JPH0514473B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はCCD（電荷結合素子）等の固体撮像素
子を用いスチル画像（静止画）を電子的に記録す
る磁気デイスクとその記録再生方式に関するもの
である。

〈従来技術〉 従来の銀塩フイルムを使用した一般の光学式カ
メラでは、撮影後フイルムを現像処理し、撮影者
或いは関係者が所望とするネガを必要枚数だけ印
画紙に焼増しする方法がとられている。この場合
通常焼増しを必要とするフイルム番号及び枚数等
を包袋に記入してカメラ店に依頼するのが一般的
である。

一方最近開発の進んでいる電子スチルカメラの
場合、被写体をCCDで電気信号に変換して磁気
デイスクに記録する。その後に記録済の磁気デイ
スクを再生機にかけ、テレビ受像機の画面上に静
止画として再現することができる。またこれと同
時に専用のプリンタに接続すれば、従来の写真と
同様なハードコピーを得ることが可能である。

〈問題点〉 ところで後者の電子スチルカメラの使用に当つ
ては、撮影者即ちユーザーが個々に再生機のみな
らずプリンタまで所有している場合にはそれ程問
題とはならないが、これら再生機やプリンタは非
常に高価につくためユーザーによつては再生機だ
け有しプリンタを所有しない場合がある。このよ
うな場合にはユーザーは必要に応じカメラ店もし
くは特定のプリンタ設置場所に出向き、再生画面
を見ながらその場でプリント箇所を指摘しコピー
を依頼する必要があつた。

〈問題点解決手段〉 本発明はこのような点に鑑みなされたものであ
り、磁気デイスク上の映像信号記録用トラツクと
は別個に、特に記録密度の低くなるデイスク内周
部に予めキユー信号を記録するキユートラツクを
設けておき、このキユートラツク上にユーザーが
所望とする必要な情報信号を任意記録しておくこ
とができるようにしたものである。

〈実施例〉 以下図面に示す実施例に従つて本発明を説明す
る。まず第１図に本発明の磁気デイスクの１実施
例のパターン概略図を示し、また第２図に同要部
拡大図を示す。ここでは外径寸法が50mmの磁気デ
イスク１を用いた例を示し、この場合直径33.2mm
〜43mmの比較的デイスクの外周部に相当する位置
にトラツク幅を60μm、各トラツク間のガードバ
ンドを40μmとする50本の映像信号記録用トラツ
ク１ａ，１ａ，…を設け、また直径32.8mmの比較
的デイスクの内周部に相当する位置にキユー信号
記録用のトラツク（以下キユートラツクと略す）
１ｂを設けたものである。なおこのキユートラツ
ク１ｂと最内周の映像信号記録用トラツク１ａと
の間のガードバンドは140μmにとつている。

ここでデイスク外周部に映像信号記録用トラツ
ク１ａ，１ａ…を設定した理由は、スチル画像若
しくはスチル写真では高画質を必要とするので、
この映像信号を周速度の高いデイスク外周部に記
録しビデオ帯域をできる限り広げておくためであ
る。従つてこの場合の磁気記録特性は最外周に設
定した映像信号記録用の第１トラツクが最も良
く、このとき記録ヘツドと磁気デイスクの相当速
度を8.1ｍ／秒、最高記録周波数を10MHzと仮定
した場合の最低記録波長は0.81μmとなる。これ
に対し、最も条件の悪くなるデイスク内周部の第
50トラツクでは、このとき相対速度は6.3ｍ／秒、
最低記録波長は0.63μmとなり、通常の磁気デイ
スクの磁性体である酸化鉄はもちろんのこと、高
抗磁力のメタル磁性粉でも性能確保の限界とな
る。

しかしキユートラツク１ｂでは情報信号のデー
タ転送速度は通常600キロビツト／秒と映像信号
に比較して極めて低く記録波長も10μmと大きく
とれるため映像信号の記録できない内周部の低相
対速度領域でも情報信号を記録するキユートラツ
クとして十分使用することができるものである。

第３図は本発明による磁気デイスクの記録再生
システムを動作的に示す概略図であり、ここで２
はCCDのような固体撮像素子が内蔵され、且つ
上述した本発明の磁気デイスク１を装填した状態
で被写体を撮影する電子スチルカメラである。そ
して撮影終了後にこのスチルカメラ２から磁気デ
イスク１が取り出され、再生機３にかけられる。
なおここで磁気デイスク１は内部保護のために例
えばプラスチツク製のハードケース内に収納され
ている。そして磁気デイスク１はケースごと再生
機３のデイスク挿入口３ａに挿入すれば自動装填
される。このデイスク再生機３の再生出力は接続
ケーブル４を介してモニター用のテレビ受像機５
に供給される。なおこの再生出力は通常のテレビ
放送用のRF信号或いはビデオ信号或いは、Ｒ，
Ｇ，Ｂ信号でもよい。また６はリモートコントロ
ール送信機であり、この送信機６は接続ケーブル
７を介して再生機３に接続され、送信機６を操作
することにより再生機３の動作をリモートコント
ロールすることができる。もちろんこの送信機６
を使用せず再生機３の前面の操作部３ｂ，３ｂに
ても直接に再生機３を操作することが可能であ
る。

従つてこの再生機１では、ユーザーが通常の再
生操作を行ないモニター用のテレビ受像機５の画
面に順次スチル画像を映出しながら、そのハード
コピーを所望するスチル画像が映出されるごとに
リモートコントロール送信機６に予め設けられた
キユー信号記録釦６ａを押すと、そのとき映つて
いるスチル画像に対応するトラツク番号情報が再
生機３内に内蔵されているメモリにその都度一旦
書き込まれる。もちろんこのときコピー必要枚数
等に関する他の情報をも同時に書き込めるように
してもよい。そしてかかる情報信号のメモリへの
書込み動作の終了後に磁気デイスク１を再生機３
から取り出す際に、その直前にこれら情報信号が
磁気デイスク内周部のキユートラツクに一括して
記録される。

然る後こうして再生機３により所望の情報信号
が記録された磁気デイスク１をプリンタ８のデイ
スク挿入口８ａから挿入すると、このデイスク１
はプリンタ内へ自動装填される。そしてこのプリ
ンタ８ではまず磁気デイスクのキユートラツクに
予め記録された情報信号が再生され、次にその情
報信号に基き所定の番号の映像信号記録用トラツ
クに記録されている映像信号が再生され、写真紙
にハードコピーとしてプリントされコピー取出口
８ｂより所望とする写真９が取り出される。

以上のように磁気デイスク１の内周部にキユー
トラツク１ｂを設け、このトラツク上に予めユー
ザーの所望とする情報を記録しておけば、プリン
タ８を各ユーザーが１台ずつ所有していなくとも
カメラ店或いはその他特定の場所に通常の自動販
売機のような要領で設置しておくことにより、ユ
ーザーが磁気デイスクのみをそこへ持ち寄つて所
望とするスチル画像をハードコピーとして手軽に
得ることが可能となる。

次に本発明に係りのある電子スチルカメラにつ
いて詳細に述べると、これは例えば第４図に示す
ブロツク図のように構成される。なおこの実施例
では１フイールドが1/60秒であるNTSCカラーテ
レビ方式に準じた信号処理回路を有するものとし
て以下説明するが、１フイールドが1/50秒系の
PAL及びSECAMカラーテレビ方式の場合にもそ
の基本構成は同一である。第４図において１０は
被写体、１１はレンズ、１２はCCDのような固
体撮像素子であり、レンズ１１を通して入射され
た被写体像が固体撮像素子１２により電気信号に
変換され、Ｒ，Ｇ，Ｂの色信号として出力され
る。１３はこの色信号を周知の方法で輝度信号や
その他所要の信号に分離処理する信号処理回路で
あり、ここでは輝度(Y)信号と２つの色差信号（Ｒ
−Ｙ），（Ｂ−Ｙ）との３つの信号が出力される。
１４はシヤツタ１４ａを有するシヤツタ回路で、
そのシヤツタ時間は1/30秒若しくは1/60秒を基本
とする電子シヤツターである。１５はこの輝度信
号及び色差信号を周波数変調するFM変調回路で
あり、シヤツター１４ａを押すごとにこの変調信
号が２フイールド即ち１フレーム分だけ磁気ヘツ
ド１６に供給され磁気デイスク１上の所定の映像
信号記録用トラツクに順次記録される。１７は水
晶振動子を振動源とし撮像素子駆動信号及び同期
信号の発生回路である。１８はダイレクトドライ
ブモーター１９を駆動するモーター駆動回路であ
り、また２０は、シヤツター１４ａを押し１回の
撮像が終了するごとに磁気ヘツド１６を磁気デイ
スク１の外周部より内周部へ１トラツク分ずつ移
動させるためのヘツドスライド機構である。ここ
で磁気デイスク１はダイレクトドライブモーター
１９により約3600回／分の回転速度で回転され
る。（但しPAL，SECAM方式の場合は3000回／
分である。） 次にまた上記再生機３の具体的な実施例を第５
図に示し、これについて詳細に述べる。この再生
機では基本的に磁気デイスクの映像信号記録用ト
ラツクへの記録機能は持よず、最内周のキユート
ラツクにのみ情報信号の記録、再生機能を有して
いる。第５図において、２２は磁気ヘツド２１に
より磁気ヘツド１の映像信号記録用トラツクから
再生されたFM信号を復調し、Ｒ，Ｇ，Ｂ信号を
得るFM復調回路、２３はこのＲ，Ｇ，Ｂ信号を
NTSC方式に合致したビデオ信号に変換するエン
コーダ回路、２４はエンコーダ回路２３より得ら
れるビデオ信号を高周波テレビ放送信号に変換す
るRFコンバーターである。２５，２６，２７は
それぞれＲ，Ｇ，Ｂ出力端子、ビデオ出力端子、
RF出力端子であり、これら端子は使用するテレ
ビ受像機５の仕様に合わせ適宜選択して用いるも
のとする。

また２８はトラツク選択制御回路、２９は同期
信号発生制御回路、３０はトラツク選択制御回路
２８の制御出力に基き磁気ヘツド２１を磁気デイ
スク１上の半径方向に移動させる磁気ヘツドスラ
イド機構であり、さらに３１はダイレクトドライ
ブモーター、３２はモーター駆動回路である。３
３は本発明に特に係りのあるキユー信号書込み読
出し制御回路であり、この回路内にはデイジタル
メモリのRAMが内蔵されており、例えば上記の
リモートコントロール送信機６の操作により入力
端子３４から所定のトラツク番号に対応する情報
信号（キユー信号）が供給されるごとにそのキユ
ー信号が順次RAM内に書き込まれる。そして全
ての書込み動作の終了後で磁気デイスク１の取出
し直前に、トラツク選択制御回路２８から磁気ヘ
ツドスライド機構３０に磁気ヘツド２１の最内周
トラツク即ちキユートラツクへの移動指令が与え
られるとともにキユー信号記録スイツチ３５が一
時的に切換えられ、このときキユー信号書込み読
出し制御回路３３内のRAMから読み出されたキ
ユー信号が磁気ヘツド２１により磁気デイスク１
上のキユートラツクにデイジタル的に記録され
る。なおこの場合キユートラツクに過去に記録さ
れていた信号も消去指示を与えない限り、まず最
初に読み出されて一度RAMに記録され、新しく
追加したキユー信号とともに前述の方法で磁気デ
イスク上のキユートラツクに再記録される。

なお上記実施例では第５図に示す再生機３にお
いてRAMを有するキユー信号書込み読出し制御
回路３３を付加し、単なる映像信号の再生機能だ
けでなく磁気デイスク上へのキユー信号の記録機
能をも持たせているが、このようなキユー信号の
記録機能を電子スチルカメラ２自身に持たせ、撮
影時等に所望とする情報信号をも記録させるよう
にしてもよいであろう。

第６図には本発明の磁気デイスク１のコードコ
ピー時に使用するプリンタの１実施例を示す。こ
の基本構成は第５図とともに説明した再生機３の
構成と類似する。即ちここで３６は磁気ヘツド、
３７はFM復調回路、３８は映像信号処理回路、
３９は同期信号発生制御回路、４０はトラツク選
択制御回路、４１は磁気ヘツドスライド機構、４
２はモーター駆動回路、４３はダイレクトドライ
ブモーターであり、また４４はキユー信号読出し
制御回路、４５はキユー信号再生スイツチであ
る。通常このスイツチ４５は図示するようにFM
復調回路３７側に接続されているが、最初に磁気
デイスク１をプリンタに装填したときのみキユー
信号読出し制御回路４４からの指令により一時的
にキユー信号読出し制御回路４４側に切換えら
れ、このときまず磁気ヘツドにより磁気デイスク
１のキユートラツクからキユー信号が再生されそ
の内容がキユー信号読出し制御回路４４内の
RAMに一旦書き込まれる。然る後にキユー信号
再生スイツチ４５は図示する元の状態に切換えら
れ、このときキユー信号読出し制御回路４４の
RAMから読み出されるキユー信号に基きトラツ
ク番号情報が一定間隔で順次出力され、トラツク
選択制御回路４０に供給される。この結果スライ
ド機構４１の動作により磁気ヘツド３６が磁気デ
イスク１上を所定の位置即ち前記トラツク番号に
相当する位置まで移動され、そのトラツクに予め
記録されていた映像番号が再生される。こうして
再生された映像番号は前述の再生機３の動作と同
様にFM復調回路３７にて復調された後映像信号
処理回路３８より輝度信号が取り出される。４６
はフレームメモリ、４７はハードプリント機構で
あり、このフレームメモリ４６では前記信号処理
回路３８より得られる輝度信号が１フレーム分だ
けそれぞれ一旦記録され、その後この信号がハー
ドプリント機構４７の動作スピードに合わせて比
較的低速度で順次読み出され、写真紙にプリント
される。こうして一枚のプリント動作が終了する
ごとにキユー信号読出し制御回路４４から読み出
される後続のトラツク番号情報に基いて磁気ヘツ
ド３６が移動され同様の動作が繰返されハードプ
リント機構４７より写真紙が順次プリントアウト
される。

なおここで使用するハードプリント機構４７と
しては感熱式或いはインクジエツト式等の周知の
プリンタを用いればよいが、必要ならばカラープ
リント機構を用いてもよい。

なお上記実施例では磁気デイスクのキユートラ
ツクに、ユーザーがハードコピーを希望するトラ
ツク番号情報をキユー信号として記録する例につ
いてのみ詳細に述べたが、このようなトラツク番
号情報だけでなく必要に応じてユーザーが所望す
る他の情報、例えば撮影日やタイトル等に関する
情報をこのキユートラツクに記録するようにして
もよい。

〈発明の効果〉 以上のように本発明の磁気デイスクのプリント
システムは、複数本の信号記録再生用トラツクが
同心円状に設けられ、等速回転駆動され、記録密
度の高くとれる外周部の複数本のトラツクに映像
信号が外周側のトラツクから順に記録され、相対
的に記録密度の低くなる最内周のトラツクにプリ
ントに必要な画像が記録されているトラツク番号
に対応する情報信号が記録された磁気デイスク
と、前記磁気デイスクから情報信号を再生する手
段と、再生された情報信号に基づき所定のトラツ
クから映像信号を再生する手段と、再生された映
像信号を処理しハードプリントする手段とを備え
たプリンタとからなるため、予めハードプリント
を希望するトラツク番号の情報を磁気デイスクに
記録しておけば、所望の画像のみをハードプリン
トすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る磁気デイスクの１実施例
のパターン概略図、第２図は同実施例の一部拡大
図、第３図は本発明に係る磁気デイスクの記録再
生システムを示す概要図、第４図は同システムに
使用する電子スチルカメラのブロツク図、第５図
は同じく再生機のブロツク図、第６図は同じくプ
リンタのブロツク図である。 １……磁気デイスク、１ａ……映像信号記録用
トラツク、１ｂ……キユー信号記録用トラツク、
２……電子スチルカメラ、３……再生機、８……
プリンタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数本の信号記録再生用トラツクが同心円状
   に設けられ、等速回転駆動され、記録密度の高く
   とれる外周部の複数本のトラツクに映像信号が外
   周側のトラツクから順に記録され、相対的に記録
   密度の低くなる最内周のトラツクにプリントに必
   要な画像が記録されているトラツク番号に対応す
   る情報信号が記録された磁気デイスクと、 前記磁気デイスクから情報信号を再生する手段
   と、再生された情報信号に基づき所定のトラツク
   から映像信号を再生する手段と、再生された映像
   信号を処理しハードプリントする手段とを備えた
   プリンタと、 からなる磁気デイスクのプリントシステム。