JPH05139898A - GaAs単結晶の熱処理方法 - Google Patents

GaAs単結晶の熱処理方法

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JPH05139898A
JPH05139898A JP33004891A JP33004891A JPH05139898A JP H05139898 A JPH05139898 A JP H05139898A JP 33004891 A JP33004891 A JP 33004891A JP 33004891 A JP33004891 A JP 33004891A JP H05139898 A JPH05139898 A JP H05139898A
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JP
Japan
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heat treatment
single crystal
temperature
hours
gaas single
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JP33004891A
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English (en)
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Haruto Shimakura
春人 島倉
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining Co Ltd
Nikko Kyodo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 半絶縁性GaAs単結晶ウェハを、砒素また
は非酸化性ガス雰囲気中で400℃以上で600℃以下
の温度にて150時間以上保持してから室温まで冷却す
るようにした。 【効果】 結晶内で原子が移動可能な温度以上であって
通常の熱処理よりもかなり低い温度にGaAs単結晶を
長時間保持するため、結晶が熱平衡状態に達して結晶育
成時や熱処理等で生じた原子空孔や格子間原子のような
点欠陥の濃度がその温度での理論濃度に近づき、抵抗率
の均一性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体単結晶の
特性改良技術さらには化合物半導体単結晶の熱処理方法
に関し、例えばGaAs(砒化ガリウム)単結晶ウェハ
の面内抵抗率の均一化に利用して好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化合物半導体単結晶の育成方法と
してボート法やLEC法(液体封止チョクラルスキー
法)等種々の方法が開発されているが、いずれの方法も
成長炉内に温度勾配を形成し単結晶を徐々に融液から成
長させていくため、結晶内での特性が不均一になるのを
避けられない。このため、単結晶育成後に熱処理を施し
て特性の均一性を向上させる研究が精力的になされてい
る。その結果、半絶縁性GaAs単結晶では面内の抵抗
率の均一性が相対標準偏差σs/ρ0(σsは抵抗率の標
準偏差、ρ0はそのウェハ面内平均値である)で7〜1
0%が達成されるようになって来ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GaA
s単結晶では従来のいずれの熱処理方法を適用しても、
抵抗率の均一性を示すσs/ρ0が最高値として5%前後
になることがあっても安定して5%未満になることはな
かった。GaAs単結晶の場合、従来のほとんど熱処理
方法は800〜1000℃の温度で加熱しており、その
後冷却を行なうが冷却速度をいくら遅くしても結晶内で
の熱平衡状態を保って冷却することはできない。そのた
め、結晶内には原子空孔や格子間原子のような点欠陥が
かなり高い濃度で残っているはずであり、まして急冷し
た場合には熱処理温度に相当する濃度の点欠陥が残る上
に熱応力に起因する別の種類の欠陥や転位が結晶内に発
生すると考えられる。つまり、不純物あるいは欠陥の拡
散や抵抗率の均一化に効果のあるような温度での熱処理
をGaAsのような化合物半導体単結晶に施しても結晶
内に高濃度の欠陥が残留してしまうため、抵抗率に影響
を及ぼし、充分な均一性が得られなかった。
【0004】この発明は上記のような問題点に着目して
なされたもので、その目的とするところは、GaAsの
ような化合物半導体単結晶における抵抗率の均一性を向
上させ得る熱処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、結晶内に残
留している原子空孔や格子間原子のような点欠陥を減ら
せば抵抗率の均一性を向上させ得るのではないかと考
え、熱平衡論的な考察を行なった。以下、その考察につ
いて説明する。温度Tの熱平衡状態では、原子空孔や格
子間原子のような点欠陥の濃度nは、 n=N exp(−ω/kT) で表わされる。ここで、kはボルツマン定数、Nは原子
密度、ωは欠陥の生成エネルギーである。上記式より、
例えば温度Tでnが1016〜1018cm-3あるとするとN
は1022cm-3程度であるから、温度Tが2分の1になれ
ば欠陥濃度nは温度Tの時の欠陥濃度の10-6〜10-4
程度に、また、温度Tが3分の2になれば欠陥濃度nは
10-3〜10-2程度に低減することが分かる。従って、
熱平衡論では原子空孔や格子間原子のような点欠陥の濃
度を低減するには、結晶を低い温度に保持すればよいこ
とになる。しかしながら、結晶内で原子が移動するため
には、室温のような温度では低すぎるので最低300℃
程度の温度に保持する必要があると考えられる。ただ
し、このような温度は、GaAs単結晶における通常の
アニール温度である900〜1000℃に比べるとかな
り低いので、原子が移動する割合は低く、完全に熱平衡
状態に達するにはかなり長い時間が必要となるはずであ
る。
【0006】そこで本発明者らは、半絶縁性GaAs単
結晶ウェハを300〜650℃の温度で10時間から2
000時間保持する実験を行なった。その結果を、図1
及び図2に示す。このうち、図1は半絶縁性GaAs単
結晶ウェハを300〜650℃の温度で1000時間保
持した後鏡面研磨し、三端子ガード法によりウェハの面
内抵抗率分布を100μm間隔で測定し、均一性を示す
相対標準偏差σs/ρ0を求め、その結果を熱処理温度と
の関係で示したものである。また、図2は半絶縁性Ga
As単結晶ウェハを550℃の温度で10時間〜200
0時間保持した後、上述の方法にてウェハの面内抵抗率
の均一性を示す相対標準偏差σs/ρ0を求め、その結果
を熱処理時間との関係で示したものである。図1より熱
処理温度が350℃よりも低かったり650℃を越える
とσs/ρ0が充分に低下せず、また熱処理時間に関して
は図2より150時間以上保持するとσs/ρ0が5%以
下になり、1000時間以上行なってもσs/ρ0はそれ
以上低下しなくなることが分かる。
【0007】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、半絶縁性GaAs単結晶ウェハを、砒素または非酸
化性ガス雰囲気中で400℃以上で600℃以下の温度
にて150時間以上保持してから室温まで冷却すること
を提案するものである。なお、半絶縁性GaAs単結晶
では結晶中の炭素濃度が(1〜3)×1015であり、主
としてこの炭素濃度が結晶の抵抗率を決定しているの
で、原子空孔や格子間原子のような点欠陥の濃度は上記
炭素濃度よりも安定して低くしなければ抵抗率のバラツ
キが消えないことになる。従って、上記熱処理を行なう
にあたっては、予め2段階アニール等の各種熱処理を施
して相対標準偏差σs/ρ0が15%以下で、かつAs析
出物の少ない単結晶を使用するのが望ましい。相対標準
偏差σs/ρ0が15%以下でAs析出物の少ないGaA
s単結晶は、例えば本出願人が既に提案した「育成され
たGaAs単結晶を石英アンプル中に砒素と共に真空封
止し、1100℃を越え融点未満の温度で30分以上保
持して第1段階のアニールを行ない、次に毎分1〜30
℃の降温速度で室温まで冷却し、その後ウェハをエッチ
ングしてから非酸化性雰囲気中で750℃以上で110
0℃以下の温度にて20分以上保持して第2段階のアニ
ールを施す熱処理方法」(特開平2−192500号)
を適用することにより得ることができる。
【0008】
【作用】上記した手段によれば、結晶内で原子が移動可
能な温度以上であって通常の熱処理よりもかなり低い温
度にGaAs単結晶を長時間保持するため、結晶が熱平
衡状態に達して結晶育成時や熱処理等で生じた原子空孔
や格子間原子のような点欠陥の濃度がその温度での理論
濃度に近づき、抵抗率の均一性を向上させることができ
る。
【0009】
【実施例】先ず、LEC法により直径55mm、直胴部
の長さ120mmの半絶縁性アンドープGaAs単結晶
を育成した。次に、この単結晶の上下端を切断し、円筒
研削を行なってからオリエンテーションフラットを形成
した後、ウェハ状に切断した。切断されたウェハをエッ
チングし、洗浄した後、60枚ずつ石英アンプル内に真
空封入し、その石英アンプルを熱処理炉内にセットし
た。そして、第1段階アニールとして1150℃の温度
で5時間の熱処理を行なった。この際、ウェハの熱分解
を防止するため、1150℃での砒素の分圧が1気圧と
なる量の砒素を予め石英アンプル内に入れておいた。そ
の後、炉内を毎分3.0℃の降温速度で室温まで冷却
し、石英アンプル内よりウェハを取り出してエッチング
し、洗浄した。
【0010】次に、第2段階アニールとして、上記ウェ
ハを非酸化性ガス雰囲気中で950℃で10時間の熱処
理を行なった。それから、上記ウェハを毎分20℃の降
温速度で室温まで冷却し、熱処理炉内よりウェハを取り
出した。この時点でウェハの両面を鏡面研磨し、3端子
ガード法により抵抗率を測定し面内の均一性を示す相対
標準偏差σs/ρ0を算出したところ、6.8〜9.0%
であった。次に、上記2段階アニール後のウェハを再び
エッチングし、比較的密閉性の良い容器内に複数のウェ
ハを重ね合わせて入れ、非酸化性雰囲気中で350℃で
150時間保持した。同様にして、熱処理温度を400
℃,450℃,500℃,550℃,600℃,650
℃として150時間保持する熱処理を行なった。
【0011】また、2段階アニール後のウェハをエッチ
ングし、比較的密閉性の良い容器内に複数のウェハを重
ね合わせて入れ、非酸化性雰囲気中にて550℃でそれ
ぞれ10時間、50時間,100時間,300時間,5
00時間,1000時間,2000時間保持する熱処理
を行なった。熱処理後のウェハを容器から取り出して3
端子ガード法により抵抗率を測定し、面内の均一性を示
す相対標準偏差σs/ρ0を算出した。それらの結果を図
1および図2に示す。図1は相対標準偏差σs/ρ0を熱
処理温度との関係で、また、図2は相対標準偏差σs/
ρ0を熱処理時間との関係でそれぞれ示したものであ
る。
【0012】図1より熱処理時間が150時間の場合に
は熱処理温度が400〜600℃の範囲でσs/ρ0
5.0〜7.0%と安定して低く、350℃よりも低か
ったり650℃を越えるとσs/ρ0が充分に低下しない
ことが分かった。なお、400〜600℃の範囲では処
理温度が低い方がσs/ρ0が低くなる。また、熱処理時
間に関しては熱処理温度が550℃の場合、図2より1
50時間以上保持するとσs/ρ0が5%以下になり時間
が長くなるほどσs/ρ0は低下する傾向があり、100
0時間では3.0〜4.0%に達することが分かった。
ただし、1000時間以上熱処理を行なってもσs/ρ0
はそれ以上低下しなくなる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、半絶縁
性GaAs単結晶ウェハを、砒素または非酸化性ガス雰
囲気中で400℃以上で600℃以下の温度にて150
時間以上保持してから室温まで冷却するようにしたの
で、結晶内で原子が移動可能な温度以上であって通常の
熱処理よりもかなり低い温度にGaAs単結晶が長時間
保持されることにため、結晶が熱平衡状態に達して結晶
育成時や熱処理等で生じた原子空孔や格子間原子のよう
な点欠陥の濃度がその温度での理論濃度に近づき、抵抗
率の均一性を向上させることができるという効果があ
る。なお、実施例ではGaAs単結晶の熱処理を例にと
って説明したが、この発明はそれに限定されるものでな
く、InP単結晶その他化合物半導体単結晶の熱処理に
適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により熱処理した半絶縁性GaAs
単結晶ウェハの面内抵抗率の均一性を示す相対標準偏差
σs/ρ0を熱処理温度との関係で示すグラフである。
【図2】本発明方法により熱処理した半絶縁性GaAs
単結晶ウェハの面内抵抗率の均一性を示す相対標準偏差
σs/ρ0を熱処理時間との関係で示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】図1より熱処理時間が150時間の場合に
は熱処理温度が400〜600℃の範囲でσs/ρ
4.0〜5.0%と安定して低く、350℃よりも低か
ったり650℃を越えるとσs/ρが充分に低下しな
いことが分かった。なお、400〜600℃の範囲では
処理温度が低い方がσs/ρが低くなる。また、熱処
理時間に関しては熱処理温度が550℃の場合、図2よ
り150時間以上保持するとσs/ρが5%以下にな
り時間が長くなるほどσs/ρは低下する傾向があ
り、1000時間では3.0〜4.0%に達することが
分かった。ただし、1000時間以上熱処理を行なって
もσs/ρはそれ以上低下しなくなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半絶縁性GaAs単結晶ウェハを、砒素
    または非酸化性ガス雰囲気中で400℃以上で600℃
    以下の温度にて150時間以上保持してから室温まで冷
    却するようにしたことを特徴とするGaAs単結晶の熱
    処理方法。
JP33004891A 1991-11-18 1991-11-18 GaAs単結晶の熱処理方法 Pending JPH05139898A (ja)

Priority Applications (1)

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JP33004891A JPH05139898A (ja) 1991-11-18 1991-11-18 GaAs単結晶の熱処理方法

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