JPH05140206A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH05140206A
JPH05140206A JP30604291A JP30604291A JPH05140206A JP H05140206 A JPH05140206 A JP H05140206A JP 30604291 A JP30604291 A JP 30604291A JP 30604291 A JP30604291 A JP 30604291A JP H05140206 A JPH05140206 A JP H05140206A
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vinyl chloride
monomer
reactor
condenser
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JP30604291A
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Inventor
Yoshio Tomijima
義生 冨島
Mitsukatsu Hasegawa
三勝 長谷川
Keizo Hayashi
敬蔵 林
Masahiro Tsujinaka
正博 辻中
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重合反応液面の上方にある気体を重合反応器
の上部から抜き出しコンデンサにより凝縮して得られる
塩化ビニルまたは塩化ビニルと共重合可能な他のビニル
単量体との混合液を該重合反応器の下部から該重合反応
器内に導入しながらミクロ懸濁重合する 【効果】 本発明によりスケール量を増加させることな
く、コンデンサーによる除熱を効果的に行うことができ
るので、生産性向上や重合反応器の大型化が可能とな
る。又、単量体を追加しつつ重合できるため、重合体ラ
テックスの固形分濃度を上げることが可能となり、後処
理、乾燥能力の向上と省エネルギーが図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂の製
造方法に関し、更に詳しくは、コンデンサを備えた重合
反応器を用いて塩化ビニル系樹脂、特にペースト加工用
塩化ビニル系樹脂をミクロ懸濁重合により製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂、特にペースト加工用
塩化ビニル系樹脂はミクロ懸濁重合方法または乳化重合
方法により製造されている。そのうちミクロ懸濁重合方
法は、塩化ビニルまたは塩化ビニルと共重合可能な他の
ビニル単量体との混合物(以下、「塩化ビニル系単量体」
と総称する。)、単量体に可溶な重合開始剤、その他の
重合助剤、水、乳化剤を重合反応器以外の装置で高せん
断下に均質化した後重合反応器に移して低速撹拌下に重
合させ、平均粒径0.2〜3μm程度の塩化ビニル系樹
脂を製造する方法である。
【0003】均質化工程で生成した液滴は、乳化剤で保
護されている重合初期では比較的安定である。しかし重
合の進行が進むにつれ、ポリマー粒子同士の衝突による
合一が促進され、粗粒が増加したり、重合反応器壁や撹
拌翼へのスケール付着が増大するという現象が見られ、
極端な場合はラテックスが凝集する場合もある。
【0004】従って、ミクロ懸濁重合方法では一般に低
速撹拌下(低せん断下)に重合を行うのが通常である。そ
のため激しく撹拌する懸濁重合方法に比べると、重合反
応器のジャケットの伝熱係数は小さく、従って重合生産
性の向上を図る際、重合反応熱の除去能力が律速となっ
ていた。
【0005】そこで重合反応器のジャケットに低温のブ
ラインを流す方法、また重合反応器内に冷却用コイルを
設ける方法が採用されている。しかし前者の場合は冷凍
機を用いるため消費電力が増えて製造原価をあげること
になり、また後者の場合は冷却用コイルに重合体が付着
し、それを除去するための多大な作業が必要である等、
いずれも好ましい方法とはいえない。
【0006】また、コンデンサを重合反応器の気相部に
付設することによって重合反応熱を除去する方法が知ら
れているが、ミクロ懸濁重合方法では撹拌が緩やかであ
るため重合反応液面に還流された単量体は重合液内に巻
き込まれにくく、そのため比重の軽い単量体は反応液面
の上部に分離した単量体の相を形成することが多く、こ
のような単量体相が原因となって、スケールや粗大凝集
物が生成したり、リフラックスコンデンサの除熱効率が
低下するなどの重大な問題が生じる。これらを解決する
ため、種々の工夫がなされている。
【0007】例えば、特開昭54−153894号公報
は、重合に用いる塩化ビニル系重合体の一部を重合開始
剤、水、乳化剤と均質化したものを一定の重合転化率ま
で重合させた後、残りの塩化ビニル系重合体を添加し、
その後コンデンサを稼動させてコンデンサによる除熱を
しながら重合を行う方法を開示しており、特開昭63−
27512号公報は、コンデンサによる還流を開始する
前の重合期間と還流期間中の撹拌回転数を一定の範囲で
変えて調節しつつ重合する方法を開示している。
【0008】しかしながら、これらの方法では、反応速
度が比較的遅い場合で、かつ、有効内径(D)に対する有
効高さ(H)の比(H/D)が小さい反応器を用いて重合す
る場合には問題はないが、さらに生産性を上げるために
開始剤量を増量して重合する場合、あるいは除熱能力を
上げるためにコンデンサの除熱負荷を増大させる場合
や、特開平3−103408号公報で提案されている方
法、すなわち、H/Dが4以上の長尺の反応器を用いて
重合を行なう場合などでは、従来の方法、すなわちコン
デンサで凝縮した単量体を反応器の気相部へ戻しながら
重合する方法では、スケールや粗大凝集物が増加しやす
く、また、重合中にコンデンサの除熱効率が低下すると
いう問題があった。
【0009】ペースト製造プロセスのもう一つの重要な
課題は、乾燥工程での省エネルギー、乾燥能力のアッ
プ、およびコストダウンなどの観点から、重合工程でラ
テックス中の固形分濃度を上げることである。この問題
を解決する方法として、特公昭59−37283号公報
には最初仕込んだ単量体が一定の転化率に達した後、残
りの単量体を追加して重合する方法が提案されている。
しかしながら、この方法においても反応速度が比較的遅
い場合で、かつH/Dの小さい反応器では問題はない
が、特に開始剤量を増量して重合する場合、あるいはH
/Dの大きな反応器を用いて重合を行なう場合には、追
加した単量体の分離相が原因となってスケールや粗大凝
集物が増加しやすいという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、コン
デンサを備えた重合反応器を使用して低速撹拌下に塩化
ビニル系単量体からミクロ懸濁重合により塩化ビニル系
樹脂を製造する方法であって、(1)スケールや粗大凝集
物を増加させることなく、重合時間を大巾に短縮し、か
つコンデンサによる除熱を効率的に行なう重合方法、お
よび(2)スケールや粗大凝集物を増加させることなく、
重合中に単量体の一部を追加しつつ重合することによっ
てラテックス中の固形分濃度を上げる重合方法を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、重合反応液面の上方にある気体を重合反応器
の上部から抜き出しコンデンサにより凝縮して得られる
塩化ビニル単独または塩化ビニルと共重合可能な他のビ
ニル単量体との混合液を該重合反応器の下部から該重合
反応器内に導入しながらミクロ懸濁重合することを特徴
とする塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。
【0012】本発明の方法では、重合反応中に重合反応
系から蒸発してコンデンサで凝縮・液化した塩化ビニル
系単量体を、反応器気相部に還流するのではなく、重合
反応器の下部へ連続的にリサイクルさせて重合を継続す
る。重合反応器下部へリサイクルされる単量体は、ポン
プにより、必要ならばポンプの吐出側に設けた液滴化装
置、例えばノズルにより液滴化されて、重合反応液下部
へ供給される。供給された単量体液滴は、水相との比重
差により浮上しつつ、重合反応器の撹拌により更に微細
な液滴となり、重合反応器全体に分散される。このよう
に本発明の方法によればコンデンサで凝縮液化された単
量体液滴は反応系内に均一に分布し移動循環している。
【0013】重合反応器下部に導入された単量体液滴
は、反応系の温度と圧力の条件により蒸発し、高温にな
りやすい重合反応器下部の重合反応液を冷却する。また
単量体液滴の浮上作用により反応器内に上昇流が生じ、
またそれにより下降流も生じて上下の混合を促進するこ
とができ、重合反応器液相部の温度分布が小さくなる。
H/Dが大きい反応器を用いる場合でも上部反応液と下
部反応液が混合しにくいという問題を解決できる。また
反応器上部に単量体を戻さないので単量体の分離相が形
成しえないため上述のようなスケール発生等の問題は起
こらなくなる。
【0014】さらに、コンデンサで凝縮される重合反応
器下部に移送される単量体は、蒸発により精留される結
果、開始剤を含まないので、移送中や液滴生成装置、ノ
ズル内でスケール等が発生することを防止でき、同時に
重合系においても凝縮された単量体相での重合反応が進
まないためスケールや粗大凝集物の副生を防止できる。
この特徴を利用して重合中に新たな単量体を追加しなが
ら重合することによりスケールや粗大凝集物を増加させ
ることもなく、重合系ラテックス中の固形分濃度を上げ
ることが可能となり、後処理、乾燥工程の能力アップと
省エネルギーを図ることができる。
【0015】本発明の方法において使用する重合反応器
は、コンデンサを有し、塩化ビニル系重合体の重合に一
般に用いられるものであれば特に限定されない。撹拌方
式としては、低せん断力で可能な限り反応液を充分混合
できるものが好ましく、例えばパドル型撹拌翼、いかり
型撹拌翼、門型撹拌翼またはくし型撹拌翼などが例示で
きる。反応器の形状としては一般に使用されるものであ
れば特に限定はないが、H/Dが4以上の長尺の反応器
において本発明の効果がより顕著に発揮される。
【0016】
【作用】塩化ビニルの懸濁重合方法の分野では、重合反
応器内の気相部を重合反応器外に設置されたコンデンサ
に導入し、そこで熱交換することにより重合反応熱を除
去する方法が知られている。コンデンサで凝縮液化され
た単量体は、通常反応器の気相部のノズルを通して反応
系に戻されることが多い。その理由としては液相部のノ
ズルは重合中、スケールによって閉塞しやすいことが考
えられる。懸濁重合反応系では撹拌が高速で完全混合状
態で重合が行なわれるため、反応器に戻された単量体は
重合系に均一分散され、分離相を形成することはない。
【0017】一方、前述のミクロ懸濁重合でリフラック
スコンデンサを使用している例(特開昭54−1538
94号公報、特開昭63−27512号公報)でも、特
に記載がないが、コンデンサで凝縮液化された単量体は
反応器の気相部のノズルを通して反応系に戻されている
と推察される。 A.この従来の方法をミクロ懸濁重合に応用した場合は
スケールの発生が多く、逆に本発明においてスケール発
生量が少ない理由は次のように考えられる。 従来の方法では、コンデンサで凝縮された塩化ビニル系
単量体は液滴化工程を経ないで重合液面に還流されるの
で、液滴状でなく、重合反応液内に巻き込まれず、重合
液面に塩化ビニル系単量体の分離相をなす。一方、均質
化工程で液滴化された塩化ビニル系重合体は内部に油溶
性開始剤を含んでおり、これらが重合液面にある相と接
触合一化することにより、油溶性開始剤が重合液面に生
成した塩化ビニル系単量体の相に移動し塊状重合を起こ
し、スケールや粗大凝集物を生成すると考えられる。ま
た均質化された液滴からなる重合液相とコンデンサから
還流された塩化ビニル系単量体相の界面で液相造粒が起
こり、造粒体が形成され、スケールとなることも考えら
れる。
【0018】開始剤は、沸点が高いため気相部の単量体
中には極めて微量しか含まれていない。従って、本発明
の場合は、反応系から蒸発し、リフラックスコンデンサ
で凝縮され、リサイクルされた単量体は常に精製され、
開始剤を含まない状態で重合系内に存在することにな
り、該単量体内で重合が進むことがないのでスケールや
粗大凝集物の生成が防止できると考えられる。 B.重合の生産性を向上させたり、ラテックス中の固形
分濃度を上げる目的で重合途中で単量体を一括または連
続的に追加して重合する方法がある。通常の方法で単量
体を追加して重合を行なう場合、追加された単量体は、
分離された単量体相として系内に長時間滞留するため、
スケールの生成原因となる。
【0019】これに対して、本発明の方法によって、重
合中、コンデンサで凝縮した単量体を反応器の下部へリ
サイクルさせながら、新たな単量体を追加しつつ重合を
行なえば、新たに追加された単量体はコンデンサと反応
器内を循環することによって、開始剤が分離されスケー
ルの生成が防止される。単量体の追加方法としては、系
内に存在する分離された単量体の量をできるだけ少なく
し、液相造粒などによるスケール生成を防止する観点か
ら連続追加する方が、一括追加する方法に較べて好まし
い。
【0020】C.コンデンサで凝縮された重合液面に還
流された塩化ビニル系単量体は、低撹拌という制限を受
ける従来のミクロ懸濁重合方法では重合液内部に巻き込
まれにくいので、還流された単量体が反応器上部に分離
した単量体相を形成し、その単量体相から、再蒸発して
コンデンサに移行し、凝縮、還流するというサイクルを
繰り返す。そのため反応器の上部のみが冷却されコンデ
ンサと重合液面の温度差が次第に小さくなり、コンデン
サの冷却能力は次第に低下する。また重合反応器の低部
や中央部にある重合液はコンデンサによる除熱を受ける
チャンスは小さいのでいわば重合液の上部のみが冷却さ
れ、その下にある塩化ビニル重合体は重合熱を除去でき
なくなり全体として除熱能力が低下し重合速度を遅くせ
ざるを得なくなる。
【0021】一方、本発明によれば、コンデンサで凝縮
液化された単量体を重合反応器の下部にリサイクルする
ことにより、たとえ上下混合不足によって高温部分が生
じた場合でも、その部分にリサイクルされた単量体液滴
が常に存在するので、その単量体が蒸発し容易に冷却さ
れ高温部分の存在が解消される。また、単量体が蒸発し
てできた気泡あるいはリサイクルされた単量体の浮力に
よって上昇流が生じ、またそれによって下降流も生じて
反応系内の上下混合が促進される結果、反応器の上下の
温度分布巾が小さくなり、除熱能力を向上できるものと
考えられる。
【0022】本発明の重合方法に使用できる単量体は、
塩化ビニル単独または塩化ビニルおよびこれと共重合し
得る単量体との混合物である。共重合可能単量体として
は、特に限定されるものではないが、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、スチレン等のビニル系モノマー;アク
リル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル酸;マレ
イン酸、マレイン酸エステル、フマル酸、フマル酸エス
テル等の不飽和ジカルボン酸およびそれらのエステル
酸;弗化ビニル、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロ
ゲン化ビニル;塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のハ
ロゲン化ビニリデン;ならびにアクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、ビニルエーテル類等の公知の塩化ビニ
ルと共重合可能なすべての単量体が使用できる。これら
の単量体の使用量は塩化ビニルとの混合物中50重量部
未満であるのが好ましい。
【0023】本発明において使用される乳化剤として
は、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルアルコール硫酸エステル酸、脂肪酸塩、
モノまたはジアルキルスルホンこはく酸塩のような通常
のアニオン性乳化剤が使用でき、特にアルカリ金属塩が
一般的である。適切であれば、高級脂肪酸のグリセリン
エステル、グリコールエステルもしくはソルビタンエス
テル、高級アルコール縮合物またはポリプロピレンオキ
サイド縮合物などに代表される非イオン性乳化剤を前記
アニオン性乳化剤と併用することもできる。乳化剤の使
用量は全単量体に対して0.01〜3部程度用いられる
のが一般的である。
【0024】有機可溶性重合開始剤として、塩化ビニル
ポリマーのミクロ懸濁重合法で用いられる開始剤の全て
を挙げることができ、その代表例として、過酸化ラウロ
イル、アセチルシクロヘキサンスルホニルパーオキシ
ド、イソブチロイルパーオキシド、ジクロルアセチルパ
ーオキシド及びトリクロルアセチルパーオキシドのよう
な有機過酸化物;エチルパーオキシジカーボネート、エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、イソプロピル
パーオキシジカーボネート及びイソブチルパーオキシジ
カーボネート及びイソブチルパーオキシジカーボネート
のようなパーオキシジカーボネート;t−ブチルメトキシ
パーアセテート;並びにt−ブチル−2−フェノキシパー
プロピオネートを含む遊離基発生剤が挙げられる。これ
らの開始剤の使用量は全単量体に対し0.01〜3重量
部程度が一般的である。
【0025】本発明において使用されるその他の重合助
剤としては、セチルアルコール及びラウリルアルコール
などの高級アルコール、ラウリル酸、パルミチン酸及び
ステアリン酸などの高級脂肪酸またはそのエステル、芳
香族炭化水素、高級脂肪族炭化水素、ポリビニルアルコ
ール、ゼラチン、粒子径調節剤(硫酸ナトリウム及び重
炭酸ナトリウムなど)、連鎖移動剤、抗酸化剤などが挙
げられる。これらは単独または二種類以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0026】重合反応は通常の方法に従って行なわれ、
例えば重合温度は40〜75℃であり、重合用の水量は
重量で全単量体に対し0.6〜3倍の範囲である。その
他の重合助剤の使用量も通常の量でよい。尚、乳化剤、
重合開始剤、重合助剤などが供給ラインに残るので、重
合に使用する水の一部をこれらの水洗除去に使用し、こ
の水洗水を重合缶内に導入してもよい。更に、スケール
付着を防止するために、予め重合缶内壁面にスケール防
止剤を塗布しておくことが望ましい。
【0027】
【発明の効果】本発明によりスケール量を増加させるこ
となく、コンデンサーによる除熱を効果的に行うことが
できるようになったため、生産性向上や重合反応器の大
型化が可能となった。又、単量体を追加しつつ重合でき
るため、重合体ラテックスの固形分濃度を上げることが
可能となり、後処理、乾燥能力の向上と省エネルギーが
図られた。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。実施例1 1.2m3の撹拌機付き分散槽にイオン交換水390kgを
仕込み、次いで予めイオン交換水60kgにラウリル硫酸
ナトリウム2.7kgおよびセチルアルコール2.7kgを
80℃で溶解して常温まで冷却した乳化剤水溶液と、
α,α'−アゾビスイソブチロバレロニトリル(ABVN)
207gをトルエン0.5リットルに溶解した重合開始
剤溶液とを加えて10分間脱気した。その後、塩化ビニ
ル単量体450kgを仕込み、撹拌しながら能力10m3
Hrの遠心ポンプで60分間、分散均質化した。
【0029】次に、この分散液を、予めスケール防止剤
を塗布して脱気した直径52cm、直胴部の高さ5.2m
(H/D=10)、翼の外径42cm(d/D=0.3)のパ
ドル翼を付設した1.2m3ステンレス製重合装置に移液
し、その時の装置内圧力より1Kg/cm2だけ高くなるよ
うに窒素で加圧し、撹拌しながら昇温して50℃で重合
を行った。撹拌回転数は20r.p.m.であった。
【0030】内温が50℃に達してから60分後(重合
時間1時間目)に、重合器の気相部に設置されたリフラ
ックスコンデンサ(伝熱面積4m2)に接続された弁を徐々
に開け、コンデンサへの冷却水供給量を調整しながら、
コンデンサの除去熱量が約8000Kcal/hrになるよ
うに調節した。コンデンサで凝縮した単量体はポンプを
通して、重合装置の底部に設置された口径5mmのノズル
を介して重合器へリサイクルした。
【0031】重合時間9時間目にリフラックスコンデン
サの冷却水を停止し、反応器内温を70℃まで昇温して
30分間保持した後未反応塩化ビニル単量体を回収し
た。未反応単量体を回収した後、得られたラテックスの
固形分濃度、重合転化率、スケール量を測定した。
【0032】スケール量は、重合装置内に残留または付
着したスケールおよびラテックス払い出しラインに設け
た10メッシュ金網で捕集したスケールの合計量として
測定した(仕込んだ塩化ビニル単量体に対するパーセン
ト)。又、反応器の上部及び下部に設けられた温度計に
より反応器内部の温度差を測定した。ラテックス払出
後、反応器内部を点検した。
【0033】実施例2 実施例1で用いた分散槽にイオン交換水390kgを仕込
み、次いで予めイオン交換水60kgをラウリル硫酸ナト
リウム2.7kgおよびセシルアルコール2.7kgを80
℃で溶解し、常温まで冷却した乳化剤水溶液と、ABV
N207gをトルエン0.5リットルに溶解した重合開
始剤溶液とを加え、10分間脱気した後、塩化ビニル単
量体、350kgを仕込み、撹拌しながら、60分間分散
均質化した。
【0034】次に実施例1と同様の方法で重合を開始し
た。重合時間1.5時間目にリフラックスコンデンサを
始動し、除去熱量を6,000Kcal/hrに調節した。重
合時間2時間目から8.5時間目までの間に塩化ビニル
単量体100kgを連続的に重合系へ追加した。重合時間
9時間目はコンデンサ冷却水を停止し、反応器内温を7
0℃まで昇温して30分間保持した後、未反応単量体を
回収した。
【0035】実施例3 実施例1で用いた分散槽にイオン交換水340kgを仕込
み、次いで予めイオン交換水60kgにラウリル硫酸ナト
リウム3.0kgおよびセシルアルコール3.0kgを80
℃で溶解し、常温まで冷却した乳化剤水溶液と、ABV
N230gをトルエン0.5リットルに溶解して重合開
始剤溶液とを加え、10分間脱気した後、塩化ビニル単
量体400kgを仕込み、撹拌しながら60分間分散均質
化した。
【0036】次に実施例1と同様の方法で重合を開始し
た。重合時間1時間目にリフラックスコンデンサを始動
し、除去熱量を10,000Kcal/hrに調節した。重合
時間2時間目から8.5時間目までの間に塩化ビニル重
合体100kgを連続的に重合缶へ追加した。重合時間9
時間目にコンデンサ冷却水を停止し、反応器内温を70
℃まで昇温して30分間保持した後未反応単量体を回収
した。
【0037】比較例1 実施例1と同様の方法で重合を行った。但し、コンデン
サで凝縮した単量体は重合反応器の気相部のノズルを介
して重合器へリサイクルさせた。重合反応終了後、ラテ
ックスを払い出し、反応器内部を点検した所、反応器上
部にドーナツ状の塊状重合物(スケール)が認められた。
【0038】比較例2 実施例2と同様の方法で重合を行った。但し、重合中、
リフラックスコンデンサは使用しなかった。重合反応終
了後、ラテックスを払い出し、反応器内部を点検した
所、反応器上部にドーナツ状の塊状重合物(スケール)が
認められた。実施例1〜3および比較例1〜2の結果を
表1に示す。
【0039】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合反応液面の上方にある気体を重合反
    応器の上部から抜き出しコンデンサにより凝縮して得ら
    れる塩化ビニルまたは塩化ビニルと共重合可能な他のビ
    ニル単量体との混合液を該重合反応器の下部から該重合
    反応器内に導入しながらミクロ懸濁重合することを特徴
    とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 有効内径(D)に対する有効高さ(H)の比
    (H/D)が4以上の反応器を用いる請求項1記載の塩化
    ビニル樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 塩化ビニルまたは塩化ビニルと共重合可
    能な他のビニル単量体との混合液の一部を仕込んで重合
    を開始させた後、重合途中で残りの単量体を一括または
    連続的に追加して重合することを特徴とする請求項1記
    載の塩化ビニル樹脂の製造方法。
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JP30604291A Pending JPH05140206A (ja) 1991-11-21 1991-11-21 塩化ビニル系樹脂の製造方法

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