JPH05134334A - ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法

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JPH05134334A
JPH05134334A JP11914992A JP11914992A JPH05134334A JP H05134334 A JPH05134334 A JP H05134334A JP 11914992 A JP11914992 A JP 11914992A JP 11914992 A JP11914992 A JP 11914992A JP H05134334 A JPH05134334 A JP H05134334A
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JP
Japan
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silver halide
silver
emulsion
mol
water
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JP11914992A
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Inventor
Toshihiko Yagi
敏彦 八木
Shinya Shimura
慎哉 志村
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デッドグレインが少なく感度、粒状性を改良
した単分散性双晶乳剤とその種晶形成方法の提供。 【構成】 銀塩溶液の母液への添加開始時点から銀核粒
子が実質的に発生しなくなるまでの期間の初めから1/2
以上の期間、母液のpBrを2.0〜−0.7(但し2.0〜0.7の
場合を除く)に保ち、沃化銀が0〜5モル%の乳剤粒子生
成工程を設け、続いて母液のAgX1モル当たり10-5
2.0モルのAgX溶剤存在下に単分散性球形双晶の種粒子
形成工程を設け、次いで銀溶液とハロゲン化物溶液及び
/又はハロゲン化銀微粒子を加えて種粒子を肥大する工
程を有したハロゲン化乳剤の製造法による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料の感光層に用いるハロゲン化銀写真乳剤に関し、詳し
くは単分散性双晶粒子から成るハロゲン化銀写真乳剤の
製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、カラーネガフィルムの高感度及び
スモールフォーマット化が進み、ハロゲン化銀写真感光
材料の高画質化に対する要請は甚だ厳しいものになって
きている。高感度化の要請とは相反的な粒状性に関して
は、ハロゲン化銀乳剤の改良を中心に多く研究がなされ
てきた。
【0003】とりわけ正常晶から成る単分散性ハロゲン
化銀乳剤の粒子サイズ、サイズ分布、粒子内部のハロゲ
ン組成構造、結晶構造のコントロールによる粒状性改良
に対し多くの技術開発がなされた。
【0004】一方従来より高感度写真フィルムに適する
ハロゲン化銀乳剤として双晶粒子から成る多分散の沃臭
化銀乳剤が用いられてきた。双晶からなる乳剤が高感度
化に適する理由は必ずしもは明らかでないが、第1の理
由として大結晶が得やすいことが挙げられる。またハロ
ゲン化銀粒子内の双晶面が写真過程で重要な役割を果た
していると考えられてきた。
【0005】このように優れた特長を有し、広く利用さ
れながら双晶の発生機構については充分な解釈はなされ
ておらず、未だ満足ゆく成長コントロール技術が確立し
ているとは言えない。
【0006】近年になって特公昭58‐36762号、特開昭5
2‐153428号に見られるように写真特性の調整に有利な
単分散性の双晶粒子の成長コントロールが試みられるよ
うになったが、その単分散性のレベルは充分とは言えな
い。
【0007】また特開昭55‐142329号、同58-211143
号、同58-209730号に単分散性のハロゲン化銀結晶の成
長方法が開示されているが、この方法によって得られる
乳剤中に含まれる結晶は双晶の含有率が低く単分散性双
晶粒子から成る乳剤とは言い難い。
【0008】このようにハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ
分布を狭めることにより粒子の利用効率が高まり所謂デ
ッドグレインが減少し、感度、粒状性等に対するメリッ
トが理論的には予想されながらも満足のゆく単分散性双
晶乳剤が得られておらず、乳剤処方の開発による写真性
能の向上が期待されている。
【0009】
【発明の目的】前記した従来技術における解決を要する
問題に基づき、本発明の目的はデッドグレインが少な
く、感度、粒状性が改良された写真乳剤の製造方法を提
供することにある。
【0010】本発明の別の目的は、単分散性の双晶乳剤
の製造方法を提供することにある。
【0011】さらに本発明の別の目的は単分散性の双晶
乳剤を製造するのに適した種結晶の形成方法を提供する
ことにある。
【0012】
【発明の構成】前記問題点を解決し、本発明の目的を達
成する手段として本発明は水溶性銀塩溶液と水溶性ハロ
ゲン化物溶液を保護コロイドの存在下に供給して行うハ
ロゲン化銀写真乳剤の製造方法において、(イ) 水溶性
銀塩溶液の母液への添加が開始された時点からハロゲン
化銀核粒子が実質的に発生しなくなるまでの期間の初期
から1/2以上の期間、母液のpBrを2.0〜−0.7(但し
2.0〜0.7の場合を除く)に保つ沃化銀含有率0〜5モル
%のハロゲン化銀核粒子生成工程を設け、(ロ) 該核粒
子生成工程に続いて、母液のハロゲン化銀1モル当たり
10-5〜2.0モルのハロゲン化銀溶剤の存在下に実質的に
単分散性球形双晶であるハロゲン化銀種粒子を形成する
種粒子形成工程を設け、(ハ) 次いで水溶性銀塩溶液と
水溶性ハロゲン化銀溶液及び/又はハロゲン化銀微粒子
を加えて種粒子を肥大させる成育工程を設けることを特
徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法として構成さ
れる。
【0013】尚、本発明の記述に用いる母液とは、完成
した写真乳剤に到るまでのハロゲン化銀乳剤の調合の場
に供される液(ハロゲン化銀乳剤も含有される。)を言
う。
【0014】本発明の前記核粒子生成工程において形成
されるハロゲン化銀核粒子は0乃至5モル%の沃化銀を
含有する沃臭化銀から成る双晶粒子である。
【0015】双晶とは1つの粒子内に2つ以上の双晶面
を有するハロゲン化銀結晶を意味するが、双晶の形態の
分類はクラインとモイザーによる報文Photographishe
Korrespondenz 第99巻99頁、同100巻、57頁に詳しく述
べられている。同報文中にもあるように、双晶の2つ以
上の双晶面は互いに平行であってもよく平行でなくても
よい。また結晶の外壁は(111)面から成るもの、(10
0)面から成るもの、或いは両方の面から成るものであ
ってよい。
【0016】本発明において双晶核粒子は核粒子生成工
程の初期の1/2以上の期間に亘り保護コロイド水溶液中
の臭素イオン濃度を0.01乃至5モル/リットルすなわち
pBr=2.0〜−0.7に保ち、好ましくは0.03〜5モル/リ
ットル(pBr=1.5〜−0.7)に保ち、水溶性銀塩又は水
溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物を添加することにより得
ることができる。
【0017】本発明における核粒子生成工程とは、保護
コロイド液中に水溶性銀塩が添加開始された時点から新
しい結晶核が実質的に発生しなくなるまでの期間だけで
なくその後に粒子の成長期間を含んでもよく、種粒子形
成工程以前の工程と定義される。本発明において核粒子
のサイズ分布に制限はなく単分散でも多分散でもよい。
ここでいう多分散とは粒径の変動係数が25%以上のもの
を言う。本発明の核粒子としては、少なくとも核粒子全
体数に対して50%以上の双晶粒子を含むことが好まし
く、70%以上含むことがより好ましく、100%であるこ
とが最も好ましい。
【0018】本発明の特徴は核粒子生成工程で得られた
核粒子をハロゲン化銀溶剤の存在の下に熟成し単分散性
の球型粒子から成る種粒子を得る種粒子形成工程を置く
ことによって特性づけられる。ハロゲン化銀溶剤存在下
での熟成(以下単に熟成と称す。)は、大粒子と小粒子
が共存する際、小粒子が溶解して大粒子が成長し、一般
には粒子サイズ分布が広くなると考えられているオスト
ワルド熟成とは異なると思われる。
【0019】本発明者等は、前記核粒子生成工程で得ら
れた核粒子からの種粒子の熟成条件を検討したところ、
0〜5モル%の沃化銀含有率のハロゲン化銀を用いて双
晶核粒子を生成させる前記核粒子生成工程を経た乳剤母
液を10-5〜2.0モル/銀モルのハロゲン化銀溶剤の存在
の下に熟成を進めることによって実質的に単分散性球型
種粒子が形成されることを突止めた。
【0020】かくして得られた種粒子に新たなハロゲン
化銀を沈着させることにより、今まで特に低pBrの調製
条件では得られなかった実質的に単分散性の主として双
晶粒子から成る乳剤の調製が可能になった。
【0021】尚、前記実質的に単分散性とは、粒径に関
する分布の標準偏差を平均粒径の100分率で表した変動
係数が25%未満であることを言う。
【0022】標準偏差/平均粒径×100(%) また実質的に球型粒子とは、電子顕微鏡写真でハロゲン
銀粒子を観察した場合に、(111)面或いは(100)面等
の面が明らかに判別できない程度に丸みを帯びており、
且つ粒子内の重心付近の一点に互いに直交する3次元軸
を設定した場合、粒子平面像の縦、横及び高さ方向の最
大粒子径Lと最小粒子径L′との比CL/L′が1.0〜
2.0、好ましくは1.0〜1.5にある粒子を言う。
【0023】また本発明において該球型粒子が全種粒子
数の60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくはそ
の殆どを占めていることが好ましい。
【0024】本発明の種粒子形成工程で用いられるハロ
ゲン化銀溶剤としては(a)米国特許3,271,157号、同3,5
31,289号、同3,574,628号、特開昭54-1019号、同54-158
917号及び特公昭58-30571号に記載された有機チオエー
テル類、(b)特開昭53-82408号、同55-77737号及び同55
-28929号等に記載されたチオ尿素誘導体、(c)特開昭53
-144319号に記載された酸素又は硫黄原子と窒素原子と
してはさまれたチオカルボニル基を有するAgX溶剤、
(d)特開昭54-100717号に記載されたイミダゾール類、
(e)亜硫酸塩、(f)チオシアネート、(g)アンモニア、
(h)特開昭57-196228号に記載されたヒドロキシアルキ
ル置換したエチレンジアミン類、(i)特開昭57-202531
号に記載された置換メルカプトテトラゾール類、(j)水
溶性臭化物、(k)特開昭58-54333号に記載されたベンズ
イミダゾール誘導体等が挙げられる。
【0025】次に、これら(a)〜(k)のハロゲン化銀溶
剤の具体例を挙げる。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】これらの溶剤は2種以上組み合わせて用い
ることができる。好ましい溶剤としては、チオエーテル
類、チオシアネート類、チオ尿素類、アンモニア、臭化
物が挙げられ、特に好ましくはアンモニアと臭化物の組
み合わせが挙げられる。
【0031】これらの溶剤はハロゲン化銀1モル当たり
10-5乃至2モルの範囲で用いられる。
【0032】また、pHとしては3〜13、温度としては3
0〜70℃が好ましく、特に好ましくはpH6〜12、温度と
しては35〜50℃の範囲である。
【0033】本発明の好ましい実施態様の1例を示せ
ば、pH10.8乃至11.2、温度35乃至45℃でアンモニア0.4
乃至1.0モル/リットルと臭化カリウム0.03乃至0.5モル
/リットルを組み合わせて用い30秒乃至5分間熟成する
ことにより好適な種粒子を含む乳剤が得られた。
【0034】本発明の種粒子形成工程の期間中に熟成を
調整する目的で水溶性銀塩を加えても差し支えない。
【0035】次に本発明におけるハロゲン化銀種粒子を
肥大させる種粒子成育工程はハロゲン化銀の沈澱中、オ
ストワルド熟成中のpAg、pH、温度、ハロゲン化銀溶
媒の濃度及びハロゲン化銀組成、銀塩及びハロゲン化物
溶液の添加スピードをコントロールすることにより達成
される。
【0036】本発明で得られた種粒子を肥大させる条件
としては特開昭51-39027号、同55-142329号、同58-1139
28号、同54-48521号及び同58-49938号にも見られるよう
に水溶性銀塩と水溶性ハライド液をダブルジェット法に
よって添加し、添加速度を粒子の肥大に応じて新核形成
が起こらずオストワルド熟成が起こらない範囲で徐々に
変化させる方法が挙げられる。
【0037】種粒子を肥大させる別の条件として、日本
写真学会昭和58年年次大会要旨集88頁に見られるように
ハロゲン化銀微粒子を加え溶解、再結晶することにより
肥大させる方法も用いうるが前者の方法が好ましい。
【0038】微粒子を肥大させる条件としてはハライド
イオン濃度が1×10-3モル/リットル以上であることが
好ましく、より好ましい範囲としては1×10-2乃至2モ
ル/リットルである。この範囲以下では単分散性のよい
粒子は得られるものの正常晶の比率が高まる。逆にこの
範囲以上になると単分散性の乳剤は得にくい。
【0039】本発明の方法によれば、得られる乳剤中の
全粒子個数の少なくとも50%以上は双晶となり、最適条
件では80%以上になしうる。
【0040】本発明において種粒子を肥大させるときの
ハロゲン化銀組成としては0乃至40モル%の沃化銀を含
有する沃臭化銀であることが好ましく、より好ましくは
0乃至20モル%の沃化銀を含有する沃臭化銀である。
【0041】尚、本発明の種粒子を肥大させる成育工程
において成長速度を促進させる目的で、前記ハロゲン化
銀溶剤を存在させることができる。
【0042】本発明により製造されるハロゲン化銀粒子
は、感光材料に適用する場合、本発明に係る単分散性の
ハロゲン化銀双晶粒子を同一ハロゲン化銀乳剤層におけ
る全粒子の30重量%以上含有していることが好ましい。
より好ましくは50重量%以上である。
【0043】本発明の製造方法により得られるハロゲン
化銀粒子の製造過程において、例えばカドミウム塩、亜
鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩又はそれらの錯
塩、ロジウム塩又はその錯塩等を共存させてもよい。
【0044】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は種々の色
素を用いて分光増感することができる。用いられる色素
にはシアニン、メロシアニン、錯シアニン及び錯メロシ
アニン(即ち、トリ、テトラ及び多核シアニン及びメロ
シアニン)、オキソノール、ヘミオキソノール、スチリ
ル、メロスチリル及びストレプトシアニンを含むポリメ
チン染料が含まれる。
【0045】シアニン分光増感色素には、キノリニウ
ム、ピリジニウム、イソキノリニウム、3H-インドリウ
ム、ベンツインドリウム、オキサゾリウム、オキサゾリ
ニウム、チアゾリウム、チアゾリニウム、イミダゾリニ
ウム、ベンゾオキサゾリウム、ベンゾチアゾリウム、ベ
ンゾセレナゾリウム、ベンツイミダゾリウム、ナフトオ
キサゾリウム、ナフトチアゾリウム、ナフトセレナゾリ
ウム、チアゾリニウム、ジヒドロナフトチアゾリウム、
ピリリウム及びイミダゾピラジニウム第四級塩から導か
れるようなメチン結合によって結合された2つの塩基性
複素環核が含まれる。
【0046】メロシアニン分光増感色素には、バルビツ
ール酸、2-チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダント
イン、2-チオヒダントイン、4-チオヒダントイン、2-ピ
ラゾリル-5-オン、2-イソオキサゾリン-5-オン、インダ
ン-1,3-ジオン、1,3-ジオキサン-4,6-ジオン、ピラゾリ
ン-3,5-ジオン、ペンタン-2,4-ジオン、アルキルスルホ
ニルアセトニトリル、マロノニトリル、イソキノリン-4
-オン及びクロマン-2,4-ジオンから誘導されるような酸
性核とシアニン色素型の塩基性複素環核とが、メチン結
合により結合されたものを含む。
【0047】超増感色素組み合わせを含む有用な色素の
組み合わせも本発明に係るハロゲン化銀乳剤に使用でき
る。分光増感色素と非吸収性添加物からなる超増感組み
合わせもまた本発明に係るハロゲン化銀乳剤に使用で
き、例えば分光増感の過程でチオシアネート、ビス-ト
リアジニルアミノスチルベン、スルホン化芳香族化合
物、メルカプト増感複素環化合物或いはイオダイドを使
用し、更には前に引用せるギルマン著「レビュー・オブ
・ザ・メカニズム・オブ・スーパーセンシタイゼーショ
ン」に記載されているような化合物を含め他の化合物を
も使用することができる。
【0048】上記増感色素の添加時期としては、ハロゲ
ン化銀乳剤の化学熟成(第2熟成とも呼ばれる)開始
時、熟成進行中、熟成終了後、又は乳剤塗布に先立つ適
切な時期等何れの工程でも差し支えない。
【0049】また増感色素を上記写真乳剤に添加する方
法としては、従来から提案されている種々の方法が適用
できる。例えば米国特許3,469,987号に記載された如く
増感色素を揮発性有機溶媒に溶解し、該溶液を親水性コ
ロイド中に分散し、この分散物を乳剤に添加する方法に
より行ってもよい。またさらに本発明の増感色素は、個
々に同一又は異なる溶媒に溶解し、乳剤に添加する前
に、これらの溶液を混合するか、別々に添加することが
できる。
【0050】増感色素をハロゲン化銀乳剤に添加すると
きの色素の溶媒としては、例えばメチルアルコール、エ
チルアルコール、アセトン等の水混和性有機溶媒が好ま
しく用いられる。
【0051】増感色素をハロゲン化銀乳剤に添加せしめ
る場合の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-5
モル乃至2.5×10-2モル、好ましくは1.0×10-4モル乃至
1.0×10-3モルである。
【0052】本発明によるハロゲン化銀粒子は一般的に
施される各種の化学増感法を施すことができる。即ち活
性ゼラチン;水溶性金塩、水溶性白金塩、水溶性パラジ
ウム塩、水溶性ロジウム塩、水溶性イリジウム塩等の貴
金属増感剤;硫黄増感剤;セレン増感剤;ポリアミン、
塩化第1錫等の還元増感剤等の化学増感剤等により単独
に、或いは併用して化学増感することもできる。
【0053】上記硫黄増感剤としては公知のものを用い
ることができる。例えばチオ硫酸塩、アリルチオカルバ
ミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、
p-トルエンチオスルホン酸塩、ローダニンなどが挙げら
れる。その他の硫黄増感剤も用いることができる。
【0054】硫黄増感剤の添加量は、乳剤の感度を効果
的に増大させるのに十分な量でよい。この量は例えばp
H、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなど種々の条件下
で相当の範囲にわたって変化するが、目安としてはハロ
ゲン化銀1モル当たり約10-7モル〜約10-1モル程度が好
ましい。
【0055】硫黄増感の代わりにセレン増感を用いるこ
とができるが、セレン増感剤は、アリルイソセレノシア
ネートの如き脂肪族イソセレノシアネート類、セレノ尿
素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノカルボ
ン酸類及びエステル類、セレノフォスフェート類、ジエ
チルセレナイド等のセレナイド類などを用いることがで
きる。
【0056】添加量は硫黄増感剤と同様に広い範囲にわ
たって変化するが、目安としてはハロゲン化銀1モル当
たり約10-7モルから10-3モル程度が好ましい。
【0057】本発明において、金増感剤としては金の酸
化数が+1価でも+3価でもよく多種の金化合物が用い
られる。代表的な例としては塩化金酸塩、カリウムクロ
ロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオ
ーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、
テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチ
オシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが挙げ
られる。
【0058】金増感剤の添加量は種々の条件により異な
るが目安としてはハロゲン化銀1モル当たり約10-7モル
から10-1モルまでの範囲が好ましい。
【0059】本発明におけるハロゲン化銀粒子の増感法
には他の貴金属、例えば白金、パラジウム、イリジウ
ム、ロジウムのような金属或いはそれらの塩による増感
法も併用できる。
【0060】本発明においては、さらに還元増感を併用
することも可能である。還元剤としては特に制限はない
が公知の塩化第一スズ、二酸化チオ尿素、ヒドラジン誘
導体、シラン化合物が挙げられる。
【0061】還元増感を行う時期はハロゲン化銀粒子の
成長中に行うか、硫黄増感及び金増感の終了後に行うこ
とが好ましい。
【0062】本発明に係るハロゲン化銀粒子には、その
製造工程、保存中或いは現像処理中のかぶりの発生を防
止し、或いは写真性能を安定化させる目的で化学熟成の
終了時、種々の化合物を含有させてもよい。
【0063】例えばアゾール類、例えばベンゾチアゾリ
ウム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾ
ール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイ
ミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾト
リアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプ
トテトラゾール類(特に1-フェニル-5-メルカプトテト
ラゾール)など、またメルカプトピリミジン類、メルカ
プトトリアジン類、例えばオキサゾリンチオンのような
チオケト化合物、更にはベンゼンチオスルフィン酸、ベ
ンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド、ハ
イドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導体、没食子
酸誘導体、アスコルビン酸誘導体等のようなカブリ防止
剤又は安定剤として知られた多くの化合物を加えること
ができる。これらの薬剤は化学熟成後、或いは塗布前に
添加するのが好ましい。
【0064】またハロゲン化銀乳剤のバインダーとして
はゼラチンを始め、種々の親水性コロイドが用いられ
る。
【0065】ゼラチンとしてはゼラチンのみならず誘導
体ゼラチンも包含され、誘導体ゼラチンとしては、ゼラ
チン酸無水物との反応生成物、ゼラチンとイソシアネー
トとの反応生成物、或いはゼラチンと活性ハロゲン原子
を有する化合物との反応生成物等が包含される。
【0066】ここにゼラチンとの反応に用いられる酸無
水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、
無水安息香酸、無水酢酸、無水イサイ酸、無水コハク酸
等が含まれ、イソシアネート化合物としては例えばフェ
ニルイソシアネート、p-ブロモフェニルイソシアネー
ト、p-クロルフェニルイソシアネート、p-トリルイソシ
アネート、p-ニトロフェニルイソシアネート、ナフチル
イソシアネート等を挙げることができる。
【0067】更に活性ハロゲン原子を有する化合物とし
ては、例えばベンゼンスルホニルクロライド、p-メトキ
シベンゼンスルホニルクロライド、p-フェノキシベンゼ
ンスルホニルクロライド、p-ブロモベンゼンスルホニル
クロライド、p-トルエンスルホニルクロライド、m-ニト
ロベンゼンスルホニルクロライド、m-スルホベンゾイル
クロライド、ナフタレン-β-スルホニルクロライド、p-
クロロベンゼンスルホニルクロライド、3-ニトロ-4-ア
ミノベンゼンスルホニルクロライド、2-カルボキシ-4-
ブロモベンゼンスルホニルクロライド、m-カルボキシベ
ンゼンスルホニルクロライド、2-アミノ-5-メチルベン
ゼンスルホニルクロライド、フタリルクロライド、p-ニ
トロベンゾイルクロライド、ベンゾイルクロライド、エ
チルクロロカーボネート、フロイルクロライド等が包含
される。
【0068】またハロゲン化銀乳剤を作成するために親
水性コロイドとして、前記の如き誘導体ゼラチン及び通
常の写真用ゼラチンの他、必要に応じてコロイド状アル
ブミン、寒天、アラビアゴム、デキストラン、アルギン
酸、例えばアセチル含量19〜26%にまで加水分解された
セルロースアセテートの如きセルロース誘導体、ポリア
クリルアミド、イミド化ポリアクリルアミド、カゼイ
ン、例えばビニルアルコールビニルシアノアセテートコ
ポリマーの如きウレタンカルボン酸基又はシアノアセチ
ル基を含むビニルアルコールポリマー、ポリビニルアル
コール-ポリビニルピロリドン、加水分解ポリビニルア
セテート、蛋白質又は飽和アシル化蛋白質とビニル基を
有するモノマーとの重合で得られるポリマー、ポリビニ
ルピリジン、ポリビニルアミン、ポリアミノエチルメタ
クリレート、ポリエチレンイミン等を使用することもで
きる。
【0069】更にハロゲン化銀乳剤には、塗布助剤、帯
電防止剤、スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び写真
性改良(例えば現像促進、硬調化、増感)など種々の目
的で種々の公知の界面活性剤を含んでもよい。
【0070】例えばサポニン(ステロイド系)、アルキ
レンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコー
ル縮合物、ポリエチレングリコールアルキル又はアルキ
ルアリールエーテルポリエチレングリコールエステル
類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポ
リアルキレングリコールアルキルアミン又はアミド類、
シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、グリ
シドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸ポリグリセ
リド、アルキルフェノールポリグリセリド)、多価アル
コールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル類、
同じくウレタン類又はエーテル類などの非イオン性界面
活性剤、トリテルペノイド系サポニン、アルキルカルボ
ン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフ
タレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキ
ルリン酸エステル類、N-アシル-N-アルキルタウリン
類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンアルキルリン酸エステル類などのようなカルボ
キシ、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エ
ステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ
酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫
酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミン
イミド類、アミンオキシド類などの両性界面活性剤、ア
ルキルアミン塩類、脂肪族或いは芳香族第4級アンモニ
ウム塩類、ピリジウム、イミダゾリウムなどの複素環第
4級アンモニウム塩類及び脂肪族又は複素環を含むスル
ホニウム又はスルホニウム塩類などのカチオン界面活性
剤を用いることができる。
【0071】本発明に係るハロゲン化銀乳剤には現像促
進剤として前記の界面活性剤の他に西独特許公開(OL
S)2,002,871号、同2,445,611号、同2,360,878号、英
国特許1,352,196号などに記載されているイミダゾール
類、チオエーテル類、セレノエーテル類などを含有して
もよい。
【0072】またハロゲン化銀乳剤をカラー用の感光材
料に適用するには、本発明に係る緑感性のハロゲン化銀
乳剤、赤感性及び青感性に調節されたハロゲン化銀乳剤
にマゼンタ、シアン及びイエローカプラーをそれぞれ組
み合わせて含有せしめるなどカラー用感光材料に使用さ
れる手法及び素材を充当すればよく、カプラーは分子中
にバラスト基と呼ばれる疎水基を有する非拡散性のもの
が望ましい。カプラーは銀イオンに対し4当量性或いは
2当量性のどちらでもよい。
【0073】また色補正の効果をもつカラードカプラ
ー、或いは現像に伴って現像抑制剤を放出するカプラー
(いわゆるDIRカプラー)を含んでもよい。更にカプ
ラーはカップリング反応の生成物が無色であるようなカ
ップリングでもよい。
【0074】黄色発色カプラーとしては公知の開鎖ケト
メチレン系カプラーを用いることができる。これらのう
ちベンゾイルアセトアニリド系及びピバロイルアセトア
ニリド系化合物は有利である。
【0075】マゼンタ発色カプラーとしてはピラゾロン
系化合物、インダゾロン系化合物、シアノアセチル化合
物などを用いることができ、特にピラゾロン系化合物は
有利である。
【0076】シアン発色カプラーとしてはフェノール系
化合物、ナフトール系化合物などを用いることができ
る。
【0077】更にはカラード・カプラー、DIRカプラ
ーも本発明に係るハロゲン化銀乳剤に使用できる。
【0078】DIRカプラー以外に現像に伴って現像抑
制剤を放出する化合物を本発明に係るハロゲン化銀乳剤
に含んでもよい。
【0079】上記のカプラーは、同一層に二種以上含む
こともできる。また同一の化合物を異なる2つ以上の層
に含んでもよい。
【0080】カプラーをハロゲン化銀乳剤層に導入する
には公知の方法、例えば米国特許2,322,027号に記載の
方法などが用いられる。例えばフタール酸アルキルエス
テル(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートな
ど)、リン酸エステル(ジフェニルフォスフェート、ト
リフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェー
ト、ジオクチルブチルフォスフェート)、クエン酸エス
テル(例えばアセチルクエン酸トリブチル)、安息香酸
エステル(例えば安息香酸オクチル)、アルキルアミド
(例えばジエチルラウリルアミド)など、また沸点約30
℃乃至150℃の有機溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチ
ルの如き低級アルキルアセテート、プロピオン酸エチ
ル、2級ブチルアルコール、メチルイソブチルケトン、
β-メトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセ
テート等に溶解したのち、親水性コロイドに分散され
る。上記の高沸点有機溶媒と低沸点有機溶媒とを混合し
て用いてもよい。
【0081】カプラーがカルボン酸、スルフォン酸の如
き酸基を有する場合には、アルカリ性水溶液として親水
性コロイド中に導入される。
【0082】これらのカプラーは、一般にハロゲン化銀
乳剤層中の銀1モル当たり2×10-3モル乃至5×10-1
ル、好ましくは1×10-2モル乃至5×10-1モル添加され
る。
【0083】本発明を用いて作られる感光材料は色カブ
リ防止剤としてハイドロキノン誘導体、アミノフェノー
ル誘導体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体など
を含有してもよい。
【0084】帯電防止剤としてはジアセチルセルロー
ス、スチレンパーフルオロアルキルリジウムマレエート
共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体とp-アミ
ノベンゼンスルホン酸との反応物のアルカリ塩等が有効
である。
【0085】マット剤としてはポリメタアクリル酸メチ
ル、ポリスチレン及びアルカリ可溶性ポリマーなどが挙
げられる。また更にコロイド状酸化珪素の使用も可能で
ある。
【0086】また膜物性を向上するために添加するラテ
ックスとしては、アクリル酸エステル、ビニルエステル
等と他のエチレン基を持つ単量体との共重合体を挙げる
ことができる。
【0087】ゼラチン可塑剤としてはグリセリン、グリ
コール系化合物を挙げることができ、増粘剤としてはス
チレン-マレイン酸ソーダ共重合体、アルキルビニルエ
ーテル-マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0088】上記のようにして調製されたハロゲン化銀
乳剤を用いて作られる感光材料の支持体としては、例え
ばバライタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプロピレン合
成紙、ガラス紙、セルロースアセテート、セルロースナ
イトレート、ポリビニルアセタール、ポリプロピレン、
例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフ
ィルム、ポリエチレン等があり、これらの支持体はそれ
ぞれの感光材料の使用目的に応じて適宜選択される。
【0089】これらの支持体は、必要に応じて下引加工
が施される。
【0090】本発明に係るハロゲン化銀乳剤を用いて作
られた感光材料は露光後、通常用いられる公知の方法に
より現像処理することができる。
【0091】黒白現像液は、ヒドロキシベンゼン類、ア
ミノフェノール類、アミノベンゼン類等の現像主薬を含
むアルカリ溶液であり、その他アルカリ金属塩の亜硫酸
塩、炭酸塩、重亜硫酸塩、臭化物及び沃化物を含むこと
ができる。
【0092】また該感光材料がカラー用の場合には通常
用いられる発色現像法で発色現像することができる。
【0093】反転法ではまず黒色ネガ現像液で現像し、
次いで白色露光を与えるか或いはカブリ剤を含有する浴
で処理し、更に発色現像主薬を含むアルカリ現像液で発
色現像する。
【0094】処理方法については特に制限はなく、あら
ゆる処理方法が適用できるが、例えばその代表的なもの
としては、発色現像法、漂白定着処理を行い必要に応
じ、さらに水洗、安定処理を行う方式、或いは発色現像
後、漂白と定着を分離して行い必要に応じて、さらに水
洗、安定処理を行う方式を適用することができる。
【0095】前述のハロゲン化銀乳剤は写真感度が著し
く高く、しかも高照度短時間露光に対する特性が改良さ
れ、且つカブリが少ないため多くの感光材料に好ましく
適用される。
【0096】例えば本発明に係る感光材料は白黒一般
用、Xレイ用、カラー用、赤外用、マイクロ用、銀色素
漂白法用、反転用、拡散転写法用等の種々の用途の感光
材料に有効に適用することができる。
【0097】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0098】実施例1 以下に示す溶液を用い沃化銀を1.4モル%含む沃臭化銀
から成る本発明の単分散性球型種乳剤を調製した。
【0099】 A1 オセインゼラチン 50g 臭化カリウム(KBr) 460g 沃化カリウム(KI) 8g 水 2.4l B1 硝酸銀 300g 水を加えて 2l B2 硝酸銀 300g アンモニア水 当量※ 水を加えて 1l ※[Ag(NH3)2+となって溶解するに足る量40℃で撹
拌された溶液A1に溶液B1を20秒間で添加して多分散
の多重双晶からなる核乳剤を作った。この時のpBrは−
0.19から0.35に連続的に変化した。次に溶液B2を20秒
間で添加し、その後1分間の熟成を行った。
【0100】熟成時の臭素イオン濃度は6.0×10-2モル/
リットル、アンモニアの濃度は0.63モル/リットル、pH
は11.0であった。その後直ちにpHが6.0になるまで酢酸
を加えて中和し熟成を止め、常法による脱塩水洗を行い
種乳剤Sem−1を得た。
【0101】Sem−1をレプリカ法による電子顕微鏡に
より観察したところ、平均粒径0.28μで粒子分布変動係
数23%の単分散性球型粒子であることが分かった。この
レプリカ法による電子顕微鏡観察のための試料は、電子
顕微鏡試料技術集(日本電子顕微鏡学会関東支部編、誠
文堂新光社刊、昭和45年5月30日発刊)の第123頁のII
−11項写真乳剤粒子及び現像銀粒子試料の作製法に従っ
て作製した。
【0102】実施例2 沃化銀を0.5モル%含む沃臭化銀から成る本発明の単分
散球型乳剤Sem−2を調製した。調製は実施例1におけ
る溶液A1中の沃化カリウムの量を2.9gに変更した以
外はすべて実施例1と同一操作とした。
【0103】Sem−2を実施例1と同じく電子顕微鏡に
より観察したところ平均粒径0.32μ、粒子分布変動係数
25%の単分散性球型乳剤であった。
【0104】比較例1 実施例1に示した多重双晶から成る多分散双晶核粒子を
熟成する方法を用い沃化銀含有率が8モル%である多分
散沃臭化銀(111)双晶粒子から成る比較種乳剤Sem−
3を調製した。調製は実施例1における溶液A1中の沃
化カリウムの量を46.9gに増量した以外はすべて実施例
1と同一操作であった。
【0105】Sem−3を実施例1と同じく電子顕微鏡に
より観察したところ、平均粒径0.21μ、粒子分布変動係
数33%である多分散の(111)双晶粒子から成る種乳剤
であった。
【0106】実施例3 実施例1及び実施例2で調製した本発明の種乳剤を用い
て次の表1に掲げた条件で、本発明の単分散双晶乳剤E
m−1及びEm−2を成長させた。
【0107】
【表1】
【0108】40℃で撹拌下の溶液A1の種乳剤を加えB
1とC1をダブルジェット法により下記の表2の通りの
添加速度で添加した。添加時のpBrは1.1に保ち、pHは
添加開始時9.0から終了時8.0になるよう連続的に変化し
た。
【0109】
【表2】
【0110】B1とC1の添加終了後、ただちに酢酸に
よりpHを6.0に合わせ、常法により脱銀水洗を行った。
このようにして得られた乳剤の粒子を電子顕微鏡により
観察したところ、Em−1はほぼ100%(111)双晶から
成り約82%で平板状双晶から成る粒子分布変動係数13%
で外接円の直径から求めた平均粒径が0.92μである極め
て単分散性のよい乳剤であった。またEm−2は、ほぼ1
00%(111)双晶から成り約84%が平板状双晶から成る
粒子分布変動係数12%で外接円の直径から求めた平均粒
径が0.85μである極めて単分散性のよい乳剤であった。
【0111】比較例2 比較例1で調製した比較用種乳剤を用いて下記の表3に
掲げた条件で比較乳剤Em−3を成長させた。
【0112】
【表3】
【0113】40℃で撹拌下の溶液A1に種乳剤を加えB
1とC1をダブルジェット法により下記の表4の添加速
度で添加した。添加時のpBrは1.1に保ちpHは添加開始
時9.0から終了時8.0になるよう連続的に変化した。
【0114】
【表4】
【0115】B1とC1の添加終了後ただちに酢酸によ
りpHを6.0に合わせ常法により脱塩・水洗を行った。
【0116】このようにして得られた乳剤の粒子を実施
例1と同じく電子顕微鏡により観察したところ、ほぼ10
0%(111)双晶から成ることが分かったが、Em−3は
平均粒径0.79μでサイズ分布28%と実施例3の本発明の
乳剤に比べ分布が著しく広いものであった。
【0117】実施例4 前記実施例3及び比較例2により作製された乳剤試料E
m−1乃至Em−3をハロゲン化銀含量が0.35モル相当に
なるように分割し、それぞれにチオシアン酸アンモン、
チオ硫酸ナトリウム及び塩化金酸を用いて化学増感を施
し、さらに緑感性増感色素としてアンヒドロ-5,5′-ジ
クロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)オキサ
カルボシアニンヒドロキシド;アンヒドロ-5,5′-ジフ
ェニル-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)オキサ
カルボシアニン;アンヒドロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-ス
ルホプロピル)-5,6,5′,6′-ジベンゾオキサカルボシア
ニンヒドロキシドをそれぞれ20mgづつ加え、さらに4-ヒ
ドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデンと5-フ
ェニル-1-メルカプトテトラゾールを添加した。次に下
記組成の分散物(M−1)を1200ml、サポニン及び1,2-
ビスビニルスルホニルエタンを加えセルローストリアセ
テートベース支持体上に銀量が15mg/dm2となるように
塗布し、乾燥して安定な塗膜を有する試料を得た。この
試料を試料No.1,2とした。
【0118】分散物(M−1) マゼンタカプラーとして1-(2,4,6-トリクロロフェニル)
-3-[3-(2,4-ジ-tert-アミルフェノキシアセトアミド)-
ベンツアミド]-5-ピラゾロンをハロゲン化銀1モルに対
し8×10-2モルを用い、DIR化合物として2-(1-フェ
ニル-5-テトラゾリルチオ)-4-オクタデシルサクシンイ
ミド-1-インダノンをハロゲン化銀1モルに対し0.28モ
ル用いた。これを、高沸点有機溶剤としてカプラーの重
量の1倍量のトリクレジルホスフェートと混合し、さら
にこれら混合物に酢酸エチルを加え60℃に加温して完全
に溶解した。この溶液をアルカノールB(登録商標 デ
ュポン社製アルキルナフタレンスルホネート)の10%水
溶液50ml及びゼラチン10%の水溶液700mlと混合しコロ
イドミルを用いて分散した。これらの試料及び比較試料
をJIS法に基づきKS−1型センシトメーター(コニ
カ〔株〕製)により白色露光を与えたのち、下記の発色
現像処理を行った。
【0119】 [処理工程](37.8℃) 処理時間 1.発色現像 3分15秒 2.漂 白 6分30秒 3.水 洗 3分15秒 4.定 着 6分30秒 5.水 洗 3分15秒 6.安 定 化 1分30秒 7.乾 燥 発色現像液組成: 4-アミノ-3-メチル-Nエチル-N-(β-ヒドロキシエチル)- アニリン硫酸塩 4.8g 無水亜硫酸ナトリウム 0.14g ヒドロキシアミン・1/2硫酸塩 1.98g 硫酸 0.74g 無水炭酸カリウム 28.85g 無水炭酸水素カリウム 3.46g 無水亜硫酸カリウム 5.10g 臭化カリウム 1.16g 塩化ナトリウム 0.14g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 1.20g 水酸化カリウム 1.48g 水を加えて1lとする。
【0120】漂白液組成: エチレンジアミンテトラ酢酸鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミンテトラ酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1lとしアンモニア水を用いてpH6.0に調整する。
【0121】定着液組成: チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.6g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1lとし酢酸を用いてpH6.0に調整する。
【0122】安定化液組成: ホルマリン 1.5ml コニダックス(コニカ〔株〕製) 7.5ml 水を加えて1lとする。
【0123】かくして得られたセンシトメトリー結果を
下記の表5に示す。ここに感度はカブリ+0.1を与える
露光量の逆数の相対値で示した。
【0124】また粒状性は、色素画像濃度がカブリ+0.
7の色素画像を円形走査口径が25μのマイクロデンシト
メーターで走査した時に生じる濃度値の変動の標準偏差
の1000倍値をコントロール試料を100とする相対値で示
した。
【0125】
【表5】
【0126】上記表の結果から、本発明の製造方法によ
り得られた単分散ハロゲン化銀粒子を含む乳剤試料(試
料No.1及び2)は、他の製造方法により作製された乳
剤(試料No.3)に比べて高感度であって、その上粒状
性が著しく改良されることがわかる。また同時に現像時
のデッドグレイン数も少なく、ハロゲン化銀粒子の利用
率も改良されていることもわかった。
【0127】実施例5 以下に示す5種の溶液を調製し、沃化銀含有率が0.5モ
ル%である多重双晶から成る多分散の核乳剤を調製し
た。
【0128】 A オセインゼラチン 25g KBr 50g 蒸留水 5l B オセインゼラチン 17g KBr 625g KI 4.15g 蒸留水で 1665ml C AgNO3 850g 蒸留水で 1665ml D KBr 197g 蒸留水 400ml E 28%アンモニア水 300ml F 56%酢酸 560ml 40℃で撹拌された溶液Aにダブルジェット法にて溶液B
とCを添加した。この時pBrを1.1に保った。添加開始
時の添加速度は毎分35ml添加終了時は毎分80mlとなるよ
う徐々に流速を変化させた。またこの間のpBrは1.1に
保った。添加終了時までに要した時間は33分で添加終了
後、常法による脱塩水洗を行った。この乳剤中のハロゲ
ン化銀結晶を実施例1と同じく電子顕微鏡により観察し
たところ、60%の(111)面からなる多重双晶粒子を含
み、平均粒径0.25μ、サイズ分布35%の多分散乳剤であ
った。
【0129】この乳剤を分割し40℃で臭化カリウム及び
アンモニアを加えることによって熟成し種乳剤を作成し
た。
【0130】このときの熟成条件及び熟成後の粒子の観
察結果を表6に示す。
【0131】
【表6】
【0132】この結果から分かるように熟成条件を厳選
することによってのみ単分散性の球型種乳剤が得られ
た。
【0133】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られる単分散
性ハロゲン化銀粒子を含む乳剤は、高感度で粒状性も改
良され、かつ現像時のデッドグレインが低い特性を有し
ていた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性銀塩溶液と水溶性ハロゲン化物溶
    液を保護コロイドの存在下に供給して行うハロゲン化銀
    写真乳剤の製造方法において、 (イ) 水溶性銀塩溶液の母液への添加が開始された時点
    からハロゲン化銀核粒子が実質的に発生しなくなるまで
    の期間の初期から1/2以上の期間、母液のpBrを2.0
    〜−0.7(但し2.0〜0.7の場合を除く)に保つ沃化銀含
    有率0〜5モル%のハロゲン化銀核粒子生成工程を設
    け、 (ロ) 該核粒子生成工程に続いて、母液のハロゲン化銀
    1モル当たり10-5〜2.0モルのハロゲン化銀溶剤の存在
    下に実質的に単分散性球形双晶であるハロゲン化銀種粒
    子を形成する種粒子形成工程を設け、 (ハ) 次いで水溶性銀塩溶液と水溶性ハロゲン化銀溶液
    及び/又はハロゲン化銀微粒子を加えて種粒子を肥大さ
    せる成育工程を設けることを特徴とするハロゲン化銀写
    真乳剤の製造方法。
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