り付け位置に悪影響を与えないパネルのたわみ防止構造を提供す ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案のパネルのたわみ防止構造は、基板の中央 部にパネル取り付け部を膨出形成したたわみ防止板を、ボックス底面に固着した 段面コ字状の本体補強枠上板に少なくとも一個取り付け、前記パネル取り付け部 にパネルをネジ止めして成るものである。 又、前記パネルに所定間隔の方眼目盛を描き、そのパネルの中央で且つ方眼目 盛の縦方向の中心に、孔中心がそれと一致するネジ挿通孔を穿設して構成したも のである。

【０００７】

【作用】

ボックス底面に固着した本体補強枠上板にたわみ防止板を取り付け、パネルの 方眼目盛の縦方向の中心と一致するネジ挿通孔から止めネジを挿通して、パネル をたわみ防止板のパネル取り付け部に取り付けると、パネルの剛性が増して内部 電気機器を取り付けてもたわむことが無い。 そのパネルの表面の止めネジに内部電気機器の取り付け位置が重なる場合は、 方眼目盛の縦方向の線に沿って、一定寸法移動した位置に新しくネジ挿通孔を穿 設し、それに応じてたわみ防止板を移動させれば良いので、内部電気機器の取り 付け位置を制約することが容易に避けられる。

【０００８】

【実施例】

本考案に係るパネルのたわみ防止構造の一実施例を添付図面に基づいて説明す る。 図１は図２のＡ部を拡大したもので、パネルのたわみ防止構造の分解斜視図、 図２はパネルを取り付けた状態の概略説明図、図３はボックス本体の断面図であ り、それらの図において、Ｃはボックス本体、１はボックス本体の底面に溶接し た本体補強枠、２は鋼製のたわみ防止板、３は鋼板のパネルである。 本体補強枠１は、段面コ字状の鋼製レールであって、図２示のように、ボック ス底面Ｆの中央部に溶接され、その上板にはネジ孔１ａが一定間隔で多数刻設さ れている。 たわみ防止板２は、基板２ａの中央部に断面コ字状のパネル取り付け部２ｂが 膨出形成され、両端の基板２ａにはネジ挿通孔２ｃが夫々穿設され、又、パネル 取り付け部２ｂにはネジ孔２ｄが刻設されている。

【０００９】 そして、たわみ防止板２は、基板２ａのネジ挿通孔２ｃから本体補強枠１のネ ジ孔１ａへ螺着した止めネジ４，４によって、本体補強枠１に強固に締着されて いる。 尚、このたわみ防止板２は、パネルの大きさや、それに取り付ける電気機器の 種類や数によって、１個でなく複数個本体補強枠１に取り付けられる。 このように、たわみ防止板２は、本体補強枠１に溶接することなくネジ止めさ れるので、取り付け取り外しが容易で、従って、取り付け位置の変更が簡単に出 来るし、又、ボックス底面にネジ止めするものではないので、ボックス裏面にネ ジが飛び出してボックスの取り付けに悪影響を及ぼすことが無い。

【００１０】 パネル３は、その表面に所定間隔の方眼目盛が描かれ、そのパネル３の中央で 且つ方眼目盛の縦方向の線３ａの中心に、孔中心がそれと一致するネジ挿通孔３ ｂが穿設されている。 そして、このパネル３は、そのネジ挿通孔３ｂからパネル取り付け部２ｂのネ ジ孔２ｄに螺着した止めネジ５により、たわみ防止板２にネジ止めされて全体の 剛性を増している。 従って、このパネル３に漏電遮断器等の内部電気機器を取り付けても、その遮 断動作によりパネル中央にたわみを生じ、充電部間隔が狭くなって危険な状態に なることが無く、又、それらの内部電気機器の重量によるパネルたわみ変化も発 生しないので、配線覆いと内部電気機器との間に寸法ズレを生ずることが無い。

【００１１】 前述のようにして、パネル３をたわみ防止板２にネジ止めした後、そのパネル ３の表面の止めネジ５と内部電気機器の取り付け位置とが重なる場合は、方眼目 盛の縦方向の線３ａに沿って上下に一定寸法移動した位置に、新しくネジ挿通孔 ３ｂを穿設し、それに応じてたわみ防止板２も移動させて本体補強枠１に締着し 、そのネジ孔２ｄにパネル３をネジ止めすれば良いので、内部電気機器の取り付 け位置を制約することが容易に避けられる。 更に、パネル３の表面中央に表れるネジの数が少ないので、内部電気機器の取 り付けに悪影響を及ぼすことが少ない。

【００１２】 図４及び図５は本考案に係るパネルのたわみ防止構造の変更実施例で、たわみ 防止板の変形を示したものである。 即ち、図４のたわみ防止板６は、片方の基板２ａに断面Ｌ字状の舌片２ｅを垂 下し、他方の基板２ａにネジ挿通孔２ｃを、又、パネル取り付け部２ｂにネジ孔 ２ｄを設けたものである。そして、舌片２ｅを、本体補強枠１に設けたスリット 状の孔（図示省略）に差し込み、ネジ挿通孔２ｃに止めネジ４を挿通してたわみ 防止板６を本体補強枠１に締着する。パネル３のネジ止めの要領は図１の場合と 同様である。

【００１３】 又、図５のたわみ防止板７は、長円状の基板７ａの中央部に円筒状のパネル取 り付け部７ｃを突設し、基板７ａの片端部下面に先端が割れている弾性突起７ｂ を固着し、他端部にネジ挿通孔２ｃを、又、パネル取り付け部７ｃにネジ孔２ｄ を設けたものである。そして、弾性突起７ｂの頭部を、本体補強枠１に設けた丸 孔（図示省略）に差し込んで摺り割りを広げ、ネジ挿通孔２ｃに止めネジ４を挿 通してたわみ防止板７を本体補強枠１に締着する。パネル３のネジ止めの要領は 図１の場合と同様である。

【００１４】 従って、上記の如くたわみ防止板６及びたわみ防止板７を使用したパネルのた わみ防止構造は、いずれも、図１の場合の作用及び効果と同じである。 尚、上記実施例において説明した各部分の材料，形状，数量及び取り付け位置 等は一例であって、本考案の目的及び趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更出 来るものである。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係るパネルのたわみ防止構造は、パネル取り付 け部を膨出形成したたわみ防止板を、ボックス底面の本体補強枠上板に取り付け 、そのパネル取り付け部にパネルをネジ止めしたものであるから、簡易な構造な がらパネルの剛性を増してそのたわみを確実に防止出来るため、充電部間隔が狭 くなって危険な状態になることや、配線覆いと内部電気機器との間に寸法ズレを 生ずることが無い。又、たわみ防止板の取り付け取り外しが容易であるので作業 性が良く、更に、ボックス裏面にネジが飛び出してボックスの取り付けに悪影響 を及ぼすことが無い。 そして、パネルの中央で且つ方眼目盛の縦方向の中心に、孔中心がそれと一致 するネジ挿通孔を穿設したものは、パネルの取り付け位置の変更が正確且つ簡単 に出来るので、たわみ防止板を容易に移動出来ることと相まって、内部電気機器 の取り付け位置を制約することが容易に避けられる等、実用上のメリットを多々 有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るパネルのたわみ防止構造の一実施
例の分解斜視図である。

【図２】パネルを取り付けた状態の概略説明図である。

【図３】ボックス本体の断面図である。

【図４】本考案に係るパネルのたわみ防止構造の変更実
施例の斜視図である。

【図５】本考案に係るパネルのたわみ防止構造の変更実
施例の斜視図である。

【図６】従来の大型分電盤の部分破断斜視図である。

【図７】従来のパネルのたわみ防止構造の一実施例の斜
視図である。

【図８】図７のパネルの取り付け方法の説明図である。

【符号の説明】

１・・本体補強枠、１ａ・・ネジ孔、２・・たわみ防止
板、２ａ・・基板、２ｂ・・パネル取り付け部、２ｃ・
・ネジ挿通孔、２ｄ・・ネジ孔、２ｅ・・舌片、３・・
パネル、３ａ・・縦方向の線、３ｂ・・ネジ挿通孔、
４，５・・止めネジ、６，７・・たわみ防止板、７ａ・
・基板、７ｂ・・弾性突起、７ｃ・・パネル取り付け
部、Ｃ・・ボックス本体、Ｆ・・ボックス底面。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板の中央部にパネル取り付け部を膨出
   形成したたわみ防止板を、ボックス底面に固着した段面
   コ字状の本体補強枠上板に少なくとも一個取り付け、前
   記パネル取り付け部にパネルをネジ止めして成るところ
   のパネルのたわみ防止構造。
2. 【請求項２】 前記パネルに所定間隔の方眼目盛を描
   き、そのパネルの中央で且つ方眼目盛の縦方向の中心
   に、孔中心がそれと一致するネジ挿通孔を穿設したとこ
   ろの請求項１に記載のパネルのたわみ防止構造。