JPH05139882A - 分子線源 - Google Patents

分子線源

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JPH05139882A
JPH05139882A JP30451591A JP30451591A JPH05139882A JP H05139882 A JPH05139882 A JP H05139882A JP 30451591 A JP30451591 A JP 30451591A JP 30451591 A JP30451591 A JP 30451591A JP H05139882 A JPH05139882 A JP H05139882A
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JP
Japan
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raw material
crucible
molecular beam
heater
lid
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JP30451591A
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English (en)
Inventor
Hiroki Kawada
洋揮 川田
Nushito Takahashi
主人 高橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】分子線源から発生させる分子線の強度分布を、
原料の充填量にかかわらず安定化し再現性を良くする。 【構成】分子線源のるつぼ1に孔4の開いたふた3をす
る。ふた3の内部あるいは表面にヒータ5を設け、これ
により原料を加熱蒸発させる。ふた3が複数のときに
は、るつぼ1外から原料が見えないように、孔4を互い
違いにする。 【効果】分子線が凝着することがなく、孔が目づまりせ
ず、分子線の分布が安定化する。また、Ga凝着物など
の付着物を低減でき、膜に発生していた欠陥を低減する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空中で原料を加熱蒸
発させて分子線を発生させ、薄膜を形成するための分子
線源に係り、特に、蒸発させた原料の分布を均一にし、
原料の残量にかかわらずその分布を安定化させる分子線
源に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、例えば特開平3−95923号公報に
記載されているように、分子線源のるつぼに孔を開けた
ふたをすることにより、加熱蒸発した原料の分子線の分
布を、均一化していた。複数の孔のそれぞれから分子線
が照射されるので、それらの重ね合わせにより、均一な
分布を得るためである。
【0003】また、原料が減少してきたときに、るつぼ
の底の方から分子線が出てくるので、ふたがないと、分
子線がるつぼの開口部で絞り込まれ、分布の均一度が低
下してしまう。ふたをすることにより、るつぼの中で分
子線が何回も反射を繰り返してから、ふたに設けられた
孔を通って出てくるので、原料が減っても、分布に与え
る影響が少なくなる。
【0004】また、従来の分子線源では、原料を加熱す
るためのヒータが、るつぼの外側を、取り囲むように配
置されていた。例えば、実開昭61−155376号公報に記載
されているように、るつぼの開口部の外側にヒータを取
り囲むようにして設け、るつぼの開口部付近の内壁を加
熱し、そこからの熱の輻射や伝達によって、原料が加熱
される。これは、特に、トップヒート型と呼ばれ、Ga
As膜を成長するときのGa分子線源に用いられてい
る。るつぼの開口部付近の内面が高温に加熱されている
ので、Gaが凝着することがない。Ga凝着物は、生成
したGaAs膜の表面に生じる楕円状欠陥の原因になる
ことが知られており、この方式の欠陥の少ない膜を成長
するのに都合がよい。特に、Ga凝着物が、加熱中の原
料内に転がり込んで、突沸してGaの小粒が膜の表面に
飛散し、それが核になって生じるような欠陥を低減する
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】孔の開いたふたをるつ
ぼに付けると、蒸発した原料がふたに凝着し、孔が目づ
まりしてしまうので、そこから放射される分子線の分布
が変わってしまう。
【0006】ふたが一つしかないと、るつぼの外からふ
た孔を通して原料表面が見えてしまう。このような状況
では、原料が減少して、原料の位置がるつぼの底の方へ
下がっていったときに、孔からでてくる分子線の分布が
影響を受けて変わってしまう。
【0007】また、従来の、るつぼの外側から原料を加
熱する方法でも、るつぼ開口部付近の付着物を、十分に
低減できるわけでない。ヒータの材料や、るつぼの材料
により、開口部付近の加熱温度には上限がある。なるべ
く、るつぼ開口部の内壁の、狭い領域を高温に加熱しよ
うとしても、それでも付着物がわずかに残ってしまう。
【0008】また、原料を加熱するヒータがるつぼの外
側にあるため、るつぼを加熱してから原料を加熱すると
いう、間接的な加熱になる。よって、十分な原料を蒸発
させるには、ヒータを高温にしなければならないことで
ある。すると、ヒータから、COなどの不純物ガスが多
量に放出され、これらが成長している膜に取り込まれ
て、膜の品質が低下してしまう。
【0009】また、間接的な加熱であると、ヒータ出力
に対する原料温度の応答特性が悪いので精密な制御が難
しい。分子線をシャッタによって遮ることにより、超格
子などの様々な結晶構造を持つ膜を成長することができ
るが、シャッタを開けた直後に、るつぼ内の原料温度が
低下する。原料温度は、るつぼの底に押しつけた熱電対
により計測し、これをフィードバックしてヒータ出力を
上げ、原料温度を元に戻そうとする。このとき、ヒータ
がるつぼの温度をまず上げ、それが原料温度を上げてい
るので、原料温度の回復に時間がかかってしまう。
【0010】
【課題を解決するための手段】るつぼの開口部に、複数
の孔を開けたふたを設け、ふたの内部または表面にヒー
タを設ける。あるいは、ヒータそのものに孔を開けて、
ふたとして使用する。
【0011】ふたを複数設ける場合は、それぞれのふた
の孔が互い違いになるようにし、るつぼの外から原料
が、直後、見えないようにする。
【0012】また、るつぼの内部に、原料加熱用のヒー
タを設ける。
【0013】
【作用】ふたに設けたヒータからの輻射熱によって、原
料が加熱される。このようにすると、まず、ふた自身が
高温に保たれるので、蒸発した原料がふたに凝着するこ
とがなく、孔が目づまりすることがなくなる。
【0014】複数のふたの孔が、互い違いに配置されて
おり、原料がるつぼの外から、直接、見えないようにな
っている。このようにすると、原料表面から蒸発した分
子線は、直接るつぼ外へ出ることなく、るつぼ内で何回
も吸着と脱離を繰り返しながら、外へ出てくる。よっ
て、原料が減少していき、るつぼ内で原料の蒸発する位
置が変化しても、その後吸着脱離を何回も繰り返してか
ら外へ出てくるので、分子線の分布が影響を受けにくく
なり、分布が安定化する。
【0015】また、ヒータからの輻射熱が、直接、原料
を加熱するので、ヒータ出力に対する原料温度の応答特
性が向上する。また、ヒータ温度をあまり高くしなくて
も、原料を蒸発温度まで加熱できるので、ヒータから放
出される不純物ガスが低減でき、成長した膜の品質が向
上する。
【0016】
【実施例】図1に、本発明の一実施例を示す。PBN
(熱分解窒化硼素)などの材料でできたるつぼ1の中
に、GaやAsなどの原料2が充填されている。るつぼ
1の開口部には、ふた3が設けられ、そこに複数の孔4
が開けられている。ふた3の内部には、通電加熱により
発熱するヒータ5が設けられている。ふた3は、例え
ば、pBNの板の内部に、C(炭素)の層で導電線を形
成したものを使用する。これに、例えば、機械加工で孔
4を開ける。孔4の周囲も含め、ヒータ5の周囲は、P
BNで囲われ、電気的に絶縁される。従って、原料2に
付着しても、ヒータ5がショートすることはない。ふた
3を複数にするときには、孔4の配置は、るつぼ1の外
から原料2が見えないように、それぞれのふた3との間
に互い違いなるようにする。
【0017】ヒータ5からの輻射熱により、原料2が加
熱され、蒸発して分子線となり、これがるつぼ1の内壁
やふた3の表面で吸着と脱離を繰り返しながら、孔4を
通って、るつぼ1の外へ拡散していく。このとき、ふた
3自身が、原料2よりも高温に加熱されているので、原
料2の分子線がふた3に凝着することなく通り抜けてい
く。よって、孔4が目づまりすることなく、安定した分
子線の分布が得られるようになる。
【0018】また、原料2がヒータ5からの輻射熱で、
直接、加熱される。るつぼ1の開口部をシャッタで開閉
したときに、原料2の温度が低下するが、このようにす
ると、ヒータ加熱による温度回復が迅速になる。
【0019】また、るつぼ1が高温の部材でふたをされ
ているので、るつぼ1の開口部の内壁に、付着物が付い
ても、付着物の落下などにより生じる異常な分子線の飛
散が、ふた3により防止されるので、膜表面に発生する
欠陥を低減することができる。
【0020】以上の利点は、ふた3が一つでも達成する
ことができる。
【0021】ふた3が複数のときには、孔4が、互い違
いに配置されているので、孔4から出てくる分子線は、
るつぼ1の内壁やふた3との間で、吸着脱離を何回も繰
り返して出てくる。原料2の表面から、直接、孔4を通
って出てくる分子線は無い。よって、原料2が残り少な
くなり、原料2の表面が下がっていっても、その後、何
回も吸着脱離を繰り返すので、孔4からでてくる分子線
の分布への影響は少なく、安定化する。また、Ga原料
から飛散していたGaの小粒が、膜表面に到達しなくな
るので、膜表面の欠陥を低減することができる。また、
るつぼ1の外から不純物が入射しにくくなるので、中の
原料2を高純度に保つことができる。
【0022】ところで、すべてのふた3にヒータ5を設
ける必要はなく、例えば、原料2に一番近いふた3のみ
にヒータ5を設けてもよい。
【0023】ヒータ5は、ふた3の表面に導電膜を形成
したものでもよい。
【0024】ふた3を、それ自体が通電加熱できるよう
な材料で作ってもよい。例えば、C(炭素)の板の孔4
を開けたり、切り込みを入れたりし、これをふた3とし
て使用し、かつ通電加熱してヒータ5として使用するこ
とができる。
【0025】例えば、Siなどの高温加熱が必要な原料
の場合、ふた3からの輻射熱では十分に加熱できない恐
れがある。そこで、図2のように、るつぼ1の外側に補
助ヒータ7を設けてもよい。このようにすると、原料2
を蒸発温度手前まで加熱しておき、ふた3のヒータ5で
蒸発温度を微妙に制御することもできる。補助ヒータ7
の位置は、るつぼ1の開口部の周りでも、るつぼ1全体
を取り囲むようにしてもよい。
【0026】ヒータ5及び補助ヒータ7の温度制御は、
通電時の電圧と電流値で制御してもよいし、るつぼ1や
ふた3に押しつけたり、その付近に設置した熱電対6の
指示温度で制御してもよい。
【0027】
【発明の効果】ふたが原料よりも高温に加熱されている
ので、原料の分子線がふたに凝着することがなく、孔が
目づまりすることがない。よって、孔からでる分子線の
分布が安定化する。
【0028】原料と、ヒータとが向き合っているので、
原料が減少しても、ヒータからの輻射効率があまり変化
せず、よって原料の加熱温度が安定化するまた、ヒータ
出力に対する原料温度の応答特性がよくなるので、分子
線強度の制御性が向上する。
【0029】原料が外から見えないように、孔が互い違
いになるように配置されているので、原料が減少して原
料表面の位置が変わっても、孔から出てくる分子線の分
布が変化することがない。また、外部から不純物の混入
を少なくできる。
【0030】以上のいずれにおいて、加熱中あるいは加
熱ごとの、分子線の強度分布が安定化するので、分子線
によって形成する膜の厚さや組成の制御が容易になり、
均質な膜を大量生産するのに都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分子線源の説明図。
【図2】図1の分子線源に補助ヒータを設けたときの説
明図。
【符号の説明】
1…るつぼ、2…原料、3…ふた、4…孔、5…ヒー
タ、6…熱電対、7…補助ヒータ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】るつぼと、分子線を噴出させるための穴を
    設けたふたと、前記るつぼ内の原料を加熱するためのヒ
    ータとからなる分子線源において、前記ふたの内部また
    は表面にヒータを設けたことを特徴とする分子線源。
JP30451591A 1991-11-20 1991-11-20 分子線源 Pending JPH05139882A (ja)

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