JPH05134570A - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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JPH05134570A
JPH05134570A JP3321264A JP32126491A JPH05134570A JP H05134570 A JPH05134570 A JP H05134570A JP 3321264 A JP3321264 A JP 3321264A JP 32126491 A JP32126491 A JP 32126491A JP H05134570 A JPH05134570 A JP H05134570A
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film
layer
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heating
heating element
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Koichi Okuda
幸一 奥田
Yasumasa Otsuka
康正 大塚
Akira Hayakawa
亮 早川
Daizo Fukuzawa
大三 福沢
Yoji Tomoyuki
洋二 友行
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定支持された加熱体1にフィルム7を接触
摺動させ、該フィルム7の加熱体1側とは反対側の面に
被加熱材12を密着させてフィルム7と共に加熱体1位
置を移動通過させて加熱体1からフィルム7を介して被
加熱材12に熱エネルギーを付与する、フィルム加熱方
式の加熱装置Aにおいて、加熱体1の絶縁材層としての
ガラス層100を薄くすることなく、即ちガラス層10
0の厚さは十分な絶縁耐圧を確保できる厚さ設定におい
て、加熱体1からフィルム7への熱伝達効率を良好に確
保することができ、しかもヒータ基板2と該ガラス層1
00との熱膨張率差に起因する加熱体1のそりやガラス
層クラックなどの発生も防止できるようにしたものを提
供する。 【構成】 加熱体1のフィルム接触摺動面はセラミック
充填剤を分散させたガラス層100で被覆されているこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定支持された加熱体
にフィルムを接触摺動させ、該フィルムの加熱体側とは
反対側の面に被加熱材を密着させてフィルムと共に加熱
体位置を移動通過させて加熱体からフィルムを介して被
加熱材に熱エネルギーを付与する、フィルム加熱方式の
加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなフィルム加熱方式の加熱装
置は本出願人の先の提案に係る特開昭63−31318
2号公報等で知られており、電子写真複写機・プリンタ
・ファックス等の画像形成装置における画像加熱定着装
置、すなわち電子写真・静電記録・磁気記録等の画像形
成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等より成るトナ
ーを用いて記録材(エレクトロファックスシート・静電
記録シート・転写材シート印刷紙など)の面に直接方式
もしくは間接(転写)方式で形成した、目的の画像情報
に対応した未定着顕画像(トナー像)を該画像を担持し
ている記録材に固着画像として加熱定着処理する画像加
熱定着装置として活用できる。
【0003】また、例えば、画像を担持した記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する装置や仮定着処理する
装置等として使用できる。
【0004】より具体的には、薄肉の耐熱性フィルム
(シート)と、該フィルムの移動駆動手段と、該フィル
ムを中にしてその一方面側に固定支持して配置された加
熱体(ヒータ)と、他方面側に該加熱体に対向して配置
され該加熱体に対して該フィルムを介して画像定着する
べき記録材の顕画像担持面を密着させる加圧部材を有
し、該フィルムは少なくとも画像定着実行時は該フィル
ムと加圧部材との間に搬送導入される画像定着すべき記
録材と順方向に同一速度で走行移動させて該走行移動フ
ィルムを挟んで加熱体と加圧部材との圧接で形成される
定着部としての定着ニップ部を通過させることにより該
記録材の顕画像担持面を該フィルムを介して該加熱体で
加熱して顕画像(未定着トナー像)に熱エネルギーを付
与して軟化・溶融せしめ、次いで定着部通過後のフィル
ムと記録材を分離点で離間させることを基本とするフィ
ルム加熱方式の画像加熱定着装置である。
【0005】フィルムはエンドレスタイプにして回動搬
送させて繰り返して使用する装置構成とすることもでき
るし、有端のロール巻フィルムを繰り出し走行させて使
用する装置構成とすることもできる。加圧部材を回転駆
動させてフィルムの移動駆動手段とすることもできる。
【0006】図8にそのような装置の要部の拡大横断面
模型図を示した。
【0007】20は加熱体であり、耐熱性・電気絶縁性
・低熱容量のヒータ基板(セラミック基板)2と、この
基板2の一方面に面長手(図面に垂直な方向)に沿って
具備させた抵抗発熱体層(通電発熱体層)3と、この抵
抗発熱体層3を含む基板2面を被覆(コート)させたガ
ラス層21等からなる。
【0008】該加熱体20のガラス層21面側がフィル
ム接触摺動面であり、このガラス層21面側を外部露呈
させて加熱体20を断熱性の加熱体ホルダ4を介して支
持部に固定支持させてある。加熱体20は抵抗発熱体層
3に対する通電による該発熱体層3の発熱で昇温する。
6は加熱体温調系の温度検知素子である。
【0009】7は耐熱性のフィルム、10は該フィルム
7を加熱体20のフィルム接触摺動面であるガラス層2
1面に押圧する加圧部材としての回転加圧ローラであ
る。フィルム7は加圧ローラ10により加熱体20に押
圧され駆動手段により或は加圧ローラ10の回転駆動力
により矢示の方向に所定の速度で加熱体1面に接触摺動
しながら移動する。
【0010】抵抗発熱体層3に対する通電により加熱体
20を所定に昇温させ、フィルム7を加熱体20に摺動
移動させた状態において、フィルム7と加圧ローラ10
との圧接ニップ部(定着部)Nに被加熱材としての記録
材12を導入する事で、記録材12がフィルム7面に密
着してフィルム7と共に加熱体20位置を移動通過し、
その移動通過過程で加熱体20からフィルム7を介して
記録材7に熱エネルギーが付与されて記録材12上の未
定着トナー画像11が加熱溶融定着される。
【0011】従来、画像加熱定着装置としては熱ローラ
方式が一般的に用いられていた。これは、金属製のロー
ラの内部にヒータを備えた定着ローラと、弾性を持つ加
圧ローラからなり、この一対のローラによりできる定着
ニップ部に記録材を導入通過させることによりトナー像
を加熱・加圧して定着させる。
【0012】しかし、このような熱ローラ方式の画像加
熱定着装置は、ローラの熱容量が大きいためローラが所
定の定着温度に達するのに時間(立上り時間、ウオーム
アップ時間、ウエイトタイム)がかかり、また素早く使
用するためには、機械を使用していないときにもある程
度の温度に温調していなければならない。これは熱板方
式・オーブン定着方式等の他の加熱式の定着装置につい
ても同様である。
【0013】これに対して、前記のようなフィルム加熱
方式の装置においては、加熱体1として低熱容量ヒータ
を用いることができるため、従来の熱ローラ方式等の装
置に比べウエイトタイム短縮化(クイックスタート性)
が可能となり、またクイックスタートが可能となるため
使用していないときの予熱が必要なくなり総合的な意味
での省電力化もはかれる、その他、他の方式装置の種々
の欠点を解決できるなどの利点を有し、効果的なもので
ある。
【0014】
【発明が解決しようとしている課題】加熱体20のフィ
ルム接触摺動面としてのガラス層21は、この層なしに
フィルム7を加熱体20の抵抗発熱体層3を具備させた
面に直接に接触させて摺動させた場合の、フィルム内面
の削れや抵抗発熱体層3のパターン削れを防止し、フィ
ルムを滑らかに摺動移動させる表面保護層の役割をも
つ。
【0015】またこのガラス層21は加圧ローラ10と
抵抗発熱体3との直接接触を防止する絶縁材層としての
役割をもつ。すなわち、フィルムが破れてフィルム加圧
部材としての加圧ローラ10が加熱体20に接触した状
態を生じた場合も該加圧ローラ10と加熱体20の抵抗
発熱体層3との間に介在して加圧ローラ10と抵抗発熱
体3を絶縁し、加圧ローラ10と抵抗発熱体3とが直接
に接触して抵抗発熱体3に印加した電圧が加圧ローラ1
0を介して装置全体にかかり電気的短絡・漏電トラブル
が発生するのを防止する役割をしている。
【0016】このガラス層21は絶縁耐圧を上げるため
に厚さを厚くすると、加熱体20からフィルム7への熱
伝達効率が悪くなり、加熱不足による記録材の像定着不
良等を発生させやすくなり、逆に熱伝達効率を向上する
ために厚さを薄くすると絶縁耐圧が得られなくなる。
【0017】また、ガラス層21の熱膨張率が 5×10-6-1、 ヒータ基板2としてのセラミック基板の熱膨張率が 7×10-6-1 とそれぞれと異なるため、ガラス層21の厚さを厚くす
ると、上記両者21・2の熱膨張率差により加熱体20
にそりが発生して機械的応力(内部応力)が強く作用
し、場合によってはガラス層21にクラックが発生た
り、剥離部分を生じたり、ヒータ基板2の破壊といった
トラブルを生じさせることにもなる。
【0018】本発明は上記に鑑みて、フィルム加熱方式
の加熱装置について、加熱体の上記絶縁材層としてのガ
ラス層を薄くすることなく、即ちガラス層の厚さは十分
な絶縁耐圧を確保できる厚さ設定において、加熱体から
フィルムへの熱伝達効率を良好に確保することができ、
しかもヒータ基板と該ガラス層との熱膨張率差に起因す
る加熱体のそりやガラス層クラックなどの発生も防止で
きるようにしたものを提供することを目的とする。
【0019】また上記絶縁材層としてのガラス層の存在
を不要にして、或は表面層としてのガラス層を存在させ
ても、該ガラス層の存在に起因する前記のトラブルは生
じさせないようにしたものを提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置である。
【0021】(1)固定支持された加熱体にフィルムを
接触摺動させ、該フィルムの加熱体側とは反対側の面に
被加熱材を密着させてフィルムと共に加熱体位置を移動
通過させて加熱体からフィルムを介して被加熱材に熱エ
ネルギーを付与する加熱装置において、前記加熱体のフ
ィルム接触摺動面はセラミック充填剤を分散させたガラ
ス層で被覆されていることを特徴とする加熱装置。
【0022】(2)固定支持された加熱体にフィルムを
接触摺動させ、該フィルムの加熱体側とは反対側の面に
被加熱材を密着させてフィルムと共に加熱体位置を移動
通過させて加熱体からフィルムを介して被加熱材に熱エ
ネルギーを付与する加熱装置において、前記加熱体は、
少なくとも、セラミックを主体とする絶縁材層と抵抗発
熱体層を有してなり、絶縁材層側をフィルム対面側にし
て該絶縁材層面に直接もしくは他層を介してフィルムを
接触摺動させたことを特徴とする加熱装置。
【0023】(3)加熱体のフィルム接触摺動面はガラ
スを主体とする表面層であることを特徴とする(2)記
載の加熱装置。
【0024】
【作用】
(1)加熱体のフィルム接触摺動面はセラミック充填剤
を分散させたガラス層で被覆する構成とすることで、こ
のセラミック充填剤分散ガラスは、セラミック充填剤を
分散させていないガラスよりもその熱伝導度が後記例の
ように格段に大きく、しかも絶縁耐圧もセラミック充填
剤を分散させていないガラスと同等かそれ以上を示すか
ら、加熱体のフィルム接触摺動面の摺動保護・絶縁材層
としてのガラス層を熱伝達効率を上げるために薄くする
ことなく、即ち該ガラス層の厚さは十分な絶縁耐圧を確
保できる厚さ設定においても、加熱体からフィルムへの
熱伝達効率を十分良好に確保することが可能となる。
【0025】またガラス層に分散させるセラミック充填
剤を加熱体のヒータ基板と同じ又は等価の材質のものと
することにより該セラミック充填剤分散ガラス層の熱膨
張率をヒータ基板のそれに近づけることが可能となり、
ヒータ基板とガラス層との大きな熱膨張率差に起因する
加熱体のそりやガラス層クラックなどの発生も緩和ない
し防止することが可能となる。
【0026】(2)また、加熱体は、少なくとも、セラ
ミックを主体とする絶縁材層と抵抗発熱体層を有してな
り、絶縁材層側をフィルム対面側にして該絶縁材層面に
直接もしくは他層を介してフィルムを接触摺動させる構
成とすることで、セラミックを主体とする絶縁材層はそ
れ自体熱伝導度がよいので厚さを薄くしなくとも加熱体
からフィルムへの熱伝達率を十分に確保でき、また十分
な絶縁耐圧を確保できるので、フィルムが破れて加圧部
材が直接に加熱体に接触しても、加圧部材は加熱体の絶
縁材層面に接触し、その接触面側には抵抗発熱体層は存
在していないので、漏電トラブルは発生しない。
【0027】(3)上記(2)において加熱体のフィル
ム接触摺動面としての絶縁材層面にフィルムとの滑性向
上のためにガラスを主体とする表面層を設けてもよく、
この場合のガラス層は絶縁耐圧は確保する必要性はない
からその厚さを薄いものとすることができるので、該ガ
ラス層の存在による加熱体からフィルムへの熱伝達率の
低下の問題はない。
【0028】また該ガラス層と絶縁材層との熱膨張率差
により加熱体に内部応力が生じるにしてもガラス層は薄
くできるから発生応力は小さく、該応力によるトラブル
は実質生じない。
【0029】
【実施例】
<実施例1>(図1・図2) 本実施例は請求項1に記載の発明の実施例である。
【0030】図2は本発明に従う加熱装置としての画像
加熱定着装置Aの一例の概略構成図、図1は該装置の加
熱体部分の拡大横断面模型図である。
【0031】本実施例の装置はフィルム7をエンドレス
ベルトタイプにして回動搬送させて繰り返して使用する
装置構成のものである。 (1)装置の全体構成 7はエンドレスベルト状の定着フィルムであり、左側の
駆動ローラ8と、右側の従動ローラ9と、この両ローラ
8・9間の下方に固定支持させて配設した加熱体として
の低熱容量線状加熱体1との、互いに並行な該3部材8
・9・1間に懸回張設してある。
【0032】従動ローラ9はエンドレスベルト状の定着
フィルム7のテンションローラを兼ねさせてあり、定着
フィルム7は駆動ローラ8の時計方向回転駆動に伴ない
時計方向に所定の周速度をもってシワや蛇行、速度遅れ
なく回動駆動される。
【0033】10は加圧部材としての、シリコンゴム等
の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、
前記のエンドレスベルト状定着フィルム7の下行側フィ
ルム部分を加熱体1との間に挟ませて加熱体1の下面に
対して付勢手段により例えば総圧4〜7kgの当接圧を
もって対向圧接させてあり、被加熱材としての記録材1
2の搬送方向に順方向の反時計方向に回転する。
【0034】回動駆動されるエンドレスベルト状の定着
フィルム7は繰り返してトナー画像の加熱定着に供され
るから、耐熱性・離型性・耐久性に優れ、一般的には1
00μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉のものを
使用する。
【0035】例えばポリイミド・(PI)・ポリエーテ
ルイミド(PEI)・PES・PFA(4フッ化エチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹
脂)などの耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィ
ルム例えば20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面
側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PFA等のフ
ッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm
厚に施こしたものなどである。
【0036】加熱体1はフィルム移動方向に交差する方
向を長手とする低熱容量線状加熱体(ヒータ)であり、
図1の拡大横断面模型図に示すように、基板2・抵抗発
熱体層(通電発熱体層)3・ガラス層100・温度検知
素子6等よりなる。
【0037】基板2は耐熱性・電気絶縁性・低熱容量の
セラミック基板、一例として、厚み1.0mm・幅10
mm・長さ240mmのアルミナ基板である。
【0038】抵抗発熱体層3は基板2の一方側の面をフ
ィルム摺動側の面としてその面の略中央部に面長手に沿
ってTa2 N・銀パラジウム等の電気抵抗材料を幅1.
0mmに塗工(スクリーン印刷等)して具備させた線状
もしくは帯状の低熱容量の層である。
【0039】ガラス層100は、フィルム接触摺動面側
である、抵抗発熱体層3を含む基板2面を被覆させたも
ので、前述したように加熱体1のフィルムとの滑性を向
上させて、フィルム内面の削れ、抵抗発熱体層3のパタ
ーン摩耗を防止すると共に、フィルムが破れた場合の加
圧ローラ10と抵抗発熱体層3との直接接触による電気
的短絡・漏電を防止する絶縁材層の役目をしている。
【0040】本実施例ではこのガラス層100を後記
(2)項で説明するようにセラミック充填剤を分散させ
たガラス層としてある。
【0041】而して、この加熱体1を横長の加熱体ホル
ダ(ヒータホルダ)4の一方側の面に面長手に沿って具
備させた加熱体収容凹溝4aに、ガラス層100側の面
を外側にして嵌め入れて接着剤18でホルダ4に固定保
持させ、このホルダ4を加熱体1を下向きにして定着装
置の不動部材としての支持体5の下面に接着剤19によ
り固定支持させてある。
【0042】加熱体ホルダ4は例えばPPS(ポリフェ
ニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、
PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテル
ケトン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂、これらの樹
脂とセラミックス・金属・ガラス等との複合材などで構
成できる。
【0043】加熱体1は線状もしくは帯状の抵抗発熱体
層3に対してその長手両端部より通電して抵抗発熱体層
を発熱させて昇温させる。通電はDC100Vの周期2
0msecのパルス状波形で、温度検知素子6とマイク
ロコンピューターによりコントロールされた所望の温
度、エネルギー放出量に応じたパルス(駆動パルス)
を、そのパルス巾を変化させて与える通電制御回路構成
にしてある。概略パルス幅は0.5〜5msecとな
る。
【0044】又本実施例では定着装置Aよりも記録材搬
送方向上流側の定着装置寄りに記録材の先端・後端検知
センサー(不図示)を設けてあり、該センサーの記録材
検知信号により抵抗発熱体層3に対する通電期間を記録
材12が定着装置Aを通過している必要期間だけに制御
している。
【0045】画像形成スタート信号により不図示の作像
機構が像形成動作して定着装置Aへ搬送された、未定着
のトナー画像11を上面に担持した記録材12の先端が
定着装置寄りに配設した前述のセンサーにより検知され
ると定着フィルム7の回動が開始され、記録材12はガ
イド16に案内されて加熱体1と加圧ローラ10との圧
接部Nの定着フィルム7と加圧ローラ10との間に進入
して、未定着トナー画像面が面移動状態の定着フィルム
7の下面に密着して面ズレやしわ寄りを生じることなく
移動して定着フィルム7と一緒の重なり状態で加熱体1
と加圧ローラ10との定着ニップ部Nを挟圧力を受けつ
つ通過していく。
【0046】記録材12のトナー画像担持面は定着フィ
ルム面に押圧密着状態で定着ニップ部Nを通過していく
過程で加熱体1の熱を定着フィルム7を介して受け、ト
ナー画像11が高温溶融して記録材12面に軟化接着化
する。
【0047】本実施例装置の場合は記録材12と定着フ
ィルム7との分離は記録材12が定着ニップ部Nを通過
して出た時点で行なわせている。
【0048】定着フィルム7と分離された記録材12は
ガイド17で案内されて不図示の排紙ローラへ至る間に
ガラス転移点より高温のトナーの温度が自然降温(自然
冷却)してガラス転移点以下の温度になって固化するに
至り、画像定着済みの記録材12が出力される。 (2)ガラス層100 加熱体1のフィルム接触摺動面に設けた摺動保護・絶縁
材層としてのガラス層100は前述したように、セラミ
ック充填剤を分散させたガラス層である。
【0049】ガラス分は、ほうけい酸鉛(PbO・B2
3・SiO2)、ほうけい酸亜鉛(ZnO・B23・S
iO2)、ほうけい酸ナトリウム(Na2O・B23・S
iO2)、ほうけい酸カルシウム(CaO・B23・S
iO2)、ほうけい酸ビスマス等である。
【0050】セラミック充填剤は、アルミナ(Al2
3 )、ジルコニア(ZrO2 )、窒化ケイ素(Si3
4 )、窒化チタン(TiN)、窒化アルミニウム(Al
N)等が挙げられる。
【0051】該充填剤の大きさ(粒径)はガラスコート
層膜厚の1/10未満にすることが望ましい。
【0052】ガラス層に対するセラミック充填剤の分散
量はガラス分100重量部に対して2〜100重量部が
一般的である。
【0053】ガラス層100の厚さは30μm以上50
0μm以下とした。
【0054】表1に、ガラスと各種セラミックの熱伝導
度と絶縁耐圧を示した。
【0055】
【表1】 表1のように、セラミック充填剤は熱伝導率がガラスの
それよりも格段に大きく、絶縁耐圧は同等か、それ以上
である。このようなセラミック充填剤をガラスに分散す
ることにより、ガラスの熱伝導率を上げることが可能と
なる。またセラミック充填剤分散ガラスの絶縁耐圧もセ
ラミック充填剤を分散していないガラスと同等かそれ以
上を示す。
【0056】従って、セラミック充填剤分散ガラスを加
熱体のフィルム接触摺動面の摺動保護・絶縁材層として
のガラス層100とすることで、熱伝達効率を上げるた
めにガラス層を薄くすることなく、即ち該ガラス層の厚
さは十分な絶縁耐圧を確保できる厚さ設定において、加
熱体1からフィルムへの熱伝達効率を十分良好に確保す
ることが可能となり、記録材12の加熱不足による画像
定着不良の発生を防止することができる。またフィルム
が破れて加圧ローラ10が直接加熱体1に接触してもガ
ラス層100は十分な絶縁耐圧性があるので電気的短絡
・漏電が防止される。
【0057】ガラス層100に分散させるセラミック充
填剤を基板2と同じ材質のものとすることにより、例え
ば基板2がアルミナならセラミック充填剤もアルミナに
することにより、ガラス層100の熱膨張率をガラスだ
けの熱膨張率5×10-6-1からアルミナ基板の熱膨張
率7×10-6-1に近づけることが可能となり、基板2
とガラス層100との熱膨張率差に起因する内部応力発
生による加熱体のそりやガラス層クラックの発生も緩和
又は防止することが可能となる。
【0058】<実施例2>(図3) 上述実施例1のようにセラミック充填剤を分散したガラ
ス層100はセラミック充填剤を入れないガラス層より
も表面粗さが大きくなり、フィルム内面との滑性は低
い。
【0059】本実施例はこの点を改善したものであり、
図3のようにガラス層を2層構成になし、抵抗発熱体層
3を含む基板2の面にセラミック充填剤分散の第1のガ
ラス層100をまずコートし、更にその上にセラミック
充填剤のない第2のガラス層21をコートしたものであ
る。
【0060】第2のガラス層21は第1のガラス層10
0よりも薄くてよく、例えば第1のガラス層100を5
0μmとした場合、第2のガラス層21は5μm程度で
良い。
【0061】第2のガラス層21は薄いので、ガラス層
100・21全体の熱伝達効率はセラミック充填剤分散
の第1のガラス層100により良好に確保されて実質的
に悪化要因にはならない。
【0062】そしてフィルム7はセラミック充填剤を含
まない滑らかな表面の第2のガラス層21の面に接触し
て摺動するので、加熱体1とフィルム7との滑性が良好
に確保される。 <実施例3>(図4) 本実施例から<実施例6>は請求項2又は同3に記載の
発明の実施例である。
【0063】本実施例も画像加熱定着装置としての加熱
装置であり、装置の全体的構成は前述図2と同様である
ので再度の説明を省略する。図4は要部である加熱体部
分の拡大横断面模型図である。
【0064】加熱体1は、セラミックを主体とする絶縁
材層101と、抵抗発熱体層3を有してなり、絶縁材層
101側をフィルム対面側にして該絶縁材層101面に
直接にフィルム7を接触摺動させるようにしてある。
【0065】セラミックを主体とする絶縁材層101は
実施例1・同2の加熱体の基板2と同じく高耐熱性・高
絶縁耐圧性・良熱伝導性の厚さ1mm以下のもので、例
えばAl23 ,Si34 ,AlN,TiNなどが挙
げられ、これ等のセラミックの熱伝導度と絶縁耐圧は前
記表1に示したようにガラスより優れている。
【0066】セラミックを主体とする絶縁材層101は
それ自体熱伝導度がガラス層より格段によいから厚さを
薄くしなくとも加熱体1からフィルム7への熱伝達効率
を十分に確保でき記録材12の加熱不足による像定着不
良を防止でき、また十分な絶縁耐圧を確保できる。
【0067】従って、フィルム7が破れて加圧ローラ1
0が直接に加熱体1に接触しても、加圧ローラ10は加
熱体1のセラミックを主体とする絶縁材層101の面に
接触し、その接触面には抵抗発熱体層3は存在せず、ま
た絶縁材層101の絶縁耐圧は十分なので、電気的短絡
・漏電トラブルは生じない。
【0068】本実施例のものは絶縁材層101とは別の
ガラスコート層はないから、絶縁材層101とそのよう
なガラスコート層との熱膨張差に起因する加熱体のそり
などのトラブルは生じない。
【0069】<実施例4>(図5) 上述実施例3のセラミックを主体とする絶縁材層101
は1000℃以上の高温焼成時にガスを放出する際にで
きた穴等により表面粗さがガラス層の表面より粗く、ガ
ラス層表面よりもフィルム内面との滑性が低いものとな
る。
【0070】本実施例はこの点を改善したものであり、
図5のようにセラミックを主体とする絶縁材層102の
フィルム接触摺動面をガラス層21でコートしたもので
ある。
【0071】このガラス層21は薄いものでよく、5〜
10μm程度にすることができる。ガラス層21は薄い
ので、加熱体1からフィルム7への熱伝達効率はセラミ
ックを主体とする絶縁材層101により良好に確保さ
れ、ガラス層21の存在は実質的な悪化要因にはならな
い。
【0072】そしてフィルム7は滑らかな表面のガラス
層21の面に接触して摺動するので、加熱体1とフィル
ム7との滑性が良好に確保される。
【0073】またガラス層21は薄いから、絶縁材層1
01とそのガラス層21との熱膨張差により加熱体1に
生じる内部応力は小さく、加熱体1のそりやガラス層ク
ラックは実質生じない。
【0074】ガラス層21を実施例1のセラミック充填
剤分散ガラス100としたり、実施例2のような2層構
成100・21のものとすることもできる。
【0075】<実施例5>(図6) 本実施例は加熱体1を、セラミック基板102と、この
基板面に設けた抵抗発熱体層3と、更にその上にコーテ
ィングしたセラミックを主体とする絶縁材層101とで
構成し、絶縁材層101側をフィルム対面側にして該絶
縁材層101面に直接にフィルム7を接触摺動させるよ
うにしてある。
【0076】セラミック基板102は厚さ1mm以下と
し、絶縁材層101は50μm〜200μmの厚さでコ
ーティングしてある。
【0077】この場合、加熱体1の全体強度はセラミッ
ク基板102により保たれるので、フィルム7と直接に
接触摺動する絶縁材層101の厚さを実施例3や同4の
場合よりも薄くして加熱体1からフィルム7への熱伝達
効率を良くすることができる。
【0078】絶縁材層101はコーティングでなく、薄
板材を基板102の抵抗発熱体層3を含む面に貼り合わ
せて形成してもよい。
【0079】また基板102と絶縁材層101の材質は
両者の熱膨張率差による加熱体1のそりなどの発生を緩
和・防止する目的において同じ材質のセラミックを選ぶ
のが望ましい。
【0080】<実施例6>(図7) 本実施例は実施例5においてフィルムの接触摺動面であ
るセラミックを主体とする絶縁材層101の表面に対し
て実施例4と同様の目的において薄いガラスコート層2
1を設けて加熱体1とフィルム7との滑性を向上させた
ものである。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フィルム
加熱方式の加熱装置において、加熱体の絶縁材層として
のガラス層を薄くすることなく、即ちガラス層の厚さは
十分な絶縁耐圧を確保できる厚さ設定において、加熱体
からフィルムへの熱伝達効率を良好に確保することがで
き、しかもヒータ基板と該ガラス層との熱膨張率差に起
因する加熱体のそりやガラス層クラックなどの発生も防
止できる。
【0082】また、絶縁材層としてのガラス層の存在を
不要にして、或は存在させても、該ガラス層の存在に起
因するトラブルの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例装置の加熱体の構成を示す拡大
横断面模型図
【図2】 加熱装置(画像加熱定着装置)の概略構成図
【図3】 第2の実施例装置の加熱体の構成を示す拡大
横断面模型図
【図4】 第3の実施例装置の加熱体の構成を示す拡大
横断面模型図
【図5】 第4の実施例装置の加熱体の構成を示す拡大
横断面模型図
【図6】 第5の実施例装置の加熱体の構成を示す拡大
横断面模型図
【図7】 第6の実施例装置の加熱体の構成を示す拡大
横断面模型図
【図8】 フィルム加熱方式の加熱装置の要部(加熱体
部分)の構成を示す拡大横断面模型図
【符号の説明】
A 画像加熱定着装置の総括符号 1・20 加熱体の総括符号 2 ヒータ基板 3 抵抗発熱体層 6 温度検知素子 7 定着フィルム 8 駆動ローラ 9 従動ローラ 10 加圧ローラ 11 トナー画像 12 記録材 21 ガラス層 100 セラミック充填剤分散ガラス層 101 セラミックを主体とする絶縁材層 102 セラミック基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福沢 大三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 友行 洋二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定支持された加熱体にフィルムを接触
    摺動させ、該フィルムの加熱体側とは反対側の面に被加
    熱材を密着させてフィルムと共に加熱体位置を移動通過
    させて加熱体からフィルムを介して被加熱材に熱エネル
    ギーを付与する加熱装置において、 前記加熱体のフィルム接触摺動面はセラミック充填剤を
    分散させたガラス層で被覆されていることを特徴とする
    加熱装置。
  2. 【請求項2】 固定支持された加熱体にフィルムを接触
    摺動させ、該フィルムの加熱体側とは反対側の面に被加
    熱材を密着させてフィルムと共に加熱体位置を移動通過
    させて加熱体からフィルムを介して被加熱材に熱エネル
    ギーを付与する加熱装置において、 前記加熱体は、少なくとも、セラミックを主体とする絶
    縁材層と抵抗発熱体層を有してなり、絶縁材層側をフィ
    ルム対面側にして該絶縁材層面に直接もしくは他層を介
    してフィルムを接触摺動させたことを特徴とする加熱装
    置。
  3. 【請求項3】 加熱体のフィルム接触摺動面はガラスを
    主体とする表面層であることを特徴とする請求項2記載
    の加熱装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002251084A (ja) * 2000-12-20 2002-09-06 Ricoh Co Ltd 定着装置およびこれを用いた画像形成装置
JP2019078821A (ja) * 2017-10-20 2019-05-23 東芝テック株式会社 ヒータおよび画像形成装置
US11256203B2 (en) 2020-03-10 2022-02-22 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Fuser having a base plate with rounded edges in a heater
WO2023287459A1 (en) * 2021-07-15 2023-01-19 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Reducing friction between fusing belt and pressing member

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JP2019078821A (ja) * 2017-10-20 2019-05-23 東芝テック株式会社 ヒータおよび画像形成装置
US11256203B2 (en) 2020-03-10 2022-02-22 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Fuser having a base plate with rounded edges in a heater
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