JPH0513769B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はワイヤ放電加工機のワイヤ送り出し装
置に関する。

従来の技術 ワイヤ放電加工機はワイヤ電極に一定のテンシ
ヨンをかけた状態で送行させながら、ワイヤ電極
とワーク間に放電を生じせしめて加工を行うもの
であるが、放電加工中、ワイヤ電極がワーク中で
断線することがある。このとき、ワイヤ電極の供
給用リールが慣性によつて回転し、ワイヤ電極が
ほつれる。また、このときワイヤ電極を巻戻さね
ばならないが、従来のワイヤ電極の供給部は供給
用リールをACモータ等でトルク制御しながらワ
イヤ電極を巻戻していた。しかし、ACモータを
トルク制御して駆動したとしても速度制御ができ
ないため、早い速度で回転しワイヤ電極を巻戻し
た後も供給用リールが空回転してワイヤ電極の供
給用リールへの巻状態を悪くし、再びワイヤ電極
を結線する上で不便であつた。

発明が解決しようとする問題点 本発明は、放電加工中のワイヤ電極が断線して
も供給リールのワイヤ電極の巻状態が乱れること
なく、巻戻しを行い、次にワイヤ電極を結線する
上で便利な状態にできるワイヤ放電加工機のワイ
ヤ送り出し装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 ワイヤ電極の供給用リールをパウダークラツチ
を介して減速機構を内蔵するモータに結合し、放
電加工中のワイヤ電極の断線を検出するセンサ、
及び上記パウダークラツチ、モータ、センサに接
続されパウダークラツチの摩擦抵抗及びモータの
駆動を制御する制御手段を設けることによつて上
記問題点を解決した。

作 用 放電加工中は上記減速機構を内蔵するモータの
駆動を停止し、パウダークラツチへの印加電圧を
制御して摩擦抵抗を一定値にすることにより、ワ
イヤ電極に一定のテンシヨンを与えながら走行さ
せることができ、ワイヤ電極の断線時には、パウ
ダークラツチの印加電圧を大きくして摩擦抵抗を
増大させて供給用リールの慣性による回転を防止
し、ワイヤ電極を巻戻すときは上記モータを駆動
し、パウダークラツチの印加電圧を制御して一定
トルクでかく低速でワイヤ電極を巻戻すことがで
きる。

実施例 図は本発明の一実施例で、１はワイヤ電極Ｐの
供給用リールで、ワイヤ電極Ｐが巻付けられてお
り、回転軸４に着脱自在に固着されている。２は
該回転軸４を軸支する軸受体、３はパウダークラ
ツチで、該パウダークラツチ３の一方の軸５は上
記回転軸４に固着され、他方の軸６は減速機構を
内蔵するモータであるギアードモータＭの軸７に
固着されている。Ｒ１〜Ｒ５はワイヤ電極Ｐのガ
イドローラで、ガイドローラＲ２とカイドローラ
Ｒ３及びガイドローラＲ４、ガイドローラＲ５で
ワイヤ電極Ｐを挟持してワイヤ電極Ｐをガイドし
ている。Ｓ１はワイヤ電極Ｐが断線し、ワイヤ電
極ＰがガイドローラＲ２，Ｒ３と供給用リール１
間でたわんだとき、そのたわみを検出してワイヤ
電極Ｐの断線を検出する切断検出センサー、Ｓ２
はワイヤ電極Ｐが断線し供給用リールに巻戻され
るとき、ワイヤ電極Ｐの切断点を検出する切断点
検出センサーである。８は数値制御装置（以下
NCという）で、上記センサーＳ１，Ｓ２からの
信号に応じてギアードモータＭ、パウダークラツ
チ３を制御するものである。

次に本実施例の動作を説明する。

放電加工中においては、NC８は一定の低電圧
をパウダークラツチ３に供給すると共にギアード
モータＭの駆動は停止させている。そして、ワイ
ヤ電極Ｐを送りローラ（図示せず）等により走行
させており、パウダークラツチ３に低電圧が印加
されているから、パウダークラツチ３には低摩擦
が生じ、送りローラでワイヤ電極Ｐが図中下方へ
引かれると、供給用リール１、回転軸４、パウダ
ークラツチ３の一方の軸５はパウダークラツチ３
の低摩擦に抗しながら回転し、ワイヤ電極Ｐを加
工部へ供給する。その結果、送りローラでワイヤ
電極Ｐを引く力とパウダークラツチ３の一定の摩
擦抵抗により一定のテンシヨンがかけられた状態
で走行することとなる。

次に、放電加工中ワークＷとワイヤ電極Ｐ用の
放電加工部でワイヤ電極Ｐが断線したとき、ワイ
ヤ電極Ｐの走行は停止するが、供給用リール１等
は慣性等により回転を続け、ワイヤ電極Ｐにガイ
ドローラＲ２，Ｒ３と供給用リール１間でたわみ
が生じる。このたわみを切断検知センサーＳ１で
検出し出力を出し、NC８はこの出力を受けて、
パウダークラツチ３に高い電圧を出力しパウダー
クラツチ３の摩擦抵抗を大きくする。その結果、
ギアードモータＭは停止していて、その軸７は回
転しないから、軸５、回転軸４及び供給用リール
１の慣性による回転は停止する。そして、このと
きワイヤ電極ＰはガイドローラＲ２，Ｒ３で挟持
され、該カイドローラＲ２，Ｒ３と供給用リール
１間でたわんだ状態で停止している。次にNC８
はパウダークラツチ３への供給電圧を下げ、一定
の摩擦抵抗にすると共にギアードモータＭを駆動
する。その結果、ギアードモータＭの軸７は低速
で回転すると共にパウダークラツチ３の一定の摩
擦抵抗によつて、軸５、回転軸４、供給リール１
を回転させ、パウダークラツチ３の摩擦抵抗に応
じた一定のトルクでワイヤ電極Ｐを低速で巻戻す
ことになる。そして、切断点検知センサーＳ２が
ワイヤ電極Ｐの切断点を検出すると、NC８はギ
アードモータＭの駆動を停止させ、ワイヤ電極Ｐ
はガイドローラＲ２，Ｒ３で切断点近傍が挟持さ
れた状態で停止し、次のワイヤ電極の結線処理を
容易にする。

発明の効果 以上述べたように、本発明は、減速機構を内蔵
するモータとパウダークラツチを用いてワイヤ電
極の供給用リールを駆動するようにしたから、放
電加工中はパウダークラツチへの供給電圧を制御
することによつて、ワイヤ電極のテンシヨンを制
御することができ、ワイヤ電極が断線したときは
パウダークラツチの摩擦抵抗が大きくして、供給
用リール等の慣性による回転を停止させることが
できるから、供給用リールが空まわりしてワイヤ
電極がほつれれることはない。さらに、減速機構
を内蔵するモータとパウダークラツチにより、一
定トルクでかつ低速でワイヤ電極を巻戻すことが
できるから、切断点の検出も容易でかつ次にワイ
ヤ電極を結線する上で便利な位置で停止させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を要部ブロツク図であ
る。 １……供給用リール、３……パウダークラツ
チ、Ｍ……ギアードモータ、８……数値制御装
置、Ｐ……ワイヤ電極、Ｗ……ワーク、Ｒ１〜Ｒ
５……ガイドローラ、Ｓ１……切断検知センサ
ー、Ｓ２……切断点検知センサー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ワイヤ放電加工機のワイヤ送り出し装置にお
   いて、ワイヤ電極供給用リールにパウダークラツ
   チを介して減速機構を内蔵するモータを接続し、
   放電加工時のワイヤ電極の断線を検出するセンサ
   と、上記パウダークラツチ、モータ及びセンサに
   接続され、放電加工時には上記モータの駆動を停
   止し、上記パウダークラツチの摩擦抵抗を小さく
   制御し、上記センサがワイヤ電極の断線を検出す
   るとパウダークラツチの摩擦抵抗を増大させ、ワ
   イヤ電極を巻き戻し時には上記モータを駆動する
   と共にパウダークラツチの摩擦抵抗を制御してワ
   イヤ電極を巻き戻す制御手段とを備えたワイヤ放
   電加工機のワイヤ送り出し装置。