JPH0699490B2 - 懸濁重合方法及び懸濁重合装置 - Google Patents

懸濁重合方法及び懸濁重合装置

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JPH0699490B2 JP61304958A JP30495886A JPH0699490B2 JP H0699490 B2 JPH0699490 B2 JP H0699490B2 JP 61304958 A JP61304958 A JP 61304958A JP 30495886 A JP30495886 A JP 30495886A JP H0699490 B2 JPH0699490 B2 JP H0699490B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、大きさの揃った重合体粒子を得る懸濁重合方
法及びその方法を実施するために使用する装置に関す
る。
[従来の技術] 懸濁重合法を用いて大きさの揃った重合体粒子を得る方
法として、塔型の反応器内で水性分散媒と重合性液体の
液滴群との流動層を形成した後に懸濁重合する方法が知
られている。つまり、液滴の懸濁保護剤を含む水性分散
媒中の大きさの揃った重合性液体の液滴群を生成させ、
これを水性分散媒の下降流が形成されている塔型の反応
器内で、重合性液体と水性分散媒の比重差(通常は重合
性液体は水より軽いので浮く)を利用して流動層を形成
し、重合性液体の液滴群に強度な剪断を与えずに重合性
液体の液滴群を合一や分裂なく重合させる方法が知られ
ている。
例えば、特公昭53−36510号又は米国特許第3922255号の
方法においては、重合性液体をオリフィスを通して大き
さが比較的揃っている小滴群を生成させ反応器へ供給
し、重合性液体の小滴が一部重合して、もはやゆるい剪
断では合一や分裂しなくなった時点で、塔底からそれら
の一部重合した小滴群を、循環している水性分散媒と共
に塔型の反応器に続く固液分離槽に導入して、重合が一
部進行した小滴群を比重差により浮上分離及び濃縮し、
次に設置した攪拌型の反応器で合一や分裂を起こさない
ようにして、更に懸濁重合を継続し、高い重合転化率の
重合体を得ている。
更に、特開昭58−91701号又は米国特許第4487898号の方
法においては、振動するオリフィスから重合性液体を層
流で噴出させて大きさの揃った重合性液体の液滴群を生
成させ、これを塔型の反応器に供給し、液滴群の比重が
水性分散媒の比重にほぼ近くなるまで重合をすすめ、そ
の比重に達した一部重合した液滴群と水性分散媒のスラ
リーを、塔型の反応器と沈降分離器とを経由して循環さ
せ、その循環の間に水性分散媒の比重より大きくなった
一部重合した液滴群だけを沈降分離器で分離濃縮し、こ
れを別に設けた第二の塔型の反応器で更に懸濁重合を継
続して連続的に高い重合転化率の重合体を得ている。
この様な従来の技術では、水性分散媒の比重がほぼ水
(水の比重は常温では概ね1である。)と同様であるの
で、流動層を形成する塔型の反応器で一部重合した柔ら
かい液滴群と水性分散媒を分離するために、反応器に接
続する、分離操作に特別の注意を必要とする浮上分離装
置(特公昭53−36510号)又は沈降分離装置(特開昭58
−91701号)を必要とし、かつ一部重合した液滴群を脱
水、乾燥及び貯蔵が可能な状態まで重合転化率を高める
ために、柔らかい一部重合した液滴群をさらに重合させ
る、混合攪拌操作に特別な注意を必要とする特殊な反応
器を続いて必要とした。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の技術では、重合転化率が概ね30〜60%の一部重合
した液滴群を水性分散媒中で分離濃縮する際、液滴群が
柔らかいために、流れが緩く滞留する所では一部重合し
た液滴群の合一が起こったり、装置の器壁への付着が発
生し易いので、安定的に装置を運転するには非常な注意
を必要とする。又、一部重合した液滴群を更に続けて重
合するため、攪拌型の反応器においては、一部重合した
柔らかい液滴群が強度の剪断を浮けて分裂し一層の小滴
化を起こすのを防ぐために、特別に設計された攪拌羽根
と限定された範囲の回転速度が必要であり、又、塔型の
反応器を用いる場合においては、水性分散媒による上昇
流の形成が重要であり、この流速、塔型の反応器下部の
円錐部の傾斜には特別の注意を払う必要がある。又、重
合転化率の余り進んでいない液滴群の混入は反応器上部
での滞留による合一が問題となる。
この様に、一部重合した液滴群を水性分散媒から分離濃
縮し、続いて別の反応器で高い重合転化率を得ること
は、その一部重合した液滴群の性質上、複雑な装置を必
要とするだけでなく、それを運転するに際して特別に注
意を必要とする技術的な問題点がある。
本発明は、この様な問題点を解決するために分離装置の
改善や、高い重合転化率の重合体を得るための別の反応
器を改善するという視点ではなく、更に進んで、これら
の装置なしで高い重合転化率の重合体を直接に得る方法
の研究を企図した結果得られたものである。
すなわち、本発明は、重合性液体の液滴群を水性分散媒
の下降流が形成されている塔型の反応器で流動層の状態
で重合させ、大きさの揃った重合体粒子を得る方法に於
いて、水性分散媒と一部重合した低い転化率の重合体粒
子の分離用の分離装置、及び高い重合転化率の重合体を
得るための別の反応器を設けることなく、高い重合転化
率の重合体粒子を含むスラリーを、塔型の反応器から直
接に回収する方法を鋭意研究した結果見出したものであ
る。
[問題を解決するための手段] 上記の問題点は a)水性分散媒が重合温度で塔頂に供給され、塔内で水
性分散媒の下降流を形成した後、水性分散媒が塔底から
抜きとられ該塔頂に循環している塔型の反応器に、 b)水性分散媒中に分散された大きさの揃った重合性液
体の液滴群よりなるスラリーを、該塔型の反応器へ導入
し、 c)該塔型の反応器内で、該水性分散媒の下降流と該重
合性液体の液滴群の浮力の作用とにより形成される流動
層の状態で、該重合性液体の液滴が合一や分裂をしない
ようにして該重合性液体の液滴群を懸濁重合させるに際
して、 d)該水性分散媒の比重を、該水性分散媒に水溶性の無
機塩を溶解することにより、該重合性液体を重合して得
られる重合体粒子の比重よりも大きくし、 e)かつ、該水性分散媒に該重合性液体の液滴の懸濁保
護剤として、ポリカルボン酸型高分子アニオン界面活性
剤を含んだ懸濁保護剤を用い、 f)該塔型の反応器より直接に、高い重合転化率の重合
体粒子群と該水性分散媒とより成るスラリーを回収する
ことを特徴とする懸濁重合方法によって解決され、及び
又は、 A)塔型の反応器内部で水性分散媒の下降流を形成する
ために塔頂に水性分散媒の流入口、塔底に水性分散媒の
流出口を設けた上下が円錐形の円筒から成る塔型の反応
器と、 B)前記反応器の塔底の水性分散媒の流出口より水性分
散媒を抜取り前記反応器の塔頂の水性分散媒の流入口へ
送液するための循環ラインと、 C)前記反応器に、又は前記反応器の塔頂の近くの前記
循環ラインに接続した、重合性液体の液滴群と水性分散
媒から成るスラリーの導入ラインと、及び D)前記反応器に、又は前記反応器の塔底近くの前記循
環ラインに接続した、重合性液体を重合して得られる重
合体粒子群と水性分散媒から成るスラリーの回収ライン
と より構成されることを特徴とする懸濁重合装置によって
解決される。
すなわち、本発明に於いては、 水性分散媒が重合温度で塔頂に供給され、塔内で水性分
散媒の下降流を形成した後、水性分散媒が塔底から抜き
とられ該塔頂に循環している塔型の反応器に、水性分散
媒中に分散された大きさの揃った重合性液体の液滴群よ
りなるスラリーを該塔型の反応器へ導入し、該塔型の反
応器内で、該水性分散媒の下降流と該重合性液体の液滴
群の浮力の作用とにより形成される流動層の状態で、該
重合性液体の液滴が合一や分裂をしないようにして該重
合性液体の液滴群を懸濁重合させるに際して、 水性分散媒に該重合性液体の液滴の懸濁保護剤として、
水溶性の無機塩が高い濃度で溶解していても十分な懸濁
保護性能を発揮する、ポリカルボン酸型高分子アニオン
界面活性剤を含んだ懸濁保護剤を用いた上で、 該水性分散媒に水溶性の無機塩を溶解することにより、
該重合性液体を重合して得られる重合体粒子の比重より
も該水性分散媒の比重を大きくすることによって、 重合性液体の液滴群を高い重合転化率に達するまで該塔
型の反応器内に滞留させることができ、該塔型の反応器
の下部の側面に回収口を設けることにより、循環してい
る水性分散媒の流れとは別に、又は該塔型の反応器の塔
底近くの循環ラインに回収口を設けることにより、簡単
に、一般的な分離器で、高い転化率の重合性液体の液滴
群と該水性分散媒とより成るスラリーを該塔型の反応器
より直接に回収することが可能になった。
その結果、該塔型の反応器から直接に高い重合転化率の
重合体をスラリーで取り出すことが可能になり、従来技
術の問題点である特別な分離装置とその操作、及び高い
重合転化率を得るための別の反応器とその操作が不必要
になり、その困難な問題点が解決された。
以下、本発明を構成する、(1)水性分散媒ならびに
(2)その水性分散媒を用いた重合方法及び重合装置に
ついて順次説明する。
(1)水性分散媒について 水性分散媒の比重調整は水に可溶な無機塩、又は無機塩
の混合物を水性分散媒に溶解して行う。無機塩として
は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム
等の塩化物、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸
カリウム等の硝酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウ
ム等の硫酸塩などがあげられる。
得ようとする重合体の比重よりも水性分散媒の比重を大
きくする必要がある。代表的な重合体の比重は、概ね、
第1表の通りであるので、比重調整用の無機塩は、得よ
うとする重合体の比重に応じて、水性分散媒の比重を1.
05〜1.20(常温)以上にする濃度で使用される。
重合体にスチレンを主成分とする混合物、比重調整剤に
塩化ナトリウムを主成分とする混合物を用いる場合、そ
の比重調整剤の濃度は、水性分散媒の比重をポリスチレ
ンを主成分とする重合体の比重より大きくする濃度であ
る7.5重量%を下限とすることは勿論であるが、その上
限値は塔型の反応器内で流動層の状態でスチレンを主成
分とする混合物の液滴群が水性分散媒との過剰な比重差
による圧縮偏平に原因する合一を起こさない範囲の濃度
として選ばれる。この過剰な液滴群の比重差による圧縮
偏平は、液滴群の粒子径と塔型の反応器の円筒部分での
水性分散媒の下降流の空筒速度に依存しており、該粒子
径が1mm及び該下降流の空筒速度が0.52cm/秒の場合に
は、塩化ナトリウムを主成分とする混合物の濃度が概ね
15重量%以上になると液滴群の圧縮偏平が起り始める
(この時の水性分散媒の比重は概ね1.17である。)。つ
まり、塩化ナトリウムを主成分とする混合物の濃度範囲
は7.5−15重量%であり、更に好ましくは塔型の反応器
内での流動層の状態が最も安定している12−13重量%が
用いられる。液滴群の粒子径が1mm以外の場合、及びそ
の他の重合性液体及び比重調整剤の組合せについても同
様の考え方に従って決める事ができる。
尚、比重調整剤として無機塩以外に庶糖、グリセンリ
ン、尿素等の有機化合物を使用することが考えられる
が、庶糖、グリセリンは水性分散媒の粘度が増し、重合
性液体の液滴群の合一や分裂が起こりやすく、又、尿素
は懸濁重合は可能であるが、重合温度に加温するとアン
モニアと炭酸ガスを発生するので好ましくない。
重合性液体の懸濁保護剤は、大きさの揃った重合性液体
の液滴の生成に際する合一や分裂を防ぎ、かつ塔型の反
応器内で流動層の状態で懸濁重合する際に合一や分裂を
防ぐことを目的として使用され、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース誘導体やポリアクリル酸ナトリウ
ム等の高分子保護コロイド;及びリン酸カルシウム、炭
酸カルシウムやピロリン酸マグネシウム等の水に難溶性
の無機化合物の粉末;及びアニオン界面活性剤を組合せ
て用いられる。
高分子保護コロイドは、30ppm以上使用すれば良い。し
かしながら、高分子保護コロイドの使用によって、その
使用量が少量であっても、わずかであるが重合性液体の
一部に乳化が起こるため、これを防止するために塩化第
二鉄、亜硝酸ナトリウム、ハイドロキノン等の水性重合
禁止剤が用いられる。
水に難溶性の無機化合物の粉末は0.03重量%以上使用す
るのが好ましい。
無機塩により比重調整した水性分散媒中でのアニオン界
面活性剤の選定は極めて重要である。アニオン界面活性
剤の種類によっては液滴の懸濁保護力は著しく損なわ
れ、液滴は次々と合一し重合性液体の液滴の生成の均一
性を阻害するだけでなく、重合温度でのアニオン界面活
性剤の懸濁保護力の減少は更に著しく、重合温度の塔型
の反応器内で流動層の状態にある重合性液体の液滴群を
懸濁保護する力はほとんどない場合が多い。そこで、有
効なアニオン界面活性剤を鋭意探索した結果、ポリカル
ボン酸型高分子アニオン界面活性剤(例えば、商品名ポ
リスターOMP(日本油脂(株))、キャリボンB(三洋
化成工業(株))、デモールEP(花王(株))等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。)有効で
あることを見出した。第2表には、ポリカルボン酸型高
分子アニオン界面活性剤及びアルキルスルホン酸ソーダ
に関する表面張力及び界面張力を示す。ポリカルボン酸
型高分子アニオン界面活性剤がアニオン界面活性剤とし
て適していることは、無機塩により比重調整した水性分
散媒中に界面活性剤を添加した場合の、水性分散媒の表
面張力低下及び界面張力低下が小さいことに基づくもの
と推定される。
ポリカルボン酸型高分子アニオン界面活性剤を用いた水
性分散媒の表面張力は概ね54dyn/cmであり、重合性液体
の液滴生成においても塔型の反応器における懸濁重合に
おいても懸濁保護性は非常に優れていた。
ポリカルボン酸型高分子アニオン界面活性の濃度は水性
分散媒に対し0.0003−0.002重量%であるのが好まし
い。0.0003重量%よりも少ない場合及び0.002重量%よ
りも多い場合にはポリカルボン酸型高分子アニオン界面
活性剤の懸濁保護性が幾分低下する。
(2)重合方法及び重合装置について 重合性液体は。重合性液体供給管を経て、液滴生成装置
に入り、水性分散媒供給管からの水性分散媒中に、オリ
フィス孔を通して液滴化される。重合性液体としては、
スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ア
クリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステルなどのビニル系単量体及び、又はそれらの混合物
を使用することができる。過酸化ベンゾイル、過安息香
酸ブチル等の有機過酸化物;アゾビスイソブチルニトリ
ル等のアゾ化合物等の一般にビニル系単量体のラジカル
重合に用いられている重合開始剤を該重合性液体に溶解
して用いることができる。又、取得重合体粒子の品質要
求に応じて予め該重合性液体に可溶な物質及び、又は分
散できる物質を該重合性液体に含有させることができ
る。又、該重合性液体の粘度を調整することによりオリ
フィス孔を通して生成する該重合性液体の液滴の大きさ
を揃えることも可能であるが、その場合は該重合性液体
の重合体を予め該重合性液体に溶かしておく方法も利用
できる。
液滴生成装置を用いて大きさの揃った該重合性液体の液
滴を生成させる方法については特開昭57−128701号の方
法等が公知であるが、オリフィス孔から層流で該重合性
液体を、記述の様に成分を調節した水性分散媒中に液滴
化する場合、オリフィス板あるいはオリフィス板近傍の
該重合性液体に所定の振幅と周波数の振動を加えると、
生成する液滴群の径が均一になるので好ましい。
以下、添付図面を参照して本発明に係わる重合の態様を
具体的に説明する。
第1〜5図のそれぞれは、本発明における重合装置を示
す概略図である。
本発明の装置の最も簡単な態様を示す概略図である第1
図(A)において、液滴生成装置で生成された重合性液
体の液滴群と水性分散媒より成るスラリーは、塔型の反
応器(12)の塔頂に設けられたスラリー導入口(2)を
経由して塔型の反応器(12)へ導入される。導入される
重合性液体の液滴と水性分散媒の比率は、導入ライン
(1)で重合性液体の液滴の滞留と水性分散媒中に含ま
れる難溶性無機化合物の沈降を起こさない程度に導入ラ
インの大きさを定めることにより設定できる。
スラリー導入口(2)は第1図(B)の様に塔型の反応
器(12)の側面に設けてもよく、第1図(C)の様に下
部に設けてもよい。
塔型の反応器(12)において連続懸濁重合を行う場合に
は、水性分散媒を水性分散媒流出口(13)から送液装置
(15)及び加熱冷却装置(16)を経由して、さらに水性
分散媒流入口(11)へ循環させることにより、塔型の反
応器(12)の中には所望の重合温度と流量が制御された
水性分散媒の下降流が形成されている。この重合温度と
しては通常の懸濁重合の重合温度と同様の温度が使用さ
れる。
送液装置(15)は所望の循環流量を得るためのもので、
ポンプが一般的に用いられるが、循環ラインにプロペラ
を挿入し液流を発生させてもよい。更には、当該水性分
散媒と同一組成の水性分散媒を循環ラインに吹き込み、
そのジェット流により液流を発生させることもできる。
加熱冷却装置(16)は水性分散媒の温度を所望の重合温
度にするためのもので、一般には熱交換器が用いられる
が、水蒸気や熱水や冷水を直接導入する方法なども利用
できる。これら送液装置及び加熱冷却装置については、
液滴生成の安定性および重合の安定性の面から、循環す
る水性分散媒の流れに脈流や振動を発生させない方法を
選択した方が良い。しかし、脈流や振動が発生する場合
には、クッションタンクやアキュムレーターを循環ライ
ンに設けることにより、それらを減衰することができ
る。送液装置(15)と加熱冷却装置(16)の順序は逆で
もよい。
第2図においては、送液装置(15)である循環ポンプに
より循環している水性分散媒に脈流が見られる場合にお
いて、その前後に脈流を消すアキュムレーター又はクッ
ションタンク(18)を設けて、液滴生成装置への脈流の
伝播による重合性液体の液滴の大きさの均一性への悪影
響を減衰させる態様を示しており、振動するオリフィス
を利用して大きさの揃った重合性液体の液滴群を生成さ
せる液滴生成装置を用いる場合には特に効果がある。
又、水性分散媒及び重合性液体の液滴中に溶存している
空気は、重合温度に温度を高めることと、重合の進行に
よる空気の溶解度の減少によって反応器中で気泡を発生
するが、その気泡は重合安定性面から好ましくない。こ
の対策として、予め水性分散媒及び重合性液体中の溶存
空気を脱気して用いることができる。加圧して空気の溶
解度を高めて用いることもできる。さらに、万一の気泡
の発生が懸念される場合には、塔型の反応器(12)の塔
頂より水性分散媒の流入口(11)を経由して気泡を上昇
させ抜出すことができるヘッドタンク(17)を、循環ラ
インより上に設けることもできる(第2図参照)。
塔型の反応器(12)内での水性分散媒の下降流の流速
は、重合性液体の液滴群と水性分散媒との比重差から生
じる浮力による上昇速度より小さく制御することによ
り、導入された重合性液体の液滴群の浮力と水性分散媒
の下降流の作用で、重合性液体の液滴群の流動層が形成
され、そこで液滴群の重合が進行する。この時の水性分
散媒の下降流の流速は、重合性液体の液滴群が流れによ
る剪断を受けて分裂を起こさず、かつ塔頂の循環ライン
への液滴群の上昇を防ぐに足る流速に制御され、塔型の
反応器(12)の円筒部の空筒速度で比重調整剤の無機塩
の濃度によっても左右されるが、0.1〜1cm/秒であるこ
とが流動層の安定性から好ましい。
流入口(11)に接続する循環ライン(3)中の水性分散
媒の下降流の流速を、重合性液体の液滴群の浮力による
上昇速度よりも大きく制御する事により、塔型の反応器
(12)に導入された液滴群が塔頂の循環ライン(3)へ
上昇することを防ぐ事ができる。
一方、万一の気泡の発生が懸念される場合は、流入口
(11)に接続する循環ライン(3)中の下降流の流速お
よび反応器の下降流の流速を、発生する気泡の上昇速度
より小さく制御する事により、発生した気泡を塔型の反
応器の塔頂より水性分散媒の流入口(11)を経由してヘ
ッドタンク(17)に抜出す事ができる。従って、この塔
型の反応器(12)及び水性分散媒の流入口(11)及び流
入口(11)に接続する循環ライン(3)中の下降流の流
速は気泡の上昇速度より小さくかつ重合性液体の液滴群
の上昇速度より大きくする事が重要である。しかし、気
泡と重合性液体の液滴群の比重差は大きいので上記を満
足する条件は、容易に設定する事ができ、この条件に於
いて安定な流動層の定常状態を維持するとができる。
塔型の反応器内にある重合性液体の液滴群の重合が進
み、滞留時間に従って重合転化率が大きくなると共に、
比重が大きくなって水性分散媒との比重差が縮まり、好
ましい状態の重合性液体の液滴群の流動層が塔型の反応
器(12)の大部分で形成される。重合性液体の液滴群が
合一や分裂を起こさないで、その大きさがほぼ揃ってい
る場合には重合転化率が大きくなった液滴群が流動層の
下部に集まり、塔型の反応器(12)に新たに入って来た
重合性液体の液滴群は流動層の上部に集まる。重合性液
体の液滴群の導入を続けると塔型の反応器内の重合性液
体の液滴群の流動層は徐々に長くなり、その最下部が塔
型の反応器(12)の下部に設けたスラリー回収口(14)
の近くに達する。重合性液体の液滴群の重合転化率は塔
型の反応器(12)内での滞留時間によって決まるので、
スラリー回収口(14)を適当な高さに設けておけばその
位置に至るまでの重合性液体の液滴群の滞留時間で懸濁
重合反応が進み、所望の重合転化率の重合体粒子にする
事ができる。ここでいう所望の重合転化率とは、通常に
用いる攪拌羽根の剪断力や一般の送液用ポンプ、更には
通常、重合体粒子スラリーの固液分離に用いられる遠心
分離機等の分離機の機械的外圧にも耐えられる程度のも
のであり、85%以上の高転化率にするのが望ましい。水
性分散媒の比重は、重合性液体の液滴群の重合を終了し
た時点の重合性液体の液滴性(以下、重合を終了した時
点の重合性液体の液滴群を重合体粒子と略す。)の比重
より大きいため、流動層最下部での重合体粒子と水性分
散媒の分離は容易であり、水性分散媒流出口(13)から
重合体粒子が排出する事はない。ただし、重合性液体の
液滴群の径が小さく水性分散媒の下降流に偏流などを生
じ、その流れに同伴させる場合は、塔型の反応器下部の
流速を塔型の反応器上部の流速より小さくし、0.3cm/秒
以下にする事が好ましい。そのような場合、塔型の反応
器(12)は上部内径より下部内径が大きくなるように配
列された多段の円筒、又は下部になるほど内径が大きい
広がり管状部(19)を有する筒(第3図参照)である事
が好ましい。流動層の最下部がスラリー回収口(14)に
達すると重合体粒子と水性分散媒からなるスラリーはス
ラリー回収口(14)からスラリー回収ライン(4)を経
て重合体粒子貯槽に取り出される。この時のスラリー中
の重合体粒子の濃度は定常状態に於いて塔型の反応器の
塔頂にあるスラリー供給口(2)から入るスラリー中の
重合性液体の液滴群の濃度に等しい。
このように重合体粒子と水性分散媒からなるスラリー
は、連続的には塔型の反応器側面のスラリー回収口(1
4)から取り出される。しかし、重合反応操作を終了さ
せたい場合には塔型の反応器の塔頂のスラリー供給口
(2)から重合性液体の液滴群の供給を止めるが、供給
を止めると同時に流動層の液滴群が押出されにくくな
り、塔型の反応器側面のスラリー回収口(14)から排出
する重合体粒子も少なくなり、水性分散媒の比重よりも
重合体粒子の比重が小さいため、最後に入った重合性液
体の液滴群が所望の重合転化率になった時点においても
塔型の反応器内には多くの重合体粒子が残り、塔型の反
応器側面のスラリー回収口(14)から回収されにくい、
塔型の反応器に残った重合体粒子を最後に回収する第1
の方法としては、水性分散媒との比重差を利用してヘッ
ドタンク(17)へ重合体粒子のスラリーを徐々に上昇さ
せてヘッドタンク(17)からスラリーを回収する方法が
ある(第4図参照)。この場合、塔型の反応器側面のス
ラリー回収口(14)を閉じ水性分散媒流入口(11)の下
降流の流速を重合体粒子の浮力による上昇速度より小さ
く制御する事により、一定の濃度の重合体粒子のスラリ
ーが塔型の反応器から水性分散媒流入口(11)を経由し
てヘッドタンク(17)へ上昇し、ヘッドタンク(17)か
らスラリー回収ライン(6)を経てスラリーが回収され
る。第2の方法としては、循環流を停止させ、塔型の反
応器の塔底の水性分散媒流出口(13)からスラリー回収
ライン(5)を経て、塔型の反応器の容量より大きい重
合体粒子の貯槽へ短時間で回収される方法がある。
本発明に於ける重合装置を用いての重合は、バッチ式重
合方式も可能で前記の連続重合方法だけに限定されるも
のではない。バッチ式重合方式としては、予め、塔型の
反応器内などに準備された水性分散媒が常温の他は連続
重合の時と同様に準備された装置を用いる。重合性液体
の液滴群と水性分散媒より成るスラリーは、塔型の反応
器内へ必要量だけ導入される。ひきつづき所望の温度に
制御されたスラリーは、高転化率の重合体粒子になるま
で塔型の反応器内で流動層を形成しながら重合反応を進
行する。続いて、高転化率になった重合体粒子を、連続
重合で重合反応操作を終了させたい場合の塔型の反応器
内に残留する重合体粒子の回収方法と同一の方法により
容易に回収する。
又、本発明に於ける重合装置を用いての連続重合では、
塔型の反応器内で重合体粒子と水性分散媒の分離は、重
合体粒子よりも水性分散媒の比重が大きいので容易に行
われ、重合体粒子と水性分散媒より成るスラリーは塔型
の反応器側面に設けたスラリー回収ライン(14)から連
続的に回収されるが、重合体粒子をそのまま塔型の反応
器内で下降流の水性分散媒と共に水性分散媒流出口(1
3)から流出させ、水性分散媒流出口(13)と循環ポン
プ(15)との間の循環ラインに設けた分離器(20)で重
合体粒子と水性分散媒を分離して、重合体粒子と水性分
散媒とより成るスラリーをスラリー回収ライン(7)か
ら回収することも可能である(第5図参照)。分離器
(20)は遠心分離機、スクリーンによる固液分離機、水
性分散媒と重合体粒子の比重差を利用した浮上分離器等
であり、きわめて一般的で簡単なもので良い。
[作用] 本発明の方法および装置においては、得ようとする重合
体の比重よりも水性分散媒の比重を高めることにより、
流動層を形成する塔型の反応器だけで、大きさの揃った
重合性液体の液滴を高い重合転化率になるまで重合で
き、その結果、従来の技術では困難な塔型の反応器から
直接大きさの揃った重合体を得ることができるという効
果がある。
[実施例] 次に実施例に基づいて本発明を詳述するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。実施例において、特記し
ない限り、部は重量部を表す。
実施例1 スチレンに過酸化ベンゾイル0.25部及びt−ブチルパー
オキシ3・3・5トリメチルシクロヘキサン0.15部を溶
解し脱気した重合性液体を0.4/時の速度で液滴生成
装置に導入した。一方、液滴生成装置には水性分散媒を
4/時の速度で導入し液滴生成装置内及びスラリー導
入口の内部を満たしておいた。
水性分散媒はイオン交換水に並塩(日本たばこ産業
(株))13重量%、ポリビニルアルコール(ゴーセノー
ルGH−20、日本合成化学工業(株))0.006重量%、ポ
リカルボン酸型高分子アニオン界面活性剤(キャリボン
B、三洋化成工業(株))0.0005重量%、リン酸カルシ
ウム(ST−10、日本化学工業(株))0.045重量%及び
亜硝酸ナトリウム0.006重量%を溶解し、脱気したもの
を用いた。この時の水性分散媒の比重は1.09、表面張力
は56dyne/cmであった。液滴生成装置としては、直径0.4
mmのオリフィス孔を1個有するステンレス製オリフィス
板のオリフィス孔より生成する重合性液体の噴流に250H
zの規則正しい機械的振動を噴流の方向に与えて重合性
液体の液滴を水性分散媒中に出し液滴化する装置を用い
た。液滴生成装置を出た水性分散媒と重合性液体の液滴
のスラリーはスラリー導入口及び塔型の反応器塔頂にあ
る水性分散媒流入口を経由してヘッドタンクを備えた塔
型の反応器へ1時間だけ導入して、重合性液体の液滴を
止めた。塔型の反応器は内径70mm、高さ150mmの円筒で
その下部に内径110mm、高さ150mmの円筒が高さ75mmの円
錐部を介して接続しており上下が円錐型をしていた(第
3図参照)。塔型の反応器以下全ての装置は、重合性液
体の液滴の導入前に前記水性分散媒組成物を満たしてお
り塔型の反応器には内径70mmの円筒部の空筒速度で0.52
cm/秒の水性分散媒の下向きの循環流を形成しておい
た。塔頂の水性分散媒流入口の内径は18mm、高さ130mm
であり水性分散媒の下降流の空筒速度は、7.7cm/秒にし
た。塔型の反応器に導入された重合性液体の液滴群が安
定した流動層を形成した後に、循環されている水性分散
媒の温度を循環ラインに設けた熱交換器で90℃に制御
し、重合性液体の液滴を導入後、6時間重合を進行させ
た。この間液滴の合一や分裂は発生せず、又、水性分散
媒と共に流出されること無く安定に真球状の液滴群が保
持された。その後、系全体を常温近くまで冷却し、循環
ポンプを停止後、塔型の反応器下部の水性分散媒流出口
と循環ポンプとの間に設けたスラリー回収口より塔型の
反応器内にある重合体粒子と水性分散媒とのスラリーを
重合体粒子の貯槽へ短時間で回収した。系から取り出し
た重合体粒子の転化率は94%で粒度分布は第3表の通り
粒度の揃ったものであった。
実施例2 実施例1と同じ装置を用い、水性分散媒の比重調整剤を
第4表に示す各種溶質に変えた以外は同じ条件で水性分
散媒の比重を1.09になるように調整し、重合性液体の液
滴生成と重合を行った。液滴生成及び重合の結果を第4
表に示す。
実施例3 実施例1と同じ装置、同じ条件で水性分散媒の比重調整
剤の並塩濃度を変えて重合を行った。尚、比重の大きさ
によって塔型の反応器内での重合性液体の液滴群の滞留
時間を6時間にすべく塔型の反応器内の水性分散媒の下
降流の空筒速度を水性分散媒流入口から重合性液体の液
滴が上昇しない程度に調整した。又、重合性液体の液滴
生成はいずれも安定にできた。重合結果は、第5表の通
りであった。
比較例1 実施例1と同じ装置、同じ条件で水性分散媒組成中のポ
リカルボン酸型高分子アニオン界面活性剤を同じアニオ
ン界面活性剤のα−オレフィンスルホン酸ナトリウムに
換えて重合を行った。この水性分散媒の表面張力は38dy
ne/cmであった。結果は、重合性液体の液滴生成で液滴
の合一が多く、又、重合では重合温度に達して2時間目
から重合性液体の液滴の合一がみられ、一部餅状化が起
こり、高転化率まで重合は継続できなかった。
比較例2 実施例1と同じ装置、同じ条件で液滴生成装置のオリフ
ィス孔からの重合性液体の噴流に機械的振動を与えない
で大きさの揃っていない重合性液体の液滴を生成し、こ
れを塔型の反応器へ導入した。重合性液体の液滴群は塔
型の反応器上部に大液滴、塔型の反応器下部に小液滴と
分級した流動層になった。塔型の反応器内にある重合性
液体の液滴を水性分散媒流入口から上昇しない程度の水
性分散媒の下降流の流速で、このままで重合を進行させ
ると2時間目頃から小液滴は水性分散媒と共に塔型の反
応器から流出し、重合性液体の液滴の塔型の反応器内で
の分離はできなかった。又、循環した重合性液体の液滴
は循環ポンプによる高剪断を受けて分裂され重合性液体
の液滴径はバラバラなものとなった。
実施例4 重合性液体と水性分散媒は実施例1で用いたものと同じ
組成で、同様に脱気したものを準備した。重合性液体を
10/時で液滴生成装置に導入し、一方液滴生成装置に
は水性分散媒を20/時で導入し液滴生成装置内及びス
ラリー導入口の内部を満たしておいた。液滴生成装置に
は直径0.23mmのオリフィス孔を50個有するステンレス製
オリフィス板のオリフィス孔より生成する重合性液体の
噴流に、500Hzの規則正しい機械的振動を噴流の方向に
与えて、重合性液体の液滴を水性分散媒中に出し液滴化
する装置を用いた。液滴生成装置を出た水性分散媒と重
合性液体の液滴から成るスラリーは、スラリー導入口及
び塔型の反応器塔頂にある水性分散媒流入口を経由して
ヘッドタンクを備えた塔型の反応器へ導入した。塔型の
反応器は、内径300mm、高さ780mmの円筒でその下部に内
径450mm、高さ600mmの円筒が高さ300mmの円錐部を介し
て接続されており上下が円錐型をしていた。塔型の反応
器以下全ての装置は重合性液体の液滴導入前に前記分散
媒組成物を満たしており、塔型の反応器には、0.32cm/
秒の水性分散媒の下降流の空筒速度(内径300mmの円筒
部の空筒速度)で循環流を形成し、温度を90℃に制御し
ておいた。
塔頂近くの水性分散媒の循環ラインは内径80mm、高さ12
5mmの円筒の上に内径50mmの円筒を接続させた2段径
で、内径50mmの円筒部分での水性分散媒の下降流の空筒
速度は11.5cm/秒とした。塔型の反応器に導入された重
合性液体の液滴は塔型の反応器上部から流動層を生成
し、ヘッドタンクには塔型の反応器内の液滴は浮上せず
しばしば塔型の反応器内で発生した気泡だけが浮上する
のが観察された。時間が経つと共に重合性液体の液滴群
の流動層は長くなり重合性液体の液滴導入開始から6時
間30分後に流動層下部は塔型の反応器下部に設けたスラ
リー回収口に達し、重合体粒子と水性分散媒とから成る
スラリーは連続的に重合体粒子貯槽へ回収され始めた。
この間、重合性液体の液滴の合一や分裂は発生せず、
又、水性分散媒の循環流と共に流出されること無く安定
に真球状の重合性液滴群が保持された。以後、系は定常
状態に達し連続重合を継続した。系から取り出した重合
体粒子は固液分離の為の機械的外圧による粒子の変形は
無く重合転化率は92%で粒度分布は第6表の通りで粒度
の揃ったものだった。
重合性液体の液滴は導入開始から20時間30分後に導入を
停止し、そのままの状態で6時間30分重合を続けたが塔
型の反応器内には多量の重合体粒子が残ったので、その
重合体粒子と水性分散媒からなるスラリーは、水性分散
媒投入口の下降流の流速を下げ重合体粒子をヘッドタン
クへ上昇させて約30分間かけて全量を回収した。回収し
た塔型の反応器内に残留する重合体粒子も、塔型の反応
器側面から連続的に回収した重合体粒子と同様、粒子に
変形無く重合転化率93%で粒度分布は同じであった。
実施例5 実施例4と同じ装置、同じ条件で液滴生成装置のオリフ
ィス孔の直径0.4mmの25個を有するオリフィス孔より生
成する重合性液体の噴流に250Hzの規則正しい機械的振
動を噴流の方向に与え、重合性液体の液滴を生成した。
塔型の反応器には、下降流の空筒速度0.47cm/秒の水性
分散媒が循環流を形成して重合を進行させ、実施例4と
同様に連続的に重合体粒子を回収した。取得重合体粒子
は真球状で、転化率は94%で粒度分布は第7表の通りで
粒度の揃ったものだった。
[発明の効果] 流動層を形成する塔型の反応器で、大きさの揃った重合
体粒子を懸濁重合で得るに際し、重合転化率を高めるに
は、従来、塔型の反応器と別に分離器及びもう一つの反
応器を必要としたが、本発明では塔型の反応器から直接
大きさの揃った重合体粒子を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図のそれぞれは、本発明における重合装置を示
す概略図である。 (1)スラリー導入ライン、 (2)スラリー導入口、 (3)循環ライン、 (4),(5),(6),(7)スラリー回収ライン、 (11)水性分散媒流入口、 (12)反応器、 (13)水性分散媒流出口、 (14)スラリー回収口、 (15)送液装置、 (16)加熱冷却装置、 (17)ヘッドタンク、 (18)クッションタンク又はアキュムレーター、 (19)広がり管状部、 (20)分離器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)水性分散媒が重合温度で塔頂に供給さ
    れ、塔内で水性分散媒の下降流を形成した後、水性分散
    媒が塔底から抜きとられ該塔頂に循環している塔型の反
    応器に、 b)水性分散媒中に分散された大きさの揃った重合性液
    体の液滴群よりなるスラリーを、該塔型の反応器へ導入
    し、 c)該塔型の反応器内で、該水性分散媒の下降流と該重
    合体液性の液滴群の浮力の作用とにより形成される流動
    層の状態で、該重合性液体の液滴が合一や分裂をしない
    ようにして該重合性液体の液滴群を懸濁重合させるに際
    して、 d)該水性分散媒に水溶性の無機塩を溶解することによ
    り、該水性分散媒の比重を、該重合性液体を重合して得
    られる重合体粒子の比重よりも大きくし、 e)かつ、該水性分散媒に該重合性液体の液滴の懸濁保
    護剤として、ポリカルボン酸型高分子アニオン界面活性
    剤を含んだ懸濁保護剤を用い、 f)該塔型の反応器より直接に、高い重合転化率の重合
    体粒子群と該水性分散媒とより成るスラリーを回収する
    ことを特徴とする懸濁重合方法。
  2. 【請求項2】A)塔型の反応器内部で水性分散媒の下降
    流を形成するために塔頂に水性分散媒の流入口、塔底に
    水性分散媒の流出口を設けた上下が円錐形の円筒から成
    る塔型の反応器と、 B)前記反応器の塔底の水性分散媒の流出口より水性分
    散媒を抜取り前記反応器の塔頂の水性分散媒の流入口へ
    送液するための循環ラインと、 C)前記反応器に、又は前記反応器の塔頂の近くの前記
    循環ラインに接続した、重合性液体の液滴群と水性分散
    媒から成るスラリーの導入ラインと、及び D)前記反応器に、又は前記反応器の塔底近く前記循環
    ラインに接続した、重合性液体を重合して得られる重合
    体粒子群と水性分散媒から成るスラリーの回収ラインと より構成されることを特徴とする懸濁重合装置。
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