JPH05139728A - 炭酸カルシウムの表面処理方法 - Google Patents
炭酸カルシウムの表面処理方法Info
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- JPH05139728A JPH05139728A JP32531691A JP32531691A JPH05139728A JP H05139728 A JPH05139728 A JP H05139728A JP 32531691 A JP32531691 A JP 32531691A JP 32531691 A JP32531691 A JP 32531691A JP H05139728 A JPH05139728 A JP H05139728A
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- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01F—COMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
- C01F11/00—Compounds of calcium, strontium, or barium
- C01F11/18—Carbonates
- C01F11/185—After-treatment, e.g. grinding, purification, conversion of crystal morphology
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- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 カルボキシル基と水酸基とを有するポリマー
で炭酸カルシウムの表面を処理した後に有機シラン化合
物で処理することにより、プラスチック、ゴム等との密
着性を向上させることを特徴とする炭酸カルシウムの表
面処理方法。 【効果】 プラスチック等との密着性が改善され、該炭
酸カルシウムをプラスチック等に配合することにより、
特に曲げ強度に優れた複合体を提供する。
で炭酸カルシウムの表面を処理した後に有機シラン化合
物で処理することにより、プラスチック、ゴム等との密
着性を向上させることを特徴とする炭酸カルシウムの表
面処理方法。 【効果】 プラスチック等との密着性が改善され、該炭
酸カルシウムをプラスチック等に配合することにより、
特に曲げ強度に優れた複合体を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭酸カルシウムの表面処
理方法に関し、更に詳しくは、プラスチックやゴム等と
の密着性を向上させる炭酸カルシウムの表面処理方法に
関する。
理方法に関し、更に詳しくは、プラスチックやゴム等と
の密着性を向上させる炭酸カルシウムの表面処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムは、従来から各種プラス
チックに充填剤として、又は機能性材料と使用されてき
た。そして、対象となる樹脂の種類、使用分野、使用目
的に応じて、それぞれ異なった表面改質が行われてき
た。例えば、有機物で表面処理する場合は、脂肪酸、樹
脂酸等が汎用的に使用され、また各種無機物での表面改
質も試みられてきた。
チックに充填剤として、又は機能性材料と使用されてき
た。そして、対象となる樹脂の種類、使用分野、使用目
的に応じて、それぞれ異なった表面改質が行われてき
た。例えば、有機物で表面処理する場合は、脂肪酸、樹
脂酸等が汎用的に使用され、また各種無機物での表面改
質も試みられてきた。
【0003】しかし、炭酸カルシウムと各種プラスチッ
クとの密着性を上げて、プラスチック複合材としての機
械的強度を向上させる目的は、炭酸カルシウムでは充分
達成させることができなかった。その理由の1つとし
て、密着性を上げるのに効果がある有機カップリング剤
が、炭酸カルシウムの化学構造上化学結合すべき水酸基
がないために、その表面で化合結合しないためである。
クとの密着性を上げて、プラスチック複合材としての機
械的強度を向上させる目的は、炭酸カルシウムでは充分
達成させることができなかった。その理由の1つとし
て、密着性を上げるのに効果がある有機カップリング剤
が、炭酸カルシウムの化学構造上化学結合すべき水酸基
がないために、その表面で化合結合しないためである。
【0004】この問題を解決せんとして、特開昭52−
30852のように、炭酸カルシウム表面をあらかじめ
シリカヒドロゾルのような水酸基を有する無機物で表面
改質した後、有機シラン化合物を処理する方法が試みら
れている。しかし、この方法では、シリカヒドロゾルを
表面処理する段階で粒子が互いに強い凝集を起こし、た
とえ有機シラン処理をしても充分な機械的強度をプラス
チックに付与することができない。
30852のように、炭酸カルシウム表面をあらかじめ
シリカヒドロゾルのような水酸基を有する無機物で表面
改質した後、有機シラン化合物を処理する方法が試みら
れている。しかし、この方法では、シリカヒドロゾルを
表面処理する段階で粒子が互いに強い凝集を起こし、た
とえ有機シラン処理をしても充分な機械的強度をプラス
チックに付与することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭酸カルシ
ウム本来の特性を損なうことなく、炭酸カルシウム表面
に有機シラン化合物を強固に化学結合させ、各種プラス
チックとの密着性を飛躍的に向上させる炭酸カルシウム
の表面処理方法を提供するもので、これによって、従来
にない優れた機械的強度を付与するプラスチック複合材
を提供するものである。
ウム本来の特性を損なうことなく、炭酸カルシウム表面
に有機シラン化合物を強固に化学結合させ、各種プラス
チックとの密着性を飛躍的に向上させる炭酸カルシウム
の表面処理方法を提供するもので、これによって、従来
にない優れた機械的強度を付与するプラスチック複合材
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭酸カルシウ
ムをあらかじめ−COOH基と−OH基の両方を有する
ポリマーで表面処理した後、有機シラン化合物で処理す
る2層処理を施すことにより、有機シラン化合物がポリ
マーの中の−OHと化学結合し、ポリマー中の−COO
Hが炭酸カルシウム表面で化学結合するため、炭酸カル
シウム表面に強固に有機シラン化合物を処理することが
できることを見いだしたものである。以下、本発明を詳
細に説明する。
点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭酸カルシウ
ムをあらかじめ−COOH基と−OH基の両方を有する
ポリマーで表面処理した後、有機シラン化合物で処理す
る2層処理を施すことにより、有機シラン化合物がポリ
マーの中の−OHと化学結合し、ポリマー中の−COO
Hが炭酸カルシウム表面で化学結合するため、炭酸カル
シウム表面に強固に有機シラン化合物を処理することが
できることを見いだしたものである。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0007】本発明においては、炭酸カルシウム表面に
最初に表面処理するポリマーは、炭酸カルシウム表面と
有機シラン化合物の両方に強い結合をする橋渡しの役割
をする物質、即ち−COOH基と−OH基とを有する物
質でなければならない。このような物質としては、α、
β不飽和カルボン酸とα、β不飽和カルボン酸ヒドロキ
シエステルとを共重合して得られるコポリマーか、カル
ボキシル変性したポリビニルアルコール等が好適であ
る。このコポリマーの−COOH基の部分は炭酸カルシ
ウム表面で反応してCa塩となり強固な結合をすると考
えられる。また−OH基の部分は有機シラン化合物の−
OH基部分と反応して、強固な化学結合をすると考えら
れる。この場合、炭酸カルシウムの種類、有機シラン化
合物の種類に応じて随時−OH基、−COOH基の数、
−OH基/−COOH基の比率を変えることができる。
本発明に用いるポリマー中に存在する−COOH基は、
その一部又は全部がアルカリ金属、アンモニウム、アミ
ン等の塩になっていても差し支えない。
最初に表面処理するポリマーは、炭酸カルシウム表面と
有機シラン化合物の両方に強い結合をする橋渡しの役割
をする物質、即ち−COOH基と−OH基とを有する物
質でなければならない。このような物質としては、α、
β不飽和カルボン酸とα、β不飽和カルボン酸ヒドロキ
シエステルとを共重合して得られるコポリマーか、カル
ボキシル変性したポリビニルアルコール等が好適であ
る。このコポリマーの−COOH基の部分は炭酸カルシ
ウム表面で反応してCa塩となり強固な結合をすると考
えられる。また−OH基の部分は有機シラン化合物の−
OH基部分と反応して、強固な化学結合をすると考えら
れる。この場合、炭酸カルシウムの種類、有機シラン化
合物の種類に応じて随時−OH基、−COOH基の数、
−OH基/−COOH基の比率を変えることができる。
本発明に用いるポリマー中に存在する−COOH基は、
その一部又は全部がアルカリ金属、アンモニウム、アミ
ン等の塩になっていても差し支えない。
【0008】表面処理量は炭酸カルシウムの粒子径、分
散状態等によって異なるが、普通は炭酸カルシウムに対
して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重
量%、より好ましくは0.1〜2重量%程度がよい。表
面処理方法としては、炭酸カルシウムの水スラリーに直
接投入して吸着させてもよいし、また水スラリーを脱水
してケーキ状態にし、これにディスパー攪拌等させなが
ら吸着させてもよい。
散状態等によって異なるが、普通は炭酸カルシウムに対
して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重
量%、より好ましくは0.1〜2重量%程度がよい。表
面処理方法としては、炭酸カルシウムの水スラリーに直
接投入して吸着させてもよいし、また水スラリーを脱水
してケーキ状態にし、これにディスパー攪拌等させなが
ら吸着させてもよい。
【0009】有機シラン化合物は、一般化学構造式とし
てYRSiX3 で示される。本発明で使用する有機シラ
ン化合物とはX(ケイ素原子に結合している加水分解
基)がクロル基、アルコキシ基、アセトキシ基等であ
り、Y(有機マトリックスと反応する有機官能基)はビ
ニル基、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基等であ
る。
てYRSiX3 で示される。本発明で使用する有機シラ
ン化合物とはX(ケイ素原子に結合している加水分解
基)がクロル基、アルコキシ基、アセトキシ基等であ
り、Y(有機マトリックスと反応する有機官能基)はビ
ニル基、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基等であ
る。
【0010】表面処理量は最初のポリマーの種類、量、
対象となる有機マトリックスの種類等により随時異なる
が、普通は炭酸カルシウムに対して0.01〜5重量
%、より好ましくは0.05〜2重量%程度がよい。表
面処理方法としては最初のポリマーを処理した炭酸カル
シウム水スラリーに投入してもよいし、またポリマーの
表面処理が終わった脱水ケーキに加えてもよい。更にま
た、炭酸カルシウムを各種樹脂と混練するときに有機シ
ラン化合物を混合してもよい。例えば、最初のポリマー
だけを表面処理し、脱水、乾燥して粉体とし、これを混
練機で混合するのであるが、この時に予備混合しておけ
ばよい。樹脂に混合させておくのが一般的である。勿
論、混合系の中に適時投入していってもよい。
対象となる有機マトリックスの種類等により随時異なる
が、普通は炭酸カルシウムに対して0.01〜5重量
%、より好ましくは0.05〜2重量%程度がよい。表
面処理方法としては最初のポリマーを処理した炭酸カル
シウム水スラリーに投入してもよいし、またポリマーの
表面処理が終わった脱水ケーキに加えてもよい。更にま
た、炭酸カルシウムを各種樹脂と混練するときに有機シ
ラン化合物を混合してもよい。例えば、最初のポリマー
だけを表面処理し、脱水、乾燥して粉体とし、これを混
練機で混合するのであるが、この時に予備混合しておけ
ばよい。樹脂に混合させておくのが一般的である。勿
論、混合系の中に適時投入していってもよい。
【0011】以上の方法で表面処理した炭酸カルシウム
は、次のようなマトリックスが複合されるべき対象とな
る。熱硬化性樹脂としては、ポリエステル、ジアリルフ
タレート、環状脂肪族エポキシ、エポキシ、フラン、メ
ラミン、フェノール、ポリベンズイミダゾール、ポリブ
タジエン、架橋ポリエチレン、ポリイミド等である。熱
可塑性樹脂としては、ポリアミド(ナイロン)、ポリカ
ーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、
ABS等である。エラストマーとしては、ブチル、EP
R、EPDM、エピクロルヒドリン、ネオプレン、ニト
リル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR、サル
ファイド、ウレタン等である。
は、次のようなマトリックスが複合されるべき対象とな
る。熱硬化性樹脂としては、ポリエステル、ジアリルフ
タレート、環状脂肪族エポキシ、エポキシ、フラン、メ
ラミン、フェノール、ポリベンズイミダゾール、ポリブ
タジエン、架橋ポリエチレン、ポリイミド等である。熱
可塑性樹脂としては、ポリアミド(ナイロン)、ポリカ
ーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、
ABS等である。エラストマーとしては、ブチル、EP
R、EPDM、エピクロルヒドリン、ネオプレン、ニト
リル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR、サル
ファイド、ウレタン等である。
【0012】本発明における炭酸カルシウムとしては特
に制限されず、重質炭酸カルシウム、微細な球状もしく
は立方体の合成コロイド炭酸カルシウムでも勿論効果は
あるが、特願平2−158055、特願平2−4143
04等の方法で得られるアスペクト比の大きい、方向性
をもったウィスカー状炭酸カルシウムで特にその効果が
顕著である。即ち、特願平2−158055は、Ca(OH)
2 の水スラリーにCO2 ガスを吹き込んで炭酸カルシウム
を生成させるに際し、アラゴナイト結晶炭酸カルシウム
とCa(OH)2 とを予め混合した水スラリーを作り、これに
可溶性リン酸化合物を添加してCO2 ガスにより炭酸化さ
せることを特徴とする、針状形状をしたアラゴナイト結
晶形炭酸カルシウムの製造方法であり、また特願平2−
414304は、水酸化カルシウムの水スラリーに二酸
化炭素を吹き込んで炭酸カルシウムを生成させるに際
し、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを含水ケーキと
した後分散剤を加えてスラリー化し、次いで湿式粉砕さ
せたものと水酸化カルシウムの水スラリーとを予め混合
した混合スラリーを作り、これに可溶性リン酸化合物を
添加して二酸化炭素により炭酸化させることを特徴とす
る、針状形状をしたアラゴナイト結晶形炭酸カルシウム
の製造方法である。このウィスカー状炭酸カルシウム
は、各種マトリックスに配合して曲げ弾性率、曲げ強
度、耐衝撃強度、寸法安定性等の優れた複合材を形成す
る。このウィスカー状炭酸カルシウムに本発明の表面処
理をすると、特に曲げ強度が数段向上する。即ち、曲げ
強度が向上するのは、ウィスカー状炭酸カルシウムと対
象となるマトリックスとの密着性が向上しているためで
あり、その結果、実用物性として、複合体の寸法安定性
が大幅に改良できる。
に制限されず、重質炭酸カルシウム、微細な球状もしく
は立方体の合成コロイド炭酸カルシウムでも勿論効果は
あるが、特願平2−158055、特願平2−4143
04等の方法で得られるアスペクト比の大きい、方向性
をもったウィスカー状炭酸カルシウムで特にその効果が
顕著である。即ち、特願平2−158055は、Ca(OH)
2 の水スラリーにCO2 ガスを吹き込んで炭酸カルシウム
を生成させるに際し、アラゴナイト結晶炭酸カルシウム
とCa(OH)2 とを予め混合した水スラリーを作り、これに
可溶性リン酸化合物を添加してCO2 ガスにより炭酸化さ
せることを特徴とする、針状形状をしたアラゴナイト結
晶形炭酸カルシウムの製造方法であり、また特願平2−
414304は、水酸化カルシウムの水スラリーに二酸
化炭素を吹き込んで炭酸カルシウムを生成させるに際
し、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを含水ケーキと
した後分散剤を加えてスラリー化し、次いで湿式粉砕さ
せたものと水酸化カルシウムの水スラリーとを予め混合
した混合スラリーを作り、これに可溶性リン酸化合物を
添加して二酸化炭素により炭酸化させることを特徴とす
る、針状形状をしたアラゴナイト結晶形炭酸カルシウム
の製造方法である。このウィスカー状炭酸カルシウム
は、各種マトリックスに配合して曲げ弾性率、曲げ強
度、耐衝撃強度、寸法安定性等の優れた複合材を形成す
る。このウィスカー状炭酸カルシウムに本発明の表面処
理をすると、特に曲げ強度が数段向上する。即ち、曲げ
強度が向上するのは、ウィスカー状炭酸カルシウムと対
象となるマトリックスとの密着性が向上しているためで
あり、その結果、実用物性として、複合体の寸法安定性
が大幅に改良できる。
【0013】従来、各種プラスチックの寸法安定性向上
にはガラス繊維、オラストナイト等の針状物質が使用さ
れてきたが、これらは長径が100μm〜数mmであり、
確かに寸法安定性は向上するのであるが、粒子が大きい
ためプラスチック表面に平滑性がなく外観がはなはだ悪
い。また、これらは硬度が高いため混練機、射出成形機
等のスクリューを摩耗させ、且つ労働環境上、人体への
影響を問題視されている。
にはガラス繊維、オラストナイト等の針状物質が使用さ
れてきたが、これらは長径が100μm〜数mmであり、
確かに寸法安定性は向上するのであるが、粒子が大きい
ためプラスチック表面に平滑性がなく外観がはなはだ悪
い。また、これらは硬度が高いため混練機、射出成形機
等のスクリューを摩耗させ、且つ労働環境上、人体への
影響を問題視されている。
【0014】以上のような状況からプラスチック業界で
は長径30〜40μmの短繊維(この程度の長さであれ
ば表面平滑性がよい)で寸法安定性の優れた、そして人
体に無害な機能性充填剤の出現が強く渇望されていた。
本発明品はこれらの要求を充分に満たすものである。
は長径30〜40μmの短繊維(この程度の長さであれ
ば表面平滑性がよい)で寸法安定性の優れた、そして人
体に無害な機能性充填剤の出現が強く渇望されていた。
本発明品はこれらの要求を充分に満たすものである。
【0015】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。 実施例1 特願平2−414304の方法でウィスカー状炭酸カル
シウムを得た。即ち、短径0.1μm、長径1.5μm
のアラゴナイト炭酸カルシウムを気液反応で生成させ
た。このものの濃度は150g/リットルの水スラリー
である。これを脱水して水分45%のケーキ状とした。
このケーキにポリアクリル酸を添加しディスパーで強攪
拌して流動性のあるスラリーとした。このスラリーを湿
式粉砕機(シンマルエンタープライズ社製、商品名「Dy
nomill」)を使用して粒子を分散させた。湿式粉砕機の
容量は15リットル、充填させるガラスビーズの直径は
0.8mm、ガラスビーズの充填率は80%(空隙率も含
めて)、ディスパーの回転数は3500rpm 、フィード
量は7リットル/minとした。こうして分散させたアラ
ゴナイト炭酸カルシウムは粒度分布を測定すると(日機
装製、商品名マイクロトラック)50%の累積粒度(D
50)は0.7であった。 この分散させたアラゴナイト
炭酸カルシウムを種晶として、濃度が水酸化カルシウム
80g/リットルの水スラリー30リットルに対して固
形分換算で60g添加して充分に攪拌した後、この混合
スラリーに二酸化炭素を導入して炭酸化させ大粒径アラ
ゴナイト炭酸カルシウムを得た。このとき水酸化カルシ
ウムの水スラリーに予めリン酸を60g添加しておい
た。また、スラリー温度は70℃、二酸化炭素の濃度は
30%で、その吹き込み流量は純度100%として、ス
ラリー30リットルに対して1リットル/min /kg・水
酸化カルシウムであった。上記大粒径アラゴナイト炭酸
カルシウムと水酸化カルシウムをモル比で1/10(水
酸化カルシウムが全量炭酸カルシウムになったものとし
て)の比率で混合したスラリーを作り、その他は上記と
同様にして炭酸化させ大粒径アラゴナイト炭酸カルシウ
ムを得た。得られた大粒径炭酸カルシウムは長径30μ
m、短径0.7μmのウィスカー状炭酸カルシウムであ
った。
るが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。 実施例1 特願平2−414304の方法でウィスカー状炭酸カル
シウムを得た。即ち、短径0.1μm、長径1.5μm
のアラゴナイト炭酸カルシウムを気液反応で生成させ
た。このものの濃度は150g/リットルの水スラリー
である。これを脱水して水分45%のケーキ状とした。
このケーキにポリアクリル酸を添加しディスパーで強攪
拌して流動性のあるスラリーとした。このスラリーを湿
式粉砕機(シンマルエンタープライズ社製、商品名「Dy
nomill」)を使用して粒子を分散させた。湿式粉砕機の
容量は15リットル、充填させるガラスビーズの直径は
0.8mm、ガラスビーズの充填率は80%(空隙率も含
めて)、ディスパーの回転数は3500rpm 、フィード
量は7リットル/minとした。こうして分散させたアラ
ゴナイト炭酸カルシウムは粒度分布を測定すると(日機
装製、商品名マイクロトラック)50%の累積粒度(D
50)は0.7であった。 この分散させたアラゴナイト
炭酸カルシウムを種晶として、濃度が水酸化カルシウム
80g/リットルの水スラリー30リットルに対して固
形分換算で60g添加して充分に攪拌した後、この混合
スラリーに二酸化炭素を導入して炭酸化させ大粒径アラ
ゴナイト炭酸カルシウムを得た。このとき水酸化カルシ
ウムの水スラリーに予めリン酸を60g添加しておい
た。また、スラリー温度は70℃、二酸化炭素の濃度は
30%で、その吹き込み流量は純度100%として、ス
ラリー30リットルに対して1リットル/min /kg・水
酸化カルシウムであった。上記大粒径アラゴナイト炭酸
カルシウムと水酸化カルシウムをモル比で1/10(水
酸化カルシウムが全量炭酸カルシウムになったものとし
て)の比率で混合したスラリーを作り、その他は上記と
同様にして炭酸化させ大粒径アラゴナイト炭酸カルシウ
ムを得た。得られた大粒径炭酸カルシウムは長径30μ
m、短径0.7μmのウィスカー状炭酸カルシウムであ
った。
【0016】このウィスカー状炭酸カルシウムを、水分
60重量%の脱水ケーキとし、これにα、β不飽和カル
ボン酸とα、β不飽和カルボン酸ヒドロキシエステルと
を共重合して得られるコポリマーをウィスカー状炭酸カ
ルシウムに対して1.0重量%投入し、ディスパーで攪
拌させながら表面処理した。得られた炭酸カルシウムス
ラリーにγ−アミノプロピルトリエトキシシランをウィ
スカー状炭酸カルシウムに対して0.8重量%処理し
た。この後、乾燥粉砕して粉体とした。
60重量%の脱水ケーキとし、これにα、β不飽和カル
ボン酸とα、β不飽和カルボン酸ヒドロキシエステルと
を共重合して得られるコポリマーをウィスカー状炭酸カ
ルシウムに対して1.0重量%投入し、ディスパーで攪
拌させながら表面処理した。得られた炭酸カルシウムス
ラリーにγ−アミノプロピルトリエトキシシランをウィ
スカー状炭酸カルシウムに対して0.8重量%処理し
た。この後、乾燥粉砕して粉体とした。
【0017】実施例2 実施例1において、コポリマーだけを処理して粉体化し
たウィスカー状炭酸カルシウムにγ−アミノプロピルト
リエトキシシランを噴霧して表面処理する以外は同様に
操作した。
たウィスカー状炭酸カルシウムにγ−アミノプロピルト
リエトキシシランを噴霧して表面処理する以外は同様に
操作した。
【0018】比較例1 実施例1において、表面処理を全く施さない他は同様に
操作した。
操作した。
【0019】比較例2 実施例2において、コポリマーを表面処理せず、直接γ
−アミノプロピルトリエトキシシランを噴霧して表面処
理する以外は同様に操作した。
−アミノプロピルトリエトキシシランを噴霧して表面処
理する以外は同様に操作した。
【0020】実施例3 実施例1において、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランを処理しない(ポリプロピレンとの混練時に添加す
るため)以外は同様に操作した。
ランを処理しない(ポリプロピレンとの混練時に添加す
るため)以外は同様に操作した。
【0021】実施例、比較例で得られた各サンプルを用
いて下記の要領でポリプロピレンに配合して複合体の強
度物性を測定した。 試験法: 配合:ポリプロピレン樹脂 100重量部 試料 20重量部 上記配合比で混練してペレット化した後、射出成形して
試験片を作り、強度物性を測定した。結果を表1に示
す。
いて下記の要領でポリプロピレンに配合して複合体の強
度物性を測定した。 試験法: 配合:ポリプロピレン樹脂 100重量部 試料 20重量部 上記配合比で混練してペレット化した後、射出成形して
試験片を作り、強度物性を測定した。結果を表1に示
す。
【0022】
【表1】 *ただし、実施例3のサンプルについては、ポリプロピ
レンとの混練時にγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンを逐次滴下投入した。
レンとの混練時にγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンを逐次滴下投入した。
【0023】表1の結果より、本発明品をポリプロピレ
ンに配合した場合、優れた曲げ強度を発揮することがわ
かる。即ち、ポリプロピレンとウィスカー状炭酸カルシ
ウムとの密着性がよく、その結果、寸法安定性の優れた
ポリプロピレン複合体ができるものと考えられる。
ンに配合した場合、優れた曲げ強度を発揮することがわ
かる。即ち、ポリプロピレンとウィスカー状炭酸カルシ
ウムとの密着性がよく、その結果、寸法安定性の優れた
ポリプロピレン複合体ができるものと考えられる。
【0024】
【発明の効果】叙上の通り、本発明によれば、プラスチ
ック等との密着性の改善された表面処理炭酸カルシウム
が提供され、特に曲げ強度に優れたプラスチック等との
複合体が提供される。
ック等との密着性の改善された表面処理炭酸カルシウム
が提供され、特に曲げ強度に優れたプラスチック等との
複合体が提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】 カルボキシル基と水酸基とを有するポリ
マーで炭酸カルシウムの表面を処理した後に有機シラン
化合物で処理することにより、プラスチック、ゴム等と
の密着性を向上させることを特徴とする炭酸カルシウム
の表面処理方法。 - 【請求項2】 カルボキシル基と水酸基とを有するポリ
マーの表面処理量が、炭酸カルシウムに対して0.01
〜10重量%である請求項1記載の表面処理方法。 - 【請求項3】 カルボキシル基と水酸基とを有するポリ
マーの表面処理量が、炭酸カルシウムに対して0.05
〜5重量%である請求項2記載の表面処理方法。 - 【請求項4】 有機シラン化合物の表面処理量が、炭酸
カルシウムに対して0.01〜5重量%である請求項1
〜3記載の表面処理方法。 - 【請求項5】 有機シラン化合物の表面処理量が、炭酸
カルシウムに対して0.05〜2重量%である請求項4
記載の表面処理方法。
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